(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090303
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】誘電体膜及び前記誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造と電気回路基板構造
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220610BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20220610BHJP
H01C 13/00 20060101ALI20220610BHJP
H05K 1/16 20060101ALI20220610BHJP
H01B 3/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
H01G4/30 540
H01G4/30 541
H01G4/40 307A
H01C13/00 A
H05K1/16 A
H01B3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202629
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】514300672
【氏名又は名称】鼎展電子股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】葉宗和
【テーマコード(参考)】
4E351
5E001
5E082
5G303
【Fターム(参考)】
4E351AA16
4E351BB03
4E351BB05
4E351BB17
4E351BB30
4E351BB43
4E351CC03
4E351CC06
4E351DD04
4E351DD17
4E351DD19
4E351DD21
5E001AD04
5E001AH01
5E001AH03
5E001AJ01
5E001AJ02
5E082AB01
5E082BC39
5E082DD02
5E082EE03
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE37
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG04
5E082FG06
5E082FG26
5E082FG34
5E082GG10
5E082LL35
5G303AA01
5G303AB20
5G303BA03
5G303CA01
5G303CA09
5G303CB03
5G303CB35
5G303CC02
(57)【要約】
【課題】誘電体膜及び前記誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造と電気回路基板構造を提供する。
【解決手段】本発明の誘電体膜は、第1誘電率と第1損失係数を有する第1誘電体材料と、第2誘電率と第2損失係数を有する誘電率調整剤としての第2誘電体材料と、高分子粘結材料と、を含み、前記高分子粘結材料で前記第1誘電体材料と前記第2誘電体材料を粘結した後、半固化状態の誘電体材料が得られ、前記半固化状態の誘電体材料が型押焼結プロセスを経た後、かかる誘電体膜が成膜されることを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1誘電率と第1損失係数を有する第1誘電体材料と、
第2誘電率と第2損失係数を有する誘電率調整剤としての第2誘電体材料と、
高分子粘結材料と、を含み、
前記高分子粘結材料で前記第1誘電体材料と前記第2誘電体材料を粘結した後、半固化状態の誘電体材料が得られ、
前記半固化状態の誘電体材料が型押焼結プロセスを経た後、かかる誘電体膜が成膜されることを特徴とする、
誘電体膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋込式受動素子の複合銅膜の技術分野に係り、特に、誘電体膜、前記誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造、及び前記誘電体膜を使用した電気回路基板構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自らプリント電気回路基板を購入すると共に、予め設計された回路レイアウトに基づいて、前記プリント電気回路基板に対して現像、エッチングと剥膜(Developing/Etching/Stripping,DES)などのプロセスを行い、その後、前記プリント電気回路基板の表面の上に、電子回路と呼ばれるような図案化された銅箔回路を製作する経験は、電気電子工学、電気機械工学や情報工学を習得した経歴を持つエンジニアであれば、一度は必ずあるはずである。電子回路の製作が完了した後には、次いで、電子回路の上に予め決定したチップと受動素子を配置し、これは例えば、アンプ、プロセッサ、レジスト、コンデンサやインダクタンスなどが挙げられる。
【0003】
このような状況において、産業界では受動素子の寸法を縮小することが提唱され続けている。現在、寸法サイズが0805(80×50mil
2)と0603(60×30mil
2)の受動素子は、主にマザーボードとノート型パソコンの製作に使用されている一方、寸法サイズが0402(40×20mil
2)と0201(20×10mil
2)の受動素子は、スマートフォンとタブレット端末の中に広汎に応用されている。受動素子の寸法サイズについて微細化が継続的に進むなかで、技術上またはプロセス上必然的に限界を迎えざるをえず、このため、「埋め込み式受動素子」(Embedded passives)の技術が、近年再び注目を集めていると推知される。その内、銅膜電気抵抗(Resistor embedded copper foil Structure)は、従来技術に係る埋め込み式受動素子である。
図1は、従来技術に係る銅膜電気抵抗を示す側方断面図である。
図1に示すように、適当な厚みの第1銅膜11´を基材として用意し、次いで、その表面に厚みが20μmより小さい一層の誘電体層13´を形成した後、適当な厚みの第2銅膜14´を被覆することで、かかる銅膜電気抵抗1´の製作を完了する。通常、前記第1銅膜11´と第2銅膜14´の厚みは、12μm~36μmであり、かつ前記誘電体層13´の常用のプロセス材料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)である。
【0004】
さらに、
図1に示される銅膜電気抵抗に対して基材と積層プロセス(Lamination process)を実行した後、電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造(resistor and capacitor embedded copper foil structure)を得ることができる。
図2は、つまり従来技術に係る電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造を示す側方断面図である。
図2に示すように、銅膜電気抵抗1´は、エポキシ樹脂(Epoxy)1E´を介して前記基材1S´の一表面に結合する。その内、前記基材1S´は、軟性基板でもよいし、硬質基板でもよい。かかる軟性基板は、例えば、ポリイミド(PI)またはポリエチレンテレフタレート(PET)からなってもよく、かかる硬質基板は、例えば、ガラス繊維板(FR4板)であってもよい。
【0005】
特許文献1(米国特許第5155655(A1)号明細書)には、積層キャパシタを有するプリント電気回路基板が開示されており、それは主に誘電質材料(例えば、チタン酸バリウム)を両銅膜基板(Copper clad laminate,CCL)のマット面(Matt side)に形成し、それをCCL電気回路基板の層内埋め込みコンデンサの誘電体層として機能させる。この種の方式は、CCL電気回路基板の内部に平行金属板コンデンサ構造を嵌入することができるものの、誘電質材料を直接銅膜のマット面に設置することは、容量値の均一性を低下させる可能性につながりかねない。
【0006】
他方、特許文献2(日本特開2002-164253(A)号公報)には、ポリイミド(PI)誘電体層を利用する嵌入キャパシタを有する電気回路基板が開示されている。前述の特許文献2の開示内容によれば、まず、第1銅膜基板と第2銅膜基板を準備する。その内、前記第1銅膜基板は、第1ポリイミド基材と、前記第1ポリイミド基材の一表面に結合する第1銅膜とを含み、かつ前記第2銅膜基板は、第2ポリイミド基材と、前記第2ポリイミド基材の一表面に結合する第2銅膜とを含む。
【0007】
説明に値するのは、特許文献1における容量値の均一性がよくない問題を、前述の特許文献2に開示される技術によって解決した点である。しかしながら、ポリイミド(PI)とチタン酸バリウム誘電質材料との間には接着性が好ましくないという現象が有るため、薄いポリイミド誘電体層を利用する嵌入キャパシタを有するかかる電気回路基板では、実務応用において信頼性が低くなるという問題が見られた。また、前述の特許文献2に開示される技術は、依然として製造コストが高すぎる問題が残っていた。
【0008】
また、上記の2件の先行技術文献の電気回路基板の埋込式キャパシタの誘電率は、いずれも30以上を超えることがない。この状況下、埋込式キャパシタの容量値を維持するためには、銅膜及び/または誘電層の厚みをより一層薄くすることができなくなる。現在の電気回路基板の埋込式キャパシタの銅膜の厚みは、最薄でも12μmまでしか薄くできないことが既に分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5155655(A1)号明細書
【特許文献2】特開2002-164253(A)号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の説明から分かるように、従来技術に係る埋込式キャパシタを有する電気回路基板構造は、依然として改善すべき箇所が多々ある。これに鑑み、本願の発明者は、発明を極力研究考案した結果、遂に本発明に係る誘電体膜、前記誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造、及び前記誘電体膜を使用した電気回路基板構造を研究開発して完成させた。
【0011】
本発明の主な目的は、誘電体膜及び前記誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造を提供することである。特に、かかる誘電体膜は、第1誘電率と第1損失係数を有する第1誘電体材料と、第2誘電率と第2損失係数を有する第2誘電体材料と、高分子粘結材料とを含む。その内、前記高分子粘結材料で前記第1誘電体材料と前記第2誘電体材料を粘結した後、半固化状態の誘電体材料が得られ、前記半固化状態の誘電体材料を型押焼結プロセスを経た後、かかる誘電体膜が成膜される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した本発明の目的を達成するために、本発明は、誘電体膜の一実施例を提供する。かかる誘電体膜は、第1誘電率と第1損失係数を有する第1誘電体材料と、第2誘電率と第2損失係数を有し、誘電率調整剤としての第2誘電体材料と、高分子粘結材料とを含み、その内、前記高分子粘結材料で前記第1誘電体材料と前記第2誘電体材料を粘結した後、半固化状態の誘電体材料が得られ、前記半固化状態の誘電体材料を型押焼結プロセスを経た後、かかる誘電体膜が成膜される。
【発明の効果】
【0013】
前記電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造中において、第1誘電体材料、第2誘電体材料及び高分子粘結材料を含む前記誘電体膜をかかる第1誘電体層として用いることで、第1誘電体層の誘電率(Dielectric constant)が4~68の間に調整制御されることとなり、かつその誘電体損失が0.02よりも小さい。また、本発明の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)に応用されるほか、さらに少なくとも1つの電気回路基板と組み合わせて剛性可撓性複合板(Rigid-flex board)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来技術に係る銅膜電気抵抗を示す側方断面図である。
【
図2】従来技術に係る電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造を示す側方断面図である。
【
図3】本発明に係る電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造を示す第1側断面図である。
【
図4】本発明の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造の製作手順を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明が提出した一種の誘電体膜、前記誘電体膜を使用した一種の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造、及び前記誘電体膜を使用した一種の電気回路基板構造をより明瞭に記述するために、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例を以下に詳述する。
【0016】
〈誘電率を調整制御可能な誘電体膜(層)〉
本発明が提出した一種の誘電率を調整制御可能な誘電体膜(層)は、電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造(Resistor and capacitor embedded flexible copper foil structure)の製作に応用することができる。本発明の設計によれば、かかる誘電体膜は、第1誘電率と第1損失係数を有する第1誘電体材料と、第2誘電率と第2損失係数を有する第2誘電体材料と、高分子粘結材料とを含む。
【0017】
特に、本発明の主要な技術的特徴は、材料設計を利用してかかる誘電体膜(層)の等価誘電率が、4~68の範囲内に容易に調整制御されることができるようになっており、かつ同時にかかる誘電体膜(層)の誘電体損失を0.02よりも小さくさせることができる。材料組成の面からは、前記第1誘電体材料は、高い誘電率と低い損失係数を有し、かつ第2誘電体材料は、誘電率調整剤として用いられ、かつ低い誘電率と低い損失係数を有する。
第1誘電体材料を選択する条件としては、焼結を経た後、その第1誘電率を、必ず999(すなわち、≧1000)よりも大きくする必要があり、かつその損失係数を、必ず0.029(すなわち、≦0.3)よりも小さくする必要がある。このため、第1誘電体材料として適するものは、チタン酸バリウム、一酸化鉛(PbO)がドープされたチタン酸バリウム、酸化イットリウム(Y2O3)がドープされたチタン酸バリウム、酸化マグネシウム(MgO)がドープされたチタン酸バリウム、または酸化カルシウム(CaO)がドープされたチタン酸バリウムであってもよい。
一方、第2誘電体材料を選択する条件としては、焼結を経た後、その第2誘電率を、必ず5よりも小さくする必要があり、かつそのかかる損失係数を、必ず0.01よりも小さくする必要がある。このため、第2誘電体材料として適するものは、ポリフッ化ビニリデン(二フッ化)(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。
【0018】
本発明において、高分子粘結材料は、必ず半固化特性、つまり加熱加圧を通して軟化し、冷却後、反応をして固化するという特性を有する。このため、かかる高分子粘結材料を利用して前述の第1誘電体材料と第2誘電体材料を粘結した後、半固化状態の誘電体材料を得ることが可能となり、前記半固化状態の誘電体材料を型押焼結プロセスを経た後、本発明の誘電体膜(層)が成膜される。
本発明は、第1誘電体材料と第2誘電体材料を適当に選択することにより、最終的に作製される誘電体膜(層)の誘電率が8よりも大きくなり、かつその損失係数が0.02よりも小さくなる。補足説明すべき点は、前記高分子粘結材料は、エポキシ樹脂(Epoxy)、ポリフッ化ビニリデン(二フッ化)(PVDF)、ポリイミド(PI)、リン含有樹脂のうちのいずれか1種であってもよい点である。
【0019】
より詳細に説明すると、かかるエポキシ樹脂(Epoxy)は、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールエポキシ樹脂、ビスフェノールAフェノールエポキシ樹脂、o-クレゾールエポキシ樹脂、三官能基エポキシ樹脂、四官能基エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、p-キシレンエポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニルフェノールエポキシ樹脂、フェノールアルキルベンゼンフェノールエポキシ樹脂のうちのいずれか1種、またはそれらの2種の組み合わせ、あるいはそれらの2種以上の組み合わせであってもよい。一方、かかる高分子粘結材料として適するリン含有樹脂は、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、またはリン含有ビスフェノールAフェノール樹脂であってもよい。
【0020】
高分子粘結材料、第1誘電体材料と第2誘電体材料のほか、本発明の誘電体膜(層)の材料組成には、さらに硬化材料を含み、かつ前記硬化材料は、架橋剤、硬化促進剤、難燃剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、沈降防止剤、下塗り剤、界面活性剤、強靭化剤、溶剤のうちのいずれか1種であってもよい。より詳細に説明すると、架橋剤は、アミン付加物であり、かつ前記アミン付加物は、4,4´ジアミノジフェニルスルホンアミン、ヒドラジド、ジヒドラジド、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジドのうちのいずれか1種であってもよい。一方、かかる硬化促進剤は、イミダゾール、三フッ化ホウ素アミン錯体、塩化エチルトリフェニルホスホニウム、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン、ジメチルアミノピリジンのうちのいずれか1種であってもよい。
【0021】
〈前述の誘電体膜を使用した電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造〉
図3は、本発明が提出した一種の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造を示す第1側断面図であり、その内、かかる電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造は、前述の誘電体膜をその内部の誘電体層として使用する。
図3に示すように、前記電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造1は、第1導電金属層11と第1電気抵抗層12からなる第1電気抵抗銅膜ユニットCR1と、第1誘電体層13と、第2電気抵抗層22と第2導電金属層21からなる第2電気抵抗銅膜ユニットCR2とを含む。その内、前記第1導電金属層11と前記第2導電金属層21の厚みは、0.4マイクロメートル~50マイクロメートルの間にあり、かつそのプロセス材料は、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銀複合物、銅複合物、金複合物、アルミニウム複合物のうちのいずれか1種、またはそれらのいずれか2種の複合物、もしくはそれらのいずれか2種以上の複合物であってもよい。
【0022】
図3に示すように、第1電気抵抗層12は、その一表面を前記第1導電金属層11の一表面に結合させ、かつその厚みが2マイクロメートルよりも小さい。よく見られる第1導電金属層11の材質は銅であり、かつスパッタリングプロセスを介してかかる第1電気抵抗層12が第1導電金属層11の上に形成される。勿論、第1電気抵抗層12のプロセス時間を短縮するために、前記第1電気抵抗層12の製作が完了できるように、一部にスパッタリングを施し、一部に電気めっきを施す方式を採用してもよい。しかしながら、強調すべきことは、スパッタリングによる第1電気抵抗層12は、より高い被膜の緻密度と連続性を有する点である。本発明において、第1電気抵抗層12のプロセス材料は、ニッケル、クロム、タングステン、ニッケル金属化合物、クロム金属化合物、タングステン金属化合物、ニッケル基合金、クロム基合金またはタングステン基合金であってもよい。
【0023】
一方、本発明は、前述に紹介した誘電体膜を
図3に示すような第1誘電体層13として用い、かつそれはその一表面を前記第1電気抵抗層12のもう一つの表面に結合させる。また、前記第2電気抵抗層22は、その一表面を前記第1誘電体層13のもう一つの表面に結合させ、かつそれは同様にニッケル、クロム、タングステン、ニッケル金属化合物、クロム金属化合物、タングステン金属化合物、ニッケル基合金、クロム基合金またはタングステン基合金から作製される。最終的に、前記第2導電金属層21は、前記第2電気抵抗層22のもう一つの表面の上に形成される。
【0024】
図3を継続的に参照すると共に、本発明の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造の製作手順を示す模式図である
図4を同時に参照する。本発明の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造1の製作手順は以下のステップ(1)~(4)を含む。
(1)
図4の(a)図に示すように、スパッタリングプロセスを介して第1導電金属層11の一表面上に第1電気抵抗層12を形成し、第1電気抵抗銅膜ユニットCR1を得る。
(2)
図4の(b)図に示すように、スパッタリングプロセスを介して第2導電金属層21の一表面上に第2電気抵抗層22を形成し、第2電気抵抗銅膜ユニットCR2を得る。
(3)
図4の(c)図に示すように、半固化状態の第1誘電体層13を前記第1電気抵抗銅膜ユニットCR1と前記第2電気抵抗銅膜ユニットCR2との間に置き、次いで三者に対して真空加熱プレス接合プロセスを実行する。
(4)
図4の(d)図に示すように、かかる真空加熱プレス接合プロセスが完了した後、即座に本発明の電気抵抗コンデンサ複合銅膜構造1が得られる。
【0025】
強調すべき点は、上記の詳細な説明は、本発明の実施可能な実施例を具体的に説明したものであり、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的精神を逸脱しない限り、その等効果の実施または変更は、なお、本願の特許請求の範囲内に含まれる点である。