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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090331
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
A63F7/02 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202673
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】雁部 元春
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA42
2C088EB12
2C088EB52
2C333AA07
2C333AA11
2C333CA24
2C333CA42
(57)【要約】
【課題】始動口への入賞を制限することで始動口入賞率が低くなってしまう遊技機であっても、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上する。
【解決手段】遊技機1は、遊技球が特定領域16へ3回進入することで第1始動口15に入賞可能にし、第1一般入賞口23に入賞すると、左リールを回転させることで第1一般入賞口23への入賞を報知し、第2一般入賞口24に入賞すると、中リールを回転させることで第2一般入賞口24への入賞を報知し、第1始動口15に入賞すると、全てのリールを回転させることで図柄変動を表示する。第1始動口15への入賞を制限することで始動口入賞率が低くなってしまう遊技機であっても、第1始動口15に入賞するまでに要する一般入賞口23,24への入賞数を報知することで、遊技者が始動入賞に必要な入賞数を把握することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入賞により大当り抽選を実行可能であると共に、当該大当り抽選の結果を少なくとも2つの図柄からなる図柄変動により表示可能な遊技機において、
遊技球が進入可能であって内部に前記遊技球が入賞可能な入賞口を有する特定領域と、
前記特定領域へ前記遊技球が所定数進入することで前記始動口に入賞可能にする入賞制限手段と、
前記図柄のうち一部を変動させることで前記始動口に入賞するまでに前記入賞口に入賞したことを報知する報知手段と、
前記図柄のうち全てを変動させることで前記始動口に入賞したことによる図柄変動を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記入賞制限手段は、前記入賞口に入賞したことを条件に、当該入賞口へ前記遊技球が入賞することを制限し、前記始動口に入賞することで当該制限を解除する請求項1に記載した遊技機。
【請求項3】
前記表示手段は、回転可能な複数のリールを有し、前記図柄変動を前記複数のリールの回転により表示するドラム式表示部であり、
前記報知手段は、前記入賞口に入賞したことを条件に、当該入賞口に対応した前記リールを回転させることで前記始動口に入賞するまでに前記入賞口に入賞したことを報知する請求項1又は2に記載した遊技機。
【請求項4】
前記表示手段は、前記報知手段による報知を実行している場合であっても前記図柄変動を表示する請求項1から3の何れか一項に記載した遊技機。
【請求項5】
前記報知手段は、前記図柄変動を表示している期間における前記入賞口への入賞を報知することを抑制する請求項1から4の何れか一項に記載した遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ等の遊技機では、大当り抽選結果を示す図柄変動を行う表示手段として、3つのリールを有するドラム構造の遊技機がある。又、内部に特図始動口と普通図柄始動口とを備える始動装置において、始動装置がスロープ状の案内経路を備え、案内経路の途中に配置された羽根部材の開閉状態により球経路を変化させることで遊技の興趣を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-127496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような始動装置を備えた遊技機では、羽根部材の開閉状態のパターンを制御することにより特図始動口への入賞率を変化させることができる。しかしながら、各始動口への入賞が羽根部材により不規則になってしまい、長期間にわたって特図始動口に入賞しないといったことが起こり得る。更に、特図始動口への入賞率が低くなってしまい、遊技者が不満に感じてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされるものであり、その目的は、始動口への入賞を制限することで始動口入賞率が低くなってしまう遊技機であっても、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技機によれば、遊技球が入賞可能な入賞口を有する特定領域へ遊技球が所定数進入することで始動口に入賞可能にし、図柄のうち一部を変動させることで始動口に入賞するまでに入賞口に入賞したことを報知し、図柄のうち全てを変動させることで始動口に入賞したことによる図柄変動を表示するようにした。遊技球が特定領域へ進入した回数が所定数未満であれば、入賞口に入賞したことを報知し、遊技球が特定領域へ進入した回数が所定数に達すると、始動口に入賞したことによる図柄変動を表示するようになる。これにより、始動口への入賞を制限することで始動口入賞率が低くなってしまう遊技機であっても、始動口に入賞するまでに要する入賞口への入賞数を報知することで、遊技者が始動入賞に必要な入賞数を把握することができる。これにより、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の遊技機の正面図
図2】特定領域の構成を模式的に示す図
図3】特定領域の動作を示す図(その1)
図4】特定領域の動作を示す図(その2)
図5】特定領域の動作を示す図(その3)
図6】遊技機の機能ブロック図
図7】シャッタ開閉制御処理を示すフローチャート
図8】リール回転始動制御処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技機1はCR(カードリーダ)機であり、遊技盤面2に玉(遊技媒体、遊技球)を発射するハンドル3、上受皿4、下受皿5を有し、上受皿4に残高表示部6、貸出釦7a、返却釦7bが設けられていると共に、遊技盤面2に普図入賞口8、普図表示部9、普図保留表示部10、ドラム式表示部11(報知手段、表示手段に相当する)、第1特図保留表示部12、第2特図保留表示部13、一般入賞口14、第1始動口15(始動口に相当する)を含む特定領域16、第2始動口17、大入賞口18が設けられている。ドラム式表示部11は、表示窓19を介して視認可能になっており、左図柄を表示する左リール、中図柄を表示する中リール、右図柄を表示する右リールが直線上に連設されて構成されている。ドラム式表示部11における大当り図柄等の役図柄が揃う有効ラインは、上段、中段、下段の3段である。
【0009】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。第1始動口15又は第2始動口17への入賞(始動入賞)に応じて図柄変動による大当り抽選を行い、抽選結果をドラム式表示部11に表示する。大当り確率は低確率状態で1/100であり、高確率状態で1/25である。大当り確率の逆数をTSと表現すると、TSは大当り発生までに想定される平均変動回数を示す。
【0010】
(2)大当り抽選に当選すると大当り遊技が発生する。大当り遊技では特別図柄に応じた回数だけ大入賞口18が開放する。本実施形態における開放回数は、ヘソでの大当り時は全て4Rであり、電チューでの大当り時は10Rである。尚、1Rの上限入賞数は10個である。又、大当り遊技終了後は当該大当りに当選した特別図柄に応じて大当り当選率が変化する。ヘソでの大当り時は、70%の割合で高確率状態となり、電チューでの大当り時は100%の割合で高確率状態となる。
【0011】
(3)普通図柄が当選すると電チューの入賞率が高くなる。
(4)大当り遊技終了後、又は天井条件を満たした場合に時短状態が付与され、普通図柄の当選確率が高くなる。特別図柄の変動回数が時短の回数にあたり、大当りの特別図柄の種類により付与される時短回数が異なる。本実施形態では、ヘソでの大当り時は30回が付与され、電チューでの大当り時は50回が付与される
【0012】
(5)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。ヘソの保留数は第1特図保留表示部12に表示され、電チューの保留数は第2特図保留表示部13に表示される。
【0013】
図2に示すように、特定領域16は、通過口20、それぞれスロープ状からなる第1案内経路21及び第2案内経路22、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、上記した第1始動口15を有する。第1案内経路21は、正面視にて右端部から左端部に向かって下がった左下がりの状態で右端部付近が通過口20の下方に位置するように設けられている。第2案内経路22は、正面視にて左端部から右端部に向かって下がった右下がりの状態で左端部付近が第1案内経路21の右端部の下方に位置するように設けられている。第2案内経路22の下方に、正面視にて左側から右側に向かって第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1始動口15が設けられている。
【0014】
図3から図5にも示すように、第2案内経路22にあって第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1始動口15の上方に対応する箇所には穴部22a,22b,22cが設けられており、穴部22aを開閉可能な第1シャッタ25(図4参照、入賞制限手段に相当する)、穴部22bを開閉可能な第2シャッタ26(図4及び図5参照、入賞制限手段に相当する)が設けられている。第1シャッタ25は、第2案内経路の長手方向、即ち、玉が第2案内経路22上を転動する方向にスライド移動することで穴部22aを開放する開放状態と閉鎖する閉鎖状態とを切り替える。第1シャッタ25が開放状態にあるときには第1一般入賞口23への入賞が許容される一方、第1シャッタ25が閉鎖状態にあるときには第1一般入賞口23への入賞が制限される。
【0015】
同様に、第2シャッタ26は、第2案内経路の長手方向にスライド移動することで穴部22bを開放する開放状態と閉鎖する閉鎖状態とを切り替える。第2シャッタ26が開放状態にあるときには第2一般入賞口24への入賞が許容される一方、第2シャッタ26が閉鎖状態にあるときには第2一般入賞口24への入賞が制限される。本実施形態では、一般入賞口23,24への入賞を制限する構成として、スライド移動するシャッタ25,26を例示しているが、例えば玉の経路を切り替えて入賞を制限する機構等を採用することもできる。
【0016】
遊技盤面2に打ち出された玉が通過口20に入賞すると、その通過口20に入賞した玉は特定領域16に進入し、第1案内経路21の右端部付近に落下して第1案内経路21上を右側から左側に向かって転動し、第1案内経路21の左端部に到達すると、第1案内経路22の左端部付近に落下して第2案内経路22上を左側から右側に向かって転動する。
【0017】
このとき、図3に示すように、第1シャッタ25が開放状態であると、第2案内経路22上を転動する玉は、第1一般入賞口23に入賞する。第1一般入賞口23に玉が入賞すると、第1シャッタ25が開放状態から閉鎖状態に切り替わり、これ以降の第1一般入賞口23への入賞が制限される。
【0018】
この状態から、遊技盤面2に打ち出された玉が通過口20に入賞すると、次に通過口20に入賞した玉は、同様に第1案内経路21の右端部付近に落下して第1案内経路21上を右側から左側に向かって転動し、第1案内経路21の左端部に到達すると、第1案内経路22の左端部付近に落下して第2案内経路22上を左側から右側に向かって転動するが、第1一般入賞口23に入賞することはなく、図4に示すように、第2シャッタ26が開放状態であると、第2一般入賞口24に入賞する。第2一般入賞口24に玉が入賞すると、第2シャッタ26が開放状態から閉鎖状態に切り替わり、これ以降の第2一般入賞口24への入賞が制限される。
【0019】
この状態から、更に遊技盤面2に打ち出された玉が通過口20に入賞すると、更に次に通過口20に入賞した玉は、同様に第1案内経路21の右端部に落下して第1案内経路21上を右側から左側に向かって転動し、第1案内経路21の左端部に到達すると、第1案内経路22の左端部付近に落下して第2案内経路22上を左側から右側に向かって転動するが、第1一般入賞口23及び第2一般入賞口24の両方に入賞することはなく、図5に示すように、第1始動口15に入賞する。第1始動口15に玉が入賞すると、上記したように図柄変動による大当り抽選を行い、抽選結果をドラム式表示部11に表示すると共に、第1シャッタ25及び第2シャッタ26の両方が開放状態から閉鎖状態に切り替わる。このように第1シャッタ25及び第2シャッタ26が開放状態と閉鎖状態とを繰り返して切り替えることで、特定領域16に3回入賞する毎に図柄変動による大当り抽選を1回行う。
【0020】
図6に示すように、遊技機1は、電気的な構成として、主制御回路27を備える。主制御回路27は、CPU27a、ROM27b、RAM27c、I/O27d等を備えるマイクロコンピュータにより構成され、電源回路28から電源が供給される。主制御回路27は、普図始動口センサ29、一般入賞口センサ30、第1始動口センサ31、第2始動口センサ32、大入賞口センサ33、第1一般入賞口センサ34、第2一般入賞口センサ35等から入力する検出信号に基づいて電チューソレノイド36、大入賞口ソレノイド37、第1シャッタソレノイド38、第2シャッタソレノイド39等を駆動し、遊技機1の動作を制御する。
【0021】
遊技者がハンドル3を操作すると、その操作情報が発射制御回路40に入力され、発射制御回路40により発射装置41が駆動され、遊技盤面2に玉が発射される。遊技盤面2に発射された玉は、遊技盤面2を落下し、普図入賞口8を通過したり、一般入賞口14に入賞したり、通過口20を経由して一般入賞口23,24や第1始動口15に入賞したり、第2始動口17に入賞したり、大入賞口18に入賞したりする場合がある。
【0022】
普図始動口センサ29は、普図入賞口8を通過する玉を検出し、玉が普図入賞口8を通過する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。主制御回路27は、普図始動口センサ29から検出信号を入力すると、発生した乱数の1つを抽出して普図抽選を行い、普図抽選において普図当選になると、駆動信号を電チューソレノイド36に出力し、電チューソレノイド36を駆動し、第2始動口17を開放する。又、主制御回路27は、玉が普図入賞口8を通過することに応じて普図表示部9や普図保留表示部10のLEDを点灯や消灯を制御する。
【0023】
一般入賞口センサ30は、一般入賞口14に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。第1始動口センサ31は、第1始動口15に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。第2始動口センサ32は、第2始動口17に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。主制御回路27は、始動口センサ31,32から検出信号を入力すると、発生した乱数の1つを抽出して特図抽選を行い、特図抽選において特図当選になると、ドラム式表示部11において図柄変動を開始する。特図抽選には特別遊技状態である大当り状態、又はハズレの何れかの抽選結果が設定されている。主制御回路27は、大当り状態を発生させると、駆動信号を大入賞口ソレノイド37に出力し、大入賞口ソレノイド37を駆動し、大入賞口18の開放状態と閉鎖状態との切り替え制御を行う。即ち、主制御回路27は、大入賞口18を、遊技盤面2を落下する玉が入賞可能な開放状態と、開放状態よりも玉が入賞し難い閉鎖状態とに切り替える。大入賞口センサ33は、大入賞口18に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。
【0024】
第1一般入賞口センサ34は、第1一般入賞口23に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34から検出信号を入力すると、駆動信号を第1シャッタソレノイド38に出力し、第1シャッタソレノイド38を駆動し、第1シャッタ25を開放状態から閉鎖状態に切り替える。第2一般入賞口センサ35は、第2一般入賞口24に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路27に出力する。主制御回路27は、第2一般入賞口センサ35から検出信号を入力すると、駆動信号を第2シャッタソレノイド39に出力し、第2シャッタ26を駆動し、第2シャッタ26を開放状態から閉鎖状態に切り替える。
【0025】
主制御回路27は、玉が各始動口15,17、大入賞口18、一般入賞口14,23,24に入賞すると、玉の払出指示信号を払出制御回路42に出力する。払出制御回路41は、玉が各始動口15,17に入賞した場合には3個の玉を払出装置43から払い出し、大入賞口18に入賞した場合には10個の玉を払出装置43から払い出し、一般入賞口14,23,24に入賞した場合には10個の玉を払出装置43から払い出す。
【0026】
主制御回路27は、上記したように玉が各始動口15,17に入賞すると、抽選した特図1,2に係る情報を副制御回路44に出力する。副制御回路44は、主制御回路27から特図1,2に係る情報を入力すると、演出指示信号をドラム制御回路45に出力し、ドラム式表示部11において各種演出を表示すると共に、演出指示信号をアンプ/スピーカ46及び装飾ランプ部47に出力し、内部当選役及び図柄変動パターンに関する情報に応じた演出音をアンプ/スピーカ46から発生させたり演出内容を装飾ランプ部47により表示したりする。
【0027】
ドラム式表示部11は、3個のリールに対応し、リールを回転させるリール用モータ48a~48c、リールの回転基準位置を検出するリール用基準位置検出センサ49a~49、例えば白色LEDや白色ランプ等から構成されるバックライト50a~50cを備えている。ドラム制御回路45は、リール用基準位置検出センサ49a~49cから入力する基準位置信号に基づいてリールの回転基準位置を特定し、リール用モータ48a~48cを駆動してリールの回転を制御する。又、ドラム制御回路45は、バックライト50a~50cの点灯を制御する。バックライト50a~50cが点灯することで、バックライト50a~50cから投じられた光がリールに照射され、図柄が視認し易くなると共に、光学特性を利用した演出が可能になる。
【0028】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口15,17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。出力時点として入賞した時点で出力する信号が望ましいが、払い出し完了時点で出力する信号でも良い。又、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0029】
図柄変動信号=ドラム式表示部11における図柄変動を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じて図柄変動を特定する。尚、各始動口15,17への入賞を特定可能な始動入賞信号にて代用しても良い。
大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル出力される状態信号なので、大当り信号入力中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号である。第2始動口17の入賞率が向上する時短中にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。又、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0030】
次に、遊技盤面2に打ち出された玉が落下して通過口20に入賞した場合のドラム式表示部11の動作について説明する。
主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34により第1一般入賞口23への入賞を検出すると、ドラム式表示部11の左リールの回転を始動させ、その始動させた左リールの回転を、第1始動口センサ31により第1始動口15への入賞を検出するまで継続する。このとき、主制御回路27は、上記したように第1シャッタソレノイド38を駆動し、第1シャッタ25を開放状態から閉鎖状態に切り替える。
【0031】
主制御回路27は、第2一般入賞口センサ35により第2一般入賞口24への入賞を検出すると、ドラム式表示部11の中リールの回転を始動させ、その始動させた中リールの回転を、第1始動口センサ31により第1始動口15への入賞を検出するまで継続する。このとき、主制御回路27は、上記したように第2シャッタソレノイド39を駆動し、第2シャッタ26を開放状態から閉鎖状態に切り替える。
【0032】
即ち、ドラム式表示部11の左リールの回転は第1一般入賞口23への入賞を遊技者に報知し、ドラム式表示部11の中リールの回転は第2一般入賞口24への入賞を遊技者に報知し、第1始動口15への入賞の期待感を遊技者に持たせることを目的とするものである。左リールの回転を始動させること及び中リールの回転を始動させることは、図柄のうち一部を変動させることに相当する。
【0033】
主制御回路27は、第1始動口センサ31により第1始動口15への入賞を検出すると、発生した乱数の1つを抽出して特図抽選を行い、特図抽選において特図当選になると、ドラム式表示部11において図柄変動を開始し、ドラム式表示部11の左リール及び右リールの回転を継続させると共に、右リールの回転を始動させる。即ち、ドラム式表示部11の左リール及び中リールの回転は、それぞれ第1一般入賞口23及び第2一般入賞口24への入賞を遊技者に報知することを目的とする回転から、図柄変動の抽選結果を表示することを目的とする回転に切り替わる。このようにドラム式表示部11が動作することにより、第1始動口15に入賞するまで所定回数(本実施形態では3回)の特定領域16への入賞の必要がある場合でも、所定回数未満の入賞(本実施形態では1回目の入賞、2回目の入賞)を段階的に可視化して遊技者に報知することで、図柄変動の開始が近付いているという期待感を遊技者に持たせることができる。
【0034】
尚、図柄変動中にも関わらず一般入賞口23,24への入賞を報知する左リール及び中リールを回転させると却って遊技者に不満を与えてしまう虞があるので、ドラム式表示部11において図柄変動中に一般入賞口23,24への入賞を検出しても、図柄変動の抽選結果を表示する回転を継続し、一般入賞口23,24への入賞を報知しない。又、一般入賞口23,24への入賞を報知するための左リール及び右リールの回転は、原則第1始動口15への入賞を検出するまで継続するようにしているが、第1始動口15への入賞を検出する前に遊技者が遊技を終了することで第1始動口15への入賞を検出しないことが考えられる。その場合、各リールの回転開始からの所定時間経過後に各リールの回転を停止させても良い。
【0035】
次に、上記した構成の作用について図7及び図8を参照して説明する。
遊技機1において、主制御回路27は、本実施形態に関連する処理として、シャッタ開閉制御処理及びリール回転始動制御処理をそれぞれ所定周期(例えば数ミリ秒周期)で行う。以下、シャッタ開閉制御処理及びリール回転始動制御処理について順次説明する。
【0036】
(1)シャッタ開閉制御処理(図7参照)
主制御回路27は、シャッタ開閉制御処理の開始イベントの成立を判定すると、シャッタ開閉制御処理を開始し、第1一般入賞口センサ34、第2一般入賞口センサ35及び第1始動口センサ31の何れかがオンしたか否かを判定する(S1~S3)。主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34、第2一般入賞口センサ35及び第1始動口センサ31の何れもがオンしていないと判定すると(S1:NO、S2:NO、S3:NO)、シャッタ開閉制御処理を終了し、次のシャッタ開閉制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0037】
主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34から検出信号を入力し、第1一般入賞口センサ34がオンしたことを判定すると(S1:YES)、駆動信号を第1シャッタソレノイド38に出力し、第1シャッタ25を開放状態から閉鎖状態に切り替え(S4)、シャッタ開閉制御処理を終了し、次のシャッタ開閉制御処理の開始イベントの成立を待機する。主制御回路27は、第2一般入賞口センサ35から検出信号を入力し、第2一般入賞口センサ35がオンしたことを判定すると(S2:YES)、駆動信号を第2シャッタソレノイド39に出力し、第2シャッタ26を開放状態から閉鎖状態に切り替え(S5)、シャッタ開閉制御処理を終了し、次のシャッタ開閉制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0038】
主制御回路27は、第1始動口センサ31から検出信号を入力し、第1始動口センサ31がオンしたことを判定すると(S3:YES)、駆動信号を第1シャッタソレノイド38及び第2シャッタソレノイド39の両方に出力し、第1シャッタ25及び第2シャッタ26の両方を閉鎖状態から開放状態に切り替え(S6)、シャッタ開閉制御処理を終了し、次のシャッタ開閉制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0039】
主制御回路27がシャッタ開閉制御処理を行うことにより、上記した図3から図5に示したように、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1始動口15の順序で入賞が進み、特定領域16に3回進入する毎に図柄変動による大当り抽選を1回行うようになる。
【0040】
(2)リール回転始動制御処理(図8参照)
主制御回路27は、リール回転始動制御処理の開始イベントの成立を判定すると、リール回転始動制御処理を開始し、第1一般入賞口センサ34、第2一般入賞口センサ35及び第1始動口センサ31の何れかがオンしたか否かを判定する(S11~S13)。主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34、第2一般入賞口センサ35及び第1始動口センサ31の何れもがオンしていないと判定すると(S11:NO、S12:NO、S13:NO)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0041】
主制御回路27は、第1一般入賞口センサ34から検出信号を入力し、第1一般入賞口センサ34がオンしたことを判定すると(S11:YES)、図柄変動中であるか否かを判定し(S14)、図柄変動中でないと判定すると(S14:NO)、左リールの回転を始動させ(S15)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。一方、主制御回路27は、図柄変動中であると判定すると(S14:YES)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0042】
主制御回路27は、第2一般入賞口センサ35から検出信号を入力し、第2一般入賞口センサ35がオンしたことを判定すると(S12:YES)、図柄変動中であるか否かを判定し(S16)、図柄変動中でないと判定すると(S16:NO)、中リールの回転を始動させ(S17)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。一方、主制御回路27は、図柄変動中であると判定すると(S16:YES)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0043】
主制御回路27は、第1始動口センサ31から検出信号を入力し、第1始動口センサ31がオンしたことを判定すると(S13:YES)、図柄変動中であるか否かを判定し(S18)、図柄変動中でないと判定すると(S18:NO)、図柄変動を開始し、即ち、左リール及び中リールの回転を継続させながら右リールの回転を始動させ(S19)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。主制御回路27は、図柄変動中であると判定すると(S18:YES)、保留数をインクリメントし(S20)、リール回転始動制御処理を終了し、次のリール回転始動制御処理の開始イベントの成立を待機する。
【0044】
主制御回路27がリール回転始動制御処理を行うことにより、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1始動口15の順序で入賞が進むことに伴い、左リール、中リール、全てのリールの順序で回転が始動するようになる。
【0045】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技機1において、遊技球が特定領域16へ3回進入することで第1始動口15に入賞可能にし、第1一般入賞口23に入賞すると、左リールを回転させることで第1一般入賞口23への入賞を報知し、第2一般入賞口24に入賞すると、中リールを回転させることで第2一般入賞口24への入賞を報知し、第1始動口15に入賞すると、全てのリールを回転させることで図柄変動を表示するようにした。遊技球が特定領域16へ進入した回数が所定数未満であれば、一般入賞口23,24に入賞したことを報知し、遊技球が特定領域16へ進入した回数が所定数に達すると、第1始動口15に入賞したことによる図柄変動を表示するようになる。これにより、第1始動口15への入賞を制限することで始動口入賞率が低くなってしまう遊技機であっても、第1始動口15に入賞するまでに要する一般入賞口23,24への入賞数を報知することで、遊技者が始動入賞に必要な入賞数を把握することができる。これにより、遊技者の期待感を維持し、遊技の興趣を向上することができる。
【0046】
一般入賞口23,24に入賞すると、一般入賞口23,24への入賞を制限し、第1始動口15に入賞することで、その一般入賞口23,24への入賞に対する制限を解除するようにした。始動入賞するためには一般入賞口23,24に入賞させる必要があるが、一般入賞口23,24に入賞すれば、始動入賞するまで一般入賞口23,24に入賞することがなくなるので、遊技者が一般入賞口23,24への入賞にストレスを感じることがなくなる。
【0047】
第1一般入賞口23に入賞すると、左リールの回転を始動させ、第2一般入賞口24に入賞すると、中リールの回転を始動させるようにした。一般入賞口23,24への入賞の制限を視覚的に把握すると共に、始動入賞に近付いていることを視覚的に把握することができ、遊技の興趣を一層向上することができる。
【0048】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
遊技球の特定領域16への進入を検出するセンサを備えることで、遊技球が特定領域16へ進入したことを遊技者に対して報知しても良い。
【0049】
ドラム式表示部11を備える遊技機1を例示したが、ドラム式表示部11に代えて液晶表示部を備える構成として良く、その場合、特定領域16の一般入賞口23,24への入賞を報知するために専用の演出表示を行う構成としても良い。
【0050】
初期化条件(大当り後又は初期化操作後)成立後、低確率状態の大当り抽選に所定回数連続して非当選の場合に特典が付与される構成の遊技機を採用しても良い。
特定領域16の一般入賞口23,24への入賞をドラム式表示部11で報知する構成を例示したが、ドラム式表示部11で報知する構成に加えて、又は代えて遊技機1に備えられたLED部やスピーカ部で報知する構成としても良い。
【0051】
特定領域16の入賞口として払い出しのある一般入賞口23,24を例示したが、一般入賞口23,24に代えて、普通図柄を抽選する普通図柄始動口や遊技領域外へ玉を排出するアウト口を採用しても良い。
【0052】
第1一般入賞口23に左リールを対応付け、第2一般入賞口24に中リールを対応付けることで、先に左リールの回転が始動され、後から中リールの回転が始動される構成を例示したが、第1一般入賞口23に中リールを対応付け、第2一般入賞口24に左リールを対応付けることで、先に中リールの回転が始動され、後から左リールの回転が始動される構成でも良い。又、一般入賞口23,24に対応付けるリールを左リールと中リールとに限定せず、左リールと右リールとを採用したり、中リールと右リールとを採用したりしても良い。
【0053】
特定領域16における一般入賞口23,24の個数が2個の場合を例示したが、一般入賞口の個数が1個でも良いし、3個以上でも良い。又、一般入賞口23,24において1回の入賞によりシャッタ25,26が開放状態から閉鎖状態に切り替わる、即ち、入賞が制限される条件を1回の入賞とする場合を例示したが、入賞が制限される条件を2回以上の入賞としても良い。入賞が制限される条件を2回以上とした場合に、例えば入賞する毎にリールの回転速度を段階的に速くする等の変化を与えても良く、そのように構成すれば、リールの回転速度が段階的に速くなることに伴って、遊技者の期待感が段階的に高まっていく効果を期待することができる。又、入賞が制限される条件を一般入賞口毎に変更しても良い。このように最初に通過口20に入賞してから第1始動口15に入賞可能にするまでの過程を任意に設定しても良い。
【符号の説明】
【0054】
図面中、1は遊技機、11はドラム式表示部(報知手段、表示手段)、15は第1始動口(始動口)、16は特定領域、23は第1一般入賞口、24は第2一般入賞口、25は第1シャッタ(入賞制限手段)、26は第2シャッタ(入賞制限手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8