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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089965
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ガスケット
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/12 20060101AFI20220609BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
F16J15/12 B
F16J15/06 A
F16J15/06 P
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069447
(22)【出願日】2022-04-20
(62)【分割の表示】P 2018508656の分割
【原出願日】2016-08-12
(31)【優先権主張番号】1514584.0
(32)【優先日】2015-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】502254213
【氏名又は名称】フレキシタリック インベストメンツ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLEXITALLIC INVESTMENTS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボンド、スティーブン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ショー、スチュアート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラード、デイビッド ピーター
(57)【要約】
【課題】ガスケットを提供すること。
【解決手段】ガスケットの両側の開口の周囲に同心円状のまたは渦巻き状の鋸歯状部を有するガスケットであって、表層材がそのような鋸歯状部に固定され、各表層材が、そのような鋸歯状部の各組と接触する第1の層と、第1の層と接触する第2の層とを含むガスケット。第1の層はポリアリールエーテルケトンまたはポリイミドの層であってもよく、第2の層は黒鉛またはバーミキュライトの層であってもよい。鋸歯状部は、第1の層に傷を与えないように設計されている。傷の無い第1の層は、第2の層にないかもしれない特性、例えば良好な誘電特性を表層材に提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載したガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスケットに関し、特にフランジジョイントシールガスケットに関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0002】
シール用途にガスケットを使用することは、多くの産業で一般的である。ガスケットのよく知られている用途は、容易な組立てと分解のためにおよびより良いシール性のために合わせ面が一般にフランジジョイントの形態である隣接する管または導管の2つの端部の間などの2つの合わせ面の間の流体シールを提供するためである。フランジジョイントシールガスケットは一般に、シールされる導管に一致するサイズの開口を画定する圧縮可能リングと、フランジ合わせ面の寸法に一致する本体とを含む。
【0003】
高圧シール用途では、1つの好ましいガスケットはカンプロファイル(Kammprofile)ガスケットとして知られている。これは効果的に、一方または両方の接合面上に一連の同心円状の鋸歯状部すなわち蛇腹様の輪郭を有するガスケットである。輪郭は、一連の同心円状の鋸歯状部によって、通常は金属である中実コアに重ね合わされる。シーリングプロセスの間、上に横たわる(一般に表層材とよばれる)圧縮可能リングのより軟質なシール材料が鋸歯状部間の間隙に押し込まれ、応力集中をシール表面におよびシール性のわずかな不完全性をフランジ上に誘導することによって、シール性を改善する。鋸歯状部はまた表層材のシール材料の横の移動を最小化する一方、金属コアは剛性および吹出し抵抗性を提供する。このような輪郭は、ガスケットに高圧用途向けに追加の強度を付加する。用途に依存して、表層材は、例えば、膨張黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のもの、または雲母もしくは薄片化バーミキュライトなどの層状ケイ酸塩材料のものであってよい。
【0004】
カンプロファイルガスケット中の表層材は、圧縮可能であること、良好なシール性を提供すること、およびクリープに耐えることが要求される。ガスケットの意図された用途に応じて、表層材は、1種以上の良好な耐薬品性、良好な耐高温性および良好な誘電特性を有することが要求される場合がある。
【0005】
別の効果的なガスケットは、Flexitallic Ltd.によって米国および欧州(EU)登録商標「Change」の下で販売されている。これは、比較的厚いストリップまたはチャネル状の巻線を有する渦巻き型ガスケットのかなり改善されたタイプであり、チャネルの基底部はチャネルの側腹部または翼よりも厚い。優れた機械的特性が達成される。このタイプのガスケットのさらなる情報は、(特許文献1)中に見ることができる。
【0006】
しかしながら、本発明者らの見解では、要求され得る全ての特徴を有する表層材用の材料を見つけることは可能だと証明されなかった。例えば、優れた耐熱性を有する材料は、適切な耐薬品性も良好な誘電特性も有さない場合がある。例は黒鉛および薄片化バーミキュライトである。これらの一般的に使用される材料は、優れた耐熱性および耐薬品性を有するが誘電特性が劣る、すなわち、黒鉛は本質的に導電体であり、薄片化バーミキュライトは水を含み、水がその絶縁抵抗を低下させる。これらの特性は、良好な誘電特性を要求するガスケットにおいて、例えば、パイプラインのフランジジョイントが電気的に隔離される必要がある場合、または陰極保護が採用される場合、これらの材料の使用を制限する。これは特に、パイプラインが、エチレンオキシドまたは精製炭化水素など可燃性または爆発性の物質を含むときにあてはまる。
【0007】
表層材材料として使用される別の材料はポリテトラフルオロエチレンである。これは良好な誘電特性および良好な耐薬品性を有するが、その耐熱性および機械的特性に関して妥協が存在し、それが特定の用途におけるその使用を妨げる。
【0008】
そのような制限の結果として、特定の厳密な使用状況で使用するのに十分に良好な機械的特性、耐薬品性、および誘電特性を有する表層材材料は存在しない、すなわち万能で最良の表層材材料は存在しない。その結果、さまざまな種類のカンプロファイルガスケットまたは改良された渦巻き型ガスケット(「Change」(登録商標)ガスケット)が異なる状況で使用するために提供されており、そのようなガスケットの特性に関して妥協しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2010/100469号
【特許文献2】特開2010-159852号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0118510号明細書
【特許文献4】特開2013-052680号公報
【特許文献5】特開2009-115161号公報
【特許文献6】米国特許第06092811号明細書
【特許文献7】特表2008-514890号公報
【特許文献8】特開2011-144881号公報
【特許文献9】特表2012-519261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、既存のカンプロファイルガスケットの欠点のいくつかまたは全てが克服されるカンプロファイルガスケットを提供しようとしている。
代わりにまたはそれに加えて、本発明者らは、そのようなガスケットの欠点のいくつかまたは全てが克服される改良された渦巻き型ガスケット(「Change」(登録商標)ガスケット)を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、
-開口が形成された剛性コアであって、同心円状の鋸歯状部の組がコアの両側で開口の周りに設けられ、表層材が同心円状の鋸歯状部の各組に固定される剛性コアを有し、
または、
-渦巻き状に巻かれたストリップであって、ストリップがチャネル状であり、中央領域と、中央領域の両側の側方領域とを有し、ストリップの中央領域の全体厚さが、その側方領域の全体厚さよりも大きく、ストリップは、ストリップの側方領域が両側で渦巻き状の鋸歯状部を呈する渦巻きを形成するように巻かれ、表層材が渦巻き状の鋸歯状部のそれぞれに固定される、渦巻き状に巻かれたストリップを含み、
各表層材が、同心円状の鋸歯状部の各組と接触するかまたは渦巻き状の鋸歯状部と接触する第1の層と、第1の層と接触する第2の層とを含むガスケットが、提供される。
【0012】
第1の層を設けることにより、第2の層に存在しないまたは不十分な機械的、化学的または電気的特性を導入または増強することが可能になる。例えば、第2の層が不十分な誘電特性を有する場合、優れた誘電特性を有する第1の層が使用されてもよい。好ましくは、第1の層は、同心円状の鋸歯状部または渦巻き状の鋸歯状部の形状に従うことができる。
【0013】
適切には、第1の層は、同心円状の鋸歯状部または渦巻き状の鋸歯状部によって引き起こされる穿孔に抵抗することができる。鋸歯状部はこの達成を補助するように設計されてもよい。これについてはさらに説明する。
【0014】
適切には、第1の層は予め形成されたフィルムを含む。適切には、第2の層の材料と第1の層のフィルムとが1つにされて表層材を形成する。
代替実施形態では、流動可能なコーティングを第2の層に塗布することができる。流動可能なコーティングは、乾燥または硬化して第1の層を形成することができる。
【0015】
第1の層はその機能を果たすのに十分な厚さを有することが重要である。驚くべきことに我々は比較的薄い第1の層が表層材の全体的な特性に大きな違いをもたらし得ることを見出した。我々は第1の層が適切に少なくとも50μmの平均厚さを有し好ましくは少なくとも75μmの平均厚さを有する本発明の実施形態において良好な性能の向上が達成され得ることを見出した。
【0016】
表層材の全体的な特性に最大可能な違いをもたらすために第1の層を厚くするべきであるということが予想されていたかもしれない。しかしながら、我々は驚くべきことに、厚い第1の層は特定の点でカンプロファイルガスケットのまたは改良された渦巻き型ガスケット(「Change」(登録商標)ガスケット)の機能に悪影響を及ぼし得ることを見出した。我々は第1の層は300μm以下、好ましくは200μm以下の平均厚さを適切に有することを見出した。
【0017】
したがって、我々は第1の層が50~300μmの範囲の平均厚さを有すると好ましく、75~200μmの範囲の平均厚さを有すると最も好ましいことを見出した。
適切には、第1の層は、同心円状の鋸歯状部の各組に、または各渦巻き状の鋸歯状部に、接着剤組成物によって固定される。
【0018】
適切には第1の層は接着剤組成物によって第2の層に固定される。
第1の層と第2の層は一緒に固着されて結合表層材を形成し、次いでこれは同心円状の鋸歯状部または渦巻き状の鋸歯状部に固定される。
【0019】
好ましくは、第1の層を使用することから所望の恩恵を得るために、第1の層は第2の層に完全に横たわる。例えば、第2の層が黒鉛である場合、良好な誘電特性を有する第1の層は、ガスケットが絶縁抵抗の恩恵を有するために、黒鉛を完全に覆わなければならない。適切には、第1の層は、第2の層と同じフットプリントを有するか、または第2の層のフットプリントを越えて広がるフットプリントを有する。
【0020】
適切な第1の層は、実質的に非圧縮性の、またはほとんど圧縮しない材料である。適切には、それは、そのバルク構造により許された非常に限定された範囲まで圧縮可能な未膨張熱可塑性材料である。
【0021】
適切には、第2の層は圧縮可能な材料であり、好ましくは特にシートまたは繊維質の形態であってもよい。使用時に、ガスケットが圧縮荷重下に管または導管の対向する表面の間に配置されるとき、第2の層は圧縮される。典型的には使用時の第2の層の圧縮は、30~90%の使用時圧縮範囲内、より典型的には40~80%、最も典型的には50~70%の間の圧縮である。いずれの場合も、第2の層は、典型的には30%を超える圧縮、より典型的には40%を超える圧縮、最も典型的には50%を超える使用時圧縮を有する。
【0022】
適切には、使用前の未圧縮時の第2の層の平均厚さは、少なくとも0.2mm、好ましくは少なくとも0.4mm、および少なくとも0.5mmであり、いくつかの実施形態では少なくとも0.6mmである。
【0023】
適切には、使用前の未圧縮時の第2の層の平均厚さは、最大4mm、好ましくは最大2mm、最も好ましくは最大1mmである。
好適には、使用前の未圧縮時の第2の層の厚さは第1の層の厚さを超える。好適には、使用前の未圧縮時の第2の層の厚さ対第1の層の厚さの比は、少なくとも2、好ましくは少なくとも3、最も好ましくは少なくとも4である。
【0024】
適切には、使用時に圧縮されたときの第2の層の厚さは、第1の層の厚さを超える。好適には、使用時に圧縮されたときの第2の層の厚さ対第1の層の厚さの比は、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2である。
【0025】
第1の層と反対の第2の層の側と接触する第3の層を設けることは、本発明の実施において除外されない。第3の層が設けられる場合、それは第2の層および/または第1の層にないか不十分である機械的、化学的または電気的特性を導入または増強し得る。第3の層が使用される場合、それは第1の層と同一であってもよく、または異なっていてもよい。異なる場合、それは好ましくは概ね第1の層に関して上述したとおりである。しかしながら、好ましい実施形態において、表層材は第1の層と第2の層のみで構成される。
【0026】
良好な機械的特性、ならびに良好な耐熱性および耐薬品性と並行して良好な誘電特性を有するカンプロファイルガスケットまたは改良された渦巻き型ガスケット(「Change」(登録商標)ガスケット)を得るには特別の困難がある。これより説明される本発明の好ましい実施形態はこの特別の困難に対処し、従って誘電特性の改善を達成する一方で他の特性を維持することに重点を置く。しかしながら、これは本発明の例であること、および第2の層の材料中の不足している特性を導入または増強するために第1の層を使用するという原理はより一般的な適用可能性の原理であることを理解されたい。
【0027】
いくつかの既存のガスケットでは、単層表層材は黒鉛であり、黒鉛は優れた機械的特性ならびに耐熱性および耐薬品性を有するが導電体であり、誘電特性が極めて劣る。これにより既存のガスケットは、フランジジョイントの電気的絶縁を必要とするパイプライン用のガスケットとして、または陰極保護システムのガスケットとして不適切となる。これは特に、パイプラインがエチレンオキシドまたは精製炭化水素などの可燃性または爆発性の物質を含むときにあてはまる。他の既存のガスケットでは、単層表層材は、層状ケイ酸塩製品、例えば薄片化バーミキュライトのものである。しかしながら、薄片化バーミキュライトはまた、その構造中の水のために劣った誘電特性を有する。
【0028】
本発明によれば、第1の層は、高い耐熱性、高い耐薬品性および高い絶縁耐力の少なくとも1つを有する熱可塑性または熱硬化性ポリマーから好ましくは形成される。好ましいポリマーは、高い耐熱性、高い耐薬品性および高い絶縁耐力の少なくとも2つを有する。特に好ましいポリマーは、高い耐熱性、高い耐薬品性および高い絶縁耐力の3つ全てを有する。
【0029】
適切には、第1の層は、好ましくは以下のクラスから選択される熱可塑性ポリマーを含む、またはそれからなる:
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(その特に好ましい例はポリエーテルエーテルケトン、PEEKである)
ポリイミド(PI)
フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)
ポリエーテルイミド(PEI)
ポリエーテルスルホン(PES)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー(E-CTFE)
エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)
ポリカーボネート(PC)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)。
【0030】
あるいは、第1の層は、好ましくは以下のクラスから選択される熱硬化性ポリマーを含んでもよい、またはそれらから構成されてもよい:
シリコーンポリマー
ポリイミド(熱硬化性)
ビス-マレイミド(BMI)
エポキシポリマー
フタロニトリル樹脂。
【0031】
記載される熱可塑性および熱硬化性ポリマーは、未充填で使用されてもよく、または、無機包含物、例えばガラス繊維またはガラス微小球で充填されてもよい。現在入手可能な製品には、ポリカーボネート-30重量%ガラス繊維フィルム、およびポリテトラフルオロエチレン-25重量%ガラス繊維フィルムが含まれる。
【0032】
以下のポリマーは良好な耐熱性を、良好な耐薬品性および誘電特性などの他の適切な特性に加えて有し、第1の層での使用に好ましい:
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(その特に好ましい例はポリエーテルエーテルケトン、PEEKである)
ポリイミド(PI)
フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)
ポリエーテルイミド(PEI)
ポリエーテルスルホン(PES)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
【0033】
第1の層としての使用に特に好ましいポリマーは、ポリイミド(PI)およびポリアリールエーテルケトン(PAEK)であり、特にポリエーテルエーテルケトン、PEEKである。これらの材料は、優れた誘電特性、耐熱性および耐薬品性、ならびに厳しい使用条件の間にカンプロファイルの同心円状の鋸歯状部と接触したときに層の一体性を保持するのに適した機械的特性を有する。ポリアリールエーテルケトンは、主鎖アリール(一般にフェニル)、ケトンおよびエーテル基の存在を特徴とするポリマーのクラスである。それらは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)およびポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)を含むポリマーのいくつかの重要なサブクラスを含む。
【0034】
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、本発明で使用するのに特に好ましいクラスのポリアリールエーテルケトンであり、以下の構造によって一般に例を示されてもよい。
【0035】
【化1】
ポリエーテルエーテルケトンのフィルムは、Victrexから調達することができる。
【0036】
他のポリアリールエーテル化合物は、以下の構造を有する。
ポリエーテルケトン(PEK)は、以下の構造を有する。
【0037】
【化2】
ポリエーテルケトンケトン(PEKK)は以下の構造を有する。
【0038】
【化3】
ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)は以下の構造を有する。
【0039】
【化4】
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)は以下の構造を有する。
【0040】
【化5】
ポリイミドは、二無水物とジアミンとの反応によって、または二無水物とジイソシアネートとの反応によって形成され、以下の一般構造を有する。
【0041】
【化6】
ポリイミドは熱可塑性または熱硬化性であってよい。
【0042】
ポリイミドは、商標ユーピレックス(UPILEX)(宇部興産の登録商標)の下でフィルムの形態で入手可能である。ユーピレックス(UPILEX)はビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合反応の生成物であり以下の構造を有すると考えられる。
【0043】
【化7】
フッ素化エチレンプロピレンコポリマーは、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンのコポリマーである。それらはデュポンから調達することができる。
【0044】
ポリエーテルイミドは、主鎖エーテル基を有するアリーレンポリマーである。それらはSabicから調達することができる。
ポリエーテルスルホンは、サブユニット-O-アリール-SO-アリールによって特徴付けられる。それらはGoodfellow Corp.から調達することができる。
【0045】
ポリテトラフルオロエチレンはテトラフルオロエチレンのポリマーであり、デュポンから調達することができる。
エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマーは、部分フッ素化、部分塩素化脂肪族コポリマーである。それらはソルベイから調達することができる。
【0046】
エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンよりも低いフッ素化度を有する脂肪族フッ素化ポリマーである。それらはデュポンから調達することができる。
【0047】
ポリカーボネートは、ポリマー主鎖中にカーボネート基(-O-(C=O)-O-)を含むアリーレンポリマーである。それらはTekraから調達することができる。
ポリクロロトリフルオロエチレンは、脂肪族塩素化およびフッ素化ポリマーである。それらはAllied Signalから調達することができる。
【0048】
ポリフッ化ビニリデンは、脂肪族フッ素化ポリマーである。それはソルベイから調達することができる。シリコーンポリマーは分岐ポリシロキサン材料であり、Tego Chemieから調達することができる。
【0049】
ビス-マレイミド(BMI)は、ジアミンと無水マレイン酸との縮合反応によって製造することができる。それらは熱硬化性ポリマーの比較的若いクラスである。BMIポリマーのさらなる情報は、ウェブページ:https://polycomp.mse.iastate.edu/files/2012/01/6-Bismaleimide-Resins.pdfで見ることができる。
【0050】
エポキシポリマーは、エポキシ含有前駆体、例えばビスフェノールAまたはFが硬化剤、典型的には酸、酸無水物、フェノール、アルコール、チオールまたは(最も一般的に)およびアミンによって硬化されるポリマーであり、エポキシポリマーはAlchemie Ltd.から調達することができる。
【0051】
フタロニトリル樹脂はビスフタロニトリルモノマーおよび芳香族ポリアミンを含む種々の硬化剤から誘導される。さらなる情報は、ウェブページ:http://fire.nist.gov/bfrlpubs/fire96/PDF/f96127.pdfで見ることができるウェブページ:フタロニトリル樹脂/複合材の燃焼性能、S.B.Sastri、J.P.Armistead,T.M.KellerおよびU.Sorathiaで見ることができる。
【0052】
本発明での使用に好ましいポリマーは、ASTM F152-95(2009)の方法に従って引張り特性を試験した場合に、少なくとも50%、好ましくは少なくとも100%、最も好ましくは200%の破断値までの伸びを有する。加えられた応力に応答して伸張する第1の層の能力は、ガスケットアセンブリの良好な結果を達成するのに重要であると考えられる。
【0053】
本発明によれば、第2の層は、劣った誘電特性を有し、これまでは高い絶縁強度を必要とする特定の適用領域から除外されたであろう材料を含む広範囲の材料から選択されてもよい。好ましくは第2の層の材料は、優れた耐熱性を有する。第2の層に好ましい材料は、層状ケイ酸塩、セラミックおよび黒鉛を含む無機材料である。第2の層に特に好ましい材料には、層状ケイ酸塩および黒鉛が含まれる。本明細書における層状ケイ酸塩という用語は、雲母およびバーミキュライトを含む。そのような材料の混合物を使用することができる。本明細書におけるバーミキュライトという用語は、黒雲母、ハイドロバイオタイト(hydrobiotite)および金雲母(phlogopite)(この分野での名称は論争中である)と呼ばれることもある材料を含むことに留意されたい。雲母はそれらの良好な誘電特性のために興味深い。
【0054】
本発明での使用に好ましいバーミキュライトは薄片化バーミキュライトである、またはそれを含み、薄片化バーミキュライトは化学的に薄片化されたバーミキュライト(CEV)、または熱的に薄片化されたバーミキュライト(TEV)、またはCEVとTEVの混合物であってもよい。それは他の鉱物と混合されてもよい。したがって、他の好ましい材料は、他の鉱物、例えばタルク、雲母、および黒鉛の1つまたは複数との混合物中の、薄片化バーミキュライト(CEV、またはTEV、またはCEVとTEVの混合物を含んでもよい)を含む。
【0055】
第2の層に特に好ましい材料には、薄片化バーミキュライトおよび膨張黒鉛が含まれ、いずれの場合もそれ自体であるまたはさらなる鉱物材料と混合される。
したがって、第2の層の材料の誘電特性が劣っていた場合でも、ガスケットは第1の層に適切な材料を選択すると、全体的に良好な誘電特性をなおも有することができる。
【0056】
1つの好ましい実施形態では、第1の層はポリイミドを含み、またはそれから構成され、第2の層は薄片化バーミキュライトを含む、またはそれからなる。
1つの好ましい実施形態では、第1の層はポリエーテルエーテルケトンを含み、またはそれから構成され、第2の層は薄片化バーミキュライトを含む、またはそれからなる。
【0057】
1つの好ましい実施形態では、第1の層はポリイミドを含み、またはそれから構成され、第2の層は膨張黒鉛を含む、またはそれからなる。
1つの好ましい実施形態において、第1の層はポリエーテルエーテルケトンを含み、またはそれから構成され、第2の層は膨張黒鉛を含む、またはそれからなる。
【0058】
別の実施形態では、第1の層はポリテトラフルオロエチレンを含み、またはそれから構成され、第2の層は薄片化バーミキュライトを含む、またはそれからなる。
別の実施形態では、第1の層はポリテトラフルオロエチレンを含み、またはそれから構成され、第2の層は膨張黒鉛を含む、またはそれからなる。
【0059】
ポリテトラフルオロエチレンは良好な誘電特性および良好な耐薬品性を有するが、その耐熱性および機械的特性に関して妥協点があり、それにより特定の厳密な用途でのその使用が阻まれることが上で言及された。この記述は、表層材材料としてのポリテトラフルオロエチレンの使用に関連した。ポリテトラフルオロエチレンは、本発明において、表層材の第1の層の材料として依然として価値があり得る。ポリテトラフルオロエチレンの第1の層は、表層材の絶縁抵抗および耐薬品性を向上させることができるが、本発明の好ましい実施形態では、表層材の主要質量または全体質量を形成せず、そのバルク特性を決定しない。
【0060】
上記および請求項1に示されているように、本発明は、剛性コアであって、開口と、コアの両側の開口の周囲の同心円状の鋸歯状部の組とが形成された剛性コアを有するガスケットのタイプで、すなわちカンプロファイルガスケットで実施することができる。以下の段落は、本発明での使用に特に適したカンプロファイルガスケットを記載する。
【0061】
本発明によれば、および多くの既存のカンプロファイルと対照的に、同心円状の鋸歯状部は好ましくは鋭い頂を有していない。
本発明による1つの実施形態では、カンプロファイルの同心円状の鋸歯状部は、丸みを帯びた先端で、または切断されたすなわち先の切り取られた先端で終端する頂を有していてもよく、またはそれらは横方向断面(カンプロファイルの半径方向断面)において全体的に滑らかまたは丸みを帯びた輪郭であってもよい。頂に達する各鋸歯状部の2つの面がある場合、それらは適切に少なくとも100°の鈍角をなす。
【0062】
本発明によれば、および既存のカンプロファイルと対照的に、同心円状の鋸歯状部は、鋭い谷で終端しない。
本発明による1つの実施形態では、同心円状の鋸歯状部は、丸みを帯びた谷で、または切断されたすなわち先の切り取られた谷で終端してもよく、またはそれらは横方向断面(カンプロファイルの半径方向断面)において全体的に滑らかまたは丸みを帯びた輪郭であってもよい。谷に達する各波形部分の2つの面がある場合、それらは適切に好ましくは少なくとも100°の鈍角をなす。
【0063】
そのような実施形態は、カンプロファイルの波形部分の形状の再考を意味するが、それらは依然として頂と谷の輪郭を採用する。しかしながら、代替実施形態では頂はなく、谷のみが存在してもよい。このように、そのような実施形態では、カンプロファイルの同心円状の鋸歯状部は同心円状の溝の形態であり、溝は好ましくは横方向断面(カンプロファイルの半径方向断面)において丸みを付けられ、好ましく同心円状の平坦部分によって分離される。適切には、この実施形態では、カンプロファイル表面は、頂と谷を形成するように表面を機械加工することによって形成されるのではなく、同心円状の溝のみを形成するように掘られる。好ましくは、同心円状の溝は、その横方向断面において円の弧を、好ましくは90°から180°の弧を、好ましくは100°から160°の弧を画定する。
【0064】
本発明で使用されてもよいカンプロファイルガスケットのコアは任意の設計のものであってよい。例えば、それは表層材のリング形状と実質的に一致するリング形状であってもよく、それは鋸歯状部および表層材を越えて延びる一体的なルートコアを有してもよく、それは鋸歯状部および表層材を越えて延びる別個のルーズにフィットするルートコアを有してもよく、またはそれは鋸歯状部および表層材を越えて外側に延びる突起またはラグを有してもよい。ガスケットのコアは好適には鋼である。
【0065】
上におよび請求項1に示すように、本発明は、別のタイプのガスケットで、すなわち、渦巻き状に巻かれたストリップを有するガスケットで実施することができ、ストリップは入れ子状に巻かれたチャネルの形状である。そのようなチャネル形状のストリップ(トラフ状ストリップとよばれることもある)は、中央領域と、中央領域の両側の側方領域とを有する。いくつかの実施形態では、各側方領域と中央領域との間に不連続性が存在してもよく、例えば、湾曲また曲折、あるいは明確に定められた角度が存在してもよい。他の実施形態では、ストリップは一方の側から他方の側へ滑らかに湾曲してもよいが、依然として各側方領域の間に中心領域を有すると言える。適切には、その中央領域におけるストリップの全体厚さは、その側方領域のその全体厚さよりも大きい。ストリップが巻かれて渦巻きを形成すると、その側方領域は両側の渦巻き状の鋸歯状部を呈し、それと各表層材は係合することができる。そのようなガスケットは改良された渦巻き型ガスケットであり、Flexitallic Ltdによって販売されるそのようなガスケットは「Change」(登録商標)ガスケットとして知られている。その幾何学的配置は、側方領域が相対的により低い圧力下で撓むことができ、より厚い中央領域が相対的により高い圧力下で撓むことができることを意味する。
【0066】
以下の段落は、本発明での使用に特に適しているそのような改良された渦巻き型ガスケットを記載する。
適切には、このようなガスケットは、複数の回転(またはストリップの巻線)を有する。例えば、それは少なくとも6回の完全な回転を、適切には少なくとも8回の完全な回転を有してもよい。
【0067】
適切には、複数の外側巻線は、例えばスポット溶接によって一緒に固定されてもよい。好適にはこれらの結合された外側巻線は互いに直接接触する。したがって、適切には、それらは介在材料を有さない。
【0068】
適切には、複数の内側巻線は、例えばスポット溶接によって一緒に固定されてもよい。好適にはこれらの結合された内側巻線は互いに直接接触する。したがって、適切には、それらは介在材料を有さない。
【0069】
中間巻線、すなわち結合された外側巻線と結合された内側巻線との間の巻線は、一緒に固定することができるが、一緒に固定する必要はない。これらの中間巻線は介在材料なしに互いに直接接触することができる。あるいは中間巻線は介在パッキン材料によって、例えば膨張黒鉛、薄片化バーミキュライト、熱薄片化バーミキュライト、PTFEまたは当該技術分野で知られている他のいずれかのパッキン材料によって分離されてもよい。本明細書の他の場所に記載されるそのような材料の説明と定義は、巻線間の介在パッキン材料として使用される場合、これらの材料に適用可能である。
【0070】
このタイプの渦巻き型ガスケットは、渦巻き状に巻かれたストリップから生じる高い程度の剛性を有する。高性能の実施形態は、渦巻き状に巻かれた部分のみを有してもよい。すなわち、渦巻き状に巻かれた部分の内側または外側に剛性のコアまたは案内リングが存在しなくてもよい。他の実施形態では、ガスケットは、渦巻き状に巻かれた部分の外側に剛性のコアまたは案内リングを含んでもよい。他の実施形態では、ガスケットは、渦巻き状に巻かれた部分の内側に剛性のコアまたは案内リングを含んでもよい。他の実施形態では、ガスケットは、渦巻き状に巻かれた部分の外側と内側の両方に剛性のコアまたは案内リングを含んでもよい。このようなコアまたは案内リングは、中実の板状金属であってもよく、形状上または取り扱い上の理由から提供されてもよい。しかしながら、内側コアも外側コアも案内リングもないそれ自体で渦巻き状に巻かれた部分は多くの技術的用途にとって非常に有効なガスケットであることを強調することが重要である。
【0071】
ストリップは好適には鋼製であることができるが、他の材料の使用は除外されない。
このタイプのガスケットの全体的な寸法は技術的な用途に応じて広く変化することができる。渦巻き状に巻かれた部分の内径は、適切には1cmから5m、適切には2cmから4m(メートル)、適切には2.5cmから3mであってよい。優れた特性はこれらの広い寸法スパンにわたって得られる。
【0072】
適切にはこのタイプのガスケットの渦巻き状に巻かれた部分の(ランド幅とよばれることもある)半径方向の幅は、0.6cmから7cmの範囲、好適には0.8cmから5cmの範囲、好適には1cmから3cmの範囲内である。
【0073】
好適にはこのタイプのガスケットの渦巻き状に巻かれた部分の厚さは、0.1cmから2cm、適切には0.2cmから1.5cm、適切には0.25cmから1cm、適切には0.3cmから0.8cm、適切には0.25cmから0.6cm、適切には0.3cmから0.5cmの範囲内である。この渦巻き状に巻かれた部分は複数の巻線から構成され、その厚さは、渦巻き状に巻かれた部分を形成するストリップの最大厚さに等しい。
【0074】
上に記載したように、本発明の「渦巻き型」実施形態において、渦巻き状に巻かれた領域を形成するストリップはチャネルの形状である。それは、2つの直線状またはほぼ直線状の側方領域または側腹部と、それらの間の全体的に湾曲した中央領域とを有してもよい。代替実施形態において、それはその断面全体にわたって湾曲していてもよい。すべての実施形態において、側方領域は中心領域よりも小さい全体厚さを有する。適切には、中央領域の全体厚さ対側方領域の全体厚さの比は、少なくとも1.2対1、適切には少なくとも1.4対1、およびいくつかの実施形態では少なくとも1.5対1である。絶対的に言えば、側方領域の全体厚さは、適切には少なくとも0.4mm、適切には少なくとも0.5mmであり、および適切には最大1cm、例えば最大0.8cmである。中心領域の全体厚さは、適切には少なくとも0.7mm、好適には少なくとも0.8mm、およびいくつかの実施形態では少なくとも0.9mmであり、適切には最大1.4cm、例えば最大1.2cmである。
【0075】
本明細書においてチャネル形状のストリップについて与えられた幾何学的定義の目的のために、いずれかのそのような領域の全体厚さが変化する場合、その領域に適用できる最小値がとられる。
【0076】
ストリップの少なくとも一方の面、適切には両方の面は弧を含むことができる。両方が弧を含む場合、各弧の半径は同じであっても異なっていてもよい。
適切には、ストリップの各側方領域は端面で終端する。適切には、2つの側方領域の端面は互いに直交している。適切には、各側方領域の外側表面とその隣接端面との交差部分に面取り部が形成されている。外側表面とは、チャネル形状のストリップのほぼ凹状の表面の一部を形成する表面を意味する。適切には、各面取り部は、隣接端面に対しておよび側方領域の隣接する外側表面に対して斜めである。適切には、面取り部の幅は0.06mmから0.3mm、適切には0.08mmから1.5mmである。これらの面取り部を提供する結果、渦巻き状に巻かれた部分は、これは表層材と接触するが、表層材に鋭いエッジを呈しない。代替的な実施形態では、面取り部は存在しなくてもよいが、同じエッジは丸みを付けられてもまたは鈍化されてもよい。丸みを付けられたまたは鈍化した領域の幅は、面取り部について上述した通りであってもよい。
【0077】
ストリップの幅または平均幅対ストリップの高さは、1:2超または1:3または1:4または1:5の領域であってもよい。
本発明で使用される渦巻き型のガスケットは、交互配置式に一緒に巻かれた第1および第2の渦巻き状に巻かれたストリップを含んでもよい。ストリップの少なくとも1つは、使用時、両側の面の間でクランプされてそれらの面をシールするように配置される。第1および第2の渦巻きは、異なる特性を有してもよい。適切には、ストリップはクランプ力に対して異なる抵抗を与える。
【0078】
本明細書で使用される渦巻き型のガスケットは、クランプ力が適用される前、第1または第2のストリップの他方よりも高く、クランプ力が適用されるとストリップの高さが同じになる、第1または第2のストリップの一方を含んでもよい。
【0079】
好適には、それぞれの表層材は、渦巻き状の巻線によって形成された渦巻き状の頂全体を覆う。すなわち、それぞれの表層材は渦巻き状の頂を適切に完全に覆う。適切には、各表層材は、内向き方向において渦巻き状の頂の内側範囲を越えて半径方向に延在し、外向き方向において渦巻き状の頂の外側範囲を越えて半径方向に延在する(頂は各側方領域の外側表面とその隣接端面との交差部分である)。しかしながら、内側で頂を越える突出の範囲は、管または導管内の材料の流れと干渉するようであってはならない。
【0080】
本発明のガスケットは、ガスケットの種類にかかわらず、100KPa~43,000KPaの間、より典型的には10,000KPa~20,000KPaの間の標準作動圧力下で作動することが要求されてもよい。
【0081】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様のガスケットを作製する方法が提供され、方法は、
-コアであって、開口と、コアの両側の開口周りの同心円状の鋸歯状部の組とを有するコアを提供するステップと、
または、
-渦巻き状に巻かれたストリップを提供するステップであって、ストリップがチャネル状であり、中央領域と、中央領域の両側の側方領域とを有し、ストリップの中央領域の全体厚さは、その側方領域の全体厚さよりも厚く、ストリップは、ストリップの側方領域が渦巻きの各側に渦巻き状の鋸歯状部を呈する渦巻きを形成するように巻かれるステップと、
それぞれ第1の層および第2の層を含む2つの結合された表層材を形成するステップと、
結合された表層材をガスケットの上に固定するステップであって、この際、第1の層が同心円状の鋸歯状部の各組と、または2つの渦巻き状の鋸歯状部と接触するように置かれるステップと
を含む。
【0082】
本発明の第3の態様によれば、少なくとも120℃の温度で使用可能であり、かつフィルムの厚さを横切って印加される少なくとも15kVの電位差の適用時に絶縁破壊抵抗性を提供するシールガスケットとしての第1の態様のガスケットの使用が提供される。
【0083】
本発明の第4の態様によれば、少なくとも200℃の温度で使用可能であり、かつフィルムの厚さを横切って印加される少なくとも25kVの電位差の適用時に絶縁破壊抵抗性を提供するシールガスケットの使用が提供される。
【0084】
適切には、第3および第4の態様は、良好な機械的特性および耐薬品性も有するシールガスケットを使用する。
ここで本発明を添付の図面を参照して例としてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1】その両側の面のそれぞれに同心円状の鋸歯状部が形成されたガスケットのコアと、各同心円状の鋸歯状部に対してシールするためのコアの2つの表層材とを展開斜視図で示す。
図2図1のガスケットのコアの断面図である。
図3図1に示される表層材の1つの断面図である。
図4】渦巻き状の巻線によって形成され、その結果その両側の面のそれぞれに渦巻き状の鋸歯状部を有するガスケットと、各渦巻き状の鋸歯状部に対してシールするためのガスケットの2つの表層材とを展開斜視図で示す。
図5図4のガスケットの一部の断面図である。
図6】渦巻きに巻かれると図5のガスケットを形成することができるストリップの端面のより大きなスケールの図である。
図7図6のガスケットの細部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、「カンプロファイル」ガスケットのスチールコア2を示す。スチールコアは、大きな中心開口と、上面および下面とを有し、上面6を見ることができる。上面6は開口4の周囲に同心円状の「カンプロファイル」鋸歯状部8が形成される。下面は見えないが上面6と同一である。スチールコアは、2つの正反対に位置するラグ10を有するが、これらは本発明において重要なものではない。
【0087】
同じく図1には、上側および下側表層材12、14が示されている。これらは、同一のシール材リングであり、それぞれ、コア2の上面6および下面に形成された同心円状の鋸歯状部を覆って係合するように設計されている。
【0088】
同心円状の鋸歯状部と表層材の性質をここでより詳細に説明する。
同心円状の鋸歯状部には、例えば面が90°またはそれ未満の角度で一緒になることによって形成された急なエッジがないことに注意することが重要である。それらは「頂と谷」構造でもなければ「ジグザク」構造でもない。正確には同心円状の鋸歯状部は、同心円状の溝16の形態であり、同心円状の平坦部分またはランド18によって分離される。適切には、カンプロファイル表面は、頂と谷を形成するように表面を機械加工することによって形成されるのではなく、同心円状の溝を形成するように掘られる。各同心状の溝は、円の弧である断面を有し、この実施形態では各弧は円の120°である。この実施形態では、コアの各側に5つのそのような同心円状の溝がある。
【0089】
図3は表層材の一方の断面図であり、表層材の2つの層を示す。ガスケットを組み立てると、第1の層20はカンプロファイル鋸歯状部と直接接触し、スプレー接着剤によってそれに接合される。第1の層20はスプレー接着剤によって下側層22に接合される。
【0090】
各図面は原寸に比例して描かれていないが、第1の層20は薄く、第2の層22はより厚いことを図3から正確に推測することができる。さらに説明される本発明の好ましい実施形態では、第1の層の平均厚さは、25μm、50μm、75μm、125μmおよび200μmであり、第2の層の平均厚さは0.5mmである。
【0091】
さらに説明される本発明の好ましい実施形態では、第1の層に使用された材料は、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミドポリマーであった。
第2の層に使用された材料は、膨張黒鉛または薄片化バーミキュライトであった。そのような材料は圧縮可能であり、ガスケットの組み立ておよび設置時には、典型的には40%から80%の厚さまで圧縮される。圧縮と同時に、カンプロファイルのトラフは充填され、表層材料はガスケットの面を横切って広がる。
【0092】
上述のように、膨張黒鉛および薄片化バーミキュライトは、ガスケットの表層材での使用に多くの優れた特性を有し、特に優れた機械的特性、高い耐熱性および非常に良好な耐薬品性を有する。それらは良好な誘電特性を有さない。しかしながら、図3の結合された表層材の第1の層のポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミドポリマーは優れた誘電特性を有する。これにより、本明細書に記載の結合された表層材は、万能の優れた特性を有することができる。
【0093】
ガスケットを圧縮すると、同心円状の鋸歯状部が各表層材に力を加え、この力が第1の層に直接加えられる。第1の層が穿孔されたら、第1の層から生ずる利益は失われ、ガスケットの性能は低下するだろう。しかしながら、これは、好ましいポリテトラフルオロエチレンおよびポリイミドポリマーの優れた機械的特性と関連がある、急なエッジのない同心円状の溝を含む同心円状の鋸歯状部の設計によって防止される。
【0094】
ポリエーテルエーテルケトンおよびポリイミドフィルムの表層材における誘電材料としての有効性が、表層材の両方の表面にアノードおよびカソードを適用する実験室試験によって調査された。商用電力周波数(60Hz)の交流電圧が試験片に印加された。試験下の試験片は25mm四方であり、デシケータに入れる前に100℃のオーブンに1時間入れて調整した。アノードおよびカソード電極は、0.8mmの半径に丸められたエッジを有する直径6.4mmの対向円筒ロッドからなる。電極はステンレス鋼製であった。アノードおよびカソードは高い電位差を与えるために試験片の両方の表面に適用された。電位差は絶縁破壊が生じるまで増大された。試験の開始電圧は2.5kVで、合計で10秒間保持した。破損が検出されなかった場合、電圧を0.5kV上げ、再び10秒間保持した。試験片の絶縁破損が起こるまでこれを繰り返した。破損は大抵、電圧を印加してから1~2秒以内に起こった。絶縁破壊すると、絶縁抵抗が大幅に低減され、または完全に失われ、大電流が流れることが許容された。この大電流は、それぞれ回路に接続された音響装置とライトによって通知された。
【0095】
試験は20℃および相対湿度75%で行った。
結果は以下の通りだった。
【0096】
【表1】
これら材料の誘電特性により、それら材料は、第2の層が低い誘電抵抗を有する表層材に誘電抵抗を提供するのに適したものになる。
【0097】
記載したような第1の層および第2の層を有する1つに接合された表層材は、高い作動圧力に耐える能力を含む優れた強度および耐クリープ性、優れた耐熱性および耐薬品性、ならびに絶縁抵抗を有する。第1の層の熱可塑性ポリマーを損なう熱的事象がある場合、この層が比較的薄いことが有益であり、自然の弾性特性を有する膨張黒鉛または薄片化バーミキュライトを適切に含む第2の層が、同心円状の鋸歯状部と密に接触するように塊になることができ、修理が行われるまでシール性を維持する。
【0098】
図4および5は、渦巻き型ガスケット32を示す。このガスケットは、渦巻き状に巻かれたスチールストリップ34によって形成される。それは大きな中心開口36を有するように巻かれる。その上面と下面はそれぞれ、ストリップの側縁によって形成された連続した渦巻き状の鋸歯状部38、40を有する。
【0099】
同じく図4および5に示すのは、上側および下側表層材42、44である。これらは同一のシール材料リングであり、それぞれ、渦巻き状鋸歯状部38、40を覆って、内向きおよび外向き方向においてそれらを越えるわずかな突起と係合するようにそれぞれ設計される。表層材42、44は、図1~3の実施形態について説明した通りである。
【0100】
図4および図5は、従来型の渦巻き型ガスケットではなく、入れ子状に一緒に巻かれた、チャネル状の比較的厚いストリップを有する改善された型の渦巻き型ガスケットを示し、ストリップの基底部46は側方領域よりも厚く、側方領域はストリップの側腹部または翼48、50とよばれることもある。これは、図5でおよび図6の拡大図で見ることができる。
【0101】
図6において、ストリップは、ほぼ真っ直ぐな側腹部または翼48、50を除いて、一方の側から他方の側に向かって全体的に湾曲していることが分かる。湾曲領域は弧であり、弧は同じ半径のものであってもよいが、ストリップの貫通厚さがストリップの基底部の中心で最大であり側方方向に減少するように選択された位置に中心が置かれる。
【0102】
各側腹部または翼48、50は、端面52、54で終端する。端面は互いに直交する。各側腹部または翼の外側表面56、58とその隣接端面との接合部には、面取り部60、62が形成され、そのうちの1つを図7の拡大図で最も明瞭に見ることができる。各面取り部は、その隣接端面に対して、およびその側方領域のその隣接する外側表面に対して斜めである。図5から明らかなように、ガスケットが使用に移されるとき、表層材42、44は最初に渦巻き型鋸歯状部の面取り部と係合し、面取り部は表層材に鋭いエッジを呈さない。
【0103】
この実施形態では、ストリップの最大幅は、面取り部60から面取り部62までであり3.18mmである。端面52、54の幅は0.59mmである。ストリップの基底部の幅は、その中心で0.83mmである。面取り部の幅は0.1mmである。
【0104】
ストリップは巻かれて密な渦巻きを形成し、チャネル構造は入れ子状にされる。最も外側および最も内側の巻線64、66は、介在材料なしに金属同士が接する状態で巻かれ、スポット溶接によって相互に固定される。中間の巻線は介在材料68を有し、それは本実施形態では膨張黒鉛である。
【0105】
ガスケットに負荷がかけられると、介在材料68は外側に圧搾され、表層材の材料とぶつかる。表層材は面取り部と係合し、渦巻き型巻線によって穿孔されない。
上記のように、記載したような2層表層材は、高い作動圧力に耐える能力を含む優れた強度および耐クリープ性、優れた耐熱性および耐薬品性、ならびに絶縁抵抗を有する。第1の層の熱可塑性ポリマーを損なう熱的事象がある場合、この層が比較的薄いことが有益であり、自然の弾性特性を有する膨張黒鉛または薄片化バーミキュライトを適切に含む第2の層が、渦巻き型鋸歯状部と密に接触するように塊になることができ、修理が行われるまでシール性を維持する。このタイプの表層材の便益は、それらが図1~3のカンプロファイルの実施形態に大きな意味を持つのと同様に図4~7の剛性渦巻きの実施形態に大きな意味を持つ。
【0106】
本出願に関連して本明細書と同時にまたはそれよりも先に出願されかつ本明細書とともに公開された全ての論文および文献に注意が向けられ、全てのそのような論文および文献の内容は参照によりここに援用される。
【0107】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された全ての特徴、および/またはそのように開示された方法またはプロセスの全てのステップは、任意の組み合わせで組み合わせることができるが、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが互いに排他的である組合せを除く。
【0108】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された各特徴は、明示的に別途記載のない限り、同じ、同等のまたは同様の目的を果たす代わりの特徴で置き換えてもよい。したがって、明示的に別途記載のない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の同等または同様の特徴の一例に過ぎない。
【0109】
本発明は前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された特徴のあらゆる新規のもの、またはあらゆる新規の組合せ、またはそのように開示された方法またはプロセスのあらゆる新規のもの、またはあらゆる新規の組合せにまで及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケットであって、
-開口が形成された剛性コアであって、同心円状の鋸歯状部の組が前記コアの両側で前記開口の周りに設けられ、表層材が同心円状の鋸歯状部の各組に固定される剛性コアを有し、
または、
-渦巻き状に巻かれたストリップであって、前記ストリップがチャネル状であるとともに、中央領域と、前記中央領域の両側の側方領域とを有し、前記ストリップの中央領域の全体厚さが、その側方領域の全体厚さよりも大きく、前記ストリップは、前記ストリップの側方領域が両側で渦巻き状の鋸歯状部を呈する渦巻きを形成するように巻かれ、表層材が前記渦巻き状の鋸歯状部のそれぞれに固定される、渦巻き状に巻かれたストリップを含み、
各表層材が、同心円状の鋸歯状部の各組と接触するかまたは渦巻き状の鋸歯状部と接触する第1の層と、前記第1の層と接触する第2の層とを含み、
前記第1の層が、予め形成されたフィルムであって、前記第2の層に固定されて、結合された表層材を形成する予め形成されたフィルムを含んでおり、前記結合された表層材が次いで前記同心円状のまたは渦巻き状の鋸歯状部に固定されており、
前記第1の層が、前記第2の層に存在しない機械的、化学的または電気的特性を導入する、または前記第2の層における機械的、化学的または電気的特性を増強し、
前記第1の層が、少なくとも75μmであるが300μm以下の平均厚さを有しており、
使用前の未圧縮時の前記第2の層の厚さが、前記第1の層の厚さを上回っており、
前記第1の層が、限定された範囲まで圧縮可能なポリマー材料を含み、または限定された範囲まで圧縮可能なポリマー材料からなり、前記第2の層が圧縮可能な無機材料を含む、または圧縮可能な無機材料からなる、ガスケット
【請求項2】
前記第1の層が、前記同心円状のまたは渦巻き状の鋸歯状部の形状に適合することができるとともに、前記同心円状のまたは渦巻き状の鋸歯状部によって引き起こされる穿孔に抵抗することができる、請求項1に記載のガスケット。
【請求項3】
前記第1の層が、流体コーティング組成物が乾燥または硬化することによって形成される、請求項1または2に記載のガスケット。
【請求項4】
前記第1の層が少なくとも75μmであるが200μm以下の平均厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項5】
使用前の未圧縮時の前記第2の層の厚さが、2以上の比によって前記第1の層の厚さを上回り、使用時に圧縮されたときの前記第2の層の厚さ対前記第1の層の厚さの比が1.5以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項6】
前記第1の層が、以下のクラスから選択されるポリマーから形成される、または以下のクラスから選択されるポリマーを含む:
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(特にポリエーテルエーテルケトン、PEEK)、
ポリイミド(PI)、
フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、
ポリエーテルイミド(PEI)、
ポリエーテルスルホン(PES)、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー(E-CTFE)、
エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、
ポリカーボネート(PC)、
ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
シリコーンポリマー、
ポリイミド(熱硬化性)、
ビス-マレイミド(BMI)、
エポキシポリマー、
フタロニトリル樹脂、
請求項1~5のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項7】
前記第1の層が、ポリイミドまたはポリアリールエーテルケトンから形成される、あるいはポリイミドまたはポリアリールエーテルケトンを含む、請求項6に記載のガスケット。
【請求項8】
前記第1の層が、ポリアリールエーテルケトンから形成される、またはポリアリールエーテルケトンを含む、請求項7に記載のガスケット。
【請求項9】
前記第1の層が、ポリエーテルエーテルケトンから形成される、またはポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項7または8に記載のガスケット。
【請求項10】
前記第2の層が、層状ケイ酸塩、セラミックまたは黒鉛から形成される、あるいは層状ケイ酸塩、セラミックまたは黒鉛を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項11】
前記第2の層が、黒鉛またはバーミキュライト(薄片化バーミキュライト、バイオタイト、ハイドロバイオタイトおよび金雲母を含む)から形成される、あるいは黒鉛またはバーミキュライト(薄片化バーミキュライト、バイオタイト、ハイドロバイオタイトおよび金雲母を含む)を含む、請求項10に記載のガスケット。
【請求項12】
同心円状の鋸歯状部を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項13】
前記同心円状の鋸歯状部が同心円状の溝の形態である、請求項12に記載のガスケット。
【請求項14】
前記同心円状の鋸歯状部が、丸みを帯びた断面の同心円状の溝の形態である、請求項13に記載のガスケット。
【請求項15】
前記同心円状の鋸歯状部が、同心円状の平坦部分によって分離された同心円状の溝の形態である、請求項13または14に記載のガスケット。
【請求項16】
渦巻き状の鋸歯状部を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のガスケット。
【請求項17】
前記ストリップの中央領域の全体厚さが少なくとも0.7mmであり、前記中央領域の全体厚さ対前記側方領域の全体厚さの最小比が1.2対1である、請求項16に記載のガスケット。
【請求項18】
前記ガスケットの両側の渦巻き状の鋸歯状部が、前記表層材と最初に係合する頂で終端し、前記頂は面取りされる、鈍化されるまたは丸みを付けられる、請求項16または17に記載のガスケット。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のガスケットを作製する方法であって、
-コアであって、開口と、前記コアの両側の前記開口の周りの同心円状の鋸歯状部の組とを有するコアを提供するステップと、
または、
-渦巻き状に巻かれたストリップを提供するステップであって、前記ストリップがチャネル状であり、中央領域と、前記中央領域の両側の側方領域とを有し、前記ストリップの中央領域の全体厚さは、その側方領域の全体厚さよりも厚く、前記ストリップは、該ストリップの側方領域が渦巻きの両側に渦巻き状の鋸歯状部を呈する渦巻きを形成するように巻かれるステップと、
それぞれ第1の層および第2の層を含む2つの結合された表層材を形成するステップと、
前記結合された表層材を前記ガスケットの上に固定するステップであって、この際、前記第1の層が同心円状の鋸歯状部の前記各組と、または前記2つの渦巻き状の鋸歯状部と接触するように置かれるステップと、を含む方法。
【請求項20】
少なくとも120℃の温度で使用可能であり、かつ、表層材の厚さを横切って印加される少なくとも15kVの電位差の適用時に絶縁破壊抵抗性を提供するシールガスケットとしての請求項1~19のいずれか一項に記載のガスケットの使用。
【請求項21】
少なくとも200℃の温度で使用可能であり、かつ表層材の厚さを横切って印加される少なくとも25kVの電位差の適用時に絶縁破壊抵抗性を提供するシールガスケットとしての請求項20に記載のガスケットの使用。