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特開2022-90258ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置およびヘッドチップの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090258
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置およびヘッドチップの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
B41J2/14 303
B41J2/14 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202531
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】堀口 悟史
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF21
2C057AG14
2C057AG45
2C057AN01
2C057AP13
2C057BA03
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】印字品質の低下が抑制されたヘッドチップを提供する。
【解決手段】ヘッドチップ50は、Y方向に延びる吐出チャネル75および非吐出チャネル76がX方向に交互に配列されたアクチュエータプレート53と、アクチュエータプレート53に対してZ方向に重ね合わされるとともに、吐出チャネル75に連通する連通孔130、および非吐出チャネル76に連通する貫通孔150が形成された中間プレート52と、中間プレート52に対してZ方向に、貫通孔150を閉塞した状態で重ね合わされるとともに、連通孔130に連通して吐出チャネル75に収容された液体が噴射されるノズル孔145が吐出チャネル75に対応する位置に形成されたノズルプレート51と、を備える。非吐出チャネル76は、外部に連通している。貫通孔150は、Z方向から見て非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側に設けられている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる噴射チャネルおよび非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に交互に配列されたアクチュエータプレートと、
前記アクチュエータプレートに対して前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に重ね合わされるとともに、前記噴射チャネルに連通する連通孔、および前記非噴射チャネルに連通する貫通孔が形成された中間プレートと、
前記中間プレートに対して前記第3方向における前記アクチュエータプレートとは反対側に、前記貫通孔を閉塞した状態で重ね合わされるとともに、前記連通孔に連通して前記噴射チャネルに収容された液体が噴射される噴射孔が前記噴射チャネルに対応する位置に形成された噴射孔プレートと、
を備え、
前記非噴射チャネルは、外部に連通し、
前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記非噴射チャネルの前記第1方向に延びる内面よりも前記第2方向の内側に設けられている、
ヘッドチップ。
【請求項2】
前記噴射チャネルは、前記第2方向に隣り合う第1噴射チャネルおよび第2噴射チャネルを備え、
前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルの間に設けられている、
請求項1に記載のヘッドチップ。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルそれぞれの両端よりも前記第1方向の内側に設けられている、
請求項2に記載のヘッドチップ。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルそれぞれにおける前記第1方向の中心の間に設けられている、
請求項3に記載のヘッドチップ。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルの間を前記第1方向の全長にわたって設けられている、
請求項2に記載のヘッドチップ。
【請求項6】
前記非噴射チャネルは、前記第2方向で隣り合う第1非噴射チャネルおよび第2非噴射チャネルを備え、
前記貫通孔は、
前記第1非噴射チャネルに連通する第1貫通孔と、
前記第2非噴射チャネルに連通する第2貫通孔と、
を備え、
前記中間プレートにおける前記噴射孔プレートとの接合面には、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を接続する接続溝が形成されている、
請求項2に記載のヘッドチップ。
【請求項7】
前記中間プレートには、一の前記非噴射チャネルに連通する複数の前記貫通孔が形成されている、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のヘッドチップ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のヘッドチップを備えた液体噴射ヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置。
【請求項10】
第1方向に延びる噴射チャネルおよび非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に交互に配列されたアクチュエータプレートに対して、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に重ね合わせて接合された中間プレートに、前記第3方向から見て前記非噴射チャネルの前記第1方向に延びる内面よりも前記第2方向の内側で貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記噴射チャネルに収容された液体が噴射される噴射孔が形成された噴射孔プレートを、前記噴射チャネルおよび前記噴射孔に連通する連通孔が形成された前記中間プレートに対して前記アクチュエータプレートとは反対側に重ね合わせて接合し、前記貫通孔を閉塞する接合工程と、
を備えるヘッドチップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置およびヘッドチップの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドに搭載されるヘッドチップを通じて被記録媒体にインクを吐出する。ヘッドチップは、吐出チャネルおよび非吐出チャネルが交互に形成されたアクチュエータプレートと、アクチュエータプレートに接合され、吐出チャネルに収容されたインクが噴射されるノズル孔が吐出チャネルに対応する位置に形成されたノズルプレートと、を備えている。
【0003】
近年では、チャネルの細溝化が進んだことで、アクチュエータプレートおよびノズルプレートの位置ずれの許容範囲が小さくなっている。具体的には、アクチュエータプレートに対するノズルプレートの位置がチャネルの幅方向にずれると、ノズル孔のチャネル側の開口の一部がチャネル間の壁によって閉塞され得る。ノズル孔のチャネル側の開口の一部が閉塞されると、ノズル孔へのインクの供給が阻害される。これにより、インクの噴射特性が悪化する可能性がある。
【0004】
下記特許文献1,2には、吐出チャネルおよびノズル孔の両方に連通する貫通孔が形成された中間プレートをアクチュエータプレートおよびノズルプレートの間に配置し、吐出チャネルの幅方向において貫通孔を吐出チャネルおよびノズル孔よりも大きく形成した構成が開示されている。この構成によれば、ノズル孔が中間プレートによって閉塞されない範囲でアクチュエータプレートおよびノズルプレートの位置ずれが許容されるので、ノズル孔へのインクの供給が阻害されることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-42979号公報
【特許文献2】特開2019-89234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、中間プレートとノズルプレートとの接合部に接合不良が存在すると、吐出チャネル同士が接合不良部を通じて連通し得る。吐出チャネル同士が連通すると、インクの吐出時に圧力が接合不良部を通じて伝播し、インクの噴射方向の偏向が誘発される場合がある。これにより、印字品質が低下する可能性がある。しかしながら、ノズルプレートが金属材料等の不透明材料によって形成されている場合には、ノズルプレートおよび中間プレートの接合不良を光学的に検出することが困難であった。
【0007】
そこで本開示は、噴射孔プレートと中間プレートとの接合不良に起因した印字品質の低下が抑制されたヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置およびヘッドチップの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1方向に延びる噴射チャネルおよび非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に交互に配列されたアクチュエータプレートと、前記アクチュエータプレートに対して前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に重ね合わされるとともに、前記噴射チャネルに連通する連通孔、および前記非噴射チャネルに連通する貫通孔が形成された中間プレートと、前記中間プレートに対して前記第3方向における前記アクチュエータプレートとは反対側に、前記貫通孔を閉塞した状態で重ね合わされるとともに、前記連通孔に連通して前記噴射チャネルに収容された液体が噴射される噴射孔が前記噴射チャネルに対応する位置に形成された噴射孔プレートと、を備え、前記非噴射チャネルは、外部に連通し、前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記非噴射チャネルの前記第1方向に延びる内面よりも前記第2方向の内側に設けられている。
【0009】
本態様によれば、中間プレートと噴射孔プレートとの接合不良部が中間プレートの貫通孔に接続することで、中間プレートの連通孔および貫通孔が接合不良部を介して連通する。これにより、噴射チャネルおよび非噴射チャネルが連通する。非噴射チャネルはヘッドチップの外部に連通しているので、噴射孔を閉塞して噴射チャネルを真空引きした際のリークを検出することで、接合不良部の存在を検出できる。
ここで、一般的に非噴射チャネルの第1方向に延びる内面には電極膜が設けられている。本態様では、貫通孔は第3方向から見て非噴射チャネルの第1方向に延びる内面よりも第2方向の内側に設けられているので、アクチュエータプレートに中間プレートを重ね合わせた状態で貫通孔を形成する際に、貫通孔を形成する手段が電極膜に干渉することを抑制できる。
以上により、中間プレートに貫通孔を形成する際に生じ得る電極膜の破損による信頼性の低下を抑制しつつ、中間プレートと噴射孔プレートとの接合不良を検出して、接合不良に起因した印字品質の低下を抑制できる。
【0010】
(2)上記(1)の態様のヘッドチップにおいて、前記噴射チャネルは、前記第2方向に隣り合う第1噴射チャネルおよび第2噴射チャネルを備え、前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルの間に設けられていてもよい。
【0011】
本態様によれば、中間プレートおよび噴射孔プレートの接合部において一方の連通孔から他方の連通孔に向けて直線的に延びる経路上に貫通孔が設けられる。これにより、中間プレートと噴射孔プレートと接合不良のうち、特に噴射チャネル同士の連通を誘発しやすい接合不良を検出できる。
【0012】
(3)上記(2)の態様のヘッドチップにおいて、前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルそれぞれの両端よりも前記第1方向の内側に設けられていてもよい。
【0013】
本態様によれば、貫通孔が噴射チャネルよりも第1方向に沿う一方の外側から他方の外側にわたって設けられる構成と比べて、貫通孔の形成範囲減少によって貫通孔の形成に要する加工時間を短縮できる。
【0014】
(4)上記(3)の態様のヘッドチップにおいて、前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルそれぞれにおける前記第1方向の中心の間に設けられていてもよい。
【0015】
本態様によれば、中間プレートおよび噴射孔プレートの対向し合う部分における連通孔同士を接続する最短経路上に貫通孔が設けられる。これにより、最も液圧がかかりやすい箇所において、噴射チャネル同士の連通を誘発し得る接合不良を検出できる。
【0016】
(5)上記(2)の態様のヘッドチップにおいて、前記貫通孔は、前記第3方向から見て前記第1噴射チャネルおよび前記第2噴射チャネルの間を前記第1方向の全長にわたって設けられていてもよい。
【0017】
本態様によれば、中間プレートおよび噴射孔プレートの対向し合う部分において一方の連通孔から他方の連通孔に向けて直線的に延びる全ての経路上に貫通孔が設けられる。これにより、噴射チャネル同士の連通を誘発しやすい接合不良をより確実に検出できる。
【0018】
(6)上記(2)の態様のヘッドチップにおいて、前記非噴射チャネルは、前記第2方向で隣り合う第1非噴射チャネルおよび第2非噴射チャネルを備え、前記貫通孔は、前記第1非噴射チャネルに連通する第1貫通孔と、前記第2非噴射チャネルに連通する第2貫通孔と、を備え、前記中間プレートにおける前記噴射孔プレートとの接合面には、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を接続する接続溝が形成されていてもよい。
【0019】
本態様によれば、中間プレートを貫通しないように接続溝を貫通孔と同様の手段で形成することで、第1貫通孔、接続溝および第2貫通孔を一連して形成できる。これにより、第1非噴射チャネルに連通する貫通孔、および第2非噴射チャネルに連通する貫通孔それぞれを単独で形成する場合と比べて、中間プレートの加工時間を短縮できる。
【0020】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記中間プレートには、一の前記非噴射チャネルに連通する複数の前記貫通孔が形成されていてもよい。
【0021】
本態様によれば、一の非噴射チャネルに連通する貫通孔を複数に分散して形成することで、単一の貫通孔が形成される構成と比べて、貫通孔の形成範囲の減少を抑制しつつ、中間プレートおよび噴射孔プレートの接合部の面積を確保できる。したがって、貫通孔を形成することによる中間プレートおよび噴射孔プレートの接合強度の低下を抑制できる。
【0022】
(8)本開示の一態様に係る液体噴射ヘッドは、上記(1)から(7)のいずれかの態様に係るヘッドチップを備えている。
【0023】
本態様によれば、上記いずれかの態様に係るヘッドチップを備えているので、印字品質に優れた液体噴射ヘッドを提供できる。
【0024】
(9)本開示の一態様に係る液体噴射記録装置は、上記(8)の態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
【0025】
本態様によれば、上記態様に係る液体噴射ヘッドを備えているので、印字品質に優れた液体噴射記録装置を提供できる。
【0026】
(10)本開示の一態様に係るヘッドチップの製造方法は、第1方向に延びる噴射チャネルおよび非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に交互に配列されたアクチュエータプレートに対して、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に重ね合わせて接合された中間プレートに、前記第3方向から見て前記非噴射チャネルの前記第1方向に延びる内面よりも前記第2方向の内側で貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記噴射チャネルに収容された液体が噴射される噴射孔が形成された噴射孔プレートを、前記噴射チャネルおよび前記噴射孔に連通する連通孔が形成された前記中間プレートに対して前記アクチュエータプレートとは反対側に重ね合わせて接合し、前記貫通孔を閉塞する接合工程と、を備える。
【0027】
本態様によれば、アクチュエータプレートおよび中間プレートの位置合わせ精度によらず、貫通孔形成工程で非噴射チャネルに対する所望の位置に貫通孔を形成できる。したがって、非噴射チャネルに連通する貫通孔が形成された中間プレートを備えるヘッドチップにおいて、製造時の歩留まりの向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本開示の一態様によれば、印字品質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態のプリンタの概略構成図である。
図2】実施形態のインクジェットヘッドおよびインク循環機構の概略構成図である。
図3】第1実施形態のヘッドチップの斜視図である。
図4】第1実施形態のヘッドチップの分解斜視図である。
図5】第1実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図6図5のVI-VI線に相当するヘッドチップの断面図である。
図7図5のVII-VII線に相当するヘッドチップの断面図である。
図8図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9】第1実施形態の中間プレートおよびアクチュエータプレートの底面図である。
図10】第1実施形態のヘッドチップの製造方法を説明する図である。
図11】第1実施形態のヘッドチップの製造方法を説明する図である。
図12】第1実施形態のヘッドチップの製造方法を説明する図である。
図13】第2実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図14】第3実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図15】第4実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0031】
[実施形態]
<プリンタ>
各実施形態に共通するプリンタ1について説明する。
図1は、実施形態のプリンタの概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ(液体噴射記録装置)1は、一対の搬送機構2,3と、インクタンク4と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インク循環機構6と、走査機構7と、を備えている。
【0032】
以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第2方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(第1方向)は走査機構7の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向(第3方向)は、X方向およびY方向に直交する高さ方向(鉛直方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向およびZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。本実施形態において、+Z側は鉛直方向の上方に相当し、-Z側は鉛直方向の下方に相当する。
【0033】
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X側に搬送する。搬送機構2,3は、例えばY方向に延びる一対のローラ11,12をそれぞれ含んでいる。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。各インクジェットヘッド5は、接続されたインクタンク4に応じてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクをそれぞれ吐出可能に構成されている。なお、インクタンク4に収容されるインクは、導電性インクであっても、非導電性インクであってもよい。
【0034】
図2は、実施形態のインクジェットヘッドおよびインク循環機構の概略構成図である。
図1および図2に示すように、インク循環機構6は、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させる。具体的に、インク循環機構6は、インク供給管21およびインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。
【0035】
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を通してインクジェットヘッド5にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
【0036】
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インク排出管22内を通してインクジェットヘッド5からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。インクは、加圧ポンプ24および吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を通して循環可能となっている。
【0037】
走査機構7は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。走査機構7は、Y方向に延びるガイドレール28と、ガイドレール28に移動可能に支持されたキャリッジ29と、を備えている。
【0038】
図1に示すように、インクジェットヘッド5は、キャリッジ29に搭載されている。図示の例では、複数のインクジェットヘッド5が、一つのキャリッジ29にY方向に並んで搭載されている。インクジェットヘッド5は、ヘッドチップ50(図3参照)と、インク循環機構6およびヘッドチップ50間を接続するインク供給部(不図示)と、ヘッドチップ50に駆動電圧を印加する制御部(不図示)と、を備えている。
【0039】
[第1実施形態]
<ヘッドチップ>
第1実施形態のヘッドチップ50について説明する。
図3は、第1実施形態のヘッドチップをノズルプレートを取り外した状態で-Z側から見た斜視図である。図4は、第1実施形態のヘッドチップの分解斜視図である。
図3および図4に示すヘッドチップ50は、インクタンク4との間でインクを循環させるとともに、後述する吐出チャネル75における延在方向(Y方向)の中央部からインクを吐出する、いわゆる循環式サイドシュートタイプのヘッドチップである。ヘッドチップ50は、ノズルプレート(噴射孔プレート)51(図4参照)と、中間プレート52と、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、を備えている。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51、中間プレート52、アクチュエータプレート53およびカバープレート54が、この順番にZ方向に積層された構成である。以下の説明では、Z方向のうち、ノズルプレート51からカバープレート54に向かう方向(+Z側)を裏側とし、カバープレート54からノズルプレート51に向かう方向(-Z側)を表側として説明する場合がある。
【0040】
アクチュエータプレート53は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されている。アクチュエータプレート53は、例えば分極方向がZ方向で異なる2枚の圧電板を積層してなる、いわゆるシェブロン基板である。但し、アクチュエータプレート53は、分極方向がZ方向の全域で一方向な、いわゆるモノポール基板であってもよい。
【0041】
図5は、第1実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図4および図5に示すように、アクチュエータプレート53には、複数(例えば、2列)のチャネル列61,62が形成されている。各チャネル列61,62は、X方向に延びるとともに、Y方向に間隔をあけて配列されている。本実施形態において、チャネル列61,62は、チャネルA列61およびチャネルB列62である。チャネルA列61およびチャネルB列62は、チャネル群66を構成している。以下では、チャネル列61,62の構成について、チャネルA列61を例にして説明する。
【0042】
図5に示すように、チャネルA列61は、インクが充填される吐出チャネル(噴射チャネル)75と、インクが充填されない非吐出チャネル(非噴射チャネル)76と、を有している。各チャネル75,76は、Z方向から見た平面視において、それぞれY方向に直線状に延びるとともに、X方向に間隔をあけて交互に並んでいる。アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75および非吐出チャネル76間に位置する部分は、吐出チャネル75および非吐出チャネル76間をX方向で仕切る駆動壁70(図4参照)を構成している。なお、本実施形態では、チャネル延在方向がY方向に一致する構成について説明するが、チャネル延在方向がY方向に交差していてもよい。
【0043】
図6は、図5のVI-VI線に相当するヘッドチップの断面図である。
図6に示すように、吐出チャネル75は、X方向から見た側面視において、表面側に向けて凸の湾曲形状に形成されている。吐出チャネル75は、例えば円板状のダイサーをアクチュエータプレート53の裏面側(+Z側)から進入させることで形成される。具体的に、吐出チャネル75は、Y方向の両端部に位置する切り上がり部75aと、各切り上がり部75a間に位置する貫通部75bと、を有している。
【0044】
切り上がり部75aは、X方向から見て例えばダイサーの曲率半径に倣って延びる曲率半径が一様な円弧状である。切り上がり部75aは、Y方向において貫通部75bから離れるに従い裏側に向けて湾曲しながら延びている。
貫通部75bは、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。
【0045】
図7は、図5のVII-VII線に相当するヘッドチップの断面図である。
図7に示すように、非吐出チャネル76は、駆動壁70を間に挟んで吐出チャネル75とX方向で隣り合っている。非吐出チャネル76は、例えば円板状のダイサーをアクチュエータプレート53の裏面側(+Z側)から進入させることで形成される。非吐出チャネル76は、貫通部76aと、切り上がり部76bと、を備えている。
【0046】
貫通部76aは、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。すなわち、貫通部76aは、Z方向における溝深さが一様に形成されている。貫通部76aは、非吐出チャネル76のうち+Y側端部以外の部分を構成している。
【0047】
切り上がり部76bは、非吐出チャネル76のうち+Y側端部を構成している。切り上がり部76bは、X方向から見て例えばダイサーの曲率半径に倣って延びる曲率半径が一様な円弧状である。切り上がり部76bは、Y方向において貫通部76aから離れるに従い裏側に向けて湾曲しながら延びている。
【0048】
図5に示すように、チャネルB列62は、アクチュエータプレート53においてチャネルA列61の+Y側に設けられている。チャネルB列62は、上述したチャネルA列61と同様に吐出チャネル(噴射チャネル)75および非吐出チャネル(非噴射チャネル)76がX方向に交互に並んだ構成である。具体的に、チャネルB列62の吐出チャネル75および非吐出チャネル76は、チャネルA列61の吐出チャネル75および非吐出チャネル76の配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。したがって、本実施形態のインクジェットヘッド5では、チャネルA列61およびチャネルB列62の吐出チャネル75同士、並びにチャネルA列61およびチャネルB列62の非吐出チャネル76同士が千鳥状(互い違い)に配置されている。すなわち、隣り合うチャネル列61,62間において、吐出チャネル75および非吐出チャネル76同士がY方向で向かい合っている。但し、各チャネル列61,62間において、吐出チャネル75同士および非吐出チャネル76同士がY方向で向かい合って配置されていてもよい。
【0049】
アクチュエータプレート53のうち、チャネルA列61の吐出チャネル75(貫通部75b)に対して-Y側に位置する部分は、第1領域81を構成している。アクチュエータプレート53のうち、チャネルB列62の吐出チャネル75に対して+Y側に位置する部分は、第2領域86を構成している。
【0050】
図7に示すように、チャネルA列61において、非吐出チャネル76の貫通部76aは、第1領域81をY方向およびZ方向に貫通し、アクチュエータプレート53の-Y側を向く側面に開口している。チャネルB列62において、非吐出チャネル76の貫通部76aは、第2領域86をY方向およびZ方向に貫通し、アクチュエータプレート53の+Y側を向く側面に開口している。これにより、非吐出チャネル76は、ヘッドチップ50の外部に連通している。
【0051】
図8は、図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図8に示すように、吐出チャネル75のY方向に延びる内面(駆動壁70のうち各吐出チャネル75に面する内側面)には、共通電極95がそれぞれ形成されている。共通電極95は、吐出チャネル75の内側面においてZ方向の全域に亘って形成されている。共通電極95は、Y方向における長さが吐出チャネル75の貫通部75bと同等(アクチュエータプレート53の表面における吐出チャネル75の開口長と同等)とされている。
【0052】
非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76c(駆動壁70のうち各非吐出チャネル76に面する内側面)には、個別電極97が形成されている。個別電極97は、非吐出チャネル76の内側面において、Z方向の全域に亘って形成されている。
【0053】
図5に示すように、アクチュエータプレート53の表面には、複数の共通端子96が形成されている。共通端子96は、Y方向に沿って互いに平行に延在する帯状とされている。各共通端子96は、対応する吐出チャネル75の開口縁において一対の共通電極95にそれぞれ接続されている。各共通端子96は、対応する領域81,86内で終端している。
【0054】
領域81,86の表面において、共通端子96よりもY方向の外側に位置する部分には、個別端子98が形成されている。個別端子98は、X方向に延在する帯状とされている。個別端子98は、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で対向する非吐出チャネル76の開口縁において、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で対向する個別電極97同士を接続している。なお、領域81,86において、共通端子96と個別端子98との間に位置する部分には、区画溝99が形成されている。区画溝99は、各領域81,86において、X方向に延びている。区画溝99は、共通端子96と個別端子98とを分離している。なお、図3図4等については、各電極95,97および各端子96,98は一部のみ示している。
【0055】
図6に示すように、第1領域81の表面には、第1フレキシブルプリント基板100が圧着されている。第1フレキシブルプリント基板100は、第1領域81の表面において、チャネルA列61に対応する共通端子96および個別端子98に接続されている。第1フレキシブルプリント基板100は、アクチュエータプレート53の-Y側を通って+Z側に引き出されている。
【0056】
第2領域86の表面には、第2フレキシブルプリント基板101が圧着されている。第2フレキシブルプリント基板101は、第2領域86の表面において、チャネルB列62に対応する共通端子96および個別端子98に接続されている。第2フレキシブルプリント基板101は、アクチュエータプレート53の+Y側を通って+Z側に引き出されている。
【0057】
図3および図4に示すように、カバープレート54は、チャネル群66を閉塞するようにアクチュエータプレート53の裏面に接着されている。カバープレート54において、各チャネル列61,62と対応する位置には、入口共通インク室120および出口共通インク室121がそれぞれ形成されている。
【0058】
入口共通インク室120は、例えばチャネルA列61において吐出チャネル75の+Y側端部と平面視で重なる位置に形成されている。入口共通インク室120は、チャネルA列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
【0059】
出口共通インク室121は、例えばチャネルA列61において吐出チャネル75の-Y側端部と平面視で重なる位置に形成されている。入口共通インク室120は、チャネルA列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
【0060】
入口共通インク室120において、チャネルA列61の吐出チャネル75と対応する位置には、入口スリット125が形成されている。入口スリット125は、各吐出チャネル75の+Y側端部と、入口共通インク室120内と、の間を各別に連通している。
【0061】
出口共通インク室121において、チャネルA列61の吐出チャネル75と対応する位置には、出口スリット126が形成されている。出口スリット126は、各吐出チャネル75の-Y側端部と、出口共通インク室121内と、の間を各別に連通している。したがって、入口スリット125および出口スリット126は、それぞれ各吐出チャネル75に連通する一方、非吐出チャネル76には連通していない。
【0062】
中間プレート52は、チャネル群66を閉塞するようにアクチュエータプレート53の表面に接合されている。中間プレート52は、アクチュエータプレート53と同様にPZT等の圧電材料により形成されている。中間プレート52は、Z方向での厚さがアクチュエータプレート53よりも薄い。中間プレート52は、Y方向の寸法がアクチュエータプレート53よりも短くなっている。したがって、中間プレート52に対してY方向の両側には、アクチュエータプレート53におけるY方向の両端部(例えば、第1領域81)が露出する。アクチュエータプレート53におけるY方向の両端部において、中間プレート52から露出した部分は、フレキシブルプリント基板100,101の圧着領域として機能する。なお、中間プレート52は、圧電材料以外の材料(例えば、ポリイミドやアルミナ等の非導電材)で形成されていてもよい。中間プレート52には、連通孔130および貫通孔150が形成されている。
【0063】
連通孔130は、各吐出チャネル75の貫通部75bと平面視で重なり合う。連通孔130は、アクチュエータプレート53の表面側において、対応する吐出チャネル75の貫通部75b内に各別に連通している。連通孔130は、Y方向を長手方向とする長円形状に形成されている。連通孔130におけるX方向の寸法は、貫通部75bよりも広い。但し、連通孔130におけるX方向の寸法は、貫通部75bよりも短くてもよい。
【0064】
貫通孔150は、各非吐出チャネル76の貫通部76aと平面視で重なり合う。貫通孔150は、アクチュエータプレート53の表面側において、対応する非吐出チャネル76の貫通部76a内に各別に連通している。
【0065】
図9は、第1実施形態の中間プレートおよびアクチュエータプレートの底面図である。
図9に示すように、貫通孔150は、平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側に設けられている。貫通孔150の全体は、平面視で非吐出チャネル76に重なっている。貫通孔150は、X方向に隣り合う一対の吐出チャネル75(第1噴射チャネルおよび第2噴射チャネル)それぞれの貫通部75bの間に設けられている。貫通孔150は、X方向に隣り合う一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bの両端よりもY方向の内側に設けられている。本実施形態では、貫通孔150は、非吐出チャネル76よりもX方向に小さく、かつ吐出チャネル75の貫通部75bよりもY方向に小さい、平面視矩形状に形成されている。貫通孔150は、平面視で一対の吐出チャネル75それぞれにおけるY方向の中心の間に設けられている。
【0066】
図3および図4に示すように、中間プレート52において、連通孔130がX方向に並んだ領域は、連通領域135,136を構成している。本実施形態において、連通領域135,136は、チャネルA列61に重なり合う連通A領域135、およびチャネルB列に重なり合う連通B領域136である。各連通領域135,136は、Y方向に間隔をあけて設けられている。
【0067】
図4に示すように、ノズルプレート51は、中間プレート52の表面に接合されている。ノズルプレート51は、Y方向における幅が中間プレート52と同等になっている。本実施形態において、ノズルプレート51は、ステンレス鋼の金属材料(ステンレス鋼やNi-Pd等)により形成されている。但し、ノズルプレート51は、金属材料の他、ポリイミド等の樹脂材料や、ガラス、シリコン等による単層構造、または積層構造であってもよい。
【0068】
ノズルプレート51には、X方向に延びるノズル列(ノズルA列141およびノズルB列142)がY方向に間隔をあけて2列形成されている。
各ノズル列141,142は、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数のノズル孔(ノズルA孔145およびノズルB孔146)を有している。各ノズル孔145,146は、それぞれX方向に間隔をあけて配置されている。各ノズル孔145,146は、例えば裏側から表側に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ状に形成されている。各ノズル孔145,146の最大内径は、吐出チャネル75のY方向の幅よりも大きく、連通孔130のY方向の幅よりも小さい。
【0069】
図6および図7に示すように、ノズルA孔145は、チャネルA列61の吐出チャネル75のうちY方向の中央部に、連通A領域135の連通孔130を通じて各別に連通している。ノズルB孔146は、チャネルB列62の吐出チャネル75のうちY方向の中央部に、連通B領域136の連通孔130を通じて各別に連通している。ノズルプレート51は、中間プレート52の貫通孔150に連通する孔を有しておらず、貫通孔150を表面側から閉塞している。
【0070】
<ヘッドチップの製造方法>
本実施形態のヘッドチップ50の製造方法について説明する。本実施形態のヘッドチップの製造方法は、第1接合工程と、第1検査工程と、貫通孔形成工程と、第2接合工程と、第2検査工程と、を備える。
【0071】
図10から図12は、第1実施形態のヘッドチップの製造方法を説明する図であって、図8に相当する断面図である。
図10に示すように、第1接合工程では、アクチュエータプレート53に対してZ方向に中間プレート52を重ね合わせて接合する。例えば、アクチュエータプレート53および中間プレート52を接着剤によって接合する。第1接合工程においてアクチュエータプレート53に接合される中間プレート52には、連通孔130および貫通孔150の両方が形成されていない。なお、図10から図12の各図において、非吐出チャネル76の内面76cに形成された個別電極97の図示を省略している。
【0072】
続いて第1検査工程では、アクチュエータプレート53と中間プレート52との接合部の接合不良を検出する。検出対象の接合不良は、吐出チャネル75と非吐出チャネル76とを連通するリークパスである。第1検査工程では、各吐出チャネル75を真空引きし、その際のリークの有無を判定する。吐出チャネル75と非吐出チャネル76とを連通するリークパスが存在すると、アクチュエータプレート53の側面に開口した非吐出チャネル76からリークパスを通じて吐出チャネル75に気体が流入するので、接合不良を検出できる。
【0073】
続いて、図11に示すように、貫通孔形成工程では、第1検査工程を通過した物を対象に、中間プレート52に連通孔130および貫通孔150を形成する。この際、非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側で貫通孔150を形成する。例えば、貫通孔形成工程では、レーザーを用いて中間プレート52に連通孔130および貫通孔150を形成する。
【0074】
続いて、図12に示すように、第2接合工程では、ノズル孔145,146が形成されたノズルプレート51を、中間プレート52に対してアクチュエータプレート53とは反対側に重ね合わせて接合する。例えば、中間プレート52およびノズルプレート51を接着剤によって接合する。ノズルプレート51を中間プレート52に接合することで、連通孔130にノズル孔145,146を連通させるとともに、ノズルプレート51によって貫通孔150を閉塞する。
【0075】
続いて第2検査工程では、中間プレート52とノズルプレート51との接合部の接合不良を検出する。検出対象の接合不良は、連通孔130と貫通孔150とを連通するリークパスである。第2検査工程では、ノズル孔145,146を閉塞した状態で各吐出チャネル75を真空引きし、その際のリークの有無を判定する。ノズル孔145,146の閉塞は、ノズルプレート51に対して中間プレート52とは反対側に図示しない治具等を重ね合わせることで行われる。連通孔130と貫通孔150とを連通するリークパスが存在すると、アクチュエータプレート53の側面に開口した非吐出チャネル76から貫通孔150、リークパスおよび連通孔130を通じて吐出チャネル75に気体が流入するので、接合不良を検出できる。
【0076】
そして、第2検査工程を通過した物を対象に、フレキシブルプリント基板100,101を圧着することで、ヘッドチップ50が完成する。
なお、本実施形態では、第1接合工程で連通孔130が形成されていない中間プレート52を用いたが、これに限定されない。すなわち、第1接合工程で連通孔130が形成された中間プレート52を用いてもよい。この場合には、第1検査工程において、第2検査工程と同様に治具を用いて連通孔130を閉塞することで、吐出チャネル75と非吐出チャネル76とを連通するリークパスを検出できる。
【0077】
<プリンタの動作>
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環機構6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
【0078】
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、被記録媒体Pが搬送機構2,3のローラ11,12に挟み込まれながら+X側に搬送される。また、これと同時にキャリッジ29がY方向に移動することで、キャリッジ29に搭載されたインクジェットヘッド5がY方向に往復移動する。
インクジェットヘッド5が往復移動する間に、各インクジェットヘッド5よりインクを被記録媒体Pに適宜吐出させる。これにより、被記録媒体Pに対して文字や画像等の記録を行うことができる。
【0079】
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のような循環式サイドシュートタイプのインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24および吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、入口共通インク室120および入口スリット125を通して各吐出チャネル75内に供給される。各吐出チャネル75内に供給されたインクは、各吐出チャネル75をY方向に流通する。その後、インクは、出口スリット126を通じて出口共通インク室121に排出された後、インク排出管22を通してインクタンク4に戻される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させることができる。
【0080】
そして、キャリッジ29(図1参照)の移動によってインクジェットヘッド5の往復移動が開始されると、フレキシブルプリント基板100,101を介して電極95,97に駆動電圧が印加される。この際、個別電極97を駆動電位Vddとし、共通電極95を基準電位GNDとして各電極95,97間に駆動電圧を印加する。すると、吐出チャネル75を画成する2つ駆動壁70に厚み滑り変形が生じ、これら2つの駆動壁70が非吐出チャネル76側へ突出するように変形する。すなわち、各電極95,97間に電圧を印加することで、駆動壁70がZ方向の中間部分を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル75の容積が増大する。そして、吐出チャネル75の容積が増大したことにより、入口共通インク室120内に貯留されたインクが入口スリット125を通じて吐出チャネル75内に誘導される。吐出チャネル75の内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル75の内部に伝播する。圧力波がノズル孔145,146に到達したタイミングで、電極95,97間に印加した電圧をゼロにする。これにより、駆動壁70が復元し、一旦増大した吐出チャネル75の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル75の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、液滴状のインクが連通孔130およびノズル孔145,146を通って外部に吐出されることで、上述したように被記録媒体Pに文字や画像等を記録することができる。
【0081】
以上に説明したように、本実施形態のヘッドチップ50は、吐出チャネル75に連通する連通孔130、および非吐出チャネル76に連通する貫通孔150が形成された中間プレート52と、中間プレート52に対して貫通孔150を閉塞した状態で重ね合わされるとともに、連通孔130に連通して吐出チャネル75に収容されたインクが噴射されるノズル孔145,146が吐出チャネル75に対応する位置に形成されたノズルプレート51と、を備える。そして、非吐出チャネル76が外部に連通し、貫通孔150が平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもY方向の内側に設けられている。この構成によれば、中間プレート52とノズルプレート51との接合不良部が中間プレート52の貫通孔150に接続することで、中間プレート52の連通孔130および貫通孔150が接合不良部を介して連通する。これにより、吐出チャネル75および非吐出チャネル76が連通する。非吐出チャネル76はヘッドチップ50の外部に連通しているので、ノズル孔145,146を閉塞して吐出チャネル75を真空引きした際のリークを検出することで、接合不良部の存在を検出できる。
ここで、非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cには個別電極97が設けられている。本実施形態では、貫通孔150は平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側に設けられているので、アクチュエータプレート53に中間プレート52を重ね合わせた状態で貫通孔150を形成する際に、貫通孔150を形成するレーザー等の手段が個別電極97に干渉することを抑制できる。
以上により、中間プレート52に貫通孔150を形成する際に生じ得る個別電極97の破損による信頼性の低下を抑制しつつ、中間プレート52とノズルプレート51との接合不良を検出して、接合不良に起因した印字品質の低下を抑制できる。
【0082】
また、本実施形態のヘッドチップ50の製造方法は、アクチュエータプレート53に対して重ね合わせて接合された中間プレート52に、平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側で貫通孔150を形成する貫通孔形成工程と、ノズルプレート51を中間プレート52に対してアクチュエータプレート53とは反対側に重ね合わせて接合し、貫通孔150を閉塞する第2接合工程と、を備える。この製造方法によれば、アクチュエータプレート53および中間プレート52の位置合わせ精度によらず、貫通孔形成工程で非吐出チャネル76に対する所望の位置に貫通孔150を形成できる。したがって、非吐出チャネル76に連通する貫通孔150が形成された中間プレート52を備えるヘッドチップ50において、製造時の歩留まりの向上を図ることができる。
【0083】
また、貫通孔150は、平面視で、隣り合う一対の吐出チャネル75の貫通部75bの間に設けられている。この構成によれば、中間プレート52およびノズルプレート51の接合部において一方の連通孔130から他方の連通孔130に向けて直線的に延びる経路上に貫通孔150が設けられる。これにより、中間プレート52とノズルプレート51と接合不良のうち、特に吐出チャネル75同士の連通を誘発しやすい接合不良を検出できる。
【0084】
貫通孔150は、平面視で、隣り合う一対の吐出チャネル75の貫通部75bそれぞれの両端よりもY方向の内側に設けられている。この構成によれば、貫通孔が吐出チャネル75の貫通部75bよりもY方向に沿う一方の外側から他方の外側にわたって設けられる構成と比べて、貫通孔150の形成範囲減少によって貫通孔150の形成に要する加工時間を短縮できる。
【0085】
貫通孔150は、平面視で、隣り合う一対の吐出チャネル75の貫通部75bそれぞれにおけるY方向の中心の間に設けられている。この構成によれば、中間プレート52およびノズルプレート51の対向し合う部分における連通孔130同士を接続する最短経路上に貫通孔150が設けられる。これにより、最も液圧がかかりやすい箇所において、吐出チャネル75同士の連通を誘発し得る接合不良を検出できる。
【0086】
そして、本実施形態のインクジェットヘッド5およびプリンタ1では、上述したように接合不良に起因した印字品質の低下を抑制されたヘッドチップ50を備えるので、印字品質に優れたインクジェットヘッド5およびプリンタ1を提供できる。
【0087】
[第2実施形態]
<ヘッドチップ>
第2実施形態のヘッドチップ50について説明する。
図13は、第2実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図13に示すように、本実施形態では、貫通孔250がX方向に隣り合う一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bの間をY方向の全長にわたって設けられている点で、第1実施形態とは異なる。貫通孔250は、平面視で貫通孔250を挟む一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bの両端よりもY方向の外側に突出している。換言すると、貫通孔250は、一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bよりもY方向の一方の外側から他方の外側にわたって配置されている。貫通孔250は、平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側に設けられている。貫通孔250の全体は、平面視で非吐出チャネル76に重なっている。本実施形態では、貫通孔250は、非吐出チャネル76よりもX方向に小さく、かつ吐出チャネル75の貫通部75bよりもY方向に大きい、平面視矩形状に形成されている。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0088】
このように、本実施形態では、平面視で貫通孔250が隣り合う一対の吐出チャネル75の貫通部75bの間をY方向の全長にわたって設けられている。この構成によれば、中間プレート52およびノズルプレート51の対向し合う部分において一方の連通孔130から他方の連通孔130に向けて直線的に延びる全ての経路上に貫通孔250が設けられる。これにより、吐出チャネル75同士の連通を誘発しやすい接合不良をより確実に検出できる。
【0089】
[第3実施形態]
<ヘッドチップ>
第3実施形態のヘッドチップ50について説明する。
図14は、第3実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図14に示すように、本実施形態では、中間プレート52には、X方向で隣り合う一対の貫通孔250を接続する接続溝251が形成されている点で、第2実施形態とは異なる。なお、その他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0090】
接続溝251は、中間プレート52の表面に形成されている。接続溝251は、中間プレート52を貫通しないように形成されている。接続溝251は、吐出チャネル75の貫通部75bに対するY方向の外側で、X方向に沿って直線状に延びている。接続溝251は、隣り合う一対の貫通孔250(第1貫通孔および第2貫通孔)の端部同士を接続するように延びている。各貫通孔250の端部には、接続溝251が1つずつ接続されている。これにより、貫通孔250および接続溝251からなる凹部は、平面視で吐出チャネル75を1つずつ避けるようにジグザグ状に延びている。例えば、接続溝251は、貫通孔250と同様にレーザーを用いて形成される。この場合、接続溝251を形成する際のレーザーの出力を、貫通孔250を形成する際のレーザーの出力よりも小さくすることで、中間プレート52を貫通しない接続溝251を形成できる。
【0091】
このように、本実施形態では、中間プレート52の表面には、X方向で隣り合う一対の貫通孔250を接続する接続溝251が形成されている。この構成によれば、中間プレート52を貫通しないように接続溝251を貫通孔250と同様の手段で形成することで、一対の貫通孔250および接続溝251を一連して形成できる。これにより、隣り合う一対の非吐出チャネル76に連通する貫通孔250それぞれを単独で形成する場合と比べて、中間プレート52の加工時間を短縮できる。
【0092】
[第4実施形態]
<ヘッドチップ>
第4実施形態のヘッドチップ50について説明する。
図15は、第4実施形態のアクチュエータプレートの底面図である。
図15に示すように、本実施形態では一の非吐出チャネル76に連通する複数の貫通孔350が中間プレート52に形成されている点で、第1実施形態と異なる。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0093】
中間プレート52には、貫通孔群351が形成されている。貫通孔群351は、X方向から見て、隣り合う一対の吐出チャネル75それぞれの間に設けられた複数(図示の例では2つ)の貫通孔350を有する。貫通孔群351は、一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bよりもY方向の一方の外側から他方の外側にわたる領域に形成されている。すなわち、貫通孔群351のうち少なくとも一対の貫通孔350は、平面視で、貫通孔群351を挟む一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bの両端よりもY方向の外側に配置されている。ただし、貫通孔群の全ての貫通孔は、平面視で貫通孔群を挟む一対の吐出チャネル75それぞれの貫通部75bの両端よりもY方向の内側に設けられていてもよい。各貫通孔350は、平面視で非吐出チャネル76のY方向に延びる内面76cよりもX方向の内側に設けられている。本実施形態では、貫通孔350は、非吐出チャネル76よりもX方向に小さい、平面視矩形状に形成されている。なお、図示の例では、貫通孔350は、平面視で一対の吐出チャネル75それぞれにおけるY方向の中心の間を避けるように形成されているが、貫通孔350の配置はこれに限定されない。すなわち、貫通孔群351の1つの貫通孔350は、平面視で一対の吐出チャネル75それぞれにおけるY方向の中心の間に設けられていてもよい。
【0094】
このように、本実施形態では、中間プレート52に一の非吐出チャネル76に連通する複数の貫通孔350が形成されている。この構成によれば、一の非吐出チャネル76に連通する貫通孔350を複数に分散して形成することで、単一の貫通孔が形成される構成と比べて、貫通孔350の形成範囲の減少を抑制しつつ、中間プレート52およびノズルプレート51の接合部の面積を確保できる。したがって、貫通孔350を形成することによる中間プレート52およびノズルプレート51の接合強度の低下を抑制できる。
【0095】
なお、本開示の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、印刷時にインクジェットヘッドが被記録媒体に対して移動する構成(いわゆる、シャトル機)を例にして説明をしたが、この構成に限られない。本開示に係る構成は、インクジェットヘッドを固定した状態で、インクジェットヘッドに対して被記録媒体を移動させる構成(いわゆる、固定ヘッド機)に採用してもよい。
上記実施形態では、Z方向が鉛直方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に沿わせてもよい。
【0097】
上記実施形態では、サイドシュートのヘッドチップについて説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネルにおける延在方向の端部からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのヘッドチップに本開示を適用しても構わない。
【0098】
上記実施形態では、被記録媒体Pが紙の場合について説明したが、この構成に限られない。被記録媒体Pは、紙に限らず、金属材料や樹脂材料であってもよく、食品等であってもよい。
上記実施形態では、液体噴射ヘッドが液体噴射記録装置に搭載された構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、被記録媒体に着弾させるものに限らず、例えば調剤中に配合する薬液や、食品に添加する調味料や香料等の食品添加物、空気中に噴射する芳香剤等であってもよい。
【0099】
上記実施形態では、チャネル列が2列設けられているが、チャネル列の数は特に限定されない。
上記実施形態では、中間プレート52の貫通孔150,250,350が平面視矩形状に形成されているが、これに限定されない。例えば、貫通孔は、円形状や長円形状等に形成されていてもよい。
【0100】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…プリンタ(液体噴射記録装置) 5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド) 50…ヘッドチップ 51…ノズルプレート(噴射孔プレート) 52…中間プレート 53…アクチュエータプレート 75…吐出チャネル(噴射チャネル) 76…非吐出チャネル(非噴射チャネル) 76c…内面 130…連通孔 145,146…ノズル孔(噴射孔) 150,250,350…貫通孔 251…接続溝
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