(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090320
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ゆで卵殻割り装置
(51)【国際特許分類】
A23L 15/00 20160101AFI20220610BHJP
【FI】
A23L15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202651
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099357
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179534
【氏名又は名称】関口 かおる
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 義晴
(72)【発明者】
【氏名】新村 武史
【テーマコード(参考)】
4B042
【Fターム(参考)】
4B042AG07
4B042AH09
4B042AP01
4B042AT02
4B042AT05
(57)【要約】
【課題】大量のゆで卵を破損させることなくスムーズに上方向に移送させることができるゆで卵移送装置を提供する。
【解決手段】進入部16から排出部17まで周方向に延設されるゆで卵の移送路50と、噴射装置95からゆで卵へ水を噴射可能としたまま、外ドラム80と噴射装置95との間において移送路50を移動する収容部Tを外ドラム80の外側から覆うように設けられるカバー体としての複数本のカバー棒材91と、を備え、カバー棒材91は、外ドラム80及び内ドラム70とは別個の所定部材としての左側板90L,右側板90Rに固定され、仕切部82Aを構成する複数の外側棒材82のうち最も外側の外側棒材82に近接して配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の回転軸を中心とする内側円の周方向に間隔をおいて複数設けられる内側棒材からなる内ドラムと、前記所定の回転軸を中心とする外側円の半径方向に間隔をおいて複数設けられる外側棒材からなる仕切部が、前記内ドラムの外側において前記外側円の周方向に間隔をおいて複数配置された外ドラムと、前記外ドラムよりも外側に配置され、ゆで卵に向けて水を噴射可能な噴射装置と、を備え、
前記内ドラムが第1方向に回転するとともに前記外ドラムが前記第1方向と逆の第2方向に回転することで、前記外ドラムの上半部に設けられた進入部において、前記内側棒材と、周方向に隣り合う2つの前記仕切部と、で形成される収容部に投入されたゆで卵が前記第2方向に向けて周方向に移送されて前記外ドラムの下半部に設けられた排出部から排出されるまでの間に、前記噴射装置から噴射される水を浴びながら前記内側棒材と前記外側棒材とに衝突して殻割りが行われるゆで卵殻割り装置において、
前記進入部から前記排出部まで周方向に延設されるゆで卵の移送路と、
前記噴射装置からゆで卵へ水を噴射可能とし、前記外ドラムと前記噴射装置との間において前記移送路を移動する前記収容部を前記外ドラムの外側から覆うように設けられるカバー体と、
を備え、
前記カバー体は、前記外ドラム及び前記内ドラムとは別個の所定部材に固定され、前記仕切部を構成する複数の前記外側棒材のうち最も外側の外側棒材に近接して配置される
ことを特徴とするゆで卵の殻割り装置。
【請求項2】
前記カバー体は、前記外側棒材に対し平行に配置されるカバー棒材からなり、
前記カバー棒材は、前記移送路に沿って所定間隔をおいて複数設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のゆで卵の殻割り装置。
【請求項3】
前記所定間隔は、ゆで卵の横方向の長さ寸法よりも短寸である
ことを特徴とする請求項2に記載のゆで卵の殻割り装置。
【請求項4】
前記所定間隔は、隣り合う前記内側棒材間の内側離間寸法と、隣り合う前記外側棒材間の外側離間寸法と、のうち少なくとも一方の離間寸法よりも長寸である
ことを特徴とする請求項3に記載のゆで卵の殻割り装置。
【請求項5】
前記カバー棒材は、円柱部材または円筒部材である
ことを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載のゆで卵の殻割り装置。
【請求項6】
前記所定の回転軸方向に複数の収容空間が形成されるように前記収容部を仕切る特定仕切部を備え、前記複数の収容空間各々には、少なくとも1以上のゆで卵が収容可能である
ことを特徴とする請求項1~5いずれかに記載のゆで卵の殻割り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゆで卵の殻割りが可能なゆで卵殻割り装置に関する。
【0002】
従来、卵を扱う食品加工工場において、茹で上がった大量の卵の殻割りから殻剥きまでを一貫して行うことが可能なゆで卵殻剥き装置が使用されている。
【0003】
この種のゆで卵殻剥き装置として、例えば、所定回転軸を中心とする内側円の周方向に間隔をおいて複数設けられる内側棒材からなる内ドラムと、前記所定回転軸を中心とする外側円の半径方向に間隔をおいて複数設けられる外側棒材からなる仕切部が、前記内ドラムの外側において前記外側円の周方向に間隔をおいて複数配置された外ドラムと、前記外ドラムよりも外側に配置され、ゆで卵に向けて水を噴射可能な噴射装置と、を備え、前記内ドラムが第1方向に回転するとともに前記外ドラムが前記第1方向と逆の第2方向に回転することで、前記外ドラムの上半部に設けられた投入部において、前記内側棒材と、隣り合う2つの前記仕切部と、で形成される収容部に投入されたゆで卵が前記第2方向に向けて周方向に移送されて前記外ドラムの下半部に設けられた排出部から排出されるまでの間に、前記噴射装置から噴射される水を浴びながら前記内側棒材と前記外側棒材とに衝突して殻割りが行われるもの等があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-192110号公報(第2頁、第1~3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゆで卵殻剥き装置にあっては、内ドラムの回転速度が遅いとゆで卵と内側棒材や外側棒材との衝突が不足して殻割りが十分に行われないことがあった。しかし、収容部は外周面側が開放されていることで、内ドラムの回転速度を上げると、ゆで卵が内側棒材に接触したときに勢いよく弾き飛ばされて収容部の外周面から外側へ飛び出してしまうという虞があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ゆで卵の収容部からの飛び出しを抑制しつつ、好適に殻割りを行うことができるゆで卵殻割り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のゆで卵殻割り装置は、
所定の回転軸を中心とする内側円の周方向に間隔をおいて複数設けられる内側棒材からなる内ドラムと、前記所定の回転軸を中心とする外側円の半径方向に間隔をおいて複数設けられる外側棒材からなる仕切部が、前記内ドラムの外側において前記外側円の周方向に間隔をおいて複数配置された外ドラムと、前記外ドラムよりも外側に配置され、ゆで卵に向けて水を噴射可能な噴射装置と、を備え、
前記内ドラムが第1方向に回転するとともに前記外ドラムが前記第1方向と逆の第2方向に回転することで、前記外ドラムの上半部に設けられた進入部において、前記内側棒材と、周方向に隣り合う2つの前記仕切部と、で形成される収容部に投入されたゆで卵が前記第2方向に向けて周方向に移送されて前記外ドラムの下半部に設けられた排出部から排出されるまでの間に、前記噴射装置から噴射される水を浴びながら前記内側棒材と前記外側棒材とに衝突して殻割りが行われるゆで卵殻割り装置において、
前記進入部から前記排出部まで周方向に延設されるゆで卵の移送路と、
前記噴射装置からゆで卵へ水を噴射可能とし、前記外ドラムと前記噴射装置との間において前記移送路を移動する前記収容部を前記外ドラムの外側から覆うように設けられるカバー体と、
を備え、
前記カバー体は、前記外ドラム及び前記内ドラムとは別個の所定部材に固定され、前記仕切部を構成する複数の前記外側棒材のうち最も外側の外側棒材に近接して配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、収容部に収容されたゆで卵が移送路を移送するときに内側棒材と外側棒材とに強く衝突するように内ドラムの回転速度を高めることによって、収容部のゆで卵が外側に飛び出しやすくなっても、カバー体に衝突することで収容部からの飛び出しが防止されるとともに、内側棒材と外側棒材だけでなくカバー体にも衝突することで衝突回数が増大するばかりか、移動する収容部に対しカバー体は固定されていることで、衝突したときの衝撃が増大して殻がより割れやすくなるため、ゆで卵の収容部からの飛び出しを抑制しつつ、好適に殻割りを行うことができる。
【0008】
前記カバー体は、前記外側棒材に対し平行に配置されるカバー棒材からなり、
前記カバー棒材は、前記移送路に沿って所定間隔をおいて複数設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数のカバー棒材が所定間隔をおいて複数設けられることにより凹凸部が複数設けられることでゆで卵との接触面積が増大するため、殻がより割れやすくなる。また、簡単な構造で噴射装置からゆで卵への水の噴射を阻害しないように設けることができる。
【0009】
前記所定間隔は、ゆで卵の横方向の長さ寸法よりも短寸であることを特徴としている。
この特徴によれば、収容部からのゆで卵の飛び出しを好適に防止できる。
【0010】
前記所定間隔は、隣り合う前記内側棒材間の内側離間寸法と、隣り合う前記外側棒材間の外側離間寸法と、のうち少なくとも一方の離間寸法よりも長寸であることを特徴としている。
この特徴によれば、隣り合う2つのカバー棒材にゆで卵が同時に衝突したときに、内側棒材や外側棒材と衝突した場合に比べてより離れた2箇所にひびが入るので、ゆで卵の周面にまんべんなくひびを入れることができるため、殻剥きしやすくなる。
【0011】
前記カバー棒材は、円柱部材または円筒部材であることを特徴としている。
この特徴によれば、ゆで卵が衝突したときに、白身が潰れないように殻にひびを入れることができる。
【0012】
前記所定の回転軸方向に複数の収容空間が形成されるように前記収容部を仕切る特定仕切部を備え、前記複数の収容空間各々には、少なくとも1以上のゆで卵が収容可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、進入部において複数のゆで卵が各収容空間に分散して収容されることで、収容部に収容された複数のゆで卵が所定個所に集中して他のゆで卵と干渉することで自由に移動できなくなって殻割りが十分に行われなくなることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例に係る殻割り装置、移送装置及び殻剥き装置からなるゆで卵加工装置を示す左側面図である。
【
図2】(a)は殻割り装置を示す縦断面図であり、(b)は(a)の要部を示す拡大断面図である。
【
図4】(a)は
図2におけるA-A端面図であり、(a)は
図2におけるB-B端面図である。
【
図5】(a)はゆで卵が殻割り装置の進入部に進入した態様を示す殻割り装置の概略縦断面図、(b)は収容部内で殻割りが行われながら移送される態様を示す殻割り装置の概略縦断面図である。
【
図6】殻割りが終わり排出部から排出される態様を示す殻割り装置の概略縦断面図である。
【
図8】(a)~(d)は、ゆで卵が殻割りされる態様を示す殻割り装置の概略縦断面図である。
【
図9】(a)~(c)は、ゆで卵が殻割りされる態様を示す殻割り装置の概略縦断面図である。
【
図10】(a)はゆで卵が1つのカバー棒材に衝突する態様を示す殻割り装置の概略縦断面図であり、(b)は2つのカバー棒材に衝突する態様を示す殻割り装置の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るゆで卵の殻割り装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0015】
本発明の実施例に係るゆで卵殻割り装置について、
図1~
図10を参照して説明する。なお、以下においては、
図1における紙面の右側をゆで卵殻割り装置を含むゆで卵加工装置の正面、紙面の左側をゆで卵加工装置の背面、紙面の正面側をゆで卵加工装置の左側面とし、紙面の上下をゆで卵加工装置の上下方向として説明する。
【0016】
図1に示されるように、ゆで卵加工装置10は、ゆで卵を上方向に移送するためのゆで卵移送装置1(以下、移送装置1と略称する)と、移送装置1により上方に移送されたゆで卵の殻割りを行うためのゆで卵殻割り装置11(以下、殻割り装置11と略称する)と、殻割り装置11により殻割りされたゆで卵の殻剥きを行うためのゆで卵殻剥き装置12(以下、殻剥き装置12と略称する)と、を有し、移送装置1は殻割り装置11に接続され、殻割り装置11は殻剥き装置12に接続されている。殻割り装置11は、殻剥き装置12より上方位置に配置されている。尚、
図1に示す実線矢印はゆで卵の移送経路、点線矢印は殻割りや殻剥き処理において供給される水の流水経路を示している。
【0017】
まず、ゆで卵加工装置10によるゆで卵の殻剥き処理の概要を、
図1に基づいて説明する。ゆで卵(殻付きのゆで卵)は、移送装置1の正面下部に設けられた投入部2に投入される。尚、ゆで卵は、作業者が手で投入部2に投入してもよいし、図示しない移送装置などにより投入されてもよい。投入部2に投入されたゆで卵は、移送装置1により上方に移送された後、背面上部に設けられた排出部15から排出され、殻割り装置11の正面上部に設けられた進入部16に誘導される。進入部16から殻割り装置11内部に進入したゆで卵は、背面側に向けて移送されながら殻割り処理が施された後、背面下部に設けられた排出部17から排出され、殻剥き装置12の正面側上部に設けられた進入部18に誘導される。進入部18から殻剥き装置12の内部に進入したゆで卵は、背面側に向けて移送されながら殻剥き処理が施された後、背面下部に設けられた排出部19から排出されて殻剥き処理が終了する。尚、殻剥き処理が終了して殻剥き装置12から排出されたゆで卵(殻無しゆで卵)は、殻剥き装置12に接続された移送装置12Aにて別個所まで移送され所定の処理(例えば、乾燥処理など)が行われる。
【0018】
図2~
図4に示されるように、殻割り装置11は、左右方向を向く回転軸73を中心として矢印S1の方向に所定速度(高速)で回転する内ドラム70と、該内ドラム70の周囲に配設され、回転軸73を中心として矢印S1とは反対方向である矢印S2の方向に内ドラム70より低速で回転する外ドラム80と、外ドラム80の左右外側に立設される左側板90L,右側板90Rと、該左側板90L,右側板90R間に横架されるカバー体としての複数本のカバー棒材91と、カバー棒材91の上方位置に左側板90L,右側板90R間に横架される噴射装置95と、から主に構成されている。尚、
図3において、一部の部材(後述する内側棒材72、外側棒材82、カバー棒材91)は図示が省略されている。
【0019】
図2~
図4に示されるように、内ドラム70は、回転軸73の左右側に所定の間隔をおいて回転不能に固着された2枚の内側円板71と、左右の内側円板71の外周縁に近い部分に左右端が固着された複数本の金属製の内側棒材72と、から主に構成される。内側棒材72は、回転軸73と平行であり、回転軸73を中心とする内側円の周方向に向けて所定の間隔をおいて複数配置されており、複数の内側棒材72のうち一部の内側棒材72aは、例えば、2本の内側棒材72の間に1本ずつ配置され、他の内側棒材72よりも半径方向の回転軸73側に位置している。
【0020】
回転軸73は、殻割り装置11の筐体を構成する左側板90L,右側板90Rに軸受74を介して左右端が回転可能に支持されており、左側板90Lの内側にはスプロケット75が固着されている。また、左側板90Lの外面には、内ドラム70を回転させるためのモータ76が固定されており、このモータ76の駆動軸に固着された駆動スプロケット77とスプロケット75とにはチェーン78が掛け渡されており、モータ76により回転軸73が回転することで内ドラム70が回転軸73を中心として矢印S1方向に回転する。
【0021】
外ドラム80は、回転軸73における内ドラム70の内側円板71よりも外側に軸受86を介して回転可能に配置された内側円板71よりも大径の一対の外側円板81と、左右の外側円板81の外周縁に近い部分に左右端が固着された複数本の金属製の外側棒材82と、から主に構成されている。外側棒材82は、回転軸73と平行であり、回転軸73を中心とする外側円の半径方向に所定の間隔をおいて複数本(本実施例では3本)配置されていて、これら3本の外側棒材82からなる仕切部82Aが外側円の円周方向に向けて所定の間隔をおいて複数配置されている。
【0022】
回転軸73における右側板90Rの内側には、外側円板81の右側に連結軸69を介して固定されたスプロケット65が、回転軸73に対し回転可能に配置されている。また、右側板90Rの外面には、外ドラム80を回転させるためのモータ66が固定されており、このモータ66の駆動軸に固着された駆動スプロケット67とスプロケット65とにはチェーン68が掛け渡されており、モータ66によりスプロケット65が回転軸73を中心として該回転軸73とは逆方向に回転することで、外ドラム80が回転軸73を中心として矢印S2方向に回転する。尚、本実施例では、内ドラム70と外ドラム80とは、同心(共通)の回転軸73を中心として回転可能に支持されていたが、内ドラム70と外ドラム80とはそれぞれ別個の回転軸に回転可能に支持されていてもよい。
【0023】
そして、仕切部82Aは、内ドラム70の内側棒材72よりも外側に配置されていることで、内ドラム70の外周領域が複数の仕切部82Aにより円周方向に向けて仕切られる。よって、円周方向に所定の間隔で配置される複数のうち一の仕切部82A及び該一の仕切部82Aと隣り合う他の仕切部82Aと、円周方向に複数配置された内側棒材72と、により、外周面が開放された箱状の収容部Tが複数形成される。
【0024】
また、左右の外側円板81の対向面における内側円板71よりも外側の外周縁部には、略直方形状をなす合成樹脂材からなるスペーサ部材85が取付けられている。スペーサ部材85は、外側円板81の円周方向に向けて各収容部Tに対応するように、外側円板81と内側円板71との間に形成される間隙を塞ぐように複数配置されており、収容部Tから外側に飛び出したゆで卵が間隙内に入り込むことが防止されている。また、スペーサ部材85の外周縁部は内側円板71に向けて回転軸73側に傾斜しており、ゆで卵を収容部T内に向けて誘導可能とされている。
【0025】
また、外ドラム80は、一対の外側円板81,81の間の略中間位置に特定仕切部としての仕切円板84を備えている。仕切円板84は、中央部に内ドラム70が挿通可能な貫通孔が形成されている。また、各外側棒材82が挿通可能な貫通孔が形成されており、外側円板81及び外側棒材82とともにS2方向に回転可能になっている。この仕切円板84により、収容部Tが収容空間としての収容部T1と、収容部T2とに2分割されており、移送装置1から移送された複数のゆで卵を、例えば収容部T1と収容部T2とに2個ずつ分散して収容可能になっていることで、各収容部Tに収容されたゆで卵が所定個所に集中して他のゆで卵と干渉することで自由に移動できなくなって殻割りが十分に行われなくなることが防止されている。
【0026】
図2に示されるように、移送装置1から移送されたゆで卵は、外ドラム80の正面側における回転軸73よりもやや上方位置に設けられた進入部16から収容部Tへ案内され、矢印S2方向に向けて周方向に移送された後、外ドラム80の背面側における回転軸73よりもやや下方位置に設けられた排出部17から排出される。つまり、内ドラム70の外周略上半部に、進入部16から進入したゆで卵を排出部17まで移送する側面視略円弧状のゆで卵の移送路50が形成される。
【0027】
図2~
図4に示すように、殻割り装置11の筐体の一部を構成する左側板90L,右側板90Rは、外ドラム80の左右外側に立設されている。左側板90L,右側板90Rの間における外ドラム80の下方には、殻割り処理された後に排出部17から排出されたゆで卵が排出される排出ダクト99aと、進入部16下方に形成された排水ダクト99bと、を有するダクト99が取付けられている。
【0028】
左側板90L,右側板90Rの上端は、外ドラム80の上端よりも上方まで延設されており、これら左側板90L,右側板90Rの間における外ドラム80の外周には、外ドラム80の外側円板81に接触せず、かつ、各仕切部82Aを構成する複数本の外側棒材82のうち最も外側に位置する外側棒材82に近接するように、複数のカバー棒材91が外側円板81の外周縁、つまり、移送路50に沿うように円弧状に配置されている。
【0029】
詳しくは、各カバー棒材91は、内ドラム70や外ドラム80とは別個の部材である左側板90L,右側板90Rに左右端がボルト等を介して固着されており、回転軸73、内側棒材72及び外側棒材82と平行をなすように左右方向に向いており、移送路50の移送方向に向けて所定の間隔をあけて複数配置されている。よって、外ドラム80の回転により移動する収容部Tの外周面は、移送路50を移動する間は複数本のカバー棒材91により覆われることになる。
【0030】
また、カバー棒材91よりも上方側には、移送路へ向けて水を噴射する複数の噴射装置95が移送路50に沿うように円弧状に配設されている。噴射装置95は、回転軸73、内側棒材72、外側棒材82及びカバー棒材91と平行をなすように左右方向に向けて配置される給水管95aと、給水管95aの下面に複数形成された噴水孔95bからなり、噴水孔95bから斜め前下方の移送路50に向けて左右方向に拡がるように水を噴射可能とされている。尚、噴水孔95bから噴射された水は、各カバー棒材91にあたって勢いが減衰されることがないように各カバー棒材91の間を通して移送路50に供給されてゆで卵に勢いよく当たることで、後述するように移送路50の移送中に生じたひびから水が殻と白身の間に進入しやすくなるので、殻剥き装置12による殻剥きが容易になる。
【0031】
内ドラム70及び外ドラム80は、内側棒材72および外側棒材82が一定間隔おきに離間させて形成されていることから、噴水孔95bから噴射された水が下方へ向けて通過できるようになっている。下方へ向けて通過した水や、水が勢いよくひび入れ中のゆで卵に当たることで生じるゆで卵の殻片や薄皮は、ダクト99の傾斜面99dに誘導され、排水ダクト99bへと排出されるようになっている。
【0032】
ここで
図7を用いて、ゆで卵の寸法について説明する。本実施例においては、サイズは所謂SS、S、MS、M、L、LLのうちMSやMであり、長手方向(縦方向)の寸法L1が約5.0cm~6.0cm、短手方向(横方向)の寸法L2が約3.0cm~4.0cmの範囲の鶏の卵を基準として、内側棒材72及び外側棒材82やカバー棒材91の配置関係を説明する。尚、上記M、L以外のサイズの卵や鶏以外の卵等のサイズの異なる卵の殻割りを目的とする場合は、卵のサイズに応じて各部材の配置関係を変更してもよいこととする。また、本実施例のゆで卵は、固ゆで卵でも半熟ゆで卵でも良いこととする。
【0033】
図2(b)に示されるように、隣り合うカバー棒材91,91間の離間寸法N3は、卵の短手方向の寸法L2よりも短寸とされている(N3<L2)。これにより、殻割り処理中にゆで卵が収容部Tから外側に飛び出ることが防止される。また、カバー棒材91,91間の離間寸法N3は、内側棒材72,72間の離間寸法N1、及び、外側棒材82,82の離間寸法N2よりも長寸とされている(L2>N3>N1,N2)。また、各仕切部82Aを構成する複数本の外側棒材82のうち最も外側に位置する外側棒材82とカバー棒材91との回転軸73の半径方向の離間寸法N4は、卵の短手方向の寸法L2よりも短寸とされている(N4<L2)。よって、収容部Tのゆで卵がカバー棒材91と外側棒材82との間を通過できないため、隣の収容部Tに入り込むことが防止される。
【0034】
次に、
図5(a),(b),
図6を用いて、殻割り装置11によるゆで卵の殻割り処理について説明する。
【0035】
図5(a)に示されるように、進入部16側に向けて高速で回転する内ドラム70と、排出部17側に向けて低速で回転する外ドラム80とが、回転速度差をもって互いに逆回転している状態で、移送装置1から排出された複数個(例えば、4個)のゆで卵が左右方向に列状になって進入部16から進入してくると、両ドラムにより形成される収容部Tへ収容される。このとき、複数個のゆで卵が左右方向に列状に誘導されてくることから、外ドラム80の左右方向の中央に配置された仕切円板84によって、収容部T1,T2へ略均等に(例えば、2個ずつ)ゆで卵が収容される。
【0036】
尚、以下においては、収容部Tに収容されたゆで卵の動作態様の一例を、収容部T1に収容されたゆで卵E1,E2の動作態様について詳しく説明する。収容部T1に収容されたゆで卵E1とE2は、進入部16付近において倒伏姿勢の仕切部82A上に誘導された後、仕切部82Aが矢印S2方向に移動することで移送路50に沿って移送されていく。
【0037】
図5(a)の状態から、
図5(b)の状態のように外ドラム80の仕切部82AがS2方向に移動し起立してくると、ゆで卵E1,E2が矢印S1方向に高速回転する内ドラム70の内側棒材72側へ誘導されるので、内側棒材72や内側棒材72aに衝突することで殻にひびが入る。また、内側棒材72a上方と該内側棒材72aの両隣の内側棒材72間に形成される内径側に凹む凹部72bが形成されることで内ドラム70の外周面が円周方向に複数の凹凸部が形成され、内ドラム70の高速回転により凹凸部が順に移動してくるので、収容部T内のゆで卵が内側棒材72,72aに接触したときに外側に向けて弾き飛ばされやすくなる。よって、収容部Tに収容されたゆで卵が排出部17に向けて移送路50を移動している間に、内側棒材72だけでなく、外側棒材82やカバー棒材91に衝突することで殻にひび入れされながら移送される。
【0038】
図6に示すように、ゆで卵E1,E2が移送路50の終端近傍まで移送されると、仕切部82Aが下方へ向けて傾斜することから、仕切部82A上を滑るようにして自然に落下して排出部17から排出される。
【0039】
次に、
図8(a)~(d)を用いて、収容部T1に収容されたゆで卵Eが移送路50の上昇部を移動する際の態様の一例を詳しく説明する。
【0040】
図8(a)に示されるように、移送路50の上昇部においては、外ドラム80の仕切部82Aが傾倒姿勢から起立姿勢に変化していくことから、ゆで卵Eが自重により内ドラム70の内側棒材72,72a側へ誘導され接触する。内ドラム70は移送方向と反対側に回転していることから、内側棒材72,72aにゆで卵Eが接触すると、その衝撃で殻にひびが入るとともに、
図8(b)に示されるように、移送方向と反対方向の外側に向けて弾き飛ばされる。
【0041】
次いで、収容部T内において、移送方向と反対方向の外側に向けて弾かれたゆで卵Eは、内ドラム70と反対側に向けて回転し近づいてくる外ドラム80の仕切部82Aに衝突し、その衝撃で殻にひびが入るとともに、
図8(c)に示されるように、今度は移送方向に向けて外側に弾き飛ばされる。
【0042】
次いで、収容部T内において、移送方向に向けて外側に弾かれたゆで卵Eは、外ドラム80よりも外周側に配置されたカバー棒材91に衝突し、更に殻にひびが入るとともに、
図8(d)に示されるように、カバー棒材91に衝突したゆで卵Eは、自重により内側棒材72,72a上に落下する。そして、内側棒材72,72aによりまた外側に向けて弾き飛ばされ、
図8(a)~(d)の態様を繰返しながら、かつ、収容部Tの左右方向に移動しながら仕切部82Aにより矢印S2方向に押されて移送される。
【0043】
続いて、
図9(a)~(c)を用いて、収容部T1に収容されたゆで卵Eが移送路50の下降部を移動する際の態様の一例を詳しく説明する。
【0044】
図9(a)に示されるように、移送路50の下降部においては、収容部Tにおける排出部17側の仕切部82Aによりゆで卵Eの自重による落下が規制されるが、仕切部82Aが漸次傾倒していくことで、上昇部に比べて、内ドラム70の内側棒材72,72aからゆで卵Eが離れやすくなるが、内側棒材72,72aにゆで卵Eが接触すると、その衝撃で殻にひびが入るとともに、
図9(b)に示されるように、移送方向と反対方向の外側に向けて弾き飛ばされる。
【0045】
図9(b)に示されるように、移送方向と反対方向の外側に向けて弾かれたゆで卵Eは、内ドラム70と反対側に向けて回転し近づいてくる外ドラム80の仕切部82Aに衝突し、その衝撃で殻にひびが入るとともに、
図9(c)に示されるように、今度は移送方向に向けて外側に弾き飛ばされる。次いで、収容部T内において、移送方向に向けて外側に弾かれたゆで卵Eは、外ドラム80よりも外周側に配置されたカバー棒材91に衝突し、更に殻にひびが入る。更にカバー棒材91に跳ね返って、内側棒材72,72aにゆで卵Eが衝突し、更に殻にひびが入る場合もある。
【0046】
下降部では、ゆで卵Eが内側棒材72,72aとの接触により移送方向と反対側に弾き飛ばされる方向が鉛直上方に近くなっていくので、ゆで卵Eが仕切部82Aの外側棒材82に衝突したときの衝撃は弱まるが、その分、ゆで卵Eが自重により落下し、かつ、仕切部82Aにより下方外側に向けて押し出されることで、固定されたカバー棒材91に衝突したときの衝撃が増大するため、カバー棒材91との衝撃により下降部においてもゆで卵Eにひびが入りやすくなる。
【0047】
このように、カバー棒材91は、外ドラム80や内ドラム70とは別個の部材であり、これら外ドラム80や内ドラム70を回転可能に支持する左側板90L及び右側板90Rに固定されており、例えば、複数本のカバー棒材91が、外ドラム80における各収容部Tの外周面を覆うように該外ドラム80に取付けられ、収容部Tとともに移送方向に向けて移動するものに比べて、移送方向に向けて外側に弾かれたゆで卵Eがカバー棒材91に衝突したときの衝撃が大きくなるため、殻にひびが入りやすくなる。
【0048】
また、固定されて移動しないカバー棒材91と、該カバー棒材91に近づいてくる仕切部82Aの最も外側の外側棒材82と、の間にゆで卵の一部が挟まれた状態で外側棒材82が移動することによっても、殻にひびが入ることがある。
【0049】
また、ゆで卵Eが移送路50を移送される間において、
図10(a)に示されるように、複数のカバー棒材91は、隣り合うカバー棒材91,91の離間寸法N3が、内側棒材72や外側棒材82の離間寸法N1,N2に比べて長寸とされていることで、内側棒材72や外側棒材82に比べて、ゆで卵Eが複数のうちいずれか1本のカバー棒材91にのみ衝突する機会が増大する。そしてこの場合、衝撃が殻の1箇所に集中して付与されるため、殻にひびが入りやすくなる。
【0050】
一方、
図10(b)に示されるように、ゆで卵Eが隣り合う2本のカバー棒材91,91にほぼ同時に衝突した場合、殻の2箇所に一度にひびが入ることになるが、2箇所のひび割れ部の離間寸法は、2本の内側棒材72,72にゆで卵が衝突したときに殻の2箇所に入るひび割れ部の離間寸法や、2本の外側棒材82,82にゆで卵が衝突したときに殻の2箇所に入るひび割れ部の離間寸法よりも長寸となるため、衝突回数が少なくてもゆで卵Eの周面にまんべんなくひびが入るようになるため、殻剥き装置12による殻剥き処理において殻剥きしやすくなる。
【0051】
また、カバー棒材91は、内側棒材72や外側棒材82よりも噴射装置95に近い位置に配置されていることで、内側棒材72や外側棒材82ゆで卵Eが衝突したときよりも、カバー棒材91にゆで卵Eが衝突してひびが入ったときの方が噴射装置95からの水が瞬時に入り込みやすいため、殻剥き処理がより好適に行われるようになる。
【0052】
以上説明したように、本発明の実施例としてのゆで卵殻割り装置11にあっては、進入部16から排出部17まで周方向に延設されるゆで卵の移送路50と、噴射装置95からゆで卵へ水を噴射可能としたまま、外ドラム80と噴射装置95との間において移送路50を移動する収容部Tを外ドラム80の外側から覆うように設けられるカバー体としてのカバー棒材91と、を備え、カバー棒材91は、外ドラム80及び内ドラム70とは別個の所定部材としての左側板90L,右側板90Rに固定され、仕切部82Aを構成する複数の外側棒材82のうち最も外側の外側棒材82に近接して配置されている。これによれば、収容部Tに収容されたゆで卵が移送路50を移送するときに内側棒材72と外側棒材82とに強く衝突するように内ドラム70の回転速度を高めることによって、収容部Tのゆで卵が外側に飛び出しやすくなっても、カバー棒材91に衝突することで収容部Tからの飛び出しが防止されるとともに、内側棒材72と外側棒材82だけでなくカバー棒材91にも衝突することで衝突回数が増大するばかりか、移動する収容部Tに対しカバー棒材91は固定されていることで、衝突したときの衝撃が増大して殻がより割れやすくなるため、ゆで卵の収容部Tからの飛び出しを抑制しつつ、好適に殻割りを行うことができる。
【0053】
また、カバー棒材91は、外側棒材82に対し平行に配置されるカバー棒材91からなり、カバー棒材91は、移送路50に沿って離間寸法N3をおいて複数設けられていることから、複数のカバー棒材91により凹部72bが複数設けられることで、ゆで卵との接触面積が増大するため、殻がより割れやすくなる。また、簡単な構造で噴射装置95からゆで卵への水の噴射を阻害しないように設けることができる。
【0054】
また、離間寸法N3は、ゆで卵の横方向の長さ寸法L2よりも短寸であることから、収容部Tからのゆで卵の飛び出しを好適に防止できる。
【0055】
また、離間寸法N3は、隣り合う内側棒材間の離間寸法N1と、隣り合う外側棒材間の離間寸法N2と、のうち少なくとも一方の離間寸法よりも長寸であることから、隣り合う2つのカバー棒材にゆで卵が同時に衝突したときに、内側棒材72や外側棒材82と衝突した場合に比べてより離れた2箇所にひびが入るので、ゆで卵の周面にまんべんなくひびを入れることができるため、殻剥きしやすくなる。また、上述したようにゆで卵の周面にまんべんなくひびを入れることができるので、固ゆで卵の殻割りはもちろん、固ゆで卵よりも繊細な半熟卵の殻割りにおいても、白身や黄身を破損させることなく、殻にひび入れさせることができるようになっている。
【0056】
また、カバー棒材91は、円柱部材または円筒部材であることから、ゆで卵が衝突したときに、白身が潰れないように殻にひびを入れることができる。
【0057】
また、所定の回転軸73方向に複数の収容空間が形成されるように収容部Tを仕切る仕切円板84を備え、複数の収容部T1,T2各々には、少なくとも1以上のゆで卵が収容可能であることから、進入部16において複数(例えば、4個)のゆで卵が収容部T1,T2に分散して収容される(例えば、収容部T1、T2それぞれに2個ずつ収容される)ことで、収容部Tに収容された複数のゆで卵が所定個所に集中して自由に移動できなくなり、殻割りが十分に行われなくなることが防止される。
【0058】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0059】
例えば、前記実施例では、本発明のカバー体の一例として、複数本のカバー棒材91を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、噴射装置95からゆで卵へ水を噴射可能とし、外ドラム80と噴射装置95との間において移送路50を移動する収容部Tを外ドラム80の外側から覆うように設けられるものであれば、カバー棒材91のような棒材でなくてもよく、例えば、金属製または合成樹脂製の網状部材や、水を透過可能なスリットや多数の貫通孔が形成された板状部材などを移送路50に対応する部分に収容部Tの外周面を覆うように連続的に設けてもよい。
【0060】
また、前記実施例では、カバー棒材91は回転軸73を回転可能に軸支する左側板90Lと右側板90Rとに左右端が固定されていたが、内ドラム70と外ドラム80とは別個の部材であれば、回転軸73を回転可能に軸支する部材とは別個の部材(例えば、殻割り装置11の筐体を構成する部材など)であってもよい。
【0061】
また、前記実施例では、カバー棒材91は円柱部材にて形成されていたが、円筒部材や角材等であってもよい。また、カバー棒材91は回転軸73に対し平行または略平行に配置されていたが、複数のカバー棒材91のうち少なくとも一部が回転軸73に対し斜めに交差する方向に設けられていてもよい。
【0062】
また、前記実施例では、複数本のカバー棒材91は回転軸73を中心とする所定円の円周上に配置されていたが、複数本のカバー棒材91のうち一部のカバー棒材が所定円の円周上に配置されたカバー棒材とは半径が異なる円の円周上に配置されていてもよい。
【0063】
また、前記実施例においては、内側棒材72、外側棒材82、カバー棒材91は主に金属製であると説明したが、これに限られず、金属製の各棒材の外周面に弾性のあるゴム、シリコン、塩化ビニール等の弾性部材からなる緩衝部を、内側棒材72、外側棒材82、カバー棒材91のうち少なくともいずれか1つの棒材の外周を被覆するように設けてもよい。これによれば、弾性部材で被覆されたことで、衝突時の衝撃を減衰させて中身の破損を効果的に防止することができるため、例えば、半熟ゆで卵の白身や黄身の潰すことなく殻に好適にひび入れを行うことができる。
【0064】
また、前記実施例においては、特定仕切部として、中央部に内ドラム70が挿通可能な貫通孔と各外側棒材82が挿通可能な貫通孔が形成された円形の板体からなる仕切円板84を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転軸73方向に複数の収容空間が形成されるように収容部Tを仕切ることができれば、仕切円板84のような板材からなるものでなくてもよく、例えば、網状部材や棒材等にて構成されていてもよい。また、複数の特定仕切部により回転軸73方向に3以上の収容空間が形成されるようにしてもよい。