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特開2022-90169横断歩道標示の健全度可視化コンピュータシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090169
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】横断歩道標示の健全度可視化コンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/07 20060101AFI20220610BHJP
   E01F 9/576 20160101ALI20220610BHJP
【FI】
E01C23/07
E01F9/576
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202381
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】595165852
【氏名又は名称】宮川興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】宮川 訓
(72)【発明者】
【氏名】石井 和夫
【テーマコード(参考)】
2D053
2D064
【Fターム(参考)】
2D053AA31
2D053FA03
2D064AA05
2D064AA22
2D064BA11
2D064HA22
(57)【要約】

【課題】
所望の管轄エリア内の横断歩道標示の健全度を一目で把握できるコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】
スマートフォンにインストールされた、横断歩道撮影アプリケーションソフトは、スマートフォンを、横断歩道標示の画像データを作成するための横断歩道撮影手段と、横断歩道標示の画像データに緯度経度・方位を付与する緯度経度・方位自動記録手段と、横断歩道標示の画像データに管轄の所轄名、管理番号を付与するデータ記録手段として機能させる。コンピュータにインストールされた横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトは、コンピュータを、横断歩道表示摩耗率計算手段と、摩耗率に基づいて、横断歩道標示の健全度をランク付けする横断歩道標示健全度ランク付与手段として機能させる。コンピュータの画面には管轄エリア内の横断歩道表示の健全度のランクが色別で表示される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラとGPSを備えたスマートフォンと、インターネットに接続するパソコンからなるコンピュータとを備え、前記スマートフォンに横断歩道の画像をデータ化するための横断歩道撮影アプリケーションソフトをインストールし、前記コンピュータに横断歩道の健全度をランク別で可視化するための横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトをインストールし、前記横断歩道撮影アプリケーションソフトが、
前記スマートフォンを、
横断歩道標示の画像データを作成するための横断歩道撮影手段、
横断歩道標示の画像データに緯度経度・方位を付与する緯度経度・方位自動記録手段、
横断歩道標示の画像データに管轄の所轄名、管理番号を付与するデータ記録手段
として機能させ、
前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、
前記コンピュータを、
前記スマートフォンで作成した横断歩道表示の画像データの摩耗率を計算する横断歩道表示摩耗率計算手段、
前記摩耗率に基づいて、横断歩道標示の健全度をランク付けする横断歩道標示健全度ランク付与手段
として機能させ、
コンピュータの画面に管轄エリア内の横断歩道表示の健全度のランクを表示するようにしたことを特徴とする横断歩道標示の健全度可視化コンピュータシステム。
【請求項2】
前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、前記コンピュータを、コンピュータの画面に管轄エリアの地図を表示し、該地図上の横断歩道設置場所にランク別に着色した横断歩道標示の位置を示す着色マークを付すようにした摩耗率ランク色別地図標示手段として機能させたことを特徴とする請求項1に記載の横断歩道標示の健全度可視化コンピュータシステム。
【請求項3】
前記地図上の横断歩道標示の着色マークの色が、健全度に応じて赤、黄、青で表示されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の横断歩道表示の健全度可視化コンピュータシステム。
【請求項4】
前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、
前記コンピュータを、
画面に、管轄エリア内の横断歩道標示の設置場所の一覧を表示する横断歩道標示設置場所表示手段、
画面に、横断歩道の種別の一覧を表示する種別一覧表示手段、
画面に、横断歩道標示の摩耗率の一覧を表示する摩耗率一覧表示手段、
画面に、横断歩道の表示ごとに健全度のランクを付与し表示するランク付与表示手段
として機能させたことを特徴とする請求項1に記載の横断歩道表示の健全度可視化コンピュータシステム。
【請求項5】
横断歩道の健全度のランクを色付きのマークで表示するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の横断歩道表示の健全度可視化コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横断歩道標示の健全度を地図上に色別で可視化するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路上には、横断歩道を示す白線や各種の文字記号などの道路標示体及び走行車線などを示す区画線が溶融型塗料やペンキなどの塗膜で描かれている。
この中、路面に施行された横断歩道などの道路標示体については、道路標示体を撮影し、座標情報と道路標示体の画像から、コンピュータソフトを用いて道路標示体の劣化を判別する方法が従来知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-20303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路標示については、道路標識とともに適切に設置・管理されなければ、交通規制の効力が失われてしまうことから、常に良好な状態が保たれるようにする必要がある。
特に横断歩道の道路標示については、横断歩行者を危険にさらすことのないよう摩耗等により消えかかっている場合は、早急に更新を行わなければならない。
しかしながら、国や工事施工業者などの管理者側には、膨大なストック数を管理しなければならないという状況がある。また、摩耗状況は交通量等の道路環境に大きく依存することから、管理者側は管轄区域内の横断歩道の摩耗状況を網羅的に見た上で、優先順位を附して更新を判断することがきわめて重要となる。
管理者側が更新の優先度が高い横断歩道を選定するにあたって、その目安となるものとして横断歩道の摩耗等が地図上に段階的に即ちランク付けされて表示されるものがあれば極めて便利である。
本発明は、横断歩道の摩耗率を専用ソフトで解析し、横断歩道の健全度に応じてランク付けし、横断歩道標示の健全度のランクをコンピュータの画面に表示するコンピュータシステムを提供することを主たる目的とする。
また本発明は、横断歩道の摩耗率を専用ソフトで解析し、管轄地の地図上に横断歩道の健全度に応じて、横断歩道の標示マークに、赤、黄、青などの色をつけて、横断歩道の健全度をランク付けしてコンピュータの画面に表示するコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、カメラとGPSを備えたスマートフォンと、インターネットに接続するパソコンからなるコンピュータとを備え、前記スマートフォンに横断歩道の画像をデータ化するための横断歩道撮影アプリケーションソフトをインストールし、前記コンピュータに横断歩道の健全度をランク別で可視化するための横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトをインストールし、前記横断歩道撮影アプリケーションソフトが、
前記スマートフォンを、
横断歩道標示の画像データを作成するための横断歩道撮影手段、
横断歩道標示の画像データに緯度経度・方位を付与する緯度経度・方位自動記録手段、
横断歩道標示の画像データに管轄の所轄名、管理番号を付与するデータ記録手段
として機能させ、
前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、
前記コンピュータを、
前記スマートフォンで作成した横断歩道表示の画像データの摩耗率を計算する横断歩道表示摩耗率計算手段、
前記摩耗率に基づいて、横断歩道標示の健全度をランク付けする横断歩道標示健全度ランク付与手段
として機能させ、
コンピュータの画面に管轄エリア内の横断歩道表示の健全度のランクを表示するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、前記コンピュータを、コンピュータの画面に管轄エリアの地図を表示し、該地図上の横断歩道設置場所にランク別に着色した横断歩道標示の位置を示す着色マークを付すようにした摩耗率ランク色別地図標示手段として機能させたことを特徴とする。
また本発明は、前記地図上の横断歩道標示の着色マークの色が、健全度に応じて赤、黄、青で表示されるようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記横断歩道健全度可視化アプリケーションソフトが、
前記コンピュータを、
画面に、管轄エリア内の横断歩道標示の設置場所の一覧を表示する横断歩道標示設置場所表示手段、
画面に、横断歩道の種別の一覧を表示する種別一覧表示手段、
画面に、横断歩道標示の摩耗率の一覧を表示する摩耗率一覧表示手段、
画面に、横断歩道の表示ごとに健全度のランクを付与し表示するランク付与表示手段
として機能させたことを特徴とする。
また本発明は、横断歩道の健全度のランクを色付きのマークで表示するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、所定の管轄エリア内の横断歩道の標示の健全度を一目で把握できるので、早急に補修すべきものと、近日中に補修すべきもの、あるいは当分は補修が不要なものなどの判断を容易に行うことができ、極めて便利である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の説明図である。
図2】本発明のブロック説明図である。
図3】本発明のブロック説明図である。
図4】本発明のブロック説明図である。
図5】本発明の説明図である。
図6】本発明の説明図である。
図7】本発明の説明図である。
図8】本発明の説明図である。
図9】本発明の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本システムの全体構成を示す説明図であり、本システムは、横断歩道を撮影するためのアプリケーションソフト2がインストールされたスマートフォン4と、横断歩道標示の健全度を可視化するためのアプリケーションソフト6がインストールされたコンピュータ8とから構成され、コンピュータ8は、インターネット10に接続している。
図3は、アプリケーションソフト2の構成を示している。アプリケーションソフト2は、ユーザーからの操作信号を受信し、情報処理部12に入力するとともに、インターネット10との間で相互に信号を送受信するための入出力インターフェース部14と、カメラで横断歩道等を撮影し、スマートフォン4の画面に横断歩道を表示し、表示した画像から画像データを作成する撮影部16と、撮影した画像のデータに、緯度経度・方位(撮影方向)のデータを付与する緯度経度・方位自動記録部18と、画像データに管轄の所轄名・刻印、管理番号その他メモ等のデータを付与するデータ記録部20とから構成されている。
【0009】
スマートフォン4による撮影は、図6に示すように、スマートフォン4の画面27に横断歩道標示30や予告マーク(図5B参照)を映し、画面27の緑点のマーカー29をクリックする。これにより、画面27のクリックした位置の緯度経度が画像にデータとして付与される。
図4は、アプリケーションソフト6の構成を示している。アプリケーションソフト6は、ユーザーからのパソコン操作信号や、インターネット10、外部電子機器からの信号を受信し、情報処理部22に入力するとともに、コンピュータ8の内部データを外部機器に出力するための入出力インターフェース部24と、横断歩道標示診断対象特定部26と、コンピュータの画面28に表示した横断歩道標示の画像30(図7参照)の四隅が、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスにより指定され、画面28の計算ボタンが押されると画面28に表示されている横断歩道標示の画像30の摩耗率を計算する横断歩道標示摩耗率計算部32と、前記摩耗率のデータを保管するデータ保管部34と、横断歩道標示設置場所標示部36と、横断歩道種別一覧表示部38と、摩耗率一覧表示部40と、横断歩道標示の縞数の一覧表示部42と、摩耗率ランク色別地図表示部44と、摩耗率別の数量標示部46と、横断歩道標示の摩耗率に基づいて横断歩道標示にランクを付け標示する横断歩道標示健全度ランク付与表示部48と、横断歩道標示診断データ表示部50とから構成されている。
【0010】
上記横断歩道標示の摩耗率とは、横断歩道の白線部分のうち、道路の舗装部が見える割合であり、パーセントで表示される。
上記した構成において、スマートフォン4の画面27の緑点のマーカー29をクリックすると、スマートフォン4で撮影した横断歩道や予告マークの画像情報、緯度経度・方位(撮影方向)、管轄等の情報は、コンピュータ8のデータ保管部34に保管される。本システムを駆動すると、横断歩道標示診断データ表示部50が駆動され、これに基づき横断歩道標示設置場所標示部36、種別一覧表示部38、摩耗率一覧表示部40、縞数一覧表示部42が駆動され、コンピュータ8の画面に図1に示すように、横断歩道標示設置場所と種別と摩耗率と縞数を示す一覧表52が表示され、一覧表52の横に、摩耗率ランク色別地図標示部44によって管轄エリアの地図54が表示される。
【0011】
一覧表52の、横断歩道設置場所標示の横には、全体版の摩耗率が表示される。摩耗率の表示は、ランク1乃至5の数値が表示され、この数値には、健全度を示す色付きのランク標示マークが付されている。
また画面の一覧表52には、摩耗率別の数量標示部46によって、ランク別の横断歩道の数量や、補修が必要な横断歩道の数量や場所が表示される。これによりユーザーにとって補修が必要な数量や場所が一目瞭然となる。
画面の一覧表52の下には、一覧表の場所の記載から特定された横断歩道の写真56が表示される。画面に表示される地図54は、インターネット上の地図データベースを利用して作成され、地図54には、全体版の横断歩道の設置マーク58が示される。該設置マーク58には、横断歩道の標示の健全度(摩耗率)を示すランクが色別に表示されている。横断歩道58の標示は、全体版と部分版に分類され摩耗率のランクは図7,8に示すように5段階に設定される。
図8は、全体版を示し、図9は部分版を示している。本実施形態では、横断歩道設置マーク記号が赤色に着色されているものは、ランク1~3、黄色はランク4、青色はランク5となっている。地図54の設置マーク58には全体版のランクが色で表示されるが、全体版のランク標示と部分版のランク標示は画面上で選択表示することができる。
【0012】
コンピュータの画面に表示された地図54上の特定の横断歩道の設置マーク58をクリックすると、特定した横断歩道標示の設置場所、種別、摩耗率、縞数が一覧表52に表示される。一覧表52の下には、特定した横断歩道の写真56が表示され、写真で状況を確認することができる。
ここで種別とは、図5に示すように、停止線のみの標示(A)であるか、横断歩道予告標示(B)であるか、一部除外の標示(C)であるか、横断歩道全体の標示(D)であるか、縞1本のみの標示(E)であるかを示すものである。
図1の画面欄60は、横断歩道の数量を示し、ここをクリックすることで、摩耗率別の数量標示部46によりランク別の横断歩道標示の数量が瞬時に計算され、表示される。
【符号の説明】
【0013】
2 アプリケーションソフト
4 スマートフォン
6 アプリケーションソフト
8 コンピュータ
10 インターネット
12 情報処理部
14 入出力インターフェース
16 撮影部
18 緯度経度・方位自動記録部
20 データ記録部
22 情報処理部
24 入出力インターフェース部
26 横断歩道標示診断対象特定部
27 画面
28 画面
30 横断歩道標示
32 横断歩道標示摩耗率計算部
34 データ保管部
36 横断歩道標示設置場所標示部
38 横断歩道種別一覧表示部
40 摩耗率一覧表示部
42 縞数の一覧表示部
44 摩耗率ランク色別地図標示部
46 摩耗率別の数量標示部
48 横断歩道標示健全度ランク付与部
50 横断歩道表示診断データ表示部
52 一覧表
54 地図
56 写真
58 マーク
60 欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9