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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090620
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】再封可能な包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/30 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
B65D77/30 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021191407
(22)【出願日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2020202768
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】植木 達也
(72)【発明者】
【氏名】堀内 雅文
(72)【発明者】
【氏名】山口 恵介
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067BA12A
3E067BB01A
3E067BB06A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067CA24
3E067EA05
3E067EA06
3E067EB17
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD07
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】本開示は、使用者が再封止部を容易に開封することが可能な包装袋を説明する。
【解決手段】再封可能な包装袋は、一対の第1の側部及び第2の側部と、第1の側部及び第2の側部とを接続する底部と、底部とは反対側に位置する入口部と、入口部の近傍において第1の側部から第2の側部に至るまで第1の側部及び第2の側部が並ぶ第1の方向に沿って延びる接合領域を再封可能に構成された再封止部とを備える。再封止部は、入口部が封止された状態で、接合領域において表面部と裏面部との間で挟持され、接合領域に配置された第1の部分と、接合領域のうち第1の部分よりも入口部側で且つ第1の部分に隣接して配置された第2の部分とを含む。第1の部分のヒートシール強度は第2の部分のヒートシール強度よりも大きい。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚以上の包装フィルムが袋状となるように接合されて構成され、且つ、互いに対向するように重ね合わせられた表面部及び裏面部を含む、再封可能な包装袋であって、
一対の第1の側部及び第2の側部と、
前記第1の側部及び前記第2の側部とを接続する底部と、
前記底部とは反対側に位置する入口部と、
前記入口部の近傍において前記第1の側部から前記第2の側部に至るまで前記第1の側部及び前記第2の側部が並ぶ第1の方向に沿って延びる接合領域を再封可能に構成された再封止部とを備え、
前記再封止部は、
前記入口部が封止された状態で、前記接合領域において前記表面部と前記裏面部との間で挟持され、
前記接合領域に配置された第1の部分と、
前記接合領域のうち前記第1の部分よりも前記入口部側で且つ前記第1の部分に隣接して配置された第2の部分とを含み、
前記第1の部分のヒートシール強度は前記第2の部分のヒートシール強度よりも大きい、包装袋。
【請求項2】
前記第1の部分のヒートシール強度が5N/15mm以上且つ20N/15mm以下であり、
前記第2の部分のヒートシール強度が0.5N/15mm以上且つ5N/15mm未満である、請求項1に記載された包装袋。
【請求項3】
前記一枚以上の包装フィルムは、
前記表面部に対応する表側包装フィルムと、
前記裏面部に対応する裏側包装フィルムとを含み、
前記表側包装フィルム及び前記裏側包装フィルムには、
前記第1の側部においてシールされた第1のシール部と、
前記第2の側部においてシールされた第2のシール部とが設けられており、
前記再封止部は、前記入口部の近傍において前記第1のシール部から前記第2のシール部に至るまで前記第1の方向に沿って延びている、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記一枚以上の包装フィルムは、
前記表面部に対応する表側包装フィルムと、
前記裏面部に対応する裏側包装フィルムと、
前記第1の側部に対応し、且つ、前記入口部の近傍が内側に折り込まれた第1の側面包装フィルムと、
前記第2の側部に対応し、且つ、前記入口部の近傍が内側に折り込まれた第2の側面包装フィルムとを含み、
前記表側包装フィルム及び前記第1の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第1の柱シール部が設けられており、
前記表側包装フィルム及び前記第2の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第2の柱シール部が設けられており、
前記裏側包装フィルム及び前記第1の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第3の柱シール部が設けられており、
前記裏側包装フィルム及び前記第2の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第4の柱シール部が設けられており、
前記再封止部は、
前記入口部の近傍において前記第1の柱シール部から前記第2の柱シール部に至るまで前記第1の方向に沿って延びるように、前記表側包装フィルムの内面に設けられた第1の再封止部と、
前記入口部の近傍において前記第3の柱シール部から前記第4の柱シール部に至るまで前記第1の方向に沿って延びるように、前記裏側包装フィルムの内面に設けられた第2の再封止部とを含む、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項5】
前記一枚以上の包装フィルムは、筒状に形成された一枚の包装フィルムを含み、
前記一枚の包装フィルムは、
前記表面部と、
前記裏面部と、
前記第1の側部に対応し、前記表面部及び前記裏面部を接続するように一体的に延び、且つ、前記入口部の近傍が内側に折り込まれた第1のマチ部と、
前記第2の側部に対応し、前記表面部及び前記裏面部を接続するように一体的に延び、且つ、前記入口部の近傍が内側に折り込まれた第2のマチ部とを含み、
前記一枚の包装フィルムには、前記一枚の包装フィルムの側縁同士がシールされた柱シール部が設けられており、
前記再封止部は、
前記入口部の近傍において前記第1のマチ部から前記第2のマチ部に至るまで前記第1の方向に沿って延びるように、前記表面部の内面に設けられた第1の再封止部と、
前記入口部の近傍において前記第1のマチ部から前記第2のマチ部に至るまで前記第1の方向に沿って延びるように、前記裏面部の内面に設けられた第2の再封止部とを含む、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項6】
前記再封止部は、
第1のポリオレフィン層と、
前記第1のポリオレフィン層に積層された粘着剤層と、
前記粘着剤層に積層された第2のポリオレフィン層とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項7】
前記再封止部における前記粘着剤層のヒートシール強度が、前記再封止部における前記粘着剤層以外の層のヒートシール強度よりも小さい、請求項6に記載された包装袋。
【請求項8】
前記再封止部における前記粘着剤層のヒートシール強度が0.5N/15mm~20N/15mmである、請求項7に記載された包装袋。
【請求項9】
前記粘着剤層は、前記入口部が開口されることにより、前記第1のポリオレフィン層又は前記第2のポリオレフィン層との層間において剥離して露出するように構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項10】
前記粘着剤層は、前記入口部が開口されることにより、自身の層内で凝集剥離して露出するように構成されている、請求項6~8のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項11】
前記再封止部は前記接合領域内にのみ配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項12】
前記再封止部は、前記表面部の内面全体を覆うように前記表面部に設けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項13】
前記接合領域は、前記入口部及び前記底部が並ぶ第2の方向において突出するように曲がる曲がり部を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項14】
前記接合領域は、V字形状、U字形状又は波形状を呈する、請求項13に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再封可能な包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋の内部に収容された内容物の状態を保持するなどの目的のため、開封及び封止を繰り返し行える包装袋が知られている。例えば、特許文献1は、オス及びメス形状の一対のプラスチック製チャックが開口部の近傍に設けられた包装袋を開示している。特許文献2は、開封された開口部を再封するための貼付シール部を備えた包装袋を開示している。当該貼付シール部は、粘着性を有するシール部本体と、シール部本体を覆う離型紙とで構成されている。開封された開口部を再封する際は、使用者は、離型紙をシール部本体から剥離し、露出したシール部本体を包装袋の表面に貼り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-055902号公報
【特許文献2】特開2014-205498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、使用者が再封止部を容易に開封することが可能な包装袋を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
包装袋の一例は、一枚以上の包装フィルムが袋状となるように接合されて構成され、且つ、互いに対向するように重ね合わせられた表面部及び裏面部を含む、再封可能な包装袋である。包装袋の一例は、一対の第1の側部及び第2の側部と、第1の側部及び第2の側部とを接続する底部と、底部とは反対側に位置する入口部と、入口部の近傍において第1の側部から第2の側部に至るまで第1の側部及び第2の側部が並ぶ第1の方向に沿って延びる接合領域を再封可能に構成された再封止部とを備える。再封止部は、入口部が封止された状態で、接合領域において表面部と裏面部との間で挟持され、接合領域に配置された第1の部分と、接合領域のうち第1の部分よりも入口部側で且つ第1の部分に隣接して配置された第2の部分とを含む。第1の部分のヒートシール強度は第2の部分のヒートシール強度よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る包装袋によれば、使用者が再封止部を容易に開封することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、包装袋の一例を示す正面図である。
図2図2は、図1のII-II線断面図である。
図3図3は、図1の包装袋を入口部で開封した状態の一例を示す断面図である。
図4図4は、製袋機の熱融着ユニットの一例を示す斜視図である。
図5図5は、製袋機の熱融着ユニットの他の例を示す斜視図である。
図6図6は、製袋機の熱融着ユニットの他の例を示す斜視図である。
図7図7は、図1の包装袋を入口部で開封した状態の他の例を示す断面図である。
図8図8は、包装袋の他の例を示す断面図である。
図9図9は、包装袋の他の例を示す断面図である。
図10図10(a)~図10(f)はそれぞれ、包装袋の他の例を示す正面図である。
図11図11は、包装袋の他の例を示す正面図である。
図12図12は、包装袋の他の例を示す斜視図である。
図13図13は、図12の包装袋を入口部で開封した状態の一例を示す斜視図である。
図14図14は、包装袋の他の例を示す斜視図である。
図15図15は、図14の包装袋を入口部で開封した状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0009】
[再封可能な包装袋の構成]
図1及び図2を参照して、再封可能な包装袋1の一例の構成について説明する。包装袋1は、複数の包装フィルムによって構成されている。図1及び図2の例において、包装袋1は、表側包装フィルム11(表面部)と裏側包装フィルム12(裏面部)とが互いに対向するように重ね合わせられ、且つ、これらが再封止フィルム20(再封止部)を間に挟持した状態で構成されている。包装袋1は、例えば、全体として矩形状を呈していてもよい。
【0010】
包装袋1は、図1に例示されるように、左側部1L(第1の側部)と、右側部1R(第2の側部)と、底部1Bと、上部1Tとを含む。左側部1Lは、包装袋1の左側縁において上下方向Ar1(第2の方向)に沿って延びている。右側部1Rは、包装袋1の右側縁において上下方向に沿って延びている。左側部1Lと右側部1Rとは、上下方向Ar1と直交する左右方向Ar2(第1の方向)において対向している。底部1Bは、左側部1Lの下端部と右側部1Rの下端部とを接続するように、包装袋1の下縁において左右方向Ar2に沿って延びている。上部1Tは、左側部1Lの上端部と右側部1Rの上端部とを接続するように、包装袋1の上縁において左右方向Ar2に沿って延びている。底部1Bと上部1Tとは、上下方向Ar1において対向している。
【0011】
表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12は、例えば、可撓性を有する略矩形状のシートである。表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12の厚みは、例えば、30μm~200μm程度であってもよい。表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12は、左側部1L、右側部1R及び底部1Bにおいて互いにシール(例えば、熱融着)されている。すなわち、表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12には、左側部1Lにおいてこれらが互いにシールされたシール部31(第1のシール部)と、右側部1Rにおいてこれらが互いにシールされたシール部32(第2のシール部)と、底部1Bにおいてこれらが互いにシールされたシール部33とが設けられている。
【0012】
図1及び図2に例示されるように、表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12は、上部1Tにおいてはシールされていなくてもよい。あるいは、後述するように、表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12は、上部1Tにおいてシールされていてもよい(図11参照)。包装袋1の上部1Tには、包装袋1の開封時において包装袋1の内外を連通する入口部OPが設けられている。すなわち、入口部OPは、包装袋1の底部1Bとは反対側に位置しており、包装袋1の開封時において、包装袋1の内容物を取り出すための取出口として機能する。
【0013】
表側包装フィルム11は、図示していないが、基材層と、中間層とが、包装袋1の外側から内側に向けてこの順に積層されて構成されていてもよい。
【0014】
基材層は、例えば、プラスチックフィルム、紙、不織布などが単独で、又は、これらが2つ以上組み合わされて構成されていてもよい。プラスチックフィルムは、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどであってもよい。プラスチックフィルムが所定の機械的強度や寸法安定性を発現するのであれば、その材料、材質、製造方法等について特に限定されない。例えば、プラスチックフィルムが二軸延伸されたフィルムからなるものであってもよい。プラスチックフィルムの表面にアルミニウム等の金属の蒸着層が形成されていてもよい。紙は、例えば、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などであってもよい。紙が有する機械的強度や製袋適正に基づいて、基材層に用いる紙が適宜選択されてもよい。
【0015】
中間層は、例えば、表側包装フィルム11の諸物性を向上させる目的で配置されうる。諸物性とは、例えば、剛性、落下強度、突き刺し強度、気体(例えば、水蒸気、酸素ガスなど)のバリア性、美粧性などが挙げられる。剛性、落下強度、突き刺し強度等を向上させる場合、中間層は、例えば、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムなどで構成されていてもよい。水蒸気のバリア性を向上させる場合、中間層は、例えば、アルミニウム箔その他の金属箔、アルミニウム等の金属が蒸着されたプラスチックフィルム(例えばポリエステルフィルム)、無機酸化物が蒸着されたプラスチックフィルム(例えばポリエステルフィルム)などで構成されていてもよい。無機酸化物は、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属酸化物であってもよい。このうち、生産性及び価格を考慮して、無機酸化物として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが選択されてもよい。美粧性を向上させる場合、中間層は、例えば、アルミニウム蒸着層を有したポリエステルフィルムなどで構成されていてもよい。
【0016】
基材層と中間層とは、接着剤によって接合されていてもよい。接着剤は、例えば、ドライラミネート用接着剤であってもよい。接着剤の種類としては、例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などであってもよい。接着剤としてドライラミネート用接着剤を用いる場合には、2つの層をドライラミネート法にて貼り合わせてもよい。
【0017】
裏側包装フィルム12は、図示していないが、表側包装フィルム11と同様に、基材層と、中間層とが、包装袋1の外側から内側に向けてこの順に積層されて構成されていてもよい。図2に例示されるように、裏側包装フィルム12は、基材層又は中間層の内面に設けられたシーラント層12aをさらに含んでいてもよい。シーラント層12aは、基材層又は中間層の内面の全面に設けられていてもよいし、基材層又は中間層の内面のうちシール部31~33が形成される領域に設けられていてもよい。シーラント層12aは、基材層又は中間層に対して、上述の接着剤によって接合されていてもよい。
【0018】
シーラント層12aは、熱により溶融して他のシートに融着するように構成されていてもよい。すなわち、シーラント層12aは、ヒートシール可能に構成されていてもよい。シーラント層12aは、例えば、ポリオレフィン系樹脂により構成されていてもよい。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどであってもよい。シーラント層12aの材料として上記の樹脂が用いられる場合には、上記の樹脂が押出機によって膜状に成形させることでシーラント層12aが構成されてもよい。シーラント層12aは、単層であってもよいし、複層であってもよい。
【0019】
再封止フィルム20は、図2に例示されるように、表側包装フィルム11の内面に設けられている。図1及び図2に例示される包装袋1において、再封止フィルム20は、表側包装フィルム11の内面の全面に設けられている。再封止フィルム20は、ポリオレフィン層21(第1のポリオレフィン層)と、粘着剤層22と、ポリオレフィン層23(第2のポリオレフィン層)とが、包装袋1の外側から内側に向けてこの順に積層されて構成されている。すなわち、ポリオレフィン層21は、表側包装フィルム11に積層されている。粘着剤層22は、ポリオレフィン層21に積層されている。ポリオレフィン層21と、粘着剤層22と、ポリオレフィン層23とは、ラミネートによって積層されたものであってもよい。ラミネートの手法としては、種々の公知の手法(例えば、ドライラミネート、押出ラミネート)が採用されてもよい。ポリオレフィン層23は、粘着剤層22に積層されている。再封止フィルム20は、例えば、三菱ケミカル株式会社製「ダイアミロン(登録商標) MF-RE」であってもよい。
【0020】
再封止フィルム20は、図2に例示されるように、入口部OPの近傍の接合領域Rにおいて、裏側包装フィルム12と接合されている。例えば、接合領域Rにおいて、再封止フィルム20のポリオレフィン層23と、シーラント層12aとが熱融着されていてもよい。ポリオレフィン層23とシーラント層12aとの熱融着は、入口部OPから包装袋1内に内容物を収容した後に行われてもよい。この場合、内容物は、包装袋1内に密封される。
【0021】
接合領域Rは、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って延びている。接合領域Rは、図1に例示されるように、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って直線状に延びていてもよい。接合領域Rの幅(上下方向Ar1における大きさ)は、例えば、5mm程度以上であってもよいし、20mm程度以下であってもよい。
【0022】
接合領域Rは、図1図3に例示されるように、左右方向Ar2に沿って延び且つ底部1B側(入口部OPと反対側)に位置する領域R1(第1の領域)と、左右方向Ar2に沿って延び且つ上部1T側(入口部OP側)に位置する領域R2(第2の領域)とを含む。領域R1の幅(上下方向Ar1における大きさ)は、領域R2の幅(上下方向Ar1における大きさ)より大きくてもよい。
【0023】
以上に説明した包装袋1を開封する際には、使用者は、入口部OPにおける表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とを摘まんで、これらを互いに引き離すように力を加える。これにより、図2及び図3に例示されるように、まず、接合領域Rのうち入口部OP側における端縁X1近傍において、ポリオレフィン層23が破断する。引き続いて、粘着剤層22とポリオレフィン層23との間の層間において、ポリオレフィン層23が粘着剤層22から剥離し(いわゆる層間剥離)、粘着剤層22がポリオレフィン層23から露出する。さらに、接合領域Rのうち入口部OPとは反対側(包装袋1の内部空間側)における端縁X2近傍において、ポリオレフィン層23が破断する。その結果、入口部OPにおいて表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とが離間して、包装袋1が開封される。これにより、包装袋1の内容物を入口部OPから取り出すことが可能となる。
【0024】
一方、包装袋1の開封後、使用者が、入口部OPにおける表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とを互いに押しつけると、露出した粘着剤層22がポリオレフィン層23に粘着する。これにより、包装袋1の入口部OPが接合領域Rにおいて再封される。すなわち、再封止フィルム20のうち接合領域Rの部分が、包装袋1の入口部OPを再封する再封止部として機能する。その後も、露出した粘着剤層22がポリオレフィン層23から離間し又はポリオレフィン層23に付着することにより、包装袋1の入口部OPの開封と再封とを繰り返すことが可能となる。
【0025】
[ヒートシール強度]
ここで、入口部OPの開封時に、再封止部において表側包装フィルム11とポリオレフィン層21とが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH1と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH1は、表側包装フィルム11とポリオレフィン層21との層間密着強度に、厚さ方向におけるポリオレフィン層21,23及び粘着剤層22の破断強度が加算された大きさである。入口部OPの開封時に、再封止部においてポリオレフィン層21と粘着剤層22とが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH2と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH2は、ポリオレフィン層21と粘着剤層22との層間密着強度に、厚さ方向におけるポリオレフィン層23及び粘着剤層22の破断強度が加算された大きさである。
【0026】
入口部OPの開封時に、再封止部において粘着剤層22とポリオレフィン層23とが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH3と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH3は、粘着剤層22とポリオレフィン層23との層間密着強度に、厚さ方向におけるポリオレフィン層23の破断強度が加算された大きさである。入口部OPの開封時に、再封止部においてポリオレフィン層23とシーラント層12aとが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH4と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH4は、ポリオレフィン層23とシーラント層12aとの接合強度である。
【0027】
入口部OPの開封時に、再封止部においてシーラント層12aと裏側包装フィルム12(基材層又は中間層)とが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH5と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH5は、シーラント層12aと裏側包装フィルム12との層間密着強度に、厚さ方向におけるシーラント層12aの破断強度が加算された大きさである。なお、本明細書において、「ヒートシール強度」とは、JIS Z 0238:1998「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法」にて定められる「袋のヒートシール強さ試験」に準拠して測定された値である。
【0028】
ここで、ヒートシール強度SH2,SH3(再封止部における粘着剤層22のヒートシール強度)は、ヒートシール強度SH1,SH4,SH5(再封止部における粘着剤層22以外の層のヒートシール強度)よりも小さくてもよい。この場合、入口部OPを開封する際に、接合領域Rにおいて粘着剤層22が先に剥離しやすくなる。そのため、入口部OPをより確実に開封することが可能となる。
【0029】
裏側包装フィルム12がシーラント層12aを含んでいない形態においては、入口部OPの開封時に、再封止部においてポリオレフィン層23と裏側包装フィルム12(基材層又は中間層)とが剥離する場合の強度を、ヒートシール強度SH6と称することとする。すなわち、ヒートシール強度SH6は、ポリオレフィン層23と裏側包装フィルム12との層間密着強度である。この場合も、ヒートシール強度SH2,SH3(再封止部における粘着剤層22のヒートシール強度)は、ヒートシール強度SH1,SH6(再封止部における粘着剤層22以外の層のヒートシール強度)よりも小さくてもよい。
【0030】
ヒートシール強度SH2,SH3は、例えば、0.5N/15mm~20N/15mmであってもよいし、0.5N/15mm~15N/15mmであってもよいし、0.5N/15mm~10N/15mmであってもよい。ヒートシール強度SH2,SH3が0.5N/15mm以上の場合、粘着剤層22とポリオレフィン層21,23との付着状態が維持されやすい傾向にある。ヒートシール強度SH2,SH3が20N/15mm以下である場合、使用者は、入口部OPを手で摘まんで適度な力で入口部OPを開封できる傾向にある。
【0031】
領域R1におけるヒートシール強度SH2,SH3は、領域R2におけるヒートシール強度SH2,SH3よりも大きい。領域R1におけるヒートシール強度SH2,SH3は、例えば、5N/15mm以上で且つ20N/15mm以下であってもよい。領域R2におけるヒートシール強度SH2,SH3は、例えば、0.5N/15mm以上で且つ5N/15mm未満であってもよい。領域R1におけるヒートシール強度SH2,SH3が5N/15mm以上である場合、包装袋1の内容部の意図しない漏出が防止できる傾向にある。領域R1におけるヒートシール強度SH2,SH3が20N/15mm以下である場合、使用者は、入口部OPを手で摘まんで適度な力で入口部OPを開封できる傾向にある。領域R2におけるヒートシール強度SH2,SH3が0.5N/15mm以上の場合、再封止部のうち領域R1の封止状態が維持されやすい傾向にある。領域R2におけるヒートシール強度SH2,SH3が5N/15mm以下の場合、使用者は、再封止部のうち領域R2を軽い力で開封できる傾向にある。
【0032】
ヒートシール強度SH2,SH3と、ヒートシール強度SH1,SH4~SH6との差は、例えば、5N/15mm以上であってもよいし、10N/15mm以上であってもよいし、15N/15mm以上であってもよい。なお、ヒートシール強度SH2,SH3は、包装袋1の入口部OPの開封及び再封が繰り返されることで低下しうる。そのため、少なくとも最初の再封時において、ヒートシール強度SH2,SH3が上記の数値範囲(0.5N/15mm~20N/15mm)を満たしていてもよい。包装袋1の最初の開封時におけるヒートシール強度SH2,SH3は、例えば、3N/15mm~20N/15mmであってもよい。再封時におけるヒートシール強度SH2,SH3は、例えば、0.5N/15mm~10N/15mmであってもよい。
【0033】
[再封止部の形成方法]
続いて、上記のような再封止部を包装袋1に形成する方法の一例について、図4を参照して説明する。
【0034】
図4に例示される製袋機の熱融着ユニット100は、一対の送出ユニット(図示せず)と、加熱ユニット110と、冷却ユニット120とを含む。一対の送出ユニットは、重ね合わせられた状態の表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12を連続的又は間欠的に所定の搬送方向(図4の矢印Ar3参照)に送出するように構成されている。一対の送出ユニットは、フィルム11,12の搬送方向において加熱ユニット110及び冷却ユニット120がこれらの間に位置するように、配置されている。
【0035】
加熱ユニット110は、一対のシールバー111と、一対のシールバー112とを含む。一対のシールバー111は、フィルム11,12が間に位置するように、フィルム11,12の上下に配置されている。一対のシールバー112は、重ね合わされた状態のフィルム11,12が間に位置するように、フィルム11,12の上下に配置されている。シールバー112は、シールバー111よりも、フィルム11,12の搬送方向の下流側に位置している。
【0036】
シールバー111,112は、フィルム11,12の搬送方向に沿って延びる棒状の部材である。一対のシールバー111の少なくとも一方は、ヒータ等の加熱源(図示せず)によって加熱されるように構成されている。一対のシールバー111の少なくとも一方は、駆動源(図示せず)によって他方に対して近接又は離間するように構成されている。一対のシールバー112の少なくとも一方は、ヒータ等の加熱源(図示せず)によって加熱されるように構成されている。一対のシールバー112の少なくとも一方は、駆動源(図示せず)によって他方に対して近接又は離間するように構成されている。なお、図4の例において、シールバー111の温度とシールバー112の温度とが同程度の温度となるように設定されてもよい。
【0037】
冷却ユニット120は、搬送方向において加熱ユニット110の下流側に位置している。冷却ユニット120は、一対の冷却バーによって構成されている。一対の冷却バーは、フィルム11,12が間に位置するように、フィルム11,12の上下に配置されている。一対の冷却バーは、フィルム11,12の搬送方向に沿って延びる棒状の部材である。一対の冷却バーの少なくとも一方は、駆動源(図示せず)によって他方に対して近接又は離間するように構成されている。
【0038】
図4に示される例では、フィルム11,12のうち所定領域が一対のシールバー111に到達すると、送出ユニットが動作を停止する。この状態で、一対のシールバー111が互いに近接してフィルム11,12を挟持することにより、ポリオレフィン層23とシーラント層12aとが熱融着される。これにより、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R1にのみ対応する領域R3が熱融着される。その後、一対のシールバー111が互いに離間して、送出ユニットがフィルム11,12を搬送方向の下流側に送り出す。
【0039】
シールバー111によって形成された領域R3が一対のシールバー112に到達すると、送出ユニットが動作を停止する。この状態で、一対のシールバー112が互いに近接してフィルム11,12を挟持することにより、ポリオレフィン層23とシーラント層12aとが再び熱融着される。これにより、フィルム11,12のうち接合領域Rに対応する領域が熱融着される。すなわち、シールバー111,112によって領域R3が複数回熱融着されることで、領域R3が接合領域Rのうちの領域R1となる。一方、フィルム11,12のうちシールバー112のみによって熱融着された領域は、接合領域Rのうちの領域R2となる。その結果、2回熱融着された領域R1におけるヒートシール強度SH2,SH3は、1回だけ熱融着された領域R2におけるヒートシール強度SH2,SH3よりも大きくなる。その後、一対のシールバー112が互いに離間して、送出ユニットがフィルム11,12を搬送方向の下流側に送り出す。
【0040】
シールバー112によって形成された接合領域Rが一対の冷却バーに到達すると、送出ユニットが動作を停止する。この状態で、一対の冷却バーが互いに近接してフィルム11,12を挟持することにより、接合領域Rが冷却される。このようにして、包装袋1に再封止部が形成される。
【0041】
なお、図4の例の熱融着ユニット100において、シールバー112がシールバー111の上流側に位置していてもよい。また、図4の例の熱融着ユニット100が3つ以上のシールバーの組を含んでいてもよい。この場合、入口部OP側に向かうにつれてヒートシール強度SH2,SH3が小さくなる複数の領域を含む接合領域Rが形成されてもよい。
【0042】
フィルム11,12に形成される接合領域Rは、加熱ユニット110のシールバー111,112及び冷却ユニット120の冷却バーの各バーによって、1回ずつ挟持されてもよいし、複数回ずつ挟持されてもよい。例えば、フィルム11,12に接合領域Rを形成する際に、フィルム11,12が送出ユニットによって断続的に移動しながら、接合領域Rとなる領域を各バーが1回以上挟持してもよい。
【0043】
[作用]
以上の例によれば、再封止部を開封する際には、ヒートシール強度SH2,SH3が比較的小さい領域R2がまず開封され、それに連続して、ヒートシール強度SH2,SH3が比較的大きい領域R1が開封される。すなわち、包装袋1を開封しようとする使用者は、再封止部に対して、まずは比較的小さい力を加え、それに連続して、より大きい力を加えることとなる。そのため、ヒートシール強度SH2,SH3が比較的大きな領域R1のみによって再封止部が構成されている場合と比較して、使用者が再封止部に急に大きな力を加える必要がない。したがって、使用者が再封止部を容易に開封することが可能となる。また、再封止部に急に大きな力が加わり難くなるので、再封止部のヒートシール強度SH2,SH3が安定しやすくなる。そのため、包装袋1を再封する際の再封止部の強度を良好に維持することが可能となる。
【0044】
以上の例によれば、露出した粘着剤層22が相手方(ポリオレフィン層23)に付着することにより、入口部OPが再封される。再封止部は、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って延びているので、露出した粘着剤層22によって入口部OPが再封される際には、入口部OPに隙間がほとんど生じなくなる。そのため、いわゆる三方袋(二枚のフィルムの底と側面の三方を張り合わせた袋)において、再封時における内容物の保存状態を高めることが可能となる。あるいは、図示はしていないが、いわゆるスタンディングパウチ(袋内に内容物が収納されたときに底部が拡がることにより、自立可能な袋)に対して本開示の技術を適用することにより、スタンディングパウチにおいても再封時における内容物の保存状態を高めることが可能となる。なお、スタンディングパウチは、上述した包装袋1において、表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とをこれらの底部1Bにおいて接合する底面包装フィルムをさらに備えたものであってもよい。
【0045】
以上の例によれば、再封止フィルム20は、表側包装フィルム11の内面全体を覆うように表側包装フィルム11に設けられている。そのため、表側包装フィルム11を形成するのと同じ工程で、再封止フィルム20が表側包装フィルム11の内面全体に形成されうる。再封止フィルム20が表側包装フィルム11の一部に形成される形態では、再封止フィルム20と表側包装フィルム11とを別々に用意してこれらを貼り合わせる工程を要するが、以上の例によれば、そのような貼り合わせ工程が不要となるので、再封可能な包装袋1を効率的に製造することが可能となる。
【0046】
以上の例によれば、再封止フィルム20が表側包装フィルム11の内面に形成されており、再封止フィルム20が三層構造(ポリオレフィン層21、粘着剤層22及びポリオレフィン層23)を有している。そのため、再封止フィルム20の構成を簡略化しつつ、バリア性、耐ピンホール性、美粧性などの機能を表側包装フィルム11に付与できる。したがって、内容物の特定に応じて材質が選択された表側包装フィルム11と、簡易な構成の再封止フィルム20とを組み合わせることで、種々の内容物に対応できる多様なバリエーションの包装袋1を提供することが可能となる。
【0047】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0048】
(1)再封止部を包装袋1に形成する際に、図5に例示される製袋機の熱融着ユニット100が用いられてもよい。この熱融着ユニット100は、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R1にのみ対応する領域を熱融着するシールバー111と、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R2にのみ対応する領域を熱融着するシールバー112とを含む点で、図4に例示される熱融着ユニット100と異なっている。
【0049】
図5の例において、シールバー111の温度は、シールバー112の温度よりも高くなるように設定されている。そのため、シールバー111で挟持された領域におけるヒートシール強度SH2,SH3は、シールバー112で挟持された領域におけるヒートシール強度SH2,SH3よりも大きくなる。すなわち、シールバー111で挟持された領域が接合領域Rのうちの領域R1となり、シールバー112で挟持された領域が接合領域Rのうちの領域R2となる。
【0050】
なお、図5の例の熱融着ユニット100において、シールバー112がシールバー111の上流側に位置していてもよい。また、図5の例の熱融着ユニット100が3つ以上のシールバーの組を含んでおり、それぞれ異なる温度に設定されていてもよい。この場合、入口部OP側に向かうにつれてヒートシール強度SH2,SH3が小さくなる複数の領域を含む接合領域Rが形成されてもよい。
【0051】
(2)図6に例示されるように、加熱ユニット110のシールバー及び冷却ユニット120の冷却バーが、フィルム11,12の搬送方向に沿って交差するように配置されていてもよい。この場合も、図6(a)に例示されるように、図4の例と同様に、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R1にのみ対応する領域をシールバー111によって熱融着しつつ、フィルム11,12のうち接合領域Rに対応する領域をシールバー112によって熱融着してもよい。
【0052】
図6(b)に例示されるように、図5の例と同様に、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R1にのみ対応する領域をシールバー111によって熱融着しつつ、フィルム11,12のうち接合領域Rの領域R2にのみ対応する領域をシールバー112によって熱融着してもよい。この場合も、シールバー111の温度は、シールバー112の温度よりも高くなるように設定されている。
【0053】
(3)図示はしていないが、包装袋1の開封時において、接合領域Rのうち入口部OP側における端縁X1近傍において、粘着剤層22及びポリオレフィン層23が破断してもよい。この場合、粘着剤層22とポリオレフィン層21との間の層間において、粘着剤層22がポリオレフィン層21から剥離し(いわゆる層間剥離)、粘着剤層22がポリオレフィン層21から露出してもよい。さらに、接合領域Rのうち入口部OPとは反対側(包装袋1の内部空間側)における端縁X2近傍において、粘着剤層22及びポリオレフィン層23が破断してもよい。
【0054】
(4)図7に例示されるように、粘着剤層22は、自身の層内において凝集剥離して露出してもよい。
【0055】
(5)再封止フィルム20は、表側包装フィルム11の内面のうち接合領域Rを含む領域に設けられていてもよい。この場合も、粘着剤層22は、ポリオレフィン層21又はポリオレフィン層23の層間において剥離して露出してもよいし、自身の層内において凝集剥離して露出してもよい。図8に例示されるように、再封止フィルム20は、表側包装フィルム11の内面のうち接合領域Rのみに設けられていてもよい。この場合、再封止部が必要最小限の領域に設けられるので、再封可能な包装袋1を低コストで製造することが可能となる。なお、表側包装フィルム11の内面の一部に再封止フィルム20が設けられる場合、図8に例示されるように、表側包装フィルム11は、基材層又は中間層の内面に設けられたシーラント層11aをさらに含んでいてもよい。シーラント層11aの構成は、シーラント層12aと同様であってもよい。
【0056】
(6)図9に例示されるように、裏側包装フィルム12の内面にも再封止フィルム20が設けられていてもよい。この場合、表側包装フィルム11の内面に設けられた再封止フィルム20のポリオレフィン層23と、裏側包装フィルム12の内面に設けられた再封止フィルム20のポリオレフィン層21とのヒートシール強度が、ヒートシール強度SH2,SH3よりも大きくてもよい。
【0057】
(7)図10に例示されるように、接合領域Rは、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って非直線状に延びていてもよい。換言すれば、接合領域Rは、上下方向Ar1において突出するように曲がる曲がり部Raを含んでいてもよい。この場合、入口部OPの開封時において、曲がり部Raの頂部又は基端部から再封止部の粘着剤層22が剥離する。そのため、接合領域Rが直線状である形態と比較して、使用者があまり大きな力を要することなく適度な力で入口部OPを開封することが可能となる。
【0058】
図10(a)に示される例では、接合領域Rは、入口部OPから包装袋1の内部空間に向けて突出するように折れ曲がるV字形状の曲がり部Raを含んでいる。図10(b)に示される例では、接合領域Rは、包装袋1の内部空間から入口部OPに向けて突出するように折れ曲がるV字形状の曲がり部Raを含んでいる。図10(c)に示される例では、接合領域Rは、入口部OPから包装袋1の内部空間に向けて突出するように湾曲するU字形状の曲がり部Raを含んでいる。図10(d)に示される例では、接合領域Rは、包装袋1の内部空間から入口部OPに向けて突出するように湾曲するU字形状の曲がり部Raを含んでいる。図10(e)に示される例では、接合領域Rは、正弦波状を呈している。図10(f)に示される例では、接合領域Rは、三角波状を呈している。接合領域Rは、その他の波形状(例えば鋸波状)を呈していてもよい。
【0059】
(8)図11に例示されるように、表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12には、上部1Tにおいてこれらが互いにシールされたシール部34が設けられていてもよい。この場合、シール部31,32にはそれぞれ、引裂開始部40が設けられていてもよい。引裂開始部40は、例えば、切欠溝(ノッチ)であってもよい。切欠溝の形状は、例えば、三角形状、ホームベース形状(不等辺五角形状)、I字形状、矩形状、半円形状その他の種々の形状であってもよい。引裂開始部40は、例えば、表側包装フィルム11又は裏側包装フィルム12の外表面が取り除かれて薄肉化された易開封加工部であってもよいし、シール部31,32に多数の微細な孔が設けられた易開封加工部であってもよい。表側包装フィルム11及び裏側包装フィルム12の外表面にはそれぞれ、ハーフカット線50(開封誘導線)が設けられていてもよい。ハーフカット線50は、シール部31,32にそれぞれ設けられた引裂開始部40を接続するように延びていてもよい。ハーフカット線50は、直線状を呈していてもよいし、非直線状(例えば、V字形状、U字形状、波形状など)を呈していてもよい。
【0060】
(9)図12及び図13に例示されるように、本開示の技術が、折り込みマチ付きのいわゆる四方柱シール袋(側部の四方をシールした袋)に適用されてもよい。この場合、包装袋1は、表側包装フィルム11と、裏側包装フィルム12と、側面包装フィルム13(第1の側面包装フィルム)と、側面包装フィルム14(第2の側面包装フィルム)と、底面包装フィルム15とで構成されていてもよい。側面包装フィルム13,14はそれぞれ、入口部OPの近傍が内側に折り込まれている。
【0061】
表側包装フィルム11及び側面包装フィルム13には、これらが接する側縁においてシールされた柱シール部61(第1の柱シール部)が設けられていてもよい。表側包装フィルム11及び側面包装フィルム14には、これらが接する側縁においてシールされた柱シール部62(第2の柱シール部)が設けられていてもよい。裏側包装フィルム12及び側面包装フィルム13には、これらが接する側縁においてシールされた柱シール部63(第3の柱シール部)が設けられていてもよい。裏側包装フィルム12及び側面包装フィルム14には、これらが接する側縁においてシールされた柱シール部64(第4の柱シール部)が設けられていてもよい。各フィルム11~15には、これらが接する下縁及び周縁においてシールされたシール部65が設けられていてもよい。
【0062】
接合領域Rは、図12及び図13に示されるように、入口部OPの近傍において、各フィルム11~14の全周にわたって延びていてもよい。接合領域Rは、少なくとも、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って表側包装フィルム11の内面を延びていると共に、入口部OPの近傍において左側部1Lから右側部1Rに至るまで左右方向Ar2に沿って裏側包装フィルム12の内面を延びていてもよい。この場合、再封止部は、表側包装フィルム11の内面に設けられた第1の部分(第1の再封止部)と、裏側包装フィルム12の内面に設けられた第2の部分(第2の再封止部)とを含んでいてもよい。
【0063】
図12及び図13に例示された包装袋1を開封する際には、使用者は、入口部OPにおける表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とを摘まんで、これらを互いに引き離すように力を加える。これにより、図13に例示されるように、粘着剤層22が層間剥離又は凝集剥離して露出すると共に、入口部OPにおいて表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とが離間して、包装袋1が開封される。一方、図12及び図13に例示された包装袋1を再封する際には、図12に例示されるように、側面包装フィルム13,14をそれぞれ内側に折りたたみつつ、入口部OPにおける表側包装フィルム11と裏側包装フィルム12とを互いに押しつける。これにより、露出した粘着剤層22が相手方に粘着して、包装袋1の入口部OPが接合領域Rにおいて再封される。図12及び図13に例示された包装袋1によれば、再封止部は、内側に折り込まれた各側面包装フィルム13,14も含めて、入口部OPを再封する。そのため、入口部OPの開封時において、入口部OPの開口の大きさを大きく確保することが可能となる(図13参照)。
【0064】
(10)図14及び図15に例示されるように、本開示の技術が、いわゆるガゼット袋(折り込みマチ付きの袋)に適用されてもよい。この場合、包装袋1は、1枚の包装フィルム10によって構成されていてもよい。包装フィルム10は、包装袋1の表面を構成する表面部10aと、包装袋1の裏面を構成する裏面部10bと、包装袋1の左側面を構成する左側面部10c(第1のマチ部)と、包装袋1の右側面を構成する右側面部10d(第2のマチ部)とを含んでいてもよい。包装フィルム10には、その側縁同士がシールされた柱シール部71と、底部1Bがシールされたシール部72とが設けられていてもよい。柱シール部71は、裏面部10bにおいて上下方向Ar1に延びていてもよい。シール部72は、底部1Bにおいて左右方向Ar2に延びるように、表面部10a、裏面部10b、左側面部10c及び右側面部10dを接合していてもよい。
【0065】
接合領域Rは、図14及び図15に示されるように、入口部OPの近傍において、表面部10a、裏面部10b、左側面部10c及び右側面部10dの全周にわたって延びていてもよい。接合領域Rは、少なくとも、入口部OPの近傍において左側面部10cから右側面部10dに至るまで左右方向Ar2に沿って包装フィルム10の内面に延びていると共に、入口部OPの近傍において左側面部10cから右側面部10dに至るまで左右方向Ar2に沿って包装フィルム10の内面を延びていてもよい。この場合、再封止部は、包装フィルム10のうち表面部10aの内面に設けられた第1の部分(第1の再封止部)と、包装フィルム10のうち裏面部10bの内面に設けられた第2の部分(第2の再封止部)とを含んでいてもよい。
【0066】
図14及び図15に例示された包装袋1を開封する際には、使用者は、入口部OPにおける表面部10aと裏面部10bとを摘まんで、これらを互いに引き離すように力を加える。これにより、図15に例示されるように、粘着剤層22が層間剥離又は凝集剥離して露出すると共に、入口部OPにおいて表面部10aと裏面部10bとが離間して、包装袋1が開封される。一方、図14及び図15に例示された包装袋1を再封する際には、図14に例示されるように、左側面部10c及び右側面部10dをそれぞれ内側に折りたたみつつ、入口部OPにおける表面部10aと裏面部10bとを互いに押しつける。これにより、露出した粘着剤層22が相手方に粘着して、包装袋1の入口部OPが接合領域Rにおいて再封される。図14及び図15に例示された包装袋1によれば、再封止部は、内側に折り込まれた左側面部10c及び右側面部10dも含めて、入口部OPを再封する。そのため、開口部の近傍にチャックが設けられているようなガゼット袋(特許文献1参照)と比較して、入口部OPの開封時において、入口部OPの開口の大きさをより大きく確保することが可能となる(図15参照)。
【0067】
[他の例]
例1.包装袋の一例は、一枚以上の包装フィルムが袋状となるように接合されて構成され、且つ、互いに対向するように重ね合わせられた表面部及び裏面部を含む、再封可能な包装袋である。包装袋の一例は、一対の第1の側部及び第2の側部と、第1の側部及び第2の側部とを接続する底部と、底部とは反対側に位置する入口部と、入口部の近傍において第1の側部から第2の側部に至るまで第1の側部及び第2の側部が並ぶ第1の方向に沿って延びる接合領域を再封可能に構成された再封止部とを備える。再封止部は、入口部が封止された状態で、接合領域において表面部と裏面部との間で挟持され、接合領域に配置された第1の部分と、接合領域のうち第1の部分よりも入口部側で且つ第1の部分に隣接して配置された第2の部分とを含む。第1の部分のヒートシール強度は第2の部分のヒートシール強度よりも大きい。この場合、再封止部を開封する際には、ヒートシール強度が比較的小さい第2の部分がまず開封され、それに連続して、ヒートシール強度が比較的大きい第1の部分が開封される。すなわち、包装袋を開封しようとする使用者は、再封止部に対して、まずは比較的小さい力を加え、それに連続して、より大きい力を加えることとなる。そのため、ヒートシール強度が比較的大きな第2の部分のみによって再封止部が構成されている場合と比較して、使用者が再封止部に急に大きな力を加える必要がない。したがって、使用者が再封止部を容易に開封することが可能となる。また、再封止部に急に大きな力が加わり難くなるので、再封止部の剥離が安定しやすくなる。そのため、包装袋を再封する際の再封止部の強度を良好に維持することが可能となる。
【0068】
例2.例1の包装袋において、第1の部分のヒートシール強度が5N/15mm以上且つ20N/15mm以下であり、第2の部分のヒートシール強度が0.5N/15mm以上且つ5N/15mm未満であってもよい。第1の部分のヒートシール強度が5N/15mm以上である場合、包装袋の内容部の意図しない漏出が防止できる傾向にある。第1の部分のヒートシール強度が20N/15mm以下である場合、使用者は、入口部を手で摘まんで適度な力で入口部を開封できる傾向にある。第2の部分のヒートシール強度が0.5N/15mm以上の場合、第1の部分の封止状態が維持されやすい傾向にある。第2の部分のヒートシール強度が5N/15mm以下の場合、使用者は、第2の部分を軽い力で開封できる傾向にある。
【0069】
例3.例1又は例2の包装袋において、一枚以上の包装フィルムは、表面部に対応する表側包装フィルムと、裏面部に対応する裏側包装フィルムとを含み、表側包装フィルム及び裏側包装フィルムには、第1の側部においてシールされた第1のシール部と、第2の側部においてシールされた第2のシール部とが設けられており、再封止部は、入口部の近傍において第1のシール部から第2のシール部に至るまで第1の方向に沿って延びていてもよい。この場合、いわゆる三方袋(二枚のフィルムの底と側面の三方を張り合わせた袋)や、いわゆるスタンディングパウチ(袋内に内容物が収納されたときに底部が拡がることにより、自立可能な袋)において、再封時における内容物の保存状態を高めることが可能となる。
【0070】
例4.例1又は例2の包装袋において、一枚以上の包装フィルムは、表面部に対応する表側包装フィルムと、裏面部に対応する裏側包装フィルムと、第1の側部に対応し、且つ、入口部の近傍が内側に折り込まれた第1の側面包装フィルムと、第2の側部に対応し、且つ、入口部の近傍が内側に折り込まれた第2の側面包装フィルムとを含み、表側包装フィルム及び第1の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第1の柱シール部が設けられており、表側包装フィルム及び第2の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第2の柱シール部が設けられており、裏側包装フィルム及び第1の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第3の柱シール部が設けられており、裏側包装フィルム及び第2の側面包装フィルムには、これらが接する側縁においてシールされた第4の柱シール部が設けられており、再封止部は、入口部の近傍において第1の柱シール部から第2の柱シール部に至るまで第1の方向に沿って延びるように、表側包装フィルムの内面に設けられた第1の再封止部と、入口部の近傍において第3の柱シール部から第4の柱シール部に至るまで第1の方向に沿って延びるように、裏側包装フィルムの内面に設けられた第2の再封止部とを含んでいてもよい。この場合、折り込みマチ付きのいわゆる四方柱シール袋(側部の四方をシールした袋)において、再封時における内容物の保存状態を高めることが可能となる。また、再封止部が、入口部の近傍において第1の柱シール部から第2の柱シール部に至るまで第1の方向に沿って延びる第1の再封止部と、入口部の近傍において第3の柱シール部から第4の柱シール部に至るまで第1の方向に沿って延びる第2の再封止部とを含んでいるので、再封止部は、内側に折り込まれた各側面包装フィルムも含めて、入口部を再封する。そのため、入口部の開封時において、入口部の開口の大きさを大きく確保することが可能となる。
【0071】
例5.例1又は例2の包装袋において、一枚以上の包装フィルムは、筒状に形成された一枚の包装フィルムを含み、一枚の包装フィルムは、表面部と、裏面部と、第1の側部に対応し、表面部及び裏面部を接続するように一体的に延び、且つ、入口部の近傍が内側に折り込まれた第1のマチ部と、第2の側部に対応し、表面部及び裏面部を接続するように一体的に延び、且つ、入口部の近傍が内側に折り込まれた第2のマチ部とを含み、一枚の包装フィルムには、一枚の包装フィルムの側縁同士がシールされた柱シール部が設けられており、再封止部は、入口部の近傍において第1のマチ部から第2のマチ部に至るまで第1の方向に沿って延びるように、表側部の内面に設けられた第1の再封止部と、入口部の近傍において第1のマチ部から第2のマチ部に至るまで第1の方向に沿って延びるように、裏側部の内面に設けられた第2の再封止部を含んでいてもよい。この場合、いわゆるガゼット袋(折り込みマチ付きの袋)において、再封時における内容物の保存状態を高めることが可能となる。また、再封止部が、入口部の近傍において第1のマチ部から第2のマチ部に至るまで第1の方向に沿って延びる第1の再封止部と、入口部の近傍において第3のマチ部から第4のマチ部に至るまで第1の方向に沿って延びる第2の再封止部とを含んでいるので、再封止部は、内側に折り込まれた各側面包装フィルムも含めて、入口部を再封する。そのため、入口部の開封時において、入口部の開口の大きさを大きく確保することが可能となる。
【0072】
例6.例1~例5のいずれかの包装袋において、再封止部は、第1のポリオレフィン層と、第1のポリオレフィン層に積層された粘着剤層と、粘着剤層に積層された第2のポリオレフィン層とを含んでいてもよい。
【0073】
例7.例6の包装袋において、再封止部における粘着剤層のヒートシール強度が、再封止部における粘着剤層以外の層のヒートシール強度よりも小さくてもよい。この場合、入口部を開封する際に、再封止部において粘着剤層が先に剥離しやすくなる。そのため、入口部をより確実に開封することが可能となる。
【0074】
例8.例7の包装袋において、再封止部における粘着剤層のヒートシール強度が0.5N/15mm~20N/15mmであってもよい。再封止部における粘着剤層のヒートシール強度が0.5N/15mm以上の場合、粘着剤層と、第1又は第2のポリオレフィン層との付着状態が維持されやすい傾向にある。再封止部における粘着剤層のヒートシール強度が20N/15mm以下である場合、使用者は、入口部を手で摘まんで適度な力で入口部を開封できる傾向にある。
【0075】
例9.例6~例8のいずれかの包装袋において、粘着剤層は、入口部が開口されることにより、第1のポリオレフィン層又は第2のポリオレフィン層との層間において剥離して露出するように構成されていてもよい。
【0076】
例10.例6~例8のいずれかの包装袋において、粘着剤層は、入口部が開口されることにより、自身の層内で凝集剥離して露出するように構成されていてもよい。
【0077】
例11.例1~例10のいずれかの包装袋において、再封止部は接合領域内にのみ配置されていてもよい。この場合、再封止部が必要最小限の領域に設けられるので、再封可能な包装袋を低コストで製造することが可能となる。
【0078】
例12.例1~例10のいずれかの包装袋において、再封止部は、表面部の内面全体を覆うように表面部に設けられていてもよい。この場合、表面部を形成するのと同じ工程で、再封止部が表面部の内面全体に形成されうるので、再封可能な包装袋を効率的に製造することが可能となる。
【0079】
例13.例1~例12のいずれかの包装袋において、接合領域は、入口部及び底部が並ぶ第2の方向において突出するように曲がる曲がり部を含んでいてもよい。この場合、入口部の開封時において、曲がり部の頂部又は基端部から再封止部の粘着剤層が剥離する。そのため、接合領域が直線状である形態と比較して、使用者があまり大きな力を要することなく適度な力で入口部を開封することが可能となる。
【0080】
例14.例13の包装袋において、接合領域は、V字形状、U字形状又は波形状を呈していてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…包装袋、1L…左側部(第1の側部)、1R…右側部(第2の側部)、1B…底部、10…包装フィルム、10a…表面部、10b…裏面部、10c…左側面部(第1のマチ部)、10d…右側面部(第2のマチ部)、11…表側包装フィルム(表面部)、12…裏側包装フィルム(裏面部)、13…側面包装フィルム(第1の側面包装フィルム)、14…側面包装フィルム(第2の側面包装フィルム)、20…再封止フィルム(再封止部)、21…ポリオレフィン層(第1のポリオレフィン層)、22…粘着剤層、23…ポリオレフィン層(第2のポリオレフィン層)、31…シール部(第1のシール部)、32…シール部(第2のシール部)、61…柱シール部(第1の柱シール部)、62…柱シール部(第2の柱シール部)、63…柱シール部(第3の柱シール部)、64…柱シール部(第4の柱シール部)、Ar1…上下方向(第2の方向)、Ar2…左右方向(第1の方向)、OP…入口部、R…接合領域、R1…領域(第1の部分)、R2…領域(第2の部分)、Ra…曲がり部。
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