(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090527
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】電界効果トランジスタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20220610BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20220610BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20220610BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220610BHJP
H01L 21/266 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/06 301D
H01L29/06 301V
H01L29/78 658A
H01L29/78 658E
H01L21/265 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202971
(22)【出願日】2020-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植茶 雅史
(57)【要約】
【課題】 スーパージャンクション領域を有する電界効果トランジスタの製造方法であって、オン抵抗のばらつきが生じ難い製造方法を提案する。
【解決手段】 電界効果トランジスタの製造方法であって、エピタキシャル成長工程と不純物注入工程とを交互に複数回繰り返すスーパージャンクション領域形成工程を有している。前記エピタキシャル成長工程では、第1導電型のエピタキシャル層を成長させる。前記不純物注入工程は、前記エピタキシャル成長工程で成長させた前記エピタキシャル層に第2導電型の不純物を注入する。前記特定エピタキシャル層内の各注入領域の最大幅が、他の前記エピタキシャル層内の前記各注入領域の最大幅よりも広い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界効果トランジスタの製造方法であって、
前記電界効果トランジスタが、
ボディ領域と、
前記ボディ領域の下側に配置されているスーパージャンクション領域、
を有しており、
前記スーパージャンクション領域が、第1導電型の複数の第1領域と第2導電型の複数の第2領域とが横方向に交互に配置された構造を有しており、
前記製造方法が、エピタキシャル成長工程と不純物注入工程とを交互に複数回繰り返すスーパージャンクション領域形成工程を有しており、
前記エピタキシャル成長工程は、第1導電型のエピタキシャル層を成長させる工程であり、
前記不純物注入工程は、前記エピタキシャル成長工程で成長させた前記エピタキシャル層に第2導電型の不純物を注入することによって、複数の注入領域と複数の非注入領域が前記横方向に交互に配置されるように前記注入領域と前記非注入領域を形成する工程であり、
前記注入領域は、前記エピタキシャル層のうちの前記不純物注入工程において第2導電型に変化した領域であり、
前記非注入領域は、前記エピタキシャル層のうちの前記不純物注入工程において第1導電型に維持された領域であり、
前記スーパージャンクション領域形成工程が、
・前記各エピタキシャル成長工程で成長される前記エピタキシャル層が積層される、
・積層された前記各エピタキシャル層内の前記非注入領域が前記エピタキシャル層の積層方向に互いに繋がることによって前記第1領域が形成される、
・積層された前記各エピタキシャル層内の前記注入領域が前記積層方向に互いに繋がることによって前記第2領域が形成される、
・前記エピタキシャル層のうちの少なくとも1つを特定エピタキシャル層としたときに、前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域の最大幅が、他の前記エピタキシャル層内の前記各注入領域の最大幅よりも広い、
という条件を満たすように実施される、
製造方法。
【請求項2】
前記スーパージャンクション領域形成工程が、上側の前記エピタキシャル層ほど前記各注入領域の最大幅が広くなるという条件を満たすように実施される、請求項1の製造方法。
【請求項3】
前記第1導電型がn型であり、
前記第2導電型がp型であり、
前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域内のp型の不純物の濃度が、前記他のエピタキシャル層内の前記各注入領域内のp型の不純物の濃度よりも低い、請求項1または2の製造方法。
【請求項4】
前記第1導電型がn型であり、
前記第2導電型がp型であり、
前記特定エピタキシャル層内の前記各非注入領域内のn型の不純物の濃度が、前記他のエピタキシャル層内の前記各非注入領域内のn型の不純物の濃度よりも高い、請求項1~3のいずれか一項の製造方法。
【請求項5】
前記第1導電型がp型であり、
前記第2導電型がn型であり、
前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域内のn型の不純物の濃度が、前記他のエピタキシャル層内の前記各注入領域内のn型の不純物の濃度よりも低い、請求項1または2の製造方法。
【請求項6】
前記第1導電型がp型であり、
前記第2導電型がn型であり、
前記特定エピタキシャル層内の前記各非注入領域内のp型の不純物の濃度が、前記他のエピタキシャル層内の前記各非注入領域内のp型の不純物の濃度よりも高い、請求項1~3のいずれか一項の製造方法。
【請求項7】
前記各不純物注入工程では、前記エピタキシャル層に対して深さを変えながら複数回第2導電型の不純物を注入する、請求項1~6のいずれか一項の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、電界効果トランジスタに関する。
【0002】
特許文献1に開示の電界効果トランジスタは、ボディ領域の下側にスーパージャンクション領域を有している。スーパージャンクション領域は、複数のp型領域と複数のn型領域とが横方向に交互に配置された構造を有している。スーパージャンクション構造によれば、n型領域を容易に空乏化することができ、高い耐圧を実現することができる。したがって、n型領域のn型不純物濃度を高くすることが可能であり、低いオン抵抗を実現することができる。特許文献1には、エピタキシャル成長工程と不純物注入工程とを交互に複数回繰り返すことでスーパージャンクション領域を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エピタキシャル成長工程と不純物注入工程とを交互に複数回繰り返すことでスーパージャンクション領域を形成する製造方法では、量産される電界効果トランジスタの間でオン抵抗にばらつきが生じ易い。
図19、20は、各エピタキシャル層900の間で、p型領域902とn型領域904の幅が等しい場合を示している。
図19は、各エピタキシャル層900の間でp型領域902とn型領域904に位置ずれが無い場合を示しており、
図20は、各エピタキシャル層900の間でp型領域902とn型領域904に位置ずれがある場合を示している。
図19に示すように位置ずれが無い場合には、n型領域904の幅W1全体で、電流が厚み方向(エピタキシャル層の積層方向)に沿って流れることができる。他方、
図20に示すように位置ずれがある場合には、n型領域904の幅W1のうちの幅W2のみで、電流が厚み方向に沿って流れることができる。すなわち、
図20では、
図19よりも、電流が厚み方向に沿って流れることができる範囲が狭い。したがって、
図20では、
図19よりも、電界効果トランジスタのオン抵抗が高くなる。このように、p型領域902及びn型領域904の位置ずれの量によって、電界効果トランジスタのオン抵抗が変化する。このため、電界効果トランジスタの量産時に、電界効果トランジスタの間でオン抵抗にばらつきが生じ易い。また、
図21、22は、各エピタキシャル層900の中でp型領域902とn型領域904の幅が変化している場合を示している。なお、各エピタキシャル層900の間では、p型領域902の最大幅Wpとn型領域904の最小幅Wnは等しい。この場合でも、位置ずれが無い場合には
図21のようにn型領域904の最小幅Wn全体で電流が厚み方向に沿って流れることができるのに対し、位置ずれが有る場合には
図22のように最小幅Wnよりも狭い幅W3のみで、電流が厚み方向に沿って流れることができる。したがって、位置ずれによって、電界効果トランジスタの間でオン抵抗にばらつきが生じ易い。なお、この問題は、p型領域902を不純物注入で形成する場合でも、n型領域904を不純物注入で形成する場合でも、同様に生じる。本明細書では、スーパージャンクション領域を有する電界効果トランジスタの製造方法であって、オン抵抗のばらつきが生じ難い製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する電界効果トランジスタの製造方法では、ボディ領域と、前記ボディ領域の下側に配置されているスーパージャンクション領域、を有する電界効果トランジスタを製造する。前記スーパージャンクション領域が、第1導電型の複数の第1領域と第2導電型の複数の第2領域とが横方向に交互に配置された構造を有している。前記製造方法が、エピタキシャル成長工程と不純物注入工程とを交互に複数回繰り返すスーパージャンクション領域形成工程を有している。前記エピタキシャル成長工程は、第1導電型のエピタキシャル層を成長させる工程である。前記不純物注入工程は、前記エピタキシャル成長工程で成長させた前記エピタキシャル層に第2導電型の不純物を注入することによって、複数の注入領域と複数の非注入領域が前記横方向に交互に配置されるように前記注入領域と前記非注入領域を形成する。前記注入領域は、前記エピタキシャル層のうちの前記不純物注入工程において第2導電型に変化した領域である。前記非注入領域は、前記エピタキシャル層のうちの前記不純物注入工程において第1導電型に維持された領域である。前記スーパージャンクション領域形成工程が、・前記各エピタキシャル成長工程で成長される前記エピタキシャル層が積層される、・積層された前記各エピタキシャル層内の前記非注入領域が前記エピタキシャル層の積層方向に互いに繋がることによって前記第1領域が形成される、・積層された前記各エピタキシャル層内の前記注入領域が前記積層方向に互いに繋がることによって前記第2領域が形成される、・前記エピタキシャル層のうちの少なくとも1つを特定エピタキシャル層としたときに、前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域の最大幅が、他の前記エピタキシャル層内の前記各注入領域の最大幅よりも広い、という条件を満たすように実施される。
【0006】
なお、本明細書において、注入領域の最大幅は、注入領域の幅を厚み方向の各位置で測定した値の中で最大値を意味する。各エピタキシャル層内で注入領域の幅が厚み方向の位置によって変化している場合には、厚み方向の位置によって変化している幅の中の最大値が注入領域の最大幅である。
【0007】
また、本明細書において、第1導電型はn型とp型のいずれか一方であり、第2導電型はn型とp型の他方である。第1導電型がn型の場合には第2導電型はp型であり、第1導電型がp型の場合には第2導電型はn型である。
【0008】
また、複数の第1領域と複数の第2領域は所定の位置において横方向に交互に配置されている。但し、他の位置(例えば、半導体基板の外周部)においては複数の第1領域が互いに繋がっていてもよいし、複数の第2領域が互いに繋がっていてもよい。
【0009】
また、複数の注入領域と複数の非注入領域は所定の位置において横方向に交互に配置されている。但し、他の位置(例えば、半導体基板の外周部)においては複数の注入領域が互いに繋がっていてもよいし、複数の非注入領域が互いに繋がっていてもよい。
【0010】
この製造方法では、特定エピタキシャル層内の各注入領域の最大幅が、他のエピタキシャル層内の各注入領域の最大幅よりも広いという条件を満たすようにスーパージャンクション領域形成工程が実施される。
図23、24は、注入領域802がp型であり、非注入領域804がn型である場合を示している。
図23に示すように、特定エピタキシャル層800a内の各注入領域802aの最大幅が他のエピタキシャル層800b内の各注入領域802bの最大幅よりも広い。したがって、特定エピタキシャル層800a内の各非注入領域804aの幅W3が他のエピタキシャル層800b内の各非注入領域804bの幅W4よりも狭い。この場合、
図24のように、注入領域802aに対して注入領域802bの位置がずれたとしても、電流が厚み方向に沿って流れることが可能な範囲の幅は幅W3で変わらない。すなわち、位置ずれが生じても、電流が厚み方向に沿って流れることが可能な範囲の幅がほとんど変化しない。また、
図25、26は、注入領域802がn型であり、非注入領域804がp型である場合を示している。この場合は、注入領域802aに対して注入領域802bの位置がずれたとしても、電流が厚み方向に沿って流れることが可能な範囲の幅は幅W5で変わらない。
図23~26で説明したように、この製造方法によれば、各注入領域の位置にずれが生じたとしても、電流が厚み方向に沿って流れることが可能な範囲の幅が変化し難い。したがって、この製造方法によれば、量産時に電界効果トランジスタの間でオン抵抗のばらつきが生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態のMOSFETの断面図と、A-A線の位置におけるn型領域44のn型不純物濃度分布と、B-B線の位置におけるp型領域42のp型不純物濃度分布を示す図。
【
図2】MOSFETの製造方法を示すフローチャート。
【
図4】実施例1のステップS4a(エピタキシャル成長工程)の説明図。
【
図5】実施例1のステップS4b(不純物注入工程)の説明図。
【
図6】実施例1のステップS4a(エピタキシャル成長工程)の説明図。
【
図7】実施例1のステップS4b(不純物注入工程)の説明図。
【
図8】実施例1で形成されるスーパージャンクション領域40の断面図と、A-A線の位置におけるn型領域44のn型不純物濃度分布と、B-B線の位置におけるp型領域42のp型不純物濃度分布を示す図。
【
図9】比較例のスーパージャンクション領域(ずれが無い場合)を示す断面図。
【
図10】比較例のスーパージャンクション領域(ずれが有る場合)を示す断面図。
【
図11】実施例1で形成されるスーパージャンクション領域40(ずれが有る場合)を示す断面図。
【
図12】実施例1で製造されるMOSFETにおける空乏層の伸びを示す断面図。
【
図13】エピタキシャル層60a~60eでp型領域42の幅が細い例を示す断面図。
【
図14】実施例2のステップS4b(不純物注入工程)の説明図。
【
図15】実施例2で形成されるスーパージャンクション領域40を示す断面図。
【
図16】実施例3のステップS4a(エピタキシャル成長工程)の説明図。
【
図17】実施例3のステップS4b(不純物注入工程)の説明図。
【
図18】実施例3で形成されるスーパージャンクション領域40の断面図と、A-A線の位置におけるn型領域44のn型不純物濃度分布と、B-B線の位置におけるp型領域42のp型不純物濃度分布を示す図。
【
図19】各エピタキシャル層において、p型領域902の幅が互いに等しい場合を示す断面図。
【
図21】各エピタキシャル層において、p型領域902の最大幅が互いに等しい場合を示す断面図。
【
図23】各エピタキシャル層において、p型の注入領域802aの幅が注入領域802bの幅よりも広い場合を示す断面図。
【
図25】各エピタキシャル層において、n型の注入領域802aの幅が注入領域802bの幅よりも広い場合を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書が開示する技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
【0013】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記スーパージャンクション領域形成工程が、上側の前記エピタキシャル層ほど前記各注入領域の最大幅が広くなるという条件を満たすように実施されてもよい。
【0014】
図23のように、最大幅が狭いp型領域が連続していると、p型領域同士の間で大きい位置ずれが生じた場合に、p型領域同士が互いから分離されるおそれがある。同様に、最大幅が狭いn型領域が連続していると、n型領域同士の間で大きい位置ずれが生じた場合に、n型領域同士が互いから分離されるおそれがある。これに対し、上側のエピタキシャル層ほど各注入領域の最大幅が広くなる構成では、最大幅が異なる注入領域同士が隣接するとともに最大幅が異なる非注入領域同士が隣接することになる。したがって、隣接するp型領域同士の間で大きい位置ずれが生じたとしても、p型領域同士が互いから分離され難い。また、隣接するn型領域同士の間で大きい位置ずれが生じたとしても、n型領域同士が互いから分離され難い。したがって、位置ずれによるスーパージャンクション領域の形成不良の発生を抑制できる。なお、エピタキシャル層の積層厚さが厚くなると、アライメントマークが不鮮明となり、注入領域の形成精度が低下する。したがって、上側のエピタキシャル層ほど、最下部のエピタキシャル層に対して注入領域及び非注入領域の位置ずれが大きくなり易い。このため、上側のエピタキシャル層ほど各注入領域の最大幅を広くすることで、位置ずれによるスーパージャンクション領域の形成不良の発生をより効果的に抑制できる。
【0015】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1導電型がn型であり、前記第2導電型がp型であり、前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域内のp型の不純物の濃度が前記他のエピタキシャル層内の前記各注入領域内のp型の不純物の濃度よりも低くてもよい。
【0016】
この構成によれば、特定エピタキシャル層内では、他のエピタキシャル層内よりも、p型の各注入領域からn型の各非注入領域に空乏層が伸び難い。つまり、特定エピタキシャル層内の幅が狭い非注入領域に、他のエピタキシャル層内の幅が広い非注入領域よりも、空乏層が伸び難い。その結果、電界効果トランジスタがオフするときに、特定エピタキシャル層内の幅が狭い非注入領域と他のエピタキシャル層内の幅が広い非注入領域とが近いタイミングで空乏化される。これによって、スーパージャンクション領域内での電解集中が抑制され、電界効果トランジスタの耐圧が向上する。
【0017】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1導電型がn型であり、前記第2導電型がp型であり、前記特定エピタキシャル層内の前記各非注入領域内のn型の不純物の濃度が、前記他のエピタキシャル層内の前記各非注入領域内のn型の不純物の濃度よりも高くてもよい。
【0018】
この構成によれば、特定エピタキシャル層内では、他のエピタキシャル層内よりも、p型の各注入領域からn型の各非注入領域に空乏層が伸び難い。つまり、特定エピタキシャル層内の幅が狭い非注入領域に、他のエピタキシャル層内の幅が広い非注入領域よりも、空乏層が伸び難い。その結果、電界効果トランジスタがオフするときに、特定エピタキシャル層内の幅が狭い非注入領域と他のエピタキシャル層内の幅が広い非注入領域とが近いタイミングで空乏化される。これによって、スーパージャンクション領域内での電解集中が抑制され、電界効果トランジスタの耐圧が向上する。
【0019】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1導電型がp型であり、前記第2導電型がn型であり、前記特定エピタキシャル層内の前記各注入領域内のn型の不純物の濃度が前記他のエピタキシャル層内の前記各注入領域内のn型の不純物の濃度よりも低くてもよい。
【0020】
この構成によれば、スーパージャンクション領域内での電解集中が抑制され、電界効果トランジスタの耐圧が向上する。
【0021】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記第1導電型がp型であり、前記第2導電型がn型であり、前記特定エピタキシャル層内の前記各非注入領域内のp型の不純物の濃度が前記他のエピタキシャル層内の前記各非注入領域内のp型の不純物の濃度よりも高くてもよい。
【0022】
この構成によれば、スーパージャンクション領域内での電解集中が抑制され、電界効果トランジスタの耐圧が向上する。
【0023】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記各不純物注入工程では、前記エピタキシャル層に対して深さを変えながら複数回第2導電型の不純物を注入してもよい。
【0024】
図1に示すMOSFET10(metal oxide semiconductor field effect transistor)は、半導体基板12を有している。半導体基板12は、SiC(炭化シリコン)により構成されている。例えば、4H-SiCを半導体基板12として用いることができる。但し、半導体基板12は、他の化合物半導体により構成されていてもよいし、Si(シリコン)により構成されていてもよい。
【0025】
半導体基板12の上面12aには、複数のトレンチ14が設けられている。各トレンチ14は、互いに平行に伸びている。各トレンチ14の内面は、ゲート絶縁膜16により覆われている。各トレンチ14内に、ゲート電極18が設けられている。各ゲート電極18は、ゲート絶縁膜16によって半導体基板12から絶縁されている。各ゲート電極18の上面は、層間絶縁膜20によって覆われている。半導体基板12の上部に、ソース電極90が設けられている。ソース電極90は、層間絶縁膜20と半導体基板12の上面12aを覆っている。ソース電極90は、層間絶縁膜20が存在しない範囲で半導体基板12の上面12aに接している。ソース電極90は、層間絶縁膜20によって各ゲート電極18から絶縁されている。半導体基板12の下面12bは、ドレイン電極92により覆われている。
【0026】
半導体基板12は、複数のソース領域30、ボディ領域32、スーパージャンクション領域40、底部ドリフト領域34、及び、ドレイン領域36を有している。
【0027】
各ソース領域30は、n型であり、ゲート絶縁膜16及びソース電極90に接する位置に配置されている。各ソース領域30は、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18に対向している。各ソース領域30は、ソース電極90にオーミック接触している。
【0028】
ボディ領域32は、p型であり、ソース領域30の側方とソース領域30の下側に設けられている。ボディ領域32は、コンタクト領域32aと低濃度領域32bを有している。コンタクト領域32aは、低濃度領域32bよりも高いp型不純物濃度を有している。コンタクト領域32aは、ソース電極90に接する位置に配置されている。コンタクト領域32aは、ソース電極90にオーミック接触している。低濃度領域32bは、ソース領域30及びコンタクト領域32aの下側に配置されている。低濃度領域32bは、ソース領域30の下側でゲート絶縁膜16に接している。
【0029】
スーパージャンクション領域40は、複数のp型領域42と複数のn型領域44とが横方向(すなわち、半導体基板12の上面12aに平行な方向)に沿って交互に繰り返し配置された領域である。スーパージャンクション領域40は、ボディ領域32(より詳細には、低濃度領域32b)の下側に配置されている。各p型領域42は、低濃度領域32bから下側に伸びている。各p型領域42は、コンタクト領域32aの下方に配置されており、ゲート絶縁膜16に接していない。各p型領域42のp型不純物濃度は、各コンタクト領域32aのp型不純物濃度よりも低い。各n型領域44は、ソース領域30とトレンチ14の下部に配置されている。各n型領域44は、低濃度領域32bの下側でゲート絶縁膜16に接している。各n型領域44は、ボディ領域32によってソース領域30から分離されている。各n型領域44のn型不純物濃度は、各ソース領域30のn型不純物濃度よりも低い。各p型領域42と各n型領域44は、半導体基板12の厚み方向に沿って長く伸びている。
【0030】
各p型領域42の幅は、上側ほど広くなっている。各n型領域44の幅は、上側ほど狭くなっている。
図1は、A-A線の位置におけるn型領域44の厚み方向(深さ方向)におけるn型不純物濃度と、B-B線の位置におけるp型領域42の厚み方向におけるp型不純物濃度の分布を示している。n型領域44内のn型不純物濃度は、上側ほど高くなっている。すなわち、n型領域44内のn型不純物濃度は、n型領域44の幅が狭い位置ほど高くなっている。p型領域42内のp型不純物濃度は、上側ほど低くなっている。すなわち、p型領域42内のp型不純物濃度は、p型領域42の幅が狭い位置ほど高くなっている。
【0031】
底部ドリフト領域34は、n型であり、スーパージャンクション領域40の下側に配置されている。底部ドリフト領域34は、各p型領域42及び各n型領域44に対して下側から接している。底部ドリフト領域34のn型不純物濃度は、各ソース領域30のn型不純物濃度よりも低い。
【0032】
ドレイン領域36は、n型領域であり、底部ドリフト領域34の下側に配置されている。ドレイン領域36のn型不純物濃度は、底部ドリフト領域34のn型不純物濃度、及び、各n型領域44のn型不純物濃度よりも高い。ドレイン領域36は、底部ドリフト領域34に対して下側から接している。ドレイン領域36は、ドレイン電極92にオーミック接触している。
【0033】
各ゲート電極18にゲート閾値以上の電位を印加すると、ゲート絶縁膜16に接する範囲内でボディ領域32にチャネルが形成される。チャネルによって、各ソース領域30と各n型領域44が接続される。この状態で、ドレイン電極92にソース電極90よりも高い電位を印加すると、ソース電極90から、各ソース領域30、各チャネルを介して各n型領域44に電子が流入する。各n型領域44内の電子は、底部ドリフト領域34とドレイン領域36を介してドレイン電極92へ流れる。このように電子が流れることで、MOSFET10がオンする。各ゲート電極18の電位をゲート閾値未満の電位まで低下させると、チャネルが消失し、MOSFET10がオフする。MOSFET10がオフすると、ボディ領域32及び各p型領域42から各n型領域44に空乏層が進展する。このように進展した空乏層によって、ドレイン電極92とソース電極90の間に印加されている電圧が保持される。スーパージャンクション領域40では、ボディ領域32だけでなく各p型領域42からも各n型領域44へ空乏層が進展するので、各n型領域44が空乏化され易い。したがって、スーパージャンクション領域40を有するMOSFET10では、スーパージャンクション領域を有さないMOSFETに比べて、電流経路(すなわち、n型領域44)のn型不純物濃度を高くすることができる。このため、MOSFET10のオン抵抗は低い。
【0034】
次に、実施例1として、MOSFET10の製造方法を説明する。なお、以下に説明する製造方法は、スーパージャンクション領域40の形成工程に特徴を有するので、当該工程について主に説明する。
【実施例0035】
図2は、実施例1の製造方法を示している。実施例1の製造方法では、まず、ステップS2において、
図3に示すように、ドレイン領域36を構成する半導体基板12上に、底部ドリフト領域34をエピタキシャル成長させる。
【0036】
次に、ステップS4において、底部ドリフト領域34上に、スーパージャンクション領域40を形成する。ステップS4では、エピタキシャル成長工程(ステップS4a)と不純物注入工程(ステップS4b)を実施する。ステップS4aとステップS4bは、ステップS4cで繰り返し回数が6回と判定されるまで繰り返される。但し、ステップS4aとステップS4bの繰り返し回数は任意である。すなわち、ステップS4aとステップS4bは、交互に繰り返し実施される。
【0037】
ステップS4aでは、半導体基板12上に、エピタキシャル層を成長させる。実施例1では、ステップS4aでn型のエピタキシャル層60を成長させる。ステップS4bでは、直前のステップS4aで成長させたエピタキシャル層60に不純物をイオン注入することによって、そのエピタキシャル層60内に複数の注入領域を形成する。実施例1では、ステップS4bで、p型の不純物を注入する。ステップS4a、S4bを交互に繰り返すことで、エピタキシャル層60が積層されるとともに、各エピタキシャル層60内に注入領域が形成される。以下、ステップS4a、S4bについて、詳細に説明する。
【0038】
最初のステップS4aでは、
図4に示すように、底部ドリフト領域34上にn型のエピタキシャル層60aを成長させる。
【0039】
最初のステップS4bでは、
図5に示すように、直前のステップS4aで形成されたエピタキシャル層60aの表面に、複数の開口部62aを有するマスク62を形成する。複数の開口部62aは、横方向に沿って一定間隔で設けられている。次に、マスク62を介してエピタキシャル層60aにp型不純物をイオン注入する。ここでは、注入深さを変えながら複数回p型不純物を注入することによって、
図5に示す注入領域72a~72cを形成する。注入領域72a~72cが互いに繋がることで、エピタキシャル層60の上面から下面まで連続するp型の注入領域72が形成される。マスク62には複数の開口部62aが設けられているので、エピタキシャル層60a内に複数の注入領域72が形成される。また、エピタキシャル層60aのうちのp型に変化しなかった領域(すなわち、n型に維持された領域)を、以下では、非注入領域74という。
図5に示すように、エピタキシャル層60a内に、複数の注入領域72と複数の非注入領域74が横方向に交互に配置される。
【0040】
2回目のステップS4aでは、
図6に示すように、注入領域72が形成されたエピタキシャル層60a上に、n型のエピタキシャル層60bを成長させる。ここでは、エピタキシャル層60aよりもn型不純物濃度が高いエピタキシャル層60bを成長させる。
【0041】
2回目のステップS4bでは、
図7に示すように、直前のステップS4aで形成されたエピタキシャル層60bの表面に、
図5と同様に、マスク62を形成する。ここでは、エピタキシャル層60a内の注入領域72の真上に開口部62aが位置するように、マスク62を形成する。また、ここでは、
図5よりも開口部62aの幅が広くなるように、マスク62を形成する。すなわち、エピタキシャル層60a内の注入領域72よりも開口部62aの幅が広くなるように、マスク62を形成する。次に、マスク62を介してエピタキシャル層60bにp型不純物をイオン注入する。ここでは、1回目のステップS4bと同様に、注入深さを変えながら複数回p型不純物を注入することによって、注入領域72a~72cを形成する。注入領域72a~72cが互いに繋がることで、エピタキシャル層60bの上面から下面まで連続するp型の注入領域72を形成される。すなわち、エピタキシャル層60b内に、複数の注入領域72と複数の非注入領域74が形成される。エピタキシャル層60b内に、複数の注入領域72と複数の非注入領域74が横方向に交互に配置される。
図7では
図5よりも各開口部62aの幅が広いので、エピタキシャル層60b内の各注入領域72の幅は、エピタキシャル層60a内の各注入領域72の幅よりも広くなる。このため、エピタキシャル層60b内の各非注入領域74の幅は、エピタキシャル層60a内の各非注入領域74の幅よりも狭くなる。また、2回目のステップS4bでは、1回目のステップS4bよりも低い濃度でp型不純物を注入する。したがって、エピタキシャル層60b内の各注入領域72のp型不純物濃度は、エピタキシャル層60a内の各注入領域72のp型不純物濃度よりも低い。また、上述したように、2回目のステップS4aで形成されるエピタキシャル層60bのn型不純物濃度は、1回目のステップS4aで形成されるエピタキシャル層60aのn型不純物濃度よりも高い。したがって、エピタキシャル層60b内の各非注入領域74のn型不純物濃度は、エピタキシャル層60a内の各非注入領域74のn型不純物濃度よりも高い。
【0042】
このように、ステップS4aは、前回のステップS4aよりもn型不純物濃度が高いエピタキシャル層60を形成するという条件を満たすように実施される。また、ステップS4bは、前回のステップS4bよりも幅が広く、かつ、p型不純物濃度が低い注入領域72を形成するという条件を満たすように、実施される。これらの条件を満たすようにステップS4aとステップS4bが6回繰り返される。これによって、
図8に示すように、スーパージャンクション領域40が形成される。
図8に示すように、繰り返されるステップS4aのそれぞれで形成されたエピタキシャル層60a~60fが、縦方向に積層される。また、繰り返されるステップS4bのぞれぞれで形成されたp型の注入領域72が、縦方向(半導体基板12の厚み方向)に繋がることで、p型領域42が形成される。また、非注入領域74が縦方向に繋がることで、n型領域44が形成される。このため、複数のp型領域42と複数のn型領域44が横方向に交互に配置されたスーパージャンクション領域40が得られる。
【0043】
注入領域72は上側のエピタキシャル層60ほど幅が広くなるように形成されるので、p型領域42の幅は上側ほど広くなる。注入領域72は上側のエピタキシャル層60ほどp型不純物濃度が低くなるように形成されるので、p型領域42内のp型不純物濃度は上側ほど低くなる。したがって、p型領域42(すなわち、注入領域72)では、幅が狭い部分ほどp型不純物濃度が高くなる。
【0044】
注入領域72は上側のエピタキシャル層60ほど幅が広くなるので、非注入領域74は上側のエピタキシャル層60ほど幅が狭くなる。したがって、n型領域44の幅は上側ほど狭くなる。また、エピタキシャル層60(すなわち、非注入領域74)は上側ほどn型不純物濃度が高くなるように形成されるので、n型領域44内のn型不純物濃度は上側ほど高くなる。したがって、n型領域44(すなわち、非注入領域74)では、幅が狭い部分ほどn型不純物濃度が高くなる。
【0045】
図2に示すように、ステップS4でスーパージャンクション領域40を形成したら、ステップS6において、ボディ領域32、ソース領域30、トレンチ14、ゲート絶縁膜16、ゲート電極18、層間絶縁膜20、ソース電極90、及び、ドレイン電極92を形成する。以上の工程によって、
図1に示すMOSFET10が完成する。
【0046】
この製造方法によれば、最上部のエピタキシャル層60f内のp型領域42の幅(すなわち、最大幅)が、他のエピタキシャル層60a~60e内のp型領域42の幅(すなわち、最大幅)よりも広くなる。このため、この製造方法によってMOSFET10を量産する場合に、量産されるMOSFET10の間でオン抵抗のばらつきを抑制することができる。すなわち、全てのエピタキシャル層60においてp型領域42の幅が等しいと、
図9のようにエピタキシャル層60の間でp型領域42の位置にずれが生じていない場合には、積層方向に電流が流れることが可能な範囲の幅Waが広い。これに対し、
図10のようにエピタキシャル層60の間でp型領域42の位置が横方向にずれた場合には、積層方向に電流が流れることが可能な範囲の幅Waが
図9よりも狭くなる。したがって、この構成では、各エピタキシャル層60に形成するp型領域42(すなわち、注入領域72)の位置ずれ量によって、MOSFET10のオン抵抗に差が生じる。これに対し、最上部のエピタキシャル層60f内のp型領域42の幅が、他のエピタキシャル層60a~60e内のp型領域42の幅よりも広いと、
図8に示すようにエピタキシャル層60の間でp型領域42の位置にずれが生じていない場合でも、
図11に示すようにエピタキシャル層60の間でp型領域42の位置にずれが生じている場合でも、積層方向に電流が流れることが可能な範囲の幅Waがほとんど変わらない。したがって、この構成によれば、各エピタキシャル層60に形成するp型領域42(すなわち、注入領域72)の間で位置ずれが生じても、MOSFET10のオン抵抗に差が生じ難い。このように、実施例1の製造方法によれば、量産されるMOSFET10の間でオン抵抗にばらつきが生じることを抑制できる。
【0047】
また、
図12の矢印は、MOSFET10がオフするときに、p型領域42からn型領域44へ横方向に伸びる空乏層を示している。実施例1の製造方法によれば、p型領域42では幅が狭い部分ほどp型不純物濃度が高く、n型領域44では幅が狭い部分ほどn型不純物濃度が高くなる。このため、
図12に示すように、p型領域42の幅が広くn型領域44の幅が狭い位置(例えば、スーパージャンクション領域40の最上部)ではp型領域42からn型領域44へ空乏層が伸び難い。また、p型領域42の幅が狭くn型領域44の幅が広い位置(例えば、スーパージャンクション領域40の最下部)ではp型領域42からn型領域44へ空乏層が伸び易い。その結果、
図12のように、スーパージャンクション領域40の厚み方向全体において、略同じタイミングでn型領域44がピンチオフされる。このため、MOSFET10がオフするときに、スーパージャンクション領域40の一部に電界が集中することを抑制できる。したがって、この製造方法によれば、MOSFET10の耐圧を向上させることができる。
【0048】
なお、
図8では上側のエピタキシャル層60ほど注入領域72の幅が広くなるように各注入領域72を形成したが、
図13に示すように最上部のエピタキシャル層60fで注入領域72の幅を広くし、他のエピタキシャル層60a~60eの全てで注入領域72の幅を狭くしてもよい。この構成でも、エピタキシャル層60a~60fの間での注入領域72の位置ずれによるオン抵抗のばらつきを抑制することができる。但し、
図13の構成では、エピタキシャル層60a~eの間で注入領域72が横方向に位置ずれしたときに、注入領域72同士が繋がらずに分離されるおそれがある。これに対し、
図8のように上側のエピタキシャル層60ほど注入領域72の幅が広くなっていると、エピタキシャル層60a~60eの間で注入領域72が横方向に位置ずれしても、注入領域72同士が分離され難い。このように、
図8の構成によれば、注入領域72同士が分離されることを抑制することができる。なお、注入領域72の形成位置の調整は、底部ドリフト領域34の表面などに設けられた凹状のアライメントマークを基準として行われる。エピタキシャル層60の積層厚さが厚くなるほど、アライメントマークは不鮮明となる。このため、エピタキシャル層60の積層厚さが厚くなるほど、注入領域72の形成位置の精度が低下する。特に、SiCによって構成された半導体基板12では、結晶面(例えば、(0001)面)に沿ってエピタキシャル層60が成長するので、エピタキシャル層60の積層厚さが厚くなるほどアライメントマークの中心位置が横方向にずれる。このため、このずれを補正して注入領域72の形成位置を調整する必要がある。このため、SiCによって構成された半導体基板では、エピタキシャル層60の積層厚さが厚くなると、注入領域72の形成位置の精度が特に低下し易い。したがって、上側のエピタキシャル層60内の注入領域72ほど、最下部のエピタキシャル層60a内の注入領域72に対して位置ずれが生じ易い。
図8のように注入領域72の幅が上側のエピタキシャル層60ほど広くなっていると、上側のエピタキシャル層60内で注入領域72の形成位置に大きいずれが生じたとしても、その注入領域72が他のエピタキシャル層60の注入領域72から分離されることを抑制し易い。