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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090597
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20220610BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
H04M1/02 C
G06F1/16 312F
G06F1/16 312G
G06F1/16 312E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087742
(22)【出願日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】202011438538.2
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】劉 振華
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023DD08
5K023HH06
5K023KK08
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】伸張形態と収縮形態の2つの使用形態の間で切り替えることができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、伸縮駆動機構と、フレキシブルディスプレイ100と、を含む。伸縮駆動機構は、ハウジング210と、可動アセンブリとを含む。可動アセンブリは、ハウジングにスライド可能に接続され、且つ、ハウジングに対して接近する又は離れるように駆動される。フレキシブルディスプレイは、対向して設けられた第1端110と、第2端120と、を含む。第1端がハウジングに接続され、且つ、電子機器の正面に位置する。第2端が可動アセンブリに接続され、且つ、電子機器の側面を経由して電子機器の背面に折り曲げられる。第2端は、可動アセンブリがハウジングに対して移動するにつれて、第1端に対して接近する又は離れる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
ハウジングと、前記ハウジングにスライド可能に接続され、且つ前記ハウジングに対して接近する又は離れるように駆動され得る可動アセンブリとを含む伸縮駆動機構と、
対向して設けられた第1端と第2端とを含むフレキシブルディスプレイと、を含み、
前記第1端が前記ハウジングに接続され、且つ前記電子機器の正面に位置し、
前記第2端が前記可動アセンブリに接続され、且つ前記電子機器の側面を経由して前記電子機器の背面に折り曲げられ、前記第2端は、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記第1端に対して接近する又は離れる、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記可動アセンブリは、
前記ハウジングに移動可能に接続され、且つ前記フレキシブルディスプレイの前記側面に対応する部分に当接する可動部材と、
前記可動部材に取り付けられ、前記第1端に向かう付勢力を前記第2端に加える伸縮弾性部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記伸縮弾性部材は、
前記第2端に接続されるスライド部材と、
前記可動部材に固定接続されるとともに、前記スライド部材にスライド可能に接続され、且つ前記スライド部材と前記側面との間に設けられるブラケットと、
一端が前記スライド部材に接続され、他端が前記ブラケットに相対的に固定される弾性部材であって、前記第1端に向かう付勢力を前記スライド部材に加えて、前記スライド部材が前記ブラケットから離れるように前記スライド部材を駆動する弾性部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記弾性部材が前記ブラケットと前記スライド部材との間に設けられ、前記弾性部材が押圧されて前記スライド部材に力を加え、あるいは、
前記弾性部材の一端及び前記スライド部材が前記ブラケットの同じ側に設けられ、且つ前記弾性部材の他端が前記ブラケットから所定距離に維持され、前記弾性部材が引っ張られて前記スライド部材に力を加える、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記伸縮駆動機構は、駆動機構をさらに含み、
前記駆動機構は、一端が前記ハウジングに接続され、他端が前記可動部材に接続され、前記可動部材が前記ハウジングに対して接近する又は離れるように前記可動部材を駆動する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記伸縮駆動機構は、距離検出アセンブリをさらに含み、
前記距離検出アセンブリは、前記ハウジング及び/又は前記可動部材に設けられ、前記ハウジングから前記可動部材までの距離を検出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器は、保護ケースをさらに含み、前記保護ケースは、前記電子機器の背面に設けられ、
具体的には、前記電子機器は、
前記ハウジングに接続するための固定部と、
前記固定部の前記電子機器内に向かう側又は前記電子機器外に向かう側に設けられ、且つ前記固定部に移動可能に接続される可動部と、を含み、
前記可動部は、前記可動アセンブリに接続され、且つ、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記固定部に対して離れる又は接近する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記可動部の前記固定部に対する変位が最大となる状態では、前記可動部の一部と前記固定部の一部とが重なり合う、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記電子機器は、前記電子機器の正面に位置する前記フレキシブルディスプレイを載置するためのディスプレイ支持機構をさらに含み、
前記ディスプレイ支持機構は、
前記ハウジングに接続するための固定支持部材と、
前記可動アセンブリに接続するための可動支持部材と、を含み、
前記固定支持部材は、前記可動支持部材に移動可能に接続され、且つ、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記固定支持部材に対して離れる又は接近する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記固定支持部材及び前記可動支持部材の一方に少なくとも2つのガイド溝が設けられ、他方に少なくとも2つの支持レールが設けられ、前記支持レールが前記ガイド溝に挿設される、
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器技術の分野に関し、特に、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のハードウェア技術の発展に伴い、電子機器は豊富で多様な使用形態が発展している。しかしながら、従来の電子機器のディスプレイは、通常、ストレートスクリーンであり、その大きさが一定で変更されにくい。この場合、電子機器は、ユーザのニーズに合わせた表示面積を提供することが困難であり、使用体験が良くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来の技術的欠点を解決した電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、電子機器を提供する。
前記電子機器は、
ハウジングと、前記ハウジングにスライド可能に接続され、且つ前記ハウジングに対して接近する又は離れるように駆動され得る可動アセンブリとを含む伸縮駆動機構と、
対向して設けられた第1端と第2端とを含むフレキシブルディスプレイと、を含み、
前記第1端が前記ハウジングに接続され、且つ前記電子機器の正面に位置し、
前記第2端が前記可動弾性アセンブリに接続され、且つ前記電子機器の側面を経由して前記電子機器の背面に折り曲げられ、前記第2端は、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記第1端に対して接近する又は離れる。
【0005】
一実施例では、前記可動アセンブリは、
前記ハウジングに移動可能に接続され、且つ前記フレキシブルディスプレイの前記側面に対応する部分に当接する可動部材と、
前記可動部材に取り付けられ、前記第1端に向かう付勢力を前記第2端に加える伸縮弾性部材と、を含む。
【0006】
一実施例では、前記伸縮弾性部材は、
前記第2端に接続されるスライド部材と、
前記可動部材に固定接続されるとともに、前記スライド部材にスライド可能に接続され、且つ前記スライド部材と前記側面との間に設けられるブラケットと、
一端が前記スライド部材に接続され、他端が前記ブラケットに相対的に固定される弾性部材であって、前記第1端に向かう付勢力を前記スライド部材に加えて、前記スライド部材が前記ブラケットから離れるように前記スライド部材を駆動する弾性部材と、を含む。
【0007】
一実施例では、前記弾性部材が前記ブラケットと前記スライド部材との間に設けられ、前記弾性部材が押圧されて前記スライド部材に力を加え、あるいは、
前記弾性部材の一端及び前記スライド部材が前記ブラケットの同じ側に設けられ、且つ前記弾性部材の他端が前記ブラケットから所定距離に維持され、前記弾性部材が引っ張られて前記スライド部材に力を加える。
【0008】
一実施例では、前記伸縮駆動機構は、駆動機構をさらに含み、
前記駆動機構は、一端が前記ハウジングに接続され、他端が前記可動部材に接続され、前記可動部材が前記ハウジングに対して接近する又は離れるように前記可動部材を駆動する。
【0009】
一実施例では、前記伸縮駆動機構は、距離検出アセンブリをさらに含む。
前記距離検出アセンブリは、前記ハウジング及び/又は前記可動部材に設けられ、前記ハウジングから前記可動部材までの距離を検出する。
【0010】
一実施例では、前記電子機器は、保護ケースをさらに含み、前記保護ケースは、前記電子機器の背面に設けられる。
具体的には、前記電子機器は、
前記ハウジングに接続するための固定部と、
前記固定部の前記電子機器内に向かう側又は前記電子機器外に向かう側に設けられ、且つ前記固定部に移動可能に接続される可動部と、を含み、
前記可動部は、前記可動アセンブリに接続され、且つ、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記固定部に対して離れる又は接近する。
【0011】
一実施例では、前記可動部の前記固定部に対する変位が最大となる状態では、前記可動部の一部と前記固定部の一部とが重なり合う。
【0012】
一実施例では、前記電子機器は、前記電子機器の正面に位置する前記フレキシブルディスプレイを載置するためのディスプレイ支持機構をさらに含み、前記ディスプレイ支持機構は、
前記ハウジングに接続するための固定支持部材と、
前記可動アセンブリに接続するための可動支持部材と、を含み、
前記固定支持部材は、前記可動支持部材に移動可能に接続され、且つ、前記可動アセンブリが前記ハウジングに対して移動するにつれて、前記固定支持部材に対して離れる又は接近する。
【0013】
一実施例では、前記固定支持部材及び前記可動支持部材の一方に少なくとも2つのガイド溝が設けられ、他方に少なくとも2つの支持レールが設けられ、前記支持レールが前記ガイド溝に挿設される。
【発明の効果】
【0014】
本開示が提供する電子機器は、少なくとも以下の効果を奏する。
本開示の実施例が提供する電子機器は、伸張形態と収縮形態の2つの使用形態の間で切り替えることができ、電子機器の正面に位置するディスプレイのサイズを変更し、異なるユーザのニーズを満たし、使用体験を最適化することができる。
ここの図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本開示に合致する実施例を示し、本明細書とともに本開示の原理を説明するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例示的な一実施例に係る電子機器の分解図
図2】例示的な一実施例に係るフレキシブルディスプレイの概略構造図
図3】例示的な一実施例に係る可動部材とハウジングとの組立構造の概略図
図4】例示的な一実施例に係る駆動機構の概略構造図
図5】例示的な一実施例に係る減速部材における第1減速ユニットの分解図
図6】例示的な一実施例に係るハウジング及び可動部材の部分的断面図
図7a】異なる例示的な実施例に係る電子機器の断面図
図7b】異なる例示的な実施例に係る電子機器の断面図
図8】例示的な一実施例に係る駆動機構の移動のフローチャート
図9】例示的な一実施例に係るハウジング及び可動部材の概略構造図
図10】別の例示的な実施例に係るハウジング及び可動部材の概略構造図
図11】例示的な一実施例に係る電子機器における伸縮弾性部材の断面図
図12a】例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の分解図
図12b】例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の概略図
図13a】例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の異なる使用状態の概略図
図13b】例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の異なる使用状態の概略図
図14】別の例示的な実施例に係る伸縮弾性部材の概略構造図
図15a図13aに示す伸縮弾性部材の断面図
図15b図13bに示す伸縮弾性部材の断面図
図16】例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材における取り付け部材の概略構造図
図17a】例示的な一実施例に係る伸縮駆動機構の異なる形態の概略図
図17b】例示的な一実施例に係る伸縮駆動機構の異なる形態の概略図
図18】例示的な一実施例に係る保護ケースの概略構造図
図19a】例示的な一実施例に係る保護ケースの異なる形態の概略構造図
図19b】例示的な一実施例に係る保護ケースの異なる形態の概略構造図
図20】例示的な一実施例に係る保護ケースの別の角度の概略構造図
図21a】例示的な一実施例に係る電子機器の異なる使用形態の概略図
図21b】例示的な一実施例に係る電子機器の異なる使用形態の概略図
図22】例示的な一実施例に係る保護ケースの断面図
図23a】例示的な一実施例に係る異なる形態におけるディスプレイ支持機構の概略構造図。
図23b】例示的な一実施例に係る異なる形態におけるディスプレイ支持機構の概略構造図
図24】例示的な一実施例に係る電子機器におけるディスプレイ支持機構の組立概略図
図25a】異なる例示的な実施例に係るガイド溝の概略構造図
図25b】異なる例示的な実施例に係るガイド溝の概略構造図
図26a】例示的な一実施例に係る電子機器におけるフレキシブルディスプレイの固定方式の概略図
図26b】例示的な一実施例に係る電子機器におけるフレキシブルディスプレイの固定方式の概略図
図27】例示的な一実施例に係る電子機器の内部構造の概略図
図28a】例示的な一実施例に係る電子機器の収縮形態の正面概略図
図28b】例示的な一実施例に係る電子機器の収縮形態の背面概略図
図28c】例示的な一実施例に係る電子機器の伸張形態の正面概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
例示的な実施例をここで詳細に説明し、その例を添付の図面に示す。以下の説明が図面に言及している場合、特に明記しない限り、異なる図面の同じ番号は、同じ又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に記載される実施例は、本開示と一致する全ての実施例を表すわけではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されるように、本開示のいくつかの態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0017】
本開示で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本開示で使用される専門用語又は科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって理解される通常の意味を有するものとする。本開示の明細書及び特許請求の範囲で使用される「1つ」又は「一」などの類似の単語も、数量制限を意味するのではなく、少なくとも1つあることを意味する。特に明記しない限り、「含む」又は「含有する」などの類似する単語は、「含む」又は「含有する」の前に現れる要素又は物品が、「含む」又は「含有する」の後に列挙される要素又は物品及びそれらの同等物をカバーすることを意味し、その他の要素又は物品を除外するものではない。「接続」又は「連結」などの類似する単語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接又は間接を問わず、電気的接続を含み得る。本開示の明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形の「1つの」、「前記」及び「当該」も、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことを意図している。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連するリストされたアイテムの任意又は全ての可能な組み合わせを指すことも理解されたい。
【0018】
本開示の実施例は、伸張形態と収縮形態とを有し、且つ異なる形態で、ディスプレイのサイズが異なる電子機器を提供する。このようにすることで、ユーザの異なるニーズを満たし、使用体験を最適化することができる。
【0019】
本開示の実施例では、電子機器は、スマート携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップ/ラップトップ/ハンドヘルド型コンピュータ、ノートパソコン、スーパーモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、拡張現実(augmented reality、AR)/仮想現実(virtual reality、VR)機器を含むが、これらに限定されない。図面において携帯電話のみを例として示している。
【0020】
図1は、例示的な一実施例に係る電子機器の分解図である。図1に示すように、当該電子機器は、フレキシブルディスプレイ100と伸縮駆動機構200とを含む。
【0021】
図2は、例示的な一実施例に係るフレキシブルディスプレイの概略構造図である。図2に示すように、フレキシブルディスプレイ100は、対向して設けられた第1端110と第2端120とを含む。当該フレキシブルディスプレイ100は、折り曲げられた形態を有する。フレキシブルディスプレイ100は、電子機器の正面から電子機器の側面を経由して電子機器の背面に折り曲げられて延びている。ここで、第1端110は、電子機器の正面に設けられ、第2端120は、電子機器の背面に設けられる。
【0022】
伸縮駆動機構200は、ハウジング210と可動アセンブリ220とを含む。可動アセンブリ220は、ハウジング210にスライド可能に接続され、且つハウジング210に対して接近する又は離れるように駆動され得る。ハウジング210は、フレキシブルディスプレイ100の第1端110に接続され、可動アセンブリ220は、フレキシブルディスプレイ100の第2端120に接続される。この場合、第2端120は、可動アセンブリ220がハウジング210に対して移動するにつれて、第1端110に対して接近する又は離れる。
【0023】
可動アセンブリ220がハウジング210から離れたとき、電子機器は伸張形態にある。このとき、フレキシブルディスプレイ100の第2端120は、第1端110から離れる。これにより、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の背面に位置する部分が電子機器の正面に反転する。このとき、電子機器の正面に位置するディスプレイのサイズが大きくなる。
【0024】
可動アセンブリ220がハウジング210に接近したとき、電子機器は収縮形態にある。このとき、フレキシブルディスプレイ100の第2端120は、第1端110に接近する。これにより、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の正面に位置する部分が電子機器の背面に反転する。このとき、電子機器の正面のディスプレイサイズが小さくなる。
【0025】
このようにすることで、本開示の実施例が提供する電子機器は、伸張形態と収縮形態との間で切り替えることができる。伸張形態と収縮形態により、電子機器の正面に異なるサイズの表示領域が実現される。このように、当該電子機器は、異なる使用シーンに適応可能であり、異なるユーザニーズを満たし、ユーザ体験を最適化することができる。
【0026】
一実施例では、引き続き図1を参照すると、可動アセンブリ220は、接続されている可動部材220Aと伸縮弾性部材220Bとを含む。つまり、伸縮駆動機構200は、ハウジング210と、可動部材220Aと、伸縮弾性部材220Bとを含み、当該伸縮駆動機構200は、本開示の実施例が提供する電子機器における重要な部材である。以下、図面を参照して伸縮駆動機構200の実現形態を具体的に説明する。
【0027】
まず、ハウジング210及び可動部材220Aの構造について説明する。
【0028】
可動部材220Aは、ハウジング210に移動可能に接続され、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面に対応する部分に当接するために用いられる。当該可動部材220Aは、ハウジング210に対して移動するように駆動されて、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面に対応する部分に付勢力を加えて、フレキシブルディスプレイ100の第2端120を第1端110から離させることにより、電子機器の伸張形態に切り替える。
【0029】
図3は、例示的な一実施例に係る可動部材とハウジングとの組立構造の概略図である。図3に示すように、伸縮駆動機構200は、駆動機構230をさらに含む。駆動機構230は、一端がハウジング210に接続され、他端が可動部材220Aに接続される。駆動機構230は、可動部材220Aがハウジング210に対して接近する又は離れるように可動部材220Aを駆動する。
【0030】
ハウジング210は、フレキシブルディスプレイ100の第1端110に接続される。選択可能に、ハウジング210は、電子機器内の枠体である。ハウジング210は、対向して設けられた第1辺210aと第2辺210bとを含み、第1辺210aと第2辺210bとの間に間隔領域210cを有する。駆動機構230は、間隔領域210c内に設けられ、且つ、駆動機構230は、第1辺210a及び第2辺210bに接続される。
【0031】
駆動機構230は、駆動部231と、可動部232と、ブラケット233とを含む。ここで、駆動部231は、ハウジング210に接続される。例えば、ブラケット233は、ハウジング210に接続され、駆動部231は、ブラケット233に取り付けられる。可動部232は、駆動部231に伝動接続され、且つ、可動部232は、駆動部231に対して移動可能である。このように、駆動部231の駆動作用で、可動部232は、ハウジング210に対して離れる又は接近する運動ストロークを有する。
【0032】
選択可能に、図4は、例示的な一実施例に係る駆動機構230の概略構造図である。図4に示すように、駆動部231は、駆動アセンブリ231Aと、減速部材231Bと、伝動部材231Cとを含む。
【0033】
ここで、駆動アセンブリ231Aは、少なくとも1つの駆動モータ2311と、駆動モータ2311に電気的に接続された回路基板2312とを含む。回路基板2312を介して駆動モータ2311と制御コンポーネント(例えば制御チップ)とが電気的に接続されることで、駆動モータ2311の制御可能な設置を実現する。駆動モータ2311を、直流ステッピングモータとすることができる。この場合、駆動モータ2311は、電気パルス信号を角変位又は直線変位に変換する。この場合、パルス信号によって駆動モータ2311が設定された方向に一定の角度だけ回転するように制御され、パルス数を制御することで角変位量を制御し、これにより正確な位置決めの目的を達成する。同時に、パルス周波数を制御することで駆動モータ2311の回転速度及び加速度を制御し、これにより、速度調節の目的を達成し、回転するトルクを入力する。
【0034】
減速部材231Bは、駆動アセンブリ231Aに接続され、選択可能に、減速部材231Bは、駆動モータ2311の出力軸に固定接続される。減速部材231Bは、さらに、伝動部材231Cに接続され、駆動アセンブリ231Aによって直接出力される回転数よりも低い回転数で伝動部材231Cの回転を実現するために用いられる。選択可能に、減速部材231Bは、噛み合う第1減速ユニット2313と第2減速ユニット2314とを含む。第1減速ユニット2313及び第2減速ユニット2314によって2段減速を実現し、駆動アセンブリ231Aの低トルクを高トルクに変換する。
【0035】
図5は、例示的な一実施例に係る減速部材における第1減速ユニットの分解図である。図5に示すように、第1減速ユニット2313は、固定部材2315、固定部材2315内に取り付けられたモータギヤ2316、及び減速歯車アセンブリ2317を含む。
【0036】
図5及び図4を参照すると、固定部材2315は、固定リングギヤを含むがこれに限定されず、固定リングギヤによって第1減速ユニット2313のケーシングが形成される。モータギヤ2316は、一端が駆動モータ2311に直接固定接続され、他端に伝動ギヤが設けられ、減速歯車アセンブリ2317と噛み合う。減速歯車アセンブリ2317は、第1減速ユニット2313のコア構成であり、回転調節の役割を果たす。本開示の実施例では、減速歯車アセンブリ2317は、少なくとも1つの遊星歯車を含むが、これに限定されない。当該減速歯車アセンブリ2317は、第2減速ユニット2314にも接続される。また、モータ歯2316と駆動モータ2311との間にブッシュが設けられ、減速歯車アセンブリ2317と第2減速ユニット2314との間にブッシュが設けられる。
【0037】
このようにすることで、駆動モータ231Aは、モータギヤ2316を回転させ、モータギヤ2316は、減速歯車アセンブリ2317を回転駆動して、さらに減速歯車アセンブリ2317は、第2減速ユニット2314を回転させ、さらに伝動部材231Cを駆動する。
【0038】
引き続き図4を参照すると、伝動部材231Cは、減速部材231Bに接続され、且つ可動部232に伝動可能に接続される。選択可能に、伝動部材231Cは、減速部材231Bと噛み合うボールねじであり、且つ伝動部材231Cは、回転可能にブラケット233に接続される。この場合、伝動部材231Cによって減速部材231Bをブラケット233に対して回転駆動する。また、この場合、可動部232は、伝動部材231Cに嵌められ、且つ伝動部材231Cに螺合される。さらに、駆動機構230は、伝動部材231Cに平行に設けられたガイド部234をさらに含み、可動部232は、さらに、ガイド部234に嵌められる。ガイド部234によって可動部232がガイド部234に沿って直線移動するように規制し、さらに可動部232が可動部材220Aを駆動して直線移動させることを実現する。
【0039】
引き続き図3を参照すると、可動部材220Aは、駆動機構230における可動部232に接続される。図6は、例示的な一実施例に係るハウジング及び可動部材の部分的断面図である。図6に示すように、可動部材220Aにスロット225が設けられ、可動部232がスロット225に挿着される。これにより、可動部材220Aは、可動部232と同期して直線移動を維持する。
【0040】
また、可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100に接続され、例えばフレキシブルディスプレイ100に直接接続されるか、又は他の機構を介して接続される。可動部材220Aは、駆動機構230に駆動されて、フレキシブルディスプレイ100の第2端120をフレキシブルディスプレイ100の第1端110に対して離させる又は接近させる。
【0041】
可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面130に対応する部分に当接する。且つ、可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100の第2端120に接続される。例えば、可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100の第2端120に直接接続される。あるいは、電子機器は、伸縮補助機構をさらに含む。当該伸縮補助機構は、可動部材220Aに接続され、且つフレキシブルディスプレイ100の第2端120に移動可能に接続される。伸縮補助機構に弾性部材が設けられ、第2端120が第1端110から離れるとき、弾性部材は引き伸ばされて、第2端120に引き戻す付勢力を加える。
【0042】
このようにすることで、可動部材220Aが駆動機構230に駆動されて、フレキシブルディスプレイ100の第2端120をフレキシブルディスプレイ100の第1端110から離させるとき、フレキシブルディスプレイ100は伸張形態にある。可動部材220Aが駆動機構230に駆動されてフレキシブルディスプレイ100の第2端120をフレキシブルディスプレイ100の第1端110に対して接近させるとき、フレキシブルディスプレイ100は収縮形態にある。これにより、当該伸縮駆動機構によってフレキシブルディスプレイ100の伸張及び収縮を実現し、電子機器の異なる使用形態を切り替える。
【0043】
図7a及び図7bは、異なる例示的な実施例に係る電子機器の断面図である。図7a及び図7bに示すように、ハウジング210は、フレキシブルディスプレイ100の第1端110に固定接続される。例えば、第1端110は、スクリーンビードによってハウジング210の支持部211に固定される。図8は、例示的な一実施例に係る駆動機構の移動のフローチャートである。
【0044】
また、駆動機構230は、回路基板を介して電子機器内のプロセッサに電気的に接続される。図7a、図7b及び図8を参照し、駆動機構230における駆動アセンブリ231Aを実行主体とし、駆動機構230の移動過程は、以下のステップを含む。
【0045】
ステップS801において、プロセッサによって送信される形態切り替え命令を受信する。
【0046】
ここで、形態切り替え命令は、伸張形態に切り替える伸張命令と、収縮形態に切り替える収縮命令とを含む。
【0047】
ステップS802において、形態切り替え命令の駆動命令に従って、駆動モータを回転するように制御して、ハウジングに対して移動するように可動部材を駆動する。
【0048】
伸張命令を受信すると、駆動アセンブリ231Aにおける制御チップは、駆動モータ2311を第1方向に回転するように制御する。さらに、駆動モータ2311は、減速部材231Bを介して伝動部材231Cを回転駆動する。このとき、伝動部材231Cの回転作用を受けて、可動部232は、伝動部材231Cに対して回転しながら直線移動する動作傾向がある。また、可動部232は、ガイド部234にも嵌められるため、可動部232の円運動を制限する。さらに、可動部232は、伝動部材231Cに沿って正方向に直線運動して、可動部材220Aをハウジング210から離させる。
【0049】
図7aを参照し、駆動機構230は、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面130に対応する部分に外方へ伸張する付勢力を加えるように可動部材220Aを駆動する。フレキシブルディスプレイ100の第2端120は、第1端110から離れる方向に移動して、電子機器の正面110に位置するフレキシブルディスプレイ100のサイズを大きくし、伸張形態を実現する。
【0050】
収縮命令を受信すると、駆動アセンブリ231Aにおける制御チップは、駆動モータ2311を第1方向と反対する第2方向に回転するように制御する。さらに、駆動モータ2311は、減速部材231Bを介して伝動部材231Cを回転駆動する。このとき、伝動部材231C及びガイド部234の共同作用を受けて、可動部232は、伝動部材231Cに沿って逆方向に直線運動して、可動部材220Aをハウジング210に対して接近させる。
【0051】
図7bを参照し、駆動機構230は、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面130に対応する部分に内方へ収縮する付勢力を加えるように可動部材220Aを駆動する。このとき、フレキシブルディスプレイ100の第2端120が第1端110に対して接近する方向に移動して、電子機器の正面110に位置するフレキシブルディスプレイ100のサイズを小さくし、収縮形態を実現する。
【0052】
さらに、一実施例では、伸縮駆動機構は、距離検出アセンブリをさらに含む。当該距離検出アセンブリは、送信部材241と受信部材242とを含む。ここで、送信部材241及び受信部材242の一方は、ハウジング210に設けられ、他方は、可動部材220Aに設けられる。これにより、距離検出アセンブリによってハウジング210と可動部材220Aとの間の距離を検出することができ、フレキシブルディスプレイ100の伸縮状況を判断しやすくなる。ここで、距離検出アセンブリは、光学距離検出アセンブリ(例えば、赤外線距離センサ)及び磁界検出アセンブリ(例えば、ホールセンサ)を含むがこれらに限定されない。
【0053】
電子機器が伸張形態へ切り替える間に、ハウジング210と可動部材220Aとの間の距離が第1設定閾値に達したことを距離検出アセンブリが検出したことに応答して、電子機器の制御チップは、駆動モータ2311を停止するように制御する。停止するように制御することによって、可動部材220Aがフレキシブルディスプレイ100をさらに引き伸ばすことを回避し、フレキシブルディスプレイ100の構造上の安全性を確保する。
【0054】
電子機器が収縮形態へ切り替える間に、ハウジング210と可動部材220Aとの間の距離が第2設定閾値に達したことを距離検出アセンブリが検出したことに応答して、電子機器制御チップは、駆動モータ2311を停止するように制御する。停止するように制御することによって、可動部材220Aがさらにハウジング210に接近することを回避し、電子機器の構造上の安全性を確保する。
【0055】
一実施例では、ハウジング210は、フレキシブルディスプレイ100の第1端110に固定接続される。選択可能に、ハウジング210は、支持部211と、支持部211に接続される側辺212とを含む。このように、側辺212は、電子機器の外縁を形成し、支持部211は、電子機器の内部に位置し、電子機器内の機能モジュールを載置し又は装着するために用いられる。例えば、図1に示すように、支持部211は、矩形板状の構造を有し、側辺212は、支持部211の三つの辺を囲むように設けられる。
【0056】
図9は、例示的な一実施例に係るハウジング及び可動部材の概略構造図である。図9に示すように、可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100に当接するための円弧状側部221を含む。当該円弧状側部221がフレキシブルディスプレイ100に当接することにより、フレキシブルディスプレイ100の可動部材220Aに対するスライドが容易になる一方、フレキシブルディスプレイ100の構造上の安全性を守る。
【0057】
さらに、円弧状側部221に第1伝動部材222が設けられ、第1伝動部材222がフレキシブルディスプレイ100に転動可能に接続される。転動可能に接続することによってフレキシブルディスプレイ100と可動部材220Aとの間の摩擦力をさらに低減させる。選択可能に、第1伝動部材222は、円弧状側部221に設けられたボール接続部材であり、第1伝動部材222のボールは、フレキシブルディスプレイに直接接触する。ここで、第1伝動部材222の数は特に限定されないが、例えば、2つ、3つ、4つなどである。円弧状側部221に少なくとも2つの第1伝動部材222が設けられる場合、少なくとも2つの第1伝動部材222は、円弧状側部221の長さ方向に均一に分布する。
【0058】
選択可能に、再び図3を参照すると、ハウジング210は、第1辺210a及び第2辺210bに接続されるガイド部材213をさらに含む。可動部材220Aは、円弧状側部221に設けられた接続部223を含む。ガイド部材213は、接続部223に移動可能に接続され、可動部材220Aがガイド部材213に沿って移動することを規制するために用いられる。図10は、別の例示的な実施例に係るハウジング及び可動部材の部分的断面図である。図10を参照し、接続部223の長さ方向にスロット224が設けられ、ガイド部材213がスロットに係合されることにより、可動部材220Aとハウジング210との移動可能な接続を実現する。
【0059】
次に、伸縮弾性部材220Bの構造について説明する。
【0060】
図11は、例示的な一実施例に係る電子機器における伸縮弾性部材の断面図であり、図12aは、例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の分解図であり、図12bは、例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の概略図である。
【0061】
図11に示すように、伸縮弾性部材220Bは、電子機器に設けられる。また、図12a及び図12bを参照すると、当該伸縮弾性部材は、スライド部材241と、ブラケット242と、弾性部材243とを含む。
【0062】
スライド部材241は、電子機器の背面に位置するフレキシブルディスプレイ100に接続される。例えば、スライド部材241に接着剤が設けられ、接着剤によってフレキシブルディスプレイ100の電子機器の内部に向かう面に接続される。この場合、フレキシブルディスプレイ100が電子機器の背面から電子機器の正面に移動すると、フレキシブルディスプレイ100は、側面に向かう付勢力をスライド部材241に加える。
【0063】
ブラケット242は、スライド部材241にスライド可能に接続され、具体的には、ブラケット242及びスライド部材241は、電子機器の側面に対して垂直な方向に沿って相対的にスライドする。ここで、ブラケット242は、可動部材220Aに接続され、これにより、可動部材220Aがハウジング110に対して移動するにつれて、ブラケット242とスライド部材241とは相対的に移動する。一例として、図12a及び図12bを参照すると、ブラケット242にガイド部材245も設けられ、スライド部材242がガイド部材245に沿ってスライドするようにガイド部材245がスライド部材241に移動可能に接続される。これにより、スライド部材242がブラケット242に対して安定的に移動することを確保する。
【0064】
ガイド部材245は、締結部材を介してブラケット242に接続されるか、ガイド部材245は、ブラケット242と一体に成形される。ここで、ガイド部材245は、POM(Polyoxymetylene、ポリオキシメチレン)を用いて製造され、POMは、自己潤滑機能を有し、当該材質を用いてガイド部材245を製造することでガイド部材245とスライド部材241との間の摩擦を低減することができる。
【0065】
スライド部材242にはガイド部材245に嵌合するガイド溝2421が設けられ、例えば、図12bでは、ガイド部材245に側方に開口するガイド溝2421が設けられる。当該ガイド溝2421は、ガイド部材245を挿着するために用いられる。本開示の実施例では、ガイド溝2421の設置形態が限定されず、ガイド部材245に嵌合できればよい。もちろん、スライド部材241に突出キーが設けられ、ガイド部材245には突出キーに嵌合するガイド溝が設けられ、当該ガイド溝が突出キーを挿着するために用いられてもよい。
【0066】
図13a及び図13bは、例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材の異なる使用状態の概略図である。図10図13a及び図13bを参照すると、スライド部材241は、X軸に沿ってブラケット242に対して接近する又は離れることができる。また、ブラケット242は、スライド部材241と電子機器の側面との間に設けられる。この場合、スライド部材241は、フレキシブルディスプレイ100の作用を受けるときにブラケット242に対して接近する方向にスライドすることができる。
【0067】
ブラケット242は、外力の駆動を受けて、電子機器の側面に向かう付勢力をフレキシブルディスプレイ100に加える。電子機器内に駆動機構230が設けられ、当該駆動機構230は、伸縮弾性部材のブラケット242に接続され、側面に対して接近する又は離れるようにブラケット242を駆動する。また、可動部材220Aは、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の側面に対応する部分に当接し、且つ伸縮弾性部材220Bのブラケット242に固定接続される。
【0068】
この場合、図13aを参照すると、ブラケット242は、駆動機構230に駆動されて、可動部材220Aを駆動してフレキシブルディスプレイ100にX軸の正方向に沿う付勢力を加える。さらに、フレキシブルディスプレイ100は、電子機器の正面に位置する部分が固定されているため、ブラケット242によって加えられた付勢力の作用で、フレキシブルディスプレイ100は、背面から正面に移動する動作傾向を有する。この場合、フレキシブルディスプレイ100は、スライド部材241にX軸の正方向に沿う付勢力を加えて、スライド部材241をブラケット242に接近させる。このとき、フレキシブルディスプレイ100の電子機器の背面に位置する端が側面に移動することにより、背面に位置するフレキシブルディスプレイが正面に反転し、電子機器の正面上のフレキシブルディスプレイのサイズが大きくなる。
【0069】
弾性部材243は、第1端2431と第2端2432とを含む。ここで、第1端2431は、スライド部材241に接続され、第2端2432は、ブラケット242に相対的に固定される。このように、弾性部材243は、スライド部材241とブラケット242との相対移動に伴って変形する。且つ、弾性部材243は、スライド部材241に側面から離れる付勢力(つまり、X軸の負方向に沿う付勢力)を加えて、スライド部材241がブラケット242から離れるようにスライド部材241を駆動する(図12bに示すように)。ブラケット242から離れるように弾性部材243がスライド部材241を駆動することにより、電子機器の正面から電子機器の背面に反転するようにスライド部材241がフレキシブルディスプレイ100を駆動し、電子機器の正面上のフレキシブルディスプレイ100のサイズが小さくなる。
【0070】
本開示の実施例では、弾性部材243について、2種類の設置形態があり、以下に詳細に説明する。
【0071】
<第1種類の形態>
図14は、別の例示的な実施例に係る伸縮弾性部材の概略構造図である。図14に示すように、弾性部材243は、スライド部材241とブラケット242との間に設けられ、第1端2431がスライド部材241に接続され、第2端2432がブラケット242に直接接続される。
【0072】
スライド部材241がフレキシブルディスプレイ100に連れられてブラケット242に接近するとき、弾性部材243は押圧状態となり、スライド部材241にX軸の負方向の付勢力を加える。同時に、駆動機構230によって駆動されるブラケット242の作用で、フレキシブルディスプレイ100は、スライド部材241にX軸の正方向の付勢力を加える。フレキシブルディスプレイ100と弾性部材243との共同作用に基づいて、スライド部材241は、静止した安定状態にある。
【0073】
駆動機構230がブラケット242を駆動して収縮させ、つまりブラケット242を駆動してX軸の負方向に移動させるとき、フレキシブルディスプレイ100がスライド部材241に加えたX軸の正方向に沿う付勢力が弱まる。このとき、弾性部材243は、弾き出す動作傾向にあり、スライド部材241をブラケット242から離れる方向に移動させることができる。さらに、スライド部材241は、フレキシブルディスプレイ100が電子機器の正面から電子機器の背面に反転するようにフレキシブルディスプレイ100を駆動し、電子機器の正面上のフレキシブルディスプレイ100のサイズが小さくなる。
【0074】
<第2種類の形態>
図15aは、図13aに示す伸縮弾性部材の断面図であり、図15bは、図13bに示す伸縮弾性部材の断面図である。図15a及び図15bに示すように、弾性部材243の第1端2431及びスライド部材241は、ブラケット242の同じ側に設けられ、且つ第1端2431は、ブラケット242から所定距離を維持する。この場合、弾性部材243は、引っ張られてスライド部材241に力を加えるために用いられる。
【0075】
選択可能に、ブラケット242に取り付け部材244が設けられ、当該取り付け部材244は、延出部2441と取り付け部2442とを含む。延出部2441は、ブラケット242に接続され、スライド部材241側に延びている。取り付け部2442は、延出部2441のブラケット242から離れた部分に接続され、且つ取り付け部2442は、弾性部材243の第2端2432を取り付けるために用いられる。このように、延出部2441によって弾性部材243の第1端2431がブラケット242から所定距離に維持される。
【0076】
図15a及び図13aを参照し、スライド部材241がフレキシブルディスプレイ100に連れられてブラケット242に接近するとき、弾性部材243は伸縮状態となる。このとき、弾性部材243は、スライド部材241にX軸の負方向の付勢力を加える。同時に、駆動機構230によって駆動されるブラケット242の作用で、フレキシブルディスプレイ100は、スライド部材241にX軸の正方向の付勢力を加える。フレキシブルディスプレイ100と弾性部材243との共同作用に基づいて、スライド部材241は、静止した安定状態となる。
【0077】
図15b及び図13bを参照し、駆動機構230がブラケット242を駆動して引き戻させ、つまりブラケット242を駆動してX軸の負方向に沿って移動させるとき、フレキシブルディスプレイ100がスライド部材241に加えたX軸の正方向に沿う付勢力が弱まる。このとき、弾性部材243が収縮する動作傾向にあり、スライド部材241がブラケット242から離れる方向に移動するようにスライド部材241を駆動できる。さらに、スライド部材241はフレキシブルディスプレイ100が電子機器の正面から電子機器の背面に反転するようにフレキシブルディスプレイ100を駆動し、電子機器の正面上のフレキシブルディスプレイ100のサイズが小さくなる。
【0078】
さらに、本開示の実施例は、取り付け部材の実現形態を提供する。
【0079】
図16は、例示的な一実施例に係る伸縮弾性部材における取り付け部材の概略構造図である。図16に示すように、取り付け部2442は、延出部2441に接続される側壁2442aを含み、側壁2442aが電子機器の正面に向かって延びている。選択可能に、取り付け部2442は、対向して設けられた側壁2442aと、側壁2442aに接続される頂壁2442bとを含む。ここで、頂壁2442bの一部は、側壁2442aの頂部(つまり側壁2441aの正面に接近する部分)に接続され、頂壁2442bの他の部分は、電子機器の背面に向けて傾斜し、且つ下方に延びた後に延出部2441に接続される。
【0080】
このように、取り付け部2442は、電子機器の正面に向かって突出するキャビティを形成し、弾性部材243が当該キャビティ内に取り付けられる。このように、取り付け部2442によって弾性部材243の構造上の安全性を確保する。
【0081】
また、側壁2442aに支持部材2442cが設けられ、当該支持部材2442cが電子機器の正面と平行である。弾性部材243の第2端2432は、支持部材2442cに接続され、且つ弾性部材243は、支持部材2442cに巻き付けられる。スライド部材241の作用で伸縮するとき、弾性部材243は、支持部材2442c回りに回転する。換言すれば、弾性部材243は、支持部材2442cに巻き付けられた弾性シートである。選択可能に、弾性シートの厚さは、0.03mm~1mmである。選択可能に、弾性部材243は、渦巻ばねである。
【0082】
このようにすることで、弾性部材243が占有する空間が小さくなり、特に弾性部材243が伸縮する部分がシート状となり、その厚さが小さいため、占有する空間が小さい。このように、伸縮弾性部材の他の構成要素に対する弾性部材243の影響が低減される一方で、伸縮補助機構全体の体積が低減され、電子機器への当該機構の配置が容易になる。
【0083】
選択可能に、図11を参照すると、ブラケット242に少なくとも2つの取り付け部材244が設けられ、各取り付け部材244のそれぞれに弾性部材243が設けられる。例えば、ブラケット242の両端に2つの取り付け部材244が設けられる。このように、2つの取り付け部材244における弾性部材243がスライド部材241に安定した付勢力を加えることで、スライド部材241がブラケット242に対して安定的に移動することを確保する。
【0084】
選択可能に、弾性部材243は、定荷重ばねである。定荷重ばねは、変形ストロークが設定値に達した後、変形ストロークが増加するにつれて、その弾性力が一定に維持される。このように、スライド部材241がブラケット242に接近し続けるにつれて、弾性部材243の伸縮ストロークが設定値を超えたとき、弾性部材243はスライド部材241に一定の引張力を加える。この場合、スライド部材241に対するフレキシブルディスプレイ100の駆動負担を軽減することができ、駆動機構230がブラケット242を介してフレキシブルディスプレイ100を駆動する負担を軽減することができる。
【0085】
以上の内容に基づいて、本開示の実施例が提供する伸縮駆動機構200の全体的な構成を説明する。
【0086】
図17a及び図17bは、例示的な一実施例に係る伸縮駆動機構の異なる形態の概略図である。図17a及び図17bに示すように、伸縮駆動機構200において、伸縮弾性機構220Bは、可動部材220Aに取り付けられる。例えば、伸縮弾性機構220Bのブラケット242は、可動部材220Aに締結部材によって接続される。伸縮駆動機構200の動作過程は以下のとおりである。
【0087】
図7a及び図17aを参照し、伸縮駆動機構200が伸張形態に切り替わる過程は、以下のとおりである。
駆動機構230が可動部材220Aを駆動してハウジング210に対して離させることで、可動部材220Aに接続されるブラケット242が、側面に向かう付勢力をフレキシブルディスプレイ100に加える。これにより、フレキシブルディスプレイ100は、スライド部材241に引張力を加える。このとき、スライド部材241がブラケット242に接近する方向に移動し、フレキシブルディスプレイ100が電子機器の背面から電子機器の正面に反転する。また、スライド部材241がブラケット242に接近する過程で、弾性部材243は、スライド部材241にブラケット242から離れる付勢力を加える。
【0088】
図7b及び図17bを参照し、伸縮駆動機構200が収縮形態に切り替わる過程は、以下のとおりである。
駆動機構230が可動部材220Aを駆動してハウジング210に接近させることで、可動部材220Aに接続されるブラケット242が側面から離れる方向に移動し、フレキシブルディスプレイ100に対するブラケット242の付勢力が弱まる。このとき、弾性部材243の作用でスライド部材241がブラケット242から離れる方向に移動する。さらに、スライド部材241は、フレキシブルディスプレイ100が電子機器の正面から背面に反転するようにフレキシブルディスプレイ100を駆動する。
【0089】
一実施例では、本開示の実施例が提供する電子機器は、保護ケースをさらに含み、保護ケースによって電子機器が伸張形態では、内部の構造が露出せず、電子機器全体の構造上の安全性を確保する。
【0090】
図18は、別の例示的な実施例に係る電子機器の概略構造図であり、図19a及び図19bは、例示的な一実施例に係る保護ケースの異なる形態の概略構造図である。
【0091】
図18に示すように、本開示の実施例が提供する電子機器は、保護ケース300をさらに含む。当該保護ケース300は、電子機器の背面に設けられ、具体的には、固定部310と可動部320とを含む。
【0092】
ここで、固定部310は、ハウジング210に接続される。可動部320は、固定部310の電子機器内に向かう側又は電子機器外に向かう側に設けられる。可動部320は、固定部310に移動可能に接続される。また、可動部320は、電子機器における可動部材220Aにも接続される。さらに、可動部材220Aがハウジング210に対して移動するにつれて、可動部320は、固定部310に対して離れる又は接近する。
【0093】
可動部材220Aがハウジング210から離れる場合、可動部材220Aは、可動部320が固定部310から離れるように可動部320を駆動する。このとき、図19aに示すように、電子機器の伸張形態に適応するために、保護ケース300の全長が増大する。
【0094】
可動部材220Aがハウジング210に接近する場合、可動部材220Aは、可動部320が固定部310に接近するように可動部320を駆動する。このとき、図19bに示すように、電子機器の収縮形態に適応するために、保護ケース300の全長が短縮される。
【0095】
このようにして、当該保護ケース300は、電子機器の異なる使用形態では全体的な保護を提供し、電子機器の内部構成要素の露出を回避し、電子機器全体の構造上の安全性及び使用上の安全性を確保する。
【0096】
一実施例では、固定部310に対する可動部320の変位が最大となる状態では、可動部320の一部と固定部310の一部とは重なり合う。換言すれば、伸張形態では、可動部320と固定部310とは重なり合う部分を有する。このようにすることで、保護ケースの保護効果を最適化し、伸張形態での電子機器の内部構成要素の露出を回避し、電子機器の安全性を確保することができる。
【0097】
本開示の実施例では、固定部310と可動部320とは積層される。電子機器の内外方向を基準に、以下の説明及び図面では固定部310を可動部320の外部に設けることを例として説明する。もちろん、実際の需要に応じて固定部310を可動部320の内部に設けることも可能である。
【0098】
図20は、例示的な一実施例に係る保護ケースの別の角度の概略構造図である。図18及び図20を参照すると、固定部310は、第1主体311と第1側部312とを含む。
【0099】
第1主体311は、板状構造を有し、第1側部312は、第1主体311の縁部に接続され、且つ第1主体311に垂直な方向に延びている。且つ、第1主体311の、対向して設けられた2つの縁部に第1側部312が設けられる。ここで、第1主体311は、電子機器の背面に対応して設けられ、第1側部312は、少なくとも電子機器の側面に対応して設けられる。これにより、固定部310は、電子機器の背面及び側面を覆う。
【0100】
選択可能に、第1側部312に取り付け位置が設けられ、当該取り付け位置は、固定部310とハウジング210とを接続する締結部材又は接着部材を取り付けるために用いられる。これにより、固定部310とハウジング210とを安定した状態に維持することを実現する。
【0101】
可動部320は、固定部310の構造と類似する。引き続き図18及び図20を参照すると、可動部320は、第2主体321と第2側部322とを含む。
【0102】
第2主体321は、板状構造を有し、第2側部322は、第2主体321の縁部に接続され、且つ第2主体321に垂直な方向に延びている。且つ、第2主体321の、対向して設けられた2つの縁部に第2側部322が設けられる。ここで、第2主体321は、固定部310の第1主体311に対応して設けられる。第2側部322は、少なくとも電子機器の側面に対応して設けられる。
【0103】
また、第2側部322に取り付け位置が設けられ、当該取り付け位置は、可動部320と可動部材220Aを接続するように、締結部材又は接着部材を取り付けるために用いられる。これにより、可動部320と可動部材220Aとを安定した状態に維持することを実現する。
【0104】
以上に基づいて、可動部材220Aがハウジング210に対して移動するとき、固定部310と可動部320とは相対的に直線移動する。
【0105】
図21a及び図21bは、例示的な一実施例に係る電子機器の異なる使用形態の概略図である。ここで、可動部320は、固定部310の内側に設けられる。図21aに示すように、収縮形態では、可動部320は、固定部310の内部に引っ込んでいる。このとき、電子機器の外部から可動部320を見ることができない。図21bに示すように、伸張形態では、可動部320は固定部310の内側から突出し、このとき、可動部320の第2側部322は、電子機器の伸張する側面に対応して設けられ、且つ固定部310の第1側部312と一部がずれている。
【0106】
このように、可動部320と固定部310とによって電子機器の背面及び側面の全体的な保護を提供する。
【0107】
また、第1側部312の第1主体311から離れた部分に第1係合辺313が設けられる。当該第1係合辺313は、第1主体311と平行であり、且つ電子機器のディスプレイの上方に設けられる。一例として、第1係合辺313とディスプレイとの間に幅が0.05~0.3mmの隙間を有する。隙間を確保することでディスプレイの変形動作空間を提供し、隙間の範囲を制御することで、ディスプレイが伸張形態で蛇腹になることを回避する。
【0108】
また、第2側部322の第2主体321から離れた部分に第2係合辺323が設けられる。当該第2係合辺323は、第2主体321と平行であり、且つ電子機器のディスプレイの上方に設けられる。一例として、第2係合辺323とディスプレイとの間に幅が0.05~0.3mmの隙間を有する。隙間を確保することでディスプレイの変形動作空間を提供し、隙間の範囲を制御することで、ディスプレイが伸張形態及び収縮形態で蛇腹になることを回避する。
【0109】
図22は、例示的な一実施例に係る保護ケースの断面図である。図22に示すように、固定部310の第1係合辺313は、ガイド溝314を有する。可動部320の第2係合辺323は、ガイド溝314内に挿着される。且つ、可動部320は、ガイド溝314の長さ方向に固定部310に対して移動する。ガイド溝314によってガイド機能を発揮し、可動部320と固定部310との相対的移動の安定性を向上させる。
【0110】
選択可能に、第1係合辺313は、順次接続された第1延出部313aと、折り曲げ部313bと、第2延出部313cとを含む。ここで、第1延出部313aの折り曲げ部313bから離れた端部は、第1側部312に接続される。折り曲げ部313bの折り曲げ方向は、第1延出部313aと第2延出部313cの延在方向と反対するように構成される。このとき、第1延出部313aと第2延出部313cとの間の空間によってガイド溝314が形成される。且つ、当該ガイド溝314の開口が第1側部312に向かっている。第2係合辺323は、ガイド溝314の開口を経由してガイド溝314の内部に挿入することにより、第2係合辺323とガイド溝314とのスライド可能な接続を実現する。
【0111】
一実施例では、図21b及び図22を参照すると、可動部320に補強リブ320aが設けられる。当該補強リブ320aにより可動部320の構造強度が最適化され、保護ケース全体の力学的安定性が向上する。ここで、補強リブ320aの分布態様は特に限定されず、例えば、補強リブ320aは、第2主体321又は第2側部322に設けられる。補強リブ320aの数も特に限定されず、例えば、2つ、3つ、4つなどである。
【0112】
選択可能に、補強リブ320aは、固定部310に向かって突出し、且つ固定部310に接続される。例えば、第2主体321に設けられた補強リブ320aは、第1主体311に向かって突出し、且つ第1主体311に接続される。第2側部322に設けられた補強リブ320aは、第1側部312に向かって突出し、且つ第1側部312に接続される。このように、可動部320が補強リブ320aのみにおいて固定部310に接触することにより、可動部320と固定部310とが相対的に移動する際のスライド抵抗力が低減され、保護ケースを伸張形態と収縮形態との間で円滑に切り替えることができる。
【0113】
一実施例では、引き続き図18を参照すると、可動部320において、第2主体321のハウジング210から離れた縁部には凹み領域321bが設けられる。電子機器において、凹み領域321bによって可動部320の下方のディスプレイが露出し、これにより、電子機器の側面をディスプレイで覆うことで、ディスプレイの表示効果を最適化する。
【0114】
以上のように、当該保護ケース300は、移動可能に接続された固定部310及び可動部320により、電子機器の伸張形態及び収縮形態に適応するようになる。電子機器の異なる形態ではいずれも効果的な保護を提供し、電子機器の内部構造の露出を回避し、機器全体の構造上の安全性及び使用体験を最適化する。
【0115】
本開示の実施例が提供する電子機器は、ディスプレイ及びディスプレイ支持機構をさらに含む。当該ディスプレイ支持機構は、フレキシブルディスプレイ100の下方に設けられ、電子機器の正面に位置するフレキシブルディスプレイ100を支持する。
【0116】
図23a及び図23bは、例示的な一実施例に係る異なる形態におけるディスプレイ支持機構の概略構造図である。図23a及び図23bに示すように、ディスプレイ支持機構400は、フレキシブルディスプレイ100の下方に設けられ、フレキシブルディスプレイ100を載置する。具体的には、当該ディスプレイ支持機構400は、固定支持部材410と可動支持部材420とを含む。
【0117】
図24は、例示的な一実施例に係る電子機器におけるディスプレイ支持機構の組立概略図である。図24に示すように、固定支持部材410は、ハウジング210に接続される。可動支持部材420は、可動部材220Aに接続される。固定支持部材410及び可動支持部材420の一方にガイド溝430が設けられ、他方にガイドレール440が設けられる。固定支持部材410及び可動支持部材420は、ガイド溝430及びガイドレール440によって移動可能に接続される。
【0118】
このようにすることで、可動部材220Aがハウジング210に対して移動するにつれて、固定支持部材410と可動支持部材420とが相対的に移動する。具体的には、図23aに示すように、電子機器が伸張形態にあるとき、可動部材220Aがハウジング210から離れ、可動支持部材420を固定支持部材410から離れるように駆動する。図23bに示すように、電子機器が収縮形態にあるとき、可動部材220Aがハウジング210に接近し、可動支持部材420を固定支持部材410に接近するように駆動する。
【0119】
このように、ディスプレイ支持機構400は、電子機器の伸張形態及び収縮形態に適応でき、電子機器の伸張形態及び収縮形態ではいずれもフレキシブルディスプレイ100を効果的に支持することができる。
【0120】
本開示の実施例では、ガイドレール及びガイド溝の設置形態は限定されず、図面において、固定支持部材410にガイド溝430を設け、可動支持部材420にガイドレール440を設けることのみを例として示している。
【0121】
一実施例では、固定支持部材410は、固定部411と、固定部411に接続される少なくとも2つのガイド部412とを含む。例えば、ガイド部412は、固定部411の一方の縁部に接続され、且つ固定部411から離れる方向に延びている。固定部411は、電子機器のハウジングに接続される。ガイド部412にガイド溝430が設けられ、可動支持部材420のガイドレール440に挿着される。
【0122】
可動支持部材420は、接続部421と、接続部421に接続される少なくとも2つのガイドレール440とを含む。ガイドレール440は、接続部421の一方の縁部に接続され、且つ接続部421から離れる方向に延びている。接続部421は、電子機器の可動アセンブリに接続される。これにより、可動支持部材420及び固定支持部材410は、ハウジングと可動アセンブリとの相対的移動に同期して移動することができる。
【0123】
本開示の実施例は、2種類の異なるガイド溝430の設置形態を提供し、図25a及び図25bは、異なる例示的な実施例に係るガイド溝の概略構造図である。
【0124】
<第1種類の形態>
図25aに示すように、ガイド部412は、中空棒状の構造を有し、ガイド部412の中空部分によってガイド溝430が形成される。この場合、ガイド溝430の内壁によって、ガイド溝430の長さ方向に垂直な方向にガイドレール440を規制するように、位置制限部材431が形成される。このように、ガイド溝430は、ガイドレール440の構造上の安全性を十分に保護する。当該技術案では、ガイド溝430の径方向の断面形状は、特に限定されず、例えば矩形、円形などである。
【0125】
<第2種類の形態>
図25bに示すように、図23aを参照すると、ガイド溝430は、ガイド部412に開口432が形成され、当該開口432がガイド溝430の長さ方向に配置される。ガイドレール440がガイド溝430内に挿着されるとき、当該開口432を介してガイド溝430の外部に露出する。且つ、ガイドレール440のガイド溝430の外部に露出する面は、ガイド部412の開口431の周囲に位置する面と面一となっている。これにより、ガイドレール440とガイド部412とによって形成される平面がフレキシブルディスプレイ100を安定的に支持することができる。
【0126】
このようにすることで、支持機構全体の加工難易度を低減することができる。特にガイド部412の厚さが薄い場合には、開口432を有するガイド溝430を設ける方が実現しやすい。
【0127】
さらに、ガイド部412に位置制限部材431が設けられ、当該位置制限部材431がガイド溝430の開口432の縁部に設けられ、且つ開口432に向かって横方向に延びる。この場合、位置制限部材431によって開口432のサイズが小さくなる。位置制限部材431は、ガイドレールの長さ方向に垂直な方向に、ガイドレール440をガイド溝430内に規制し、これにより、支持機構全体の構造上の安定性を向上させる。
【0128】
選択可能に、ガイド部412の開口432の縁部に凹んだ領域412aが設けられ、位置制限部材431が当該凹んだ領域412a内に取り付けられる。これにより、位置制限部材431、ガイドレール440及びガイド部412の外面は、面一となり、フレキシブルディスプレイに安定的な支持を提供することができる。
【0129】
ここで、位置制限部材431の設置形態は複数種類ある。
【0130】
選択可能に、位置制限部材431は、開口432の一方の縁部に設けられ。あるいは、位置制限部材431は、開口432の、対向して設けられた2つの縁部に設けられる。
【0131】
選択可能に、位置制限部材431は、ガイド溝430の長さ方向に貫通して設けられる。あるいは、当該ディスプレイ支持構造は、複数の位置制限部材431を含み、複数の位置制限部材431は、ガイド溝430の長さ方向に所定距離をあけて設けられる。
【0132】
また、図25bに示されるガイド溝430の構造に基づいて、ガイドレール440は、第1部441と第2部442とを含む。第1部441及び第2部442は、ガイド溝430の深さ方向に設けられ、ここで、第1部441は、相対的に開口432に接近する。ガイド溝の深さ方向に垂直な方向において、第2部442は、第1部441を超えて設けられる。この場合、第2部442の第1部441を超えた部分は、位置制限部材431に対応して設けられる。このように、位置制限部材431と第2部442の協力により、ガイドレール440がガイド溝430から外れることなく、ディスプレイ支持機構全体の構造上の安定性が確保される。
【0133】
また、第1部441は、開口432を介してガイド溝430の外部に露出し、第1部441、位置制限部材431及びガイド部412の外面は、面一となっている。選択可能に、位置制限部材431の側壁と第1部441の側壁との間に隙間がある。及び/又は、ガイド溝430の側壁と第2部442の側壁との間に隙間がある。例えば、0.05~0.2mmの隙間を確保することで、ガイドレール440がガイド溝430に沿って円滑にスライドできることを確保し、引っかかってスライドできない状況を回避することができる。
【0134】
本開示の実施例が提供するディスプレイ支持機構400は、相対移動可能な固定支持部410と可動支持部420とにより、電子機器の伸張形態及び収縮形態に適応し、フレキシブルディスプレイに全体的な支持及び保護を提供することを実現する。
【0135】
図26a及び図26bは、例示的な一実施例に係る電子機器におけるフレキシブルディスプレイの固定方式の概略図である。以上説明したハウジング210、可動部材220A及びディスプレイ支持機構と併せて、本開示の実施例が提供する電子機器におけるフレキシブルディスプレイの固定方式は以下のとおりである。
【0136】
図26aに示すように、電子機器の正面に位置するフレキシブルディスプレイは、ディスプレイ支持機構における固定支持部材410の固定部411に接続される。選択可能に、フレキシブルディスプレイは、固定支持部材410におけるガイド部412の対向する2つの縁部にも接続される。これにより、フレキシブルディスプレイの全体的な構造が平坦であることが確保される。
【0137】
図26bに示すように、電子機器の背面に位置するフレキシブルディスプレイは、伸縮弾性機構220Bのスライド部材241に接続されることにより、スライド部材241がブラケット242に対してスライドするようにスライド部材241を駆動することができ、電子機器の伸張形態と収縮形態の切り替えが実現される。
【0138】
また、本開示の実施例が提供する電子機器において、機能モジュールの積層形態は、特に限定されない。図27は、例示的な一実施例に係る電子機器の内部構造の概略図であり、図27を参照すると、電池500は、電子機器において可動アセンブリ220と上下に設けられる。例えば、電子機器は、駆動モータ2311の両側に設けられた2つの電池500を含む。リアカメラモジュール600、イヤホンモジュール700、マイクモジュール800及びマザーボード900などは、電子機器においてハウジング210の第1辺210aに対応して設けられる。上記は例示的な解決策にすぎず、当業者は、必要に応じて、上述した内容に合わせて、機能モジュールの積層形態を自ら設定することができる。
【0139】
図28aは、例示的な一実施例に係る電子機器の収縮形態の正面概略図であり、図28bは、例示的な一実施例に係る電子機器の収縮形態の背面概略図であり、図28cは、例示的な一実施例に係る電子機器の伸張形態の正面概略図である。
【0140】
図28a及び図28bに示すように、本開示の実施例が提供する電子機器は、収縮形態では、電子機器の正面に位置するディスプレイのサイズが相対的に小さく、電子機器の背面に位置するディスプレイのサイズが相対的に大きい。このとき、電子機器は、通信使用シーン、閲覧使用シーンなどの通常の使用シーンに適用される。
【0141】
図28cに示すように、本開示の実施例が提供する電子機器は、伸張形態では、電子機器の正面に位置するディスプレイのサイズが大きくなる。このとき、電子機器は、ゲーム使用シーン、映画鑑賞使用シーンなどの特殊な使用シーンに適用される。
【0142】
以上説明したように、本開示の実施例が提供する電子機器は、伸張形態と収縮形態の2つの使用形態の間で切り替えて、電子機器の正面上のディスプレイのサイズを変更することができ、異なるユーザニーズを満たし、使用体験を最適化することができる。
【0143】
当業者であれば、本明細書を考慮し、そして本明細書に開示された開示を実践することにより、本開示の他の実施形態を容易に想到することができる。本開示は、本開示の任意の変形、用途、又は適応可能な変形を包含することを意図しており、これらの変形、用途、又は適応可能な変形は、本開示の一般的な原理に従うものであり、本開示に開示されていない当技術分野における周知の常識又は慣用の技術的手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものと見なされ、本開示の真の範囲及び精神は、上述の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
図14
図15a
図15b
図16
図17a
図17b
図18
図19a
図19b
図20
図21a
図21b
図22
図23a
図23b
図24
図25a
図25b
図26a
図26b
図27
図28a
図28b
図28c