IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特開-直流トラクションモータ制御システム 図1
  • 特開-直流トラクションモータ制御システム 図2
  • 特開-直流トラクションモータ制御システム 図3
  • 特開-直流トラクションモータ制御システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090615
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】直流トラクションモータ制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 9/04 20060101AFI20220610BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
B60L9/04 A
B60L15/20 G
B60L15/20 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187234
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】63/122,316
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/484,010
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】マッコール,ランディ
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AA05
5H125AC02
5H125AC12
5H125BA04
5H125BB02
5H125CA02
5H125CA15
5H125DD16
5H125EE51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】個々に制御され得る複数のDCトラクションモータ制御システムを提供する。
【解決手段】直流トラクションモータ制御システムは、複数のモータを含み、当該複数のモータの各々が、車両の異なるアクスルに連結されるように、そして車両を推進させるためにアクスルを回転させるように構成される。モータは、DCバスに連結され、そしてモータに動力供給するために、DCバスを介してDCを受け取るように構成される。システムはまた、複数のスイッチアセンブリを含み、複数のスイッチアセンブリの各々が、複数のモータの異なるモータに連結されたH-ブリッジ回路を有して、モータの回転を制御する。システムは、H-ブリッジ回路を個々に制御して、複数のモータによって出力されるトルクまたは複数のモータの回転方向の、1以上を制御するために、制御シグナルをスイッチアセンブリに伝達するように構成される、コントローラを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
複数のモータであって、前記複数のモータの各々が、車両の異なるアクスルに連結されるように、そして前記車両を推進させるために前記アクスルを回転させるように構成され、前記複数のモータは、直流(DC)バスに連結され、そして前記モータに動力供給するために、DCバスを介してDCを受け取るように構成される、複数のモータと、
複数のスイッチアセンブリであって、前記複数のスイッチアセンブリの各々が、前記複数のモータの異なるモータに連結されたH-ブリッジ回路を有して、前記モータの回転を制御する、複数のスイッチアセンブリと、
H-ブリッジ回路を個々に制御して、前記複数のモータによって出力されるトルクまたは前記複数のモータの回転方向の、1以上を制御するために、制御シグナルを前記スイッチアセンブリに伝達するように構成される、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数のモータによって出力される前記トルクまたは前記複数のモータの前記回転方向の、前記1以上を個々に制御するために、パルス幅変調(PWM)シグナルとして、前記制御シグナルを伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記複数のモータによって出力される前記トルクを個々に制御するために、前記制御シグナルを伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記複数のモータの前記回転方向を個々に制御するために、前記制御シグナルを伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、車両の車輪スリップの検出に応じて、前記複数のモータの少なくとも1つによって出力される前記トルクを低下させるために、前記制御シグナルの少なくとも1つを前記スイッチアセンブリの少なくとも1つに伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記複数のモータの前記少なくとも1つによって出力される前記トルクを低下させるために、前記制御シグナルの少なくとも1つを伝達するように構成され、一方で、前記車両の前記複数のモータの他のモータは、前記他のモータによって出力される前記トルクを低下させない、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記複数のモータの前記回転方向を変更するために、前記制御シグナルを前記スイッチアセンブリに伝達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、アクスルへの、前記複数のモータの機械的リンクを変更することなく前記複数のモータの前記回転方向を変更するために、前記制御シグナルを前記スイッチアセンブに伝達するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記車両は、自動車、トラック、またはバスの1以上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記車両は鉄道車両である、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、前記方法は、
制御シグナルを複数の直流(DC)モータのスイッチアセンブリに伝達する工程であって、前記複数のDCモータの各々は、車両の異なるアクスルに連結されて、前記アクスルを回転させ、かつ前記車両を推進させ、前記スイッチングアセンブリは、H-ブリッジ回路を含む、工程と、
前記複数のDCモータの1以上のトルクまたは回転方向の、1以上が変化するか否かを判定する工程と、
1以上の前記複数のDCモータの前記トルクまたは前記回転方向の、前記1以上が変化するとの判定に応じて、前記制御シグナルを変更する工程であって、前記制御シグナルは、前記H-ブリッジ回路の1以上に伝達されて、前記複数のDCモータの前記1以上に、前記トルクまたは前記回転方向の、前記1以上を変更するように命じる、工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
前記制御シグナルは、パルス幅変調(PWM)シグナルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記トルクまたは前記回転方向の、前記1以上は、前記車両の車輪スリップの検出に応じて、変更されるべきであると判定される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
変更される前記制御シグナルは、前記1以上のスイッチアセンブリに、前記複数のモータの前記1以上によって出力される前記トルクを低下させるように命じ、一方で、前記車両の前記複数のモータの他のモータは、前記他のモータによって出力される前記トルクを低下させない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アクスルへの、前記複数のモータの機械的リンクを変更することなく前記複数のモータの前記1以上の回転方向を切り替える工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
自動車駆動用のシステムであって、前記システムは、
複数の直流(DC)モータであって、前記複数のDCモータの各々が、自動車の異なるアクスルに連結されるように、そして前記自動車を推進させるために前記アクスルを回転させるように構成される、複数の直流(DC)モータと、
複数のH-ブリッジ回路であって、前記複数のH-ブリッジ回路の各々が、前記複数のモータの異なるモータに連結されて、前記モータの回転を制御するように構成される、複数のH-ブリッジ回路と、
前記複数のモータによって出力されるトルクまたは前記複数のモータの回転方向の、1以上を個々に制御するために、制御シグナルを前記H-ブリッジ回路に伝達するように構成される、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記複数のDCモータによって出力される前記トルクまたは前記複数のDCモータの前記回転方向の、前記1以上を個々に制御するために、パルス幅変調(PWM)シグナルとして、前記制御シグナルを伝達するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記自動車の車輪スリップの検出に応じて、前記複数のDCモータの少なくとも1つによって出力される前記トルクを低下させるために、前記制御シグナルの少なくとも1つを前記H-ブリッジ回路の少なくとも1つに伝達するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記複数のDCモータの前記少なくとも1つによって出力される前記トルクを低下させるために、前記制御シグナルの少なくとも1つを伝達するように構成され、一方で、前記自動車の前記複数のDCモータの他のDCモータは、前記他のDCモータによって出力される前記トルクを低下させない、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、アクスルへの、前記複数のDCモータの機械的リンクを変更することなく前記複数のDCモータの前記回転方向を変更するために、前記制御シグナルを前記H-ブリッジ回路に伝達するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、(2020年12月07日に出願された)米国仮特許出願第63/122,316号の優先権を主張し、その開示の全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される本発明主題は、車両の直流(DC)トラクションモータの制御に関する。
【0003】
技術分野に関する議論
いくつかの車両は、DCで電気的に動力供給されるDCトラクションモータを使用して、車輪またはアクスルを回転させて車両を推進させる。例えば、いくつかの鉄道車両(例えば機関車)は、車両の異なるアクスルを各々回転させる、複数のトラクションモータを含む。しかし、これらのトラクションモータはすべて、トラクションモータが共に制御されるように互いに電気的に接続されていてもよい。アクスルを回転させるための1つのトラクションモータによって生成されたトルクを(例えば、アクスルに連結された車輪のスリップによって)低下させる必要がある場合、すべてのアクスル上のすべてのトラクションモータによって生成されたトルクが、低下される。これらの車両は、異なるアクスルを回転させるために各トラクションモータ―によって生成されたトルクを、個々に制御することができないかもしれない。
【0004】
車両の中には、個々に制御され得る交流(AC)トラクションモータを含むものがあるかもしれないが、ACトラクションモータおよび関連する電力駆動システムは、DCトラクションモータよりも複雑で高価である。現在利用可能なものとは異なるシステムおよび方法を有していることが望ましいかもしれない。
【発明の概要】
【0005】
一例では、システムは、複数のモータを含み、当該モータの各々が、車両の異なるアクスルに連結されることができ、そして車両を推進させるためにアクスルを回転させることができる。モータは、DCバスに連結され、モータに動力供給するために、DCバスを介してDCを受け取ってもよい。システムはまた、複数のスイッチアセンブリを含み、当該複数のスイッチアセンブリの各々が、複数のモータの異なるモータに連結されたH-ブリッジ回路を有して、モータの回転を制御する。システムは、H-ブリッジ回路を個々に制御して、複数のモータによって出力されるトルクまたは複数のモータの回転方向の、1以上を制御するために、制御シグナルをスイッチアセンブリに伝達し得る、コントローラを含む。
【0006】
一例では、方法は、制御シグナルを複数のDCモータのスイッチアセンブリに伝達する工程を含み、当該複数のDCモータの各々は、車両の異なるアクスルに連結されて、アクスルを回転させ、かつ車両を推進させる。スイッチアセンブリは、H-ブリッジ回路を含む。方法はまた、複数のDCモータの1以上のトルクまたは回転方向の、1以上が変化するか否かを判定する工程と、1以上のDCモータのトルクまたは回転方向の、1以上が変化するとの判定に応じて、制御シグナルを変更する工程であって、当該制御シグナルは、H-ブリッジ回路の1以上に伝達されて、複数のDCモータの1以上に、トルクまたは回転方向の、1以上を変更するように命じる、工程と、を含む。
【0007】
一例では、自動車駆動用のシステムは、複数のDCモータを含み、当該複数のDCモータの各々が、自動車の異なるアクスルに連結されることができ、そして自動車を推進させるためにアクスルを回転させることができる、複数のDCモータと、複数のH-ブリッジ回路であって、当該複数のH-ブリッジ回路の各々が、複数のモータの異なるモータに連結されて、モータの回転を制御することができる、複数のH-ブリッジ回路と、複数のモータによって出力されるトルクまたは複数のモータの回転方向の、1以上を個々に制御するために、制御シグナルをH-ブリッジ回路に伝達し得る、コントローラと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態に関する以下の記載を読むことで、理解されるであろう。
図1】DCトラクションモータ制御システムの1例を示す。
図2】スイッチアセンブリの一例を示す。
図3】パルス幅変調(PWM)シグナルの1例を示す。
図4】DCモータを個々に制御するための方法の1例のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載される本主題の実施形態は、DCトラクションモータのための制御システムに関する。制御システムは、スイッチングアセンブリとスイッチングアセンブリに伝達される制御シグナルとを使用して、同じ車両に搭載されているDCトラクションモータの回転のトルクおよび/または方向を、個々に制御することができる。スイッチングアセンブリは、いくつかの電気的に制御されたスイッチを有するH-ブリッジ回路を含むことができる。コントローラは、PWMシグナルをスイッチングアセンブリに送信して、いつH-ブリッジ回路中の異なるスイッチが開閉されるか、並びに、どのスイッチが同時に(あるいは重なる期間中に)開閉されるかを制御することができる。これにより、DCトラクションモータの各々によって生成されるトルクを制御することができ、DCトラクションモータに異なるトルク量を、並行してまたは同時に(例えば、同じ車両の異なるアクスルを同時に回転させるために)生成することができ、および/または、1以上のDCトラクションモータの回転の方向を、(DCトラクションモータと、対応するアクスルとの間のギヤなどの、機械的リンク機構を変更することなく)変更することができる。
【0010】
図1は、DCトラクションモータ制御システム(100)の1例を示す。制御システムは、コントローラ(102)を含み、当該コントローラ(102)は、スイッチアセンブリ(108)を介して、車両(106)の複数のDCトラクションモータ(104)の動作を制御する。示される実施形態では、各スイッチアセンブリは、異なるDCトラクションモータを制御するために使用される。DCトラクションモータは、1以上のDCバス(112)を介して、電源(110)に連結され得る。電源は、1以上のバッテリー、非車載電流源との接続(例えば、電流をDCトラクションモータに供給するためのカテナリー式架線、動力供給されたレール等に接続する、パントグラフ、導電性シューなど)であり得る。DCトラクションモータは、ACではなくDCを受け取り、そしてそれによって動力供給されるモータであり得る。DCトラクションモータの各々は、車両の異なるアクスル(114)に連結されて、そのアクスルに連結された車輪(116)を回転させて、車両を推進させる。代替的に、モータは、車輪に連結されて、アクスルには連結されなくてもよく、その結果、モータは(車両の車輪に接続するアクスルを共に回転させることなく)車輪を回転させる。
【0011】
コントローラはハードウェア回路を表わし、当該ハードウェア回路は、1以上のプロセッサ(例えば集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロプロセッサ等)を含み、および/またはそれらと接続され、当該1以上のプロセッサは、本明細書に記載される動作を実行して、スイッチアセンブリを介してDCトラクションモータを制御する。コントローラは、スイッチアセンブリへの制御シグナルを生成、および/または伝達して、DCトラクションモータによって出力されるトルク、および/またはモータの回転方向を、個々に制御することができる。コントローラは、異なるスイッチアセンブリに対して異なる制御シグナルを生成して、異なるスイッチングアセンブリによって制御されるDCトラクションモータに、モータの異なるトルクおよび/または回転方向を同時に生成させることができる。
【0012】
例えば、ルート上でスリップしている車両の第1のアクスルに連結された車輪(例えば、その車輪は、スリップによって同じ車両の他の車輪よりも回転が速くなる)に応じて、コントローラは、第1のスイッチングアセンブリを制御することができ、当該第1のスイッチングアセンブリが、(第1のアクスルを回転させる)第1のDCトラクションモータへのDCの導電を制御して、DCトラクションモータによって第1のアクスルに加えられるトルクを下げ、その一方で、並行的にまたは同時に、コントローラは、第2のスイッチングアセンブリを制御し、当該第2のスイッチングアセンブリが、(第2のアクスルを回転させる)第2のDCトラクションモータへのDCの導電を制御して、DCのトラクションモータによって第2のアクスルにかけられるトルクを上げるか、または維持することができる。
【0013】
代替的に、DCトラクションモータは、車両の車輪に連結されているかもしれず、および/または、車両は車輪間にアクスルを含んでいないかもしれない。例えば、各DCトラクションモータは、アクスルにトルクをかけることなく、異なる車輪を回転させてもよい。
【0014】
コントローラまた、ルート中のカーブ、ルート中の勾配の変化、ルート上の砂利などの、様々な条件に遭遇すること、または近付くことに応じて、DCトラクションモータを個々に制御することができる。例えば、車両がルート中のカーブを走行する際、コントローラは、車両の一方の車輪を回転させる、DCトラクションモータによってかけられるトルクを、車両の反対側の車輪を回転させる、DCトラクションモータによってかけられるトルクに対して上げることができる。これによって、車輪がルート上をスリップする可能性を下げることができ、車両がスリップ横転する可能性を下げることができ、車両の一方の車輪および/または経路の摩滅等を減少させる。例えば、車両の外側で車輪にかかるトルク(例えば、車両が左側の曲がり角または左手へのカーブを走行している時の車両の右側、あるいは、車両が右側の曲がり角または右手へのカーブを走行している時の車両の左側)を、車両の内側(例えば、車両が左側の曲がり角または左手へのカーブを走行している時の車両の左側、あるいは、車両が右側の曲がり角または右手へのカーブを走行している時の車両の右側)に対して上げることによって、車両の内側に沿った車輪がスリップする可能性を下げることができ、車両の外側に沿った車輪の摩滅を減少させることができ、車両の外側に沿ったルートの一部の摩滅を減少させることができ、および/または、車両がスリップ横転するのを防ぐことができる。
【0015】
コントローラは、モータの常態に基づいて、DCトラクションモータを個々に制御することができる。例えば、第1のDCトラクションモータの状態または条件に応じて、コントローラは、第1のDCトラクションモータによって生成されるトルクを低下させることができるが、一方で、同じ車両の1以上の他のDCトラクションモータは、トルクを下げたり上げたりしない。モータによって生成され得る最大トルクが下がったり、モータがオーバーヒート状態になったり、モータの寿命に到達したり、あるいは閾値を超えたり等の場合には、DCトラクションモータの条件の状態は低下し得る。
【0016】
コントローラは、制御シグナルを使用して、DCトラクションモータの1以上が回転する方向を変更することができる。これによって、コントローラは、モータとアクスル(または車輪)との間の機械的リンク(例えばギヤ)を変更することなく、DCトラクションモータによって車両が推進される方向を変更することができるようになる。例えば、制御シグナルは、車両のDCトラクションモータが回転する方向を変更して、車両に、車両が移動する方向を変更させることができる。
【0017】
図2は、スイッチアセンブリ(208)の一例を示す。図2に示されるスイッチアセンブリは、図1に示されるスイッチアセンブリ(108)の1つ(またはその各々)を表すことができる。スイッチアセンブリは、互いに導電的に連結されるいくつかのスイッチ(218)(例えば、スイッチ(218A-218D))と、H-ブリッジの回路または配置中のDCトラクションモータ(204)とを含む。例えば、モータは、スイッチアセンブリの脚(220)と(222)との間に配置することができ、各脚は、2つのスイッチを配し、そのスイッチ間でモータが脚に接続されている。
【0018】
コントローラは、制御シグナルを、導電性の経路(224)(例えばDCバス、別のバス、ワイヤ、ケーブル等)を介して、スイッチに伝達することができる。制御シグナルは、スイッチに対して、異なる時間で開閉するように命じる。モータは、どのスイッチが開状態か、および/またはどれが同時に閉状態であるかによって、トルクを上げ下げしてもよく、および/またはモータが回転する方向を変更してもよい。例えば、制御シグナルがスイッチ(218A)、(218D)を閉じ、そしてスイッチ(218B)、(218C)を開くと、DCがDCトラクションモータに伝導され、そしてモータが第1の方向に回転させられるだろう。しかし、制御シグナルがスイッチ(218B)、(218C)を閉じ、そしてスイッチ(218A)、(218D)を開くと、DCがDCトラクションモータに伝導され、そしてモータが第1の方向とは反対の第2の方向に回転させられるだろう。モータの同じ側面にあるが異なる脚のスイッチ(218A)、(218Cを)閉じる一方で他のスイッチ(218B)、(218D)を開く(あるいは、スイッチ(218B)、(218D)を閉じる一方でスイッチ(218A)、(218C)を開く)と、モータを制動させる。
【0019】
スイッチが開状態または閉状態にある際の、またはその間の、期間、および/またはスイッチが開閉される速度で、モータによって生成されるトルクを上げたり、または下げたりすることができる。例えば、長間間スイッチ(218A)、(218D)を閉状態に、スイッチ(218B)、(218C)を開状態に維持し、および/または、より頻繁にスイッチ(218A)、(218D)を閉じる(そしてスイッチ(218B)、(218)を開ける)と、短時間スイッチ(218A)、(218D)を閉状態に、スイッチ(218B)、(218C)を開状態に維持し、および/または、あまり頻繁にスイッチ(218A)、(218D)を閉じない(そしてスイッチ(218B)、(218)を開けない)時と比較して、第1の回転方向のモータによって生成されるトルクを上げることができる。
【0020】
コントローラは、一実施形態のパルス波変調(PWM)シグナルとして制御シグナルを生成することができる。異なるPWMシグナルが生成され、そしてコントローラから異なるスイッチに伝達されてもよい。PWMシグナルの特性は変化して、スイッチアセンブリがどのように動作するかを変更させるかもしれない。
【0021】
図3は、PWMシグナル(300)の一例を示す。PWMシグナルは、時間を表す水平軸(302)と、PWMシグナルの異なる値(例えば振幅)を表す垂直軸(304)とに沿って示される。示される実施形態では、PWMシグナルは、高値(306)と低値(308)との間で交互に切り替わるが、随意に、より多くの値間で、またはそれらの値の中で、交互に切り替わることができる、または変化することができる。PWMシグナルの高値はPWMシグナルのパルスを表わし、それらは低値によって互いから離されている。起動期間(310)は、PWMシグナルが高値のままである時間を表すか、またはパルスの持続時間を表わす。起動期間は、(PWMシグナルを受け取る)スイッチが、(DCをスイッチを通ってモータに伝導するために)閉状態のままである期間を表すことができる。非起動期間(312)は、PWMシグナルが低値(または高値ではない)のままである時間、またはパルス間の時間遅れを表わす。非起動期間は、(PWMシグナルを受け取る)スイッチが、(DCのスイッチを通るモータへの伝導を妨げるために)開状態のままである期間を表すことができる。PWMシグナルのデューティーサイクルは、起動期間が延びている部分のPWMシグナルの合計パーセンテージまたは合計割合である。例えば、PWMシグナルの合計持続時間の4分の3がいくつかのパルスによって形成される場合、PWMシグナルのデューティーサイクルは75%である。別の例としては、PWMシグナルの合計持続時間の5分の4がいくつかのパルスによって形成される場合、PWMシグナルのデューティーサイクルは80%である。
【0022】
スイッチに送信されるPWMシグナルのパルス幅および/またはデューティーサイクルを制御して、および/または、それらに互いに基づいて、スイッチアセンブリの異なるスイッチを、異なる時間で開閉することができる。例えば、スイッチ(218A)、(218D)に送信されるPWMシグナルのパルス幅および/またはデューティーサイクルを、より短時間のパルス幅および/またはデューティーサイクルを有するこれらのスイッチ(218A)、(218D)に送信されるPWMシグナルに対して、上げる(スイッチ(218B)、(218C)は開いたまま、またはそれらをより頻繁に開く)ことで、第1の方向のDCトラクションモータによって生成されるトルクを上げることができる。別の例としては、スイッチ(218B)、(218C)に送信されるPWMシグナルのパルス幅および/またはデューティーサイクルを、より短時間のパルス幅および/またはデューティーサイクルを有するこれらのスイッチ(218B)、(218C)に送信されるPWMシグナルに対して、上げる(スイッチ(218A)、(218D)は開いたまま、またはそれらをより頻繁に開く)ことで、反対の、第2の方向のDCトラクションモータによって生成されるトルクを上げることができる。
【0023】
動作中、コントローラは、DCトラクションモータのスイッチに送信されるPWMシグナルのパルス幅および/またはデューティーサイクルを変更して、DCトラクションモータによって生成されるトルクを個々に制御することができる。例えば、スイッチ(218A)、(218D)に送信されるPWMシグナルは、DCトラクションモータに、同じトルクまたは(製造公差による)およそ同じトルクを生成させるような、第1のデューティーサイクルを有することができる。DCトラクションモータの1以上によって生成されるトルクが下がるとの判定に応じて、コントローラは、これらの1以上のモータのスイッチ(218A)、(218D)に送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを、より小さい、第2のデューティーサイクルに低下させることができる。これによって、これらの1以上のモータによって生成されるトルクが、(同じ車両中の、より長いまたはより大きなデューティーサイクルを有するPWMシグナルを有する1以上の他のモータと比較して)低下されるだろう。例えば、車両のアクスルが有する車輪が、ルートの表面上でスリップしたとの判定に応じて、コントローラは、進行方向にアクスルを回転させるモータのスイッチングアセンブリのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを下げ、一方で、車両の他のモータのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを維持することができる。アクスルの車輪がもはやルートの表面上でスリップしていないとの判定に応じて、コントローラは、進行方向にアクスルを回転させるモータのスイッチングアセンブリのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを上げることができる。
【0024】
(複数の車輪に連結されたアクスルを回転させるモータの代わりに)個々のモータが異なる車輪を回転させる別の例では、車両の車輪が、ルートの表面上でスリップしたとの判定に応じて、コントローラは、そのモータのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを下げ、一方で、車両の他のモータのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを維持する、または上げることができる。車輪がもはやルートの表面上でスリップしていないとの判定に応じて、コントローラは、進行方向に車輪を回転させるモータのスイッチングアセンブリのスイッチに送信されるPWMシグナルのデューティーサイクルを上げることができる。
【0025】
別の例として、コントローラは、スイッチングアセンブリに送信されるPWMシグナルを変更して、車両が移動する方向を変更することができる。コントローラは、DCトラクションモータのスイッチングアセンブリにPWMシグナルを送信することができ、それは、スイッチ(218A)、(218D)を時間の70%で閉じ、そしてスイッチ(218B)、(218C)を時間の70%で開状態に維持するデューティーサイクルを有する(その結果、スイッチ(218B)、(218C)は、30%のデューティーサイクルを有する)。これによって、モータに、車両のアクスルおよび/または車輪を第1の方向に回転させることができる。コントローラは、PWMシグナルを変更して、スイッチ(218B)、(218C)を時間の70%(または別の量)で閉じ、そしてスイッチ(218A)、(218D)を時間の70%で開状態に維持することができる(その結果、スイッチ(218A)、(218D)は、30%のデューティーサイクルを有する)。これによって、モータに、車両のアクスルおよび/または車輪を反対の、第2の方向に回転させることができる。
【0026】
コントローラはまた、制御シグナルを使用して、DCトラクションモータを素早くシャットダウンすることができる。例えば、コントローラは、モータに関連するスイッチングアセンブリのスイッチにシグナル送信し、当該シグナルが、スイッチ(例えば218A-218D)を開くか、またはモータの同じ側面にあるが、スイッチングアセンブリの異なる脚のスイッチを開く(例えば、スイッチ(218A)、(218C)を開くか、またはスイッチ(218B)、(218D)を開く)ことができる。スイッチは、これらの制御シグナルの受け取りに応じて、モータを素早くシャットダウンし、そして、電源、スイッチングアセンブリ、およびモータを含み、かつそれらに接続される回路から、モータを分離することができる。コントローラは、フラッシュオーバー事象、モータへの損傷等などの1以上の事象の発生に応じて、モータをシャットダウンし、そして分離することができる。
【0027】
DCトラクションモータを個々に制御するためのH-ブリッジの使用は、各モータの個々の制御を可能にすることができ、これによって、牽引力の上昇と燃料消費量の低下を提供することができる(モータのデューティーサイクルが100%未満であるため)。追加的に、H-ブリッジの使用は、モータのフラッシュオーバー故障などの、様々な故障事象によるモータのダウンタイムを、低下させることができる。フラッシュオーバーを起こしているモータは、迅速にクランプ(clamp)、またはシャットダウンすることができ、これによって、フラッシュオーバー事象による、モータ内部の大気のイオン化とモータへのさらなる損傷とが阻止される。
【0028】
図4は、DCモータを個々に制御するための方法(400)の1例のフローチャートを示す。方法は、車両のいくつかのDCトラクションモータのトルクおよび/または回転方向を個々に制御するために、コントローラによって実行される動作を表わすことができる。代替的に、方法は、トラクションモータ以外のDCモータを制御するために使用することができる。工程(402)では、DCモータの回転の方向が判定される。例えば、コントローラは、(例えばレバー、ボタン、スイッチ等の操作を介する)オペレータ入力に基づいて、車両の計画されている動きに基づいて等によって、車両がどの方向に移動しているかを判定することができる。工程(404)では、DCモータによって生成されたトルクが判定される。例えば、コントローラは、オペレータ入力に基づいて、車両の計画されている動きに基づいて、車輪スリップの検出に基づいて、検出事象(例えばフラッシュオーバー事象)に基づいて等によって、トルクを判定することができる。
【0029】
工程(406)では、判定された回転の方向とトルクとに基づいて、PWMシグナルがモータに対して生成される。PWMシグナルは、モータのスイッチングアセンブリの異なるスイッチに対するデューティーサイクルを有しており、当該デューティーサイクルが、工程(402)で判定された方向にモータを回転させること、および、工程(404)で判定されたトルクをモータに生成させることの両方を行う。PWMシグナルは、本明細書に記載される通りに、モータのスイッチに伝達されて、モータを制御する。方法は、個々に制御されるべきである複数のDCモータの各々に対して、繰り返すことがでる。
【0030】
一例では、システムは、複数のモータを含み、当該複数のモータの各々が、車両の異なるアクスルに連結されることができ、そして車両を推進させるためにアクスルを回転させることができる。モータは、DCバスに連結され、そしてモータに動力供給するために、DCバスを介してDCを受け取ることができる。システムはまた、複数のスイッチアセンブリを含み、当該複数のスイッチアセンブリの各々が、複数のモータの異なるモータに連結されたH-ブリッジ回路を有して、モータの回転を制御する。システムは、H-ブリッジ回路を個々に制御して、複数のモータによって出力されるトルクまたは複数のモータの回転方向の、1以上を制御するために、制御シグナルをスイッチアセンブリに伝達し得る、コントローラを含む。
【0031】
コントローラは、モータによって出力されるトルクまたはモータの回転方向の、1以上を個々に制御するために、PWMシグナルとして、制御シグナルを伝達してもよい。コントローラは、モータによって出力されるトルクを個々に制御するために、制御シグナルを伝達してもよい。コントローラは、モータの回転方向を個々に制御するために、制御シグナルを伝達してもよい。コントローラは、車両の車輪スリップの検出に応じて、モータの少なくとも1つによって出力されるトルクを低下させるために、制御シグナルの少なくとも1つをスイッチアセンブリの少なくとも1つに伝達してもよい。絶対的な意味においてトルクを低下させることに加えて、コントローラは、モータ動作の他の態様を制御してもよい。これは、例えば、トルク低下の変化率、トルク低下の量等を制御するためのダウン(down)であってもよい。一例では、コントローラは、機械学習プロセスを使用して、トルク低下プロファイルを判定する。
【0032】
コントローラは、モータの少なくとも1つによって出力されるトルクを低下させるために、制御シグナルの少なくとも1つを伝達してもよく、一方で、車両のモータの他のモータは、他のモータによって出力されるトルクを低下させない。コントローラは、モータの回転方向を変更するために、制御シグナルをスイッチアセンブリに伝達してもよい。コントローラは、アクスルへの、モータの機械的リンクを変更することなくモータの回転方向を変更するために、制御シグナルをスイッチアセンブリに伝達してもよい。好適な車両は、自動車、トラック、またはバスの1以上であってもよい。代替的に、車両は鉄道車両であってもよい。
【0033】
一例では、方法は、制御シグナルを複数のDCモータのスイッチアセンブリに伝達する工程を含み、当該複数のDCモータの各々は、車両の異なるアクスルに連結されて、アクスルを回転させ、かつ車両を推進させる。スイッチアアセンブリは、H-ブリッジ回路を含む。方法はまた、複数のDCモータの1以上のトルクまたは回転方向の、1以上が変化するか否かを判定する工程と、1以上のDCモータのトルクまたは回転方向の、1以上が変化するとの判定に応じて、制御シグナルを変更する工程であって、当該制御シグナルは、H-ブリッジ回路の1以上に伝達されて、複数のDCモータの1以上に、トルクまたは回転方向の、1以上を変更するように命じる、工程と、を含む。
【0034】
制御シグナルは、PWMシグナルであってもよい。トルクまたは回転方向の、1以上は、車両の車輪スリップの検出に応じて、変更されてもよい。変更される制御シグナルは、1以上のスイッチアセンブリに、複数のモータの1以上によって出力されるトルクを低下させるように命じてもよく、一方で、車両の複数のモータの他のモータは、他のモータによって出力されるトルクを低下させない。制御シグナルは、アクスルへの、複数のモータの機械的リンクを変更することなく複数のモータの1以上の回転方向を変更するために、変更されてもよい。
【0035】
一例では、自動車駆動用のシステムは、複数のDCモータを含み、当該複数のDCモータの各々が、自動車の異なるアクスルに連結されるように、そして自動車を推進させるためにアクスルを回転させるように構成される、複数のDCモータと、複数のH-ブリッジ回路であって、当該複数のH-ブリッジ回路の各々が、複数のモータの異なるモータに連結されて、モータの回転を制御することができる、複数のH-ブリッジ回路と、複数のモータによって出力されるトルクまたは複数のモータの回転方向の、1以上を個々に制御するために、制御シグナルをH-ブリッジ回路に伝達し得る、コントローラと、を含む。
【0036】
コントローラは、複数のDCモータによって出力されるトルクまたは複数のDCモータの回転方向の、1以上を個々に制御するために、PWMシグナルとして、制御シグナルを伝達してもよい。コントローラは、自動車の車輪スリップの検出に応じて、複数のDCモータの少なくとも1つによって出力されるトルクを低下させるために、制御シグナルの少なくとも1つをH-ブリッジ回路の少なくとも1つに伝達してもよい。コントローラは、複数のDCモータの少なくとも1つによって出力されるトルクを低下させるために、制御シグナルの少なくとも1つを伝達してもよく、一方で、自動車の複数のDCモータの他のDCモータは、他のDCモータによって出力されるトルクを低下させない。コントローラは、アクスルへの、複数のDCモータの機械的リンクを変更することなく複数のDCモータの回転方向を変更するために、制御シグナルをH-ブリッジ回路に伝達してもよい。
【0037】
一実施形態では、コントローラは、ローカルデータ収集システムを展開してもよく、当該ローカルデータ収集システムは、機械学習を使用して、誘導ベースの学習成果を可能にしてもよい。コントローラは、データ駆動型の予測を行い、そしてデータのセットに従って適応することによって、(様々なセンサによって提供されるデータを含む)データのセットから、学習してもよく、または、それらに関する決定を下してもよい。実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、および強化学習などの機械学習システムによって、複数の機械学習タスクを実行することを含んでもよい。教師あり学習は、例示的入力および所望の出力のセットを機械学習システムに提示することを含んでもよい。教師なし学習は、パターン検出および/または特徴学習などの方法によって、その入力を組み立てている学習アルゴリズムを含んでもよい。強化学習は、動的環境で動作し、そしてその後に正確な決定と不正確な決定とに関するフィードバックを提供する、機械学習システムを含んでもよい。例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づく複数の他のタスクを含んでもよい。例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元縮小、異常検出等などの機械学習上の問題であってもよい。例では、機械学習は、複数の数学的および統計学的手法を含んでもよい。例では、多くのタイプの機械学習アルゴリズムは、デシジョンツリーベースの学習、結合規則学習、深層学習、人工ニューラルネットワーク、遺伝的学習アルゴリズム、帰納的論理プログラミング、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアン・ネットワーク、強化学習、表現学習(representation learning)、ルール・ベース機械学習、スパース辞書学習(sparse dictionary learning)、類似性およびメトリック学習(similarity and metric learning)、学習分類子システム(LCS)、ロジスティク回帰、ランダムフォレスト、K-平均法、勾配ブースト、K-近傍点(K-nearest neighbors)(KNN)、演繹的アルゴリズム(priori algorithms)等を含んでもよい。実施形態では、(例えば、自然淘汰に基づき得る制約ありまたは制約なしの最適化問題の両方を解決のための)特定の機械学習アルゴリズムが、使用されてもよい。一例では、アルゴリズムを使用して、いくつかの構成要素が整数値に制限されている、混合整数計画法問題に対処してもよい。アルゴリズムおよび機械学習技法およびシステムは、計算上の知能システム、コンピュータ・ビジョン、自然言語処理(NLP)、リコメンダーシステム、強化学習、グラフィックモデル構築等に使用されてもよい。一例では、機械学習は、車両性能分析および車両挙動分析等に使用されてもよい。
【0038】
一実施形態では、コントローラは、1以上のポリシーを適用し得る、ポリシーエンジンを含む。これらのポリシーは、機器または環境の所与の項目の特性に、少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、先行車両は、検証可能なローカルコントローラのみが車両操作の特定のパラメータを変更できるというポリシーを含む、ポリシーを有していてもよい。これは、例えば、ハッカーによる遠隔「乗っ取り」を回避するかもしれない。データ収集システムからのフィードバックに基づく変形と選択とによって、ポリシーエンジンは、時間の経過とともに、非常に多数のモータにわたるポリシーを、自動的に作成、展開、構成、および管理することを学習することができる。
【0039】
制御ポリシーに関して、ニューラルネットワークは、多数の環境的かつタスクに関連するパラメータの入力を受け取ることができる。これらのパラメータは、車両群、様々なセンサからのデータ、ならびに位置データおよび/またはポジションデータに対する、所定のトリッププランの識別を含んでもよい。これらの入力に基づく出力を生成するように、ニューラルネットワークを訓練することができ、出力は、トリッププランを遂行するために車両群が講ずるべきアクション、または一連のアクションを表わす。動作中、アクションの選択は、ニューラルネットワークのパラメータを介して入力を処理することによって行われ、その結果、そのアクションを所望のアクションとして指定する出力ノードの値が生成される。このアクションは、車両を動作させるシグナルに変換されてもよい。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、クローズドループフィードバック、またはオープンループフィードバックを介して遂行されてもよい。代替的に、バックプロパゲーションを使用するよりもむしろ、コントローラの機械学習システムは、進化戦略手法を使用して、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整してもよい。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決できるとは限らない関数、例えば、非凸関数、を備えたニューラルネットワークアーキテクチャを使用してもよい。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続のウェイトを表わすパラメータのセットを有する。このネットワークの多数のコピーが生成され、その後に、様々な調節がパラメータに対して行われ、そしてシミュレーションが行われる。一旦、様々なモデルからの出力が取得されると、それらは、それらの性能について、所定の成功評価基準(success metric)を使用して評価されてもよい。最良モデルが選択され、そして、車両のコントローラは、予測された最良の結果シナリオを映し出す所望の入力データを達成するための、そのプランを実行する。好適な成功評価基準としては、例えば、トリッププランを完了するための最低量の燃料消費量またはエネルギー消費量、あるいは目的地に到着するための最速のスループット、あるいは機器に対して予測される最小の摩耗または変形、あるいは衝突(または脱線)の最小の可能性等が挙げられ得る。追加的に、成功評価基準は、前述の組み合わせであってもよく、それらは互いに、(または、例えば、絶対制限-衝突ゼロで可能な限り高速で-などを使用して、)検討されてもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合の、「プロセッサ」および「コンピュータ」という用語、ならびに関連する用語、例えば、「処理デバイス」、「コンピュータデバイス」、および「コントローラ」は、当技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路にのみ限定されないかもしれず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびアプリケーション固有の集積回路、ならびにその他のプログラム可能な回路を指しても良い。好適なメモリとしては、例えば、コンピュータ可読媒体を挙げることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体であり得る。「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、任意のデバイスにおける、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびサブモジュールなどの情報、または他のデータの、短期的および長期的保存のために実装される、有形のコンピュータベースのデバイスを表す。したがって、本明細書に記載される方法は、記憶デバイスおよび/またはメモリデバイスを含むがこれらに限定されない、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に具現化される、実行可能な命令としてコード化されても良い。そのような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載される方法の少なくとも一部を実行させる。そのため、この用語は、有形のコンピュータ可読媒体を含み、当該コンピュータ可読媒体は非一時的コンピュータ記憶デバイスを含むがこれに限定されず、当該非一時的コンピュータ記憶デバイスは揮発性媒体と不揮発性媒体、および取り外し可能な媒体と取り外し不可能な媒体を含むがこれらに限定されず、例えば、ファームウェア、物理的保存場所および仮想的保存場所、CD-ROM、DVD、および、ネットワークやインターネットなどの他のデジタルソースを含む。
【0041】
本明細書で使用される単数形、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈に別段の明示がない限り、複数の参照を含む。「任意の」または「随意に」とは、後に記載される出来事または状況が発生する場合と発生しない場合があり、そしてその記載は、出来事が発生する場合と発生しない場合を含み得ることを意味する。本明細書と特許請求の範囲全体で使用される時、概数を表す言語は、関連する可能性のある基本機能を変更することなく、許容範囲内で変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用されてもよい。したがって、「約」、「実質的に」、および「ほぼ」などの用語(複数可)によって修飾される値は、指定された詳細な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの場合には、概算を表す言語は、値を測定するための機器の精度に対応していても良い。ここでおよび明細書と特許請求の範囲全体を通して、範囲制限は、組み合わせられる場合および/または入れ替えられる場合があり、文脈または言語による別段の指示がない限り、そのような範囲は識別され、そして、そこに含有されるすべてのサブ範囲を含むことができる。
【0042】
この書面による説明は、実施形態を開示する例を使用して、最良のモードを含む本発明の実施形態を開示し、当業者が、任意のデバイスまたはシステムの作成と使用、および包含されるいずれの方法の実施をも含む本発明の実施形態を実践することを可能にする。特許請求の範囲は、本開示の特許可能な範囲を定義し、そして当業者であれば想到する他の例を含む。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に異ならない差を伴う同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあると意図される。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】