(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090526
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】水中電動ポンプおよび水中電動ポンプシステム
(51)【国際特許分類】
F04D 15/00 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
F04D15/00 J
F04D15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202970
(22)【出願日】2020-12-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 剛
【テーマコード(参考)】
3H020
【Fターム(参考)】
3H020AA05
3H020AA08
3H020BA02
3H020BA18
3H020CA08
3H020DA01
3H020DA23
3H020EA04
3H020EA09
3H020EA14
(57)【要約】
【課題】水中電動ポンプを単体で強制運転させることが可能な水中電動ポンプを提供する。
【解決手段】この水中電動ポンプ3aは、水中電動ポンプ本体31と、水中電動ポンプ本体31の設置場所の水位に基づいて、水中電動ポンプ本体31の運転を制御する制御部32と、を備える。制御部は32、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中電動ポンプ本体と、
前記水中電動ポンプ本体の設置場所の水位に基づいて、前記水中電動ポンプ本体の運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、水中電動ポンプ。
【請求項2】
他の水中電動ポンプの通信部と互いに無線通信を行う通信部をさらに備え、
前記制御部は、電源がオンにされた場合に、待機時間経過後に前記通信部により前記他の水中電動ポンプの通信部と無線通信を行い、前記通信部による前記他の水中電動ポンプの通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、前記待機時間よりも短い時間である前記所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、請求項1に記載の水中電動ポンプ。
【請求項3】
前記制御部は、電源がオンにされた場合に前記所定時間経過後に立てられるまたは下げられるフラグに基づいて、電源がオンされその後オフにされた操作が前記所定時間内に行われたか否かを判断して、その後電源がオンにされた場合に、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させる制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の水中電動ポンプ。
【請求項4】
前記制御部は、電源がオンにされた場合に前記所定時間経過後に下げられる前記フラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が前記所定時間内に行われたことにより立てられた状態である前記フラグに基づいて、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、請求項3に記載の水中電動ポンプ。
【請求項5】
前記制御部は、電源がオンにされた場合に前記所定時間経過後に前記フラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が前記所定時間内に行われたことにより下げられた状態である前記フラグに基づいて、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、請求項3に記載の水中電動ポンプ。
【請求項6】
前記制御部は、電源がオンにされてからオフにされるまでの時間を計測して記録するとともに、その後電源がオンにされた場合に、記録した電源がオンにされてからオフにされるまでの時間が前記所定時間内であることに基づいて、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、請求項1または2に記載の水中電動ポンプ。
【請求項7】
前記制御部は、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させた場合に、所定の運転時間経過後に強制運転を停止させるように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の水中電動ポンプ。
【請求項8】
前記制御部は、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させた場合に、前記所定の運転時間経過後に水位が高いと判断した場合に、前記水中電動ポンプ本体の運転を継続させるように構成されている、請求項7に記載の水中電動ポンプ。
【請求項9】
前記制御部は、電源がオンにされてから第1時間経過後、かつ、第1時間経過後にさらに第2時間経過して前記所定時間が経過するよりも前に、電源がオフにされた操作が行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の水中電動ポンプ。
【請求項10】
第1制御部を含む第1水中電動ポンプと、
第2制御部を含む第2水中電動ポンプと、
前記第1水中電動ポンプに設けられた第1通信部と、
前記第2水中電動ポンプに設けられ、前記第1通信部と無線通信を行う第2通信部と、を備え、
前記第1制御部および前記第2制御部は、前記第1通信部および前記第2通信部の無線通信に基づいて、前記第1水中電動ポンプおよび前記第2水中電動ポンプを交互に運転させる制御を行うように構成されており、
前記第1制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記第1水中電動ポンプを強制運転させるように構成されており、
前記第2制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が前記所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記第2水中電動ポンプを強制運転させるように構成されている、水中電動ポンプシステム。
【請求項11】
前記第1制御部は、電源がオンにされた場合に、待機時間経過後に前記第1通信部により前記第2水中電動ポンプの前記第2通信部と無線通信を行い、前記第1通信部による前記第2水中電動ポンプの前記第2通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、前記待機時間よりも短い時間である前記所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記第1水中電動ポンプを強制運転させるように構成されており、
前記第2制御部は、電源がオンにされた場合に、前記待機時間経過後に前記第2通信部により前記第1水中電動ポンプの前記第1通信部と無線通信を行い、前記第2通信部による前記第1水中電動ポンプの前記第1通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、前記待機時間よりも短い時間である前記所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、前記第2水中電動ポンプを強制運転させるように構成されている、請求項10に記載の水中電動ポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水中電動ポンプおよび水中電動ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中電動ポンプシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、水位センサと、制御コントローラとを含む水中ポンプ(水中電動ポンプ)を2台備える水中ポンプシステム(水中電動ポンプシステム)が開示されている。上記特許文献1の水中ポンプシステムでは、2台の水中ポンプの各々の制御コントローラは、水位センサにより起動する水位を検知した場合に、起動させる順番に基づいて、水中ポンプを起動させて、2台の水中ポンプが交互に運転するように制御を行っている。つまり、2台の水中ポンプの各々の制御コントローラは、水位を検知した場合に、起動の順番である場合には水中ポンプを起動させ、起動の順番ではない場合には水中ポンプを起動させずに休止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の水中ポンプシステムでは、2台の水中ポンプの各々の制御コントローラは、水位センサにより起動する水位を検知した場合に、起動させる順番に基づいて、水中ポンプを起動させているため、ユーザが水中ポンプをテストなどにより単独で強制運転させたい場合において、水位が低い場合や、起動の順番ではない場合には、水中ポンプが起動しない。このため、交互運転される複数の水中ポンプ(水中電動ポンプ)を単体で強制運転させることが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、水中電動ポンプを単体で強制運転させることが可能な水中電動ポンプおよび水中電動ポンプシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による水中電動ポンプは、水中電動ポンプ本体と、水中電動ポンプ本体の設置場所の水位に基づいて、水中電動ポンプ本体の運転を制御する制御部と、を備え、制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による水中電動ポンプでは、上記のように、制御部を、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成する。これにより、ユーザは水中電動ポンプの電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、交互運転させる場合の交互運転の順番や水位に関わらず、水中電動ポンプを単独で起動させることできるので、水中電動ポンプを単体で強制運転させることができる。これにより、水中電動ポンプの運転状態を確かめるための試運転を容易に行うことができる。また、ユーザは水中電動ポンプの電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、強制運転を行うことができるので、強制運転のための専用のボタンを設ける必要がない。これにより、装置構成が複雑化するのを抑制しながら、水中電動ポンプを単体で強制運転させることができる。
【0009】
上記第1の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、他の水中電動ポンプの通信部と互いに無線通信を行う通信部をさらに備え、制御部は、電源がオンにされた場合に、待機時間経過後に通信部により他の水中電動ポンプの通信部と無線通信を行い、通信部による他の水中電動ポンプの通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、待機時間よりも短い時間である所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、待機時間経過後に通信部により無線通信が開始されるので、水中電動ポンプ本体を強制運転させるために、待機時間よりも短い所定時間内に電源をオンにしてオフにし、その後、オンにする際に、交互運転のための通信部による通信の開始後に強制運転のための電源のオフ操作が行われるのを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、制御部は、電源がオンにされた場合に所定時間経過後に立てられるまたは下げられるフラグに基づいて、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたか否かを判断して、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体を強制運転させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことをフラグに基づいて判断することができるので、電源がオンにされた後オフにされた際に、電源がオフの間に制御部が停止しても、強制運転を行うための一連の操作が行われたことを、その後に電源がオンにされた後に制御部により容易に判断することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、電源がオンにされた場合に所定時間経過後に下げられるフラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことにより立てられた状態であるフラグに基づいて、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われた場合にはフラグが立った状態となる。また、電源がオンされ所定時間経過後もオンでありその後オフにされた場合にはフラグが下げられた状態となる。これらにより、電源オフの期間においてフラグを維持することにより、その後、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたか否かを制御部により容易に判断することができる。
【0012】
上記フラグに基づいて電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたか否かを判断する構成の水中電動ポンプにおいて、好ましくは、制御部は、電源がオンにされた場合に所定時間経過後にフラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことにより下げられた状態であるフラグに基づいて、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われた場合にはフラグが下げられた状態となる。また、電源がオンされ所定時間経過後もオンでありその後オフにされた場合にはフラグが立った状態となる。これらにより、電源オフの期間においてフラグを維持することにより、その後、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたか否かを制御部により容易に判断することができる。
【0013】
上記第1の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、制御部は、電源がオンにされてからオフにされるまでの時間を計測して記録するとともに、その後電源がオンにされた場合に、記録した電源がオンにされてからオフにされるまでの時間が所定時間内であることに基づいて、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことを、計測して記録された時間に基づいて制御部により判断することができる。
【0014】
上記第1の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、制御部は、水中電動ポンプ本体を強制運転させた場合に、所定の運転時間経過後に強制運転を停止させるように構成されている。このように構成すれば、水位が低い場合に強制運転をさせた場合に、所定の運転時間経過後に強制運転が停止されるので、ユーザが電源をオフにするのを忘れた場合でも、水が少ない状態で運転される空運転の時間が長くなるのを抑制することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、制御部は、水中電動ポンプ本体を強制運転させた場合に、所定の運転時間経過後に水位が高いと判断した場合に、水中電動ポンプ本体の運転を継続させるように構成されている。このように構成すれば、強制運転により水中電動ポンプが設置された場所の排水を行うことができる。
【0016】
上記第1の局面による水中電動ポンプにおいて、好ましくは、制御部は、電源がオンにされてから第1時間経過後、かつ、第1時間経過後にさらに第2時間経過して所定時間が経過するよりも前に、電源がオフにされた操作が行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、第1時間よりも短い時間において、電源がオンされその後オフにされる操作が行われるのを抑制することができるので、短時間操作による誤作動を抑制することができるとともに、短時間の電源のオンおよびオフに起因する電気的な構成に負荷がかかるのを抑制することができる。
【0017】
この発明の第2の局面による水中電動ポンプシステムは、第1制御部を含む第1水中電動ポンプと、第2制御部を含む第2水中電動ポンプと、第1水中電動ポンプに設けられた第1通信部と、第2水中電動ポンプに設けられ、第1通信部と無線通信を行う第2通信部と、を備え、第1制御部および第2制御部は、第1通信部および第2通信部の無線通信に基づいて、第1水中電動ポンプおよび第2水中電動ポンプを交互に運転させる制御を行うように構成されており、第1制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、第1水中電動ポンプを強制運転させるように構成されており、第2制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、第2水中電動ポンプを強制運転させるように構成されている。
【0018】
この発明の第2の局面による水中電動ポンプシステムでは、上記のように、交互運転される水中電動ポンプシステムにおいて、第1制御部および第2制御部を、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、第1水中電動ポンプおよび第2水中電動ポンプをそれぞれ強制運転させるように構成する。これにより、ユーザは水中電動ポンプの電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、交互運転の順番や水位に関わらず、水中電動ポンプを単独で起動させることできるので、水中電動ポンプを単体で強制運転させることが可能な水中電動ポンプシステムを提供することができる。これにより、水中電動ポンプの運転状態を確かめるための試運転を容易に行うことができる。また、ユーザは水中電動ポンプの電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、強制運転を行うことができるので、強制運転のための専用のボタンを設ける必要がない。これにより、装置構成が複雑化するのを抑制しつつ、水中電動ポンプを単体で強制運転させることができる。
【0019】
上記第2の局面による水中電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、第1制御部は、電源がオンにされた場合に、待機時間経過後に第1通信部により第2水中電動ポンプの第2通信部と無線通信を行い、第1通信部による第2水中電動ポンプの第2通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、待機時間よりも短い時間である前記所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、第1水中電動ポンプを強制運転させるように構成されており、第2制御部は、電源がオンにされた場合に、待機時間経過後に第2通信部により第1水中電動ポンプの第1通信部と無線通信を行い、第2通信部による第1水中電動ポンプの第1通信部との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、待機時間よりも短い時間である所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、第2水中電動ポンプを強制運転させるように構成されている。このように構成すれば、待機時間経過後に第1通信部および第2通信部により無線通信が開始されるので、水中電動ポンプを強制運転させるために、待機時間よりも短い所定時間内に電源をオンにしてオフにし、その後、オンにする際に、交互運転のための第1通信部および第2通信部による通信の開始後に強制運転のための電源のオフ操作が行われるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、水中電動ポンプを単体で強制運転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの全体構成を示した概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による水中電動ポンプの制御的な構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第1動作例を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第2動作例を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第3動作例を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第4動作例を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第4動作例におけるフラグの状態を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態による水中電動ポンプシステムの第1動作例におけるフラグの状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(水中電動ポンプシステムの構成)
図1~
図8を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態による水中電動ポンプシステム100は、タンク1に流入する水を排水するように構成されている。水中電動ポンプシステム100は、
図1に示すように、水中電動ポンプ3aおよび3bを備えている。水中電動ポンプ3aおよび3bは、交流電源2から供給される電力により駆動するように構成されている。水中電動ポンプ3aおよび3bは、同一の構成を有している。水中電動ポンプ3aおよび3bは、各々、水中電動ポンプ本体31と、制御部32と、通信部33と、カバー34と、ポンプ制御回路35(
図2参照)と、モータ36(
図2参照)と、を含んでいる。なお、水中電動ポンプ3aは、特許請求の範囲の「第1水中電動ポンプ」の一例であり、水中電動ポンプ3bは、特許請求の範囲の「第2水中電動ポンプ」の一例である。また、水中電動ポンプ3aの制御部32は、特許請求の範囲の「第1制御部」の一例であり、水中電動ポンプ3bの制御部32は、特許請求の範囲の「第2制御部」の一例である。また、水中電動ポンプ3aの通信部33は、特許請求の範囲の「第1通信部」の一例であり、水中電動ポンプ3bの通信部33は、特許請求の範囲の「第2通信部」の一例である。
【0024】
タンク1は、流入する水を貯留するように構成されている。タンク1に流入した水は、水中電動ポンプ3aおよび3bにより排水される。
【0025】
交流電源2は、水中電動ポンプ3aおよび3bに電力を供給するように構成されている。なお、交流電源2は、商用電力を供給してもよいし、バッテリなどから電力を供給してもよい。交流電源2は、水中電動ポンプ本体31に接続される電源コードおよび電源コードの先端に設けられたプラグを介して水中電動ポンプ本体31に電力を供給する。つまり、プラグが交流電源2に挿入された場合に、水中電動ポンプ本体31に電力が供給され、プラグが交流電源2から抜かれた場合に、水中電動ポンプ本体31への電力の供給が停止される。
【0026】
水中電動ポンプ3aおよび3bは、タンク1内に配置されている。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、タンク1内の水を外部に排水するように構成されている。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、交流電源2から電力が供給させることにより運転するように構成されている。
【0027】
図2に示すように、水中電動ポンプ3a(3b)は、モータ36に交流電源2から交流電力が供給されることにより運転する。制御部32は、水中電動ポンプ3aおよび3b(水中電動ポンプ本体31)の運転を制御する。具体的には、制御部32は、ポンプ制御回路35を介して、モータ36に交流電力を供給する制御を行う。制御部32は、CPU(中央演算処理ユニット)321と、メモリ322とを有している。CPU321は、メモリ322内に記憶された制御プログラムを実行して、水中電動ポンプ本体31の制御を行う。
【0028】
通信部33は、他の水中電動ポンプ3aまたは3bの通信部33と無線通信を行うように構成されている。具体的には、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33とは、互いに無線通信を行うように構成されている。通信部33は、たとえば、Bluetooth(登録商標)規格による通信を行うように構成されている。
【0029】
カバー34は、制御部32、通信部33、ポンプ制御回路35を覆うように構成されている。つまり、制御部32、通信部33、ポンプ制御回路35は、水中電動ポンプ本体31の内部に配置される。カバー34は、水中電動ポンプ本体31の上部に設けられている。つまり、通信部33は、水中電動ポンプ本体31の上部に設けられている。
【0030】
ポンプ制御回路35は、交流電源2からモータ36への電力の供給・停止を制御するように構成されている。具体的には、ポンプ制御回路35は、スイッチ351を制御して、モータ36への電力の供給・停止を制御する。また、ポンプ制御回路35は、交流電源2から供給される電力を変換して制御部32に供給するように構成されている。また、ポンプ制御回路35は、交流電源2から供給される電力を変換して通信部33に供給するように構成されている。
【0031】
ポンプ制御回路35は、コンデンサ、抵抗を含んでいる。また、ポンプ制御回路35は、たとえば、コンデンサおよび抵抗を用いて、交流電源2から供給される電力の電圧を下げて、制御部32および通信部33に電力を供給する。また、ポンプ制御回路35は、トランスを用いて交流電源2から供給される電力の電圧を下げるよう構成してもよい。
【0032】
モータ36は、交流電源2から供給される電力により回転駆動するように構成されている。モータ36は、羽根車を回転させることにより、タンク1から水を吸入して管37を介して吸入した水を吐出させる。
【0033】
制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33の無線通信の可否に基づいて水位を検知するように構成されている。ここで、無線電波は、水中では飛びにくくなるため、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33が水中にある場合には、無線通信ができない状態となる。つまり、制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33による無線通信ができないことに基づいて、タンク1内の水位が、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33よりも上方の位置の水位であることを検知するように構成されている。また、制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33による無線通信ができることに基づいて、タンク1内の水位が、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33よりも下方の位置の水位であることを検知するように構成されている。
【0034】
通信部33の通信は、一方の通信部33からパルス信号を送信し、パルス信号に対する他方の通信部33からの応答信号を一方の通信部33が受信する。つまり、制御部32は、パルス信号の送信に対して応答信号を受信することにより、通信が可能であると判断する。また、制御部32は、パルス信号に対する応答信号を受信しない場合に、通信ができていないと判断する。
【0035】
制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33の無線通信の可否に基づいて検知した水位に基づいて、水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bを交互に運転させる制御を行うように構成されている。つまり、タンク1内の水位がオン水位以上になった(無線通信ができない)ことに基づいて、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち一方が運転されてタンク1内の水を排水させる。その後、タンク1内の水位がオフ水位以下になった(無線通信が再開した)ことに基づいて、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転が停止される。具体的には、無線通信が再開してから、所定時間運転後に、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転が停止される。そして、次に、タンク1内の水位がオン水位以上になった場合は、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち他方が運転されてタンク1内の水を排水させる。その後、同様に水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に運転させながら、タンク1内の水を排水させる。
【0036】
また、水中電動ポンプ3aの制御部32と、水中電動ポンプ3bの制御部32とは、互いに独立して、各々の水中電動ポンプ本体31の運転を制御するように構成されている。つまり、交互運転させる場合に、タンク1内の水位がオン水位以上となった場合に、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち運転させる順番の制御部32は、水中電動ポンプ本体31を運転させるように制御する。また、タンク1内の水位がオン水位以上となった場合でも、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち運転させる順番ではない制御部32は、水中電動ポンプ本体31を運転させない(休止させる)ように制御する。
【0037】
なお、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち運転させる順番ではない制御部32は、タンク1内の水位がオン水位以上となった後、所定時間経過後に、タンク1内の水位がオフ水位以下とならない(無線通信が再開しない)場合に、水中電動ポンプ本体31を運転させるように制御する。つまり、休止中の水中電動ポンプ3aおよび3bの他方は、運転中の水中電動ポンプ3aおよび3bの一方に対して追いかけるようにして運転を開始する。これにより、水中電動ポンプ3aおよび3bの両方により排水が行われる。
【0038】
また、制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33が無線通信したことに基づいて、交互運転の際の運転および休止の順番を決定するように構成されている。
【0039】
具体的には、制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33の無線通信による信号の発信と受信との順番により、水中電動ポンプ3aおよび3bの交互運転の際の運転および休止の順番を決定するように構成されている。
【0040】
また、制御部32は、水中電動ポンプ3aおよび3bの交互運転の際の運転および休止の順番が決定されていない状態において、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33による無線通信ができない場合に、水中電動ポンプ3aおよび3bを運転させるように構成されている。また、制御部32は、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33による無線通信ができるようになった後、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33が無線通信したことに基づいて、交互運転の際の運転および休止の順番を決定するように構成されている。
【0041】
ここで本実施形態では、
図6および
図7に示すように、制御部32は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。つまり、制御部32は、通信部33の無線通信の可否にかかわらず、電源のオンおよびオフの操作により、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。なお、強制運転中に水中電動ポンプ3a(3b)の電源がオフにされると、強制運転が停止される。
【0042】
また、水中電動ポンプ3a(3b)の制御部32は、電源がオンにされた場合に、待機時間Ta経過後に通信部33により他の水中電動ポンプ3b(3a)の通信部33と無線通信を行い、通信部33による他の水中電動ポンプ3b(3a)の通信部33との無線通信に基づいて交互運転制御を行うように構成されている。また、水中電動ポンプ3a(3b)の制御部32は、電源がオンされその後オフにされた操作が、待機時間Taよりも短い時間である所定時間Te内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。なお、待機時間Taは、たとえば、15秒~60秒程度の時間である。
【0043】
また、制御部32は、電源がオンにされた場合に所定時間Te経過後に立てられるまたは下げられるフラグに基づいて、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたか否かを判断して、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させる制御を行うように構成されている。具体的には、
図7に示すように、制御部32は、電源がオンにされた場合に所定時間Te経過後に下げられるフラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたことにより立てられた状態であるフラグに基づいて、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。なお、フラグの状態(立てられているか、または、下げられているか)は、メモリ322に記憶されている。メモリ322の記憶は、電源がオフにされた場合でも保持されるため、電源オン時に制御部32によりフラグの状態を確認することが可能である。
【0044】
また、
図6および
図7に示すように、制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させた場合に、所定の運転時間Tf経過後に強制運転を停止させるように構成されている。
【0045】
また、制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させた場合に、所定の運転時間Tf経過後に水位が高いと判断した場合に、水中電動ポンプ本体31の運転を継続させるように構成されている。なお、水位の判断について、水中電動ポンプ3aおよび3bの通信部33の通信が確立された状態であり、通信部33の通信の可否に基づいて制御部32により判断される。
【0046】
また、制御部32は、電源がオンにされてから第1時間Te1経過後、かつ、第1時間Te1経過後にさらに第2時間Te2経過して所定時間Teが経過するよりも前に、電源がオフにされた操作が行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。つまり、電源がオンにされてから第1時間Te1経過前に電源がオフにされた場合、および、電源がオンにされてから所定時間Te(=第1時間Te1+第2時間Te2)経過後に電源がオフにされた場合は、その後に電源がオンにされたとしても、強制運転は開始されない。なお、第1時間Te1は、たとえば、0.5秒~2秒程度の時間である。また、第2時間Te2は、3秒~10秒程度の時間である。
【0047】
また、制御部32は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われた場合に、電源オフ時の無線信号のレベルを記憶しており、その後電源オンの操作が行われた際に、オン時の無線信号のレベルを、オフ時の無線信号のレベルと比較することにより、オフ時の水位とオン時の水位との変化を取得する。また、制御部32は、オフ時の水位とオン時の水位との変化が所定のしきい値以下であれば、水中電動ポンプ本体31を強制運転させる。一方、制御部32は、オフ時の水位とオン時の水位との変化が所定のしきい値より大きければ、水中電動ポンプ本体31を強制運転させない。これにより、オフ時の水位とオン時の水位との変化が大きく、オフ時からオン時の間に長期間経過している場合に、急に水中電動ポンプ本体31が運転されるのを抑制される。つまり、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われ、その後、すぐに電源をオンにせずに放置されて、オンおよびオフの操作を行ったことを作業者が忘れてた状態において、電源がオンにされた際に、水中電動ポンプ本体31が不意に起動することを抑制することができる。
【0048】
(第1動作例)
図3を参照して、本実施形態の水中電動ポンプシステム100の第1動作例について説明する。第1動作例では、水位が低く水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33とで通信を行える状態において、水中電動ポンプ3aおよび3bの電源がそれぞれオンにされる例について説明する。
【0049】
時間t0において、水中電動ポンプ3aの電源がオンにされる。続いて、時間t1において、水中電動ポンプ3bの電源がオンにされる。水中電動ポンプ3aの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3aの制御部32は、待機時間Ta後の時間t2において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3aの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。水中電動ポンプ3bの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3bの制御部32は、待機時間Ta後の時間t3において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3bの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。
【0050】
この場合、水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t2に通信部33から信号を発信し、時間t2よりも後の時間t3に他の通信部33からの信号を受信するので、水中電動ポンプ3aを先に運転させる先行ポンプとして、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する。また、水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t2に他の通信部33から信号を受信し、時間t2よりも後の時間t3に通信部33から信号を発信するので、水中電動ポンプ3aを先に運転させる後行ポンプとして、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する。
【0051】
時間t4において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信ができなくなる。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位以上であることを検知する。そして、水中電動ポンプ3aの制御部32は、自身が先行ポンプであるため、水中電動ポンプ本体31を運転させる。一方、水中電動ポンプ3bの制御部32は、自身が後行ポンプであるため、水中電動ポンプ本体31を運転させない(休止させる)。
【0052】
時間t5において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信が再開される。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位未満であることを検知する。運転中の水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t5から所定時間Tb経過後の時間t6において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。
【0053】
時間t7において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信ができなくなる。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位以上であることを検知する。そして、水中電動ポンプ3aの制御部32は、自身が前回運転したため、水中電動ポンプ本体31を運転させない(休止させる)。一方、水中電動ポンプ3bの制御部32は、自身が前回休止したため、水中電動ポンプ本体31を運転させる。
【0054】
時間t8において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信が再開される。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位未満であることを検知する。運転中の水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t8から所定時間Tb経過後の時間t9において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。
【0055】
(第2動作例)
図4を参照して、本実施形態の水中電動ポンプシステム100の第2動作例について説明する。第2動作例では、水位が高く水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33とで通信が行えない状態において、水中電動ポンプ3aおよび3bの電源がそれぞれオンにされる例について説明する。
【0056】
時間t10において、水中電動ポンプ3aの電源がオンにされる。続いて、時間t11において、水中電動ポンプ3bの電源がオンにされる。水中電動ポンプ3aの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3aの制御部32は、待機時間Ta後の時間t12において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3aの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。水中電動ポンプ3bの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3bの制御部32は、待機時間Ta後の時間t13において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3bの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。
【0057】
この場合、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33は、タンク1内の水位よりも低い位置にあるため、無線通信ができない。このため、水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bの各々の制御部32は、相手方の通信部33からの信号を受信することができない。その結果、水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bの各々の制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定することができない。
【0058】
水中電動ポンプ3aの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始してから所定時間Tc経過した時間t14において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。水中電動ポンプ3bの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始してから所定時間Tc経過した時間t15において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。
【0059】
時間t16において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信が開始される。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位未満であることを検知する。そして、運転中の水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t16から所定時間Tb経過後の時間t17において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。また、運転中の水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t16から所定時間Tb経過後の時間t17において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。なお、
図4の例では、水中電動ポンプ3bは、水中電動ポンプ3aよりもわずかに遅れて運転が停止される。
【0060】
また、水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t17において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。また、水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t17において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。
図4の例では、ポンプ制御回路35の抵抗およびコンデンサの個体差により、水中電動ポンプ3aの運転停止のタイミングが、水中電動ポンプ3bの運転停止のタイミングよりも早い場合を示す。これにより、水中電動ポンプ3aの通信部33からの信号の発信のタイミングが、水中電動ポンプ3bの通信部33からの信号の発信のタイミングよりも早くなり、水中電動ポンプ3aが先行ポンプとして決定され、水中電動ポンプ3bが後行ポンプとして決定される。なお、タイマー等を用いて運転停止させる場合は、水位が無くなってから水中電動ポンプ3aと水中電動ポンプ3bが運転停止するタイミングが同じになるが、その場合はメモリ322に記憶されている個体識別情報を用いて交互運転の際の運転および休止の順番を決定する。
【0061】
時間t18において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信ができなくなる。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位以上であることを検知する。そして、水中電動ポンプ3aの制御部32は、自身が先行ポンプであるため、水中電動ポンプ本体31を運転させる。一方、水中電動ポンプ3bの制御部32は、自身が後行ポンプであるため、水中電動ポンプ本体31を運転させない(休止させる)。
【0062】
時間t19において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信が再開される。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位未満であることを検知する。運転中の水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t18から所定時間Tb経過後の時間t20において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。
【0063】
(第3動作例)
図5を参照して、本実施形態の水中電動ポンプシステム100の第3動作例について説明する。第3動作例では、水位が高く水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33とで通信が行えない状態の場合に、水中電動ポンプ3aおよび3bを、それぞれ、所定時間運転させる例について説明する。
【0064】
時間t21において、水中電動ポンプ3aの電源がオンにされる。続いて、時間t22において、水中電動ポンプ3bの電源がオンにされる。水中電動ポンプ3aの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3aの制御部32は、待機時間Ta後の時間t23において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3aの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。水中電動ポンプ3bの電源がオンにされ、電力が供給されると、水中電動ポンプ3bの制御部32は、待機時間Ta後の時間t24において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。具体的には、水中電動ポンプ3bの制御部32は、通信部33から信号を発信する制御を行う。
【0065】
この場合、水中電動ポンプ3aの通信部33および水中電動ポンプ3bの通信部33は、タンク1内の水位よりも低い位置にあるため、無線通信ができない。このため、水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bの各々の制御部32は、相手方の通信部33からの信号を受信することができない。その結果、水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bの各々の制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定することができない。
【0066】
水中電動ポンプ3aの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始してから所定時間Tc経過した時間t25において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。水中電動ポンプ3bの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始してから所定時間Tc経過した時間t26において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。
【0067】
水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ本体31を運転させてから所定時間Td経過した時間t27において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させるとともに、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を再開する。水中電動ポンプ3bの制御部32は、水中電動ポンプ本体31を運転させてから所定時間Td経過した時間t28において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させるとともに、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を再開する。なお、第2動作例と同様にポンプ制御回路35の抵抗およびコンデンサの個体差により水中電動ポンプ3aおよび水中電動ポンプ3bの運転停止のタイミングをずらすか、水中電動ポンプ3aと水中電動ポンプ3bが運転停止するタイミングが同じになる場合はメモリ322に記憶されている個体識別情報を用いて交互運転の際の運転および休止の順番の決定を行う。
【0068】
水中電動ポンプ3aの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を再開してから所定時間Tc経過した時間t29において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。水中電動ポンプ3bの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を再開してから所定時間Tc経過した時間t30において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を停止させるとともに、水中電動ポンプ本体31を運転させる。
【0069】
時間t31において、水中電動ポンプ3aの通信部33と、水中電動ポンプ3bの通信部33との通信が開始される。これにより、水中電動ポンプ3aの制御部32および水中電動ポンプ3bの制御部32は、各々、タンク1内の水位がオン水位未満であることを検知する。そして、運転中の水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t31から所定時間Tb経過後の時間t32において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。また、運転中の水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t31から所定時間Tb経過後の時間t32において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。なお、
図5の例では、水中電動ポンプ3bは、水中電動ポンプ3aよりもわずかに遅れて運転が停止される。
【0070】
また、水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t32において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。また、水中電動ポンプ3bの制御部32は、時間t32において、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。
【0071】
(第4動作例)
図6および
図7を参照して、本実施形態の水中電動ポンプシステム100の第4動作例について説明する。第4動作例では、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち、水中電動ポンプ3aを、強制運転させる例について説明する。なお、水中電動ポンプ3bの強制運転についても同様の動作となる。
【0072】
図6に示すように、時間t33において、水中電動ポンプ3aの電源がオンにされる。そして、所定時間Te以内の時間t34において、水中電動ポンプ3aの電源がオフにされる。その後、時間t35において、水中電動ポンプ3aの電源が再びオンにされる。時間t35において、水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させる。水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させてから所定の運転時間Tf後の時間t36において、水中電動ポンプ本体31の運転を停止させる。
【0073】
その後、水中電動ポンプ3aの制御部32は、通常の処理に戻る。つまり、水中電動ポンプ3aの制御部32は、交互運転の際の運転および休止の順番を決定していないため、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。
【0074】
(フラグの説明)
図7および
図8を参照して、上記第4動作例および第1動作例におけるフラグの状態について説明する。
【0075】
図7に示す第4動作例では、水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ3aの電源が時間t33においてオンにされてから第1時間Te1経過後の時間t37において、フラグを立てる。その後、時間t37から第2時間Te2経過前の時間t34において、水中電動ポンプ3aの電源がオフにされる。これにより、時間t37において立てられたフラグは立った状態である。
【0076】
その後、時間t35において、水中電動ポンプ3aの電源が再びオンにされる。時間t35において、水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させる。また、制御部32は、時間t35において、立てられた状態のフラグを下げる。つまり、強制運転が開始されることにより、フラグの状態がリセットされる。
【0077】
図8に示す第1動作例では、水中電動ポンプ3aの制御部32は、水中電動ポンプ3aの電源が時間t0においてオンにされてから第1時間Te1経過後の時間t37において、フラグを立てる。その後、時間t37から第2時間Te2経過後の時間t38において、フラグを下げる。つまり、電源がオンにされてから所定時間Teが経過することにより、フラグの状態がリセットされる。また、水中電動ポンプ3aの制御部32は、時間t0から待機時間Ta経過後の時間t2において、通信部33による通信を開始して、交互運転の際の運転および休止の順番を決定する処理を開始する。
【0078】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0079】
本実施形態では、上記のように、制御部32を、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成する。これにより、ユーザは水中電動ポンプ3a(3b)の電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、交互運転の順番や水位に関わらず、水中電動ポンプ3a(3b)を単独で起動させることできるので、水中電動ポンプ3aおよび3bを単体で強制運転させることができる。これにより、水中電動ポンプ3a(3b)の運転状態を確かめるための試運転を容易に行うことができる。また、ユーザは水中電動ポンプ3a(3b)の電源のオンおよびオフの操作を行うことにより、強制運転を行うことができるので、強制運転のための専用のボタンを設ける必要がない。これにより、装置構成が複雑化するのを抑制しながら、水中電動ポンプ3a(3b)を単体で強制運転させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、電源がオンにされた場合に、待機時間Ta経過後に通信部33により他の水中電動ポンプ3bの通信部33と無線通信を行い、通信部33による他の水中電動ポンプ3bの通信部33との無線通信に基づいて交互運転制御を行うとともに、電源がオンされその後オフにされた操作が、待機時間Taよりも短い時間である所定時間Te内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。これにより、待機時間Ta経過後に通信部33により無線通信が開始されるので、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるために、待機時間Taよりも短い所定時間Te内に電源をオンにしてオフにし、その後、オンにする際に、交互運転のための通信部33による通信の開始後に強制運転のための電源のオフ操作が行われるのを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、電源がオンにされた場合に所定時間Te経過後に立てられるまたは下げられるフラグに基づいて、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたか否かを判断して、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させる制御を行うように構成されている。これにより、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたことをフラグに基づいて判断することができるので、電源がオンにされた後オフにされた際に、電源がオフの間に制御部32が停止しても、強制運転を行うための一連の操作が行われたことを、その後に電源がオンにされた後に制御部32により容易に判断することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、電源がオンにされた場合に所定時間Te経過後に下げられるフラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたことにより立てられた状態であるフラグに基づいて、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。これにより、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われた場合にはフラグが立った状態となる。また、電源がオンされ所定時間Te経過後もオンでありその後オフにされた場合にはフラグが下げられた状態となる。これらにより、電源オフの期間においてフラグを維持することにより、その後、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間Te内に行われたか否かを制御部32により容易に判断することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させた場合に、所定の運転時間Tf経過後に強制運転を停止させるように構成されている。これにより、水位が低い場合に強制運転をさせた場合に、所定の運転時間Tf経過後に強制運転が停止されるので、ユーザが電源をオフにするのを忘れた場合でも、水が少ない状態で運転される空運転の時間が長くなるのを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、水中電動ポンプ本体31を強制運転させた場合に、所定の運転時間Tf経過後に水位が高いと判断した場合に、水中電動ポンプ本体31の運転を継続させるように構成されている。これにより、強制運転により水中電動ポンプ3a(3b)が設置された場所の排水を行うことができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、制御部32は、電源がオンにされてから第1時間Te1経過後、かつ、第1時間Te1経過後にさらに第2時間Te2経過して所定時間Teが経過するよりも前に、電源がオフにされた操作が行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水中電動ポンプ本体31を強制運転させるように構成されている。これにより、第1時間Te1よりも短い時間において、電源がオンされその後オフにされる操作が行われるのを抑制することができるので、短時間操作による誤作動を抑制するとともに、短時間の電源のオンおよびオフに起因する電気的な構成に負荷がかかるのを抑制することができる。
【0086】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0087】
たとえば、上記実施形態では、水中電動ポンプシステムに水中電動ポンプを2台設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、水中電動ポンプシステムに3台以上の水中電動ポンプを設けてもよい。この場合、水中電動ポンプを1台ずつ順番に交互に運転させてもよいし、水中電動ポンプを複数台ずつ順番に交互に運転させてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、複数の水中電動ポンプを交互に運転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、1つの水中電動ポンプを、水中電動ポンプ本体の設置場所の水位に基づいて、運転させてもよい。つまり、制御部は、高い水位を検知した場合に、水中電動ポンプ本体を運転させるともに、低い水位を検知した場合に、水中電動ポンプ本体の運転を停止させる。また、この場合、制御部は、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことに基づいて、その後電源がオンにされた場合に、水位に関わらず、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されている。
【0089】
また、上記実施形態では、制御部は、水中電動ポンプの電源がオンにされるとフラグを立てて、所定時間経過後にフラグを下げる処理を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、水中電動ポンプの電源がオンにされるとフラグを下げて、所定時間経過後にフラグを立てる処理を行ってもよい。つまり、制御部は、電源がオンにされた場合に所定時間経過後にフラグを立てるとともに、電源がオンにされた場合に、電源がオンされその後オフにされた操作が所定時間内に行われたことにより下げられた状態であるフラグに基づいて、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されていてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、制御部は、水中電動ポンプの電源がオンにされるとフラグを立てて、所定時間経過後にフラグを下げる処理を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、電源がオンにされてからオフにされるまでの時間を計測して記録するとともに、その後電源がオンにされた場合に、記録した電源がオンにされてからオフにされるまでの時間が所定時間内であることに基づいて、水中電動ポンプ本体を強制運転させるように構成されていてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、水中電動ポンプに交流電力が供給される構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、水中電動ポンプに直流電力が供給されてもよい。この場合、水中電動ポンプは、直流電力を交流電力に変換する電力変換部を備えていてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、複数の通信部がBluetooth規格により無線通信を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、複数の通信部がBluetooth規格以外の規格により無線通信を行ってもよい。たとえば、複数の通信部がZigBee規格や、WiFi規格などの規格により無線通信を行ってもよい。また、複数の通信部が赤外線通信により無線通信を行ってもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、通信部の無線通信に基づいて水位を検知する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、フロート式や電極式の水位センサにより水位を検知してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、水中電動ポンプをタンク内に配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、水中電動ポンプをタンク以外の排水が必要な領域に配置してもよい。たとえば、池、河川、湖などに水中電動ポンプを配置してもよいし、上水設備または下水設備に水中電動ポンプを配置してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、通信部を水中電動ポンプのカバー内に設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、通信部を水中電動ポンプのカバー外に設けてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、水中電動ポンプの強制運転させた際に、オフ操作が行われない場合の停止までの時間が一定である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無線信号のレベル(水位)に応じて、水中電動ポンプの強制運転の時間を変更してもよい。たとえば、無線信号のレベルが低い(水位が高い)場合には、水中電動ポンプの強制運転の時間を長くしてもよい。また、無線信号のレベルが高い(水位が低い)場合には、水中電動ポンプの強制運転の時間を短くしてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、複数の水中電動ポンプの各々を強制運転させる際に、同様の手順に基づいて操作される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電源がオンされてその後オフにされる操作の時間に応じて強制運転される水中電動ポンプを選択できるようにしてもよい。たとえば、複数の水中電動ポンプのオンおよびオフのスイッチが共通に操作される場合に、オンおよびオフされる操作の時間のしきい値を互いに異なるように設定することにより、いずれか1つの水中電動ポンプを単独で強制運転させることが可能である。
【符号の説明】
【0098】
3a 水中電動ポンプ(第1水中電動ポンプ)
3b 水中電動ポンプ(第2水中電動ポンプ)
31 水中電動ポンプ本体
32 制御部(第1制御部、第2制御部)
33 通信部(第1通信部、第2通信部)
100 水中電動ポンプシステム