IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワークセイフ テクノロジーズの特許一覧

特開2022-9063ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム
<>
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図1
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図2
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図3
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図3A
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図4
  • 特開-ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009063
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システム
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20220106BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20220106BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F16F15/04 E
E04F15/18 601B
E04H9/02 331D
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167785
(22)【出願日】2021-10-13
(62)【分割の表示】P 2018563027の分割
【原出願日】2017-06-06
(31)【優先権主張番号】62/346,182
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510279860
【氏名又は名称】ワークセイフ テクノロジーズ
【氏名又は名称原語表記】Worksafe Technologies
【住所又は居所原語表記】25133 Avenue Tibbitts #F Valencia, CA 91355 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モレノ、ギル エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハバード、ドナルド エイ.
【テーマコード(参考)】
2E139
2E220
3J048
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139CA13
2E220AA21
2E220AB06
2E220AB08
2E220CA37
2E220GB01Z
2E220GB32Z
2E220GB33Z
2E220GB35Z
2E220GB37Z
3J048AA07
3J048BD04
3J048BG02
3J048BG04
3J048DA01
3J048EA13
(57)【要約】
【課題】新規な免震荷重支持体アセンブリが開示される。
【解決手段】免震荷重支持体アセンブリは、第1の免震耐荷重プレートと、第2の免震耐荷重プレートと、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとの間に配置された転がり部材とを備え、第1及び第2の免震耐荷重プレートの少なくとも一方は、固体材料と、表面とを備え、表面は、固体材料とは異なるポリマ材料を備える他方の免震プレートに面する。ポリマ材料は、ポリ尿素ポリマを含み、ポリマ材料は、0.5mmから5mmまでの範囲の厚みと、免震耐荷重プレート上での5年を超える耐用年数とを有し、ポリ尿素ポリマは、45~55の硬度(ショアD)と、2800psi~3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度と、500~600pliの耐引裂性と、400~500の伸び率を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の免震耐荷重プレートと、
第2の免震耐荷重プレートと、
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートとの間に配置された可動耐荷重要素と、を備え、前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、固体材料と相手方の免震プレートに面する表面とを備え、該表面は、前記固体材料とは異なるポリマ材料を備える、免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項2】
前記ポリマ材料が有機ポリマ成分であり、かつ、前記固体材料が金属である、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項3】
前記ポリマ材料は、前記ポリマ材料を含まないアセンブリに比べて、本アセンブリの動作性を向上させるのに有効である、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項4】
(1)向上した動作円滑性、(2)向上した動作安全性、(3)向上した動作効率、(4)向上した動作信頼性、及び(5)低減した荷重支持体アセンブリの不具合発生のうちの、少なくとも1つを提供し、前記(1)~(5)のそれぞれは、前記ポリマ材料を含まない概ね同一の荷重支持体アセンブリと比較したものである、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項5】
前記ポリマ材料は、1種以上の尿素含有ポリマを備える、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項6】
前記ポリマ材料は、ポリ尿素である、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の免震バリアプレートと前記第2の免震バリアプレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられた粗面又はテクスチャ化された表面を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の免震キャリアプレートと前記第2の免震キャリアプレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられるサンドブラスト処理された表面を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記可動耐荷重要素に面する表面を含み、前記可動耐荷重要素は、当該表面の範囲にわたって、角度と曲率のうちの少なくとも1つが変動する、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第1の表面部分を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分と、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第2の表面部分と、を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、多角形の外周を有し、凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、前記凹状の硬化された荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素と、を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項14】
前記フレーム構成要素は、前記荷重支持面構成要素に溶接される、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項15】
前記荷重支持面構成要素は、前記荷重支持面構成要素の中心を通る垂直面において横断面形状を有し、該横断面形状は、
i)直線形状と湾曲形状との組合せと、
ii)異なる直線形状の組合せと、
iii)異なる湾曲形状の組合せと、
からなる群から選択された形状である、請求項14に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項16】
前記多角形の外周は、八角形の外周である、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項17】
前記フレーム構成要素は、前記フレーム構成要素を、前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合するのに有用な一連の孔を備える、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの他の構成要素は、
i)別の免震耐荷重プレートと、
ii)結合構成要素と、
iii)前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムのフレーム要素と、
iv)床又は基礎と、
からなる群から選択される、請求項17に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項19】
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね円形の形状を有する、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項20】
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね多角形の形状を有する、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項21】
少なくとも2つの連結された免震プラットフォームを備える拡張可能な免震トラックであって、前記免震プラットフォームのそれぞれは、
a)第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とに備わり、少なくとも2つの上開きの凹部を有する概ね平らで略平面状の下皿セグメントと、
b)前記上開きの凹部に対向するように構成された、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とに備わり、少なくとも2つの下開きの凹部を有する概ね平らで略平面状の上皿セグメントと、を備え、
対向する前記凹部は、凹部同士の間に少なくとも2つのキャビティを形成するように位置合わせされており、各キャビティは、転がり接触して前記下皿セグメントの上に前記上皿セグメントを支持する、少なくとも1つの剛性ボールを収容し、
少なくとも1つの凹部の中心を通る横断面は、前記凹部の表面に沿った線を形成し、前記線は、
i)直線及び曲線と、
ii)第1の曲線及び前記第1の曲線とは異なる第2の曲線と、
iii)第1の直線及び前記第1の直線とは異なる傾斜を有する第2の直線と、
からなる群から選択される形状の組合せを備え、
少なくとも1つの前記凹部の前記荷重支持面は、約45~約55の硬度(ショアD)と、約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度とを有するポリマ材料であり、かつ、前記免震プラットフォームのそれぞれは、隣同士の上皿セグメント、及び、隣同士の下皿セグメントとを連結する、剛性のある複数の連結部材を使用して、少なくとも1つの追加的な免震プラットフォームに連結されるように構成される、拡張可能な免震トラック。
【請求項22】
2つ以上の凹部の前記荷重支持面は、約45~約55の硬度(ショアD)及び約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度を有するポリマ材料である、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項23】
前記ポリマ材料は、ポリ尿素成分を備える、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項24】
少なくとも2つの連結部材は、免震荷重支持体の側部に沿って横方向に配置される、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項25】
少なくとも2つの連結部材は、免震プラットフォームの両側を連結する、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項26】
複数の連結部材によって少なくとも2つの追加の免震プラットフォームに連結された少なくとも1つの免震プラットフォームを備える、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項27】
前記少なくとも1つの凹部の横断面形状が、中央の略球状に湾曲した領域と、平らな傾斜面である環状領域とを有している、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項28】
前記環状領域の面積が、中央の略球状領域の面積と少なくとも等しい、請求項27に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項29】
前記平らな傾斜面は、水平方向の長さに対する垂直に上昇する割合が約2である、請求項27に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項30】
前記中央の球状に湾曲した領域は、曲率半径が約86インチ(約2.18メートル)である、請求項27に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項31】
家財は、コンピュータ機器である、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項32】
免震プラットフォーム間の隙間は、電力ケーブル又はデータケーブルへのアクセスを可能にする、請求項21に記載の拡張可能な免震トラック。
【請求項33】
耐荷重プレートの荷重支持面を追加の荷重支持面に対して相対変位させる振動中に、免震システムが備える転がり部材が前記耐荷重プレートの荷重支持面に対して摺動することを防止する方法であって、
a)前記免震耐荷重プレートの荷重支持面を粗面化する工程と、
b)前記粗面化された荷重支持面にポリマ材料を約0.01インチ~約0.25インチ(約0.25ミリメートル~約6.35ミリメートル)の厚みで塗布する工程であって、前記ポリマ材料が、約45~約55の硬度(ショアD)、約400%~約500%の伸び率、及び、約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度を有する、前記ポリマ材料を塗布する工程と、
c)前記ポリマ材料を、前記耐荷重プレートの荷重支持面上において硬化したコーティングに形成する工程と、
d)前記ポリマ材料でコーティングされた前記荷重支持面と追加の荷重支持面との間に配置された転がり部材を備える免震システムを組立てる工程と、
e)前記免震システムを、前記コーティングされた荷重支持面を前記追加の荷重支持面に対して相対変位させる振動下に置く工程と、を備える、方法。
【請求項34】
前記粗面化工程は、前記耐荷重プレートの荷重支持面をサンドブラスト処理することを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリマ材料は、前記耐荷重プレートの荷重支持面上に噴霧される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ポリマ材料は、前記耐荷重プレートの荷重支持面上に噴霧される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記ポリマ材料は、ポリ尿素成分を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記免震システムは、免震フローリングシステム、免震プラットフォームシステム、免震トラックシステム、及び免震フォークリフトパレッティングシステムを備える群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記免震システムは、免震パレット積載システム、及び免震パレットラックシステムからなる群から選択される免震フォークリフトパレッティングシステムを備える、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマ材料を有する荷重支持面を備える免震システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小地震は一般的であるが、日常的に何千もの小さな地震が発生すると、より大きなマグニチュードの地震が起きた際に、特に人口の多い地域では、人身傷害、死亡、並びに、財産及び環境への損害をもたらす可能性がある。
【0003】
地震による対象物、すなわち家財への損害又は損傷を防止し又は制限するために、2つのアプローチが伝統的に利用されてきた。第1のアプローチは、特に構造物自体に使用されるものであり、対象物、すなわち家財物品は、想定される最大の地震に耐えるのに十分な強固にされる。しかし、高マグニチュード及び長期間の振動によって生じる損害並びに揺れの方向は、比較的予測不可能であるため、この方法のみの使用は、極めて高額になる可能性があり、構造内に収容されるべき家財に対して必ずしも適しているとは限らない。特に繊細な、敏感な又は損傷しやすい家財に対しては、このアプローチのみでは特に有用ではない。
【0004】
第2のアプローチにおいて、対象物は、地震衝撃波の全ての力と加速度を受けることがないように、振動から遮断される。地震の振動から構造物又は対象物を遮断し又はエネルギーを散逸することを達成するために、様々な方法が提案されており、これらの方法は、幾分、免震されるべき対象物の性質によって決められ得る。
【0005】
したがって、建物及び他の構造物は、たとえば、受動システム、能動システム、又はハイブリッドシステムを使用して免震され得る。斯かるシステムは、捩り梁装置、鉛押し出し装置、撓み梁装置、撓み板装置、及び鉛ゴム装置のうちの1つ以上の使用を含み得、これらは一般的に、地震の間に変形して撓む、特殊化されたコネクタの使用を含む。変形は特殊化された装置に集中して、構造物の他の部分への損傷は最小化されるのではあるが、変形した装置は多くの場合、地震が起きた後に修理又は交換が必要となり、したがって、大抵、1回のみの使用に適している。
【0006】
能動制御システムは、保護すべき構造物全体に配置された引締装置又はダンパを操作するために、エネルギー源及びコンピュータ化された制御アクチュエータを必要とする。斯かる能動システムは、複雑であり、保守点検又は定期メンテナンスを必要とする。
【0007】
建物、橋梁及び他の構造物以外の対象物について、斯かる能動的又は変形可能な装置としては、免震プラットフォーム又はフローリングシステムが好適な場合がある。そのため、製造機器若しくは処理機器、実験室機器、コンピュータサーバ、及び、他のハードウェア、光学機器などのような繊細若しくは敏感な機器を保護するために、免震システムは、より単純で、効果的で、かつ保守負担を軽減した代替物を提供し得る。免震システムは、保護対象物(以下、「家財」と称する)を地震動による損害から切り離すように設計される。
【0008】
免震装置は、設計の多様性を有する。斯かるシステムは一般的に、摺動板と、摺動板上に低摩擦要素を介して摺動可能に取付けられた支持フレームと、支持フレームと摺動板との間に水平方向に配置された複数のばね及び軸方向ガイドの少なくともいずれか1つと、垂直方向に配置されたばねを介して支持フレーム上に取付けられた床と、支持フレームと床との間に垂直方向に配置された多数のダンパと、通常の使用中に垂直ばねを固定するためのラッチ手段と、の少なくともいずれか1つ、といった機構の一部又は全ての組合せを備える。
【0009】
斯かる既存のシステムに対する欠点は、ラッチ手段が解除される最小加速度を確立することが困難であること、床が解除された後にラッチ手段をリセットすることが困難であること、水平方向に移動した後に床を元の位置に復帰させることが困難な場合があること、散逸力又は制振力が各荷重に対して再校正されなければならないこと、垂直ばねが揺れ動く危険性があること、及び、水平ばねに対する垂直ばねの横方向の剛性を無視できないため、水平ばねの確立及びそれらの効力の推定が困難になること、といった事実を含む。
【0010】
特許文献1は、ばねの長さを調節することにより、部分的にフローリングの免震効果を開始させるために必要な最小加速度を予め設定するための長さ調整手段を備える摺動式免震床を提案している。
【0011】
特許文献2は、クーロン摩擦特性を有する上部摩擦板及び下部摩擦板を有する摩擦装置と、相対変位量及び残留変位量を所望の値未満に低下させる水平方向に配置されたばねと、を備える、摺動式免震装置を開示している。上部摩擦板は油を含浸した材料を含み、下部摩擦板は硬質クロム又はニッケル板を備える。
【0012】
特許文献3は、たとえば、芸術的対象物、器具、ケース若しくは突出ハウジングを保護するための、床とフレームとに結合されたベースプレートを備える免震装置を開示している。フレーム内のばねとベースプレートには、移動式揺動レバーが結合される。対象物はフレームの上部に配置される。フレームと対象物に対する基礎とベースプレートとの相対移動は、レバーの圧縮とバネの伸長とを引き起こし、次いで、ベースプレートに固定されたケーブルを介して復元力がかかり、ベースプレートとフレームとの間の摩擦により慣性に対する初期抵抗が生じる。
【0013】
特許文献4は、その上に配置された対象物を免震するための床システムについて記載しており、床システムは、基礎の上方に配置された床と、床の基礎に対する水平方向の相対移動を許容するように床を支持するための複数の支持部材と、基礎と床部材との間に配置されたばねを備える多数の復元装置とを備える。復元部材は、二対の摺動可能部材を備え、各対の摺動可能部材は、互いに接近し離反する方向に移動可能であり、各対の摺動可能部材は、水平面内において互いに直角に配置される。
【0014】
特許文献5は、床と基礎との間の免震システムを開示しており、免震システムは、床と複数の基礎パッド若しくは橋脚との間に配置された、複数のボール・ソケット継手を備える。この免震装置では、荷重支持体は、硬化されたエラストメリック材料(すなわち、ばね)に取付けられた可動継手を備え、この弾性材料がボール・ソケット継手の上面に、床とボール・ソケット継手との間に挟まれるように取付けられ、荷重支持体は、このようにして垂直方向の移動に対応して床に対し傾斜する。したがって、床は、基礎橋脚の下方の地面の歪みによる座屈圧力に順応することができる。しかし、開示された装置は、加速抵抗的に水平方向に移動するようには設計されていない。
【0015】
特許文献6は、ボールペンと同様に床から下方に突出する支柱の先端部内に転がり玉が配置されたものを含む様々な他の装置と同様に、特許文献4とほぼ同様な免震装置を開示している。
【0016】
特許文献7は、対向する内側凹状表面であって、建物上部構造物の重量を支えるために表面と表面との間に配置された耐荷重ボールと併用される、前記内側凹状表面を備える、建物用のバランスブロックを図示している。
【0017】
特許文献8は、ボール・イン・コーン型荷重支持体を開示している。
特許文献9及び特許文献10は、転がり玉免震荷重支持体を収容する免震プラットフォームを開示している。
【0018】
特許文献11及び特許文献12は、その上に配置された家財の免震のための上昇アクセスフローリング構造を備える装置及び方法を開示している。
特許文献13は、免震荷重支持体拘束装置を開示している。
【0019】
免震荷重支持体は、2012年9月25日に出願された特許文献14に開示される。
特許文献15は、家財を振動から免震するための方法及び組成物を開示している。
特許文献16、特許文献17、及び特許文献18は、コンテナ輸送及び保管システムの免震について記載している。
【0020】
特許文献19は、上昇床システムを開示している。
特許文献20は、サブフロアの垂直変位に対応するために垂直方向に圧縮可能なばねユニットを有するミサイル発射設備に適した高架床構造を開示している。
【0021】
特許文献21は、荷重下での変形に対して抵抗性の上昇二重フローリング構造を図示している。床は、床の側荷重に応じた荷重の分散を許容する、床表面近傍のピボット取付け部を備える柱状脚部材を使用している。
【0022】
本特許出願に引用された全ての特許、特許出願及び他の公報は、いずれかの特定の引用が参照によって組み込まれたものとして明示的に示されるか否かにかかわらず、その全体が本開示の一部として参照により本明細書に個々に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第4371143号明細書
【特許文献2】米国特許第4917211号明細書
【特許文献3】米国特許第4801122号明細書
【特許文献4】米国特許第4662133号明細書
【特許文献5】米国特許第6324795号明細書
【特許文献6】米国特許第5816559号明細書
【特許文献7】米国特許第2014643号明細書
【特許文献8】米国特許第5599106号明細書
【特許文献9】米国特許第7784225号明細書
【特許文献10】米国特許第8104236号明細書
【特許文献11】米国特許第8156696号明細書
【特許文献12】米国特許第8511004号明細書
【特許文献13】米国特許第8342752号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2013/0119224号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2011/0222800号明細書
【特許文献16】米国仮特許出願第62/079475号明細書
【特許文献17】米国仮特許出願第62/262816号明細書
【特許文献18】米国仮特許出願第62/335203号明細書
【特許文献19】米国特許第5791096号明細書
【特許文献20】米国特許第3606704号明細書
【特許文献21】米国特許第4922670号明細書
【発明の概要】
【0024】
本発明は、新規の免震システムに関する。本システムは、たとえば、過去のシステムに対して1つ以上の動作上の利点を提供するのに有効である。斯かる利点は、たとえば、過去の免震システムに大きな構造的変更を加えることなく、簡単な方法で有利に達成される。
【0025】
本発明は、多種多様な「転がり部材」型免震荷重支持体に関連し得るか、又はそれらと共に使用され得る。
これらに限定されないが、いくつかの実施態様において、本発明は、2013年3月1日に出願された国際出願第PCT/US2013/028621号明細書に開示されるような、「低層」プラットフォーム又はフローリングシステムに関連し得るか、又はそれと共に使用され得る。
【0026】
いくつかの実施態様において、本発明は、これらに限定されないが、特許文献11及び特許文献12に開示されるシステムなどの、上昇免震フローリングシステムに関連し得るか、又はそれと共に使用され得る。他の実施態様において、本発明は、これらに限定されないが、特許文献9及び特許文献10に開示されるものなどの、免震プラットフォームに関連し得るか、又はそれらと共に使用され得る。
【0027】
他の実施態様において、本発明は、これらに限定されないが、特許文献8に開示されるものなどの、免震荷重支持体に関連し得るか、又はそれらと共に使用され得る。
これらに限定されないが、たとえば、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、及び特許文献12に開示されるものなどの免震荷重支持体及びシステムは、それぞれ、くぼんだ、略凹状の(たとえば、部分的に球状円錐状の)表面を有する、少なくとも1つの(通常は2つの)水平方向に延びる(1又は複数の)耐荷重プレートを備える免震荷重支持体の使用により、免震を提供する。斯かる耐荷重プレートの垂直正中線を通る横断面形状は、略凹状の表面を示し、該略凹状の表面は、垂直中心軸を中心に略対称となる形状を備える。この形状は、概ね円錐形状、概ね球形状、又は直線形状と放射形状とが連結された組合せを備える形状であり得る。耐荷重プレートの略凹状の表面が、耐荷重プレートの上面である場合、耐荷重プレートは、「上開き」とし、この面が耐荷重プレートの底面である場合には、凹状表面は、「下開き」とされる。
【0028】
一般に、少なくとも1つの耐荷重プレートは、転がり部材を支持するか、又は転がり部材に支持される。「転がり部材」とは、1つ以上のローラ、すなわち荷重支持体を意味し、該荷重支持体は、2つの、好ましくは同一の、対向する耐荷重プレートの荷重支持面の間に位置決めされて家財を支持し、かつ、対向する耐荷重プレートが地震振動中に互いに略平行なプレート状にあることを許容する転動によって、地震振動から家財を免震する。転がり部材の例としては、たとえば、これらに限定されないが、ボールベアリングなどの球体、すなわち転がり玉、又は1つ以上のローラなどの1つ以上の転がりロッドが含まれる。好ましい転がり玉免震耐荷重システムにおいて、転がり玉は、対向する上開きと下開きの免震耐荷重プレートの間に置かれ、地震が発生した際に、床又は基礎の水平方向の地面移動を、免震荷重支持体によって支持された家財から遮断する。下部耐荷重プレートの水平方向の地面移動は、上部耐荷重プレート上の家財質量の慣性によって減衰され、耐荷重プレートの中心に静止する転がり部材は、プレートが転がり部材の下側で移動した際に、下部プレートの中心から外れて移動可能に自由となる。(1つ以上の)転がり部材は、上部プレートが、地震活動による下部プレートの移動の方向とは反対のいずれかの方向に(下部プレートに対して)移動することを許容し得る。
【0029】
斯かる転がり部材の主要な利点は、転がり部材は、一定の力が加わると、あらゆる水平方向に(すなわち、x軸とy軸とに沿って)同じ距離だけ移動することについて、実質的に等しく自由であることから、荷重支持体は、追加的な手段、つまり、非線形方向の力、すなわち、x成分とy成分との両方を有する力を平行移動させて免震するための追加の手段であって、家財を免震する一次手段として、一方向性の、1つ以上のローラ、ばね、すべり材などのみを使用する免震機器では必要とされるものを要しない。加えて、略凹状の略対称の支持面を使用するため、荷重支持体は、転がり部材が地震に追従して耐荷重プレートの中心に戻り、それにより転がり部材を初期静止位置に復帰させる、「自己初期化」型である。
【0030】
(1つ以上の)耐荷重プレートに対する転がり部材(たとえば、ボール、ローラなど)の動きに関して特筆されてきた1つの欠点は、(1つ以上の)プレートに対して転がり部材がスキップする傾向があること、又は、摺動すなわち横滑りする傾向があることである。システムによる事象(地震)への平滑、かつ、一貫した応答が有利であり、さらには必要とされるところ、転がり部材と(1つ以上の)プレートとの間のこのタイプの不均一な動きや動作は、免震システムの反応(さらには、反応することに注意すること)を遅らせる(又は遅らせる可能性がある)。
【0031】
本発明は、改良された免震荷重支持体及び斯かる免震荷重支持体を利用するシステム、並びに斯かる荷重支持体及びシステムを製造及び使用する方法に関連する方法及び装置に関する。特定の実施態様において、本発明は、1つ以上の「転がり玉」又は他の「転がり部材」(ローラ)免震荷重支持体を利用した免震システムに関連し、耐荷重プレート、たとえば、金属製の耐荷重プレート、すなわち、一例として多角形状を有する金属耐荷重プレートを備える。すなわち、免震荷重支持体は、平面視多角形の少なくとも1つの家財支持「皿」、すなわち耐荷重プレートアセンブリ(プレートとなんらかのフレーム)を備えており、該家財支持皿は、荷重支持面を備え、該荷重支持面は、略円錐形状、略球形状、又は、垂直中心軸を中心として略対称となる横断面形状であって、直線形状及び放射形状の連結された組合せを備えるものを有する。
【0032】
一態様では、本発明は、第1の免震耐荷重プレートと、第2の免震耐荷重プレートと、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートと間のボール又は他の転がり部材とを含み、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとのそれぞれは、硬質材料、有利には金属又は金属合金と、硬質材料とは異なるポリマ材料で被覆された、又はそれを別の仕方で備える、他方の免震プレートに面する表面とを備える、免震荷重支持体アセンブリに関するものである。
【0033】
ポリマ材料は、有機ポリマ成分であり得、たとえば、ポリマ材料を含まないアセンブリに対するアセンブリの動作性を向上させるのに有効なポリマ材料などであり得る。たとえば、本アセンブリは、(1)向上した動作円滑性、(2)向上した動作安全性、(3)向上した動作効率、(4)向上した動作信頼性、(5)接着性、転がり部材の表面とは反対側の電荷、親水性/疎水性相互作用、微小機械的手段、又は別のものによる、向上した転がり部材「把持」能力、及び(6)ポリマ材料の無い、概ね同一の荷重支持体アセンブリに対して、低減した荷重支持体アセンブリの不具合発生、のうちの、少なくとも1つを提供し得る。
【0034】
ポリマ材料は、あらゆる適切な、たとえば有効な材料であり得る。ポリマ材料は、有利には、免震プレートの荷重支持面に効果的に塗布可能であり、しかも、斯かる荷重支持面上に留まって、転がり玉その他若しくはローラベアリングの免震バリアプレートに対する摺動、スキップ、及び停止の少なくともいずれか1つを低減し、さらには除去さえする。免震プレートの対向面上のポリマ材料は、免震バリアプレートの相対移動に対する転がり部材のより一貫性のある応答運動を提供するのに有効である。
【0035】
免震バリアプレートの荷重支持面上に配置されたポリマ材料の量は、免震バリアプレートに対するボールベアリング又はローラベアリングの斯かるスキップ及び停止の少なくともいずれか一方の低減さらには除去に有効であるために十分な量である。
【0036】
斯かるポリマ材料の量は、免震バリアプレートの表面上での厚みで表すと、約0.01インチ(約0.25ミリメートル)又は約0.03インチ(約0.76ミリメートル)又は約0.05インチ(約1.27ミリメートル)から約0.1インチ(約2.54ミリメートル)又は約0.15インチ(約3.81ミリメートル)又は約0.25インチ(約6.35ミリメートル)の範囲であり得る。ポリマ材料の厚みは、特定の用途又は関連するポリマ、特定の免震耐荷重プレート及び使用される(1つ以上の)転がり部材、及びポリマ材料が置かれる特定の条件に応じて変わり得る。
【0037】
ポリマ材料は、免震プレート上に設けられた際に、免震プレートに対する転がり部材の摺動、スキップ、及び停止の少なくともいずれか1つの低減に有効な、あらゆるポリマ材料であり得る。
【0038】
ポリマ材料は、免震プレートの表面上に、液体、液体/固体スラリ、又は他の有用な形態で設けられ得る。ポリマはまた、たとえば、免震プレートの表面上に反応物質又は反応物質の混合物を供給して、たとえば、表面上の液体の蒸発又は反応物質の化学反応によってポリマコーティングを形成させることによって、免震プレートの表面上に形成され得る。
【0039】
他の実施態様において、免震プレートの表面は、成形(たとえば、射出成形)又は、免震プレート又は他の部分の荷重支持面上にポリマコーティングを押出成形することなどによる、押出成形などによって、ポリマ表面に生成し得る。
【0040】
ポリマ材料の選択は、免震プレートの使用状況において有効なものであるべきである。たとえば、ポリマ材料は、有利には、免震プレートが使用中に置かれる状況において、溶解、分解、又は効能のない別物になってはならない。
【0041】
ポリマ材料は、有利には、少なくとも約5年間若しくは約10年間、すなわち免震プレートの耐用年数の間、免震プレート上で有用である。
ポリマ材料は、炭化水素含有ポリマ、たとえば、シリコーンポリマなどの非炭化水素ポリマ、及び2つ以上のポリマの混合物の少なくともいずれか1つを含み得る。
【0042】
要するに、免震プレートの表面に対する転がり部材の摺動、スキップ、横滑り、及び停止の少なくともいずれか1つを防止(又は遅延させる)ために有用、かつ、効果的であるあらゆるポリマ材料又はポリマ材料の組合せが、本発明に従って採用され得る。
【0043】
一実施態様において、採用されるポリマ材料は、免震プレートの処理された表面に対する、たとえば、若干の貼付性又は粘着性などの、貼付性又は粘着性の程度を提供する。斯かる貼付性又は粘着性の免震プレートの表面は、免震プレートの処理された表面に対する転がり部材のスキップ、横滑り、及び停止の少なくともいずれか1つの低減又は防止に少なくとも補助的に有益な効果を有する。
【0044】
有用なポリマ材料の一種は、たとえば、ポリ尿素を備えるポリマ材料などの、尿素含有ポリマである。
他のポリマ材料もまた、免震耐荷重プレートの表面上、たとえば、荷重支持面上に効果的なコーティングを提供するのに有用であり得る。斯かる他のポリマの例としては、これらに限定されないが、他の尿素含有ポリマ(コポリマ)、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリグリコール、ポリイソシアネート、ポリメトアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(α-メチルスチレン)、他の炭化水素系ポリマ、非炭化水素系ポリマ、エチレン及びプロピレンのスルホン化コポリマ、エチレン、プロピレン、及びジエンのスルホン化ターポリマ、スルホブチルゴム、スルホイソプレン/スチレンゴム、スルホイソプレン/ブタジエンゴム、スルホイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマ、スルホイソブチレン/スチレンコポリマ、スルホイソブチレン/パラメチルスチレンコポリマ、及び上記ポリマとビニルピリジンコポリマとの複合体、これらの組合せ等が含まれ、これらは、免震荷重支持体アセンブリの免震バリアプレートの処理された表面に対する転がり部材の摺動、スキップ、横滑り、及び停止の少なくともいずれか1つを防止又は遅延させるために、免震耐荷重プレートの表面のコーティングに有効である。
【0045】
ポリマ材料が設けられる耐荷重プレートの表面を処理することは、ポリマ材料が設けられるプレート表面へのポリマ材料の付着性を高める上で有利であり得る。たとえば、このプレート表面は、粗面化され得る。粗面化は、たとえば、サンドブラスト処理、又は別の処理であり、元の未処理のプレート表面に比べて表面積を増大して、プレート表面に非平滑又は粗面化されたテクスチャを提供するものであり、ポリマ材料は、未処理のプレート表面に比べて、プレート表面により強固に接着され、又はより強固に固着され得る。免震荷重支持体の荷重支持面上のコーティングの厚みは、好ましくは、約0.5mm~約5mm、約0.75mm~約3mm、約1mm~約2mmの範囲内、又は約1.5mmである。
【0046】
斯かるポリマ材料で完全に又は部分的に処理された表面を有する免震耐荷重プレートは、なんらかの適切な免震荷重支持体アセンブリの一部であり得る。本発明の範囲を限定することなく、適切な免震荷重支持体アセンブリの実施態様は、以下を含み得る。
【0047】
一実施態様において、免震荷重支持体アセンブリは、免震フローリング内に、又はプラットフォームシステム内に配置され得るものであり、剛性の、すなわち硬質の耐荷重要素、たとえば、金属製のボールベアリングなどのボール、又は金属製のローラベアリングなどのローラによって分離された、少なくとも2つの対向する耐荷重プレートを備え得る。2つ以上の斯かるアセンブリの剛性の、すなわち硬質の耐荷重要素は、フレーム、フローリング要素、又はプラットフォーム上の家財を支持し得る。
【0048】
特に好ましい各種実施態様において、免震フローリング、又はプラットフォームシステムに備わる免震荷重支持体は、剛性の耐荷重要素によって分離された2枚の耐荷重プレートを備える。斯かる構成では、上部耐荷重プレートは、フレーム、フローリング要素、又はプラットフォームに結合され得るものであり、下部耐荷重プレートは、床、基礎、フレーム、又は他の同様の支持面に配置又は固定され得るものである。下部耐荷重プレートは「上方」を指向し得、よって、システムが静止しているとき、剛性ボールは、下部耐荷重プレートの荷重支持面上の中心点に収まる。上部耐荷重プレートは「下方」を指向し得、それにより、システムが静止しているとき、剛性ボールは、上部耐荷重プレートの支持面上の中心点内で静止する。
【0049】
一実施態様において、少なくとも下部耐荷重プレートは、平面視で長方形以外の多角形の外形を備える。多角形の形状、たとえば(必須ではないが)八角形、が採用され得、少なくとも2つの方法で免震システムの安定性に加えることができる。
【0050】
第1に、複数の多角形免震荷重支持体は、組み付けられて、少なくとも2つの隣り合う上部免震荷重支持体又は下部免震荷重支持体の上部多角形支持プレートと下部多角形支持プレートの少なくともいずれか一方の真直ぐな側部が接続され、すなわち連結され、それにより地震が起きている間のこれらの荷重支持体の安定性が強化される。特定の実施態様において、単一の上部多角形耐荷重プレート又は下部多角形耐荷重プレートは、1つ以上の隣接する耐荷重プレート及びフローリング少なくともいずれか一方、フレーム、又はプラットフォーム要素に結合され得る。さらに、3つ以上の免震荷重支持体が単一のプラットフォーム、すなわちフローリングシステムで使用される場合、フレーム、プラットフォーム及びフローリング要素の少なくともいずれか1つと荷重支持体とは一体に連結され、したがって、上部耐荷重要素及び下部耐荷重要素の少なくともいずれか一方のアレイ全体が一体にロックされた単一の補強構造又はネットワークに一体に連結され得る。
【0051】
第2に、多角形の形状は、フレーム、プラットフォーム、及びフローリング要素の少なくともいずれか1つへの耐荷重プレートの連結を容易にし得る。たとえば、円形の免震耐荷重プレートは、一点(接触点)のみで直線状の表面と接触する。したがって、上部及び下部又は上部若しくは下部の多角形の耐荷重プレート同士が連結されていない場合であっても、フレーム、プラットフォーム及びフローリング要素と、又はフレーム、プラットフォーム若しくはフローリング要素と耐荷重プレートとの間の結合は、耐荷重プレート(又は耐荷重プレートフレーム)の外周の直線状の縁部が斯かる要素の直線状の部分に結合される場合、さらにより強化し、かつ、堅固化される。
【0052】
これらの利点のそれぞれは、多角形免震荷重支持体を備える免震システムの製造及び組立を、円形の免震荷重支持体を採用しているシステムよりも、概ね容易にすることである。本発明の免震耐荷重プレートの直線状の縁部により、免震システムは、円形の耐荷重プレートを有するものよりも、より強くかつ正確に適合するように設計することができる。
【0053】
また、免震システムが3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上の同一又は相補的な多角形状を有する免震荷重支持体アレイを採用している場合には、これらの荷重支持体は、これらに限定されないが、家財の配置、大きさ、質量、並びに、免震システムが設置される空間の大きさ及び形状などの少なくともいずれか1つの要素に応じて、荷重を最適に支持するか、又は空間の制限に適合するように、様々な方法で配置することができる。
【0054】
本発明の多角形の耐荷重プレートは、多角形の「フレーム」が、たとえば、溶接、(ねじ、ボルト等の)適切な締結具で結合された円形の耐荷重プレートとしても製造され得る。別の実施態様において、多角形の耐荷重プレートは、やはり好ましくは多角形のフレームによって囲まれた多角形状として製造され得る。
【0055】
多角形のフレーム、耐荷重プレート等は、本発明の範囲から逸脱することなく、丸みを帯びた、すなわち「アール形状の」角部を有し得ることが理解されるであろう。したがって、「多角形の」又は「多角形状」という用語は、「略多角形状の」を意味する、すなわち、全ての曲線及び角度の和が360°である少なくとも2つの(好ましくは少なくとも3つの)直線状の辺を有すると解釈されるべきである。いくつかの場合、「多角形の」は、長方形以外のあらゆる多角形状を意味し得る。
【0056】
多角形の耐荷重プレートの使用により、免震システムの製造及び組立は、大幅に容易になる。たとえば、結合器構成要素は、(1つ以上の)多角形の耐荷重プレート及び/又はフレーム、フローリング、又はプラットフォーム要素に結合されるための(これらに限定されないが)ねじ穴若しくはボルト穴又はブラケット等といった結合嵌合部を標準化して配置した、たとえば、金属管、平板、又はアングル鉄で容易に製造することができる。したがって、これらの結合器構成要素/耐荷重プレートアセンブリは、少なくとも部分的に、家財の想定される質量によって決定される結合器の長さと耐荷重プレートの数とに合わせて、免震システムの所望の長さ又は幅に拡張することができる。特定の実施態様において、対向する多角形の上下の耐荷重プレートの各組は、上下のフローリング、又はプラットフォームアセンブリを形成するために結合器構成要素によって連結され、それらに結合される。追加的に又は代替的に、強固で剛性のある免震アセンブリを形成するために、2つ以上の隣接する多角形の上部及び下部の少なくともいずれか一方の耐荷重プレートが互いに結合され得る。
【0057】
他の可能な構成では、上部免震アセンブリ及び下部の免震アセンブリの少なくともいずれか一方は、別体の結合器構成要素を使用することなく構築され得る。例えば、免震耐荷重プレートの多角形形状は、1つの耐荷重プレートの少なくとも1つの隣接する耐荷重プレートへの直接的な結合を容易にし、さらにその次の少なくとも1つの追加の耐荷重プレートへの結合を容易にして、堅固な互いに安定した構造を形成し得る。
【0058】
1つ以上の下部耐荷重プレートもまた、基礎又は床に直接的又は間接的に結合され得る。たとえば、1つ以上の耐荷重プレートは、たとえば、コンクリート固定ファスナ又は、3M Scotch-Weld(登録商標)ブランドのウレタン、アクリル、及びエポキシ接着剤などの、プラスチック又は金属をコンクリートに固定するための接着剤の使用によって、基礎に直接的に固定され得る。
【0059】
1つ以上の上部耐荷重プレートは、好ましくは、プラットフォーム又はフローリング要素に直接的又は間接的に固定される。たとえば、上部耐荷重プレートは、ボルト、ねじ又は他の同様の締結具を使用して1つ以上のフローリング支持「タイル」又は領域に直接的に固定され得、あるいは家財、耐荷重プレート、又はタイルを支持するためのフレームに結合され得る。
【0060】
一実施態様において、本発明は、多角形の免震耐荷重プレートに関し、この耐荷重プレートは、
a)凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、
b)地震の間、免震プラットフォーム又はフローリングシステムにおける使用中に前記荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素であって、前記荷重支持面構成要素に直接的又は間接的に結合される、前記硬化されたフレーム構成要素と、を備え、
フレーム構成要素は、上面視で、たとえば長方形以外の多角形の形状を備え、かつ、前記フレーム構成要素は、少なくとも1つの直線縁部に沿って、前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合されるように構成される。
【0061】
斯かるシステムでは、荷重支持面構成要素は、後工程でフレーム構成要素に結合され得るか、又はフレーム構成要素に直接的に結合され得る外周リング(この目的では荷重支持面の一部とみなされる)に溶接され得るか、そうでなければ堅固に結合され得る。フレーム構成要素は、好ましくは多角形状であり、他の耐荷重プレートアセンブリ、あるいは免震フローリング、又はプラットフォームアセンブリの他の構成要素に結合されるように構成される。特に好ましい実施態様において、多角形は、正方形や長方形ではない。
【0062】
別の実施態様において、本発明は、多角形の免震荷重支持体アセンブリに関し、この荷重支持体アセンブリは、
a)下記プレートの間に配置される硬化されたボールと、
b)上部免震耐荷重プレートと、
c)下部免震耐荷重プレートと、を備え、
上部免震耐荷重プレートと下部免震耐荷重プレートのそれぞれは、
i)凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、
ii)地震の間、免震プラットフォーム又はフローリングシステムにおける使用中に前記荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素であって、前記荷重支持面構成要素に直接的又は間接的に結合される、前記硬化されたフレーム構成要素と、を備え、
フレーム構成要素は、上面視で、多角形の形状を備え、かつ、前記フレーム構成要素は、少なくとも1つの直線縁部に沿って、前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合されるように構成される。
【0063】
好ましくは、上部耐荷重プレート又は下部耐荷重プレートの一方又は両方のフレーム要素は、そのそれぞれの荷重支持面構成要素に溶接されるか、又は別の仕方で結合される。上述のように、フレーム構成要素は、好ましくは多角形であり、他の耐荷重プレートアセンブリ、あるいは免震フローリング、又はプラットフォームアセンブリの他の構成要素に結合されるように構成される。特に好ましい実施態様において、多角形は、正方形や長方形ではない。
【0064】
また、上部免震耐荷重プレートと下部免震耐荷重プレートは、いずれか一方でも両方でも、1つ以上の他の免震耐荷重プレートに、概ね同一の平面内に直接的又は間接的に結合され得る。間接的結合の一実施態様は、概ね同一の平面内の各耐荷重プレートを同一の結合器構成要素に結合することによる結合である。間接的結合の別の実施態様は、概ね同一の平面内の各耐荷重プレートを共通のフローリング、又はプラットフォーム構成要素に結合することによる結合である。
【0065】
別の実施態様において、本発明は、複数の多角形の免震荷重支持体アセンブリを備える免震床又はプラットフォームアセンブリに関し、斯かる各荷重支持体アセンブリは、
a)下記プレートの間に配置される硬化されたボールと、
b)上部免震耐荷重プレートと、
c)下部免震耐荷重プレートと、を備え、
上部免震耐荷重プレートと下部免震耐荷重プレートのそれぞれは、
i)凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、
ii)地震時に免震プラットフォーム又はフローリングシステムにおける使用中に前記荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素であって、前記荷重支持面構成要素に直接的又は間接的に結合される、前記硬化されたフレーム構成要素と、を備え、
前記フレーム構成要素は、上面視で、多角形の形状を備え、かつ、前記フレーム構成要素は、少なくとも1つの直線縁部に沿って、前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合されるように構成される。
【0066】
免震床又はプラットフォームアセンブリにおいて、前記複数の多角形の免震荷重支持体アセンブリのうちの少なくとも2つは、以下からなる群から選択された方法で結合され得る。
【0067】
i)前記上部免震耐荷重プレート同士が直接的又は間接的に結合され、若しくは
ii)前記下部免震耐荷重プレート同士が直接的又は間接的に結合され、又は
iii)前記上部免震耐荷重プレート同士が直接的又は間接的に結合され、かつ、前記下部免震耐荷重プレート同士が直接的又は間接的に結合される。
【0068】
本発明の現在好ましい実施態様は、多角形の免震システムに関連して、又はその一部として使用され得るが、本発明の範囲はこれらの実施態様に限定されるものではないということが理解されるであろう。したがって、免震床、「低層」免震システム(その中で下部荷重支持体が床又は基礎の中又は下方に載置される)、及び従来の円形の免震荷重支持体を使用するものであっても本明細書に開示する多角形の荷重支持体を使用するものであってもあらゆる他の転がり部材の免震システムの荷重支持面上のポリマコーティングを提供するものである。
【0069】
本発明を、詳細な特定の非限定的な図面及び実施形態によって以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】本発明の完成した多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの一実施形態を示す図。
図2】所定の構成要素を示しつつ、図1の多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの製造における中間段階を示す図。
図3図1の完成した多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの横断面図。
図3A図3に3Aで示す部分をより詳細に示す、免震耐荷重プレートの一部の拡大横断面図。
図4】本発明による図3及び図3Aの免震耐荷重プレートを提供するための工程を記載したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0071】
ここで図面を参照して、図1は、本発明の完成した多角形の耐荷重プレートの一実施形態を示し、背面の締結穴を示しており、図2は、同じ耐荷重プレートの荷重支持面を示している。図3は、図1の耐荷重プレートの横断面図である。
【0072】
この実施形態において、荷重支持面構成要素100は、好ましくは、金属(ステンレス鋼など)から、横断面に曲率を備える中央領域102(図3参照)を有する円形の対称的な部品として形成される。この中央領域を囲む領域は、一定の傾斜104のある環状領域である。この実施形態において、荷重支持面には、所望であれば、後で耐荷重プレートを下方の面、又は上方の面に固定するために、穴開けされてねじ穴106が設けられる。荷重支持面100は、環状の鋼帯110と平らな底板112とに溶接され、このアセンブリは、その後、たとえば、溶接によって、八角形に形成された硬化された材料(この場合、冷間圧延鋼(「CRS: Cold Rolled Steel」))の長さを有するフレーム構成要素114に結合、たとえば、溶接される。図示のように、フレームの各側部は、たとえば、フレーム要素、すなわち接続構成要素、又は他の耐荷重プレートに、ねじ又はボルトで結合するために、穴開けされてねじ穴118が設けられる。
【0073】
図2に示すアセンブリは、鋼帯110とフレーム構成要素114との間に、8つの隙間116(図2の二次元上面視で概ね三角形として現れる)を備える。この空間を埋めるために、後で金属の充填片がアセンブリに溶接される。
【0074】
図3及び図3Aに示すように、荷重支持面100は、ポリ尿素のトップコーティング140でコーティングされた、サンドブラスト処理された上面120を含む。
本構造は、少なくとも荷重支持面100の上方面(上面)120をサンドブラスト処理して製造され、それにより、得られたサンドブラスト面130が粗面化される。図3参照。たとえば、液体材料、乾燥材料、又は流動性材料としてポリ尿素組成物がこの粗面化された表面に塗布されると、ポリ尿素材料140は、硬化、薄膜又は層の形態に凝固又は固体化した後、粗面化された表面130に堅固に固着され、又は保持される。ポリ尿素材料の薄膜又は層は、わずかに貼付性又は粘着性があり得る。
【0075】
ポリ尿素材料の薄膜又は層140は、耐摩擦性を有し、適所に留まり、たとえば、荷重支持面100と支持面100の上面(140)に面する補完荷重支持体との間に配置される転がり部材の摺動、横滑り、及び停止の少なくともいずれか1つを防止又は低減するのに効果的であるのに十分な厚みを有する。本願明細書の他の部分で記載したように、斯かる横滑りや停止の低減又は除去は、実質的な利点を提供する。
【0076】
他の実施形態において、免震荷重支持体の荷重支持面のみが異なる表面は、ポリマコーティングでコーティングし得る。たとえば、免震荷重支持体全体がそのようにコーティングされ得る。
【0077】
たとえば、免震荷重支持体全体がサンドブラスト処理され、次いでポリ尿素コーティング処理され得る。
コーティングは、表面上、たとえば、サンドブラスト処理された表面上にポリマを噴霧することによって塗布し得る。有利なポリ尿素ポリマは、Rhino Extreme(商標),11-50GTとして販売される二成分イソシアネート/樹脂ポリ尿素系などである。イソシアネート及び樹脂は、高圧の複数成分噴霧機器を用いて噴霧される。コーティングは、100%固形分であり、VOCも溶剤も含まず、耐薬品性があり、高引張強度、耐引裂性、及び伸び特性を有する。コーティングは、約45~55の硬度(ショアD)、約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度、約500~600pleの耐引裂性、及び約400~500の伸び率を有する。
【0078】
図4は、本発明の一実施形態を示す。
第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとを用意する。これらのプレートは、従来の大きさ、形状、及び構造とすることができる。これらのプレートは、鋼及び他の金属などの少なくともいずれか1つの硬化された材料から作られることが多い。
【0079】
第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートのそれぞれの荷重支持面は、サンドブラスト処理されるか、又は別の仕方で粗面化されており、それにより、コーティングが免震耐荷重プレートの荷重支持面上に配置され、残存することができるようにする。斯かる表面処理/調製の後に、第1及び第2の両方の免震耐荷重プレートの荷重支持面をポリ尿素などのポリマ材料と接触させて、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートの荷重支持面上に、ポリマのコーティングを形成する。
【0080】
第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとは、それらの間に、たとえば、ボール、ローラなどの耐荷重部材と組み付けられ、それにより耐荷重部材は、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとのコーティングと接触し、もって、動作中のボール又はローラの横滑りや停止を低減する。動作中の横滑りや停止の斯かる低減により、免震荷重支持体アセンブリの動作効率の改善がもたらされる。換言すれば、本発明による、第1の免震耐荷重プレートと第2の免震耐荷重プレートとの荷重支持面上にポリマコーティングを施すことにより、第1及び第2の耐荷重プレート上にポリマコーティングを有さないようなアセンブリと比べて、免震荷重支持体アセンブリの動作に関して実質的な利益がもたらされる。
【0081】
荷重支持面の表面処理、すなわち粗面化、たとえば、サンドブラスト処理は、第1の耐荷重プレートと第2の耐荷重プレートの上の定位置にポリマ材料のコーティングを保持又は維持するのに有効であり、それにより、コーティングは、荷重支持面上に維持され、アセンブリの動作の向上に、長期間にわたり有効である。
【0082】
上述の発明を、理解を明確にするために、例示し、或いは詳細に説明したが、その明示的な記述に対する変更、置換、及び再構成を添付の特許請求の範囲内で実施し得ることは明らかであろう。たとえば、本明細書に記載された発明は、本明細書に記載の他のあらゆる特徴、要素、方法、若しくは構造の要素内で、又はそれらと組合せて、実施することができる。加えて、特定の実施形態に存在するものとして本明細書に示す特徴は、本発明の他の態様では、本発明から明示的に欠如した特徴であることが意図されており、或いは、本件特許出願又は当該特定の実施形態に記載されなかったものではない、という意味で、本明細書の随所に記載された各種特徴と組合せ可能であることが意図される。特許請求の範囲の文言のみが、本発明を規定すべきである。本明細書で引用された全ての刊行物及び特許文献は、それぞれがそのように個別に示された場合と同じ程度に、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の免震耐荷重プレートと、
第2の免震耐荷重プレートと、
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートとの間に配置された転がり部材と、を備え、前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートの少なくとも1つは、
固体材料を含むとともに、
相手方の免震プレートに面する表面を備え、該表面は、前記固体材料とは異なるポリマ材料から形成され、前記ポリマ材料は、粘着性があり、前記転がり部材が前記第1、第2の免震耐荷重プレートの表面を横切って移動する際に、当該転がり部材の横滑り、停止、及びスキップの少なくともいずれか1つを低減するものであり、
前記ポリマ材料は、ポリ尿素ポリマを含み、前記ポリマ材料から形成されたプレートは、0.5mmから5mmまでの範囲の厚みと、前記免震耐荷重プレート上での5年を超える耐用年数とを有し、45~55の硬度(ショアD)と、2800psi~3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度と、500~600pliの耐引裂性と、400~500の伸び率を有する、免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項2】
記固体材料が金属である、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項3】
前記ポリマ材料は、前記ポリマ材料を含まないアセンブリに比べて、本アセンブリの動作性を向上させるのに有効である、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項4】
(1)向上した動作円滑性、(2)向上した動作安全性、(3)向上した動作効率、(4)向上した動作信頼性、及び(5)低減した荷重支持体アセンブリの不具合発生のうちの、少なくとも1つを提供し、前記(1)~(5)のそれぞれは、前記ポリマ材料を含まない概ね同一の荷重支持体アセンブリと比較したものである、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項5】
前記ポリマ材料は、実質的にポリ尿素ポリマからなる、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられた粗面化された表面を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられるサンドブラスト処理された表面を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記転がり部材に面する表面を含み、前記転がり部材は、当該表面の範囲にわたって、角度と曲率のうちの少なくとも1つが変動する、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記免震耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記免震耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第1の表面部分を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記免震耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分と、前記免震耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第2の表面部分と、を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、多角形の外周を有し、凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、前記凹状の硬化された荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素と、を含む、請求項1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項13】
前記フレーム構成要素は、前記荷重支持面構成要素に溶接される、請求項12に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項14】
前記荷重支持面構成要素は、前記荷重支持面構成要素の中心を通る垂直面において横断面形状を有し、該横断面形状は、
i)直線形状と湾曲形状との組合せと、
ii)異なる直線形状の組合せと、
iii)異なる湾曲形状の組合せと、
からなる群から選択された形状である、請求項13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項15】
前記多角形の外周は、八角形の外周である、請求項12に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項16】
前記フレーム構成要素は、前記フレーム構成要素を、免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合するのに有用な一連の孔を備える、請求項12に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの他の構成要素は、
i)別の免震耐荷重プレートと、
ii)結合構成要素と、
iii)前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムのフレーム要素と、
iv)床又は基礎と、
からなる群から選択される、請求項16に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項18】
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね円形の形状を有する、請求項12に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【請求項19】
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね多角形の形状を有する、請求項12に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
図1】本発明の完成した多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの一実施形態を示す図。
図2】所定の構成要素を示しつつ、図1の多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの製造における中間段階を示す図。
図3図1の完成した多角形(八角形)の免震耐荷重プレートの横断面図。
図3A図3に3Aで示す部分をより詳細に示す、免震耐荷重プレートの一部の拡大横断面図。
図4】本発明による図3及び図3Aの免震耐荷重プレートを提供するための工程を記載したブロック図。
図5本発明による実施形態の斜視図。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
荷重支持面の表面処理、すなわち粗面化、たとえば、サンドブラスト処理は、第1の耐荷重プレートと第2の耐荷重プレートの上の定位置にポリマ材料のコーティングを保持又は維持するのに有効であり、それにより、コーティングは、荷重支持面上に維持され、アセンブリの動作の向上に、長期間にわたり有効である。
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
第1の免震耐荷重プレートと、
第2の免震耐荷重プレートと、
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートとの間に配置された可動耐荷重要素と、を備え、前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、固体材料と相手方の免震プレートに面する表面とを備え、該表面は、前記固体材料とは異なるポリマ材料を備える、免震荷重支持体アセンブリ。
[項目2]
前記ポリマ材料が有機ポリマ成分であり、かつ、前記固体材料が金属である、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目3]
前記ポリマ材料は、前記ポリマ材料を含まないアセンブリに比べて、本アセンブリの動作性を向上させるのに有効である、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目4]
(1)向上した動作円滑性、(2)向上した動作安全性、(3)向上した動作効率、(4)向上した動作信頼性、及び(5)低減した荷重支持体アセンブリの不具合発生のうちの、少なくとも1つを提供し、前記(1)~(5)のそれぞれは、前記ポリマ材料を含まない概ね同一の荷重支持体アセンブリと比較したものである、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目5]
前記ポリマ材料は、1種以上の尿素含有ポリマを備える、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目6]
前記ポリマ材料は、ポリ尿素である、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目7]
前記第1の免震バリアプレートと前記第2の免震バリアプレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられた粗面又はテクスチャ化された表面を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目8]
前記第1の免震キャリアプレートと前記第2の免震キャリアプレートのそれぞれは、前記ポリマ材料が設けられるサンドブラスト処理された表面を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目9]
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記可動耐荷重要素に面する表面を含み、前記可動耐荷重要素は、当該表面の範囲にわたって、角度と曲率のうちの少なくとも1つが変動する、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目10]
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目11]
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第1の表面部分を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目12]
前記第1の耐荷重プレートと前記第2の耐荷重プレートのうちの少なくとも一方は、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において概ね直線状である第1の表面部分と、前記耐荷重プレートの中心を通る垂直面において湾曲した第2の表面部分と、を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目13]
前記第1の免震耐荷重プレートと前記第2の免震耐荷重プレートのそれぞれは、多角形の外周を有し、凹状の硬化された荷重支持面構成要素と、前記凹状の硬化された荷重支持面構成要素を支持するのに十分な強度を有する硬化されたフレーム構成要素と、を含む、項目1に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目14]
前記フレーム構成要素は、前記荷重支持面構成要素に溶接される、項目13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目15]
前記荷重支持面構成要素は、前記荷重支持面構成要素の中心を通る垂直面において横断面形状を有し、該横断面形状は、
i)直線形状と湾曲形状との組合せと、
ii)異なる直線形状の組合せと、
iii)異なる湾曲形状の組合せと、
からなる群から選択された形状である、項目14に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目16]
前記多角形の外周は、八角形の外周である、項目13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目17]
前記フレーム構成要素は、前記フレーム構成要素を、前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムの少なくとも1つの他の構成要素に結合するのに有用な一連の孔を備える、項目13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目18]
前記少なくとも1つの他の構成要素は、
i)別の免震耐荷重プレートと、
ii)結合構成要素と、
iii)前記免震プラットフォーム又はフローリングシステムのフレーム要素と、
iv)床又は基礎と、
からなる群から選択される、項目17に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目19]
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね円形の形状を有する、項目13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目20]
前記荷重支持面構成要素は、上面視で概ね多角形の形状を有する、項目13に記載の免震荷重支持体アセンブリ。
[項目21]
少なくとも2つの連結された免震プラットフォームを備える拡張可能な免震トラックであって、前記免震プラットフォームのそれぞれは、
a)第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とに備わり、少なくとも2つの上開きの凹部を有する概ね平らで略平面状の下皿セグメントと、
b)前記上開きの凹部に対向するように構成された、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とに備わり、少なくとも2つの下開きの凹部を有する概ね平らで略平面状の上皿セグメントと、を備え、
対向する前記凹部は、凹部同士の間に少なくとも2つのキャビティを形成するように位置合わせされており、各キャビティは、転がり接触して前記下皿セグメントの上に前記上皿セグメントを支持する、少なくとも1つの剛性ボールを収容し、
少なくとも1つの凹部の中心を通る横断面は、前記凹部の表面に沿った線を形成し、前記線は、
i)直線及び曲線と、
ii)第1の曲線及び前記第1の曲線とは異なる第2の曲線と、
iii)第1の直線及び前記第1の直線とは異なる傾斜を有する第2の直線と、
からなる群から選択される形状の組合せを備え、
少なくとも1つの前記凹部の前記荷重支持面は、約45~約55の硬度(ショアD)と、約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度とを有するポリマ材料であり、かつ、前記免震プラットフォームのそれぞれは、隣同士の上皿セグメント、及び、隣同士の下皿セグメントとを連結する、剛性のある複数の連結部材を使用して、少なくとも1つの追加的な免震プラットフォームに連結されるように構成される、拡張可能な免震トラック。
[項目22]
2つ以上の凹部の前記荷重支持面は、約45~約55の硬度(ショアD)及び約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度を有するポリマ材料である、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目23]
前記ポリマ材料は、ポリ尿素成分を備える、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目24]
少なくとも2つの連結部材は、免震荷重支持体の側部に沿って横方向に配置される、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目25]
少なくとも2つの連結部材は、免震プラットフォームの両側を連結する、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目26]
複数の連結部材によって少なくとも2つの追加の免震プラットフォームに連結された少なくとも1つの免震プラットフォームを備える、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目27]
前記少なくとも1つの凹部の横断面形状が、中央の略球状に湾曲した領域と、平らな傾斜面である環状領域とを有している、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目28]
前記環状領域の面積が、中央の略球状領域の面積と少なくとも等しい、項目27に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目29]
前記平らな傾斜面は、水平方向の長さに対する垂直に上昇する割合が約2である、項目27に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目30]
前記中央の球状に湾曲した領域は、曲率半径が約86インチ(約2.18メートル)である、項目27に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目31]
家財は、コンピュータ機器である、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目32]
免震プラットフォーム間の隙間は、電力ケーブル又はデータケーブルへのアクセスを可能にする、項目21に記載の拡張可能な免震トラック。
[項目33]
耐荷重プレートの荷重支持面を追加の荷重支持面に対して相対変位させる振動中に、免震システムが備える転がり部材が前記耐荷重プレートの荷重支持面に対して摺動することを防止する方法であって、
a)前記免震耐荷重プレートの荷重支持面を粗面化する工程と、
b)前記粗面化された荷重支持面にポリマ材料を約0.01インチ~約0.25インチ(約0.25ミリメートル~約6.35ミリメートル)の厚みで塗布する工程であって、前記ポリマ材料が、約45~約55の硬度(ショアD)、約400%~約500%の伸び率、及び、約2800psi~約3200psi(約19.3MPa~約22.1MPa)の引張強度を有する、前記ポリマ材料を塗布する工程と、
c)前記ポリマ材料を、前記耐荷重プレートの荷重支持面上において硬化したコーティングに形成する工程と、
d)前記ポリマ材料でコーティングされた前記荷重支持面と追加の荷重支持面との間に配置された転がり部材を備える免震システムを組立てる工程と、
e)前記免震システムを、前記コーティングされた荷重支持面を前記追加の荷重支持面に対して相対変位させる振動下に置く工程と、を備える、方法。
[項目34]
前記粗面化工程は、前記耐荷重プレートの荷重支持面をサンドブラスト処理することを備える、項目33に記載の方法。
[項目35]
前記ポリマ材料は、前記耐荷重プレートの荷重支持面上に噴霧される、項目33に記載の方法。
[項目36]
前記ポリマ材料は、前記耐荷重プレートの荷重支持面上に噴霧される、項目34に記載の方法。
[項目37]
前記ポリマ材料は、ポリ尿素成分を備える、項目33に記載の方法。
[項目38]
前記免震システムは、免震フローリングシステム、免震プラットフォームシステム、免震トラックシステム、及び免震フォークリフトパレッティングシステムを備える群から選択される、項目33に記載の方法。
[項目39]
前記免震システムは、免震パレット積載システム、及び免震パレットラックシステムからなる群から選択される免震フォークリフトパレッティングシステムを備える、項目38に記載の方法。
【外国語明細書】