IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社メカノトランスフォーマの特許一覧

<図1>
  • 特開-アクチュエータ 図1
  • 特開-アクチュエータ 図2
  • 特開-アクチュエータ 図3
  • 特開-アクチュエータ 図4
  • 特開-アクチュエータ 図5
  • 特開-アクチュエータ 図6
  • 特開-アクチュエータ 図7
  • 特開-アクチュエータ 図8
  • 特開-アクチュエータ 図9
  • 特開-アクチュエータ 図10
  • 特開-アクチュエータ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089893
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20220609BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220609BHJP
   F16K 31/02 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
F16K31/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063599
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2021027833の分割
【原出願日】2017-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】502254796
【氏名又は名称】有限会社メカノトランスフォーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100140899
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 如洋
(72)【発明者】
【氏名】徐 世傑
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健
(72)【発明者】
【氏名】矢野 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】八鍬 和夫
(57)【要約】
【課題】圧電素子の熱膨張やクリープによる弁の位置ずれにともなう液漏れを抑制することができるディスペンサを提供する。
【解決手段】液体吐出部材200と、液体吐出部材200からの液体の吐出および遮断を行う弁300と、弁300を駆動する圧電アクチュエータ400とを有するディスペンサ100において、圧電アクチュエータ400は、並列に配置された第1および第2の圧電素子2、3と、これらの変位を拡大して出力する変位拡大機構10とを備える。変位拡大機構10は、圧電素子2、3の一端を固定する固定部材11と、第1の圧電素子2の他端と固定部11に揺動可能に接続された第1のアーム16と、第2の圧電素子の他端と固定部11に揺動可能に接続された第2のアーム19とを有し、圧電素子2、3に互いに反対方向に所定の量変位するように電圧が印加され、第1のアーム16と第2のアーム19が同方向にほぼ同一量変位する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が導入され、導入された液体を吐出する液体吐出部材と、前記液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行う弁と、前記弁を駆動する圧電アクチュエータとを有するディスペンサであって、
前記圧電アクチュエータは、
同じ方向に伸縮変位するように並列に配置され、それぞれ対応する位置に第1の端部および第2の端部を有する第1の圧電素子および第2の圧電素子と、
前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の変位を拡大し、拡大された変位を出力する変位拡大機構と、
前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加して、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子を伸縮駆動させる駆動部と
を備え、
前記変位拡大機構は、
中央に凹部を有するU字状をなし、その底部に前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の前記第1の端部を固定する固定部材と、
前記固定部材の前記凹部を挟んで一方側の側部および前記第1の圧電素子の前記第2の端部に、前記第1の圧電素子の伸縮により前記第1の圧電素子の伸縮方向と直交する方向に揺動可能に接続された第1のアームと、
前記固定部材の前記凹部を挟んで他方側の側部および前記第2の圧電素子の前記第2の端部に、前記第2の圧電素子の伸縮により前記第2の圧電素子の伸縮方向と直交する方向に揺動可能に接続された第2のアームと
を有し、
前記第1のアームと前記第2のアームの先端部が出力部として機能して前記弁を変位させ、
前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子が互いに反対方向に所定の量で変位するように前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加し、これにより前記第1のアームと前記第2のアームが同方向にほぼ同一量の拡大した変位が与えられ、前記第1のアームと前記第2のアームとともに前記弁が変位することにより、前記液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行うことを特徴とするディスペンサ。
【請求項2】
前記液体吐出部材は、本体部と、前記本体部内に形成された、前記弁が挿通される液室と、前記液室に液体を導入する液体導入部と、前記液室の底部に連通する液体吐出口と、前記液室の底部に設けられ、前記弁の先端が着座する弁座とを有することを特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記第1のアームと前記第2のアームの先端部に接続される出力部材をさらに有し、前記弁は前記出力部材により変位されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記液体吐出部材と前記弁とはユニットを構成し、前記ユニットは着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記液体吐出部材は、本体部と、前記本体部内に形成された液室と、前記液室に液体を導入する液体導入部と、前記液室の底部に連通する液体吐出口と、前記液室の底部に設けられた弁座とを有し、
前記弁は、前記液室に挿通される弁本体と、前記弁本体の上端に設けられたフランジと、前記フランジと前記液吐出部材の前記本体部との間に設けられ、弁本体を上方に付勢する付勢手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記圧電アクチュエータの前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に、一方が伸びる方向に、他方がそれに対して縮む方向に変位するように電圧を印加することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記圧電アクチュエータの前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の第1の端子に、前記駆動部の出力電圧を印加し、前記第1の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最小電圧を印加し、前記第2の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最大電圧を印加する駆動回路を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1のアームは、それぞれ可撓性を有するヒンジを介して前記固定部材の前記一方側の側部および前記第1の圧電素子の前記第2の端部に接続され、前記第2のアームはそれぞれ可撓性を有するヒンジを介して前記固定部材の前記他方側の側部および前記第2の圧電素子の前記第2の端部に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に対して、それぞれ伸縮方向に圧縮力を与える第1の与圧機構および第2の与圧機構をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1の圧電素子の前記第2の端部には、第1のキャップ部材が取り付けられ、前記第1のアームは、前記第1のキャップ部材と前記ヒンジにより連結され、
前記第2の圧電素子の前記第2の端部には、第2のキャップ部材が取り付けられ、前記第2のアームは、前記第2のキャップ部材と前記ヒンジにより連結されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記第1のキャップ部材および前記第2のキャップ部材は、それぞれ可撓性を有するヒンジを介して連結部材により連結されていることを特徴とする請求項10に記載のディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出するディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を吐出するディスペンサ(液滴吐出装置)としては、液体を液体流路から液室に供給し、液室に設けられた吐出口を弁(ニードル)により開閉するものが知られており、その弁を駆動する機構として圧電素子と変位拡大機構を組み合わせたものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のディスペンサ(液滴吐出装置)は、圧電素子からなる駆動装置が左右対称に偶数台配置されており、これらの変位を変位拡大機構で拡大して弁(ニードル)に作用させ、吐出口を開閉するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-51399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたディスペンサにおいては複数の圧電素子は同じ方向に伸縮変位する。この場合、周囲の温度に変化があった場合や、圧電素子を高い頻度で駆動して圧電素子自身からの自己発熱によって温度が上昇する場合に、圧電素子の熱膨張により、弁の初期位置が変化することがある。
【0006】
また、圧電素子には、ステップ状の電圧や一定の電圧等を印加した後、時間経過とともに、伸び量が安定せず変化してしまうクリープと称する現象が生じる。クリープは、クローズドループ制御の場合は補正することができるが、オープンループ制御では補正することができない。
【0007】
このように圧電素子の熱膨張やクリープにより弁の位置がずれると、液漏れが生じるおそれがある。
【0008】
したがって、本発明は、圧電素子の熱膨張やクリープによる弁の位置ずれにともなう液漏れを抑制することができるディスペンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)~(11)を提供する。
【0010】
(1)液体が導入され、導入された液体を吐出する液体吐出部材と、前記液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行う弁と、前記弁を駆動する圧電アクチュエータとを有するディスペンサであって、
前記圧電アクチュエータは、
同じ方向に伸縮変位するように並列に配置され、それぞれ対応する位置に第1の端部および第2の端部を有する第1の圧電素子および第2の圧電素子と、
前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の変位を拡大し、拡大された変位を出力する変位拡大機構と、
前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加して、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子を伸縮駆動させる駆動部と
を備え、
前記変位拡大機構は、
中央に凹部を有するU字状をなし、その底部に前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の前記第1の端部を固定する固定部材と、
前記固定部材の前記凹部を挟んで一方側の側部および前記第1の圧電素子の前記第2の端部に、前記第1の圧電素子の伸縮により前記第1の圧電素子の伸縮方向と直交する方向に揺動可能に接続された第1のアームと、
前記固定部材の前記凹部を挟んで他方側の側部および前記第2の圧電素子の前記第2の端部に、前記第2の圧電素子の伸縮により前記第2の圧電素子の伸縮方向と直交する方向に揺動可能に接続された第2のアームと
を有し、
前記第1のアームと前記第2のアームの先端部が出力部として機能して前記弁を変位させ、
前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子が互いに反対方向に所定の量で変位するように前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加し、これにより前記第1のアームと前記第2のアームが同方向にほぼ同一量の拡大した変位が与えられ、前記第1のアームと前記第2のアームとともに前記弁が変位することにより、前記液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行うことを特徴とするディスペンサ。
【0011】
(2)前記液体吐出部材は、本体部と、前記本体部内に形成された、前記弁が挿通される液室と、前記液室に液体を導入する液体導入部と、前記液室の底部に連通する液体吐出口と、前記液室の底部に設けられ、前記弁の先端が着座する弁座とを有することを特徴とする(1)に記載のディスペンサ。
【0012】
(3)前記第1のアームと前記第2のアームの先端部に接続される出力部材をさらに有し、前記弁は前記出力部材により変位されることを特徴とする(1)または(2)に記載のディスペンサ。
【0013】
(4)前記液体吐出部材と前記弁とはユニットを構成し、前記ユニットは着脱可能であることを特徴とする(3)に記載のディスペンサ。
【0014】
(5)前記液体吐出部材は、本体部と、前記本体部内に形成された液室と、前記液室に液体を導入する液体導入部と、前記液室の底部に連通する液体吐出口と、前記液室の底部に設けられた弁座とを有し、
前記弁は、前記液室に挿通される弁本体と、前記弁本体の上端に設けられたフランジと、前記フランジと前記液吐出部材の前記本体部との間に設けられ、弁本体を上方に付勢する付勢手段とを有することを特徴とする(4)に記載のディスペンサ。
【0015】
(6)前記圧電アクチュエータの前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に、一方が伸びる方向に、他方がそれに対して縮む方向に変位するように電圧を印加することを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のディスペンサ。
【0016】
(7)前記圧電アクチュエータの前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の第1の端子に、前記駆動部の出力電圧を印加し、前記第1の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最小電圧を印加し、前記第2の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最大電圧を印加する駆動回路を有することを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載のディスペンサ。
【0017】
(8)前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1のアームは、それぞれ可撓性を有するヒンジを介して前記固定部材の前記一方側の側部および前記第1の圧電素子の前記第2の端部に接続され、前記第2のアームはそれぞれ可撓性を有するヒンジを介して前記固定部材の前記他方側の側部および前記第2の圧電素子の前記第2の端部に接続されていることを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載のディスペンサ。
【0018】
(9)前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に対して、それぞれ伸縮方向に圧縮力を与える第1の与圧機構および第2の与圧機構をさらに有することを特徴とする(1)から(8)のいずれかに記載のディスペンサ。
【0019】
(10)前記圧電アクチュエータにおいて、前記第1の圧電素子の前記第2の端部には、第1のキャップ部材が取り付けられ、前記第1のアームは、前記第1のキャップ部材と前記ヒンジにより連結され、
前記第2の圧電素子の前記第2の端部には、第2のキャップ部材が取り付けられ、前記第2のアームは、前記第2のキャップ部材と前記ヒンジにより連結されていることを特徴とする(1)から(9)のいずれかに記載のディスペンサ。
【0020】
(11)前記第1のキャップ部材および前記第2のキャップ部材は、それぞれ可撓性を有するヒンジを介して連結部材により連結されていることを特徴とする(10)に記載のディスペンサ。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、圧電アクチュエータの第1の圧電素子と第2の圧電素子とに、互いに反対方向に所定の量で変位するように電圧を印加し、第1のアームおよび第2のアームを第1の圧電素子および第2の圧電素子の伸縮方向と直交する同方向にほぼ同一量変位させて、これらにより弁に変位を与えて液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行うので、熱膨張による弁の初期位置のずれや、圧電素子のクリープによる弁の位置ずれを抑制して、液漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態に係るディスペンサを示す部分断面正面図である。
図2図1のディスペンサを示す斜視図である。
図3図1のディスペンサの吐出部材を示す断面図であり、弁により液体吐出口が閉塞された状態を示す図である。
図4図1のディスペンサの吐出部材を示す断面図であり、弁により液体吐出口が開かれた状態を示す図である。
図5】圧電アクチュエータに電圧を印加して弁を上方に移動させた状態を示す図である。
図6】圧電アクチュエータの電圧印加を解除して弁を元に戻した状態を示す図である。
図7】駆動回路の好適な例を示す図である。
図8】圧電素子のクリープ現象を説明するための図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係るディスペンサを示す部分断面正面図である。
図10図9のディスペンサから弁・吐出部材ユニットを取り外した状態を示す部分断面正面図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係るディスペンサの弁・吐出部材ユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るディスペンサを示す部分断面正面図、図2はその斜視図、図3図4は液吐出部材を示す断面図である。
図1に示すように、ディスペンサ100は、液体が導入され、導入された液体を吐出する液体吐出部材200と、液体吐出部材200からの液体の吐出および遮断を行う弁300と、弁300を駆動する圧電アクチュエータ400とを有する。
【0024】
液体吐出部材200は、図3に示すように、本体部201と、本体部201内に形成された弁300が挿通される液室202と、液室202に液体を導入する液体導入部203と、液室202の底部に連通する液体吐出口204と、液室202の底部に設けられ、弁300の先端が着座する弁座205とを有する。
【0025】
弁300は先端が球面のロッド状をなし、鉛直方向である図中Y方向に延びており、液室202は弁300の形状に対応した円柱状をなしている。弁300は、通常、図3に示すように、その先端が弁座205に着座しており、液体吐出口204は塞がれている。この状態では、液体は吐出されない。
【0026】
弁300は、圧電アクチュエータ400によりY方向に昇降駆動されるようになっている。図3の状態から、圧電アクチュエータ400を駆動させて弁300を上昇させることにより、図4に示すように液体吐出口204が開かれて、液体吐出口204から液体が吐出される。
【0027】
圧電アクチュエータ400は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3と、これらの変位を拡大する変位拡大機構10と、第1の圧電素子2および第2の圧電素子を駆動する駆動部30とを有する。
【0028】
変位拡大機構10は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の一端を固定する固定部材11を有している。固定部材11は中央に凹部24が形成されたU字状をなしており、凹部24を挟んで両側が第1の側部11aおよび第2の側部11b、凹部24の底が底部11cとなっている。第1の圧電素子2および第2の圧電素子3は、それぞれ第1与圧機構4および第2与圧機構5により予め圧縮力が与えられた状態で凹部24内に並列に配置されており、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の基端部(第1の端部)が固定部材11の底部11cに固定されている。第1の圧電素子2および第2の圧電素子3は、それらの長手方向である図1のX方向に伸縮変位するようになっている。固定部材11は、ボルトにより基材(図示せず)に取り付けられるようになっており、厚さ方向に貫通する複数の取り付け穴25が設けられている。なお、伸縮変位の縮退動作は、圧電素子が伸びた後に、本来の長さに戻ることを含む。
【0029】
また、変位拡大機構10は、さらに、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の先端部(第2の端部)にそれぞれ設けられた第1のキャップ部材12および第2のキャップ部材13と、第1のキャップ部材12および固定部材11の第1の側部11aの先端部にそれぞれ第1ヒンジ14および第2ヒンジ15を介して接続された第1のアーム16と、第2のキャップ部材13および固定部材11の第2の側部11bの先端部にそれぞれ第3ヒンジ17および第4ヒンジ18を介して接続された第2のアーム19と、第1のキャップ部材12および第2のキャップ部材13を第5ヒンジ21および第6ヒンジ22を介して連結する連結部材23とを有している。第1のアーム16および第2のアーム19は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の長手方向に沿って延びており、同じ長さを有している。
【0030】
第1のアーム16は、第1ヒンジ14および第2ヒンジ15が接続された基端部16aと基端部16aに着脱自在に取り付けられた長尺状の先端部16bを有している。また、第2のアーム19も同様に、第3ヒンジ17および第4ヒンジ18に接続された基端部19aと基端部19aに着脱自在に取り付けられた長尺状の先端部19bとを有する。先端部16bおよび19bとしては、必要な変位に応じて種々の長さのものを用いることができる。
【0031】
なお、第1~第6ヒンジ14,15,17,18,21,22は、可撓性を有する材料によって形成さている。
【0032】
第1のアーム16は、第1の圧電素子2の伸縮変位により、Y方向、すなわち上下方向に揺動可能となっている。すなわち、第1のアーム16は、第1の圧電素子2が伸長した際には、第2ヒンジ15が支点、第1ヒンジ14が力点、第1のアーム16の先端部が作用点となって、第1のアーム16の先端には、てこの原理により第1の圧電素子2の変位方向であるX方向と直交するY方向に沿って上方向に拡大した変位が現れる。また、第1の圧電素子2が縮退した際には、同様の原理により、第1のアーム16の先端部には、下方向に拡大された変位が現れる。
【0033】
一方、第2のアーム19は、第2の圧電素子3の伸縮変位により、Y方向、すなわちA方向およびB方向に揺動可能となっている。すなわち、第2のアーム19は、第2の圧電素子3が伸長した際には、第4ヒンジ18が支点、第3ヒンジ17が力点、第2のアーム19の先端部が作用点となって、第2のアーム19の先端には、てこの原理により第2の圧電素子3の変位方向と直交する下方向に拡大した変位が現れる。また、第2の圧電素子3が縮退した際には、同様の原理により、第2のアーム19の先端部には、上方向に拡大された変位が現れる。
【0034】
このとき、第1のアーム16と第2のアーム19は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3が互いに反対方向に所定量で変位することにより、同じ方向にほぼ同一量の変位で揺動するようになっている。
【0035】
第1のアーム16の先端部および第2のアーム19の先端部には、装着部材61および62により、Y方向に延びる出力部材60が装着されている。出力部材60の下端には上述した弁300が装着されている。なお、出力部材60を用いずに、第1のアーム16および第2のアーム19に直接弁300を装着してもよい。
【0036】
なお、固定部材11、第1のキャップ部材12および第2のキャップ部材13、ヒンジ14,15,17,18,21,22、第1のアーム16、第2のアーム19、連結部材23からなる変位拡大機構10は、ワイヤカット放電加工等の一体加工手段により作製することができる。また、変位拡大機構10を構成する材料としては、インバー合金、スーパーインバー合金、ステンレス鋼等、熱膨張が小さく、比較的熱伝導性のよい材料を挙げることができる。
【0037】
第1の圧電素子2および第2の圧電素子に反対方向に所定の量で変位するように電圧を印加することにより、変位拡大機構10の第1のアーム16および第2のアーム19をA方向またはB方向の同じ方向にほぼ同じ量変位させることができ、数倍~数十倍程度に拡大したY方向の変位を出力部材60に伝達し、弁300を駆動することができる。
【0038】
第1の圧電素子2および第2の圧電素子3は、同じ材料からなっており、同じ大きさを有している。これらは、板状(例えば、10mm×10mm)の圧電体が電極を挟んで複数積層されて全体として直方体(例えば40mmの長さ)として構成されている。第1の圧電素子2および第2の圧電素子3は、側面に電圧を印加するための電気端子(図示せず)を備えており、この電気端子間に電圧が印加されることにより、伸縮するように構成されている。圧電体を構成する圧電材料としては、圧電効果を有するセラミック材料が用いられ、そのような材料として、典型的にはチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O;PZT)を挙げることができる。圧電素子2および3の形状は直方体に限らず、例えば三角柱や六角柱等の多角柱であっても、円柱であってもよい。
【0039】
第1の与圧機構4および第2の与圧機構5は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の伸縮方向に予め圧縮力が与えられるように構成されている。圧電素子は、脆性材料であるセラミックス材料で構成されており、引張り力に対して弱いことから、予め圧縮力を与えることが重要である。
【0040】
第1の与圧機構4は、例えば、第1の圧電素子2の一端面および他端面に固定される一対のヘッドピース40a,40bと、一対のヘッドピース40a,40b間に架け渡されるように設けられた圧縮力付与部材41とを有している。また、第2の与圧機構5は、例えば、第2の圧電素子3の一端面および他端面に固定される一対のヘッドピース50a,50bと、一対のヘッドピース50a,50b間に架け渡されるように設けられた圧縮力付与部材51とを有している。この第1および第2の与圧機構4および5により、第1および第2の圧電素子2および3から生じる力に対して1/5~1/2程度の圧縮力を与える。圧縮力付与部材41、51は例えば2本である。
【0041】
第1および第2の与圧機構4および5を構成する材料としては、圧縮力付与可能な剛性を有し、比較的強度が高く、さらに耐候性や耐食性に優れ、熱膨張係数が小さいものが好ましい。このような材料としては、インバー合金、スーパーインバー合金、炭素繊維、ステンレス鋼を挙げることができる。
【0042】
なお、与圧機構を設けずに変位拡大機構に与圧機構としての機能をもたせてもよい。
【0043】
駆動部30は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に所定の電圧を印加して充放電させることによりこれらを伸縮駆動するドライバー31と、ドライバー31に第1の圧電素子2および第2の圧電素子3を伸縮させるための指令を与える制御部32とを有している。ドライバー31は、電源と駆動回路とを有している。駆動部30は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に、一方が伸びる方向に、他方がそれに対して縮む方向に変位するように電圧を印加することができる。
【0044】
なお、固定部材11の第2の側部11bの下側には、支持部材80が設けられている。支持部材80は、圧電アクチュエータ400の固定部材11を支持するとともに、液体吐出部材200を支持している。
【0045】
このように構成されるディスペンサ100においては、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に電圧が印加されていない状態では、図3に示すように、弁300は、その先端が液体吐出部材200の弁座205に着座しており、液体吐出口204は塞がれていて、液体は吐出されない。
【0046】
この状態から、圧電アクチュエータ400の駆動部30の制御部32からの指令に基づきドライバー31が第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に所定の電圧を与えることにより、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3がX方向に変位し、それにともなって、変位拡大機構10により出力部材60に対して拡大された変位が出力される。
【0047】
このとき駆動部30は、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に互いに反対方向に所定の量で変位するように電圧を印加する。具体的には、図5に示すように、第1の圧電素子2を所定量伸長変位させ、第2の圧電素子3を所定量縮退変位させることにより、第1のアーム16および第2のアーム19の先端部が圧電素子の変位量の数倍から数十倍の変位量で上方に変位する。これにより、図4に示すように、弁300はY方向に上昇駆動されて、液体吐出口204が開かれて、液体吐出口204から液体が吐出される。
【0048】
この状態から第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の電圧印加を解除することにより、図6に示すように、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3が逆方向に変位して元に戻り、第1のアーム16および第2のアーム19の先端部がほぼ同一量下降して出力部材60が元の位置に戻り、弁300は、図3に示すように、その先端が液体吐出部材200の弁座205に着座し、液体吐出口204を塞いで液体の吐出を停止する。
【0049】
以上は液体吐出口204をノーマルクローズにする場合について示したが、電圧を印加していないときに弁300が液体吐出口204が開いた状態となり、電圧を印加したときに、第1の圧電素子2を縮退変位させ、第2の圧電素子3を伸長変位させて、第1のアーム16および第2のアーム19を介して出力部材60とともに弁300を下降させ、液体吐出口204を閉じるノーマルオープンであってもよい。
【0050】
このように、圧電アクチュエータ400においては、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に互いに反対方向に所定の量で変位するように電圧を印加することにより、第1のアーム16および第2のアーム19をほぼ同一量変位させることができ、これにより、出力部材60に上下方向の拡大された変位を与え、弁300を上昇および下降させることができる。
【0051】
このとき、第1の圧電素子2および第2の圧電素子3への電圧印加は、制御部32からの指令に基づいて所定のタイミングで液体(液滴)が吐出されるように制御される。
【0052】
常に第1の圧電素子2および第2の圧電素子3が反対方向に所定の量で変位するような電圧を与えることができる駆動回路としては、図7に示すようなものを好適に用いることができる。
【0053】
図7の駆動回路は、アンプ70を有する。アンプ70は入力端子71を有し、入力端子71には、例えば0~10Vの電圧が入力される(Vin)。本例では、アンプ70は入力電圧を20倍に増幅し、増幅された電圧は出力端子72から出力される(Vout)。出力端子72に接続される電圧は、配線74を介して第1の圧電素子2および第2の圧電素子3の第1の端子に印加される。また、第1の圧電素子2の第2の端子は最小電圧(接地電位(0V))であり、第2の圧電素子3の他方の端子には、アンプ70の最大電圧出力端子73から常に最大電圧である200Vの電圧が印加される。このようにすることにより、基準電圧を100Vにして、常に第1の圧電素子2および第2の圧電素子3に逆方向の電圧が印加され、第1の圧電素子2および第2の圧電素子を反対方向に所定の量で変位させることができる。
【0054】
ところで、ディスペンサ100において、圧電アクチュエータ400を動作させる際に、周囲の温度変化があった場合や、圧電素子を高い頻度で駆動して圧電素子自身からの自己発熱によって温度が上昇する場合に、熱膨張により圧電素子の長さが変化する。その際に、上記特許文献1に示したような従来のディスペンサ(液滴吐出装置)では、圧電素子の長さの変化により、変位拡大機構の出力部の初期位置は変化するため、弁(ニードル)の先端位置が変化して、液体の吐出指令が出されていないときに液漏れが生じるおそれがある。
【0055】
これに対し、本実施形態のディスペンサ100では、圧電アクチュエータ400の第1の圧電素子2と第2の圧電素子3の長さが熱膨張により変化しても、それぞれ第1のアーム16および第2のアーム19を介して拡大された変位が反対方向で同一量となり、その変動がキャンセルされる。そのため、出力部材60の初期位置の変化をほぼゼロとすることができ、これにともなって弁300の初期位置の変化もほぼゼロとすることができるので、弁300が閉じているときの液漏れをほぼ完全に抑制することができる。
【0056】
また、圧電素子には、図8に示すように、ステップ状の電圧や一定の電圧等を印加した後、時間経過とともに、伸び量が安定せず変化してしまうクリープと称する現象が生じる。クリープ速度は時間対数的に減少する。クリープ現象は、クローズドループ制御の場合は補正することができるが、オープンループ制御では補正することができない。したがって、上記特許文献1の技術では、圧電素子のクリープ現象による伸び量の変化による液漏れを抑制するために、圧電素子の制御をフィードバック制御にする必要があるが、制御が複雑になる。
【0057】
これに対し、本実施形態のディスペンサ100では、圧電アクチュエータ400の第1の圧電素子2および第2の圧電素子3にクリープが生じても、これらは互いに反対方向に変位するため、クリープによる長さ変化が相殺され、クリープ現象による位置ずれを軽減することができる。このため、クローズドループ制御を行わなくても液漏れをほぼ完全に抑制することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図9は本発明の第1の実施形態に係るディスペンサを示す部分断面正面図、図10図9のディスペンサから弁・吐出部材ユニットを取り外した状態を示す部分断面正面図、図11は弁・吐出部材ユニットを示す断面図である。
【0059】
本実施形態では、弁と液体吐出部材をユニット化して、弁・吐出部材ユニットを構成し、弁・吐出部材ユニットを着脱可能に構成した例を示す。他の構成は第1の実施形態と同様であるため、同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
液体吐出部材200′は、液体吐出部材200と同様に構成されているが、図10に示すように、ガイド部材81に沿って、外側に移動して取り外し可能となっている。なお、ガイド部材81には、液体吐出部材200′の液体吐出口204に対応する突出部の移動の妨げにならないように切り欠きが形成されている。一方、弁300′は、圧電アクチュエータ400の出力部材60に対して接離可能に構成され、液体吐出部材200′と一体となっている。このように、液体吐出部材200′と弁300′とは一体化されて弁・吐出部材ユニット500を構成し、ユニットごと着脱可能となっている。
【0061】
図11に示すように、弁300′は、弁本体301と、弁本体301の上端に設けられたフランジ302と、フランジ302と液体吐出部材200′の本体部201との間に設けられたコイルばね303とを有する。弁本体301は、先端が球面のロッド状をなし、Y方向に延びるとともに、先端部が液体吐出部材200′の液室202に挿入されている。弁本体301はコイルばね303により上方に付勢されており、弁・吐出部材ユニット500が取り外された状態ではコイルばね303の付勢力により弁本体301は持ち上げられるが、装着された状態では、弁本体301が圧電アクチュエータ400の出力部材60で押さえられることにより、液体吐出部材200′の液体吐出口204を閉塞して液体の吐出を停止することができる。なお、コイルばね303の代わりに板ばね等の他の付勢手段を用いてもよい。
【0062】
このように、圧電アクチュエータ400の出力部材60と弁300′とを切り離して着脱可能に設けても、コイルばね303の作用により弁本体303が出力部材60により押さえられるので、第1の実施形態と同様の動作が可能である。
【0063】
また、液体吐出部材200′と弁300′とを一体化して弁・吐出部材ユニット500を構成し、ユニットごと着脱可能としたことにより、メンテナンス性を著しく高めることができる。
<他の適用>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では圧電素子を与圧機構により予め圧縮力を与えた例を示したが、与圧機構は必須ではない。
【0064】
また、変位拡大機構は、上記実施形態に限定されるものではなく、並列に配置された2つの圧電素子の伸縮変位を、拡大して変位方向に直交する方向の変位として出力するものであればよく、例えば、圧電素子を固定する固定部材の側面に沿って底部に延びるアームを有するものであってもよい。
【0065】
さらに、液体吐出部材および弁の構成についても上記実施の形態に限定されるものでなく、装置設計に応じて適宜の構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0066】
2;第1の圧電素子
3;第2の圧電素子
10;変位拡大機構
11;固定部材
11a;第1の側部
11b;第2の側部
11c;底部
12,13;キャップ部材
14,15,17,18,21,22;ヒンジ
16;第1のアーム
19;第2のアーム
23;連結部材
24;凹部
30;駆動部
60;出力部材
100;ディスペンサ
200,200′;液体吐出部材
300,300′;弁
400;圧電アクチュエータ
500;弁・吐出部材ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クチュエータであって
1の圧電素子と、
2の圧電素子と、
前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加して、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子を伸縮駆動させる駆動部と、
前記第1の圧電素子の第1の基端部および前記第2の圧電素子の第端部を固定する固定部材と、
前記第1の圧電素子の伸縮により前記第1の圧電素子の伸縮方向と異なる方向に揺動可能に接続された第1のアームと、
前記第2の圧電素子の伸縮により前記第2の圧電素子の伸縮方向と異なる方向に揺動可能に接続された第2のアームと、
を有し、
前記第1のアームと前記第2のアームの先端部出力部材が接続され
前記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子が互いに反対方向変位するように前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に電圧を印加し、これにより前記第1のアームと前記第2のアームが同じ向きに変位して、前記出力部材に対して、前記第1の圧電素子の伸縮方向及び前記第2の圧電素子の伸縮方向と異なる方向に拡大された変位が与えられる
ことを特徴とするアクチュエータ
【請求項2】
記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に、一方が伸びる方向に、他方がそれに対して縮む方向に変位するように電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ
【請求項3】
記駆動部は、前記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子の第1の端子に、前記駆動部の出力電圧を印加し、前記第1の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最小電圧を印加し、前記第2の圧電素子の第2の端子に前記駆動部の最大電圧を印加する駆動回路を有する
ことを特徴とする請求項1または請求項に記載のアクチュエータ
【請求項4】
前記固定部材はU字状の形状をしており、前記第1の圧電素子の前記第1の基端部および前記第2の圧電素子の前記第2の基端部は、前記U字状の底部で前記固定部材と固定されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
記第1のアームは、第2のヒンジを介して前記固定部材の前記U字状の形状の一方側の側部および第1のヒンジを介して前記第1の圧電素子の前記第1の基端部の反対側の1の先端部に接続され、
前記第2のアームは、第4のヒンジを介して前記固定部材の前記U字状の形状の他方側の側部および第3のヒンジを介して前記第2の圧電素子の前記第2の基端部の反対側の第2の先端部に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ
【請求項6】
記第1の圧電素子および前記第2の圧電素子に対して、それぞれ伸縮方向に圧縮力を与える第1の与圧機構および第2の与圧機構をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアクチュエータ
【請求項7】
記第1の圧電素子の前記第1の先端部には、第1のキャップ部材が取り付けられ、前記第1のアームは、前記第1のキャップ部材と前記第1のヒンジにより連結され、
前記第2の圧電素子の前記第2の先端部には、第2のキャップ部材が取り付けられ、前記第2のアームは、前記第2のキャップ部材と前記第3のヒンジにより連結されていることを特徴とする請求項5、または請求項5を引用する請求項6に記載のアクチュエータ
【請求項8】
前記第1のキャップ部材および前記第2のキャップ部材は、それぞれ第5および第6のヒンジを介して連結部材により連結されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用し本実施例は少なくとも以下の(1)~(11)を開示する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明によれば熱膨張による弁の初期位置のずれや、圧電素子のクリープによる弁の位置ずれを抑制して、液漏れを抑制することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
さらに、液体吐出部材および弁の構成についても上記実施の形態に限定されるものでなく、装置設計に応じて適宜の構成を採用することができる。
本発明によれば、圧電アクチュエータの第1の圧電素子と第2の圧電素子とに、互いに反対方向に所定の量で変位するように電圧を印加し、第1のアームおよび第2のアームを第1の圧電素子および第2の圧電素子の伸縮方向と直交する同方向にほぼ同一量変位させて、これらにより弁に変位を与えて液体吐出部材からの液体の吐出および遮断を行うので、熱膨張による弁の初期位置のずれや、圧電素子のクリープによる弁の位置ずれを抑制して、液漏れを抑制することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
したがって、本発明は、圧電素子の熱膨張やクリープによる弁の位置ずれにともなう液漏れを抑制することができるディスペンサにも使用できるアクチュエータを提供することを課題とする。