(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090640
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】水中油型組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20220610BHJP
A61K 8/85 20060101ALI20220610BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20220610BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20220610BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220610BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20220610BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20220610BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220610BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20220610BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220610BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20220610BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/85
A61K8/891
A61K8/55
A61Q19/00
A61Q5/00
A61K9/107
A61K47/34
A61K47/24
A61K47/32
A61K8/39
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021197549
(22)【出願日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】20212310
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】李 京蘭
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 真邑
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB31
4C076CC04
4C076CC18
4C076DD37
4C076DD52
4C076DD63F
4C076EE14G
4C076EE24
4C076EE27
4C076FF43
4C083AB051
4C083AB052
4C083AC152
4C083AC642
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB01
4C083BB11
4C083CC02
4C083CC31
4C083CC37
4C083DD33
4C083EE13
4C083EE22
4C083FF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大きなサイズの油滴を含むo/w型組成物を提供する。
【解決手段】(i)100重量部の水、(ii)0.05~3重量部の油、(iii)0.1~10重量部の乳化剤、および、(iv)0.01~3重量部の増粘剤を含み、0.1mm以上の直径を有する油滴を含む、o/w型組成物とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)100重量部の水、
(ii)0.05~3重量部の油、
(iii)0.1~10重量部の乳化剤、および
(iv)0.01~3重量部の増粘剤を含み、
0.1mm以上の直径を有する油滴を含む水中油(o/w)型組成物。
【請求項2】
前記油が重合構造を含む、請求項1に記載のo/w型組成物。
【請求項3】
前記油は、炭化水素油、脂肪酸油、アルコール油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のo/w型組成物。
【請求項4】
前記油は、エステル油、シリコーン油、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載のo/w型組成物。
【請求項5】
前記エステル油は、エストリドエステルを含む、当エストリドエステルは、同じまたは異なるヒドロキシ脂肪酸またはヒドロキシ不飽和脂肪酸のエステルである、請求項3または4に記載のo/w型組成物。
【請求項6】
前記油が、メチル基およびステアリル基を側鎖とするジメチルシリコーン(ステアリルジメチコン)、ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステル、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれかに記載のo/w型組成物
【請求項7】
前記乳化剤の親水親油バランス(HLB)が2~15である、請求項1~6のいずれかに記載のo/w型組成物。
【請求項8】
前記乳化剤は、スルホン酸化合物、硫酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ポリアルコールと脂肪酸のエステル、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれかに記載のo/w型組成物。
【請求項9】
前記乳化剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~8のいずれかに記載のo/w型組成物
【請求項10】
前記乳化剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルホスフェート(トリラウレス-4リン酸)、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸ジグリセリルおよびジイソステアリン酸ジグリセリルの混合物(セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2)、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれかに記載のo/w型組成物
【請求項11】
前記o/w型組成物の25℃における粘度が、1mPa・s~10Pa・sである、請求項1~10のいずれかに記載のo/w型組成物。
【請求項12】
前記o/w型組成物は、3.0mm以下の直径を有する油滴を含む、請求項1~11のいずれかに記載のo/w型組成物。
【請求項13】
-100重量部の水、0.1~10重量部の乳化剤、および、0.01~3重量部の増粘剤を混合して水溶液を調製する、
-0.05~3重量部の油を調整する、
-前記水溶液および前記油を混合し、当該油を当該水溶液に分散させる、
工程を含む、0.1mm以上の直径を有する油滴を含む、請求項1に記載の水中油(o/w)型組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、0.1mm以上の粒子の油を分散させた水中油(o/w)型組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大きなサイズの油粒子を含むo/w型組成物が求められている。
【0003】
特許文献1(JP2007-254405)は、100から500nmの粒子サイズを有する乳化液滴を含むo/w乳化化粧品組成物を開示しており、当該組成物は、(A)常温で液状の油剤、(B)水素添加リン脂質、(C)HLBが9~16の非イオン性界面活性剤、(D)2価のグリコール類、および、(E)水を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的は、大きなサイズの油滴を含むo/w型組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、(i)100重量部の水、(ii)0.05~3重量部の油、(iii)0.1~10重量部の乳化剤、および、(iv)0.01~3重量部の増粘剤を含み、0.1mm以上の直径を有する油滴を含む水中油(o/w)型組成物に関する。
【0006】
本発明の別の態様は、-100重量部の水、0.1~10重量部の乳化剤、および、0.01~3重量部の増粘剤を混合して水溶液を調製する、-0.05~3重量部の油を準備する、
-前記水溶液および前記油を混合し、当該油を当該水溶液に分散させる、工程を含む、0.1mm以上の直径を有する油滴を含む請求項1に記載の水中油(o/w)型組成物の製造方法に関する。
【0007】
本発明により、大きなサイズの油滴を含むo/w型組成物が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(a)および
図1(b)は、実施例1の油滴測定時のo/w型組成物の上面図および側面図である。
【
図2】
図2(a)および
図2(b)は、実施例2の油滴測定時のo/w型組成物の上面図および側面図である。
【
図3】
図3(a)および
図3(b)は、比較例1の油滴測定時のo/w型組成物の上面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[発明の詳細な説明]
上記o/w型組成物およびその製造方法について説明する。
【0010】
当該o/w型組成物は、(i)100重量部の水、(ii)0.05~3重量部の油、(iii)0.1~10重量部の乳化剤、および(iv)0.01~3重量部の増粘剤を含む。
【0011】
(i)水
水は、o/w型組成物の主要成分である。当該水に制限はないが、一実施形態ではイオン交換水、蒸留水、井戸水、水道水、または、それらの組み合わせであり得る。水は、当該o/w型組成物の重量に基づいて、一実施態様では、80.0重量%以上、別の実施形態では85.0重量%以上、別の実施形態では89.5重量%以上、別の実施形態では94.0重量%以上である。当該水は、当該o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では99.8重量%以下、別の実施形態では98.5重量%以下である。
【0012】
(ii)油
当該o/w型組成物は油を含む。
【0013】
当該油の融点は、一実施形態では40℃以下、別の実施形態では35℃以下、別の実施形態では30℃以下、別の実施形態では29℃以下である。当該油の融点は、一実施形態では0℃以上、別の実施形態では5℃以上、別の実施形態では12℃以上、別の実施形態では18℃以上である。
【0014】
当該油は、一実施形態では、重合構造を含む。換言すれば、別の実施形態では、当該油の化学構造が1つ以上の重合構造を含む。当該重合構造とは、繰り返し結合した2つ以上のモノマーを含む構造を意味する。当該ポリマー化合物の油は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0015】
当該油は、一実施態様では、炭化水素油、脂肪酸油、アルコール油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、および、それらの組み合わせ;別の実施態様では、エステル油、シリコーン油、および、それらの組み合わせ;からなる群から選択される。当該油は、別の実施多様では、エステル油;別の実施多様では、シリコーン油である。
【0016】
当該エステル油は、ある実施形態では、エストリドエステルを含む。エストリドエステルは、エストリドとアルコールとのエステルである。当該エストリドは、一実施形態では、同じまたは異なるヒドロキシ脂肪酸またはヒドロキシ不飽和脂肪酸のエステルである。当該エストリドは、別の実施形態では、ヒドロキシ脂肪酸またはヒドロキシ不飽和脂肪酸のポリマーである。当該エストリドは、別の実施形態では、ヒドロキシ不飽和脂肪酸のポリマーである。当該エストリドは、一実施形態では、2~11当量のヒドロキシ不飽和脂肪酸であり、別の実施形態では、3~9当量のヒドロキシ不飽和脂肪酸であり、別の実施形態では4~8当量のヒドロキシ不飽和脂肪酸である。当該ヒドロキシ不飽和脂肪酸は、一実施態様では、リシノール酸である。
【0017】
当該アルコールは、一実施形態では、脂肪族アルコールである。当該脂肪族アルコールの炭素数は、一実施形態では3~20、別の実施形態では6~18、別の実施形態では10~16、別の実施形態では12~14である。当該脂肪族アルコールは、ブチルアルコール、アミルアルコール、エナントアルコール、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、およびこれらの組み合わせ;別の実施形態では、カプリルアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、ステアリルアルコール、および、これらの組み合わせ;別の実施態様では、ラウリルアルコールおよびミリスチルアルコール、および、これらの組み合わせ;別の実施態様では、ラウリルアルコールおよびミリスチルアルコールの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0018】
当該エストリドエステルは、一実施形態では、ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステル、別の実施形態では、2~11当量のポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステル、別の実施形態では、2~11当量のポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよびミリスチルアルコールとのエステルである。
【0019】
ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよびミリスチルアルコールとのエストリドエステルは、INCI名でラウリル/ミリスチルポリリシノレイン酸と呼ばれる。当該ラウリル/ミリスチルポリリシノレイン酸は、例えば、クラリアント社のGENADVANCE(登録商標)HYDRAなど、市販製品として入手可能である。
【0020】
当該シリコーンオイルは、一実施形態では、ジメチルシリコーンオイル、有機変性シリコーンオイル、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
当該ジメチルシリコーンオイルは、一実施態様では、式(1)で表される:
Me3SiO-[SiMe2O]x-SiMe3 (1)
(式中、xは2以上であり、Meはメチル基である。)
式(1)において、xは、別の実施形態では3以上、別の実施形態では5以上、別の実施形態では7以上、別の実施形態では10以上、別の実施形態では12以上である。式(1)において、xは、一実施形態では30以下、別の実施形態では27以下、別の実施形態では25以下、別の実施形態では23以下、別の実施形態では20以下である。
【0022】
当該有機変性シリコーンオイルは、一実施形態において、側鎖のメチル基が部分的に別の有機基に置換されたジメチルシリコーンオイルである。
【0023】
別の実施形態では、当該有機変性シリコーンオイルは、式(2)または(3)で表される:
Me3SiO-[Si(Me)(R)O]y-SiMe3 (2)
Me3SiO-[[(Me2)O]z[Si(Me)(R)O]v]-SiMe3 (3)
(式中、Rは独立してアルキル基、アルケニル基、フェニル基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基であり、yは、2~30の整数であり、zは、1~29の整数であり、vは、1~29の整数であり、z+vは、3~30の間であり、Meはメチル基である)。
【0024】
式(2)または式(3)において:
一実施態様では、Rは、直鎖状、分岐状または環状有機基である;別の実施形態では、Rは、直鎖状有機基である;
一実施態様では、Rは、2~40個の炭素原子を有する;別の実施形態では、Rは、6~30個の炭素原子を有する;別の実施態様では、Rは、10~25個の炭素原子を有する;別の実施形態では、Rは、15~20個の炭素原子を有する;
一実施態様では、Rは、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アルキルアリル基、またはアリルアルキル基である;別の実施形態では、アルキル基である;当該アルキル基は、一実施態様では、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、および、イコシル;別の実施態様では、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシル(ステアリル)、および、ノナデシル;別の実施態様では、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、および、オクタデシル(ステアリル);別の実施態様では、オクタデシル(ステアリル)からなる群から選択される;
yは、別の実施形態では1以上、別の実施形態では2以上、別の実施形態では3以上、別の実施形態では5以上、別の実施形態では20以下、別の実施形態では15以下、別の実施形態では10以下、別の実施形態では7以下である;
zは、別の実施形態では1以上、別の実施形態では2以上、別の実施形態では3以上、別の実施形態では5以上、別の実施形態では20以下、別の実施形態では16以下、別の実施形態では12以下、別の実施形態では10以下である;
vは、別の実施形態では1以上、別の実施形態では2以上、別の実施形態では20以下、別の実施形態では16以下、別の実施形態では12以下、別の実施形態では10以下である;
z+vは、別の実施形態では3以上、別の実施形態では4以上、別の実施形態では58以下、別の実施形態では42以下、別の実施形態では38以下、別の実施形態では22以下、別の実施形態では18以下、別の実施形態では13以下である。
【0025】
別の実施形態では、当該油は、式(4)の有機変性シリコーンオイルを含む:
Me3SiO-[[Si(Me2)O]z[Si(Me)(St)O]v]-SiMe3 (4)
(式中、zは1~29であり、vは1~29の整数であり、z+vは3~30であり、Meはメチル基であり、Stはステアリル基である)。当該油は、別の実施形態では、式(4)の有機変性シリコーン油である。
【0026】
メチル基およびステアリル基を側鎖とするジメチルシリコーンは、INCI名でステアリルジメチコンとも呼ばれる。ステアリルジメチコンは、例えばクラリアント社のSilCare(登録商標)Silicone 41M65など、市販製品として入手可能である。
【0027】
当該油は、メチル基およびステアリル基を側鎖とするジメチルシリコン(ステアリルジメチコン)、ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステル、および、それらの別の組み合わせからなる群から選択される。当該油は、別の実施形態では、ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステルを含む。当該油は、別の実施形態では、ポリリシノレイン酸とラウリルアルコールおよび/またはミリスチルアルコールとのエステルである。
【0028】
当該油は、一実施形態では0~50℃、別の実施形態では10~45℃、別の実施形態では15~36℃、別の実施形態では20~29℃、別の実施形態では約25℃の室温で液相である。
【0029】
当該油は、一実施形態では0.1重量部以上、別の実施形態では0.15重量部以上、別の実施形態では0.2重量部以上、別の実施形態では0.25重量部以上である。当該油は、3重量部以下、別の実施形態では2.4重量部以下、別の実施形態では1.9重量部以下、別の実施形態では1.4重量部以下、別の実施形態では0.9重量部以下、別の実施形態では0.6重量部以下、別の実施形態では0.4重量部以下とすることができる。
【0030】
当該油は、当該o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では0.08重量%以上、別の実施形態では0.12重量%以上、別の実施形態では0.16重量%以上、別の実施形態では0.2重量%以上である。当該油は、当該o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では5重量%以下、別の実施形態では4.1重量%以下、別の実施形態では3.5重量%以下、別の実施形態では2.2重量%以下、1.7重量%以下、別の実施形態では0.6重量%以下である。
【0031】
(iii)乳化剤
当該乳化剤は、上記水および上記油を乳化するために使用される。当該乳化剤の親水親油バランス(HLB)は、一実施形態では2以上、別の実施形態では3以上、別の実施形態では4以上、別の実施形態では5以上、別の実施形態では6以上、別の実施形態では7以上、別の実施形態では8以上、別の実施形態では9以上、別の実施形態では10以上、別の実施形態では11以上、別の実施形態では12以上である。当該乳化剤のHLBは、一実施形態では15以下、別の実施形態では14以下、別の実施形態では13以下、別の実施形態では12以下、別の実施形態では11以下、別の実施形態では10以下、別の実施形態では9以下、別の実施形態では8以下である。ここで、HLBとは、Griffin方法で求めた値をいう。Griffin方法によれば、HLB=20×Mh/M(式中、Mhは分子中親水性部分の分子量であり、Mは分子全体の分子量であり)として定まり、0~20の値となる。HLB値を求める当該計算には、例えば、Norgwyn Montgomery Software, Inc.製のソフトウェアMolecular Modeling Proを使用することができる。
【0032】
当該乳化剤は、一実施態様では、スルホン酸化合物、硫酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ポリアルコールと脂肪酸のエステルおよびそれらの組み合わせ;別の実施形態では、リン酸エステル化合物、ポリアルコールと脂肪酸とのエステルおよびそれらの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0033】
当該スルホン酸化合物は、一実施形態では、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
当該硫酸エステル化合物は、一実施形態ではアルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、ロート油、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
当該リン酸エステル化合物は、一実施形態では、アルキルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホスフェート、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。当該リン酸エステル化合物は、別の実施形態では、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェートからなる群から選択される。
【0036】
上記スルホン酸化合物、硫酸エステル化合物またはリン酸エステル化合物に含まれる当該アルキル基は、独立して、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、およびイコシル;別の実施態様では、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシル(ステアリル)およびノナデシル;別の実施形態では、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、オクタデシル(ステアリル);別の実施形態では、ドデシル(ラウリル)、からなる群から選択される。
【0037】
別の実施形態では、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェートは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルホスフェートである。
【0038】
ポリオキシエチレンラウリルエーテルホスフェートは、INCI名でトリラウレス-4リン酸である。トリラウレス-4リン酸は、例えば、クラリアント社のHostaphat(登録商標)KL 340Dなど、市販製品として入手可能である。
【0039】
当該ポリアルコールと脂肪酸とのエステルは、別の実施形態では、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリスクロース脂肪酸エステルおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0040】
当該ポリアルコールと脂肪酸とのエステルは、別の実施形態では、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリスクロース脂肪酸エステルおよびそれらの組み合わせ;別の実施形態では、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそれらの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0041】
当該グリセリン脂肪酸エステルは、1個または2個のヒドロキシ基が脂肪酸でエステル化されたグリセリン(HOCH2CH(OH)CH2OH)を含む化合物である。
【0042】
当該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸でエステル化された1つ以上の水酸基を有するポリグリセリンを含む化合物である。当該ポリグリセリンは、一実施形態では、直鎖、分枝鎖または環状のポリグリセリンである。当該ポリグリセリンは、一実施形態では、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
当該グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、一実施形態では、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であり、別の実施形態では飽和脂肪酸である。当該グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、別の実施形態では、直鎖または分岐脂肪酸であり、別の実施形態では分岐脂肪酸である。当該グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、別の実施形態では、6~30の炭素数またはそのポリマー、別の実施形態では10~22の炭素数またはそのポリマー、別の実施形態では12~18の炭素数またはそのポリマーを有する。
【0044】
当該グリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、別の実施態様では、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、マルガリン酸、エライジン酸、バクセン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ピノレン酸ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、イコセン酸、エイコサペンタエン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、イソカプロン酸、イソエナント酸、イソカプリン酸、イソペラルゴン酸、イソカプロン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソペンタデカン酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソオレイン酸、イソバクセン酸、イソリノール酸、イソリノレン酸、イソアラキジン酸、イソアラキドン酸、イソベヘン酸、イソリグノセリン酸、イソモンタン酸、および、それらのポリマー;別の実施態様では、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソオレイン酸、イソバクセン酸、イソリノール酸、イソリノレン酸、イソリシノール酸およびそれらのポリマー;別の実施形態では、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、イソステアリン酸、イソリシノール酸およびそれらのポリマー、からなる群から選択される。
【0045】
当該グリセリン脂肪酸エステルは、別の実施形態では、モノエステル、ジエステルまたはそれらの組み合わせであり、別の実施形態ではモノエステルである。
【0046】
当該グリセリン脂肪酸エステルは、別の実施態様では、カプリル酸-グリセリル、イソカプリル酸-、カプロン酸-、イソカプロン酸-、ステアリン酸-、オレイン酸-、イソステアリン酸-、カプリル酸-、リシノール酸-、イソカプリル酸-、ラウリル酸-、イソラウリル酸-、ミリスチン酸-、イソミリスチン酸-、パルミチン酸-、イソパルミチン酸-、ポリカプリル酸-、ポリイソカプリル酸-、ポリカプロン酸-、ポリイソカプロン酸-、ポリステアリン酸-、ポリイソステアリン酸-、ポリカプリン酸-、ポリリシノレイン酸-、ポリイソリシノール酸-、ポリラウリル酸-、ポリイソラウリル酸-、ポリミリスチン酸-、ポリパルミチン酸-、ポリイソパルミチン酸-、および、それらの組み合わせ;別の実施態様では、ステアリン酸-グリセリル、-オレイン酸、-イソステアリン酸、-リシノール酸、-ラウリル酸、-イソラウリル酸、-ミリスチン酸、-イソミリスチン酸、-パルミチン酸、-イソパルミチン酸、-ポリステアリン酸、-ポリイソステアリン酸、-ポリリシノレイン酸、-ポリイソリシノール酸、-ポリラウリル酸、-ポリイソラウリル酸、および、それらの組み合わせ;別の実施態様では、ステアリン酸-グリセリル、オレイン酸-、ポリリシノレイン酸-、および、それらの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0047】
当該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、別の実施態様では、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステル、ヘキサエステル、ヘプタエステル、オクタエステル、または、それらの組み合わせである;別の実施態様では、モノエステル、ジエステル、または、それらの組み合わせである;別の実施態様では、モノエステルとジエステルの組み合わせである。
【0048】
当該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、別の実施形態では、カプリン酸-ポリグリセリル、イソカプリン酸-、カプロン酸-、イソカプロン酸-、ステアリン酸-、イソステアリン酸-、ラウリン酸-、イソラウリン酸-、ミリスチン酸-、イソミリスチン酸-、パルミチン酸-、イソパルミチン酸-、リシノール酸-、イソリシノール酸-、ポリカプリル酸-、ポリイソカプリル酸-、ポリラウリル酸-、ポリイソラウリル酸-、ポリミリスチン酸-、ポリイソミリスチン酸-、ポリイソパルミチン酸-、ポリリシノレイン酸-、および、それらの組み合わせ;別の実施態様では、ステアリン酸-ポリグリセリル、イソステアリン酸-、ポリステアリン酸-、ポリイソステアリン酸-、ポリリシノレイン酸-、および、それらの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0049】
当該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、別の実施態様では、ステアリン酸-ジグリセリル、ジステアリン酸-、イソステアリン酸-、ジイソステアリン酸-、および、それらの組み合わせ;イソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、および、それらの組み合わせ、からなる群から選択される。当該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、別の実施態様では、イソステアリン酸ジグリセリルおよびポリイソステアリン酸ジグリセリルの組み合わせであり、別の実施態様では、イソステアリン酸ジグリセリルおよびジイソステアリン酸ジグリセリルの組み合わせである。
【0050】
当該乳化剤は、別の実施態様では、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル、および、それらの組み合わせ;別の実施態様では、ポリオキシエチレンラウリルエーテルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ポリリシノレイン酸トリグリセリル、および、それらの組み合わせ、からなる群から選択される。
【0051】
ステアリン酸グリセリルは、例えばクラリアント社のPlantasens(登録商標)Emulsifier HP30など、市販製品として入手可能である。
【0052】
イソステアリン酸ジグリセリルとジイソステアリン酸ジグリセリルの混合物は、INCI名のセスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2である。セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2は、例えばクラリアント社のPlantasens(登録商標) Emulsifier DGIなど、市販製品として入手可能である。
【0053】
オレイン酸グリセリルおよびポリリシノレイン酸ポリグリセリルの混合物は、例えばPlantasens(登録商標)Emulsifier CP5など、市販製品として入手可能である。
【0054】
当該乳化剤は、一実施形態では0.2重量部以上、別の実施形態では0.3重量部以上、別の実施形態では0.4重量部以上、別の実施形態では0.5重量部以上、他の実施形態では0.8重量部以上、他の実施形態では0.9重量部以上、他の実施形態では1.0重量部以上である。当該乳化剤は、一実施形態では9.5重量部以下、別の実施形態では8.1重量部以下、別の実施形態では7.4重量部以下、別の実施形態では6.5重量部以下、別の実施形態では5.6重量部以下、別の実施形態では4.5重量部以下、別の実施形態では3.4重量部以下、別の実施形態では2.9重量部以下、別の実施形態では1.9重量部以下、別の実施形態では1.2重量部以下である。
【0055】
当該乳化剤は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では0.09重量%以上、別の実施形態では0.25重量%以上、別の実施形態では0.35重量%以上、別の実施形態では0.5重量%以上、別の実施形態では0.6重量%以上、別の実施形態では0.8重量%以上である。
当該乳化剤は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では10重量%以下、別の実施形態では8.4重量%以下、別の実施形態では6.5重量%以下、別の実施形態では5.8重量%以下、別の実施形態では4.5重量%以下、別の実施形態では3.2重量%以下、別の実施形態では2.1重量%以下である。
【0056】
一実施形態では、4未満または15を超えるHLBを有する別の乳化剤をさらにo/w型組成物に添加することができる。当該o/w型組成物は、別の実施態様では、14を超えるHLBを有する別の乳化剤をさらに含む。当該o/w型組成物は、別の実施形態では、3未満のHLBを有する別の乳化剤をさらに含む。
【0057】
(iv)増粘剤
増粘剤は、o/w型組成物の粘度を増加させる。任意の増粘剤が、当該o/w型組成物に適している。当該増粘剤は、o/w型組成物の所望の粘度を考慮して選択することができる。
【0058】
一実施態様では、当該増粘剤は水溶性である。
【0059】
当該増粘剤は、別の実施態様では、天然ポリマー、セルロースベースのポリマー、アルギン酸ベースのポリマー、ビニルポリマー、アクリルポリマー、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
当該天然ポリマーは、一実施態様では、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、カロブガム、カラヤゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、マルメロシード、藻類コロイド、デンプン、グリシルリジン酸、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、ヒアルロン酸、および、それらの組み合わせからなる群より選択される。
【0061】
当該セルロース系ポリマーは、一実施態様では、
メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硫酸ナトリウムセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース粉末、O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースおよびそれらの組み合わせの群から選択される。
【0062】
当該アルギン酸ベースポリマーは、一実施形態では、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0063】
当該ビニルポリマーは、一実施形態では、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、および、それらの組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
当該アクリルポリマーは、一実施形態では、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリレートナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリル酸およびアルキルメタアクリレートのコポリマー、ジメチルアクリルアミドおよびアクリロイルジメチルタウリン塩のクロスポリマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびビニルピロリドンのコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートとアクリロイルジメチルタウリン塩のコポリマー、アクリレートとアクリロイルジメチルタウリン塩のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびビニルピロリドン(VP)のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートとのクロスポリマー、および、これらの組み合わせ;別の実施態様では、ポリ(アクリル酸)、ジメチルアクリルアミドおよびアクリロイルジメチルタウリン塩のクロスポリマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびビニルピロリドンのコポリマー、ヒドロキシエチルアクリルレートおよびアクリロイルジメチルタウリン塩のコポリマー、アクリレートとアクリロイルジメチルタウリン塩のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびビニルピロリドン(VP)のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートとのクロスポリマー、および、これらの組み合わせ;別の実施態様では、ポリ(アクリル酸)、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびビニルピロリドン(VP)のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートのクロスポリマー、および、これらの組み合わせ、からなる群から選択される。当該アクリルポリマーは、別の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートのクロスポリマーである。
【0065】
当該増粘剤は、別の実施態様では、アクリルポリマーである。当該アクリルポリマーは、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびビニルピロリドン(VP)のコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートのクロスポリマー、および、、それらの組み合わせからなる群から選択される。アクリルポリマーは、別の実施形態ではアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとメタクリル酸ベヘネス-25とのクロスポリマーである。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムおよびベヘネス-25メタクリレートのクロスポリマーは、例えばクラリアント社のAristoflex(登録商標)BLVなど市場製品として入手可能である。
【0066】
当該増粘剤は、一実施形態では、0.05~3重量部である。当該増粘剤は、別の実施態様では0.05重量部以上、別の実施形態では0.1重量部以上、別の実施形態では0.15重量部以上、別の実施形態では0.25重量部以上である。当該増粘剤は、別の実施態様では2.8重量部以下、別の実施形態では2.4重量部以下、別の実施形態では1.9重量部以下、別の実施形態では1.4重量部以下、別の実施形態では0.9重量部以下、別の実施形態では0.6重量部以下、別の実施形態では0.5重量部以下である。
【0067】
当該増粘剤は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では0.04重量%以上、別の実施形態では0.1重量%以上、別の実施形態では0.18重量%以上、別の実施形態では0.25重量%以上である。当該増粘剤は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では5重量%以下、別の実施形態では4.1重量%以下、別の実施形態では3.5重量%以下、別の実施形態では2.8重量%以下、別の実施形態では1.9重量%以下、別の実施形態では1.5重量%以下、別の実施形態では1.0重量%以下、別の実施形態では0.7重量%以下である
【0068】
(v)添加剤
当該o/w型組成物は、保存剤、香料、着色剤、保湿剤、皮膚軟化剤、美白剤、老化防止剤、または光沢剤などの添加剤を含んでもよい。
【0069】
当該添加剤は、一実施形態では0.05重量部以上、別の実施形態では0.1重量部以上、別の実施形態では0.25重量部以上、別の実施形態では0.3重量部以上、別の実施形態では0.45重量部以上、別の実施形態では0.5重量部以上である。当該添加剤は、一実施形態では5重量部以下、別の実施形態では4.1重量部以下、別の実施形態では3.5重量部以下、別の実施形態では2.6重量部以下、別の実施形態では1.9重量部以下、別の実施形態では1.5重量部以下、別の実施形態では1.0重量部以下である。
【0070】
当該添加剤は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では0.01重量%以上、別の実施形態では0.26重量%以上、別の実施形態では0.5重量%以上、別の実施形態では1.0重量%以上、別の実施形態では2.2重量%以上である。当該添加材は、o/w型組成物の重量に基づいて、一実施形態では5重量%以下、別の実施形態では4.4重量%以下、別の実施形態では3.8重量%以下、別の実施形態では2.9重量%以下、別の実施形態では2.0重量%以下、別の実施形態では1.7重量%以下、別の実施形態では1.2重量%以下である。
【0071】
O/W型組成物
当o/w型組成物は、0.1mm以上の直径を有する油滴を含む。当該油滴の直径は、別の実施形態では0.2mm以上、別の実施形態では0.3mm以上、別の実施形態では0.5mm以上、別の実施形態では0.7mm以上、別の実施形態では0.8mm以上とすることができる。当該o/w型組成物は、油滴を含み、当該油滴の直径は、別の実施形態では3.0mm以下、別の実施形態では2.5mm以下、別の実施形態では2.1mm以下、別の実施形態では1.8mm以下、別の実施形態では1.6mm以下、別の実施形態では1.2mm以下である。当該油滴の直径は、定規を用いて視覚的に測定することができる。ルーペまたは光学顕微鏡が利用可能である。当該油滴の直径は、ランダムに選択された100個の油滴の平均値をもって決定することができる。
【0072】
当該o/w型組成物の粘度に制限はない。当該o/w型組成物の25℃における粘度は、一実施形態では、少なくとも水の粘度よりも高い。当該o/w型組成物の25℃における粘度は、一実施形態では1mPa・s以上、別の実施形態では100mPa・s以上、別の実施形態では200mPa・s以上、別の実施形態では400mPa・s以上、別の実施形態では600mPa・s以上、別の実施形態では1Pa・s以上、別の実施形態では2.5Pa・s以上、別の実施形態では3.8Pa・s以上、別の実施形態では4.5Pa・s以上、別の実施形態では5.2Pa・s以上、別の実施形態では7Pa・s以上である。当該o/w型組成物の25℃における粘度は、一実施形態では10Pa・s以下、別の実施形態では9.2Pa・s以下、別の実施形態では9.0Pa・s以下、別の実施形態では7.0Pa・s以下、別の実施形態では5.0Pa・s以下、別の実施形態では4.2Pa・s以下、別の実施形態では3.3Pa・s以下、別の実施形態では2.3Pa・s以下、別の実施形態では1500mPa・s以下、別の実施形態では900mPa・s以下である。
【0073】
粘度は、スピンドル#03を有するデジタル粘度計(BROOKFIELD-DVE、モデルRV)を用いて12rpm、約25℃で5分間測定する。
【0074】
当該o/w型組成物のpHに制限はない。当該o/w型組成物のpHは、一実施形態では5以上、別の実施形態では6以上である。当該o/w型組成物のpHは、一実施形態では8以下であり、別の実施形態では7以下である。当該o/w型組成物の色に制限はない。水相の色は一実施形態において着色剤が添加されない限り、白色または透明である。
油滴の色は一実施形態において着色剤が添加されない限り、白色または透明である。当該粘度、pHおよび色は、当該o/w型組成物の使用方法に応じて調節することができる。
【0075】
当該o/w型組成物は、一実施形態において、医療製品または化粧品に使用することができる。一実施形態において、医療製品または化粧品は、上記o/w型組成物を含む。当該化粧品は、一実施態様では、スキンケア製品またはヘアケア製品である。別の実施形態では、当該医療製品は、抗炎症薬および育毛剤からなる群から選択される。当該化粧品は、別の実施形態では、スキンローション、保湿剤、およびヘアローションからなる群から選択される。
【0076】
o/w型組成物の製造方法
o/w型組成物の製造方法は、100重量部の水、0.1~10重量部の乳化剤、および、0.01~3重量部の増粘剤を混合して水溶液を調製する工程、0.05~3重量部の油を調製する工程、および、当該水溶液および当該油を混合して当該水溶液中に当該油を分散させる工程を含む。
【0077】
当該水溶液は、一実施形態では、ウォーターバス中で水、乳化剤、および増粘剤を混合することによって調製される。当該ウォーターバスの温度は、一実施形態では30~90℃、別の実施形態では35~78℃、別の実施形態では42~69℃、別の実施形態では53~65℃である。一実施形態では、水および乳化剤を混合し、次に増粘剤を水と乳化剤の混合物に添加する。o/w型組成物は、一実施形態では、ウォーターバス中で当該水溶液と当該油を混合することによって得られる。一実施形態では、ブレード付のミキサーを使用して、当該油および当該水溶液を混合することができる。当該ミキサーブレードの回転は、一実施形態では100~800rpm、別の実施形態では250~710rpm、別の実施形態では340~630rpm、別の実施形態では420~580rpmである。混合時間は、一実施形態では1~30分、別の実施形態では2.5~18分、別の実施形態では3.5~10分である。一実施形態では、o/w型組成物を室温まで冷却した後、添加剤を加えることができる。
【実施例0078】
実施例1、2、比較例1、2
o/w型組成物は、以下の成分を用いて調製した。当該成分は、INCI(International Nomenclature for Cosmetic Ingredients Name)で表される。
(i)水:イオン交換水
(ii)油
-ラウリル/ミリスチルポリリシノレイン酸(Genadvance(登録商標)Hydra、クラリアント社)
-ステアリルジメチコン(SilCare(登録商標)Silicone 41M65、クラリアント社)
-クオタニウム-98(Genadvance(登録商標)Repair、クラリアント社):エトキシ化ラウリルプロピレンジアミンをラウリン酸と反応させ、次いで硫酸ジメチルで4級化することによって得られる複合アンモニウム塩。
-水素化オリーブ油エチルヘキシルおよび水素化オリーブ油不鹸化物(Plantasens(登録商標)Olive LD、クラリアント社):水素化オリーブ油エチルヘキシルおよび水素化オリーブ油不鹸化物の混合物。
(iii)乳化剤
-トリラウレス-4リン酸(HLB14、Hostaphat(登録商標)KL 340D、クラリアント社)
(iv)増粘剤
-アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス-25メタクリレートクロスポリマー(Aristoflex(登録商標)BLV、クラリアント社)
(v)添加剤
-カプリロイル/カプロイルアンヒドロメチルグルカミド(Velsan(登録商標)フレックス、クラリアント社)
-フェノキシエタノール
【0079】
水と乳化剤を撹拌棒で60℃のウォーターバス中で混合し、次いで増粘剤を加えて乳化剤と増粘剤が水に溶解するまでさらに混合した。ウォーターバス中の当該水溶液に油を添加してから、3枚のブレード付ミキサー(トルネードスタンダードSM-102、アズワン社)を用いて混合した。混合は、当該混合物中へ気泡が入らないようにしつつ油を水溶液中に分散させるため、約500rpmで約5分間と穏やかに行った。当該混合物を室温(約25℃)まで冷却させて、o/w型組成物は、混合物を得た。次いで、上記添加剤を当該混合物に添加し、500rpmで5分間混合した。得られたo/w型組成物の粘度は25℃で550~8900mPa・sであった。各実施例におけるo/w型組成物の成分およびその量を表1に示す。
【0080】
油滴測定
上記のとおり製造されたo/w型組成物を1ヶ月静置させた後、当該o/w型組成物中に分散している油滴のサイズを測定した。5mlのo/w型組成物を、
図1(a)に示すように、平らな黒板上に広げた透明なフィルム上に注いだ。油滴の直径は、ランダムに選択された100個の油滴について、定規を用いて視覚的に測定し、平均を採った。
【0081】
結果
実施例1のo/w型組成物の上面を
図1(a)に、側面を
図1(b)に示し、実施例2は上面を
図2(a)に、側面を
図2(b)に示す。
【0082】
油滴の直径は、o/w型組成物が、実施例1のようにラウリル/ミリスチルポリリシノレイン酸を含む場合、および、実施例2のようにステアリルジメチコンを含む場合、それぞれ1.0mmおよび0.3mmであった。油滴の直径は、o/w型組成物が、比較例1および2のようにクオタニウム-98または水素化オリーブ油エチルヘキシルおよび水素化オリーブ油不鹸化物の油を含むとき、とても小さかった。比較例1のo/w型組成物は、上面を
図3(a)に、側面を
図3(b)に示すとおり、油滴は測定できないほど小さかった。
【0083】
【0084】
実施例3、比較例3
次に、乳化剤について検討した。当該o/w型組成物を、表2に示すように乳化剤を以下のいずれか1つで置き換えたこと以外は、実施例1と同様に調製した。
(iii)乳化剤
-ステアリン酸グリセリル(60重量%のステアリン酸グリセリル、HLB8、Plantasens(登録商標)Emulsifier HP30、クラリアント社)
-セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB5、Plantasens(登録商標)Emulsifier DGI、クラリアント社)
-PPG-5-セテス-20(HLB16、SensotainTM EP6205、クラリアント社)
【0085】
上記のとおり測定した油滴の直径を表2に示す。o/w型組成物が、実施例3のようにステアリン酸グリセリルの乳化剤を含む場合、油滴直径は1.0mm、0.3mmおよび0.4mmであった。o/w型組成物が、比較例3のようにPPG-5-セテス-20を含む場合、油滴直径は小さすぎて測定不可能であった。
【0086】
【0087】
実施例4、5、6、比較例4
次に、乳化剤、油及び増粘剤の量を検討した。表3に示すように乳化剤、油又は増粘剤の量を変えた以外は、実施例1と同様にしてo/w型組成物を調製した。油滴直径について上記方法で測定した結果を表3に示す。実施例4~6では、油滴直径は1.0mmであった。比較例4の増粘剤を含まない場合は、油滴が小さすぎて直径を測定できなった。
【0088】