IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公益財団法人鉄道総合技術研究所の特許一覧

<>
  • 特開-車内放送装置 図1
  • 特開-車内放送装置 図2
  • 特開-車内放送装置 図3
  • 特開-車内放送装置 図4
  • 特開-車内放送装置 図5
  • 特開-車内放送装置 図6
  • 特開-車内放送装置 図7
  • 特開-車内放送装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090821
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】車内放送装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20220613BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220613BHJP
   H04R 27/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B61L25/02 Z
G08G1/005
H04R27/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203365
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】菊地 史倫
【テーマコード(参考)】
5H161
5H181
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161GG04
5H161GG11
5H161GG22
5H161GG24
5H181AA16
5H181BB04
5H181BB17
5H181FF04
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる車内放送装置を提供することにある。
【解決手段】この発明は、車両内の利用客に案内情報を音声で放送する車内放送装置1であって、放送が一定時間内に無い場合に、乗務員に放送を促す情報を報知する、報知部17を備える。この結果、この発明は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。すなわち、この発明は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の利用客に案内情報を音声で放送する車内放送装置であって、
放送が一定時間内に無い場合に、乗務員に放送を促す情報を報知する、報知部を備える、
ことを特徴とする車内放送装置。
【請求項2】
前記報知部の報知作動後放送が一定時間内に無い場合に、または、放送が一定時間内に無い場合に、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する、録音再放送部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の車内放送装置。
【請求項3】
車両の運行状況が正常時か異常時かを判断する車両運行状況判断部と、
最後の放送から一定時間内に放送が実行されたか否かを判断する放送判断部と、
正常時の案内情報と異常時の案内情報を予め記憶されている音声データで自動的に放送する自動放送部と、
乗務員により、正常時の案内情報と異常時の案内情報を乗務員の肉声でマイクを介して放送するマイク放送部と、
前記自動放送部が放送した案内情報および前記マイク放送部が放送した案内情報を録音し、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する前記録音再放送部と、
乗務員に放送を促す情報を報知する前記報知部と、
前記自動放送部の放送後の時間または前記マイク放送部の放送後の時間と、前記報知部の作動後の時間とを記録する時間記録部と、
前記車両運行状況判断部、前記放送判断部、前記自動放送部、前記マイク放送部、前記録音再放送部、前記報知部および前記時間記録部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記車両運行状況判断部が、車両の運行状況が正常時であると判断した時において、
少なくとも、前記自動放送部が、正常時の案内情報を放送し、
前記放送判断部が、前記時間記録部が記録した少なくとも前記自動放送部の放送後の時間に基づいて、最後の放送から一定時間内に放送が無かったと判断すると、
前記報知部を作動させて、前記報知部が放送を促す情報を乗務員に報知し、
さらに、
前記放送判断部が、前記時間記録部が記録した前記報知部の作動後の時間に基づいて、前記報知部の作動後から一定時間内に放送が無かったと判断すると、
前記録音再放送部を作動させて、前記録音再放送部が録音した正常時の案内情報のうち最新の正常時の案内情報を再放送する、
制御を行い、
前記車両運行状況判断部が、車両の運行状況を異常時であると判断した時において、
前記自動放送部が、異常時の案内情報を放送し、
前記マイク放送部が、乗務員により、異常時の案内情報を放送し、
前記放送判断部が、前記時間記録部が記録した前記自動放送部の放送後の時間または前記マイク放送部の放送後の時間に基づいて、最後の放送から一定時間内に放送が無かったと判断すると、
前記録音再放送部を作動させて、前記録音再放送部が録音した異常時の案内情報のうち最新の異常時の案内情報を再放送する、
制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の車内放送装置。
【請求項4】
前記録音再放送部は、
録音されている案内情報を編集する編集部を備え、
前記編集部において編集された案内情報を最新の案内情報として再放送する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の車内放送装置。
【請求項5】
前記録音再放送部が最新の案内情報を再放送する一定時間は、前記録音再放送部が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなる、
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の車内放送装置。
【請求項6】
前記録音再放送部が最新の案内情報を再放送する一定時間は、
再放送される案内情報が同じである場合、前記録音再放送部が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなり、
再放送される案内情報に前記編集部により編集された新しい情報が入っている場合、リセットされる、
ことを特徴とする請求項4に記載の車内放送装置。
【請求項7】
前記報知部は、乗務員に放送を促す情報を視覚情報で表示する視覚情報表示端末、または、乗務員に放送を促す情報を聴覚情報で発信する聴覚情報発信端末の少なくともいずれか1つから構成されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車内放送装置。
【請求項8】
前記報知部は、ウエアラブル端末から構成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の車内放送装置。
【請求項9】
前記報知部には、乗務員に放送を促す情報を触覚情報で発信する触覚情報発信端末が加えられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の車内放送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車内放送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車内放送装置は、車両(列車、電車、バスなどの乗り合い車両)内の利用客に案内情報を音声で放送する。車内放送装置としては、たとえば、下記の特許文献1がある。
【0003】
特許文献1の案内放送装置は、マイク放送と自動放送とを切り換える装置である。この結果、特許文献1の案内放送装置は、GPS信号が取得できない地下・トンネル区間や、駅ホームなどでも、手動操作によるマイク放送が可能となり、乗客への案内サービスを万全にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-91082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の案内放送装置は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援する対策が設けられていない。この結果、特許文献1の案内放送装置では、案内情報の放送が一定時間毎に放送されない場合があり、この場合においては、乗客への案内サービスが低下する。
【0006】
かかる車内放送装置(案内放送装置)においては、乗客へのサービスと、乗客に不安を与えないために、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することが重要である。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる車内放送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車内放送装置は、車両内の利用客に案内情報を音声で放送する車内放送装置であって、放送が一定時間内に無い場合に、乗務員に放送を促す情報を報知する、報知部を備える、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の車内放送装置において、報知部の報知作動後放送が一定時間内に無い場合に、または、放送が一定時間内に無い場合に、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する、録音再放送部を備える、ことが好ましい。
【0010】
この発明の車内放送装置において、車両の運行状況が正常時か異常時かを判断する車両運行状況判断部と、最後の放送から一定時間内に放送が実行されたか否かを判断する放送判断部と、正常時の案内情報と異常時の案内情報を予め記憶されている音声データで自動的に放送する自動放送部と、乗務員により、正常時の案内情報と異常時の案内情報を乗務員の肉声でマイクを介して放送するマイク放送部と、自動放送部が放送した案内情報およびマイク放送部が放送した案内情報を録音し、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する前記録音再放送部と、乗務員に放送を促す情報を報知する報知部と、自動放送部の放送後の時間またはマイク放送部の放送後の時間と、報知部の作動後の時間とを記録する時間記録部と、車両運行状況判断部、放送判断部、自動放送部、マイク放送部、録音再放送部、報知部および時間記録部を制御する制御部と、を備え、制御部が、車両運行状況判断部が、車両の運行状況が正常時であると判断した時において、少なくとも、自動放送部が、正常時の案内情報を放送し、放送判断部が、時間記録部が記録した少なくとも自動放送部の放送後の時間に基づいて、最後の放送から一定時間内に放送が無かったと判断すると、報知部を作動させて、報知部が放送を促す情報を乗務員に報知し、さらに、放送判断部が、時間記録部が記録した報知部の作動後の時間に基づいて、報知部の作動後から一定時間内に放送が無かったと判断すると、録音再放送部を作動させて、録音再放送部が録音した正常時の案内情報のうち最新の正常時の案内情報を再放送する、制御を行い、車両運行状況判断部が、車両の運行状況を異常時であると判断した時において、自動放送部が、異常時の案内情報を放送し、マイク放送部が、乗務員により、異常時の案内情報を放送し、放送判断部が、時間記録部が記録した自動放送部の放送後の時間またはマイク放送部の放送後の時間に基づいて、最後の放送から一定時間内に放送が無かったと判断すると、録音再放送部を作動させて、録音再放送部が録音した異常時の案内情報のうち最新の異常時の案内情報を再放送する、制御を行う、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車内放送装置において、録音再放送部が、録音されている案内情報を編集する編集部を備え、編集部において編集された案内情報を最新の案内情報として再放送する、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車内放送装置において、録音再放送部が最新の案内情報を再放送する一定時間が、録音再放送部が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなる、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車内放送装置において、録音再放送部が最新の案内情報を再放送する一定時間が、再放送される案内情報が同じである場合、録音再放送部が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなり、再放送される案内情報に編集部により編集された新しい情報が入っている場合、リセットされる、ことが好ましい。
【0014】
この発明の車内放送装置において、報知部が、乗務員に放送を促す情報を視覚情報で表示する視覚情報表示端末、または、乗務員に放送を促す情報を聴覚情報で発信する聴覚情報発信端末の少なくともいずれか1つから構成されている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の車内放送装置において、報知部が、ウエアラブル端末から構成されている、ことが好ましい。
【0016】
この発明の車内放送装置において、報知部には、乗務員に放送を促す情報を触覚情報で発信する触覚情報発信端末が加えられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
この発明の車内放送装置は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、この発明にかかる車内放送装置の実施形態を示すブロック図(構成を説明するブロック図)である。
図2図2は、録音再放送部を示すブロック図(録音再放送部の構成を説明するブロック図)である。
図3図3は、報知部を示すブロック図(報知部の構成を説明するブロック図)である。
図4図4は、車内放送装置の放送工程および放送録音工程を示すフロー図である。
図5図5は、車内放送装置の放送支援工程を示すフロー図である。
図6図6は、車内案内装置により時刻毎に放送される案内情報の例文を示す説明図である。
図7図7は、車内案内装置により時刻毎に放送される案内情報の例文を示す説明図である。
図8図8は、再放送のタイミングを変更させる場合の異常時の再放送間隔設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかる車内放送装置の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態において、車両は、列車として説明する。
【0020】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車内放送装置1の構成について説明する。この実施形態にかかる車内放送装置1は、車両内の、乗務員(車掌、運転手など)が乗務している場所に設置されている。車内放送装置1は、例えば車両内に設けられた各種機器から入力される列車運行状況情報2に基づいて、スピーカ3を介して車両内放送を行う装置である。列車運行状況情報2は、運転操作記録(ブレーキ操作、走行速度など)の情報、GPS情報(位置情報)および防護無線情報などの情報である。
【0021】
車内放送装置1は、図1に示すように、制御部10と、列車運行状況判断部11と、放送判断部12と、自動放送部13と、マイク放送部14と、録音再放送部15と、時間記録部16と、報知部17と、を有する。
【0022】
制御部10は、車内放送装置1に入力される列車運行状況情報2に基づいて列車運行状況判断部11~報知部17を制御し、自動放送処理を実行させる。
【0023】
列車運行状況判断部11は、制御部10から供給された列車運行状況情報2に基づいて、車両の運行状況が正常時か異常時かを判断する。
【0024】
放送判断部12は、最後の案内情報の放送から一定時間内に案内情報の放送がされたか否かを判断する。一定時間は、時間記録部16が記録する時間に基づいている。
【0025】
自動放送部13は、正常時の案内情報と異常時の案内情報を予め記憶されている音声データで自動的に放送する。自動放送部13は、列車運行状況情報2などに基づいて、案内情報を自動的に放送する。案内情報は、スピーカ3を介して車両内の利用客に放送される。
【0026】
マイク放送部14には、マイク141が接続されており、マイク141から入力された、例えば乗務員の音声を、スピーカ3を介して出力する。マイク放送部14は、乗務員(車掌、運転手など)がマイク141を介して正常時の案内情報と異常時の案内情報を乗務員の肉声で放送する。乗務員の肉声による案内情報は、スピーカ3を介して車両内の利用客に放送される。
【0027】
録音再放送部15は、自動放送部13が放送した案内情報およびマイク放送部14が放送した案内情報を録音(記録)し、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する。録音再放送部15は、放送が一定時間内に無い場合に、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する。一定時間は、時間記録部16が記録する時間に基づいている。録音再放送部15は、案内情報の内容をテキスト形式で録音する。
【0028】
録音再放送部15は、図2に示すように、編集部151を備える。編集部151は、録音された案内情報の内容を編集する。編集部151が案内情報の内容を編集するにあたっては、AIなどで分析して、複数の案内情報(直近に放送した案内情報と前に放送した案内情報など)のうち、重ならない情報を抽出して編集する。編集部151は、異常時において放送された案内情報の内容を編集するのに適している。録音再放送部15は、編集部151において編集された案内情報を最新の案内情報として再放送する。なお、編集部151により編集された編集例については、後記する(後程説明する)。
【0029】
時間記録部16は、自動放送部13の放送後の時間またはマイク放送部14の放送後の時間と、後記の報知部17の作動後の時間とを記録する。時間記録部16が記録する時間に基づいて、録音再放送部15の作動および後記の報知部17の作動が開始させる。
【0030】
報知部17は、放送が一定時間内に無い場合に、乗務員に放送を促す情報を報知する。報知部17は、図3に示すように、視覚情報表示端末171と、聴覚情報発信端末172と、触覚情報発信端末173と、から構成されている。
【0031】
報知部17は、たとえば、腕時計タイプのウエアラブル端末から構成されている。ウエアラブル端末から構成されている報知部17は、車内放送装置1の制御部10、列車運行状況判断部11、放送判断部12、自動放送部13、マイク放送部14、録音再放送部15および時間記録部16と、別個に構成されている(図1中の破線矢印を参照)。
【0032】
視覚情報表示端末171は、乗務員に放送を促す情報を視覚情報(文字など)で表示する。聴覚情報発信端末172は、乗務員に放送を促す情報を聴覚情報(音など)で発信する。触覚情報発信端末173は、乗務員に放送を促す情報を触覚情報(振動など)で発信する。視覚情報および聴覚情報としては、たとえば、「前回の案内放送から○分経過しています。案内放送を実施してください」などの情報である。
【0033】
報知部17は、ウエアラブル端末でなくても良い。報知部17がウエアラブル端末でない場合において、報知部17は、乗務員が案内情報を放送する場所に設置される。また、この場合において、報知部17は、触覚情報発信端末173を設ける必要が無い。しかも、報知部17は、視覚情報表示端末171または聴覚情報発信端末172のうち少なくともいずれか1つを設ければ良い。
【0034】
(車内放送装置1の作用の説明)
この実施形態にかかる車内放送装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について、図4および図5を参照して説明する。
【0035】
(放送工程および放送録音工程の説明)
まずは、図4のフロー図に示す車内放送装置1の放送工程および放送録音工程について説明する。ステップS1において、制御部10は、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が開始されることを検知すると、ステップS2において、放送工程が実行される。具体的には、マイク放送部14は、マイク141を介して、例えば乗務員の音声が入力された場合、その音声を、スピーカ3を介して出力する。
【0036】
例えば、車両の運行状況が正常時においては、乗務員がマイク141に対して発した、駅名や「カーブを走行しますから、揺れにご注意ください」などの注意喚起、沿線のお知らせなどの正常時の情報が放送される。
【0037】
車両の運行状況が異常時においては、状況に応じて以下のような異常時の案内情報がマイク141を介して放送される。
【0038】
たとえば、人身事故が発生した場合、運転士は、事故処理の対応を行い、車掌は、運転士と打ち合わせ後、指令に連絡し、その後、旅客に以下のような案内放送を実施し、また、適宜事故処理の対応を行う。
1.作動後停車する場合
「緊急停車します。ご注意ください」「緊急停車します。つり革や手すりにおつかまりください」
2.原因調査中
「ただいま列車の緊急に停止させるための無線が使用されたため、停車しております。原因がわかりしだい、放送でお知らせいたします。発車までしばらくお待ちください」
3.原因判明
「お客さまにお知らせいたします。先ほど○○駅で人身事故が発生いたしました。そのため、〇〇線の上下線は運転を見合わせています。お客さまには列車が遅れましてまことに申し訳ございません。新しい情報が入りしだい放送でご案内いたします。」
4.運転再開見込み情報
「○時○分に○○駅で発生した人身事故のため、○○線の上下線は運転を見合わせています。運転再開は○時○分頃を予定しています。なお、作業の状況により運転再開見込み時刻は前後することがございます。あらかじめご了承ください。新しい情報が入りしだい放送でご案内いたします。」
5.復旧作業中
A「○時〇分に○○駅で発生した人身事故のため、○○線の上下線は運転を見合わせています。現在、救助活動を行っております。運転再開は○時○分頃を予定しています。なお、作業の状況により運転再開見込み時刻は前後することがございます。お客さまにはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」
B「お客さまに救助活動についてお知らせいたします。現在、レスキュー隊による負傷者の救助活動を行っています。運転再開は○時○分頃を予定しています。なお、作業の状況により運転再開見込み時刻は前後することがございます。お客さまにはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」
C「お客さまに救助活動についてお知らせいたします。現地からの情報によりますと、救助活動は終了し、警察による現場検証を行っています。運転再開は○時○分頃を予定しています。なお、作業の状況により運転再開見込み時刻は前後することがございます。お客さまにはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」
D「お客さまに現在の状況をお知らせいたします。現地からの情報によりますと、警察による現場検証は終了し、最終的な安全確認を行っております。運転再開は○時○分頃を予定しています。なお、作業の状況により運転再開見込み時刻は前後することがございます。お客さまにはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」
6.運転再開
「○時〇分に○○駅で発生した人身事故のため、○○線の上下線は運転を見合わせておりましたが、○時〇分に運転を再開いたしました。前の列車から順番に運転再開となるため、当列車が運転を再開するまでもう少々時間がかかる見込みです。お急ぎのところ、お客さまにはご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」
【0039】
また自動放送部13は、列車運行状況情報2などに基づいて、正常時の案内情報や異常時の案内情報を自動的に放送する処理を開始する。自動放送部13が放送する正常時や案内情報や異常情報は、上述した乗務員の肉声による案内情報に順じたものである。
【0040】
ステップS3において、録音再放送部15は、自動放送部13が放送した案内情報およびマイク放送部14が放送した案内情報を録音(記録)する工程を開始する。ステップS4において、制御部10は、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が終了すると判断するまで待機し、列車の運行が終了と判断した場合、放送工程および放送録音工程車内放送装置1の放送工程および放送録音工程が終了する。
【0041】
(放送支援工程の説明)
つぎは、図5のフロー図に示す車内放送装置1の放送支援工程について説明する。ステップS11において、制御部10は、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が開始されることを検知すると、ステップS12において、車両運行状況判断部11は、列車運行状況情報2に基づいて、車両の運行状況が正常時か異常時かを判断する。
【0042】
車両運行状況判断部11が、車両の運行状況が正常時であると判断すると、ステップSS13において、車両の運行状況が平常時の放送が一定時間内に実行されているか否かが判断される。具体的には、放送判断部12は、時間記録部16に記録された直近の放送後の時間が所定の時間を超えているか否かを判断する。
【0043】
放送判断部12が、時間記録部16に記録された直近の放送後の時間が所定の時間を超えていない場合、すなわち車両の運行状況が平常時の放送が一定時間内に放送されている場合、ステップS12に戻る。一方、放送判断部12が、直近の放送後の時間が所定の時間を超えていると判断した場合、すなわち車両の運行状況が平常時の放送が一定時間内に実行されなかった場合、ステップS14において、報知部17は、報知処理を実行する。具体的には、報知部17の視覚情報表示端末171が、乗務員に放送を促す情報を視覚情報(文字など)で表示する。また、報知部17の聴覚情報発信端末172が、乗務員に放送を促す情報を聴覚情報(音など)で発信する。さらに、触覚情報発信端末173が、乗務員に放送を促す情報を触覚情報(振動など)で発信する。
【0044】
次に、ステップS15において、放送判断部12は、時間記録部16が記録した報知部17の作動後の時間に基づいて、報知部17が作動してから、車両の運行状況が平常時の放送が一定時間内に実行されているか否かを、判断する。
【0045】
報知部17が作動してから、平常時の放送が一定時間内に実行されていると判断した場合は、放送判断部12は、ステップS12に戻る。一方、報知部17が作動してから、平常時の放送が一定時間内に実行されていないと判断した場合、ステップS16において、録音再放送部15は、録音した直近の放送内容を再放送する。車両の運行状況が平常時のタイミングにおいては、図4の処理において正常時の案内情報が放送され、それが記録されているので、ここでは録音再放送部15が再放送する内容は、正常時の案内情報である。
【0046】
ステップS13~ステップS16の処理(以下、適宜、正常時の再放送処理、と称する)は、正常時の案内情報の放送が途切れることにより乗客が不安を感じさせないためのものである。ステップS13およびステップS15での「一定時間」は、正常時の案内情報の放送が途切れることになり乗客が不安にならない時間である。またステップS13~ステップS16の処理が繰り返し実行される場合は、すなわちある事情の情報が繰り返し放送される場合には、放送間隔は、時間経過に伴って長くなる。
【0047】
次に、ステップS17において、制御部10は、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が終了したか否かを判断し、終了していないと判断した場合、ステップS12に戻り、それ以降の処理が実行される。列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が終了したと判断されると、車内放送装置1の放送支援工程が終了する。
【0048】
ステップS12において、車両運行状況判断部11が、車両の運行状況が異常時であると判断した場合、ステップS18において、車両の運行状況が異常時の放送が一定時間内に実行されているか否かが判断される。具体的には、放送判断部12は、時間記録部16に記録された直近の放送後の時間が所定の時間を超えているか否かを判断する。
【0049】
放送判断部12が、時間記録部16に記録された直近の放送後の時間が所定の時間を超えていない場合、すなわち異常時の放送が一定時間内に放送されている場合、ステップS12に戻る。一方、放送判断部12が、直近の放送後の時間が所定の時間を超えていると判断した場合、すなわち車両の運行状況が異常時の放送が一定時間内に実行されなかった場合、ステップS19において、録音再放送部15は、録音した直近の放送内容を再放送する。車両の運行状況が異常時のタイミングにおいては、図4の処理において異常時の案内情報が放送され、それが記録されているので、ここでは録音再放送部15が再放送する内容は、異常時の案内情報である。
【0050】
ステップS18およびステップS19の処理(以下、適宜、異常時の再放送処理、と称する)は、異常時の案内情報の放送が途切れることにより乗客が不安を感じさせないためのものある。ステップS18での「一定時間」は、異常常時の案内情報の放送が途切れることになり乗客が不安にならない時間である。またステップS18およびステップS19の処理が繰り返し実行される場合は、すなわちある事情の情報が繰り返し放送される場合には、放送間隔は、時間経過に伴って長くなる。またステップS19において、録音再放送部15の編集部151が、複数の案内情報(直近に放送した案内情報と前に放送した案内情報など)を分析し、重ならない情報を抽出して編集し、それが放送されるようにすることもできる。
【0051】
次に、ステップS17において、制御部10は、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が終了していないと判断すると、ステップS12に戻り、列車運行状況情報2に基づいて列車の運行が終了したと判断すると、車内放送装置1の放送支援工程が終了する。
【0052】
このように、異常時の放送が一定時間内に実行されなかった場合は、正常時の放送が一定時間内に実行されなかった場合と比較して、ステップS14およびステップ15を省略してステップS19に進む。
【0053】
(録音再放送部15における異常時の案内放送の編集例の説明)
ステップS19において、録音再放送部15の編集部151が、複数の案内情報(直近に放送した案内情報と前に放送した案内情報など)を分析し、重ならない情報を抽出して編集し、それが放送されるようにすることもできる、旨記載したが、その具体例を説明する。ここでは復旧作業中の案内放送を例として説明する。
【0054】
異常時、たとえば、人身事故が発生した場合、運転士は、事故処理の対応を行い、車掌は、運転士と打ち合わせ後、指令に連絡し、その後、旅客に案内放送を実施し、また、適宜事故処理の対応を行う。
【0055】
たとえば、図6に示すように、時刻t1において、ステップS2で、「t1」の案内情報を乗務員がマイク141を介して放送した場合、録音再放送部15は「t1」の案内情報を録音する。その後、しばらく案内放送がなく、ステップS12で、車両の運行状況が正常時ではない(異常時である)と判定され、ステップS18を経由してステップS19に進んだ場合、時刻t2において、録音再放送部15は、録音された、「t1」の案内情報を再放送する。
【0056】
その後、時刻t3において、ステップS2で、「t3」の案内情報を乗務員がマイク141を介して放送した場合、録音再放送部15は「t3」の案内情報を記録する。その後、しばらく案内放送がなく、ステップS12で、車両の運行状況が正常時ではない(異常時である)と判定され、ステップS18を経由してステップS19に進んだ場合、録音再放送部15の編集部151は、録音再放送部15が録音した「t3」の案内情報を、「t4」の案内情報に編集し、時刻t4において、録音再放送部15はその内容を放送する。なお図6中の「t4」の案内情報中の太文字は、「t3」の案内情報に対して追加されたものであり、取り消し線が付された部分は、「t3」の案内情報から削除されたものである。後述する図7においても同様である。
【0057】
また例えば、図7に示すように、時刻t11において、ステップS2で、「t11」の案内情報を乗務員がマイク141を介して放送した場合、録音再放送部15は「t11」の案内情報を録音する。その後、しばらく案内放送がなく、ステップS12で、車両の運行状況が正常時ではない(異常時である)と判定され、ステップS18を経由してステップS19に進んだ場合、録音再放送部15の編集部151は、録音再放送部15が録音した「t11」の案内情報を、「t12」の案内情報に編集し、時刻t12において、録音再放送部15はその内容を放送する。
【0058】
その後、時刻t13において、ステップS2で、「t13」の案内情報を乗務員がマイク141を介して放送し、続けて時刻t14において、「t14」の案内情報を乗務員がマイク141を介して放送し、録音再放送部15は「t14」の案内情報を録音する。その後、しばらく案内放送がなく、ステップS12で、車両の運行状況が正常時ではない(異常時である)と判定され、ステップS18を経由してステップS19に進んだ場合、録音再放送部15の編集部151は、録音再放送部15が録音した「t14」の案内情報を、「t15」の案内情報に編集し、時刻t15において、録音再放送部15はその内容を放送する。
【0059】
(録音再放送部15における再放送のタイミングを変更する場合の説明)
図6および図7では、再放送される案内情報が編集される例を説明したが、再放送のタイミングを状況に応じて変更することができる。車内放送においてある事情の状況を繰り返し伝える場合、放送間隔は、時間経過に伴って長くすることがよいとされている。そのため、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間は、録音再放送部15が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなる。たとえば、列車の運行が停止してから約10分経過するまでにおいて、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間は、約3.8分が最適である。また、列車の運行が停止してから約30分経過するまでにおいて、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間は、約6.25分とする。
【0060】
また、この録音再放送部15が再放送する最新の案内情報に、編集部151により編集された新しい情報が、入っている場合、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間(繰り返しの間隔時間)は、リセットされて、所定の間隔時間(約3.8分)に戻る。
【0061】
図8は、再放送のタイミングを変更させる場合の異常時の再放送間隔設定処理を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS21において、録音再放送部15が作動を開始する。例えば、列車の運行が停止し、その案内放送がマイク141を介して放送され、録音再放送部15がそれを記録する。
【0063】
ステップS22において、時間記録部16は、録音再放送部15が最初に作動してからの経過時間(列車の運行が停止してからの経過時間)の計測を開始する。
【0064】
ステップS23において、録音再放送部15は、経過時間に基づいて設定されている放送間隔で、録音された案内情報を再放送する。前記の通り、録音再放送部15における再放送のタイミング(放送間隔)は、録音再放送部15が最初に作動してからの経過時間に基づいて設定されている。すなわち、再放送のタイミングは、経過時間が短い場合、放送間隔が短く設定されていて、経過時間が長い場合、放送間隔が長く設定されている。たとえば、列車の運行が停止してから約10分経過するまでにおいて、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間(繰り返しの間隔時間)は、約3.8分が最適である。また、列車の運行が停止してから約30分経過するまでにおいて、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間(繰り返しの間隔時間)は、約6.25分とする。
【0065】
ステップS24において、録音再放送部15が、編集部151により編集された新しい情報が入っている最新の案内情報を、再放送していない場合は、ステップS23に戻り、再放送している場合は、ステップS25に進む。
【0066】
ステップS25において、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間(繰り返しの間隔時間)が、リセットされて、初期の所定間隔時間(約3.8分)に戻る。
【0067】
ステップS26において、録音再放送部15が作動を終了していない場合は、ステップS23に戻り、終了している場合は、異常時の再放送間隔設定処理が終了する。
【0068】
この録音再放送部15は、最新の案内情報を再放送する繰り返しの間隔時間が、列車の運行が停止してから時間が経過する程、長くなるので、乗客の不安や不満を解消することができる。
【0069】
また、この録音再放送部15は、再放送する最新の案内情報に、編集部151により編集された新しい情報が、入ると、最新の案内情報を再放送する繰り返しの間隔時間がリセットされて初期の所定間隔時間(約3.8分)に戻る。このため、この録音再放送部15は、編集された新しい情報が入っている案内情報を短時間で再放送するので、乗客の不安や不満を解消することができる。
【0070】
なお、前記の例では、列車の運行が停止してから経過時間を計測するものである。しかしながら、この発明においては、列車の走行速度が通常の走行速度よりも遅い走行速度になった時点からの経過時間を計測しても良い。
【0071】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車内放送装置1は、以上のごとき構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0072】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、放送が一定時間内に無い場合に、乗務員に放送を促す情報を報知する、報知部17を備えるものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0073】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、報知部17の報知作動後放送が一定時間内に無い場合に、または、放送が一定時間内に無い場合に、録音されている案内情報のうち最新の案内情報を再放送する、録音再放送部15を備えるものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを確実に支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0074】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、放送が一定時間内に無い場合に、報知部17を作動させ、また、報知部17の報知作動後放送が一定時間内に無い場合に、または、放送が一定時間内に無い場合に、録音再放送部15を作動させるものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを確実に支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0075】
ここで、平常時において、乗務員は、案内放送の業務の他に、列車の定時運行のための業務や安全運行のための業務などのさまざまな業務を行っている。このため、平常時においても、前記の業務が輻輳した場合に、乗務員の肉声によるマイク放送の案内放送業務の優先度が低くなり、乗務員の肉声によるマイク放送の案内情報の提供が少なくなり、または、実施されないことがしばしばある。
【0076】
また、異常時において、乗務員は、指令などと状況のやりとりをしながら異常事象に対応する必要がある。この場合、乗務員は、乗客に対して、異常事象の内容や現在の状況、今後の見込みなどの案内情報を放送する必要がある。しかし、状況によっては、乗務員が異常事象に対応しなければならないことが多く、この場合において、車内放送装置1から離れて対応する必要がある。このため、異常時において、乗務員の肉声によるマイク放送の案内情報の提供が少なくなり、または、実施されないことがしばしばある。
【0077】
しかしながら、この実施形態にかかる車内放送装置1は、前記の場合であっても、録音再放送部15が作動してマイク放送の案内情報を再放送することができる。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0078】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、異常時の録音再放送部15が作動する工程において、平常時の報知部17の作動工程が省略されている。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、異常時において、報知部17の作動工程を省略した分、短い時間で、録音再放送部15を作動させることができるので、不安となった乗客が行う不測の行動を未然に防止することができる。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0079】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、録音再放送部15が録音されている案内情報を編集する編集部151を備えるものであるから、編集された案内情報を最新の案内情報として再放送することができる。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客が必要とする案内情報を編集して放送することができる。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0080】
この実施形態にかかる車内放送装置1において、録音再放送部15が最新の案内情報を再放送する一定時間は、録音再放送部15が最初に作動してからの時間が経過する程、長くなるものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客の心理に基づいて、録音再放送部15から最新の案内情報を再放送することができる。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0081】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、報知部17が、視覚情報表示端末171、または、聴覚情報発信端末172の少なくともいずれか1つから構成されているものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗務員に放送を促す情報を確実に報知することができ、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0082】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、報知部17がウエアラブル端末から構成されているものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、車内放送装置1が設置されている場所から乗務員が離れていても、報知部17が乗務員に放送を促す情報を報知することができる。このように、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0083】
この実施形態にかかる車内放送装置1は、ウエアラブル端末から構成されている報知部17に触覚情報発信端末を加えたものである。この結果、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗務員が、車内放送装置1が設置されている場所から離れていても、報知部17が乗務員に放送を促す情報を確実に報知することができる。このように、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることを支援することができる。すなわち、この実施形態にかかる車内放送装置1は、案内情報の放送が一定時間毎に放送されることが可能である。これにより、この実施形態にかかる車内放送装置1は、乗客へのサービスの向上を図ることができ、しかも、乗客に不安を与えることがない。
【0084】
(実施形態以外の例の説明)
なお、この発明の車内放送装置は、前記の実施形態により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0085】
1 車内放送装置
10 制御部
11 列車運行状況判断部
12 放送判断部
13 自動放送部
14 マイク放送部
141 マイク
15 録音再放送部
151 編集部
16 時間記録部
17 報知部
171 視覚情報表示端末
172 聴覚情報発信端末
173 触覚情報発信端末
2 列車運行状況情報
3 スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8