(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090003
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】カテコールアミン分泌腫瘍の処置における糖質コルチイド受容体モジレータの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/567 20060101AFI20220609BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220609BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220609BHJP
A61P 5/46 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A61K31/567
A61P35/00
A61K45/00
A61P5/46
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022070027
(22)【出願日】2022-04-21
(62)【分割の表示】P 2019548370の分割
【原出願日】2018-03-08
(31)【優先権主張番号】62/469,296
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503345477
【氏名又は名称】コーセプト セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ジー. モライティス
(57)【要約】
【課題】カテコールアミン分泌腫瘍(CST)等の神経内分泌腫瘍(NET)を含む腫瘍を処置する新規な方法を提供すること。
【解決手段】本方法は、CST等のNETを有するクッシング症候群の患者におけるクッシング症候群を処置することを含む。腫瘍は、GRアンタゴニスト(GRA)等の糖質コルチコイド受容体(GR)モジュレータ(GRM)で処置されてもよい。新規な処置は、クッシング症候群を処置することができ、腫瘍によるカテコールアミン産生を減少させることができ、カテコールアミン過剰を低下させることができ、カテコールアミン過剰の症状を回復させることができ、CSTを有する患者における、α-またはβ-アドレナリン遮断、ソマトスタチンもしくはソマトスタチン類似体処置もしくはイメージング、またはペプチド受容体放射線核種療法の有効性を改善することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
クッシング症候群は、過剰なコルチゾールレベルによって特徴付けられる。クッシング症候群には、コルチゾールの長期にわたる過剰な循環に関与する状態である高コルチゾール血症が伴う。クッシング症候群は、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびヒドロコルチゾン等の糖質コルチコイド薬物の過剰使用によって生じる外因性クッシング症候群と、HPA軸における脱制御による異常によって生じる内因性クッシング症候群とに分類することができる。クッシング症候群を有する患者は、通常、あざが生じやすく;腹部肥満であり、腕および脚が細く;顔面多血症;座瘡;近位筋力の低下;および/または身体にわたる赤紫色線条を有する。
【0002】
内因性クッシングでは、過剰なコルチゾールは、典型的には、コルチゾール産生腫瘍、または(例えば、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を増加させることによってまたはコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)を増加させることによって)コルチゾールレベルを間接的に上昇させる腫瘍のいずれかに起因する。内因性クッシング症候群は、ACTH分泌増加のないコルチゾールの過剰産生によって特徴付けられるACTH非依存性クッシング症候群;過剰なACTH分泌によって特徴付けられるACTH依存性クッシング症候群からなる。ACTH依存性クッシング症候群には、内因性クッシング症候群を有する患者のおよそ80%が含まれ、2つの主要な形態であるクッシング病および異所性ACTH症候群からなる。前者は下垂体腫瘍によって生じ、後者は下垂体外の腫瘍によって生じる。下垂体による過剰なACTH分泌によって生じるこれらのクッシング症候群の症例も、クッシング病と称する。
【0003】
褐色細胞腫(PHEO)および傍神経節腫(PGL)は、胚性神経堤に由来するクロマフィン細胞から生じる腫瘍である。大部分のPHEO/PGLの症例は、散在性腫瘍として公知であり、その上、VHL(フォンヒッペルリンダウ)、RET(多発性内分泌新生物2型)、NF1(神経線維腫1型)、SDH(コハク酸デヒドロゲナーゼサブユニットA、B、CおよびD)および補助因子SDHAF2、MAX(MYC関連因子X)、HIF2A(低酸素誘導因子2A)、FH(フマル酸ヒドラターゼ)およびTMEM127(膜貫通タンパク質127)を含む遺伝子の突然変異が、腫瘍の約40%を占める。PGLは、全PHEO/PGL症例のうちの約10%の発症率で、転移を発症する傾向がより強い。両方のタイプの腫瘍が、カテコールアミン(CAT)合成に関与する主要な酵素であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)およびドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ(DBH)の上方制御に起因して、副腎髄質よりも大量のCATを産生し、通常分泌する。クロマフィン細胞およびクロム親和性細胞では、ノルエピネフリン(NE)およびエピネフリン(E)が小胞に貯蔵され、ここでこれらの細胞質への受動的な漏出が続けられてから、小胞プールに再取り込みされる。NEをEへ変換する酵素であるフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)はこの組織に主に限定され、(NEのみを産生する)交感神経には存在しないために、副腎髄質は、身体において圧倒的に最も重要なE産生部位である。
【0004】
糖質コルチコイドは、カテコールアミン合成の制御において主要な役割を果たす。Wurtmanらによって、ラットにおける下垂体切除術が、副腎重量における有意な低下、更にPNMT活性における顕著な低下と関連したことが示された。
【0005】
Grouzmannら(PLoSONE 10巻(5号):e0125426頁(2015年))は、カテコールアミン分泌腫瘍における、TH、DBHおよびPNMT遺伝子の転写およびタンパク質発現に対する糖質コルチコイドの効果を測定した。初代細胞培養物におけるPNMT、THおよびDBH遺伝子発現に対するGCの効果を実験的に評価するために、4つのPGLおよび9つのPHEO(6つの混合型腫瘍および3つのNorAd型腫瘍)から得た細胞を培養皿中に播種し、デキサメタゾンと、またはデキサメタゾンなしで24時間インキュベートした。PGL細胞では、PNMT mRNAに対する有意な効果は検出されなかった。DBHおよびTH mRNAは、PNMTと比較して、外科的切除後に利用可能な材料量が少ないため、これら2つの遺伝子に対するqPCR効率が低いために、定量限界未満であった。PHEO細胞では、デキサメタゾンは、デキサメタゾン不含インキュベート細胞と比較して、24時間でTHの2.8倍の上方制御を誘発し、DBHおよびPNMTに関しては、ならびにデキサメタゾンとインキュベートしてから24時間後のTH、DBHおよびPNMTの遺伝子転写に関して混合型対ノルアドレナリン型PHEO間では、効果は記録されなかった。遺伝子とタンパク質発現との相関関係を示すため、TH、DBHおよびPNMTタンパク質濃度を、24時間インキュベート後のデキサメタゾンインキュベート細胞およびコントロール細胞から明らかにした。コントロール細胞と比較して、ステロイドインキュベート細胞においてDBHおよびPNMTに対する活性化がなかったことが確認され、同時にmRNAに対して検出されたTHの上方制御はタンパク質レベルで確認されなかった。
【0006】
Goodmanら(J.CellBiol.78巻(1号):R1~R7頁(1978年))により、ラット褐色細胞腫腫瘍由来の連続継代細胞株において、糖質コルチコイドが、アドレナリン作動経路における律速段階である酵素チロシンヒドロキシラーゼの合成を増加させたことが示された。
【0007】
糖質コルチコイドは、エピネフリン生合成における最終酵素であるフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)の重要なレギュレータであり、転写作用と転写後作用の両方に影響を及ぼす。ラットにおけるin vivo研究により、下垂体切除術によってコルチコステロイドが枯渇すると、PNMT mRNAおよび酵素の発現が減少することが示されている。これらの変化は、内因性糖質コルチコイド産生を刺激するアドレノコルチコトロピンを投与することによって、または合成糖質コルチコイドのデキサメタゾンを投与してコルチコステロイドの置き換えを直接行うことによって逆転させることができる。PNMT酵素の変化は、遺伝子転写とタンパク質分解の両方における変化の結果である。糖質コルチコイドは、カテコールアミン分泌だけではなく、クロマフィン細胞におけるCATの貯蔵も増加させる。
【0008】
未処理ラットにデキサメタゾンまたは糖質コルチコイドアゴニストRU28362のいずれかを投与するときに、PNMT mRNAレベルは顕著に上昇する。糖質コルチコイドがPNMT転写活性に必須かどうかは依然として不明なままであるが、糖質コルチコイド受容体欠損マウスは、クロマフィン細胞が表面上は別段正常であるにもかかわらず、副腎髄質PNMTを発現しない(Schmidら、J Steroid Biochem Mol Biol.53巻:33~35頁(1995年);Finottoら、Development126巻:2935~2944頁(1999年))。糖質コルチコイド誘発性転写変化は、PNMT遺伝子プロモーターの近位5-フランキング配列における糖質コルチコイド応答エレメント(GRE)を通して介在される。少なくとも1つの推定GREが、ヒトを含む種特異的PNMT遺伝子ごとに識別されている(Baetgeら、ProcNatl Acad Sci USA.85巻(10号):3648~3652頁(1988年);Kanedaら、J Biol Chem.263巻(16号):7672~7677頁(1988年));ウシ(Baetgeら、ProcNatl Acad Sci USA 83巻(15号):5454~5458頁(1986年);Batterら、J Neurosci Res.19巻(3号):367~376頁(1988));ラット(Rossら、JNeurosci.10巻(2号):520~30頁(1990年));およびマウス(Moritaら、Brain Res Mol Brain Res.13巻(4号):313~319頁(1992年))。ラットPNMT遺伝子の場合、遺伝子を最初にクローン化したときに、GREが-533bpにおいて識別された(Rossら、1990年)。このGREは機能的であるように思われるが、糖質コルチコイド活性化に対するその応答性は、可変的とも弱いとも思われる。
【0009】
Taiら(MolPharmacol.61巻(6号):1385~1392頁(2002年))は、ラットフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)遺伝子のプロモーター中の-759および-773bpにおける重複する(1bp)2つの糖質コルチコイド応答エレメント(GRE)が、当初識別された-533-bp GREよりむしろ、その糖質コルチコイド感受性の主な原因となることを識別した。PNMTプロモーター活性の用量依存的増加は、野生型PNMTプロモーター-ルシフェラーゼレポーター遺伝子構築物をトランスフェクションされ、デキサメタゾンで処置された(0.1μMで最大活性化される)RS1細胞において観察された。II型糖質コルチコイド受容体アンタゴニストRU486(10μM)は、古典的糖質コルチコイド受容体介在性コルチコステロイド刺激転写活性と一致する、PNMTプロモーターのデキサメタゾン(1μM)の活性化を完全に阻害する。-759-および-773-bp GREへ結合する糖質コルチコイド受容体は、Egr-1および/またはAP-2と協同的に相互作用し、デキサメタゾンで処置されたRS1細胞におけるPNMTプロモーター活性を刺激する。対照的に、-533-bp GREのみへ結合する糖質コルチコイド受容体は、活性化因子タンパク質2との相互作用を通してPNMTプロモーターの相乗的活性化に関与するように思われる。
【0010】
カテコールアミン分泌腫瘍におけるコルチゾールの役割に関する更なる証明がIsobeら(J.Urol.163巻:357~362頁(2000年))によって提供された。褐色細胞腫組織における局所的なコルチゾール産生能力は、腫瘍における糖質コルチコイド生合成の酵素17a-ヒドロキシラーゼの発現によって更に支持される。PNMT発現は、腫瘍における17a-ヒドロキシラーゼの発現と関連することが認められた。糖質コルチコイド受容体の発現もまた、腫瘍におけるPNMT発現と関連した。
【0011】
髄質および神経節は両方とも自律神経系の一部である。CNSにおける糖質コルチコイド受容体様免疫反応性(GR-LI)の分布は既に詳述してきたが(Fuxeら、Endocrinology 117巻(5号):1803~1812頁(1985年)、Gustafssonら、EndocrRev.8巻(2号):185~234頁(1987年))、全ての脳領域で、免疫反応性は細胞体の核に局在化していた。Ceccatelliら(ActaPhysiol.Scand.37巻:559~50頁(1989年))によって、GR-LIが、副腎ではクロマフィン細胞の細胞質のみに存在することは予想外であったことが示されている。二重染色実験(GRおよびPNMT)によって、GR-LIが、PNMT-免疫反応細胞体、すなわちアドレナリン細胞に大幅に限定されることが示された。この局在化は、WurtmanおよびAxelrod(J.Biol.Chem.241巻(10号):2301~23015頁(1966年))の初期研究とよく一致し、PNMT合成に関するステロイドの重要性を実証する。
【0012】
褐色細胞腫クリーゼ(PC)のいくつかの関連性のない症例が、外因性糖質コルチコイドの投与後に報告されており;これらの薬物が褐色細胞腫を有する患者における有害事象をもたらすというエビデンスは、大部分は裏付けがない。Rosasら(Eur J Endocrinol.158巻(3号):423~429頁(2008年))は、外因性糖質コルチコイドによって誘発された褐色細胞腫クリーゼの4症例を報告している。偶発副腎腫瘤の検討中は、褐色細胞腫を理想的に除外してから、糖質コルチコイドを投与するべきである。しかし、デキサメタゾン1mgをDSTとして褐色細胞腫を有する患者に与えたときの症例は報告されておらず;より多い低用量の2mgのデキサメタゾンでは、PCを誘発する場合がある。造影剤に対するアレルギーがある症例において前処置として与えられる糖質コルチコイドへ曝露された場合に、副腎偶発腫瘍として存在する褐色細胞腫を有する患者もまたリスクがある場合がある。
【0013】
ソマトスタチン1型受容体(sst1)および2型受容体(sst2)は、傍神経節腫と褐色細胞腫の両方に発現する。De Bruinら(J Clin Endocrinol Metab.97巻(2号):455~62頁(2012年))は、高コルチゾール血症が、ソマトスタチン2型受容体(sst2)の発現を下方制御することを示している。ソマトスタチン受容体へ結合するソマトスタチン類似体は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において現在のところ臨床試験中である。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者は、通常、コルチゾールが正常(normocortisolemic)であるが、腫瘍レベルでコルチゾール活性が増加すると、s
st2の発現に作用する場合があり、その結果、ソマトスタチン類似体の有効性に影響を与えることがある。
【0014】
転移性のカテコールアミン分泌腫瘍ための現在の処置としては、シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびダカルバジンを用いた化学療法がある。現在臨床試験中の他の利用可能な化学療法としては、チロシンキナーゼインヒビタがある。最終的に、大きな病変部を伴わない転移性の疾患を有する患者は、MIBG療法に適格な場合がある。
【0015】
クッシング症候群の患者は、カテコールアミン分泌腫瘍を有していてもよい。
したがって、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者を処置することのためを含む、神経内分泌腫瘍を有する患者を処置するための療法および組成物が必要とされている。特に、カテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群患者を処置することのためを含む、神経内分泌腫瘍を有するクッシング症候群患者を処置するための療法および組成物が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Grouzmannら(PLoS ONE 10巻(5号):e0125426頁(2015年)
【非特許文献2】Goodmanら(J.Cell Biol.78巻(1号):R1~R7頁(1978年)
【非特許文献3】Schmidら、J Steroid Biochem Mol Biol.53巻:33~35頁(1995年)
【非特許文献4】Finottoら、Development 126巻:2935~2944頁(1999年)
【非特許文献5】Baetgeら、Proc Natl Acad Sci USA.85巻(10号):3648~3652頁(1988年)
【非特許文献6】Kanedaら、J Biol Chem.263巻(16号):7672~7677頁(1988年))
【非特許文献7】Baetgeら、Proc Natl Acad Sci USA 83巻(15号):5454~5458頁(1986年)
【非特許文献8】Batterら、J Neurosci Res.19巻(3号):367~376頁(1988))
【非特許文献9】Rossら、J Neurosci.10巻(2号):520~30頁(1990年)
【非特許文献10】Moritaら、Brain Res Mol Brain Res.13巻(4号):313~319頁(1992年)
【非特許文献11】Taiら(Mol Pharmacol.61巻(6号):1385~1392頁(2002年)
【非特許文献12】Isobeら(J.Urol.163巻:357~362頁(2000年)
【非特許文献13】Fuxeら、Endocrinology 117巻(5号):1803~1812頁(1985年)
【非特許文献14】Gustafssonら、Endocr Rev.8巻(2号):185~234頁(1987年)
【非特許文献15】Ceccatelliら(Acta Physiol.Scand.37巻:559~560頁(1989年)
【非特許文献16】WurtmanおよびAxelrod(J.Biol.Chem.241巻(10号):2301~23015頁(1966年)
【非特許文献17】Rosasら(Eur J Endocrinol.158巻(3号):423~429頁(2008年)
【非特許文献18】De Bruinら(J Clin Endocrinol Metab.97巻(2号):455~62頁(2012年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
要旨
本出願は、例えばカテコールアミン分泌腫瘍等の神経内分泌腫瘍を含む腫瘍を処置する新規な方法を開示する。本出願は、例えばカテコールアミン分泌腫瘍等の神経内分泌腫瘍を含む腫瘍を有する患者におけるクッシング症候群を処置する新規な方法を開示する。実施形態では、カテコールアミン分泌腫瘍を糖質コルチコイド受容体モジュレータと接触させ;実施形態では、クッシング症候群の患者におけるカテコールアミン分泌腫瘍を糖質コルチコイド受容体モジュレータと接触させ、その結果、患者におけるクッシング症候群を処置する。例えば、本明細書において開示される方法は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)等の有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)を、それを必要とする患者へ投与し、その結果、腫瘍によるカテコールアミン産生を減少させることを含む。例えば、本明細書において開示される方法は、GRA等(例えばミフェプリストン等)の有効量のGRMを、クッシング症候群の患者へ投与し、その結果、クッシング症候群を処置し、腫瘍によるカテコールアミンの産生を減少させることを含む。実施形態では、腫瘍は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍であってもよい。実施形態では、腫瘍は神経内分泌腫瘍であってもよい。カテコールアミン分泌腫瘍は、褐色細胞腫であってもよく、傍神経節腫であってもよく、または他の腫瘍であってもよい。いくつかの場合では、カテコールアミン分泌腫瘍は、転移性腫瘍であってもよく;切除不能な非悪性腫瘍であってもよく;または切除不能な多病巣性非悪性腫瘍であってもよい。
【0018】
出願人は、本明細書において、カテコールアミン分泌腫瘍を処置する方法であって、糖質コルチコイド受容体(GR)を調節することができる化合物を投与し、その結果、有益な治療効果を提供することを含む方法を開示する。実施形態では、患者はクッシング症候群の患者であり、方法は、患者におけるクッシング症候群を処置する。方法の実施形態は、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを患者に投与することを含み、患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。方法の実施形態は、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)を患者に投与することを含み、患者は、i)糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、ii)外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。実施形態では、糖質コルチコイド受容体モジュレータは糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)である。実施形態では、GRAはミフェプリストンである。
【0019】
実施形態では、有益な治療効果としては、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の低下;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状の回復;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性の改善;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体の治療有効性の改善;画像診断法で使用する場合のソマトスタチン類似体の有効性の改善;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性の改善;および他の治療的利点がある。
【0020】
実施形態では、有益な治療効果としては、クッシング症候群の処置およびカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者におけるカテコールアミン過剰の低下;クッシング症候群の処置およびカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者におけるカテコールアミン過剰の症状の回復;クッシング症候群の処置およびカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性の改善;クッシング症候群の処置およびカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者におけるソマトスタチン類似体の治療有効性の改善;クッシング症候群の処置およびクッシング症候群の患者において画像診断法で使用する場合のソマトスタチン類似体の有効性の改善;クッシング症候群の処置およびカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性の改善;および他の治療的利点がある。
【0021】
実施形態では、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)は、ステロイド性GRA、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有するGRA;縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;またはオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAであってもよい。実施形態では、GRAはミフェプリストンである。
【0022】
本明細書において開示される方法は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を含む。本明細書において開示される方法は、クッシング症候群を処置する方法および転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を含む。実施形態では、方法は、有効量のGRAを、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者へ、1から1000mg/kg/日の間、または1から500mg/kg/日の間、または0.1から200mg/kg/日の間、または0.1から100mg/kg/日の間、または0.1から50mg/kg/日の間、または0.1から20mg/kg/日の間、または0.1から15mg/kg/日の間、または0.1から10mg/kg/日の間、または0.1から5mg/kg/日の間、または0.1から3mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含む。
【0023】
実施形態では、GRAはミフェプリストンであり、方法は、有効量のミフェプリストンを、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者へ、0.1から100mg/kg/日の間、または0.1から50mg/kg/日の間、または0.1から20mg/kg/日の間、または0.1から15mg/kg/日の間、または0.1から12mg/kg/日の間、または0.1から10mg/kg/日の間、または0.1から5mg/kg/日の間、または0.1から3mg/kg/日の間、または0.1から1mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含む。実施形態では、患者は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者である。
【0024】
本明細書において開示される方法は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするための、カテコールアミン過剰の症状を回復させるための、または両方のための、単独療法としてのおよび他の治療剤と組み合わせたGRAの使用を含む。本明細書において開示される方法は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、a)クッシング症候群を処置するための、カテコールアミン過剰をコントロールするための、b)クッシング症候群を処置するための、カテコールアミン過剰の症状を回復させるための、または両方のための、単独療法としてのおよび他の治療剤と組み合わせたGRAの使用を含む。実施形態では、GRAと組み合わせて使用される他の治療剤としては、カテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするための、カテコールアミン過剰の症状を回復させるための、または両方のための、化学療法剤、アドレナリン作動性アンタゴニスト(例えば、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、および混合性アルファ-およびベータ-アドレナリン作動性アンタゴニスト作用を有するアンタゴニスト)、放射線療法剤(例えば、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)において使用するためのペプチド等の放射性部分を含む化合物)、ソマトスタチン、およびソマトスタチン受容体アゴニスト(例えばソマトスタチン類似体)がある。実施形態では、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体は、イメージング(例えば腫瘍のイメージング)において使用される。実施形態では、他の薬剤をGRAと組み合わせて投与してもよく、または同時に投与してもよく、または異なる時間に投与してもよい。
【0025】
実施形態では、出願人は、本明細書において検討されるカテコールアミン過剰を低下させる方法であって、ただし患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要としないものとする、方法を提供する。実施形態では、出願人は、本明細書において検討されるカテコールアミン過剰低下させる方法であって、i)患者は、外因性エストロゲン受容体リガンドを同時に投与されないこと;ii)患者は、外因性選択的アンドロゲン受容体モジュレータを同時に投与されないこと;iii)患者は、外因性選択的アンドロゲン受容体モジュレータを同時に投与されないこと;iv)患者は、外因性D-ホモアンドロスタ-17-YL-カルバメート誘導体を同時に投与されないこと;およびv)患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されないことからなる更なる条件の群から選択される1つまたは複数の更なる条件を伴う方法を提供する。
【0026】
実施形態では、GRAから本質的になる医薬組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者へ、腫瘍によるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で、または患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。実施形態では、ミフェプリストンから本質的になる医薬組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者へ、腫瘍によるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で、または患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。
【0027】
実施形態では、GRAおよび他の活性薬剤を含む医薬組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者へ、患者におけるカテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、または両方のために有効な量で投与される。実施形態では、医薬組成物に存在する他の活性薬剤は、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体(例えば、ソマトスタチン受容体アゴニスト)のうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。実施形態では、医薬組成物は、ミフェプリストン、ならびにアドレナリン作動性アンタゴニスト(例えば、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、および混合性アルファ-およびベータ-アドレナリン作動性アンタゴニスト作用を有するアンタゴニスト)、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体(例えばソマトスタチン受容体アゴニスト)のうちの1つまたは複数を含む。
【0028】
本明細書において開示される方法および組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍に罹患したクッシング症候群の患者等の患者のための改善された方法および処置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
出願人は、本開示において使用されるいくつかの用語の定義を提供する。
【0030】
定義
【0031】
本明細書において使用される略語は、化学的および生物学的技術の範囲内でのこれらの従来の意味を有する。
【0032】
本明細書において列挙される全ての範囲は包含的な範囲であり、本明細書において列挙される各範囲は、その範囲内の最低用量および最高用量を含む。例えば、「1から1000mg/kg/日の間」の範囲は、1mg/kg/日の用量および1000mg/kg/日の用量を含む。
【0033】
本明細書において使用される「結合」という用語は、2つの化合物間の(短時間または間欠的ではあるが)持続的な接触または付着を指す。
【0034】
本明細書において使用される「親和性」、「結合親和性」という用語、および関連用語は、リガンドとその受容体との間の結合等の結合の強度および特異性を指す。「高親和性」は、2つのリガンド間の受容体に対する相対的な結合に関連して使用され、ここでは、高親和性で結合するリガンドが、「低親和性」リガンドよりも低濃度で結合する。例えば、競合的結合実験において、高親和性リガンドは、低親和性リガンドが競合して受容体で結合するよりも低濃度で、参照リガンドと競合して受容体へ結合するであろう。
【0035】
「特異的結合」という用語は、化合物間の単なる非特異的付着よりも選択的であり、典型的には強力である結合を指す。特異的結合は、リガンドとその受容体との間に生じる結合によって例示してもよい。
【0036】
「結合定数」は、結合特異性の尺度を指すために使用してもよい。結合の強度および特異性に関する有用な情報を提供する定数としては、平衡解離定数Kdおよびその逆数の平衡会合定数(または親和定数)Kaがある。
【0037】
本明細書において使用される「阻害定数」という用語は、Kiを指し、これは単純な可逆的インヒビタに関する平衡解離定数Kdと同類である。リガンドとその受容体との間の結合の阻害、またはリガンドとその受容体との間の結合から生じる作用の阻害は、多くの形態をとっていてもよく、それらとしては、競合的阻害、不競合的阻害、および非競合的阻害がある。阻害定数は、濃度の単位で示され、ナノモル濃度(nm)の範囲でKiを有するインヒビタは、マイクロモル濃度(μm)の範囲でKiを有するインヒビタよりも有効なインヒビタである。2つのインヒビタの阻害作用を比較する場合、例えば、nmの範囲のKiを有するインヒビタは、「より強力なインヒビタ」と呼ばれることになり、μmの範囲のKiを有するインヒビタは、「より弱いインヒビタ」と呼ばれることになる。同様に、nmの範囲のKiを有するインヒビタは、「強力なインヒビタ」と呼ばれることになり、μmの範囲のKiを有するインヒビタは、「弱いインヒビタ」と呼ばれることになる。
【0038】
「患者」または「それを必要とする対象」とは、カテコールアミン分泌腫瘍、神経内分泌腫瘍、またはカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する、または有することが疑われるヒトを指す。カテコールアミン分泌腫瘍は、腫瘍を検出することによって、カテコールアミンの上昇レベルを検出することによって、カテコールアミン分泌腫瘍によって生じる症状を検出することによって、およびこれらの組合せによって識別および/またはモニターすることができる。神経内分泌腫瘍は、腫瘍を検出すること、または腫瘍によって生じる症状を検出することによって検出および/またはモニターすることができる。
【0039】
本明細書において使用される「カテコールアミン(単数または複数)」という用語は、医学分野における当業者に理解される通りに使用され、ドーパミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリン(アドレナリン)を含む小分子を指す。
【0040】
「処置する」、「処置すること」および「処置」とは、病状または状態の処置または回復における成功の任意の徴候を指し、それらとしては、症状の減退;寛解;低減、または病状もしくは状態を患者にとって耐容可能にすること;変性または減退速度の遅延;変性の最終点が低下しないようにすること;または患者の身体的もしくは精神的健康の改善等の任意の客観的または主観的パラメーターがある。症状の処置または回復は、客観的または主観的パラメーターに基づくことができ;それらとしては、身体的検査;組織病理学検査(例えば生検組織の分析);尿、唾液、組織サンプル、血清、血漿、または血液の実験室分析(例えば、コルチゾールまたはカテコールアミンレベルを検出するための);またはイメージング(例えば、カテコールアミン分泌腫瘍または検出可能に標識されたソマトスタチン類似体のイメージング)の結果がある。有効な処置とは、カテコールアミン産生、カテコールアミン分泌の減少、患者の血中カテコールアミンまたはコルチゾールレベルの減少、カテコールアミン分泌腫瘍量(例えば、カテコールアミン分泌腫瘍のサイズ、質量、体積、生存率、または増殖)の減少、またはカテコールアミン分泌腫瘍における腫瘍細胞死の増加を指す。
【0041】
本明細書において使用される「食事とともにまたは食事の直後に」投与するとは、治療的組成物が、食事とともに、または患者が食事を摂取し始めてから約30分以内に投与されることを意味する。
【0042】
本明細書において使用される「同時にまたは逐次的に投与する」という用語は、GRA等のGRM化合物およびソマトスタチン受容体リガンド化合物(例えば、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体(SSA))を、2つの化合物が、カテコールアミン分泌腫瘍を処置するために有効な量で身体に同時に存在するように投与することを指す。
【0043】
本明細書において使用される「有効量」、「有効な量」、または「治療有効量」という用語は、処置される疾患の少なくとも1つの症状を処置、消失、または軽減するために有効な1つまたは複数の薬理学的薬剤の量を指す。いくつかの場合では「有効量」、「有効な量」、または「治療有効量」は、検出可能な治療効果または阻害効果を示すために有用な機能薬剤または医薬組成物の量を指すことができる。効果は、当技術分野において公知の任意のアッセイ法によって検出することができる。いくつかの場合では、有効な量または類似のものは、カテコールアミンレベルを低下させるために有効な量を指す。いくつかの場合では、有効な量または類似のものは、コルチゾール(例えば、血清コルチゾール、唾液コルチゾール、または尿中遊離コルチゾール)レベルを低下させるために有効な量を指す。いくつかの場合では、有効な量または類似のものは、カテコールアミンレベルまたはコルチゾールレベル、またはこれらの組合せを、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、75%、90%、99%、またはこれらを超えて低下させるために有効な量を指す。
【0044】
本明細書において使用される「カテコールアミン産生を減少させるために有効な」、「カテコールアミン分泌を減少させるために有効な」という用語および類似のものは、方法、処置、組成物、または量の非存在下での神経内分泌腫瘍または他の腫瘍によるカテコールアミン(単数または複数)の産生および/または分泌と比較して、そのような腫瘍によるカテコールアミンの産生および/または分泌を減少させることができる方法、処置、組成物、または量を指す。
【0045】
本明細書において使用される「カテコールアミン分泌腫瘍」という用語は、腺腫、腺癌、神経内分泌腫瘍、下垂体腫瘍、またはカテコールアミンを産生する他の腫瘍を指す。一般に、カテコールアミン分泌腫瘍も、カテコールアミンを分泌する。いくつかの場合では、カテコールアミン分泌腫瘍は、カテコールアミン分泌腫瘍を有さない対象と比較して、カテコールアミン分泌腫瘍を有する対象におけるカテコールアミンの血液、血漿、または血清レベルまたは血液、血漿、血清、または尿中(例えば、尿中遊離)カテコールアミンレベルを増加させることができる。カテコールアミン分泌(例えば、カテコールアミン分泌)腫瘍は、典型的には、カテコールアミンを産生するおよび/または分泌する神経内分泌腫瘍(NET)であってもよい。
【0046】
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」とは、活性薬剤の対象への投与および対象による吸収を補助し、本発明の組成物中に含まれる場合があり、患者に重度の有害な毒性効果をもたらすことはない物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、塩化ナトリウム(NaCl)、生理食塩水溶液、乳酸リンゲル液、標準スクロース、標準グルコース、結合剤、フィラー、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味料、香味料および着色剤等がある。当業者であれば、他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを認識し得る。
【0047】
本明細書において使用される「ステロイド」という用語、およびその句を含む糖質コルチコイド受容体アンタゴニストの文脈における「ステロイド骨格」という句は、内因性ステロイド性糖質コルチコイド受容体リガンドであるコルチゾールの基本構造の修飾を含む糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを指す。ステロイド骨格の基本構造は、式Iとして提供される:
【化1】
糖質コルチコイドアンタゴニストを生成するようなコルチゾールステロイド骨格の構造修飾の最も一般的な2つの公知のクラスとしては、11-βヒドロキシ基の修飾および17-β側鎖の修飾がある(例えば、Lefebvre(1989年)J.Steroid Biochem.33巻:557~563頁を参照のこと)。
【0048】
本明細書において使用される「プロゲステロン受容体」および「PR」という用語は、プロゲステロンと結合する天然に存在する受容体を指す。
【0049】
「アルドステロン」という用語は、構造:
【化2】
を有する天然に存在するミネラルコルチコイドホルモンを指す。
【0050】
I型糖質コルチコイド受容体(GRI)としても公知であるミネラルコルチコイド受容体(MR)は、ヒトにおいてアルドステロンによって活性化される。
【0051】
「コルチゾール」という用語は、構造:
【化3】
を有する天然に存在する糖質コルチコイドホルモン(ヒドロコルチゾンとしても公知である)を指す。
【0052】
本明細書において使用される糖質コルチコイド受容体(GR)という用語は、コルチゾール、デキサメタゾン、または他の分子等の糖質コルチコイドと結合する受容体を指す。コルチコステロイド受容体としてまたはII型糖質コルチコイド受容体(GRII)として、ヒトにおいてコルチゾール受容体としても公知である糖質コルチコイド受容体は、ヒトにおいてコルチゾールによって(または例えば、ラットおよびマウス等のいくつかの他の動物においてコルチコステロン(「コルチゾン」)によって)活性化される。ヒトコルチゾール受容体(GRII受容体、Genbank:P04150)は、コルチゾールおよび/またはコルチゾール類似体(例えばデキサメタゾン)へ特異的に結合する。用語には、GRIIのアイソフォーム、組換えGRII、および突然変異GRIIが含まれる。
【0053】
本明細書において使用される糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)という用語は、糖質コルチコイド受容体(GR)の作用に影響を与える薬剤を指す。このような調節には、活性化(アゴニスト作用)、部分的活性化(部分的アゴニスト作用)、阻害(そうでなければ、コルチゾールの存在下等の活性化されるであろう条件下での受容体の活性化の減少)、および遮断(そうでなければ、コルチゾールの存在下等の活性化されるであろう条件下での受容体の活性化の抑制の達成またはほぼ完全な達成)が含まれていてもよい。GRMは、GR活性を増加させることによってまたは低下させることによってGR活性に影響を与える場合がある。GRMとしては、ステロイドがあり、実施形態では、ピリミジンジオン化合物;アザデカリン化合物;縮合環アザデカリン化合物;ヘテロアリール-ケトン縮合環アザデカリン化合物;および他の化合物がある。
【0054】
本明細書において使用される「糖質コルチコイドアゴニスト」、「糖質コルチコイド受容体アゴニスト」、「糖質コルチコイド受容体II型アゴニスト」、および「GRIIアゴニスト」という用語は、コルチゾール受容体へ結合し、活性化することができる化合物または薬剤を指す。このような薬剤としては、例えば、コルチゾール、デキサメタゾン、プレドニゾン、およびGRIIへ結合し、活性化する他の化合物および薬剤がある。
【0055】
本明細書において使用される「糖質コルチコイドアンタゴニスト」、「糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト」、「糖質コルチコイドアンタゴニスト」、「糖質コルチコイド受容体II型アンタゴニスト」、「GRIIアンタゴニスト」、および「GRA」という用語は、コルチゾール受容体の作用を阻害する薬剤を指し;そのような阻害としては、コルチゾール、デキサメタゾン、またはコルチゾール受容体へ結合し、活性化することができる他の化合物もしくは薬剤等の糖質コルチコイドアゴニストの結合に対する干渉があり得る。GRAは、糖質コルチコイド受容体モジュレータである。GRAに関するヒトコルチゾール受容体に対する阻害定数(Ki)は、約0.0001nMから約1,000nMの間であってもよく;好ましくは、約0.0005nMから約10nMの間、最も好ましくは約0.001nMから約1nMの間であってもよい。したがって、「糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト」および「GRA」という用語は、コルチゾールまたは合成もしくは天然のコルチゾール類似体等の糖質コルチコイド受容体(GR)アゴニストのGRへの結合を部分的にまたは完全に阻害する(拮抗する)任意の組成物または化合物を指す。「特異的糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト」は、GRのアゴニストへの結合と関連する任意の生物学的反応を阻害する任意の組成物または化合物を指す。「特異的」は、薬物が、ミネラルコルチコイド受容体(MR)またはプロゲステロン受容体(PR)等の他の核内受容体よりはむしろGRへ優先的に結合することを意図する。
【0056】
「特異的」によって、薬物は、ミネラルコルチコイド受容体(MR)、アンドロゲン受容体(AR)、またはプロゲステロン受容体(PR)等の他の核内受容体よりはむしろGRへ優先的に結合する。特異的糖質コルチコイド受容体アンタゴニストは、MR、AR、またはPRに対するその親和性よりも10倍大きい親和性(1/10のKd値)でGRと結合することが好ましい。より好ましい実施形態では、特異的糖質コルチコイド受容体アンタゴニストは、MR、AR、またはPRに対するその親和性よりも100倍大きい親和性(1/100のKd値)でGRと結合する。
【0057】
本明細書において使用される「ミフェプリストン」は、GRIIへ結合する(またプロゲステロン受容体へ結合する)GRAを指す。ミフェプリストン(11β-(4-ジメチルアミノフェニル)-17β-ヒドロキシ-17α-(1-プロピニル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン)は、構造:
【化4】
を有する。ミフェプリストンはまた、例えば、RU486、RU38.486、および17-ベータ-ヒドロキシ-11-ベータ-(4-ジメチル-アミノフェニル)-17-アルファ-(1-プロピニル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン)とも称される。
【0058】
本明細書において使用される「RU28362」は、糖質コルチコイド受容体アゴニストである11,17-ジヒドロキシ-6-メチル-17-(1-プロピニル)アンドロスタ-1,4,6-トリエン-3-オン]を指す。
【0059】
本明細書において使用される、その句を含む糖質コルチコイド受容体アンタゴニストの文脈における「非ステロイド骨格」という句は、コルチゾールと構造的相同性を共有しないまたはその修飾体ではない糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを指す。このような化合物としては、部分ペプチド、プソイドペプチドおよび非ペプチド分子実体を含むタンパク質の合成ミメティックおよび類似体がある。
【0060】
非ステロイド性GRA化合物としてはまた、シクロヘキシル-ピリミジン骨格、縮合アザデカリン骨格、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格、またはオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAがある。シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する例示的なGRAとしては、米国特許第8,685,973号に記載のものがある。縮合アザデカリン骨格を有する例示的なGRAとしては、米国特許第7,928,237号;および同第8,461,172号に記載のものがある。ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有する例示的なGRAとしては、米国特許第8,859,774号に記載のものがある。オクタヒドロ(octohydro)縮合アザデカリン骨格を有する例示的なGRAとしては、米国特許出願公開第2015-0148341号に記載のものがある。
【0061】
本明細書において開示される方法において有用な、本明細書において開示される医薬組成物に好適な化合物の説明は、当業者に公知の化学結合の原理に従って記載される。したがって、基が、多数の置換基のうちの1つまたは複数によって置換されていてもよい場合、そのような置換は、化学結合の原理に適合するように、本質的に不安定ではなく、および/または水中、中性、または生理学的条件等の周囲条件下で不安定である可能性が高いことが当業者であれば公知であろう化合物が得られるように選択される。
【0062】
置換基が、従来の化学式によって特定され、左から右へ書かれる場合、これらは、構造を右から左へ書いて得られるであろう化学的に同一の置換基を同様に包含し、例えば、-CH2O-は-OCH2-と同等である。
【0063】
「アルキル」は、示される炭素原子数を有する、直鎖状または分岐状の飽和脂肪族ラジカルを指す。アルキルは、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C1~7、C1~8、C1~9、C1~10、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6およびC5~6等の任意の数の炭素を含むことができる。例えば、C1~6アルキルとしては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等がある。
【0064】
「アルコキシ」は、アルキル基を結合箇所へ連結させる酸素原子を有するアルキル基:アルキル-O-を指す。アルキル基に関しては、アルコキシ基は、C1~6等の任意の好適な炭素原子数を有することができる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、ブトキシ、2-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等がある。
【0065】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0066】
「ハロアルキル」は、水素原子のうちのいくつかまたは全てがハロゲン原子で置き換えられた上記で定義されるアルキルを指す。アルキル基に関しては、ハロアルキル基は、C1~6等の任意の好適な炭素原子数を有することができる。例えば、ハロアルキルとしては、トリフルオロメチル、フルオロメチル等がある。場合によっては、「ペルフルオロ」という用語を使用し、全ての水素がフッ素で置き換えられた化合物またはラジカルを定義することができる。例えば、ペルフルオロメタンとしては、1,1,1-トリフルオロメチルがある。
【0067】
「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちのいくつかまたは全てがハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を指す。アルキル基に関しては、ハロアルコキシ基は、C1~6等の任意の好適な炭素原子数を有することができる。アルコキシ基は1、2、3個、またはそれよりも多いハロゲンで置換することができる。全ての水素がハロゲンで、例えばフッ素によって置き換えられる場合、化合物は、ペル置換、例えばペルフルオロ化される。ハロアルコキシとしては、これらに限定されるものではないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2,-トリフルオロエトキシ、ペルフルオロエトキシ等がある。
【0068】
「シクロアルキル」は、3から12個の、または示される原子数の環原子を含む、飽和または部分不飽和の、単環式、縮合二環式または橋掛け多環式環集合体を指す。シクロアルキルは、C3~6、C4~6、C5~6、C3~8、C4~8、C5~8、C6~8、C3~9、C3~10、C3~11、およびC3~12等の任意の数の炭素を含むことができる。飽和単環式シクロアルキル環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルがある。飽和二環式および多環式シクロアルキル環としては、例えば、ノルボルナン、[2.2.2]ビシクロオクタン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンがある。シクロアルキル基は、環中に1つまたは複数の二重または三重結合を有する部分不飽和とすることもできる。部分不飽和である代表的なシクロアルキル基としては、これらに限定されるものではないが、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(1,3-および1,4-異性体)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン(1,3-、1,4-および1,5-異性体)、ノルボルネン、およびノルボルナジエンがある。シクロアルキルが飽和単環式C3~8シクロアルキルである場合、例示的な基としては、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがある。シクロアルキルが飽和単環式C3~6シクロアルキルである場合、例示的な基としては、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルがある。
【0069】
「ヘテロシクロアルキル」は、3から12個の環員および1から4個のN、OおよびSのヘテロ原子を有する飽和環系を指す。更なるヘテロ原子がまた有用な場合もあり、それらとしては、B、Al、SiおよびPがあるが、これらに限定されない。ヘテロ原子はまた、これらに限定されないが、-S(O)-および-S(O)2-等の酸化されたものとすることができる。ヘテロシクロアルキル基は、3から6、4から6、5から6、3から8、4から8、5から8、6から8、3から9、3から10、3から11、または3から12個の環員等の任意の数の環原子を含むことができる。1、2、3、または4、または1から2、1から3、1から4、2から3、2から4、または3から4等の任意の好適な数のヘテロ原子が、ヘテロシクロアルキル基中に含まれる場合がある。ヘテロシクロアルキル基としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、キヌクリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン(1,2-、1,3-および1,4-異性体)、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、オキサン(テトラヒドロピラン)、オキセパン、チイラン、チエタン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、チアン(テトラヒドロチオピラン)、オキサゾリジン、イソオキサリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン、またはジチアン等の基があり得る。ヘテロシクロアルキル基はまた、芳香族化合物または非芳香族環系へ縮合し、これらに限定されないが、インドリンを含むメンバーを形成することもできる。
【0070】
ヘテロシクロアルキルが3から8個の環員および1から3個のヘテロ原子を含む場合、代表的なメンバーとしては、これらに限定されるものではないが、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、オキサン、テトラヒドロチオフェン、チアン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサンおよびジチアンがある。ヘテロシクロアルキルはまた、5から6個の環員および1から2個のヘテロ原子を有する環を形成することができ、代表的なメンバーとしては、これらに限定されないが、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、およびモルホリンがある。
【0071】
「アリール」は、任意の好適な数の環原子および任意の好適な数の環を有する芳香族環系を指す。アリール基は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の環原子ならびに6から10、6から12、または6から14個の環員等の任意の好適な数の環原子を含むことができる。アリール基は、二環式または三環式基を形成するように縮合した、またはビアリール基を形成するように結合によって連結した単環式とすることができる。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチルおよびビフェニルがある。他のアリール基としては、メチレン連結基を有するベンジルがある。いくつかのアリール基は、フェニル、ナフチルまたはビフェニル等の6から12個の環員を有する。他のアリール基は、フェニルまたはナフチル等の6から10個の環員を有する。いくつかの他のアリール基は、フェニル等の6個の環員を有する。アリール基は置換されていても置換されていなくてもよい。
【0072】
「ヘテロアリール」は、5から16個の環原子を含む、単環式または縮合二環式または三環式芳香環集合体を指し、ここで、環原子のうちの1から5個は、N、OまたはS等のヘテロ原子である。更なるヘテロ原子がまた有用な場合もあり、それらとしては、B、Al、SiおよびPがあるが、これらに限定されない。ヘテロ原子は、これらに限定されないが、N-酸化物、-S(O)-および-S(O)2-等の酸化されたものとすることもできる。ヘテロアリール基は、3から6、4から6、5から6、3から8、4から8、5から8、6から8、3から9、3から10、3から11、または3から12個の環員等の任意の数の環原子を含むことができる。1、2、3、4、または5、または1から2、1から3、1から4、1から5、2から3、2から4、2から5、3から4、または3から5個等の任意の好適な数のヘテロ原子が、ヘテロアリール基中に含まれる場合がある。ヘテロアリール基は、5から8個の環員および1から4個のヘテロ原子、または5から8個の環員および1から3個のヘテロ原子、または5から6個の環員および1から4個のヘテロ原子、または5から6個の環員および1から3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロアリール基としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、およびイソオキサゾール等の基があり得る。ヘテロアリール基は、フェニル環等の芳香族環系へ縮合し、これらに限定されないが、インドールおよびイソインドール等のベンゾピロール、キノリンおよびイソキノリン等のベンゾピリジン、ベンゾピラジン(キノキサリン)、ベンゾピリミジン(キナゾリン)、フタラジンおよびシンノリン等のベンゾピリダジン、ベンゾチオフェン、ならびにベンゾフランを含むメンバーを形成することもできる。他のヘテロアリール基としては、ビピリジン等の、結合によって連結されたヘテロアリール環がある。ヘテロアリール基は置換されていても置換されていなくてもよい。
【0073】
ヘテロアリール基は、環上の任意の位置を介して連結することができる。例えば、ピロールとしては、1-、2-および3-ピロールがあり、ピリジンとしては、2-、3-および4-ピリジンがあり、イミダゾールとしては、1-、2-、4-および5-イミダゾールがあり、ピラゾールとしては、1-、3-、4-および5-ピラゾールがあり、トリアゾールとしては、1-、4-および5-トリアゾールがあり、テトラゾールとしては、1-および5-テトラゾールがあり、ピリミジンとしては、2-、4-、5-および6-ピリミジンがあり、ピリダジンとしては、3-および4-ピリダジンがあり、1,2,3-トリアジンとしては、4-および5-トリアジンがあり、1,2,4-トリアジンとしては、3-、5-および6-トリアジンがあり、1,3,5-トリアジンとしては、2-トリアジンがあり、チオフェンとしては、2-および3-チオフェンがあり、フランとしては、2-および3-フランがあり、チアゾールとしては、2-、4-および5-チアゾールがあり、イソチアゾールとしては、3-、4-および5-イソチアゾールがあり、オキサゾールとしては、2-、4-および5-オキサゾールがあり、イソオキサゾールとしては、3-、4-および5-イソオキサゾールがあり、インドールとしては、1-、2-および3-インドールがあり、イソインドールとしては、1-および2-イソインドールがあり、キノリンとしては、2-、3-および4-キノリンがあり、イソキノリンとしては、1-、3-および4-イソキノリンがあり、キナゾリンとしては、2-および4-キナゾリンがあり、シンノリンとしては、3-および4-シンノリンがあり、ベンゾチオフェンとしては、2-および3-ベンゾチオフェンがあり、ベンゾフランとしては、2-および3-ベンゾフランがある。
【0074】
いくつかのヘテロアリール基としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、ベンゾチオフェン、およびベンゾフラン等の、5から10個の環員およびN、OまたはSを含む1から3個の環原子を有するものがある。他のヘテロアリール基としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、およびイソオキサゾール等の、5から8個の環員および1から3個のヘテロ原子を有するものがある。いくつかの他のヘテロアリール基としては、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびビピリジン等の、9から12個の環員および1から3個のヘテロ原子を有するものがある。更に他のヘテロアリール基としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、およびイソオキサゾール等の、5から6個の環員およびN、OまたはSを含む1から2個の環ヘテロ原子を有するものがある。
【0075】
いくつかのヘテロアリール基は、5から10個の環員および窒素ヘテロ原子のみを含み、例えば、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、およびシンノリン等が挙げられる。他のヘテロアリール基は、5から10個の環員および酸素ヘテロ原子のみを含み、例えば、フランおよびベンゾフラン等が挙げられる。いくつかの他のヘテロアリール基は、5から10個の環員および硫黄ヘテロ原子のみを含み、例えば、チオフェンおよびベンゾチオフェン等が挙げられる。更に他のヘテロアリール基は、5から10個の環員および少なくとも2つのヘテロ原子を含み、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、およびシンノリン等が挙げられる。
【0076】
「ヘテロ原子」は、O、SまたはNを指す。
【0077】
「塩」は、本発明の方法において使用される化合物の酸塩または塩基塩を指す。薬学的に許容される塩の例示的な例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸等)塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸等)塩、第四級アンモニウム(メチルヨウ化物、エチルヨウ化物等)塩である。薬学的に許容される塩は非毒性であることを理解されたい。好適な薬学的に許容される塩に関する更なる情報は、Remington's PharmaceuticalSciences、第17版、MackPublishing Company、Easton、Pa.、1985年で見出すことができ、この文献は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0078】
「異性体」は、同じ化学式を有するが構造的に識別可能な化合物を指す。
【0079】
「互変異性体」は、平衡状態で存在し、一方の形態から他方の形態へ容易に変換される2つまたはそれより多い構造異性体のうちの1つを指す。
【0080】
本明細書において使用される「化学療法」という用語は、典型的にはがんを処置するため使用される内科的処置を指す。化学療法処置には、がん組織および細胞に対して毒性であり、またはがん組織および細胞の成長または拡散を遅延または減少させるように作用する薬剤の使用が含まれる。化学療法剤としては抗腫瘍剤があり、それらは天然化合物由来であってもよく(例えば、タキソール);天然に存在するホルモン、増殖因子、または免疫学的活性分子の作用であってもよく、それを模倣してもよく、またはそれを低下させてもブロックしてもよく;合成小分子であってもよく;抗体または抗体コンジュゲートであってもよく;他の薬剤であってもよい。例示的な化学療法剤としては、これらに限定されるものではないが、当技術分野において公知の他のものの中でも、タキサン、タキソール、ドセタキセル、パクリタキセル、アクチノマイシン、アントラサイクリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、バルルビシン、ブレオマイシン、シスプラチン、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、エリブリン(Halaven(登録商標))がある。
【0081】
本明細書において使用される「医薬組成物」および「製剤」という用語は、患者へ投与して、病的状態を処置するまたは病的状態の症状を回復させるのに好適な組成物を指す。医薬組成物は、活性成分(例えば、GRA;またはGRAおよび例えばアドレナリン作動性アンタゴニストまたはソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体等の他の活性薬剤の組合せ)、および薬学的に許容される賦形剤を含む。実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の活性成分および1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0082】
本明細書において使用される「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、活性薬剤の対象への投与および対象による吸収を補助し、医薬組成物中に含まれる場合があり、患者に重度の有害な毒性効果をもたらすことはない物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、生理食塩水溶液、乳酸リンゲル液、標準スクロース、標準グルコース、結合剤、フィラー、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味料、香味料および着色剤等がある。当業者であれば、他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを認識するであろう。
【0083】
本明細書において使用される「持続放出」、「遅延放出」、「長時間作用」、「延長放出」という用語、および類似のものは、患者における活性成分(単数または複数)の治療濃度を、そのような持続放出を意図しない製剤と比較して長期間にわたって維持するように製剤化された少なくとも1つの活性成分(例えば、GRA、アドレナリン作動性アンタゴニスト、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、またはこれらの組合せ)を含む医薬組成物または製剤を指す。いくつかの場合では、持続放出製剤は、1つまたは複数の活性成分の治療濃度を1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、または6週間維持する、または少なくともこれらの期間維持する。いくつかの場合では、持続放出製剤は、1、2、3、4、5、または6週間ごとに患者へ投与される。市販されている持続放出製剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ソマトスタチン類似体の持続放出製剤であるオクトレオチドLAR、延長放出ランレオチド、およびランレオチドオートゲルがある。
【0084】
本明細書において使用される「アドレナリン受容体」という用語は、カテコールアミン(例えば、ドーパミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリン)等のアドレナリン作動性化合物と結合する天然に存在する受容体を指す。アドレナリン受容体は、いくつかのサブタイプのうちの1つであってもよく、それらとしては、「アルファ-アドレナリン受容体」および「ベータ-アドレナリン受容体」と呼ばれる2つの一般的なサブタイプのうちの1つがある。アドレナリン作動性アゴニストの結合および作用、ならびにアドレナリン作動性アンタゴニストの結合および効果は、アルファ-アドレナリン受容体とベータ-アドレナリン受容体との間で異なる場合がある。アルファ-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば交感神経作用薬)としては、例えば、フェニレフリン、グアネチジン、および他の化合物がある。ベータ-アドレナリン受容体アゴニスト(例えばベータアゴニスト)としては、例えば、イソプロテレノールおよびイソプレナリンがある。
【0085】
本明細書において使用される「アドレナリン作動性アンタゴニスト」という用語は、アドレナリン受容体の活性化を低下させる化合物を指し、それらとしては、例えば、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、および混合性アルファ-およびベータ-アドレナリン作動性アンタゴニスト作用を有するアンタゴニストがある。アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト(例えば、アルファブロッカー)としては、例えば、フェントラミン、プラゾシン、およびヨヒンビンがある。ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト(例えば、ベータブロッカー)としては、例えば、プロプラノロール、チモロール、およびエスモロールがある。
【0086】
本明細書において使用される「ソマトスタチン」および「SST」は、「成長ホルモン阻害ホルモン(または「因子」)」、「成長ホルモン放出阻害ホルモン(または「因子」)」、「ソマトトロピン放出阻害ホルモン(または「因子」)」、または当業者に理解されるような他の名称としても公知であるその任意の形態の天然に存在するペプチドホルモンを指す。ヒトソマトスタチンは、Uniprot P61278に記載されている。ソマトスタチンは、長い形態(例えば、ヒトにおける28個のアミノ酸)および短い形態(例えば、ヒトにおける14個のアミノ酸)の少なくとも2つの形態として発生し、(例えば、成長ホルモン(ソマトトロピン)の放出を減少させることによってまたはブロックすることによって)作用する。したがって、ソマトスタチンは、2つの主要な生物学的活性形態であるSST14およびSST28を有する阻害性ポリペプチドである。いくつかの場合では、リガンドは、ソマトスタチンのプレまたはプレプロ形態、またはこれらの類似体である。
【0087】
本明細書において使用されるソマトスタチン受容体という用語は、ソマトスタチンと結合するある種のG-タンパク質共役7回膜貫通受容体を指す。5つのソマトスタチン受容体サブタイプが公知であり、それぞれSSTR1~SSTR5と称される。
【0088】
本明細書において使用される「ソマトスタチン受容体リガンド」または「ソマトスタチンリガンド類似体」または「ソマトスタチン類似体」という用語は、ソマトスタチン受容体サブタイプ(SSTR1~SSTR5)のうちのいずれか1つの任意のリガンドを指す。「ソマトスタチン類似体」は、ソマトスタチンの作用を少なくともある程度模倣する。ソマトスタチン類似体の例としては、これらに限定されるものではないが、パシレオチド、オクトレオテート、オクトレオチド、ランレオチド、および例えば標識された(例えば、放射標識された、および検出可能に標識された等)これらの誘導体を含むこれらの誘導体がある。
【0089】
いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドはソマトスタチンである。いくつかの場合では、ソマトスタチンリガンドはソマトスタチン類似体である。好ましい実施形態では、ソマトスタチン類似体は、ソマトスタチン受容体のアゴニストである。いくつかの場合では、ソマトスタチンリガンドは、ソマトスタチン2型受容体(SSTR2)と優先的に結合するまたはそれを活性化する。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、ソマトスタチン5型受容体(SSTR5)と優先的に結合するまたはそれを活性化する。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR2およびSSTR5と優先的に結合するまたはこれらを活性化する。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR2、SSTR3、およびSSTR5と優先的に結合するまたはこれらを活性化する。ソマトスタチン受容体リガンドは、長時間作用、延長、または遅延放出製剤として提供または投与することができる。
【0090】
例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、米国特許第8,946,154号に記載のもの等のペプチドソマトスタチン受容体リガンドがある。例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、米国特許第6,818,739号に記載のもの等のOncorhynchus mykiss由来のソマトスタチンポリペプチドおよびこれらの類似体または誘導体が更にある。例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、1つまたは複数のソマトスタチン受容体サブタイプ(例えば、SSTR1~5のうちのいずれか1つ、またはこれらの組合せ)へ結合する抗体、または結合し、活性化する抗体が更にある。例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、米国特許第7,189,856号に記載のもの等の非ペプチドソマトスタチン受容体リガンドが更にある。例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、米国特許第6,358,941号に記載のソマトスタチン受容体リガンドが更にある。
【0091】
例示的なソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、選択的ソマトスタチン受容体リガンドが更にある。例えば、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1~5のうちの1つに対して選択的とすることができる(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR2に対して選択的である。例示的ないくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR3に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR4に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR5に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。
【0092】
いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1~5からなる群から選択される2つのソマトスタチン受容体に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。例えば、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1および4に対して選択的とすることができる。別の例として、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR2および5に対して選択的とすることができる。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1~5からなる群から選択される3つのソマトスタチン受容体に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、SSTR1~5からなる群から選択される4つのソマトスタチン受容体に対して選択的である(例えば、選択的に結合する、または選択的に活性化する)。例示的な選択的ソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、Rohrerら、1998年、Science 282巻:737頁に記載のものがある。例示的な選択的ソマトスタチン受容体リガンドとしては、限定するものではないが、米国特許出願公開第2006/0089299号に記載のものが更にある。
【0093】
いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、オクトレオチド、111In-オクトレオチド、オクトレオテート、パシレオチド、ランレオチド、およびこれらの類似体または誘導体からなる群から選択される。いくつかの場合では、ソマトスタチン受容体リガンドは、検出可能な標識または細胞毒性剤と結合する。例示的な検出可能な標識としては、スピン標識、蛍光標識、および放射性核種がある。例示的な細胞毒性剤としては、放射性核種および細胞毒性化学療法剤がある。
【0094】
本明細書において使用される「ソマトスタチンイメージング」という用語は、イメージングする方法を指し、そこではソマトスタチン、またはソマトスタチン類似体が標識され(例えば、放射性の、蛍光のまたは他の検出可能な元素または化合物と結合され)、対象へ投与され、標識が検出される。標識の検出は、例えば、対象におけるソマトスタチン受容体の位置を判定するのに有用であり、対象における異所性のそうでなければ不適切な位置のソマトスタチン受容体の判定に特に有用な場合もある。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法は、ソマトスタチン類似体(SSA)を投与することを含む。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、オクトレオチド、オクトレオテート、パシレオチド、ランレオチド、およびこれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は放射標識される。いくつかの場合では、放射標識ソマトスタチン類似体は、例えば、111Inまたは123I等のイメージングに好適な標識で放射標識される。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、例えば、111In、131I、90Y、177Lu、または213Bi等の放射性核種療法に好適な標識で放射標識される。いくつかの場合では、治療用放射性核種は、111In、90Y、177Lu、および213Biからなる群から選択される。いくつかの場合では、治療用放射性核種は、90Y、177Lu、および213Biからなる群から選択される。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、32P、45Ti、48V、49V、59Fe、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、65Zn、67Cu、67Ga、68Ga、71As、72As、76As、76Br、77As、89Sr、90Y、99mTc、111In、117mSn、123I、125I、131I、149Pm、153Gd、153Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、209Pb、209Bi、211At、212Bi、212Pb、213Bi、223Ra、および225Acからなる群から選択される放射性核種で標識される。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、123I-Tyr3-オクトレオチド、111In-DTPA-D-Phe1-オクトレオチド、[111In-DTPA0]オクトレオチド、[90Y-DOTA、Tyr3]オクトレオチド、または[177Lu-DOTA、Tyr3]オクトレオテートである。いくつかの場合では、それを必要とする対象は、手術不可能なまたは転移性のカテコールアミン分泌腫瘍、または手術不可能な転移性のカテコールアミン分泌腫瘍を患っている。いくつかの場合では、手術不可能なおよび/または転移性のカテコールアミン分泌腫瘍は神経内分泌腫瘍である。
【0096】
いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、持続放出製剤として投与される。いくつかの場合では、ソマトスタチン類似体は、オクトレオチドLAR、ランレオチドPR、またはランレオチドオートゲルとして投与される。
【0097】
本明細書において使用される「ペプチド受容体放射性核種療法」またはその頭文字「PRRT」という句は、治療的介入を指し、そこではリガンドは、放射性元素または化合物がそこへ結合することによって放射性となり、対象へ投与されて、放射性リガンドがその受容体へ結合し、治療用量の放射線を送達する。腫瘍が、放射性リガンドが与えられ得る受容体を不適切に発現、または過剰発現する場合、PRRTは有効であり得る。実施形態では、腫瘍がソマトスタチン受容体を不適切に発現、または過剰発現する場合、放射標識ソマトスタチン、または放射標識ソマトスタチン類似体を患者へ投与してもよい。
【0098】
処置方法
【0099】
本明細書において開示される方法としては、カテコールアミン分泌腫瘍等の腫瘍を処置する方法であって、糖質コルチコイド受容体(GR)を調節することができる化合物を投与し、その結果、有益な治療効果を提供することを含む方法がある。実施形態では、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者はクッシング症候群の患者であり、方法は、患者におけるクッシング症候群を処置する。例えば、本明細書において開示される方法は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)等の有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)を、それを必要とする患者へ投与し、その結果、腫瘍によるカテコールアミンの産生を減少させることを含む。実施形態では、開示される方法は、腫瘍を有するクッシング症候群の患者へ、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)等の有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)を投与し、その結果、腫瘍によるカテコールアミンの産生を減少させ、その結果、クッシング症候群を処置することを含む。実施形態では、腫瘍は、神経内分泌腫瘍であってもよい。
【0100】
方法の実施形態は、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを患者へ投与することを含み、患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。方法の実施形態は、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを患者へ投与することを含み、患者は、i)糖質コルチコイド受容体モジュレータを用いた処置を別段必要とせず、ii)外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。実施形態では、GRモジュレータは糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)である。したがって、実施形態では、方法は、有効量のGRAを患者へ投与することを含み、患者は、i)GRAを用いた処置を別段必要とせず、ii)外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。
【0101】
GRA化合物は、他の処置または医薬物質と一緒に投与しても、同時に投与しても、または近接した時間で投与してもよい。他の処置または医薬物質としては、例えば、化学療法剤、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、放射線療法剤(例えば、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)において使用するためのペプチド等の放射性部分を含む化合物)、ソマトスタチン、およびソマトスタチン受容体アゴニスト(例えばソマトスタチン類似体)があり得る。実施形態では、GRA化合物は、他の活性薬剤も含む医薬組成物として投与してもよく、他の活性薬剤は、アドレナリン作動性アンタゴニスト、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体のうちの1つまたは複数であってもよい。
【0102】
例えば、コルチゾールの活性を低下させるために有効なGRAを、アドレナリン作動性アンタゴニストと組み合わせて投与すると、神経内分泌腫瘍を処置するために投与されたアドレナリン作動性アンタゴニストと相乗的に作用し、そのようなアドレナリン作動性アンタゴニスト処置の有効性が改善される場合がある。実施形態では、神経内分泌腫瘍は、クッシング症候群の患者に存在し、方法は、患者におけるクッシング症候群を処置する。更なる例では、腫瘍レベルでコルチゾール活性が増加すると、sst2等のソマトスタチン受容体の発現に影響を及ぼすことがあり、結果としてソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体の有効性に影響を与えることがある。したがって、腫瘍レベルでコルチゾールの活性を低下させるために有効なGRAを投与すると、神経内分泌腫瘍を処置するために投与されたソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体の有効性を改善することができる。GRM(GRA等)の投与を、化学療法剤、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、放射線療法剤、ソマトスタチン、およびソマトスタチン受容体アゴニスト(例えば、ソマトスタチン類似体)等の他の薬剤の投与と一緒にまたは近接した時間で投与することに起因する、他の併用作用および相乗的活性は、GRM(GRA等)の非存在下でそのような他の薬剤が使用される方法と比較して、神経内分泌腫瘍を処置するための方法の有効性を改善することができる。
【0103】
実施形態では、有益な治療効果としては、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の低下;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状の回復;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性の改善;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体の治療有効性の改善;画像診断法で使用する場合のソマトスタチン類似体の有効性の改善;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性の改善;および他の治療的利点がある。実施形態では、有益な治療効果としては、クッシング症候群のカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるクッシング症候群の処置がある。
【0104】
実施形態では、糖質コルチコイド受容体モジュレータは、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)である。実施形態では、GRAは糖質コルチコイドII型(GRII)受容体アンタゴニストである。実施形態では、GRAは、糖質コルチコイドI型(GRI)受容体へのその結合と比較して、GRII受容体へ優先的に結合する。実施形態では、GRAは、GRII受容体の活性化を低下させる。実施形態では、GRAは、GRII受容体の活性を低下させる。実施形態では、GRAは、プロゲステロン受容体(PR)へ結合する場合があり、それがPRへ結合するよりも高親和性で、糖質コルチコイド受容体へ結合する場合がある。実施形態では、GRAはミフェプリストンである。実施形態では、GRAは、糖質コルチコイド受容体の選択的インヒビタである。実施形態では、GRAはPRへほんのわずかしか結合しない場合があり、またはPRへ測定可能に結合しない場合がある。
【0105】
いくつかの実施形態では、GRAは、ステロイド骨格の11-β位に少なくとも1つのフェニル含有部分を有するステロイド骨格を含む。いくつかの場合では、ステロイド骨格の11-β位におけるフェニル含有部分は、ジメチルアミノフェニル部分である。いくつかの場合では、GRAはミフェプリストンである。いくつかの実施形態では、GRAは、11β-(4-ジメチルアミノエトキシフェニル)-17α-プロピニル-17β-ヒドロキシ-4,9エストラジエン-3-オンおよび(17α)-17-ヒドロキシ-19-(4-メチルフェニル)アンドロスタ-4,9(11)-ジエン-3-オンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、GRAは(11β,17β)-11-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-17-ヒドロキシ-17-(1-プロピニル)エストラ-4,9-ジエン-3-オンである。
【0106】
実施形態では、GRAとしては、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する化合物;縮合アザデカリン骨格を有する(GRA);ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有する(GRA);およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有する(GRA)がある。
【0107】
いくつかの実施形態では、GRAは非ステロイド骨格を有する。いくつかの場合では、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト骨格はシクロヘキシルピリミジンである。いくつかの場合では、シクロヘキシルピリミジンは以下の式:
【化5】
【0108】
(式中、破線は存在しないまたは結合であり;Xは、OおよびSからなる群から選択され;R1は、1から3個のR1a基で必要に応じて置換された、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;各R1aは、独立して、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルOR1b、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ(haloaloxy)、OR1b、NR1bR1c、C(O)R1b、C(O)OR1b、OC(O)R1b、C(O)NR1bR1c、NR1bC(O)R1c、SO2R1b、SO2NR1bR1c、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;R1bおよびR1cは、それぞれ独立して、HおよびC1~6アルキルからなる群から選択され;R2は、H、C1~6アルキル、C1~6アルキル-OR1b、C1~6アルキルNR1bR1cおよびC1~6アルキレンヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;R3は、HおよびC1~6アルキルからなる群から選択され;Arは、1~4個のR4基で必要に応じて置換されたアリールであり;各R4は、独立して、H、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、ハロゲン、C1~6ハロアルキルおよびC1~6ハロアルコキシからなる群から選択され;L1は、結合またはC1~6アルキレンであり;下付き文字nは、0から3の整数である)、またはこれらの塩および異性体を有する。
【0109】
いくつかの場合では、非ステロイド骨格を有するGRAは、縮合アザデカリンである。いくつかの場合では、縮合アザデカリンは、以下の式:
【化6】
(式中、L
1およびL
2は、結合および非置換アルキレンから独立して選択されるメンバーであり;R
1は、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、-OR
1A、NR
1CR
1D、-C(O)NR
1CR
1D、および-C(O)OR
1Aから選択されるメンバーであり、ここで、R
1Aは、水素、非置換アルキルおよび非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーであり、R
1CおよびR
1Dは、非置換アルキルおよび非置換ヘテロアルキルから独立して選択されるメンバーであり、ここで、R
1CおよびR
1Dは、必要に応じて接合し、これらが結合している窒素とともに非置換環を形成し、ここで前記環は、更なる環窒素を必要に応じて含み;R
2は式:
【化7】
を有し、
ここで、R
2Gは、水素、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、-CN、および-CF
3から選択されるメンバーであり;Jはフェニルであり;tは、0から5の整数であり;Xは-S(O
2)-であり;R
5は、1~5個のR
5A基で必要に応じて置換されたフェニルであり、ここで、R
5Aは、水素、ハロゲン、-OR
5A1、S(O
2)NR
5A2R
5A3、-CN、および非置換アルキルから選択されるメンバーであり、ここで、R
5A1は、水素および非置換アルキルから選択されるメンバーであり、R
5A2およびR
5A3は、水素および非置換アルキルから独立して選択されるメンバーである)、またはこれらの塩および異性体を有する化合物である。
【0110】
いくつかの場合では、非ステロイド骨格を有するGRAは、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリンまたはオクタヒドロ縮合アザデカリンである。いくつかの場合では、ヘテロアリールケトン縮合アザデカリンは式:
【化8】
【0111】
(式中、R1は、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有し、R1aからそれぞれ独立して選択される1~4個の基で必要に応じて置換されたヘテロアリール環であり;各R1aは、水素、C1~6アルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、CN、N-酸化物、C3~8シクロアルキル、およびC3~8ヘテロシクロアルキルからなる群から独立して選択され;環Jは、シクロアルキル環、ヘテロシクロアルキル環、アリール環およびヘテロアリール環からなる群から選択され、ここで、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリール環は、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有し;各R2は、水素、C1~6アルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキル-C1~6アルコキシ、CN、OH、NR2aR2b、C(O)R2a、C(O)OR2a、C(O)NR2aR2b、SR2a、S(O)R2a、S(O)2R2a、C3~8シクロアルキル、およびC3~8ヘテロシクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで、ヘテロシクロアルキル基は、1~4個のR2c基で必要に応じて置換され;あるいは、同じ炭素へ連結した2つのR2基が連結し、オキソ基(=O)を形成し;あるいは、2つのR2基が連結し、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル環を形成し、ここで、ヘテロシクロアルキル環は、1から3個のR2d基で必要に応じて置換され;R2aおよびR2bは、水素およびC1~6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され;各R2cは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、CN、およびNR2aR2bからなる群から独立して選択され;各R2dは、水素およびC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、または同じ環原子へ結合した2つのR2d基が連結し、(=O)を形成し;R3は、1~4個のR3a基でそれぞれ必要に応じて置換された、フェニルおよびピリジルからなる群から選択され;各R3aは、水素、ハロゲン、およびC1~6ハロアルキルからなる群から独立して選択され;下付き文字nは0から3の整数である)、またはこれらの塩および異性体を有する。
【0112】
いくつかの場合では、オクタヒドロ縮合アザデカリンは、式:
【化9】
【0113】
(式中、R1は、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有し、R1aからそれぞれ独立して選択される1~4個の基で必要に応じて置換されたヘテロアリール環であり;各R1aは、水素、C1~6アルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、N-酸化物、およびC3~8シクロアルキルからなる群から独立して選択され;環Jは、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有する、アリール環およびヘテロアリール環からなる群から選択され;各R2は、水素、C1~6アルキル、ハロゲン、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C1~6アルキル-C1~6アルコキシ、CN、OH、NR2aR2b、C(O)R2a、C(O)OR2a、C(O)NR2aR2b、SR2a、S(O)R2a、S(O)2R2a、C3~8シクロアルキル、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から3個のヘテロ原子を有するC3~8ヘテロシクロアルキルからなる群から独立して選択され;あるいは、隣接した環原子上の2つのR2基が連結され、5から6個の環員、ならびにN、OおよびSからなる群からそれぞれ独立して選択される1から3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル環を形成し、ここでヘテロシクロアルキル環は、1から3個のR2c基で必要に応じて置換され;R2a、R2bおよびR2cは、水素およびC1~6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され;各R3aは、独立してハロゲンであり;下付き文字nは、0から3の整数である)、またはこれらの塩および異性体を有する。
【0114】
実施形態では、本明細書において開示される方法は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を提供し、その方法は、有効量のGRAを1から1000mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、ただし、i)患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、ii)患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されないものとする。転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる、そのような方法の実施形態では、有効量のGRAが、1から1000mg/kg/日の間、または1から500mg/kg/日の間、または0.1から200mg/kg/日の間、または0.1から100mg/kg/日の間、または0.1から50mg/kg/日の間、または0.1から20mg/kg/日の間、または0.1から15mg/kg/日の間、または0.1から10mg/kg/日の間、または0.1から5mg/kg/日の間、または0.1から3mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間、同じ条件で投与される。実施形態では、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍は、クッシング症候群の患者に存在し、GRAの投与は、患者におけるクッシング症候群を処置する。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0115】
実施形態では、GRAはミフェプリストンであり、方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から100mg/kg/日の間、または0.1から50mg/kg/日の間、または0.1から20mg/kg/日の間、または0.1から15mg/kg/日の間、または0.1から12mg/kg/日の間、または0.1から10mg/kg/日の間、または0.1から5mg/kg/日の間、または0.1から3mg/kg/日の間、または0.1から1mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間、同じ条件で投与することを含む。
【0116】
実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、または両方のために単独療法として使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、クッシング症候群を処置するために、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、または3つの全てのために単独療法として使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために化学療法と組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、ソマトスタチン、またはソマトスタチン受容体アゴニスト(例えば、ソマトスタチン類似体)と組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、化学療法、ソマトスタチン、またはソマトスタチン受容体アゴニスト(例えば、ソマトスタチン類似体)と組み合わせて使用される。実施形態では、ソマトスタチン、またはソマトスタチン類似体または受容体アゴニストは、イメージング(例えば腫瘍のイメージング)において使用される。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0117】
実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、アルファ-アドレナリンおよび/またはベータ-アドレナリン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、化学療法およびアルファまたはベータ-アドレナリン受容体アンタゴニストと組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、放射線療法剤(例えば、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)において使用するためのペプチド等の放射性部分を含む化合物)と組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者において、カテコールアミン過剰をコントロールするために、カテコールアミン過剰の症状を回復させるために、クッシング症候群を処置するために、または3つの全てのために、化学療法および放射線療法剤(例えば、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)において使用するためのペプチド等の放射性部分を含む化合物)と組み合わせて使用される。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0118】
いくつかの場合では、患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)から本質的になる組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。実施形態では、患者はクッシング症候群の患者であり、GRAから本質的になる組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるクッシング症候群を処置するために、カテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。いくつかの場合では、患者は、GRAから本質的になる組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。実施形態では、患者は、GRAを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生またはカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与され、他の薬剤を投与され;他の薬剤は、GRAと組み合わせて投与しても、同時に投与しても、異なる時間に投与してもよい。実施形態では、患者は、GRAを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与され、他の薬剤を投与され;他の薬剤は、GRAと組み合わせて投与しても、同時に投与しても、異なる時間に投与してもよい。実施形態では、患者は、GRAを含む組成物を、クッシング症候群を処置するために有効な量で投与される。実施形態では、患者は、GRAを含む組成物を、クッシング症候群を処置するために、本明細書において開示される他の利点のうちの1つまたは複数を提供するために有効な量で投与される。
【0119】
実施形態では、他の薬剤は、化学療法剤;またはアドレナリン作動性ブロッカー(例えば、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、もしくはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよい);またはソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体;または放射線療法剤(例えば、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)において使用するためのペプチド等の放射性部分を含む化合物);およびこれらの組合せであってもよい。実施形態では、GRAおよび他の薬剤を用いて患者を処置することを含む本明細書において開示される方法は、例えば、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するために化学療法を受ける患者を処置するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するために化学療法を受けたクッシング症候群の患者を処置するための方法;患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにアルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、または両方を受けた患者を処置するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにアルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、または両方を受けた患者を処置するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにソマトスタチン類似体を受けた患者を処置するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍の診断または処置と関連するイメージングのためにソマトスタチン類似体を受けた患者を処置するための方法;およびカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)を受けた患者を処置するための方法を含む。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0120】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者を処置する方法の実施形態では、患者は、他の活性薬剤およびGRAを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者においてカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。実施形態では、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者はクッシング症候群の患者であり、患者は、他の活性薬剤およびGRAを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるクッシング症候群を処置するために、カテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。実施形態では、患者は、他の活性薬剤およびGRAを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。実施形態では、他の薬剤は、アドレナリン作動性ブロッカーであってもよく(例えば、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、もしくはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよく);ソマトスタチンであってもよく;ソマトスタチン類似体であってもよい。実施形態では、組成物は、GRAおよび他の薬剤のうちの2つまたはそれより多い組合せを含んでいてもよく、他の薬剤は、アドレナリン作動性ブロッカー(例えば、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカーおよびベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体)から選択される。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0121】
実施形態では、本明細書において開示される方法は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を含み、その方法は、有効量のミフェプリストンを0.1から50mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含む。実施形態では、患者はクッシング症候群の患者であり、処置は、患者におけるクッシング症候群を処置するために有効である。実施形態では、本明細書において開示される方法は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を含み、その方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から50mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、ただし、患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されないものとする。実施形態では、本明細書において開示される方法は、転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有するクッシング症候群の患者等の患者におけるカテコールアミン産生および腫瘍量を低下させる方法を含み、その方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から50mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、ただし、i)患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、ii)患者は、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されないものとする。実施形態では、これらの方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から100mg/kg/日の間、または0.1から20mg/kg/日の間、または0.1から15mg/kg/日の間、または0.1から12mg/kg/日の間、または0.1から10mg/kg/日の間、または0.1から5mg/kg/日の間、または0.1から3mg/kg/日の間、または0.1から1mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間、同じ条件で投与することを含む。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0122】
いくつかの場合では、患者は、ミフェプリストンから本質的になる組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。実施形態では、患者はクッシング症候群の患者である。いくつかの場合では、患者は、ミフェプリストンから本質的になる組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。本明細書において開示される方法の実施形態では、患者は、他の活性薬剤を含み、ミフェプリストンを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で投与される。本明細書において開示される方法の実施形態では、患者は、他の活性薬剤を含み、ミフェプリストンを含む組成物を、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で投与される。実施形態では、他の活性薬剤は、アドレナリン作動性ブロッカー(例えば、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、もしくはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよい);またはソマトスタチン;またはソマトスタチン類似体であり;またはこれらの組合せを含んでいてもよい。実施形態では、GRAは1日1回投与される。実施形態では、GRAは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0123】
いくつかの場合では、カテコールアミン分泌腫瘍は褐色細胞腫である。いくつかの場合では、カテコールアミン分泌腫瘍は傍神経節腫である。いくつかの場合では、患者は、転移性のカテコールアミン分泌腫瘍を患っている。いくつかの実施形態では、患者は、切除不能な非悪性腫瘍を有する。いくつかの実施形態では、患者は、切除不能な多病巣性非悪性腫瘍を有する。実施形態では、患者は、腫瘍を有するクッシング症候群の患者であり、腫瘍は、褐色細胞腫であり、または傍神経節腫であり、または転移性のカテコールアミン分泌腫瘍であり、または切除不能な非悪性腫瘍であり、または切除不能な多病巣性非悪性腫瘍である。実施形態では、GRA等のGRMは、1日1回投与される。実施形態では、GRA等のGRMは、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0124】
組成物
【0125】
出願人は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者の処置において使用してもよい糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)を含む組成物を、本明細書において開示する。実施形態では、GRAを含む組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量で、またはカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量で、または両方で提供されてもよい。
【0126】
出願人はまた、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)および他の活性薬剤を含む組成物であって、他の活性薬剤が、アドレナリン作動性ブロッカー(例えば、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、もしくはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよい);またはソマトスタチン;またはソマトスタチン類似体であってもよく;またはこれらの組合せを含んでいてもよい組成物を本明細書において開示する。GRAおよび他の活性薬剤を含むこれらの組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者の処置において使用してもよい。実施形態では、GRAおよび他の活性薬剤を含む組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン分泌を減少させるために有効な量のGRA、他の活性薬剤、または両方を含んでいてもよい。実施形態では、GRAおよび他の活性薬剤を含む組成物は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させるために有効な量のGRA、他の活性薬剤、または両方を含んでいてもよい。
【0127】
本明細書において開示される組成物は、さまざまな経口用、非経口用および局所用剤型として調製することができる。経口調製物としては、患者による摂取に好適な、錠剤、丸剤、散剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、トローチ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等がある。本発明の組成物は、注射によって、すなわち、静脈内で、筋肉内で、皮内で、皮下で、十二指腸内で、または腹腔内で投与することもできる。また、本明細書において開示される組成物は、吸入によって、例えば経鼻腔で投与することができる。更に、本発明の組成物は、経皮で投与することができる。本明細書において開示される組成物は、眼内、膣内、および直腸内経路によって投与することもでき、それらとしては、坐剤、吹入剤、散剤およびエアロゾル製剤(例えば、ステロイド吸入剤、Rohatagi、J.Clin.Pharmacol.35巻:1187~1193頁、1995年;Tjwa、Ann.AllergyAsthmaImmunol.75巻:107~111頁、1995年を参照のこと)がある。
【0128】
したがって、本明細書において開示される実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)、およびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む医薬組成物を含む。アドレナリン作動性アンタゴニストは、アルファ-アドレナリン作動性アンタゴニストであってもよく、ベータ-アドレナリン作動性アンタゴニストであってもよく、およびアルファ-アドレナリン受容体およびベータ-アドレナリン受容体の両方においてアンタゴニスト活性を有するアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよい。本明細書において開示される更なる実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)、およびソマトスタチンを含む医薬組成物を含む。本明細書において開示される他の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)、およびソマトスタチン類似体を含む医薬組成物を含む。
【0129】
本発明の化合物からの医薬組成物の調製に関しては、薬学的に許容される担体は、固体または液体のいずれかとすることができる。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒がある。固体担体は、1つまたは複数の物質とすることができ、これらは、希釈剤、香味剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または封入材料として作用する場合もある。製剤化および投与に関する技術についての詳細は、科学文献および特許文献において詳細に記載されており、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、MackPublishing Co、Easton Pa.(「Remington's」)の最新版
を参照されたい。
【0130】
散剤では、担体は微粉化固体であり、それは微粉化活性構成成分とともに混合物中に存在する。錠剤では、活性構成成分は、必要とされる結合特性を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。散剤および錠剤は、好ましくは5%または10%から70%の他の活性薬剤および/またはGRAを含む。
【0131】
好適な固体賦形剤としては、これらに限定されるものではないが、炭酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ペクチン;デキストリン;デンプン;トラガカント;低融解ワックス;ココアバター;炭水化物;これらに限定されないが、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖、コーン、小麦、コメ、ジャガイモ、または他の植物から得られたデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース;およびアラビアおよびトラガカントを含むガム;およびこれらに限定されないが、ゼラチンおよびコラーゲンを含むタンパク質がある。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはこれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウム等の、崩壊剤または可溶化剤を添加してもよい。
【0132】
糖衣錠のコアには、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタンも含んでいてもよい濃縮糖溶液、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物等の好適なコーティングが施される。染料または顔料を、製品識別のためにまたは活性化合物の量(すなわち投薬量)を特徴付けるために錠剤または糖衣錠コーティングへ添加してもよい。本発明の医薬調製物は、例えば、ゼラチンから作製されたプッシュフィットカプセル剤、ならびにゼラチンから作製された密閉軟カプセル剤およびグリセロールまたはソルビトール等のコーティングを使用して経口で使用することもできる。プッシュフィットカプセル剤は、他の活性薬剤および/またはGRAを、ラクトースまたはデンプン等のフィラーまたは結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、および必要に応じて安定化剤と混合して含むことができる。軟カプセル剤では、他の活性薬剤および/またはGRAは、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコール等の好適な液体中に溶解または懸濁してもよく、安定化剤を含むまたは含まない。
【0133】
坐剤の調製に関しては、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物等の低融解ワックスを最初に融解し、他の活性薬剤および/またはGRAを、撹拌することによってその中へ均質に分散させる。次いで、融解した均質な混合物を便宜なサイズの金型へ注ぎ入れ、冷却し、それによって凝固させる。
【0134】
液体形態の調製物としては、液剤、懸濁剤、およびエマルション剤、例えば、水剤または水/プロピレングリコール液剤がある。非経口注射剤に関しては、液体調製物を、水性ポリエチレングリコール溶液中に液剤として製剤化することができる。
【0135】
経口使用に好適な水溶液は、他の活性薬剤および/またはGRAを水中に溶解し、所望される場合、好適な着色剤、香味料、安定化剤、および増粘剤を添加することによって調製することができる。経口使用に好適な水性懸濁剤は、微粉化活性構成成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアガム等の粘性材料、および天然に存在するホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)等の分散剤または湿潤剤を含む水中に分散させることによって作製することができる。水性懸濁剤はまた、エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエート等の1つまたは複数の保存剤、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味剤およびスクロース、アスパルテームまたはサッカリン等の1つまたは複数の甘味剤を含むこともできる。製剤は、浸透圧に応じて調整することができる。
【0136】
使用直前に経口投与用の液体形態の調製物へ変換することを意図する固体形態の調製物も含まれる。このような液体形態としては、液剤、懸濁剤、およびエマルション剤がある。これらの調製物は、活性構成成分に加えて、着色剤、香味料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含んでいてもよい。
【0137】
油性懸濁剤は、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油等の植物油中にまたは液体パラフィン等の無機油中に;またはこれらの混合物中に他の活性薬剤および/またはGRAを懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコール等の増粘剤を含むことができる。グリセロール、ソルビトールまたはスクロース等の甘味剤を添加し、味の良い経口調製物を提供することができる。これらの製剤は、アスコルビン酸等の抗酸化物質を添加することによって保存することができる。注射可能な油性ビヒクルの例として、Minto、J.Pharmacol.Exp.Ther.281巻:93~102頁、1997年を参照されたい。本発明の医薬製剤は水中油エマルションの形態とすることもできる。油性相は、上述の植物油もしくは無機油、またはこれらの混合物とすることができる。好適な乳化剤としては、アカシアガムおよびトラガカントゴム等の天然に存在するガム、ダイズレシチン等の天然に存在するホスファチド、ソルビタンモノオレエート等の脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のこれらの部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物がある。エマルション剤はまた、シロップ剤およびエリキシル剤の製剤と同様に甘味剤および香味剤を含むことができる。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、または着色剤を含むことができる。
【0138】
本発明の組成物は、身体において遅延放出するためのミクロスフィアとして送達することもできる。例えば、ミクロスフィアは、皮下で徐々に放出される薬物含有ミクロスフィアの皮内注射を介して(Rao、J.Biomater Sci.Polym.第7版:623~645頁、1995年を参照のこと);生分解性および注射可能なゲル製剤として(例えば、GaoPharm.Res.12巻:857~863頁、1995年を参照のこと);または経口投与のためのミクロスフィアとして(例えば、Eyles、J.Pharm.Pharmacol.49巻:669~674頁、1997年を参照のこと)投与するために製剤化することができる。経皮経路と皮内経路の両方が、一定な送達を数週間または数カ月間提供する。
【0139】
他の実施形態では、本発明の組成物は、静脈内(IV)投与または、体腔または器官内腔への投与等の非経口投与のために製剤化することができる。投与のための製剤は、薬学的に許容される担体中に溶解された本発明の組成物の溶液を通常含むことになる。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水およびリンゲル溶液、等張塩化ナトリウムがある。更に、滅菌固定油を、溶媒または懸濁媒体として従来的に用いることができる。そのためには任意の無菌固定油を用いることができ、それらとしては、合成モノまたはジグリセリドがある。更に、オレイン酸等の脂肪酸を、注射可能な調製物において同様に使用することができる。これらの溶液は、滅菌性であり、不所望の物質を一般的に含まない。これらの製剤は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されていてもよい。製剤は、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の生理学的条件に近づけるために薬学的に許容される補助物質を必要に応じて含んでいてもよい。これらの製剤中の本発明の組成物の濃度は、広範囲にわたって変更することができ、体液の容量、粘度、体重等に主に基づき、選択される特定の投与様式および患者の要求に従って選択されることになる。IV投与に関しては、製剤は、注射可能な滅菌水性または油性懸濁剤等の、注射可能な滅菌調製物とすることができる。この懸濁剤は、分散または湿潤剤および懸濁化剤に好適なものを使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。注射可能な滅菌調製物は、1,3-ブタンジオール溶液等の非経口で許容される非毒性希釈剤または溶媒中の、滅菌注射用溶液または懸濁剤とすることもできる。
【0140】
他の実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するもしくはエンドサイトーシスするリポソームを使用することによって、すなわち、リポソームへ結合したリガンドを用いることによって、または細胞の表面膜タンパク質受容体へ結合するオリゴヌクレオチドへ直接結合し、エンドサイトーシスをもたらすことによって送達することができる。リポソームを使用することによって、特にリポソーム表面が、標的細胞に対して特異的なリガンドを有する場合、そうでなければ特定の器官を優先的に対象とする場合、本発明の組成物を、標的細胞へin vivoで送達することに焦点を合わせることができる(例えば、Al-Muhammed、J.Microencapsul.13巻:293~306頁、1996年;Chonn、Curr.Opin.Biotechnol.6巻:698~708頁、1995年;Ostro、Am.J.Hosp.Pharm.46巻:1576~1587頁、1989年を参照のこと)。
【0141】
投与
【0142】
実施形態では、組成物は1日1回投与される。実施形態では、組成物は、食事とともにまたは食事の直後に1日1回投与される。
【0143】
本明細書において開示される組成物は、任意の好適な手段によって送達することができ、それらとしては、経口的、非経口的および局所的方法がある。局所経路による経皮的投与法は、アプリケータースティック剤、液剤、懸濁剤、エマルション剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、塗布剤、散剤、およびエアロゾル剤として製剤化することができる。
【0144】
医薬調製物は、好ましくは単位剤型である。そのような形態では、調製物は、適切な量のGRAおよび他の活性薬剤を含む単位用量へ更に分割され、他の活性薬剤は、アドレナリン作動性アンタゴニスト、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体から選択される。実施形態では、アドレナリン作動性アンタゴニストは、アルファ-アドレナリン作動性アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン作動性アンタゴニストであってもよく、アルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性を有するアドレナリン作動性アンタゴニストであってもよい。単位剤型は、パッケージ調製物とすることができ、パッケージには、バイアルまたはアンプル中にパッケージされた錠剤、カプセル剤、および散剤等の、個別の量の調製物が含まれる。また、単位剤型は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはトローチ剤そのものとすることができ、またはパッケージされた形態中の適切な数のこれらのうちのいずれかとすることができる。
【0145】
GRAおよび他の活性薬剤は、同時投与または個別に投与することができる。同時投与には、GRAを投与してから0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または24時間以内に他の活性薬剤を投与することが含まれる。同時投与にはまた、GRAおよび他の活性薬剤を同時に、およそ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20、または30分以内に)、または任意の順序で逐次的に投与することが含まれる。更に、GRAおよび他の活性薬剤は、1日1回、または1日当たり2回、3回、またはそれよりも多い回数でそれぞれ投与し、その結果、1日当たりの好ましい投薬量レベルを得ることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、同時投与は、同時の処方によって、すなわち、GRAと他の活性薬剤の両方を含む単一の医薬組成物を調製することによって達成することができる。好適な同時製剤としては、GRA、他の活性薬剤、および薬学的に許容される賦形剤を含む単一の医薬組成物がある。例えば、好適な同時製剤としては、GRA、薬学的に許容される賦形剤、ならびにアドレナリン受容体アンタゴニスト(例えば、アルファ-アドレナリン作動性アンタゴニスト、ベータ-アドレナリン作動性アンタゴニスト、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニスト)、ソマトスタチン、およびソマトスタチン類似体から選択される活性薬剤を含む単一の医薬組成物がある。
【0147】
他の実施形態では、GRAおよび他の活性薬剤は、個別に製剤化することができる。
【0148】
他の活性薬剤は、任意の好適な量で存在することができ、さまざまな因子に依存する場合があり、それらとしては、対象の体重および年齢、疾患状態等があるが、これらに限定されない。GRAと組み合わせた他の活性薬剤に関する好適な投薬量の範囲としては、約0.1mgから約10,000mg、または約1mgから約1000mg、または約10mgから約750mg、または約25mgから約500mg、または約50mgから約250mgがある。GRAと組み合わせた他の活性薬剤に関する好適な投薬量としては、約0.1mg、1mg、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000mgがある。
【0149】
同様に、GRAは、他の活性薬剤と組み合わせて任意の好適な量で存在することができる。GRAの量は、さまざまな因子に依存する場合があり、それらとしては、対象の体重および年齢、疾患状態等があるが、これらに限定されない。他の活性薬剤と組み合わせたGRAに関する好適な投薬量の範囲としては、約0.1mgから約10,000mg、または約1mgから約1000mg、または約10mgから約750mg、または約25mgから約500mg、または約50mgから約250mgがある。他の活性薬剤と組み合わせたGRAに関する好適な投薬量としては、これらに限定されるものではないが、約1mg、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または約1000mgがある。
【0150】
他の活性薬剤およびGRAは、本発明の組成物中に、約1:100から約100:1(w/w)、または約1:50から約50:1、または約1:25から約25:1、または約1:10から約10:1、または約1:5から約5:1(w/w)等の任意の好適な重量比で存在することができる。他の活性薬剤およびGRAは、約1:100(w/w)、1:50、1:25、1:10、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、25:1、50:1または100:1(w/w)等の任意の好適な重量比で存在することができる。他の活性薬剤およびGRAの他の投薬量および投薬量比は、本明細書において開示される組成物および方法において好適である。
【0151】
組成物はまた、他の適合する治療剤を含むことができる。本明細書において述べられる化合物は互いに組み合わせて、または単独で有効ではない場合があるが、活性薬剤の有効性に寄与することがある補助的な薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0152】
例示的な実施形態
【0153】
本明細書において開示される方法および組成物の実施形態としては、限定するものではないが、以下の例示的実施形態がある。これらの実施形態に従って処置される患者としては、限定するものではないが、以下の実施形態において記載される腫瘍を有するクッシング症候群の患者がある。
【0154】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを前記患者へ投与することを含み、前記患者が、i)糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、ii)外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。糖質コルチコイド受容体モジュレータ(GRM)は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)であってもよい。本明細書において開示されるカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法では、GRMは1日1回投与してもよい。本明細書において開示されるカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法の実施形態では、GRMは、1日1回を超えて投与してもよい。
【0155】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法の実施形態では、方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から50mg/kg/日の間である。実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間1から10mg/kg/日の間である。
【0156】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法であって、有効量のGRMを前記患者へ投与することを含み、前記患者が、GRA等のGRMを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。本明細書において開示されるカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の実施形態では、GRMはGRAであってもよい。実施形態では、GRMは1日1回投与してもよく;実施形態では、GRMは、1日1回を超えて投与してもよい。
【0157】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の実施形態では、方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。
【0158】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、1日1回用量である。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の更なる実施形態では、ミフェプリストンは、1日1回を超えて投与される。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から20mg/kg/日の間である。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法の実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から10mg/kg/日の間である。
【0159】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するための化学療法を受ける患者へ投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。本明細書において開示されるカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法の実施形態では、GRMはGRAであってもよい。
【0160】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法であって、有効量のミフェプリストンを、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するための化学療法を受ける患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法の更なる実施形態では、ミフェプリストンは、1日1回を超えて投与される。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法の実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から20mg/kg/日の間である。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法の実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から10mg/kg/日の間である。
【0161】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法であって、有効量のGRMを、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためのアルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、または両方を受けた患者へ投与することを含み、前記患者がGRA等のGRMを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法の実施形態では、GRMはGRAである。
【0162】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法であって、有効量のミフェプリストンを、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためのアルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、または両方を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0163】
カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチンおよびソマトスタチン類似体処置の有効性を改善するための方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを前記患者へ投与することを含み、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体が、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するために患者へ投与され、前記患者が糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。本明細書において開示されるカテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチンおよびソマトスタチン類似体処置の有効性を改善するための方法の実施形態では、GRMはGRAであってもよい。
【0164】
カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチンおよびソマトスタチン類似体処置の有効性を改善するための方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを前記患者へ投与することを含み、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体が、患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するために患者へ投与され、有効量のミフェプリストンを、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間投与し、前記患者が糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0165】
カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータをカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍の診断または処置と関連するイメージングのためにソマトスタチン類似体を受けた患者へ投与することを含み、前記患者が糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法の実施形態では、GRMは、GRAであってもよい。
【0166】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法であって、有効量のミフェプリストンを、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍の診断または処置と関連するイメージングのためにソマトスタチン類似体を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0167】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法であって、有効量のミフェプリストンを、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍の診断または処置と関連するイメージングのためにソマトスタチン類似体を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0168】
カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性を改善するための方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを、ペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)を受けた患者へ投与して、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0169】
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性を改善するための方法であって、有効量のミフェプリストンを、カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためにペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、方法。
【0170】
例えば、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチンおよびソマトスタチン類似体処置の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法;およびカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性を改善するための方法を含む、本明細書において開示される方法のうちのいずれかまたは全てにおいて、GRMは、ミフェプリストンであってもよい。実施形態では、GRMは、I型糖質コルチコイド受容体(GR-I)よりも高親和性でII型糖質コルチコイド受容体(GR-II)へ結合するGRAであってもよい。実施形態では、GRMは、GR-Iよりも高親和性でGR-IIへ結合し、プロゲステロン受容体(PR)へ更に結合するGRAであってもよい。実施形態では、GRMは、約10ナノモル濃度(nM)未満の結合定数でGR-IIへ結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約5nM未満の結合定数でGR-IIへ結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約2nM未満の結合定数でGR-IIへ結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約1nM未満の結合定数でGR-IIへ結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約10ナノモル濃度(nM)未満の結合定数でGR-IIへ結合し、約10nM未満の結合定数でPRへ更に結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約10ナノモル濃度(nM)未満の結合定数でGR-IIへ結合し、約500nMを超える結合定数でPRへ更に結合するGRAである。実施形態では、GRMは、約10ナノモル濃度(nM)未満の結合定数でGR-IIへ結合し、約1000nMを超える結合定数でPRへ更に結合するGRAである。GRMが、約500nMを超えるまたは約1000nMを超える結合定数でPRへ結合する実施形態では、GRMは、約5nM未満、または約2nM未満、または約1nM未満の結合定数でGR-IIへ結合するGRAであってもよい。
【0171】
例えば、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の症状を回復させる方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチンおよびソマトスタチン類似体処置の有効性を改善するための方法;カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体画像診断法の有効性を改善するための方法;およびカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるペプチド受容体放射線核種療法(PRRT)の有効性を改善するための方法を含む、本明細書において開示される方法のうちのいずれかまたは全てにおいて、GRMは1日1回投与してもよい。更なる実施形態では、GRMは、1日1回を超えて投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から1000mg/kg/日の間の1日用量で投与してもよい。実施形態では、GRMは、少なくとも5週間、毎日投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から100mg/kg/日の間の1日用量で投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から50mg/kg/日の間の1日用量で投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から50mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から20mg/kg/日の間の1日用量で投与してもよい。実施形態では、GRMは、1から20mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間投与してもよい。
【0172】
実施形態では、方法は、有効量のミフェプリストンを、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者は、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない。実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間0.1から50mg/kg/日の間である。実施形態では、ミフェプリストンの1日用量は、少なくとも5週間の間1から10mg/kg/日の間である。
【0173】
更なる実施形態では、出願人は、本明細書において医薬組成物を開示する。
【0174】
例えば、出願人は、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者を処置するために有効な量で糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを含む医薬組成物;カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰の影響を減少させるために有効な量で糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを含む医薬組成物を開示する。医薬組成物の実施形態では、組成物を用いた患者の処置は、患者の腫瘍においてカテコールアミン産生を減少させるために、患者におけるカテコールアミン過剰の影響を減少させるために、または両方のために有効である。医薬組成物の実施形態では、GRAは、ステロイド性糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有するGRA;縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;またはオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択される。医薬組成物の実施形態では、GRAはミフェプリストンである。
【0175】
出願人はまた、糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA)および他の活性薬剤を含む医薬組成物であって、GRAおよび他の薬剤が患者の腫瘍においてカテコールアミン産生を減少させるために、患者におけるカテコールアミン過剰の影響を減少させるために、または両方のために有効な量で存在する医薬組成物を開示する。実施形態では、GRAは、ステロイド性糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有するGRA;縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;またはオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択される。実施形態では、GRAはミフェプリストンである。
【0176】
実施形態では、他の薬剤はアドレナリン作動性アンタゴニストである。実施形態では、他の薬剤は、アルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、もしくはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはアルファ-およびベータ-アドレナリン受容体の両方において活性があるアドレナリン作動性アンタゴニストから選択されるアドレナリン作動性アンタゴニストである。
【0177】
実施形態では、他の薬剤は、患者の腫瘍においてカテコールアミン産生を減少させるために、患者におけるカテコールアミン過剰の影響を減少させるために、または両方のために有効な量でアドレナリン作動性アンタゴニストを含む。
【0178】
実施形態では、他の薬剤は、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体である。実施形態では、組成物は、患者の腫瘍においてカテコールアミン産生を減少させるために、患者におけるカテコールアミン過剰の影響を減少させるために、または両方のために有効な量で、ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体を含む。
【実施例0179】
以下の例は、本明細書において開示される方法の実施形態を説明することによって示され、説明に役立つが、カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者を処置する方法の本開示を限定するものではない。
【0180】
(実施例1)
【0181】
CVD(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびダカルバジン)およびスニチニブ(チロシンキナーゼインヒビタ)を用いた従来の化学療法に対して非応答性の異所性ACTH分泌と関連する転移性褐色細胞腫を有する53歳女性が、ソマトスタチン類似体を用いた第2相試験に登録された。治療から3カ月後、被験者のメタネフリンレベルは、依然として大幅に上昇したままであり、被験者には、高用量のアテノロール(ベータブロッカー)およびフェノキシベンザミン(アルファブロッカー)を使用したにもかかわらず、著しいカテコールアミン過剰症状(動悸、振戦およびパニック発作)が継続して認められた。同時に、クッシング症候群の診断が下され、ミフェプリストン300mgが被験者のレジメンへ追加され、2週間後には用量が毎日600mgへ更に増加した。ミフェプリストンを開始してから1週間後、被験者は、コルチゾール過剰ならびにカテコールアミン過剰と関連する被験者の症状の劇的な改善に気づいた。ミフェプリストンでの治療から2週間後、血漿エピネフリンレベルは50%低下し、治療から9週間後、血漿メタネフリンレベルは25%低下した。ミフェプリストンでの治療から3カ月後、被験者のカテコールアミン過剰の症状はコントロールされ、メタネフリンレベルはわずかに上昇したが、被験者は膣内出血を発症し、ミフェプリストンが一時的に中止された。ミフェプリストンを中断してから1週間後、被験者にカテコールアミン過剰の症状の悪化が認められた。ミフェプリストン投薬中に得られたメタネフリン測定値のレベルと比較して、4倍高いメタネフリン測定値が示された。
【0182】
(実施例2)
【0183】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、50mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0184】
(実施例3)
【0185】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0186】
(実施例4)
【0187】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、15mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0188】
(実施例5)
【0189】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0190】
(実施例6)
【0191】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0192】
(実施例7)
【0193】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0194】
(実施例8)
【0195】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0196】
(実施例9)
【0197】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0198】
(実施例10)
【0199】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0200】
(実施例11)
【0201】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0202】
(実施例12)
【0203】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0204】
(実施例13)
【0205】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0206】
(実施例14)
【0207】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0208】
(実施例15)
【0209】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0210】
(実施例16)
【0211】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびアドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0212】
(実施例17)
【0213】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0214】
(実施例18)
【0215】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0216】
(実施例19)
【0217】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0218】
(実施例20)
【0219】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、1mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0220】
(実施例21)
【0221】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0222】
(実施例22)
【0223】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0224】
(実施例23)
【0225】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0226】
(実施例24)
【0227】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0228】
(実施例25)
【0229】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0230】
(実施例26)
【0231】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0232】
(実施例27)
【0233】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0234】
(実施例28)
【0235】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0236】
(実施例29)
【0237】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0238】
(実施例30)
【0239】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、5mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0240】
(実施例31)
【0241】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、有効量のミフェプリストンを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与し、ペプチド受容体放射線核種療法を更に受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0242】
(実施例32)
【0243】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、100mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0244】
(実施例33)
【0245】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0246】
(実施例34)
【0247】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0248】
(実施例35)
【0249】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0250】
(実施例36)
【0251】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0252】
(実施例37)
【0253】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、100mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0254】
(実施例38)
【0255】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0256】
(実施例39)
【0257】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0258】
(実施例40)
【0259】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0260】
(実施例41)
【0261】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0262】
(実施例42)
【0263】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0264】
(実施例43)
【0265】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0266】
(実施例44)
【0267】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0268】
(実施例45)
【0269】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0270】
(実施例46)
【0271】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびアドレナリン作動性アンタゴニストも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0272】
(実施例47)
【0273】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0274】
(実施例48)
【0275】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0276】
(実施例49)
【0277】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0278】
(実施例50)
【0279】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0280】
(実施例51)
【0281】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびソマトスタチンも投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0282】
(実施例52)
【0283】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0284】
(実施例53)
【0285】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0286】
(実施例54)
【0287】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0288】
(実施例55)
【0289】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0290】
(実施例56)
【0291】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、化学療法およびソマトスタチン類似体も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0292】
(実施例57)
【0293】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0294】
(実施例58)
【0295】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、20mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0296】
(実施例59)
【0297】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、15mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0298】
(実施例60)
【0299】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、10mg/kg/日の1日用量で投与し、ペプチド受容体放射線核種療法も受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0300】
(実施例61)
【0301】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、シクロヘキシル-ピリミジン骨格を有する糖質コルチコイド受容体アンタゴニスト(GRA);縮合アザデカリン骨格を有するGRA;ヘテロアリールケトン縮合アザデカリン骨格を有するGRA;およびオクタヒドロ縮合アザデカリン骨格を有するGRAから選択されるGRAを、50mg/kg/日の1日用量で投与し、アドレナリン作動性アンタゴニストも投与し、ペプチド受容体放射線核種療法を更に受けさせる。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0302】
(実施例62)
【0303】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0304】
(実施例63)
【0305】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0306】
(実施例64)
【0307】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0308】
(実施例65)
【0309】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0310】
(実施例66)
【0311】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0312】
(実施例67)
【0313】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0314】
(実施例68)
【0315】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0316】
(実施例69)
【0317】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0318】
(実施例70)
【0319】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0320】
(実施例71)
【0321】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン50mgおよびアドレナリン作動性アンタゴニストを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与し、化学療法も投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0322】
(実施例72)
【0323】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびソマトスタチンを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0324】
(実施例73)
【0325】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびソマトスタチンを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0326】
(実施例74)
【0327】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン50mgおよびソマトスタチンを含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0328】
(実施例75)
【0329】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン300mgおよびソマトスタチン類似体を含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0330】
(実施例76)
【0331】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン100mgおよびソマトスタチン類似体を含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0332】
(実施例77)
【0333】
転移性のまたは切除不能なカテコールアミン分泌腫瘍を有し、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を必要とせず、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニスト処置を受けていない患者へ、ミフェプリストン50mgおよびソマトスタチン類似体を含む単一の医薬組成物を5週間毎日投与する。測定によって、処置してから5週間後のカテコールアミンの血中レベルは、初期レベルと比較して低いことが示される。
【0334】
本明細書において挙げられる全ての特許、特許出願、および出版物を含む本出願において論じられる全ての参考文献は、本明細書によってこれら全体が参照により明示的に組み込まれる。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法であって、
有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを前記患者へ投与することを含む方法。
(項目2)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、I型糖質コルチコイド受容体よりも高親和性でII型糖質コルチコイド受容体へ結合する糖質コルチコイド受容体アンタゴニストである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、1から1000mg/kg/日の間の1日用量で投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータがミフェプリストンである、項目1から3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記患者が、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、項目1から4のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記患者がクッシング症候群の患者であり、前記方法が、前記患者におけるクッシング症候群を処置する、項目1から5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるカテコールアミン過剰を低下させる方法であって、有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要としない、方法。
(項目8)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、I型糖質コルチコイド受容体よりも高親和性でII型糖質コルチコイド受容体へ結合する糖質コルチコイド受容体アンタゴニストである、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、1から1000mg/kg/日の間の1日用量で投与される、項目7または8に記載の方法。
(項目10)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータがミフェプリストンである、項目7から9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
ミフェプリストンの前記1日用量が、少なくとも5週間の間0.1から50mg/kg/日の間である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記患者が、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、項目7から11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記患者が、クッシング症候群の患者であり、前記方法が、前記患者におけるクッシング症候群を処置する、項目7から12のいずれかに記載の方法。
(項目14)
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を改善するための方法であって、
有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを、前記患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するための化学療法を受ける患者へ投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要としない、方法。(項目15)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、I型糖質コルチコイド受容体よりも高親和性でII型糖質コルチコイド受容体へ結合する糖質コルチコイド受容体アンタゴニストである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、1から1000mg/kg/日の間の1日用量で投与される、項目14または15に記載の方法。
(項目17)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータがミフェプリストンである、項目14から16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記患者が、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、項目14から17のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記患者がクッシング症候群の患者であり、前記方法が、前記患者におけるクッシング症候群を処置する、項目14から18のいずれかに記載の方法。
(項目20)
カテコールアミン分泌腫瘍を有する患者におけるアルファおよびベータ-アドレナリン受容体遮断の有効性を改善するための方法であって、
有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを、前記患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するためのアルファ-アドレナリン受容体ブロッカー、またはベータ-アドレナリン受容体ブロッカー、または両方を受けた患者へ、0.1から100mg/kg/日の間の1日用量で少なくとも5週間の間投与することを含み、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要としない、方法。
(項目21)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、I型糖質コルチコイド受容体よりも高親和性でII型糖質コルチコイド受容体へ結合する糖質コルチコイド受容体アンタゴニストである、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが、1から1000mg/kg/日の間の1日用量で投与される、項目20または21に記載の方法。
(項目23)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータがミフェプリストンである、項目20から22のいずれかに記載の方法。
(項目24)
前記患者が、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、項目20から23のいずれかに記載の方法。
(項目25)
前記患者がクッシング症候群の患者であり、前記方法が、前記患者におけるクッシング症候群を処置する、項目20から24のいずれかに記載の方法。
(項目26)
カテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を有する患者におけるソマトスタチン類似体の有効性を改善するための方法であって、
有効量の糖質コルチコイド受容体モジュレータを前記患者へ投与することを含み、ソマトスタチン類似体が、前記患者におけるカテコールアミン分泌神経内分泌腫瘍を処置するために前記患者へ投与され、前記患者が、糖質コルチコイド受容体アンタゴニストを用いた処置を別段必要としない、方法。
(項目27)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータが糖質コルチコイド受容体アンタゴニストである、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記糖質コルチコイド受容体モジュレータがミフェプリストンである、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記患者が、外因性糖質コルチコイド受容体アゴニストを同時に投与されない、項目26から28のいずれかに記載の方法。
(項目30)
前記患者がクッシング症候群の患者であり、前記方法が、前記患者におけるクッシング症候群を処置する、項目26から29のいずれかに記載の方法。