(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090110
(43)【公開日】2022-06-16
(54)【発明の名称】プラズマCVD装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20220609BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20220609BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/509
H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022071786
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】303034908
【氏名又は名称】村田 正義
(72)【発明者】
【氏名】村田正義
(57)【要約】
【課題】
プラズマCVDにより高品質の微結晶シリコン膜を高速で形成するには、高水素希釈のシランガスを用い、イオン衝撃を抑制したVHFプラズマCVD装置又はホローカソード効果を活用したプラズマCVD装置が用いられる。しかしながら、略1.4mx1.1m以上の大面積基板では膜厚みが不均一又は電極製作加工費用が増大するという問題がある。この問題を解決可能なプラズマCVD装置を提供すること。
【解決手段】
排気孔とシランガス噴出孔と貫通孔を備えた第1電極と、水素ガス噴出孔を備えた第2電極と、を基板保持台の主面からこの順に所定の間隔を置いて配置し、該第1電極と該第2電極の間に高周波電圧を印加して水素プラズマを生成し、該貫通孔を用いて該水素プラズマを該第2電極側から該基板保持台の方へ流入させ、該水素プラズマとシランガスを混合して基板上に微結晶シリコン膜を形成する、という構成を有することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気系を備えた反応容器と、前記反応容器にシランガスと水素ガスを空間的に分離して導入する原料ガス導入手段と、基板を保持する主面を有する基板保持台と、前記水素ガスをプラズマ化する電気的に非接地の第1電極と電気的に接地の第2電極から成る水素プラズマ生成電極と、前記第1電極と前記第2電極との間及び前記第1電極と前記基板保持台との間に高周波電圧を印加する高周波電源と、を具備し、
前記シランガスと、前記プラズマ生成電極でプラズマ化された水素ガスと、を前記基板保持台の主面に保持された基板に向けて噴出することにより微結晶シリコン膜を形成するプラズマCVD装置であって、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記基板保持台からこの順に所定の間隔を置いで配置され、前記第2電極は、前記第2電極の前記第1電極と対向する部分に前記水素ガスを噴出する複数の水素ガス噴出孔を備え、
前記第1電極は、前記プラズマ化された水素ガスを前記第2電極側から前記基板保持台側へ流入させる複数の水素ガス流入通路を有し、かつ、前記第1電極の前記基板保持台の主面と対向する部分に前記シランガスを噴出する複数のシランガス噴出孔を備えた複数のシランガス流入通路を有し、かつ、前記第1電極の前記基板保持台の主面と対向する他の部分に複数のガス排出孔を備えた複数のガス排出通路を有する、ことを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記基板保持台の主面に平行な一平面内に、前記反応容器に絶縁材で固定された前記シランガス噴出孔を備えた中空の金属管で形成されるシランガス流入通路と、前記反応容器に絶縁材で固定された前記ガス排出孔を備えた中空の金属管で形成されるガス排出通路が所定の間隔を有する隙間を設けて並置され、前記隙間が前記水素ガス流入通路として用いられるとともに、前記シランガス流入通路と前記ガス排出通路は電気的に導通である、という構成を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記反応容器に絶縁材で固定されて中央部に開口が設けられた金属板を土台とし、前記土台の前記開口部分に、前記シランガス噴出孔を備える断面形状が矩形の金属管で形成されるシランガス流入通路と、前記ガス排出孔を備える断面形状がL字形の金属管で形成されるガス排出通路と、を一対とした複数対の金属管をそれぞれ嵌め込むように合体させて前記基板保持台の主面に平行な一平面内に所定の距離を置いて並置し、隣り合う前記複数対の金属管の間に形成される隙間を前記水素ガス流入路として用いるとともに、前記シランガス流入通路と前記ガス排出通路は電気的に導通である、という構成を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
【請求項4】
前記水素ガス流入通路の隙間間隔は、前記第1電極と前記第2電極の間に生成される水素プラズマのシース厚みの略2~10倍に設定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のプラズマCVD装置。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極の間隔は、前記第1電極と前記基板保持台の間隔に比べて狭いことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のプラズマCVD装置。
【請求項6】
前記シランガス噴出孔及び前記水素ガス噴出孔の直径は、略0.4mm~1mmであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のプラズマCVD装置。
【請求項7】
前記ガス排出孔の断面形状は、円形あるいはスリット形であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のプラズマCVD装置。
【請求項8】
前記高周波電源の出力の周波数は、13.56MHz又は30MHz~300MHzのVHF帯域から選ばれることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のプラズマCVD装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを利用して基板の表面に非晶質シリコン膜又は微結晶シリコン膜を形成するプラズマCVD装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマを利用して基板の表面に非晶質シリコン膜又は微結晶シリコン薄膜を形成するために、基板を保持することが可能な電気的に接地された第1電極と、その第1電極と対向するように配置された非接地の第2電極とを備えた平行平板型のプラズマCVD装置が主として用いられている。
プラズマCVD装置の微結晶シリコン膜形成への応用では、高品質微結晶シリコン膜形成条件として、基板にイオン衝撃を与えないこと、多量のH原子を発生すること及び多量のSiH3ラジカルを発生することが重要であることから、プラズマ生成の条件として、(1)プラズマ電位が低いこと、(2)水素の希釈率が高いこと(例えば、シランガスと水素ガスの流量比[SiH4]/([H2]=1/50~1/100)、(3)プラズマ密度が高いこと等を満たす必要がある。
上記(1)~(3)を実現するために、一般に、低プラズマ電位で高密度のプラズマが生成されるVHFプラズマCVD装置及び高密度プラズマが生成されるホローカソード放電電極を用いたプラズマCVD装置が用いられる。
しかしながら、VHFプラズマCVD装置の応用では、基板面積が1.1mx1.4m程度より大きい基板を対象とする場合、膜厚みの不均一化が増大し、応用製品の性能が低下するので実用に供せられない、ということが知られている。また、ホローカソード放電電極を用いたプラズマCVD装置の場合、電極に膨大の数の穴あるいは凹部を形成する加工が煩雑で多大の労力を要し、製造コスト的に問題があることが知られている。
【0003】
微結晶シリコン薄膜の高速製膜のためのプラズマCVD装置に関する技術としては、例えば、特許文献1~特許文献7に記載のものがある。
特許文献1には次のことが記載されている。即ち、 成膜室内に基板ステージとプラズマ電極とが対向して配設され、前記プラズマ電極にシランガスと水素ガスとを供給するとともに高周波電圧を印加してプラズマを生成し、前記基板ステージに保持された基板上に微結晶シリコン薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記シランガスを前記基板上に吹出させるシランガス供給手段と、前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記水素ガスを水素プラズマにして、前記シランガス供給手段から吹出される前記シランガスに接触させるように前記基板上に吹出させて、前記シランガスをプラズマ化させる水素ガス供給手段と、を備え、 前記シランガス供給手段は、接地電位にされ、外部から供給される前記シランガスを貯留するシランガス貯留室と、前記シランガス貯留室の前記基板ステージ側に設けられ、前記シランガスを前記基板ステージ側に吹出させる複数の筒状のシランガス吹き出し口と、を有し、前記水素ガス供給手段は、前記シランガス吹き出し口の形成位置に対応して開口が設けられた導電性の平板状部材からなり、前記シランガス供給手段と接触しないように前記シランガス吹き出し口に外挿され、高周波電圧が印加される電極板と、外部から供給される前記水素ガスを前記シランガス貯留室の側面を通って、前記電極板と前記シランガス貯留室との間の空間まで運ぶ水素ガス流通経路と、を有することを特徴とする薄膜形成装置。
特許文献2には次のことが記載されている。即ち、真空排気される真空容器と、この真空容器内に収納されていて、内部にガスが導入されかつ下面にそのガスを噴出させる多数のガス噴出孔を有する高周波電極と、前記真空容器内に高周波電極に対向するように収納されていて、基板を載せるホルダを兼ねるホルダ兼電極とを備えるプラズマCVD装置において、内部にガスが導入されるものであって、上下に貫通している多数の貫通孔と前記ホルダ兼電極側の面に当該ガスを噴出させる多数のガス噴出孔とを有する中間電極を、前記高周波電極とホルダ兼電極との間に、両電極間の空間を仕切るように設け、この中間電極と高周波電極との間に高周波電力を供給するようにし、しかも前記真空容器内を真空排気するための排気口を前記ホルダ兼電極の裏側に位置するように設け、かつ前記高周波電極内に、膜を形成する原料となる原料ガスを除く全てのガスを導入してそれを当該電極のガス噴出孔から噴出させ、かつ前記中間電極内に、原料ガスまたはそれと希釈ガスとの混合ガスを導入してそれを当該電極のガス噴出孔から噴出させるようにしたことを特徴とするプラズマCVD装置。
特許文献3には次のことが記載されている。即ち、 プラズマ処理室内に設置され、基板を保持することが可能な第1電極と、前記プラズマ処理室内に前記第1電極と対向するように設置され、前記複数の第1ノズルの各々の内側に配置された第2ノズルとを含む
第2電極とを備え、 前記第1ノズルがガスの排出、前記第2ノズルがガスの供給が行う場合、前記第1ノズルは、排出ガス流路となる第1ガス流路の主要部に、前記第2ノズルは、供給ガス流路となる第2ガス流路の主要部に、それぞれ接続され、前記第1ノズルがガスの供給、前記第2ノズルがガスの排出が行う場合、前記第1ノズルは、供給ガス流路となる第2ガス流路の主要部に、前記第2ノズルは、排出ガス流路となる第1ガス流路の主要部に、それぞれ接続されており、 前記第1ガス流路の主要部および前記第2ガス流路の主要部の少なくとも一方の断面積は、対応する前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの少なくとも一方の断面積よりも大きく、前記第2電極は、前記複数の第1ノズルを有する第1プレートと、前記第1プレートの一方の表面側に配置され、前記複数の第2ノズルを有する第2プレートと、前記第2プレートの前記第1プレートとは反対の表面側に配置された第3プレートとを含み、前記第1ガス流路の主要部は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に設けられているとともに、前記第2ガス流路の主要部は、前記第2プレートと前記第3プレートとの間に設けられており、前記第1ガス流路に配置され、複数の開口部を有する第1の中間プレートと、前記第2ガス流路に配置され、複数の開口部を有する第2の中間プレートとをさらに含み、前記中間プレートの開口部は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの少なくとも一方の複数個毎に1つずつ配置されており、前記第1ガス流路の主要部の断面積は、前記第1中間プレートの開口部の断面積よりも大きい、プラズマ処理装置。
特許文献4には次のことが記載されている。即ち、 複数の溝を備え、高周波電圧が印加される第一電極と、前記第一電極に対向するように配置された、基板を保持するための第二電極とを具備し、 前記複数の溝は、前記第一電極を貫通する複数の貫通溝と、前記第一電極を貫通せず前記基板に対向する複数の非貫通溝とを含み、 前記第一電極は、ガスを前記複数の非貫通溝に供給するガス供給機構を備え、前記複数の貫通溝の各々の幅は、前記基板と前記第一電極の間の距離以下であるプラズマCVD装置。
【0004】
特許文献5には次のことが記載されている。即ち、 プラズマCVD反応室と、前記反応室内において成膜用基板を支持するための基板支持電極と、前記基板に対面すべき対向電極とを備え、前記対向電極は中空であって、前記基板に向けて反応ガスを吹出すために、複数のガス吹出孔および複数の差圧調整孔を有するガス吹出面板を含み、前記差圧調整孔は前記ガス吹出孔の入口側の孔径よりも大きな径を有し、前記ガス吹出孔の長さが前記ガス吹出面板の厚さより小さく、そのガス吹出孔の入口側が前記差圧調整孔に接続されており、前記ガス吹出面板が前記基板と対向する面において、プラズマの発生を促進するためのプラズマ促進溝が形成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
特許文献6には次のことが記載されている。即ち、反応容器、該容器内に反応ガスを導入する手段、ガスを排出する手段、該容器内に収容されたカソード及びアノードから成る放電用電極並びに該電極に電力を供給する電源を有し、該反応容器内に設置された基板表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置において、該反応ガスを該基板面内に均一に導入するシャワーヘッド型導入口と該カソード電極を一体型とし、該カソード電極表面に複数の筒状凹部を設け、該複数の凹部は、該筒の径より幅の狭い溝により相互に連結されており、該凹部の底部には、該凹部の底部の面積よりも小さな穴を穿ち、該穴を反応ガス導入口としたことを特徴とするプラズマCVD装置。
特許文献7には次のことが記載されている。即ち、 反応容器と、前記反応容器内に収容された放電用の第1電極と前記第1電極に対向して置かれた第2電極を含む電極体と、前記第1電極の前記第2電極に対向する側に掘り込まれた凹部で画定されるプラズマ生成領域と、前記第1電極の前記凹部内に設けられた、分解して膜堆積種を生成する第1のガスを導入する第1のガス導入部と、前記反応容器内の前記プラズマ生成領域と異なる箇所であって、前記第1のガス導入部よりも第2電極側に設けられた、前記第1のガスが前記プラズマ生成領域中で分解して生成する分解種の少なくとも一部と気相反応する第2のガスを導入する第2のガス導入部とを設け、前記反応容器中に入れた部材を処理するプラズマプロセス装置。
【0005】
しかしながら、面積が約1mx1m以上の基板を対象にした、高品質微結晶シリコン薄膜を、高速で製膜可能なプラズマCVD装置は、依然として、開発されていない。
したがって、微結晶シリコン系薄膜を応用するシリコン薄膜太陽電池、液晶デイスプレイ及び各種半導体デバイ等の分野において、大面積基板を対象にした微結晶シリコン系薄膜を高品質で高速で製膜可能な、新規のプラズマCVD装置の創出が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4906822
【特許文献2】特許3546200
【特許文献3】特許4660226
【特許文献4】特許4119820
【特許文献5】特許4578693
【特許文献6】特許3837539
【特許文献7】特許5892581
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラズマCVD装置を用いて微結晶シリコン膜を形成するに際し、SiH3ラジカルとHラジカルの濃度を高くすること及び基板へのイオンダメージを抑制することが重要であることは知られている。それ故、イオン衝撃が少なく、かつ、高プラズマ密度のプラズマ生成するVHFを用いたプラズマCVD装置及びホローカソード効果を有する多数の凹みが形成された電極を用いたプラズマCVD装置が注目されている。しかしながら、前記VHFを用いたプラズマCVD装置は、定在波発生によりプラズマの強さの空間的分布が非一様になり、膜厚みが不均一になるという問題がある。また、前記多数の凹みを備えた電極を用いたプラズマCVD装置は、放電電極に形成される多数の穴又は凹部の製作加工が煩雑で、多大の労力が掛かり、製造コストの面で問題がある。
従来技術の問題解決のためには、大面積の基板に対し、イオン衝撃を与えず、多量のH原子及び多量のSiH3ラジカルを均一に発生可能で、かつ、大面積基板の中央部も周辺部もガス排出機能に偏りがない排気手段を備えた新規のプラズマCVD装置の創出が必要である。
上記のような問題を鑑みて、本発明は、大面積基板への応用が可能で、かつ、高品質の微結晶シリコン膜を高速で均一に形成可能なプラズマCVD装置を創出することを課題とし、それを実現可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、 排気系を備えた反応容器と、前記反応容器にシランガスと水素ガスを空間的に分離して導入する原料ガス導入手段と、基板を保持する主面を有する基板保持台と、前記水素ガスをプラズマ化する電気的に非接地の第1電極と電気的に接地の第2電極から成る水素プラズマ生成電極と、前記第1電極と前記第2電極との間及び前記第1電極と前記基板保持台との間に高周波電圧を印加する高周波電源と、を具備し、
前記シランガスと、前記プラズマ生成電極でプラズマ化された水素ガスと、を前記基板保持台の主面に保持された基板に向けて噴出することにより微結晶シリコン膜を形成するプラズマCVD装置であって、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記基板保持台からこの順に所定の間隔を置いで配置され、前記第2電極は、前記第2電極の前記第1電極と対向する部分に前記水素ガスを噴出する複数の水素ガス噴出孔を備え、
前記第1電極は、前記プラズマ化された水素ガスを前記第2電極側から前記基板保持台側へ流入させる複数の水素ガス流入通路を有し、かつ、前記第1電極の前記基板保持台の主面と対向する部分に前記シランガスを噴出する複数のシランガス噴出孔を備えた複数のシランガス流入通路を有し、かつ、前記第1電極の前記基板保持台の主面と対向する他の部分に複数のガス排出孔を備えた複数のガス排出通路を有する、ことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1電極は、前記基板保持台の主面に平行な一平面内に、前記反応容器に絶縁材で固定された前記シランガス噴出孔を備えた中空の金属管で形成されるシランガス流入通路と、前記反応容器に絶縁材で固定された前記ガス排出孔を備えた中空の金属管で形成されるガス排出通路が所定の間隔を有する隙間を設けて並置され、前記隙間が前記水素ガス流入通路として用いられるとともに、前記シランガス流入通路と前記ガス排出通路は電気的に導通である、という構成を有する。
第3の発明は、第1の発明において、前記第1電極は、前記反応容器に絶縁材で固定されて中央部に開口が設けられた金属板を土台とし、前記土台の前記開口部分に、前記シランガス噴出孔を備える断面形状が矩形の金属管で形成されるシランガス流入通路と、前記ガス排出孔を備える断面形状がL字形の金属管で形成されるガス排出通路と、を一対とした複数対の金属管をそれぞれ嵌め込むように合体させて前記基板保持台の主面に平行な一平面内に所定の距離を置いて並置し、隣り合う前記複数対の金属管の間に形成される隙間を前記水素ガス流入路として用いるとともに、前記シランガス流入通路と前記ガス排出通路は電気的に導通である、という構成を有することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか一つの発明において、前記水素ガス流入通路の隙間間隔は、前記第1電極と前記第2電極の間に生成される水素プラズマのシース厚みの略2~10倍に設定されることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか一つの発明において、前記第1電極と前記第2電極の間隔は、前記第1電極と前記基板保持台の間隔に比べて狭いことを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか一つの発明において、前記シランガス噴出孔及び前記水素ガス噴出孔の直径は、略0.4mm~1mmであることを特徴とする。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか一つの発明において、前記ガス排出孔の断面形状は、円形あるいはスリット形であることを特徴とする。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか一つの発明において、前記高周波電源の出力の周波数は、13.56MHz又は30MHz~300MHzのVHF帯域から選ばれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記課題を解決可能という効果を奏する。即ち、本発明によるプラズマCVD装置は、基板保持台に載置された基板に向けてプラズマ化された水素ガスとプラズマ化されていないシランガスを空間的に均一に流入させて接触混合させ、かつ、基板近傍のガスを空間的に均一に排気することが可能となり、その結果、微結晶シリコン膜を形成できることから、高速で、高品質の製膜が可能という効果を奏する。即ち、従来装置では困難である大面積基板を対象とし、高品質の微結晶シリコン膜を高速で均一に形成可能なプラズマCVD装置を提供することが可能である。
本発明によるプラズマCVD装置は、微結晶シリコン系薄膜を応用するシリコン薄膜太陽電池、液晶デイスプレイ及び各種半導体デバイ等の分野において、大面積基板を対象に微結晶シリコン膜を高品質で高速製膜可能なプラズマCVD装置として応用可能であり、製品製造コストの低減及び性能向上への貢献度は著しく大きい、と言える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材である第1電極を基板側から見た模式的平面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材であるガス排出手段の構成を示す模式的斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材であるシランガス導入手段の構成を示す模式的斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるガス排出の状況を示す排出流の説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置における水素プラズマの生成及び水素プラズマ流の説明図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるシランガスの噴出状況を示すシランガス噴出流の説明図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置に基板近傍おける水素プラズマ流とシランガス噴出流の混合及びプラズマ化学反応の状況を示す模式的説明図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す断面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成の第1電極の構成を示す基板保持台側から見た模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成について、
図1~
図9を参照して、説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す模式的断面図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材である第1電極を基板側から見た模式的平面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材であるガス排出手段の構成を示す模式的斜視図である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成部材であるシランガス噴出手段の構成を示す模式的斜視図である。
図6は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるガス排出の状況を示す排出流の説明図である。
図7は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置における水素プラズマの生成及び水素プラズマ流の説明図である。
図8は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置におけるシランガスの噴出状況を示すシランガス噴出流の説明図である。
図9は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置の基板近傍おける水素プラズマ流とシランガス噴出流の混合及びプラズマ化学反応の状況を示す模式的説明図である。
【0013】
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置500は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、排気系を備えた反応容器50と、反応容器50にシランガスと水素ガスを空間的に分離して導入する後述の原料ガス導入手段と、基板61を保持する主面60aを有する基板保持台60と、前記水素ガスをプラズマ化する電気的に非接地の第1電極100(
図3参照)と電気的に接地の第2電極10から成る水素プラズマ生成電極と、該第1電極100と該第2電極10との間及び該第1電極100と前記基板保持台60との間に高周波電圧を印加する高周波電源70と、を備えている。
高周波電源70は、
図1に示されるように、大気用同軸ケーブル72a、整合器71、大気用同軸ケーブル72b、真空装置用電流導入端子73、真空用導電線75及び給電点70aを介して第1電極100に印加される。給電点76は、前記真空用導電線75と第1電極100を電気的に接続する地点である。給電点70aの位置は、
図1図示と異なる地点を選ぶことができる。また、給電点70aは、複数の地点に設けても良い。
なお、前記原料ガス導入手段は、
図5に示されるシランガス導入手段300と、
図1及び
図2に示される水素ガス導入管10bを備えている。
【0014】
反応容器50の内部には、
図4に示されるガス排出手段200と、
図5に示されるシランガス導入手段300と、
図1及び
図2に示される水素ガス流入通路6と、を備える第1電極100と、
図1及び
図2に示される水素ガス噴出孔10aを備える第2電極10が、基板保持台60からこの順序で該基板保持台60の主面60aに所定の間隔を置いで配置される。即ち、第1電極100は、基板保持台60の主面60aと第2電極10の間に所定の距離を隔てて配置される。
ここでは、反応容器50は、内部を高真空状態に保てることが可能であり、不純物を発生しない真空容器であり、図示しない真空ポンプに接続された排気口51a、51b、51cを備えている。なお、排気口51a、51b、51cは、それぞれ真空容器用排気バルブ52a、52b、52cを備え、図示しない真空ポンプと組み合わせて稼働させることにより反応容器50内部を所定の真空度に真空引きすることが可能である。
基板保持台60は、主面60aを有し、該主面60aで基板61と接し、保持する。基板61の温度は、基板保持台60の内部に設けられた図示しない基板ヒータにより所定の温度に制御され、保持される。基板61は、基板搬入搬出用バルブ62を開閉することにより、大気側から基板保持台60の主面60aに搬入され、目的とする膜を形成した後、大気側へ搬出される。
【0015】
第2電極10は、水素ガス導入管10bから導入される水素ガスを噴出する水素ガス噴出孔10aを備え、第1電極100と高周波電源70と連携することにより、該第2電極10と該第1電極100の間に水素プラズマ11を生成する。水素プラズマ11は、
図2に示されるように、第2電極と第1電極100の間に生成されるとともに、水素ガス流入通路6の部分にも発生する。
第1電極100は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、金属板1の中央部に設けられた開口1aと、
図4に示されるガス排出手段200と、
図5に示されるシランガス導入手段300を組み合わせて構成される。即ち、第1電極100は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、中央部に開口1aが設けられた金属板1を土台とし、前記土台の開口1a部分に、シランガス噴出孔3aを備える断面形状が矩形の金属管で形成されるシランガス流入通路3とガス排出孔5aを備える断面形状がL字形の金属管で形成されるガス排出通路5と、を一対とした複数対の金属管をそれぞれ嵌め込むように合体させて基板保持台60の主面60aに平行な一平面に所定の距離を置いて配置される。そして、隣り合う前記複数対の金属管の間に形成される隙間6aを、水素ガス流入路6として用いる、という構造を有する。なお、水素ガス流入通路6は、第2電極10と第1電極100の間で生成されたH原子及びH
2ガス等を含む水素プラズマ11を、第2電極10側から基板保持台60に保持された基板61の方へ流入させる機能を有する。
即ち、第1電極100は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、第2電極10と基板保持台60の間に配置される。第1電極100は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、プラズマ化された水素ガスを第2電極10側から基板保持台60側へ流入させる複数の水素ガス流入通路6を有し、かつ、第1電極100の基板保持台60の主面60aと対向する部分にシランガスを噴出する複数のシランガス噴出孔3aを備えたシランガス流入通路3を有し、かつ、該第1電極100の基板保持台60の主面60aと対向する他の部分にガス排出孔5aを備えたガス排出通路5を有する。なお、ここでは、ガス排出孔5aは溝(スリット)状の構造を有する。円形貫通孔を備えた金属板で形成しても良い。
第1電極100を組み立て製作する際、
図5に示される断面形状が矩形の金属管のシランガス流入通路3の裏面3bと、
図4に示されるガス排出孔5aを有する断面形状がL字形の金属管で形成されるガス排出通路5の表面5bが電気的に導通となるように接触固定する、又は溶接で接続する。また、
図3に示される金属板1とガス排出通路5とシランガス流入通路3は電気的に導通となるように接触固定する、又は溶接で接続する。
更に、第1電極100は、第1電極絶縁支持具2により反応容器50に電気的に絶縁した状態で、固定される。即ち、第1電極100は電気的に非接地である。また、ガス排出通路5及びガス排出管5cは、真空用絶縁管継手76により、反応容器50に電気的に絶縁される。即ち、ガス排出通路5及びガス排出管5cは、電気的に非接地である。そして、シランガス流入通路3及びシランガス導入管3cは、真空用絶縁管継ぎ手76により、反応容器50に電気的に絶縁される。即ち、シランガス流入通路3及びシランガス導入管3cは、電気的に非接地である。
【0016】
水素ガスは、図示しない水素供給源から真空容器用ガス管継ぎ手63及び水素ガス導入管10bを介して、水素ガス噴出孔10aに輸送される。水素ガス噴出孔10aは、直径略0.4mm~略1mmの円形に形成される。ここでは、0.8mmとする。
水素ガス噴出孔10aの直径が略1mmより大きい場合、該水素ガス噴出孔10aから噴出する水素ガスの噴出量が水素ガス導入管10bの内圧に依存するので、上流側で噴出量が多く、下流側で少なくなることから、第2電極10から全面に亘り均一に噴出させることが困難である。即ち、空間的に一様に、水素ガスを噴出することが困難である。逆に、該直径が略1mmより小さい場合、水素ガス噴出孔10aから噴出する孔1個当たりの水素ガスの噴出量は、該水素ガス導入管10bの内圧に対する依存度が減少し、第2電極10の全面に亘り、ほぼ均一に噴出させることが容易にできる。しかしながら、該直径が略1mmより小さい場合、孔1個当たりの水素ガスの噴出量が少ないので、所用の水素ガスの流量を確保するには該水素ガス噴出孔10aの設置個数を増大する必要がある。その結果、水素ガス噴出孔10aの孔加工の労力と加工時間が増大し、加工費用及び製作期間が増大する。即ち、水素ガス噴出孔10aの直径を略1mm以上にすると、水素ガスの噴出量の空間分布が不均一に成り、それを略1mm以下にすると、空間分布は均一になるが、加工に多大の労力と費用が発生する。
【0017】
シランガスは、
図5に示されるシランガス導入手段300により反応容器に導入される。 シランガスは、図示しないシランガス供給源から真空容器用絶縁管継ぎ手76、シランガス導入管3c及びシランガス流入通路3を介して、シランガス噴出孔3aに輸送される。シランガス噴出孔3aは、直径略0.4mm~略1mmの円形に形成される。ここでは、例えば、0.8mmとする。シランガス噴出孔3aを、直径0.4mm~1mmの円形に選定する理由は、上記水素ガス噴出孔10aの場合と同様である。
【0018】
ここで、第1電極100を基板保持台60の主面60a側から見た平面図(
図3)を用いて、第1電極の構造の特徴を説明する。
第1電極100は、反応容器50に第1電極用絶縁支持具2を用いて固定される。第1電極100は反応容器50と電気的に絶縁されている。即ち、第1電極100は、電気的に非接地状態にある。
第1電極100は、第2電極10と連携して、該第1電極100と第2の電極10の間に水素プラズマ11を発生する。
第1電極100は、該第1電極100と第2の電極10の間に生成された水素プラズマ11を、該第1電極100が備える水素ガス流入通路6を介して、第2電極10側から基板保持台60の主面60aの方向へ通過させる。
第1電極100は、シランガスを該第1電極100が備えるシランガス流入通路3を介して、第2電極10側から基板保持台60の主面60aの方向へ噴出する。
第1電極100は、該第1電極1が備えるガス排出通路5を介して、該シランガスと、該水素ガスと、該シランガスと該水素プラズマとの反応生成物を反応容器50の外部へ排出する。
第1電極100が備える水素ガス流入通路6は、高周波電源70から高周波電圧が印加される際、ホローカソード効果を伴うプラズマを生成する。なお、ホローカソード効果を伴うプラズマは、例えば、特許文献5及び特許文献6に記載されているように、平行平板型の陰極(非接地電極)と陽極(接地電極)からなる一対の電極を用いてプラズマを生成するに際し、該陰極に隙間d1及び深さh1の円筒形の凹みあるいは隙間d2及び深さh2の溝(スリット)が設けられ、かつ、該隙間d1、d2が該プラズマのシース厚みの2倍~10倍であり、かつ、深さh1、h2が該プラズマのシース厚みの略2倍~略10倍であるという条件を満たした場合、該凹みあるいは該溝(スリット)に強い発光を伴うプラズマが生成され、該プラズマはプラズマ密度が著しく増大するという効果を奏する。即ち、平行平板型の陰極(非接地電極)と陽極(接地電極)からなる一対の電極において、ホローカソード効果を発出する条件を満たす凹みあるいは溝(スリット)を設けることにより、高密度のプラズマを生成することが可能である。
ここでは、プラズマのシース厚みが0.5mm~5mmであるという応用を想定し、第1電極100が備える水素ガス流入通路6の隙間6aを1mm~25mmとする。例えば、3mmとする。
即ち、水素ガス流入通路6を通過する水素プラズマ11は、水素ガス流入通路6が有するホローカソード効果により、該プラズマ11のプラズマ電位を減少させ、かつ、プラズマ密度を増大させる。その結果、水素ガス流入通路6を通過する該水素プラズマ11は、該プラズマ11に含まれるH原子の個数を減少することなく、それを維持又は増大しながら、第2電極10側から基板保持台60の主面60aの方向へ輸送される。
【0019】
水素プラズマ11は、第1電極100と第2の電極10の間に水素ガスを噴出した状態で、高周波電70から、第1電極100と第2の電極10の間にパッシェン則の曲線に従う高周波電圧を印加することにより。生成される。
即ち、第1電極100と第2の電極10の間に生成される水素プラズマのプラズマ生成条件は、主として、第1電極100と第2の電極10の間隔dと圧力pと印加される高周波電圧Vに依存する。ここでは、パッシェンの法則に従って、パッシェン曲線の最小値の領域に設定する。例えば、pd積が、略133Pa・cm~1333Pa・cmを満たす値を選ぶ。ここでは、第1電極100と第2の電極10の間隔d=0.5cm、圧力p=133Pa~1333Paとする。
第1電極100と基板保持台60の間隔は、第1電極100と第2の電極10の間隔に比べて広くする。ここでは、略1cm~10cm程度、例えば、2cmとする。
【0020】
次に、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置500の動作について、
図1~
図9を参照して説明する。
先ず、反応室50の基板搬入搬出バルブ62を開いて、基板61を基板保持台60の主面60aに載せる。次に、基板搬入搬出バルブ62を閉じた後、図示しない真空ポンプにより、排気バルブ52aと排気口51a、排気バルブ52bと排気口51b、排気バルブ51cと排気口51cとを介して、反応室50内部を所定の真空度にする。反応容器50が所定の真空度に到達した後、排気バルブ52a,52b、52cを閉とする。その後、図示しない水素ガス源から図示しない水素ガスのマスフローコントローラで所定の流量を制御された水素ガスを、第2電極10に備えられた水素ガス噴出孔10aから、第2電極10と第1電極100の間に噴出させる。そして、シランガスを図示しないシランガス源から図示しないシランガスのマスフローコントローラで所定の流量を制御されたシランガスを、シランガス流入通路3に備えられたシランガス噴出孔3aから、第1電極100と基板保持台60の間に噴出させる。ここでは、水素ガスとシランガスの流量比を50倍とし、即ち、水素ガスの流量/シランガスの流量=50、とする。
次に、ガス排出手段200のガス排出管5cの真空用絶縁管継手76に接続されている図示しない排気バルブと図示しない真空ポンプとを用いて、反応容器50の内部圧力を、略133Pa~略1333Paに保つように、反応容器50内部のガスを排出する。ここでは、例えば、500Paに設定し、維持する。なお、第1電極100と基板保持台60の間に存在するガスの排気の流れを、
図6に示されるように、排気流12と呼ぶ。
【0021】
次に、高周波電源70の出力電圧を、大気用同軸ケーブル72a、整合器71、大気用同軸ケーブル72b、真空装置用電流導入端子73、及び真空用導電線75を介して第1電極100の給電点70aに印加する。
高周波電源70の出力電圧が、第1電極100と第2電極10の間に印加されると、
図7に示されるように、水素プラズマ11が発生する。そして、水素プラズマ11は水素ガス流入通路6を通って、第2電極10側から基板保持台60に載置された基板61の方向へ移動する。ここでは、水素ガス流入通路6の隙間間隔が水素プラズマ11のシース厚みの2倍~5倍に設定されているので、ホローカソードプラズマが発生する。その結果、水素ガス流入通路6を移動するH原子と水素ガスを含む水素プラズマのプラズマ密度は通常のプラズマに比べて高くなり、かつ、プラズマ電位は通常のプラズマに比べて低くなる。ここでは、水素ガス流入通路6から流出するホローカソードプラズマを、
図7に示されるように、水素プラズマ流11aと呼ぶ。
高周波電源70の出力電圧が、第1電極100と基板保持台60の間に印加されると、
図8に示されるように、シランプラズマ13aが発生する。シランプラズマ13aは前記水素ガスプラズマに比べて弱いプラズマとなる。即ち、ここでは、第1電極100と基板保持台60との間隔が、第1電極100と第2電極10との間隔の4倍に設定されているので、該第1電極100と該基板保持台60との間に発生する電界は、第1電極100と第2電極10との間に発生する電界に比べて、約1/4となる。その結果、該第1電極100と該基板保持台60との間に発生するプラズマは、第1電極100と第2電極10の間に発生する水素プラズマに比べて弱いプラズマになる。なお、一般に、一対の電極間に生成されるプラズマの強さは、該一対の電極間の電界の強さに比例することが、知られている。
ここでは、シランプラズマ13aは弱いプラズマであるので、シランガスをプラズマ分解する作用が弱い。即ち、プラズマ中の電子がシランガスに衝突して分解させる作用は弱い。
ここで、シランガス流入通路3のシランガス噴出穴3aから噴出するシランガスの流れを、
図8に示されるように、シランガス噴出流13と呼ぶ。
【0022】
基板61が載置された基板保持台60と第1電極100に挟まれた領域において、水素プラズマ流11aとシランガス噴出流13を接触混合すると、次に示す反応が発生する。
SiH4+H→ SiH3+H2 反応式(1)
H+H→ H2 反応式(2)
前記領域において、弱いシランガスプラズマが発生すれば、次に示す電子衝突によるSiH4の分解反応が発生する。
SiH4+e→ SiH3+H 反応式(3)
ただし、反応式(3)の中のeは電子の衝突エネルギーを示す。なお、一般に、電子エネルギーが8.75eV以上である場合、反応式(3)を発生することが知られている。
前記基板61が載置された基板保持台60と第1電極100に挟まれた領域において、強いシランガスプラズマが発生すれば、次に示す電子衝突によるSiH4の分解反応が発生する。
SiH4+e→ SiH2+H2 反応式(4)
ただし、反応式(4)の中のeは電子の衝突エネルギーを示す。なお、一般に、電子エネルギーが9.47eV以上である場合、反応式(4)を発生することが知られている。SiH2は、SiH4+SiH2→ Si2H6という反応を起こし、粉を発生するので、高品質膜の形成において有害である。
上記水素プラズマ11と上記シランプラズマ13aが生成されると、主としてSiH3ラジカル及びH原子の作用により高品質の微結晶シリコン膜が基板61の上に形成される。該微結晶シリコン膜の厚みは該プラズマ生成時間に比例するので、所定の時間が経過した時点で、高周波電源70の出力をゼロにする。成膜の時間は、予め取得されたデータに基づいて決められる。ここでは、1分~30分、例えば5分とする。なお、成膜時間は、電極間隔、基板温度、シランガスの流量、水素ガスの流量、圧力、電力等の関係に係わるデータを予め把握し、そのデータを基に決められる。
目的とする微結晶シリコン膜の製膜が終了後、上記水素ガス及びシランガスの供給を停止し、反応容器50を大気条件に戻す。反応容器50が大気条件に戻された後、基板搬入搬出バルブ62を開とし、基板61を取り出す。
【0023】
本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置500では、上記のとおり、第1電極100と第2電極10の間隔はパッシェン曲線の最小値を満たす条件に設定されていることに加えて、ホローカソード効果を有するプラズマ形成条件を満たす構造を有し、かつ、第1電極100と基板保持台60の間隔は、第1電極100と第2電極10の間隔に比べて広く設定されている。その結果、上述のとおり、強い水素プラズマを発生し、弱いシランガスプラズマを発生することが可能である。
即ち、上記反応式(1)~反応式(3)を促進し、上記反応式(4)を抑制することが可能である。
また、大面積基板への製膜では、第1電極を構成するシランガス流入通路3、ガス排出通路5及び水素ガス流入通路6の設置個数を増加し、その長さを増大することにより対応が可能である。即ち、基板サイズの幅に対してはシランガス流入通路3、ガス排出通路5及び水素ガス流入通路6の本数の増加により対応し、基板サイズの長さに対してはシランガス流入通路3、ガス排出通路5及び水素ガス流入通路6の長さを伸ばすことにより対応することが可能である。
その結果、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマCVD装置500は、大面積基板を対象にして、微結晶シリコン膜を、高品質で、高速で形成することが可能である。
【0024】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置501について、
図10及び
図11を参照して、説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成を示す断面図である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置の構成の第1電極の構成を示す基板保持台側から見た模式的斜視図である。
本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置501は、
図10及び
図11に示されるように、排気系を備えた反応容器50と、反応容器50にシランガスと水素ガスを空間的に分離して導入する後述の原料ガス導入手段と、基板61を保持する主面60aを有する基板保持台60と、前記水素ガスをプラズマ化する電気的に非接地の第1電極101と電気的に接地の第2電極10から成る水素プラズマ生成電極と、該第1電極101と該第2電極10との間及び該第1電極101と前記基板保持台60との間に高周波電圧を印加する高周波電源70と、を備えている。
高周波電源70は、
図11に示されるように、大気用同軸ケーブル72a、整合器71、大気用同軸ケーブル72b、真空装置用電流導入端子73、真空用導電線75a、真空用電流導入端子73、真空用導電線75a及び給電点70bを介して第1電極101に印加される。給電点70bは、前記真空用導電線75aと第1電極101を電気的に接続する地点である。給電点70bの位置は、
図11図示と異なる地点を選ぶことができる。また、給電点70bは、複数の地点に設けても良い。
【0025】
第1電極101は、
図11に示されるように、反応容器50に固定された第1電極用絶縁支持具2に支持された櫛形金属管の水素ガス流入通路3eと前記第1電極用絶縁支持具2に支持された櫛形金属管のガス排出通路5eを所定の間隔を置いて配置される。
即ち、第1電極101は、
図10及び
図11に示されるように、中央部に開口2bが設けられた第1電極用絶縁支持具2を土台とし、前記土台の開口2b部分に、シランガス噴出孔3fを備える断面形状が矩形の櫛形の金属管で形成されるシランガス流入通路3eと、ガス排出孔5fを備える断面形状が矩形の櫛形の金属管で形成されるガス排出通路5eと、
をそれぞれ基板保持台60の主面60aに平行な一平面に所定の距離を置いて配置される。そして、隣り合う櫛形の金属管の間に形成される隙間6fを、水素ガス流入路6eとして用いる、という構造を有する。なお、水素ガス流入通路6eは、第2電極10と第1電極101の間で生成されたH原子及びH
2ガス等を含む水素プラズマ11eを、第2電極10側から基板保持台60に保持された基板61の方へ流入させる機能を有する。
水素ガス流入通路6eの隙間間隔は水素プラズマ11eのシース厚みの2倍~5倍に設定する。ここでは、水素プラズマ11eのシース厚みが0.5mm~5mmであるという応用を想定し、第1電極101が備える水素ガス流入通路6eの隙間6fを1mm~25mmとする。例えば、3mmとする。
第1電極101は、反応容器50に第1電極用絶縁支持具2を用いて固定される。第1電極101は反応容器50と電気的に絶縁されている。即ち、第1電極101は、電気的に非接地状態にある。即ち、第1電極101は、
図10及び
図11に示されるように、第2電極10と基板保持台60の間に配置される。第1電極101は、
図10及び
図11に示されるように、水素ガスを第2電極10側から基板保持台60側へ流入させる複数の水素ガス流入通路6eを有し、かつ、第1電極101の基板保持台60の主面60aと対向する部分にシランガスを噴出する複数のシランガス噴出孔3fを備えたシランガス流入通路3eを有し、かつ、該第1電極101の基板保持台60の主面60aと対向する他の部分にガス排出孔5fを備えたガス排出通路5eを有する。なお、ここでは、ガス排出孔5fは断面形状が円形の構造とし、その直径は、例えば1mm~10mmとする。ここでは、ガス排出孔5fの直径を2mmとする。
第1電極101を組み立て製作する際、櫛形の金属管で形成されるシランガス流入通路3eと櫛形の金属管で形成されるガス排出通路5eとを、金属線101で電気的に導通となるように、接続する。金属線101に代えて、金属板101aを用いてもよい。
なお、第1電極101は、第1電極絶縁支持具2により反応容器50に電気的に絶縁した状態で、固定されている。即ち、第1電極101は電気的に非接地である。また、ガス排出通路5e及びガス排出管5cは、真空用絶縁管継手76により、反応容器50に電気的に絶縁される。即ち、ガス排出通路5e及びガス排出管5cは、電気的に非接地である。そして、シランガス流入通路3e及びシランガス導入管3cは、真空用絶縁管継ぎ手76により、反応容器50に電気的に絶縁される。即ち、シランガス流入通路3e及びシランガス導入管3cは、電気的に非接地である。
第1電極101と第2電極10の間隔をd=0.5cmとする。第1電極101と基板保持台60の間隔を略1cm~10cm程度、例えば、2cmとする。
なお、第1電極101と第2の電極10の間に生成される水素プラズマのプラズマ生成条件は、主として、第1電極101と第2の電極10の間隔dと圧力pと印加される高周波電圧Vに依存する。ここでは、パッシェンの法則に従って、パッシェン曲線の最小値の領域に設定する。例えば、pd積が、略133Pa・cm~1333Pa・cmを満たす値を選ぶ。ここでは、第1電極101と第2の電極10の間隔d=0.5cm、圧力p=133Pa~1333Paとする。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置501の動作について、
図10及び
図11を参照して説明する。
先ず、反応室50の基板搬入搬出バルブ62を開いて、基板61を基板保持台60の主面60aに載せる。次に、基板搬入搬出バルブ62を閉じた後、図示しない真空ポンプにより、排気バルブ52aと排気口51a、排気バルブ52bと排気口51b、とを介して、反応室50内部を所定の真空度にする。反応容器50が所定の真空度に到達した後、排気バルブ52a,52bを閉とする。
その後、図示しない水素ガス源から図示しない水素ガスのマスフローコントローラで所定の流量を制御された水素ガスを、第2電極10に備えられた水素ガス噴出孔10aから、第2電極10と第1電極101の間に噴出させる。そして、シランガスを図示しないシランガス源から図示しないシランガスのマスフローコントローラで所定の流量を制御されたシランガスを、シランガス流入通路3eに備えられたシランガス噴出孔3fから、第1電極101と基板保持台60の間に噴出させる。ここでは、水素ガスとシランガスの流量比を50倍とし、即ち、水素ガスの流量/シランガスの流量=50、とする。
次に、ガス排出管5cの真空用絶縁管継手76に接続されている図示しない排気バルブと図示しない真空ポンプとを用いて、反応容器50の内部圧力を、略133Pa~略1333Paに保つように、反応容器50内部のガスを排出する。ここでは、例えば、500Paに設定し、維持する。
【0027】
次に、高周波電源70の出力電圧を、大気用同軸ケーブル72a、整合器71、大気用同軸ケーブル72b、真空装置用電流導入端子73、及び真空用導電線75aを介して第1電極101の給電点70bに印加する。なお、給電点70bの位置は、
図11図示と異なる地点を選ぶことができる。また、給電点70bの個数は、複数個、例えば2個~8個設けても良い。
高周波電源70の出力電圧が、第1電極101と第2電極10の間に印加されると、
図10に示されるように、水素プラズマ11eが発生する。そして、水素プラズマ11eは水素ガス流入通路6eを通って、第2電極10側から基板保持台60に載置された基板61の方向へ移動する。ここでは、水素ガス流入通路6eの隙間間隔が水素プラズマ11eのシース厚みの2倍~5倍に設定されているので、ホローカソードプラズマが発生する。その結果、水素ガス流入通路6eを移動するH原子と水素ガスを含む水素プラズマのプラズマ密度は通常のプラズマに比べて高くなり、かつ、プラズマ電位は通常のプラズマに比べて低くなる。ここでは、水素ガス流入通路6eから流出するホローカソードプラズマを、
図10に示されるように、水素プラズマ流11bと呼ぶ。
他方、高周波電源70の出力電圧が、第1電極101と基板保持台60の間に印加されると、シランプラズマ13cが発生する。シランプラズマ13cは前記水素ガスプラズマに比べて弱いプラズマとなる。即ち、ここでは、第1電極101と基板保持台60との間隔が、第1電極101と第2電極10との間隔の略4倍に設定されているので、該第1電極101と該基板保持台60との間に発生する電界は、第1電極101と第2電極10との間に発生する電界に比べて、約1/4となる。その結果、該第1電極101と該基板保持台60との間に発生するシランプラズマ13cは、第1電極101と第2電極10の間に発生する水素プラズマ11eに比べて弱いプラズマになる。なお、一般に、一対の電極間に生成されるプラズマの強さは、該一対の電極間の電界の強さに比例することが、知られている。
ここでは、シランプラズマ13cは弱いプラズマであるので、シランガスをプラズマ分解する作用が弱い。即ち、プラズマ中の電子がシランガスに衝突して分解させる作用は弱い。
ここで、シランガス流入通路3eのシランガス噴出穴3fから噴出するシランガスの流れを、
図10に示されるように、シランガス噴出流13bと呼ぶ。
【0028】
基板61が載置された基板保持台60と第1電極101に挟まれた領域において、水素プラズマ流11bとシランガス噴出流13bは接触混合されると、次に示す反応が発生する。
SiH4+H→ SiH3+H2 反応式(1)
H+H→ H2 反応式(2)
前記領域において、弱いシランガスプラズマが発生すれば、次に示す電子衝突によるSiH4の分解反応が発生する。
SiH4+e→ SiH3+H 反応式(3)
ただし、反応式(3)の中のeは電子の衝突エネルギーを示す。なお、一般に、電子エネルギーが8.75eV以上である場合、反応式(3)を発生することが知られている。
前記基板61が載置された基板保持台60と第1電極100に挟まれた領域において、強いシランガスプラズマが発生すれば、次に示す電子衝突によるSiH4の分解反応が発生する。
SiH4+e→ SiH2+H2 反応式(4)
ただし、反応式(4)の中のeは電子の衝突エネルギーを示す。なお、一般に、電子エネルギーが9.47eV以上である場合、反応式(4)を発生することが知られている。SiH2は、SiH4+SiH2→ Si2H6という反応を起こし、粉を発生するので、高品質膜の形成において有害である。
上記水素プラズマ11eと上記シランプラズマ13cが生成されると、主としてSiH3ラジカル及びH原子の作用により高品質の微結晶シリコン膜が基板61の上に形成される。該微結晶シリコン膜の厚みは該プラズマ生成時間に比例するので、所定の時間が経過した時点で、高周波電源70の出力をゼロにする。成膜時間は、予め取得されたデータに基づいて決められる。ここでは、1分~30分、例えば5分とする。なお、成膜時間は、電極間隔、基板温度、シランガスの流量、水素ガスの流量、圧力、電力等の関係に係わるデータを予め把握し、そのデータを基に決められる。
目的とする微結晶シリコン膜の製膜が終了後、上記水素ガス及びシランガスの供給を停止し、反応容器50を大気条件に戻す。反応容器50が大気条件に戻された後、基板搬入搬出バルブ62を開とし、基板61を取り出す。
【0029】
本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置501では、上記のとおり、第1電極101と第2電極10の間隔はパッシェン曲線の最小値を満たす条件に設定されていることに加えて、ホローカソード効果を有するプラズマ形成条件を満たす構造を有し、かつ、第1電極101と基板保持台60の間隔は、第1電極101と第2電極10の間隔に比べて広く設定されている。その結果、上記のとおり、強い水素プラズマを発生し、弱いシランガスプラズマを発生することが可能である。
即ち、上記反応式(1)~反応式(3)を促進し、上記反応式(4)を抑制することが可能である。
また、大面積基板への製膜では、第1電極を構成するシランガス流入通路3e、ガス排出通路5e及び水素ガス流入通路6eの設置個数を増加し、その長さを増大することにより対応が可能である。即ち、基板サイズの幅に対してはシランガス流入通路3e、ガス排出通路5e及び水素ガス流入通路6eの本数の増加により対応し、基板サイズの長さに対してはシランガス流入通路3e、ガス排出通路5e及び水素ガス流入通路6eの長さを伸ばすことにより対応することが可能である。
その結果、本発明の第2の実施形態に係わるプラズマCVD装置501は、大面積基板を対象にして、微結晶シリコン膜を、高品質で、高速で形成することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
3・・・シランガス流入通路、
3a・・・シランガス噴出孔、
3c・・・シランガス導入管、
3e・・・櫛形シランガス流入通路、
5・・・ガス排出通路、
5a・・・ガス排出孔、
5e・・・櫛形ガス排出通路、
6・・・水素ガス流入通路、
10・・・第2電極、
10a・・・水素ガス噴出孔、
10b・・・水素ガス導入管、
11・・・水素プラズマ、
11a・・・水素プラズマ流、
12・・・排気流、
13・・・シランガス噴出流、
13a・・・シランプラズマ、
50・・・反応容器、
60・・・基板保持台、
61・・・基板、
62・・・基板搬入搬出用バルブ、
70・・・高周波電源、
100・・・金属管型第1電極
101・・・櫛形第1電極、
101a・・・金属線、金属板。