(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090499
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】シュレッダ
(51)【国際特許分類】
B02C 18/06 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
B02C18/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202932
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】309008642
【氏名又は名称】株式会社明光商会
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】小泉 圭太郎
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA12
4D065CB02
4D065CC01
4D065CC08
4D065DD08
4D065EB12
4D065ED18
4D065ED27
4D065ED35
4D065ED43
4D065ED50
4D065EE07
4D065EE16
(57)【要約】
【課題】使用状況に関するデータの信頼性を向上させることが可能な、シュレッダを提供する。
【解決手段】シュレッダ10は、紙葉類Pが投入される投入口21が設けられた筐体20と、筐体20内に設けられ、投入口21から投入された紙葉類Pを裁断する裁断機構30と、投入口21から投入された紙葉類Pを検知する第1センサ40と、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなったタイミングに基づいて、裁断機構30への負荷を記録する制御部50とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類が投入される投入口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記投入口から投入された前記紙葉類を裁断する裁断機構と、
前記投入口から投入された前記紙葉類を検知する第1センサと、
前記第1センサが前記紙葉類を検知した後、前記第1センサが前記紙葉類を検知しなくなったタイミングに基づいて、前記裁断機構への負荷を記録する制御部とを備える、シュレッダ。
【請求項2】
前記制御部は、記録された前記負荷に応じて前記裁断機構の運転状態を決定するとともに、前記運転状態ごとに前記紙葉類の投入回数をカウントする、請求項1に記載のシュレッダ。
【請求項3】
前記制御部は、前記運転状態ごとの前記裁断機構の合計運転時間を測定する、請求項2に記載のシュレッダ。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1センサが前記紙葉類を検知した後、前記第1センサが前記紙葉類を検知しなくなった場合に、前記裁断機構が前記紙葉類を裁断可能な待機状態になり、
前記制御部は、前記待機状態になった後、前記第1センサが前記紙葉類を所定の時間検知しない場合に、前記裁断機構が前記紙葉類を裁断不能なスリープ状態になり、
前記筐体に、前記制御部の前記スリープ状態を解除するためのスイッチが設けられ、
前記制御部は、前記待機状態の時間を測定するとともに、前記スリープ状態の解除回数をカウントする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシュレッダ。
【請求項5】
前記筐体は、開閉自在に設けられ、前記投入口から投入された前記紙葉類が通過する搬入経路の少なくとも一部を画定する開閉蓋を有し、
前記制御部は、前記開閉蓋が開いた回数をカウントする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシュレッダ。
【請求項6】
前記制御部は、前記裁断機構への負荷が所定値以上になった場合に、前記裁断機構を停止させるとともに、前記裁断機構が停止した回数をカウントする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシュレッダ。
【請求項7】
前記筐体内に収容され、前記裁断機構によって裁断された前記紙葉類の裁断屑を収容する収容部と、
前記収容部内に収容された前記裁断屑の量が所定の量以上となった際に前記裁断屑を検知する第2センサとを更に備え、
前記制御部は、前記第2センサが前記裁断屑を検知した場合に、前記裁断機構を停止させるとともに、前記裁断機構が停止した回数をカウントする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシュレッダ。
【請求項8】
前記制御部は、前記裁断機構に流れる電流を測定可能である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシュレッダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、シュレッダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙葉類を裁断するシュレッダが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、裁断機構による経時的な裁断処理状況を正確に把握して、保守・修理を効率的に実施可能とする通信型シュレッダ及びこれを用いたシュレッダ管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなシュレッダでは、得られたデータから、使用頻度等の使用状況を正確に読み取ることが求められている。
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、使用状況に関するデータの信頼性を向上させることが可能な、シュレッダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によるシュレッダは、
紙葉類が投入される投入口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられ、前記投入口から投入された前記紙葉類を裁断する裁断機構と、
前記投入口から投入された前記紙葉類を検知する第1センサと、
前記第1センサが前記紙葉類を検知した後、前記第1センサが前記紙葉類を検知しなくなったタイミングに基づいて、前記裁断機構への負荷を記録する制御部とを備える、シュレッダである。
【0007】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記制御部は、記録された前記負荷に応じて前記裁断機構の運転状態を決定するとともに、前記運転状態ごとに前記紙葉類の投入回数をカウントしてもよい。
【0008】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記制御部は、前記運転状態ごとの前記裁断機構の合計運転時間を測定してもよい。
【0009】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記制御部は、前記第1センサが前記紙葉類を検知した後、前記第1センサが前記紙葉類を検知しなくなった場合に、前記裁断機構が前記紙葉類を裁断可能な待機状態になり、
前記制御部は、前記待機状態になった後、前記第1センサが前記紙葉類を所定の時間検知しない場合に、前記裁断機構が前記紙葉類を裁断不能なスリープ状態になり、
前記筐体に、前記制御部の前記スリープ状態を解除するためのスイッチが設けられ、
前記制御部は、前記待機状態の時間を測定するとともに、前記スリープ状態の解除回数をカウントしてもよい。
【0010】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記筐体は、開閉自在に設けられ、前記投入口から投入された前記紙葉類が通過する搬入経路の少なくとも一部を画定する開閉蓋を有し、
前記制御部は、前記開閉蓋が開いた回数をカウントしてもよい。
【0011】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記制御部は、前記裁断機構への負荷が所定値以上になった場合に、前記裁断機構を停止させるとともに、前記裁断機構が停止した回数をカウントしてもよい。
【0012】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記シュレッダが、前記筐体内に収容され、前記裁断機構によって裁断された前記紙葉類の裁断屑を収容する収容部と、
前記収容部内に収容された前記裁断屑の量が所定の量以上となった際に前記裁断屑を検知する第2センサとを更に備え、
前記制御部は、前記第2センサが前記裁断屑を検知した場合に、前記裁断機構を停止させるとともに、前記裁断機構が停止した回数をカウントしてもよい。
【0013】
本開示の一実施形態によるシュレッダにおいて、前記制御部は、前記裁断機構に流れる電流を測定可能であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施の形態によると、シュレッダの使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施の形態によるシュレッダを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態によるシュレッダの内部構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態によるシュレッダの裁断機構の負荷を説明するグラフである。
【
図4】
図4は、一実施の形態によるシュレッダの使用方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、一実施の形態によるシュレッダの使用方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、
図1乃至
図5により、一実施の形態について説明する。
図1乃至
図5は本実施の形態を示す図である。
【0017】
以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
【0018】
[シュレッダの構成]
図1乃至
図3を参照して、本実施の形態によるシュレッダ10の構成について説明する。
【0019】
図1および
図2に示すように、本実施の形態によるシュレッダ10は、紙葉類Pが投入される投入口21が設けられた筐体20を備えている。また、
図2に示すように、シュレッダ10は、筐体20内に設けられ、投入口21から投入された紙葉類Pを裁断する裁断機構30と、投入口21から投入された紙葉類Pを検知する第1センサ40と、第1センサ40に接続された制御部50とを備えている。さらに、本実施の形態によるシュレッダ10は、筐体20内に収容され、裁断機構30によって裁断された紙葉類Pの裁断屑Wを収容する収容部60と、収容部60内に収容された裁断屑Wの量が所定の量以上となった際に裁断屑Wを検知する第2センサ70とを更に備えている。
【0020】
(筐体)
筐体20は、略直方体状をもっている。この筐体20には、裁断機構30の後述するスリープ状態を解除するためのスイッチSが設けられている。このスイッチSは、筐体20の上面22に設けられた操作部23に設けられていてもよい。操作部23は、シュレッダ10の運転/停止の切換等の操作を行うように構成されていてもよい。また、筐体20の下方には、シュレッダ10の移動を容易にするために複数のローラー24が取り付けられている。さらに、筐体20には、筐体20内に収容された収容部60を出し入れするための扉25が設けられている。
【0021】
また、筐体20は、開閉自在に設けられ、投入口21から投入された紙葉類Pが通過する搬入経路26の少なくとも一部を画定する開閉蓋27を有している。そして、この開閉蓋27を開放することで、搬入経路26に詰まった紙葉類Pを取り出すことができるようになっている。
【0022】
(裁断機構)
裁断機構30は、投入口21から投入され、搬入経路26を通過した紙葉類Pを裁断するものである。この裁断機構30は、一対のローラーカッター31と、ローラーカッター31を駆動するモータ32とを有している。このうちローラーカッター31は、ベルト等の図示しない連結部材を介してモータ32に連結されている。そして、モータ32の駆動力が、連結部材を介してローラーカッター31に伝達されることにより、ローラーカッター31が回転するように構成されている。なお、モータ32は、制御部50に電気的に接続されており、制御部50からの信号により駆動されるように構成されている。また、ローラーカッター31の刃の形状は任意であり、ローラーカッター31は、様々な形状の刃をもっていてもよい。例えば、ローラーカッター31は、裁断時の紙葉類Pの進行方向に沿って紙葉類Pを直線的に裁断する形状の刃をもっていてもよい。あるいは、ローラーカッター31は、裁断時の紙葉類Pの進行方向に沿って紙葉類Pを裁断するとともに、当該進行方向に直交する方向に沿って紙葉類Pを裁断する形状の刃をもっていてもよい。
【0023】
(第1センサ)
第1センサ40は、紙葉類Pが通過する搬入経路26の近傍に設けられており、搬入経路26を通過する紙葉類Pを検知するように構成されている。また、第1センサ40は、制御部50に電気的に接続されており、紙葉類Pを検知した信号を制御部50に送信するようになっている。第1センサ40は、紙葉類Pが搬入経路26を通過したことを検知可能な構成であれば、機械的センサであってもよく、光学式センサであってもよい。
【0024】
(制御部)
制御部50は、種々の情報を記録することができるように構成されている。この制御部50は、例えば、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等を含むマイクロコンピュータシステムからなっていてもよい。
【0025】
(収容部)
収容部60は、略四角錐台形状をもっており、上方に開口する開口部61を有している。この開口部61から裁断屑Wが収容部60内に収容されるようになっている。
【0026】
(第2センサ)
第2センサ70は、収容部60の近傍に設けられており、裁断屑Wが収容された収容部60が満杯になったか否かを検知する役割を果たす。この第2センサ70は、裁断屑Wの高さが所定の高さに達したときに、裁断屑Wを検知するように構成されている。また、第2センサ70は、制御部50に電気的に接続されており、裁断屑Wを検知した信号を制御部50に送信するようになっている。第2センサ70は、裁断屑Wの高さが所定の高さに達したときに、裁断屑Wを検知可能な構成であれば、機械的センサであってもよく、光学式センサであってもよい。
【0027】
ところで、上述したように、制御部50は、種々の情報を記録することができるように構成されている。制御部50が記録する情報としては例えば以下のものが挙げられる。
【0028】
(1)紙葉類Pの投入回数
制御部50は、紙葉類Pの投入回数をカウントし、記録する。この場合、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知している時間および第1センサ40が紙葉類Pを検知していない時間に基づいて、紙葉類Pの投入回数をカウントするように構成されている。これにより、例えば、裁断機構30のモータ32の回転および停止によって紙葉類Pの投入回数をカウントする場合と比較して、紙葉類Pの正確な投入回数を把握することができる。例えば、この場合、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知していない場合に、紙葉類Pが1回投入されたことカウントしてもよい。一例として、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを1秒以上検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを0.1秒以上検知していない場合に、紙葉類Pが1回投入されたことカウントしてもよい。
【0029】
(2)裁断機構30への負荷
制御部50は、裁断機構30への負荷を測定し、記録する。この場合、制御部50は、裁断機構30が運転している間、裁断機構30への負荷を常時測定してもよい。そして、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなったタイミングに基づいて、裁断機構30への負荷を記録するように構成されている。この場合、制御部は、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなった時点における裁断機構30への負荷を記録してもよい。また、例えば、制御部50は、記録された負荷に応じて裁断機構30の運転状態を決定するとともに、運転状態ごとに紙葉類Pの投入回数をカウントしてもよい。
【0030】
ここで、裁断機構30への負荷は、例えば、投入される紙葉類Pの量や、ローラーカッター31の劣化具合によって変化する。例えば、
図3(a)に示すように、投入された紙葉類Pの量が適切である場合、裁断機構30への負荷は小さくなり、裁断機構30のモータ32の消費電流が、予め決められた閾値(高負荷閾値)未満になる。一方、
図3(b)に示すように、例えば、投入された紙葉類Pの量が多い場合、裁断機構30への負荷が大きくなり、裁断機構30のモータ32の消費電流が、予め決められた閾値(高負荷閾値)以上になる。また、
図3(c)に示すように、例えば、投入された紙葉類Pの量が更に多くなった場合、裁断機構30への負荷が大きくなり、裁断機構30のモータ32の消費電流が、予め決められた閾値(過負荷閾値)以上になる。これらの場合、制御部50は、裁断機構30の運転状態を、モータ32の消費電流が高負荷閾値未満(適正領域)である適正状態、モータ32の消費電流が高負荷閾値以上過負荷閾値未満(高負荷領域)である高負荷状態、またはモータ32の消費電流が過負荷閾値以上(過負荷領域)である過負荷状態に決定してもよい。なお、
図3(a)は、投入口21から紙葉類Pを4回投入し、裁断機構30によって紙葉類Pを4回裁断した例を示している。
図3(b)-(c)は、それぞれ、投入口21から紙葉類Pを5回投入し、裁断機構30によって紙葉類Pを5回裁断した例を示している。
【0031】
また、裁断機構30への負荷は、時間と共に変化する。この場合、
図3(a)に示すように、投入された紙葉類Pの量が適切である場合、紙葉類Pの裁断初期の消費電力および裁断後期の消費電力は、それぞれ、裁断中期に測定される消費電力の最大値よりも小さくなる場合がある。これに対して本実施の形態では、制御部50が、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなった際に、裁断機構30への負荷を測定するように構成されているため、制御部50が裁断中期の消費電力を測定することができるようになっている。これにより、制御部50が、実際に消費した電力の最大値に近い値を測定することができる。このため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。また、
図3(b)-(c)に示すように、投入された紙葉類Pの量が多い場合、紙葉類Pの裁断初期および裁断後期には、例えば、ローラーカッター31の刃が紙葉類Pに切り込む際に、大きな力が必要となり、紙葉類Pの裁断初期の消費電力および裁断後期の消費電力が、それぞれ不安定になる場合がある。これに対して本実施の形態では、制御部50が、裁断中期の消費電力を測定することができるため、制御部50が、消費電力が安定した裁断中期の消費電力を測定することができる。このため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。
【0032】
上述したように、制御部50は、記録された負荷に応じて裁断機構30の運転状態を決定するとともに、運転状態ごとに紙葉類Pの投入回数をカウントする。これにより、シュレッダ10の使用状況をより正確に把握することができる。例えば、高負荷状態または過負荷状態の投入回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、裁断機構30への負荷を低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。また、高負荷状態または過負荷状態の投入回数が多い場合、裁断機構30のローラーカッター31が劣化している可能性があるため、ローラーカッター31の劣化を早期に発見することができる。
【0033】
(3)裁断機構30の運転時間
制御部50は、裁断機構30の運転時間を測定し、記録する。この場合、制御部50は、裁断機構30の運転時間を測定するとともに、裁断機構30が所定の時間よりも長く運転した場合に、当該運転時間を裁断機構30の合計運転時間に積算してもよい。これにより、裁断機構30の合計運転時間をより正確に把握することができる。すなわち、制御部50が、裁断機構30が所定の時間よりも長く運転した場合に、当該運転時間を裁断機構30の合計運転時間に積算することにより、少ない枚数の紙葉類P(例えば1枚の紙のみ)を裁断した場合であっても、当該運転時間を裁断機構30の合計運転時間に積算することができる。このため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。例えば、制御部50は、裁断機構30が3秒よりも長く運転した場合に、当該運転時間を裁断機構30の合計運転時間に積算してもよい。
【0034】
また、制御部50は、運転状態ごとの裁断機構の合計運転時間を測定する。この場合においても、シュレッダ10の使用状況をより正確に把握することができる。例えば、高負荷状態または過負荷状態の合計運転時間が長い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。また、高負荷状態または過負荷状態の合計運転時間が長い場合、裁断機構30のローラーカッター31が劣化している可能性があるため、ローラーカッター31の劣化を早期に発見することができる。
【0035】
(4)平均待機時間
制御部50は、後述する待機状態の合計時間を、後述するスリープ状態の解除回数で割ることにより、平均待機時間を算出する。
【0036】
ここで、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなった場合に、待機状態になる。この待機状態では、裁断機構30が紙葉類Pを裁断可能になっている。この場合、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなってから、例えば5秒以上15秒以下、一例として10秒後に待機状態になってもよい。なお、本明細書中、「待機状態」とは、制御部50の電源がON状態であり、操作部23が操作されると直ぐにその操作に伴った処理を行うことができる状態を意味する。
【0037】
また、制御部50は、待機状態になった後、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知しない場合に、スリープ状態になる。このスリープ状態では、裁断機構30が紙葉類Pを裁断不能になっている。この場合、制御部50は、待機状態になった後、例えば、第1センサ40が300秒間紙葉類Pを検知しない場合に、スリープ状態になってもよい。なお、本明細書中、「スリープ状態」とは、制御部50の電源がOFF状態であり、消費電力量が最も低い状態になっている状態を意味する。そして、「スリープ状態」が解除されると「待機状態」に移行する。
【0038】
そして、制御部50は、待機状態の時間を測定するとともに、スリープ状態の解除回数をカウントする。これにより、待機状態の合計時間を解除回数で割ることにより、平均待機時間を算出することができる。このように、平均待機時間を算出することにより、使用者の使用ペースを把握することができる。すなわち、平均待機時間が所定の時間よりも短い場合、制御部50がスリープ状態になる前に、ユーザーによって、制御部50の電源がOFF状態にされていることがわかる。また、平均待機時間が所定の時間よりも長い場合、シュレッダ10に対して使用するユーザーの人数が多いか、あるいは、シュレッダ10に対する紙葉類Pの量が多いことがわかる。この場合、ユーザーがシュレッダを快適に使用することができるように、シュレッダ10の増設をユーザーに提案したり、あるいは、大型のシュレッダの導入をユーザーに提案することができる。
【0039】
(5)開閉蓋27の開いた回数
制御部50は、開閉蓋27が開いた回数をカウントする。開閉蓋27は、例えば、裁断機構30のローラーカッター31に紙葉類Pが詰まった際に開かれる。このため、開閉蓋27が開いた回数をカウントすることにより、紙葉類Pの詰まりの回数を把握することができる。紙葉類Pの詰まりの回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、紙葉類Pの詰まりを低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。
【0040】
(6)裁断機構30への負荷が所定値以上になった場合に、裁断機構30が停止した回数
制御部50は、裁断機構30が停止した回数をカウントする。この場合、制御部50は、裁断機構30への負荷が所定値以上になった場合に、裁断機構30を停止させるとともに、裁断機構30が停止した回数をカウントする。これにより、裁断機構30への負荷が所定値以上になった回数を把握することができる。裁断機構30への負荷が所定値以上になった回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、裁断機構30への負荷を低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。
【0041】
(7)第2センサ70が裁断屑Wを検知した場合に、裁断機構30が停止した回数
制御部50は、第2センサ70が裁断屑Wを検知した場合に、裁断機構30を停止させるとともに、裁断機構30が停止した回数をカウントする。上述したように、第2センサ70は、裁断屑Wの高さが所定の高さに達したときに、裁断屑Wを検知するように構成されている。このため、第2センサ70が裁断屑Wを検知した回数を把握することにより、収容部60の交換頻度を把握することができる。
【0042】
ここで、第2センサ70が裁断屑Wを検知した後に、裁断屑Wを収容部60内に押し込むことにより、裁断屑Wの高さが低くなり、第2センサ70の信号がOFF状態になり得る。これにより、例えば、第2センサ70が裁断屑Wを検知した回数が、紙葉類Pの投入回数(上述した(1)参照)や裁断機構30の運転時間(上述した(3)参照)に対して少ない場合、ユーザーは、第2センサ70が裁断屑Wを検知した際に、裁断屑Wを収容部60内に押し込むことなく、収容部60を直ちに交換している可能性がある。この場合、収容部60内に裁断屑Wを更に収容するスペースがあるにも関わらず、収容部60を交換しているおそれがあり、ユーザーの作業効率を低下させている可能性がある。これに対して、収容部60の交換頻度を把握することにより、ユーザーに対して収容部60の交換頻度の見直しを提案することができ、ユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0043】
(8)裁断機構30に流れる電流
制御部50は、裁断機構30に流れる電流を測定可能になっており、裁断機構30に流れる電流を記録する。この場合、制御部50は、例えば、裁断機構30のモータ32の駆動電流を計測する図示しない電流計からの計測信号に基づいて、裁断機構30に流れる電流を測定してもよい。
【0044】
ここで、裁断機構30のローラーカッター31を駆動するモータ32の駆動電流は、紙葉類Pを裁断した累積裁断量の増加に従って、徐々に増加する傾向がある。すなわち、一定量の紙葉類Pを裁断したシュレッダ10を無負荷運転させた場合(すなわち、紙葉類Pを裁断させることなくローラーカッター31を運転させた場合)、新品(初期状態)のシュレッダ10を無負荷運転させた場合よりも、モータ32の駆動電流が増加する。これは、裁断機構30の使用により、ローラーカッター31に紙葉類Pの屑等の詰まりが生じたり、あるいは、ローラーカッター31の刃に摩耗が生じ、これにより、裁断機構30への負荷が増加してしまうものと推測される。
【0045】
これに対して、制御部50が裁断機構30に流れる電流を測定し、記録することにより、裁断機構30のローラーカッター31の劣化具合を把握することができる。
【0046】
また、制御部50に、基準となる紙葉類Pを裁断した際に裁断機構30に流れる電流の基準値が記録されていてもよい。これにより、ローラーカッター31の劣化具合をより正確に把握することができる。
【0047】
[シュレッダの使用方法]
次に、
図4および
図5を参照して、シュレッダ10の使用方法について説明する。
【0048】
まず、
図4に示すように、投入口21から紙葉類Pを投入する(
図4のステップS1)。
【0049】
次に、第1センサ40が、紙葉類Pを検知する(
図4のステップS2)。
【0050】
また、第1センサ40により紙葉類Pが検知されると、制御部50が、第1センサ40が紙葉類Pを検知している時間および第1センサ40が紙葉類Pを検知していない時間に基づいて、紙葉類Pの投入回数をカウントする。
【0051】
この際、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知していないか否かを判定する(
図4のステップS3)。この場合、例えば、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを1秒以上検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを0.1秒以上検知していないか否かを判定してもよい。そして、制御部50が、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知していないと判定した場合(
図4のステップS3のYES)、制御部50は、紙葉類Pが1回投入されたことカウントする(
図4のステップS4)。
【0052】
一方、第1センサ40が紙葉類Pを所定の時間検知していないと判定した場合や、所定の時間が経過する前に第1センサ40が紙葉類Pを検知したと判定した場合(
図4のステップS3のNO)、制御部50は、紙葉類Pが投入されたことカウントしない。
【0053】
このようにして、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知している時間および第1センサ40が紙葉類Pを検知していない時間に基づいて、紙葉類Pの投入回数をカウントする。これにより、例えば、裁断機構30のモータ32の回転および停止によって紙葉類Pの投入回数をカウントする場合と比較して、紙葉類Pの正確な投入回数を把握することができる。このため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。
【0054】
また、制御部50が紙葉類Pの投入回数をカウントすることと並行して、裁断機構30が、紙葉類Pを裁断する。
【0055】
この際、まず、
図5に示すように、投入口21から紙葉類Pを投入する(
図5のステップS11)。
【0056】
次に、第1センサ40が、紙葉類Pを検知する(
図5のステップS12)。
【0057】
次いで、搬入経路26を通過した紙葉類Pを裁断機構30によって裁断する(
図5のステップS13)。この際、制御部50は、裁断機構30への負荷を測定する。
【0058】
また、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなったタイミングに基づいて、裁断機構30への負荷を記録する(
図5のステップS14)。
【0059】
この際、制御部50は、記録された負荷に応じて裁断機構30の運転状態を決定するとともに、運転状態ごとに紙葉類Pの投入回数をカウントする(
図5のステップS15)。この場合、例えば、制御部50は、裁断機構30の運転状態を、モータ32の消費電流が高負荷閾値未満(適正領域)である適正状態、モータ32の消費電流が高負荷閾値以上過負荷閾値未満(高負荷領域)である高負荷状態、またはモータ32の消費電流が過負荷閾値以上(過負荷領域)である過負荷状態に決定してもよい。
【0060】
また、制御部50は、裁断機構30の運転時間を測定するとともに、裁断機構が所定の時間よりも長く運転した場合に、当該運転時間を裁断機構30の合計運転時間に積算する。この際、制御部50は、運転状態ごとの裁断機構30の合計運転時間を測定してもよい。
【0061】
このようにして、制御部50は、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなったタイミングに基づいて、裁断機構30への負荷を記録する。これにより、制御部50が、裁断中期の消費電力を測定することができるため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。
【0062】
その後、所定の枚数の紙葉類Pが裁断されるまで、ステップS1~ステップS4およびステップS11~ステップS15を、この順番に繰り返す。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態によれば、シュレッダ10の制御部50が、第1センサ40が紙葉類Pを検知した後、第1センサ40が紙葉類Pを検知しなくなったタイミングに基づいて、裁断機構30への負荷を記録する。これにより、制御部50が、裁断中期の消費電力を測定することができるため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。このため、シュレッダ10の使用状況に関するデータの信頼性を向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、制御部50が、記録された負荷に応じて裁断機構30の運転状態を決定するとともに、運転状態ごとに紙葉類Pの投入回数をカウントする。これにより、シュレッダ10の使用状況をより正確に把握することができる。例えば、高負荷状態または過負荷状態の投入回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、裁断機構30への負荷を低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。また、高負荷状態または過負荷状態の投入回数が多い場合、裁断機構30のローラーカッター31が劣化している可能性があるため、ローラーカッター31の劣化を早期に発見することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、制御部50が、運転状態ごとの裁断機構30の合計運転時間を測定する。この場合においても、シュレッダ10の使用状況をより正確に把握することができる。例えば、高負荷状態または過負荷状態の合計運転時間が長い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。また、高負荷状態または過負荷状態の合計運転時間が長い場合、裁断機構30のローラーカッター31が劣化している可能性があるため、ローラーカッター31の劣化を早期に発見することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、制御部50が、待機状態の時間を測定するとともに、スリープ状態の解除回数をカウントする。これにより、待機状態の合計時間をスリープ状態の解除回数で割ることにより、平均待機時間を算出することができる。このため、使用者の使用ペースを把握することができる。すなわち、平均待機時間が所定の時間よりも短い場合、制御部50がスリープ状態になる前に、ユーザーによって、制御部50の電源がOFF状態にされていることがわかる。また、平均待機時間が所定の時間よりも長い場合、シュレッダ10に対して使用するユーザーの人数が多いか、あるいは、シュレッダ10に対する紙葉類Pの量が多いことがわかる。この場合、ユーザーがシュレッダを快適に使用することができるように、シュレッダ10の増設をユーザーに提案したり、あるいは、大型のシュレッダの導入をユーザーに提案することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、筐体20が、開閉自在に設けられ、投入口21から投入された紙葉類Pが通過する搬入経路26の少なくとも一部を画定する開閉蓋27を有している。また、制御部50が、開閉蓋27が開いた回数をカウントする。これにより、紙葉類Pの詰まりの回数を把握することができる。紙葉類Pの詰まりの回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、紙葉類Pの詰まりを低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、制御部50は、裁断機構30への負荷が所定値以上になった場合に、裁断機構30を停止させるとともに、裁断機構30が停止した回数をカウントする。これにより、裁断機構30への負荷が所定値以上になった回数を把握することができる。このため、裁断機構30への負荷が所定値以上になった回数が多い場合、ユーザーに投入口21に投入する紙葉類Pの量を低減させることを提案することにより、裁断機構30への負荷を低減させることができる。これにより、シュレッダ10の故障を抑制するとともに、シュレッダ10の長寿命化を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、シュレッダ10が、筐体20内に収容され、裁断機構30によって裁断された紙葉類Pの裁断屑Wを収容する収容部60と、収容部60内に収容された裁断屑Wの量が所定の量以上となった際に裁断屑Wを検知する第2センサ70とを更に備えている。また、制御部50が、第2センサ70が裁断屑Wを検知した場合に、裁断機構30を停止させるとともに、裁断機構30が停止した回数をカウントする。これにより、収容部60の交換頻度を把握することができる。このため、ユーザーに対して収容部60の交換頻度の見直しを提案することができ、ユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0070】
さらに、本実施の形態によれば、制御部50が、裁断機構30に流れる電流を測定可能である。これにより、裁断機構30のローラーカッター31の劣化具合を把握することができる。
【0071】
上記実施形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 シュレッダ
20 筐体
21 投入口
26 搬入経路
27 開閉蓋
30 裁断機構
40 第1センサ
50 制御部
60 収容部
70 第2センサ
P 紙葉類
S スイッチ
W 裁断屑