(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090368
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】マッチングシステム、マッチング方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220610BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202731
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】520481530
【氏名又は名称】株式会社TIME LINK
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】榊原 恵理
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サービス提供者と利用者との相対後、双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できるマッチングシステムを提供する。
【解決手段】マッチングシステムにおける管理サーバ30は、待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む料金交渉通知又はサービス停止通知のいずれかを受信し、第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムであって、
管理サーバは、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲の下限値を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する、
マッチングシステム。
【請求項2】
管理サーバは、第1端末からサービス停止通知を受信する場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第2端末に送信するか、又は第2端末からサービス停止通知を受信する場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第1端末に送信する、
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
管理サーバは、前記サービス開始通知を受信してから前記所定時間経過後、サービス提供者とサービス利用者とが位置的に離れたことの通知を第1端末及び第2端末の少なくとも一方から受信することを条件に、料金交渉通知又はサービス停止通知のいずれかを受け付ける、
請求項1又は2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムにおいて実行されるマッチング方法であって、
管理サーバにおいて、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する、
マッチング方法。
【請求項5】
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムの管理サーバを、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する、
手段として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム、マッチング方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マッチングサイト等の媒体を通じて、サービス提供者とサービス利用者とを結び付ける種々のマッチングシステムが、従来から開発されている。その中で、サービス提供者が、所定の待合場所で顧客(サービス利用者)と行動を共にする飲食接待サービスに利用可能なマッチングシステムが、下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のマッチングシステムは、サービス提供者が所持するサービス提供者端末と、当該サービス提供者端末と通信可能なサーバ装置とを備えたシステムに関する。特許文献1に開示のマッチングシステムにおいて、サービス提供者端末は、サービス提供者の操作によって接客時間を計測し、計測した接客時間をサーバ装置に送信する。また、サーバ装置は、サービス提供者端末から受信した接客時間に応じて、サービス提供に関する費用(接客サービスで生じる費用)を算出する。
【0005】
ところで、マッチングシステムからサービス利用者に提供される情報は、サービス提供者のほんの一部の情報に限られる。そのため、サービス利用者は、マッチングシステムから提供された断片的な情報からサービス提供者を選択することになる。このことから、真にサービス利用者の要望等に適するサービス提供者であるか否かをサービス開始前に十分確認することができない。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のマッチングシステムにおいて、サービス利用者が、実際に相対したサービス提供者に対し自身の要望に十分適していないと感じた場合、サービス開始後に以降のサービスを停止する、あるいは当初設定された料金を見直す機会が設けられていない。
【0007】
同様に、サービス提供者が、当初設定された料金でのサービスの継続が難しいと感じる、あるいは以降のサービスの提供を停止したいと感じても、サービス開始後、それに応える手段が特許文献1に開示も示唆もされていない。すなわち、特許文献1に開示のマッチングシステムでは、サービス開始後に改めてサービスの継続を判断する、あるいはサービス料金を柔軟に変更する機会が、サービス利用者及びサービス提供者の双方に与えられていない。
【0008】
前記課題に鑑み、本発明は、サービス提供者とサービス利用者との相対後、双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できるマッチングシステム、マッチング方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るマッチングシステムは、
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムであって、
管理サーバは、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する。
【0010】
本発明のこの態様によれば、サービス開始から所定時間経過後、サービス提供者(第1端末)及びサービス利用者(第2端末)の双方から以後のサービスの停止を受付可能であると共に、双方からサービスの継続が希望されても、サービス料金の見直しの機会が設けられる。そのため、サービス提供者及びサービス利用者の双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できる。また、本発明のこの態様によれば、第1端末からのサービス料金の希望範囲の下限値が、第2端末からのサービス料金の希望範囲の上限値以下であれば、料金交渉の成立を自動的に判定するため、サービス料金更新後のサービスの実施にスムースに移行することができる。
【0011】
また、本発明に係るマッチングシステムにおいて、
管理サーバは、第1端末からサービス停止通知を受信する場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第2端末に送信するか、又は第2端末からサービス停止通知を受信する場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第1端末に送信することが好ましい。
【0012】
本発明のこの態様によれば、サービス提供者(第1端末)からサービス停止の意思表示を受けても、サービス利用者(第2端末)に疑似料金交渉の結果を示してサービスが停止されるため、サービス提供者側から提示されるサービス停止の意思表示を秘匿することができる。同様に、サービス利用者(第2端末)からサービス停止の意思表示を受けても、サービス提供者(第1端末)に疑似料金交渉の結果を示してサービスが停止されるため、サービス利用者側から提示されるサービス停止の意思表示を秘匿することができる。
【0013】
更に、本発明に係るマッチングシステムにおいて、
管理サーバは、前記サービス開始通知を受信してから前記所定時間経過後、サービス提供者とサービス利用者とが位置的に離れたことの通知を第1端末及び第2端末の少なくとも一方から受信することを条件に、料金交渉通知又はサービス停止通知のいずれかを受け付けることが好ましい。
【0014】
本発明のこの態様によれば、以後のサービスの料金交渉通知又はサービス停止通知の送信操作を行う直前に、サービス提供者とサービス利用者とが一旦離れる。そのため、サービス提供者又はサービス利用者は、相手方からの心理的プレッシャーを受けず、今後のサービス条件に関する適切な意思を第1端末又は第2端末から管理サーバに送信することができる。
【0015】
また、本発明に係るマッチング方法は、
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムにおいて実行される方法であって、
管理サーバにおいて、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、
サービス提供者が操作する第1端末と、サービス利用者が操作する第2端末と、管理サーバとが、通信回線を介して接続されるマッチングシステムの管理サーバを、
待合場所で相対したサービス提供者又はサービス利用者の操作により、第1端末及び第2端末の少なくとも一方からサービス開始通知を受信し、
サービス開始通知を受信してから所定時間経過後、第1端末から、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲の下限値を含む料金交渉通知、又はサービス停止通知のいずれかを受信し、
第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望値が含まれる場合、第2端末から希望値の受諾通知を受信するか、又は第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲が含まれる場合、前記希望範囲の下限値が、第2端末から受信するサービス料金の希望範囲の上限値以下であることを契機にサービス料金を更新する、
手段として機能させる。
【0017】
本発明のこれらの態様によれば、サービス開始から所定時間経過後、サービス提供者(第1端末)及びサービス利用者(第2端末)の双方から以後のサービスの停止を受付可能であると共に、双方がサービスの継続が希望されても、サービス料金の見直しの機会が設けられる。そのため、サービス提供者及びサービス利用者の双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できる。また、本発明のこれらの態様によれば、第1端末からのサービス料金の希望範囲の下限値が、第2端末からのサービス料金の希望範囲の上限値以下であれば、料金交渉の成立を自動的に判定するため、サービス料金更新後のサービスの実施にスムースに移行することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、サービス提供者とサービス利用者との相対後、双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できるマッチングシステム、マッチング方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係るマッチングシステムの構成概略図。
【
図2】本実施形態における管理サーバの機能ブロック図。
【
図3】本実施形態における第2端末に表示されるスケジュール画面の一例を示す図。
【
図4】本実施形態における第1端末に表示されるスケジュール画面の一例を示す図。
【
図5】本実施形態に係るマッチングシステムにおいて、サービス料金が更新されるまでの過程を示すシーケンス図。
【
図6】本実施形態に係るマッチングシステムにおいて、サービス予約枠の取引過程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0021】
<構成>
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係るマッチングシステム1の構成概略を示す図である。また、
図2は、マッチングシステム1に備わる管理サーバ30の機能ブロック図である。
【0022】
図1に示されるように、マッチングシステム1は、サービス提供者が操作する第1端末10、サービス利用者が操作する第2端末20、管理サーバ30を含む。また、第1端末10、第2端末20、管理サーバ30は、通信回線40を介して接続される。本実施形態におけるマッチングシステム1は、会員登録を受けたサービス提供者及びサービス利用者によって利用される。ただし、これに限定されない。
【0023】
また、マッチングシステム1において、サービス提供者とサービス利用者とを結び付けるまでの過程は、一般のマッチングシステムと概ね同様であってよい(一般のマッチングシステムと異なる部分に関しては、後述する)。すなわち、サービス利用者が第2端末20を操作して管理サーバ30にアクセスし、希望条件に合致するサービス提供者の一覧情報を管理サーバ30から取得する。取得された一覧情報は、第2端末20に表示される。サービス利用者は、第2端末20に表示される一覧情報を閲覧し、最も要望に即すると判断したサービス提供者を選択する。
【0024】
続いて、管理サーバ30は、選択されたサービス提供者の第1端末10にサービス利用者から所定時間帯におけるサービス利用希望があった旨の通知を送信する。このとき、サービス提供者が、通知されたサービス利用希望に合意することで、サービス提供者とサービス利用者とのマッチングが成立する(管理サーバ30は、サービス提供者とサービス利用者との当該サービス予約処理を実行する)。
【0025】
次に、本実施形態における第1端末10及び第2端末20は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であることが好ましい。本実施形態における第1端末10、第2端末20は、専用のアプリやウェブブラウザ等を介して、管理サーバ30と通信する。また、管理サーバ30は、汎用のコンピュータであってよく、演算部(例えば、CPU等のプロセッサ)、記憶部(例えば、ROMやRAM等のメインメモリ、HDDやSSD等のストレージ)、通信インターフェイス部等を備える。
【0026】
管理サーバ30の演算部は、通信インターフェイス部を介して第1端末10や第2端末20から受信した各種情報から、記憶部に格納されたプログラムやデータに基づき所定の演算を行う。更に、演算部は、演算結果から生成される各種情報を第1端末10や第2端末20等に出力する。
【0027】
プログラムやデータを用いた演算部での処理により、本実施形態に係る管理サーバ30は、例えば、
図2に示される手段として機能する。より詳しくは、管理サーバ30は、通信手段31、サービス開始登録手段32、サービス料金更新手段33、サービス終了登録手段34、評価手段35、予約枠取引登録手段36等として機能する。
【0028】
通信手段31は、管理サーバ30と通信回線40を介して接続される端末(例えば、第1端末10、第2端末20等)と通信を行う手段である。通信手段31は、第1端末10及び第2端末20等から各種情報(各種通知)を受信する、あるいは第1端末10及び第2端末20等に各種情報(各種通知)を送信する機能を備える。
【0029】
また、通信手段31は、例えば、マッチングシステム1を利用するにあたって第1端末10及び第2端末20に表示される各種ページ情報(例えば、アプリ実行時に第1端末10及び第2端末20に表示されるマッチングサイトの画面情報、サービス提供者の一覧情報、サービス提供者及びサービス利用者のスケジュール情報等)を、第1端末10及び第2端末20からの閲覧要求に応じて送信する機能を含んでもよい。
【0030】
次に、サービス開始登録手段32(サービス開始処理)は、管理サーバ30の記憶部に、第1端末10を操作するサービス提供者と第2端末20を操作するサービス利用者との間で予約されたサービスが開始されたことを記憶(登録)する手段である。サービス開始登録は、サービス提供者とサービス利用者とが待合場所で相対し、第1端末10及び第2端末20の少なくとも一方から送信されるサービス開始通知(相対通知)に基づく。
【0031】
次に、サービス料金更新手段33(サービス料金更新処理)は、サービス開始から所定時間経過後(特に限定されるものではないが、例えば60分のサービスが予約されていた場合の最初の10分経過後)のサービス料金が更新された場合、管理サーバ30の記憶部に新たなサービス料金を記憶(登録)する手段である(サービス開始後、サービス料金が更新されるまでの過程に関しては、後述する)。
【0032】
次に、サービス終了登録手段34(サービス終了処理)は、サービス提供者とサービス利用者との間で行われたサービスが終了する場合、管理サーバ30の記憶部に、当該サービスの終了を記憶(登録)する手段である。サービスの終了登録は、例えば、サービス開始から所定時間経過後、管理サーバ30が、第1端末10及び第2端末20の少なくとも一方からサービス停止通知を受信する、又は予約されたサービス期間が終了すること等に基づく。
【0033】
次に、評価手段35は、サービス提供者及びサービス利用者の少なくとも一方の評価情報を生成し、得られた評価情報を、例えば、予約申込前の段階で提供する手段である。本実施形態における評価手段35は、例えば、下記指標によってサービス提供者及びサービス利用者を評価する。ただし、評価指標はこれに限定されない。
(指標1) サービスの合計料金/これまで提供(利用)したサービス回数
(指標2) サービスの合計時間/これまで提供(利用)したサービス回数
(指標3) 指標1で算出された値/指標2で算出された値
【0034】
(指標1)のサービスの合計料金は、同一のサービス提供者とサービス利用者間で実施されたサービス料金の合計に対応する。また、(指標2)のサービスの合計時間は、同一のサービス提供者とサービス利用者間で実施されたサービス時間の合計に対応する。更に、(指標1)及び(指標2)における「これまで提供(利用)したサービス回数」は、同一のサービス提供者とサービス利用者間で実施されたサービス回数に対応する。更に、サービス提供者が複数のサービス利用者に対してサービス提供を行った場合、管理サーバ30は、サービス利用者毎に(指標1)から(指標3)の各値を算出した後、各サービス利用者に関する値を足し合わせ、その平均値を求める((指標1)から(指標3)のぞれぞれの平均値を求める)ようにしてもよい。サービス利用者が複数人のサービス提供者からのサービスを利用した場合に関しても同様である。
【0035】
(指標1)によれば、サービス提供者において、サービス1回あたりにサービス利用者1人から得る料金の高低を把握できる。これにより、各サービス提供者のサービスの質を評価できる。また、サービス利用者において、サービス1回あたりにサービス提供者1人に支払う料金の高低を把握できる。これにより、高い料金を支払う傾向にあるサービス利用者であるか否かを評価できる。
【0036】
また、(指標2)によれば、同一の相手に対して費やす時間の長短を把握できる。これにより、サービスの相手方と良好な関係を築く傾向にあるサービス提供者又はサービス利用者であるか否かを評価できる。更に、(指標3)によれば、サービス提供者にあっては、時間あたりに得る料金を評価でき、サービス利用者にあっては、時間あたりに支払う料金を評価できる。
【0037】
なお、サービス提供者、サービス利用者毎のサービス1回あたりの料金合計、サービス回数、サービス1回あたりの時間等の情報は、管理サーバ30の記憶部に記憶されている。これらの情報は、管理サーバ30の記憶部に構築されるデータベースによって、体系的に管理されることが好ましい。評価手段35は、記憶部に記憶された前記利用情報を参照し、前記(指標1)から(指標3)の数値を求める。
【0038】
次に、予約枠取引登録手段36は、サービス利用者と別のサービス利用者との間で、既に予約されたサービスの時間枠(予約枠)が取引された際、管理サーバ30の記憶部に、取引後のサービス利用者の識別情報や取引後のサービス料金等を記憶(登録)する手段である。ただし、最終的に、予約枠の取引は、元のサービス利用者だけでなく、予約当事者の他方であるサービス提供者の承認を必要とすることが好ましい。なお、本実施形態において、別のサービス利用者は、購入した予約枠を更に別のサービス利用者に販売してもよい。
【0039】
<サービス予約処理>
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態のマッチングシステム1におけるサービス予約処理を説明する。
図3は、第2端末20に表示されるサービス提供者のスケジュール画面の一例を示す図である。また、
図4は、第1端末10に表示されるサービス提供者のスケジュール画面の一例を示す図である。
【0040】
第2端末20からの要求に応じて、管理サーバ30は、サービス利用者により選択されたサービス提供者のスケジュール情報を送信する。スケジュール情報を受信した第2端末20は、
図3に示されるようなサービス提供者のスケジュール画面を表示する。ここで、
図3のラインAに対応するセルは、予約可能な時間帯を示す。また、
図3のラインBに対応するセルは、取引可能な予約枠を示す。ただし、予約可能な時間帯や取引可能な予約枠を表示する態様は、これに限れない。
【0041】
スケジュール情報を閲覧するサービス利用者は、例えば、第2端末20の画面に表示されたラインAをタッチし、当該時間帯におけるサービスの予約を申し込む。それに応じて、第2端末20は、サービス提供者とラインAに対応する時間帯の情報を管理サーバ30に送信する。
【0042】
続いて、管理サーバ30は、サービス利用者からラインAに対応する時間帯にサービス利用の申込があったことを第1端末10に送信し、この申込を受けるか否かの返答を要求する。申込を受けると判断したサービス提供者は、第1端末10を介して申込の受諾通知を管理サーバ30に送信する。申込の受諾通知を受信した管理サーバ30は、サービスの予約情報として、サービス提供者及びサービス利用者並びに予約時間帯等を記憶部に記憶する。続いて、管理サーバ30は、サービス提供者が予約申込を受けたことを第2端末20に送信する。
【0043】
なお、
図4に示されるように、サービス提供者の第1端末10で閲覧可能なスケジュール画面には、前記した予約可能な時間帯を示すラインA及び取引可能な予約枠を示すラインBに加えて、既に他のサービス利用者との予約が埋まるなどで予約不可能な時間帯を示すラインCが表示される。ただし、予約不可能な時間帯を表示する態様も、これに限られない。
【0044】
<サービス料金が更新されるまでの過程>
次に、
図5を参照して、サービス時間内にサービス料金が更新される場合の処理を説明する。
図5は、予約されたサービスの開始直前から、サービス時間内にサービス料金が更新されるまでの過程を示すシーケンス図である。
【0045】
図5に示されるように、所定の待合場所(例えば、サービス利用者が指定した飲食店)にサービス利用者が到着すると、サービス利用者の操作を介して第2端末20から、待合場所に到着した旨の通知(待合場所到着通知)が管理サーバ30に送信される(S51)。待合場所到着通知を受信した管理サーバ30は、サービス利用者が待合場所で待機している旨の通知(待合場所待機通知)を第1端末10に送信する(S52)。
【0046】
サービス提供者は、待合場所待機通知を第1端末10で受信することで、サービス利用者が待合場所で待機していることを知る。その後サービス提供者は、待合場所(飲食店)に向かい、サービス利用者と相対する。この時点(例えば、サービス利用者がいるテーブルに着席した時点)で、サービス提供者の操作を介して第1端末10は、サービス利用者との相対通知を管理サーバ30に送信する(S53)。本実施形態に係るマッチングシステム1において、サービス利用者との相対通知が、サービス開始通知として処理される。併せて、管理サーバ30は、サービスが開始されたことを記憶部に記憶する(S54)。この処理は、サービス開始登録手段32に対応する。
【0047】
サービス開始から所定時間経過後(例えば、第1端末10からの相対通知の送信から、約10分経過後)、サービス提供者は、サービス利用者との飲食テーブルから一度離席する(サービス利用者と一度離れる)。このとき、第1端末10は、サービス提供者の操作を介して、サービス利用者から位置的に離れたことの通知(サービス提供者とサービス利用者とが位置的に離れたことの通知)を管理サーバ30に送信することが好ましい。サービス提供者とサービス利用者とが位置的に離れたことの通知は、サービス利用者の操作を介して、第2端末20から管理サーバ30に送信されてもよい。続いて、サービス提供者の操作を介して、第1端末10は、料金交渉通知又はサービス停止通知を管理サーバ30に送信する(S55)。管理サーバ30は、第1端末10又は第2端末20の少なくとも一方から、サービス提供者とサービス利用者とが位置的に離れたことの通知を受信したことを条件に、料金交渉通知又はサービス停止通知を受け付けてもよい。
【0048】
料金交渉通知は、以後のサービス料金の希望値若しくは希望範囲を含む。例えば、当初予約時のサービス料金(サービス開始から所定時間経過時点までのサービス料金)が、1時間あたり2000円であった場合、サービス提供者が、以後のサービス料金として「1時間あたり3000円」を希望したとする。このとき、サービス提供者の操作を介して、第1端末10は、以後のサービス料金の希望値(例えば、1時間あたり3000円)を管理サーバ30に通知する。
【0049】
これに対して、サービス提供者が、以後のサービス料金の希望範囲(例えば、「1時間あたり3000円から5000円」といった範囲)を通知したいと考えた場合、サービス提供者の操作を介して、第1端末10は、希望範囲(例えば、1時間あたり3000円から5000円)を管理サーバ30に通知する。
【0050】
ここで、第1端末10から受信した料金交渉通知に、サービス料金の希望値(先の例の場合、「1時間あたり3000円」の希望値)が含まれる場合、管理サーバ30は、その希望値を第2端末20に送信する(S56)。これに対して、第1端末から受信した料金交渉通知にサービス料金の希望範囲(先の例の場合、「1時間あたり3000円から5000円」の希望範囲)が含まれる場合、管理サーバ30は、サービス提供者から料金の交渉希望があった旨の通知(交渉希望通知)を第2端末20に送信する(S56)。
【0051】
第2端末20がサービス料金の希望値を受信し、サービス利用者が、その希望値を以後のサービス料金として受諾する場合、第2端末20は、受諾通知を管理サーバ30に送信する(S57)。受諾通知を受信した管理サーバ30は、以後のサービス料金を第1端末10からの希望値(「1時間あたり3000円」)に更新する(S58)。この処理は、サービス料金更新手段33に対応する。
【0052】
併せて、管理サーバ30は、新たなサービス条件通知(サービス料金)を第1端末10に送信する(S59)。これに対して、サービス利用者が、その希望値を以後のサービス料金として受諾しない場合、以後のサービスは終了する(サービス終了登録手段34)。
【0053】
また、第2端末20が交渉希望通知を受信する場合、サービス利用者の操作を介して、第2端末20は、以後のサービス料金としてサービス利用者が希望する範囲(例えば、「1時間あたり2000円から4000円」)を管理サーバ30に送信する。このとき、管理サーバ30は、第1端末10から受信した希望範囲(「1時間あたり3000円から5000円」)と第2端末20から受信した希望範囲(「1時間あたり2000円から4000円」)とを比較し、第1端末10からの希望範囲の下限値(「1時間あたり3000円」)が、第2端末20からの希望範囲の上限値(「1時間あたり4000円」)以下の場合、交渉成立と判定し、以後のサービス料金を第2端末20からの希望範囲の上限値(「1時間あたり4000円」)に更新する(S58)。この処理は、サービス料金更新手段33に対応する。
【0054】
併せて、管理サーバ30は、新たなサービス条件通知(サービス料金)を第1端末10に送信する(S59)。これに対して、第1端末10からの希望範囲の下限値が、第2端末20からの希望範囲の上限値を上回る場合、管理サーバ30は、交渉不成立と判定し、以後のサービスは終了する(サービス終了登録手段34)。ただし、1度目の交渉が不成立であっても、管理サーバ30は、第1端末10及び第2端末20に別の希望範囲を問い合わせ、再度サービス料金の交渉希望通知を受け付けてもよい。
【0055】
これとは異なり、サービス開始から所定時間経過後、サービス提供者が、サービスの停止を希望する場合、第1端末10は、サービス停止通知を管理サーバ30に送信する。また、サービス利用者も、以後のサービスの停止を希望する場合、管理サーバ30は、第2端末20からサービス停止通知を受け付けてもよい。第1端末10及び第2端末20の少なくとも一方から、管理サーバ30がサービス停止通知を受信する場合、以後のサービスは終了する(サービス終了登録手段34)。
【0056】
このように、サービス開始から所定時間経過後、サービス提供者(第1端末10)及びサービス利用者(第2端末20)からのサービス停止通知が受け付けられる一方、双方からサービスの継続が希望されても、サービス料金の見直しの機会が設けられる。そのため、本実施形態に係るマッチングシステム1によれば、サービス提供者及びサービス利用者の双方にとって適正な料金でのサービス継続を選択できる。
【0057】
ところで、管理サーバ30は、第1端末10又は第2端末20からサービス停止通知を相手方から受信した場合、当該相手方からサービス停止の意思表示があったことを通知するのではなく、あたかも料金交渉の意思表示があり、その結果として料金交渉(疑似料金交渉)が不成立に終わったことを通知してもよい。
【0058】
具体的には、管理サーバ30は、第1端末10からサービス停止通知を受信した場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第2端末20に送信する。同様に、管理サーバ30は、第2端末20からサービス停止通知を受信した場合、以後のサービスを停止するために疑似料金交渉の結果を第1端末10に送信する。その後、管理サーバ30は、サービス終了処理を実行する。
【0059】
この態様によれば、サービス提供者(第1端末10)からサービス停止の意思表示があっても、疑似料金交渉の結果として交渉が不成立に終わったことをサービス利用者(第2端末20)に通知する。これにより、サービス停止の意思表示を秘匿することができる。同様に、サービス利用者(第2端末20)からサービス停止の意思表示があった場合、疑似料金交渉の結果として交渉が不成立に終わったことをサービス提供者(第1端末10)に示す。これにより、サービス停止の意思表示を秘匿することができる。
【0060】
<予約枠の取引過程>
本実施形態に係るマッチングシステム1において、サービス提供者とサービス利用者(以下、「第1サービス利用者」)との間で既に予約された時間帯(予約枠)を別のサービス利用者(以下、「第2サービス利用者」)が購入(取引)することができる。
図6を参照して、サービス予約枠の取引過程の一例を説明する。ここで、
図6は、サービス予約枠の取引過程を示すフローチャートである。
【0061】
なお、本実施形態に係るマッチングシステム1において、サービス実施の直前に予約当事者(サービス利用者)が変更されることを避けるため、予約枠の取引可能期間をサービス実施から所定時間前までに限定することが好ましい。取引可能期間は、マッチングシステム1の会員に共通に課される規則で定めてもよいし、予約当事者(例えば、サービス提供者と第1サービス利用者)のいずれかの判断で個別に設定されてもよい。
【0062】
図6に示されるように、第2サービス利用者は、第2サービス利用者の第3端末(
図1の符号50で示される端末)を介して、サービスを希望するサービス提供者のスケジュール情報を閲覧する(例えば、
図3)。仮に、取引可能な予約枠をサービス提供者が有する場合、
図3に示されるように、スケジュール画面にラインBが表示される。第2サービス利用者は、第3端末50に表示されるラインBを選択する(S61)。
【0063】
ラインBの選択に伴い、第3端末50は、取引条件情報(例えば、希望最低料金等)の取得を管理サーバ30に要求する。それに応じて、管理サーバ30は、その取引条件情報を第3端末50に送信する。なお、管理サーバ30は、取引条件情報と共に、サービス提供者に関する前述の(指標1)から(指標3)の情報を第3端末50に送信することが好ましい。この場合、第2サービス利用者は、管理サーバ30から受信した各指標値から希望料金の目安を参照することができる。
【0064】
第2サービス利用者は、第3端末50に表示された取引条件情報等を参照して予約枠の購入を決めた場合、希望料金情報を第3端末50に入力する。第3端末50は、予約枠の取引申込通知と共に、入力された希望料金情報を管理サーバ30に送信する(S62)。
【0065】
管理サーバ30が、第3端末50から取引申込通知及び希望料金情報を受信すると、現時点での予約当事者であるサービス提供者の第1端末10及び第1サービス利用者の第2端末20に、これらの情報を送信する。このとき、管理サーバ30は、少なくとも第1端末10に、第2サービス利用者の属性情報、顔画像を含む写真データ、(指標1)から(指標3)の情報を送信してもよい。これらの情報は、サービス提供者が、第2サービス利用者からの取引申込を承諾するか否かの判断時に参照される。
【0066】
その後、管理サーバ30は、第1端末10及び第2端末20から、希望料金での取引を承諾する旨の通知(取引承諾通知)を受信した場合(S63でYESの場合)、予約当事者の一方が第1サービス利用者から第2サービス利用者に変更されたこと、及びサービス料金が変更されたこと(すなわち、予約枠が取引されたこと)を記憶部に記憶する(S64)。この処理は、予約枠取引登録手段36に対応する。
【0067】
これに対して、第1端末10又は第2端末20から希望料金での取引を承諾しない旨の通知を管理サーバ30が受信した場合(S63でNOの場合)、予約枠の取引は成立しない。その後、予約日時までに(又は予約日時の所定時間前までに)別の取引申込がなければ、予約当事者が変更されず、元の条件でサービスが実施される。
【0068】
このように、予約枠を取引可能とすることで、サービス提供者は、当初のサービス料金より高い料金でサービスを提供することが可能である。また、第1サービス利用者は、取引金額が当初サービス料金より高額であれば、利益を得ることができる。更に、第1サービス利用者の都合で、予約時間帯に別の予定が入るなどして予約をキャンセルする事態が生じても、別のサービス利用者(第2サービス利用者)との間で予約枠が取引されれば、予約当事者は変更されるがサービスは実施される。その結果、第1サービス利用者は、サービス提供者に迷惑を掛けることなく、サービスをキャンセルすることができる。これにより、会員(サービス提供者、サービス利用者)にとって魅力的なマッチングシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 マッチングシステム
10 第1端末(サービス提供者)
20 第2端末(第1サービス利用者)
30 管理サーバ
40 通信回線
50 第3端末(第2サービス利用者)