(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090844
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】面部材
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20220613BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20220613BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20220613BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20220613BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20220613BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220613BHJP
【FI】
F21V33/00 200
F21V3/00 530
F21V3/10 330
F21Y105:00
F21Y115:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203398
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000241016
【氏名又は名称】NSGインテリア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 国治
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA00
3K014AA01
3K014PB00
3K014PB04
(57)【要約】
【課題】本発明は、長期間に亘って使用しても装飾形成層の捲れが生じにくい面部材を提供する。
【解決手段】面状に広がりをもった本体基材の裏面に面光源が取り付けられ、点灯時に面光源から本体基材を透過して光を放射するものであり、本体基材は、支持基材上に装飾形成層と透明塗料層を有し、平面視したときに、透明領域と、装飾領域があり、装飾形成層は、支持基材上に部分的に積層されるものであって、装飾領域に形成されており、透明塗料層は、透明領域の支持基材上から装飾領域の装飾形成層上に跨って形成されている構成とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に広がりをもった本体基材の裏面に面光源が取り付けられ、点灯時に前記面光源から前記本体基材を透過して光を放射する面部材であって、
前記本体基材は、支持基材上に装飾形成層と透明塗料層を有し、平面視したときに、透明領域と、装飾領域があり、
前記装飾形成層は、前記支持基材上に部分的に積層されるものであって、前記装飾領域に形成されており、
前記透明塗料層は、前記透明領域の前記支持基材上から前記装飾領域の前記装飾形成層上に跨って形成されている、面部材。
【請求項2】
前記支持基材は、前記透明領域における表面粗さが、前記装飾領域における表面粗さに比べて粗く、
前記透明塗料層は、少なくとも前記透明領域の全域に形成されている、請求項1に記載の面部材。
【請求項3】
前記透明塗料層は、前記装飾領域の全域に形成されている、請求項1又は2に記載の面部材。
【請求項4】
前記装飾形成層は、前記支持基材に対して前記面光源側に設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面部材。
【請求項5】
前記面光源は、点灯時に光を出射可能な光出射領域を含む発光パネルを備え、
前記光出射領域の一部は、前記装飾領域と重なる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面部材。
【請求項6】
前記装飾形成層は、常時鏡面を形成する鏡面形成層であり、
前記面光源は、点灯時に光を出射可能な光出射領域を含む発光パネルを備え、
前記発光パネルは、消灯時に光出射領域が鏡面を構成するものであり、
前記発光パネルは、平面視したときに、前記光出射領域が前記透明領域と重なるように配されており、
前記透明領域と前記装飾領域は、消灯時に一つの鏡面を構成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の面部材。
【請求項7】
前記支持基材は、ガラス基板である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の面部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状光源を備えた面部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、近年、白熱灯や蛍光灯に代わる光源として、有機ELパネルに代表される面光源が注目され、多くの研究がなされている。
この面光源は、有機ELパネルの他、LEDを面状に並べたり、LED及び拡散板を組み合わせたりして作製されたLEDパネルなどの面発光パネルを備えるものである。
近年、面光源は、他の部材と組み合わせることで、光源としての機能だけではなく、他の付加機能が備わった製品が開発されている。
例えば、特許文献1では、光源としての機能と、鏡としての機能を両立した面発光パネル付き構造部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の面発光パネル付き構造部材は、金属光沢層が露出しているため、長期間に亘って使用すると、温度変化等により金属光沢層の収縮等が起こり、金属光沢層の端部から捲れ等が生じるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、長期間に亘って使用しても装飾形成層の捲れが生じにくい面部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した解決するための本発明の一つの様相は、面状に広がりをもった本体基材の裏面に面光源が取り付けられ、点灯時に前記面光源から前記本体基材を透過して光を放射する面部材であって、前記本体基材は、支持基材上に装飾形成層と透明塗料層を有し、平面視したときに、透明領域と、装飾領域があり、前記装飾形成層は、前記支持基材上に部分的に積層されるものであって、前記装飾領域に形成されており、前記透明塗料層は、前記透明領域の前記支持基材上から前記装飾領域の前記装飾形成層上に跨って形成されている、面部材である。
【0007】
本様相によれば、透明塗料層によって装飾形成層と支持基材との境界部分が覆われているため、長期間に亘って使用しても装飾形成層と支持基材との境界部分からの装飾形成層の捲れや剥がれが生じにくい。
【0008】
好ましい様相は、前記支持基材は、前記透明領域における表面粗さが、前記装飾領域における表面粗さに比べて粗く、前記透明塗料層は、少なくとも前記透明領域の全域に形成されていることである。
【0009】
好ましい様相は、前記透明塗料層は、前記装飾領域の全域に形成されていることである。
【0010】
好ましい様相は、前記装飾形成層は、前記支持基材に対して前記面光源側に設けられていることである。
【0011】
好ましい様相は、前記面光源は、点灯時に光を出射可能な光出射領域を含む発光パネルを備え、前記光出射領域の一部は、前記装飾領域と重なることである。
【0012】
好ましい様相は、前記装飾形成層は、常時鏡面を形成する鏡面形成層であり、前記面光源は、点灯時に光を出射可能な光出射領域を含む発光パネルを備え、前記発光パネルは、消灯時に光出射領域が鏡面を構成するものであり、前記発光パネルは、平面視したときに、前記光出射領域が前記透明領域と重なるように配されており、前記透明領域と前記装飾領域は、消灯時に一つの鏡面を構成することである。
【0013】
好ましい様相は、前記支持基材は、ガラス基板であることである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、長期間に亘って使用しても装飾形成層の捲れが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態の面部材の使用状況の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の面部材を裏面側からみた斜視図である。
【
図3】
図2の面部材の分解斜視図であり、装飾領域をドットで示している。
【
図7】
図3の発光パネルの説明図であり、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
【
図8】
図6の本体側ケースの一部破断斜視図である。
【
図10】
図5のフレーム部の一部破断斜視図である。
【
図11】
図3のカバー部を正面側からみた斜視図である。
【
図15】
図1の面部材の斜視図であり、(a)は消灯時を表し、(b)は点灯時を表す。
【
図16】本発明の第2実施形態の面部材の斜視図である。
【
図19】
図18のフレームカバー構造体を正面側からみた斜視図である。
【
図23】本発明の他の実施形態の面部材の斜視図であり、(a)は消灯時を表し、(b)は点灯時を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、上下左右前後においては、
図1の設置姿勢を基準とする。
【0017】
本発明の第1実施形態の面部材1は、
図1のように、主に天井や床面、壁等の固定構造物180に対して取り付けられ、建物の壁面を構成するものである。
以下の説明においては、固定構造物180の地面に対して直立した立壁に対して、縦姿勢で取り付けた場合について説明する。
面部材1は、
図2のように、本体基板2(本体基材)と、面光源3を備えており、本体基板2に対して固定部材5を介して面光源3を取り付けるものである。
面部材1は、
図15のように、消灯時に本体基板2の全面が鏡面となり、点灯時に面光源3から本体基板2を透過して本体基板2の表面から外部に光が放射されるものである。
【0018】
本体基板2は、
図3のように、面状に広がりをもち、面光源3よりも面積が大きい板状部材である。本実施形態の本体基板2は、縦方向Yに幅をもち横方向Xに延びる横長長方形状で高剛性の板体である。
ここでいう「高剛性」とは、例えば、本体基板2を一人で両手に挟んだ状態にてミリ単位で撓ませることが困難な程度に剛直であることをいう。
【0019】
本体基板2は、平面視したときに、点灯時に光を透過可能な透明領域10と、透明領域10の周囲を装飾する装飾領域11(鏡面領域)を備えている。
透明領域10は、
図3のように、横方向X及び縦方向Yの本体基板2の中央に設けられ、光を厚み方向に透過可能な透光性部分である。
ここでいう「透光性」とは、光を拡散せず、部材を通して反対側が透けて見える透明性を含む性質で、光を拡散し透けて見えないものの、光を透過する場合を含む性質である。
【0020】
透明領域10は、点灯時に、面光源3からの光を外部に放射する光放射領域を構成する領域でもある。
装飾領域11は、面部材1を装飾する領域であり、具体的には、常時鏡面を示す鏡面領域である。
装飾領域11は、透明領域10を囲繞するように設けられ、四角環状の領域である。
【0021】
本体基板2は、
図4のように、透明領域10では透明基材20上に透明塗料層22が直接積層された断面構造を有しており、装飾領域11では透明基材20上に装飾形成層21と透明塗料層22が積層された断面構造を有している。すなわち、本体基板2は、透明領域10を構成する部分では、装飾形成層21が実質的に存在しない。
ここでいう「実質的に存在しない」とは、完全に存在しない場合だけではなく、消灯時に目視で視認できない程度に微量に残っている状態も含む。
【0022】
本体基板2は、機械的研磨によって装飾形成層21の一部が除去されたものである。
本実施形態の本体基板2は、透明基材20の裏面の全面に鏡面形成材料を塗布して装飾形成層21を形成し、サンドブラストによって部分的に剥離する。そして、透明基材20の裏面の全面に透明塗料層22を形成することで形成されている。
すなわち、透明塗料層22は、少なくとも装飾形成層21を剥離した領域全域に亘って設けられており、装飾形成層21を剥離した領域と装飾形成層21が形成された領域の全ての境界線を超え、装飾形成層21上から透明基材20上に跨って設けられている。
また、透明基材20は、
図4の拡大図のように、透明領域10に属する部分が装飾領域11に属する部分に比べて表面粗さが粗い。
【0023】
透明基材20は、装飾形成層21及び透明塗料層22を支持する支持基材である。
透明基材20は、透明性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の耐熱性のある透明絶縁基板が使用できる。
本実施形態では、透明基材20としてガラス板を使用している。
透明基材20は、面状に広がりを有する板状体であり、本実施形態では、四角形状の板体である。
【0024】
装飾形成層21は、面部材1を鏡面に装飾する鏡面形成層である。
装飾形成層21は、鏡面を形成できるものであれば、特に限定されるものではなく、アルミニウムや銀、ステンレス鋼等の金属光沢をもった金属箔又は金属シート、金属薄膜等が使用できる。また、装飾形成層21は、窒化チタン等の金属窒化物で形成されていてもよい。
装飾形成層21は、多層構造であってもよい。例えば、装飾形成層21は、銅製の下地層上に銀製の鏡面層が積層された積層構造であってもよい。
また装飾形成層21は、
【0025】
透明塗料層22は、透明性を有するものであれば、特に限定されるものではない。透明塗料層22は、例えば、ウレタン系樹脂又はエポキシ系樹脂を主成分とする透明樹脂で形成でき、その中でもウレタン系樹脂を主成分とする透明樹脂で形成されていることが好ましい。
本実施形態の透明塗料層22は、所定の温度で焼成して形成されるものである。
【0026】
面光源3は、
図5のように、面状パネル30と、フレームカバー構造体31を備えている。
面状パネル30は、
図6のように、発光パネル40と、ケース部材41と、補強部材42を備えている。
【0027】
発光パネル40は、
図7のように、柔らかい拡散光を出射可能な光出射領域50を有した光出射面を備える有機ELパネルである。
本実施形態の発光パネル40は、透明基板上に透明電極層と有機発光層と裏面電極層がこの順に積層された有機EL素子を有するものであり、有機EL素子から透明基板を透過して光を取り出すボトムエミッション型の有機ELパネルである。
発光パネル40は、点灯時に発光して光出射領域50から光を放射し、消灯時に裏面電極層の色が反映されて鏡面を構成するものである。
本実施形態の透明基板は、有機EL素子を支持する支持基板であって、透光性及び絶縁性を有する透明絶縁基板である。
透明基板としては、ガラス基板であることが好ましい。
透明基板の算術平均厚みは、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。また透明基板の算術平均厚みは、10mm以下であることが好ましく、5mm以下以上であることがより好ましい。この範囲であれば、薄さ及び軽さを担保しつつ割れやかけの発生を抑制できる。
発光パネル40の可撓性は、150mmR以下であることが好ましく、75mmR以下であることがより好ましい。
【0028】
発光パネル40は、
図7のように、横長四角形状の板状パネルであり、縦方向Yに幅をもち横方向Xに延びている。すなわち、発光パネル40は、横方向Xに延びた横辺に属する横側面部43,44と、縦方向Yに延びた縦辺に属する縦側面部45,46を備えている。
発光パネル40は、
図6のように、裏面側(本体基板2とは反対側)に発光パネル40への出力等の制御する制御基板51を備えている。
【0029】
ケース部材41は、
図5,
図6のように、発光パネル40を収容して保護する保護ケースである。ケース部材41は、本体側ケース60と、裏面側ケース61で構成され、パネル側係合部62a~62hを備えている。
【0030】
本体側ケース60は、正面視したときに四角環状であり、中央にケース側開口63を有している。また、本体側ケース60は、樹脂製であって真空成形によって形成されており、厚みが実質的に一律となっている。
【0031】
本体側ケース60は、
図6,
図8のように、本体側覆部70と、側面覆部71と、複数の第1ケース側係合部72a~72hを備えている。
本体側覆部70は、発光パネル40の光出射面(本体基板2側の面)を覆う部位であり、ケース側開口63を構成する部位である。
【0032】
側面覆部71は、発光パネル40の側面を覆う部位であり、
図8のように部分的に段状となっている。側面覆部71は、
図6のように、発光パネル40の横側面部43,44を覆う横辺覆部75a,75bと、発光パネル40の縦側面部45,46を覆う縦辺覆部76a,76bで構成されている。
各覆部75a,75b,76a,76bは、
図8のように、第1壁部80と、第2壁部81と、規制壁部82を備えており、第1壁部80と第2壁部81が規制壁部82を介して段状に連続している。
第1壁部80は、本体側覆部70から後方側に向かって立ち上がり、正面視したときに、第2壁部81に対して内側に位置する壁部である。
規制壁部82は、裏面側ケース61の前方側への移動を係止して規制する壁部である。
【0033】
第1ケース側係合部72a~72dは、
図8のように、上辺覆部75aから上方側に向かって張り出した張出片であり、第1ケース側係合部72e~72hは、下辺覆部75bから下方側に向かって張り出した張出片である。
第1ケース側係合部72a~72dは、横方向Xにおいて上辺覆部75aに沿って間隔を空けて配されており、第1ケース側係合部72e~72hは、横方向Xにおいて下辺覆部75bに沿って間隔を空けて配されている。
【0034】
裏面側ケース61は、
図6のように、本体側ケース60とともに発光パネル40を収容するケースであり、発光パネル40の裏面側を覆う部材である。
裏面側ケース61は、樹脂製であって真空成形によって形成されており、厚みが一律となっている。
【0035】
裏面側ケース61は、
図6のように、ケース本体90と、第2ケース側係合部91a~91hと、基板保護部92を備えている。
ケース本体90は、発光パネル40の裏面側を覆う板状部位であり、裏面側に収容部95と、突起部96a,96bを備えている。
【0036】
収容部95は、補強部材42を収容可能な部位であり、裏面側から表面側に向かって深さをもつ凹部である。また、収容部95は、正面視したときに略「コ」字状をしており、横方向Xの中央部分に下端部から上方に向かって延びた切り欠き部97を備えている。
切り欠き部97は、発光パネル40の制御基板51が通過可能な切り欠きである。
【0037】
突起部96a,96bは、補強部材42の位置決めをする位置決め部であり、収容部95の底部から裏面側に向かって突出した凸部である。
突起部96a,96bは、横方向Xにおいて間隔を空けて配されており、切り欠き部97を挟んで対向している。
【0038】
第2ケース側係合部91a~91hは、縦方向Yにおいて収容部95の縁から外側に向かって張り出した張出片であり、第1ケース側係合部72a~72hとともにパネル側係合部62a~62hを構成する係合片である。
第2ケース側係合部91a~91dは、収容部95の上側の側面から上方側に向かって張り出した張出片であり、第2ケース側係合部91e~91hは、収容部95の下側の側面から下方側に向かって張り出した張出片である。
第2ケース側係合部91a~91dは、第1ケース側係合部72a~72dと対応するように横方向Xにおいて間隔を空けて配されており、第2ケース側係合部91e~91hは、第1ケース側係合部72e~72hと対応するように横方向Xにおいて間隔を空けて配されている。
【0039】
基板保護部92は、
図6のように、発光パネル40の制御基板51の一部又は全部を覆い、制御基板51を保護する部位である。基板保護部92は、収容部95の縁部から切り欠き部97の一部を塞ぐように設けられている。
【0040】
補強部材42は、発光パネル40の剛性を補強する補強板である。
補強部材42は、裏面側ケース61の収容部95と略同一形状となっており、収容部95内に設置可能となっている。
【0041】
補強部材42は、裏面側ケース61の突起部96a,96bを挿入可能な取付孔100a,100bを備えている。
取付孔100a,100bは、補強部材42を収容部95に対して位置決めする位置決め孔であり、補強部材42を部材厚方向に貫通した貫通孔である。取付孔100a,100bは、突起部96a,96bと対応する位置関係となっている。
【0042】
フレームカバー構造体31は、面状パネル30を保持し、本体基板2に対して固定する固定フレームであり、低剛性の部材である。
ここでいう「低剛性」とは、例えば、本体基板2を一人で両手に挟んだ状態にてミリ単位で撓ませることが可能な程度に剛直であることをいう。
【0043】
フレームカバー構造体31は、
図5のように、フレーム部110と、カバー部111で構成されている。
フレーム部110は、面状パネル30の本体基板2側の面を保護する保護フレームである。フレーム部110は、樹脂製であって真空成形によって形成されており、厚みが一律となっている。
フレーム部110は、
図9のように、正面視したときに四角環状であり、中央にフレーム側開口112を有している。
【0044】
フレーム部110は、ベース部120と、フレーム側係合部121を備えている。
ベース部120は、本体基板2の裏面と面接触し、本体基板2に対して取り付ける取付部である。
ベース部120は、横方向Xに延びた横ベース125a,125bと、縦方向Yに延びた縦ベース126a,126bで構成され、正面視したときに横ベース125a,125bと縦ベース126a,126bによって四角環状となっている。
【0045】
フレーム側係合部121は、横ベース125a,125bに設けられた横方向係合部130a,130bと、縦ベース126a,126bに設けられた縦方向係合部131a,131bで構成されている。
【0046】
横方向係合部130a,130bは、
図9,
図10のように、高さの異なる複数の第1隆起部140(140A~140N)と複数の第2隆起部141で構成されている。
第1隆起部140A~140Gは、横ベース125aに対して裏面側に隆起した隆起部であり、第1隆起部140H~140Nは、横ベース125bに対して裏面側に隆起した隆起部である。
【0047】
第1隆起部140は、
図10のように、第2隆起部141に比べて幅が広く、高さも高い。第1隆起部140は、
図10のように、内側側面(フレーム側開口112側の側面)が段状となっており、第1内壁部150と、第2内壁部151(載置部)と、接続壁部152で構成されている。すなわち、第1内壁部150と第2内壁部151は、接続壁部152を介して段状に連続している。
第1内壁部150と第2内壁部151は、ともにテーパー面となっており、隆起方向の基端部側(横ベース125a,125b側)から先端部側に向かって傾斜している。
第1隆起部140は、外側側面もまたテーパー面となっており、隆起方向の基端部側(横ベース125a,125b側)から先端部側に向かって傾斜している。すなわち、第1隆起部140は、隆起方向の基端部側(横ベース125a,125b側)から先端部側に向かって幅が狭くなっている。
【0048】
特定の第1隆起部140A,140C,140E,140Gは、
図5,
図10のように、上側側面に係合溝155aを備えており、特定の第1隆起部140H,140J,140L,140Nは、下側側面に係合溝155bを備えている。
係合溝155a,155bは、
図10のように、外側側面の厚み方向に深さをもち、隆起方向に対して直交する方向に延びた凹溝である。
【0049】
第2隆起部141は、ベース部120に対して裏面側に隆起した隆起部であり、横方向Xに隣接する第1隆起部140,140間を接続する接続部である。
【0050】
横方向係合部130a,130bは、
図9のように、複数の凹部156a~156hを備えている。
凹部156a~156dは、横方向Xに隣接する第1隆起部140,140の側面と、当該第1隆起部140,140間を接続する第2隆起部141の隆起方向の下端面(内側面)によって構成されている。すなわち、凹部156a~156dは、第1隆起部140の下端面(内側面)に対して上方側に窪んだ部位である。
凹部156e~156hは、横方向Xに隣接する第1隆起部140,140の側面と、当該第1隆起部140,140間を接続する第2隆起部141の隆起方向の上端面(内側面)によって構成されている。すなわち、凹部156e~156hは、第1隆起部140の上端面(内側面)に対して下方側に窪んだ部位である。
凹部156a~156hは、幅がパネル側係合部62a~62hと同程度となっており、パネル側係合部62a~62hを挿入して係合可能となっている。
【0051】
縦方向係合部131a,131bは、
図5,
図10のように、縦ベース126a,126bに対して裏面側に隆起した隆起部である。縦方向係合部131a,131bは、
図9のように縦方向Yに延びており、外側側面の一部が欠けた爪部である。
【0052】
カバー部111は、
図5のように、フレーム部110ともに面状パネル30を収容するものであり、面状パネル30の裏面側を保護する保護カバーである。カバー部111は、樹脂製であって真空成形によって形成されており、厚みが一律となっている。
【0053】
カバー部111は、
図11のように、ベース部160と、側壁部161と、押圧部162を備えている。
ベース部160は、フレームカバー構造体31の裏面を構成する部位である。
側壁部161は、ベース部160の縁から本体基板2側に向かって立ち上がった立壁部である。
側壁部161は、
図11のように横方向Xに延びる横側壁部165a,165bと、縦方向Yに延びる縦側壁部166a,166bで構成されている。
横側壁部165a,165bは、内側面に係合突起168a,168b(係合突起168aは
図11に図示しない)を備えている。
係合突起168a,168bは、横側壁部165a,165bの内側側面から内側に向かって突出した凸部であり、フレーム部110の係合溝155a,155bと係合可能となっている。
【0054】
押圧部162は、ベース部160に対して本体基板2側に隆起した部位であり、補強部材42と当接して押圧し、補強部材42を固定する部位である。
押圧部162は、裏面側ケース61の突起部96a,96bを挿着可能な凹部170a,170bを有している。
【0055】
固定部材5は、
図12~
図14に示すように、本体基板2と面光源3を機械的に一体化するものである。
固定部材5は、本体基板2に対して面光源3を固定できれば、特に限定されるものではなく、例えば、接着シートや接着剤等が使用できる。
本実施形態の固定部材5は、接着剤が固化したものである。
【0056】
続いて、本発明の第1実施形態の面部材1の各部材の位置関係について説明する。
【0057】
面光源3は、
図12~
図14から読み取れるように、正面視したときに、固定部材5を介して光出射領域50が本体基板2の透明領域10と重なるように取り付けられている。すなわち、面光源3の光出射領域50は、本体基板2の透明領域10と対応する位置関係となっている。
ベース部120は、固定部材5を介して本体基板2と面接触して固定されている。
面光源3は、平面視したときに、本体側ケース60のケース側開口63とフレーム部110のフレーム側開口112が重なっており、発光パネル40の光出射領域50が開口63,112から露出している。
【0058】
面状パネル30は、下部側面部が
図12のようにフレーム部110の下側係合部130bの第2内壁部151上に載置されており、上部側面部が上側係合部130aの第2内壁部151に覆われている。すなわち、面状パネル30は、上下方向(縦方向Y)において、横方向係合部130a,130bによって挟まれている。同様に、面状パネル30は、
図14のように横方向Xにおいてフレーム部110の縦方向係合部131a,131bに挟まれている。
【0059】
面状パネル30は、平面視したときに、本体側ケース60の第1ケース側係合部72a~hと裏面側ケース61の第2ケース側係合部91a~91hが重なってパネル側係合部62a~62hを構成している。そして、面状パネル30は、各パネル側係合部62a~62hがフレーム部110の凹部156a~156hに挿入されている。
【0060】
発光パネル40は、
図12,
図13,
図14のように、本体側ケース60と裏面側ケース61によって挟まれて、ケース部材41内に収容されている。発光パネル40は、制御基板51が裏面側ケース61の切り欠き部97を通過し、基板保護部92に覆われている。
【0061】
本体側ケース60は、本体側覆部70が発光パネル40の光出射面の一部を覆っており、側面覆部71が発光パネル40の側面を覆っている。
裏面側ケース61は、発光パネル40の裏面側を覆っており、ケース本体90が本体側ケース60の規制壁部82に当接している。
裏面側ケース61は、収容部95に補強部材42を収容している。具体的には、突起部96a,96bが補強部材42の取付孔100a,100bを通過し、カバー部111の凹部170a,170bに挿入されている。すなわち、補強部材42は、突起部96a,96bによって位置決めされており、横方向X及び縦方向Yの移動が規制されている。
裏面側ケース61は、本体側ケース60の規制壁部82と係合しており、本体側ケース60の規制壁部82によって本体基板2側への移動が規制されている。
【0062】
続いて、消灯時の面部材1について説明する。
【0063】
消灯時の面部材1は、
図15(a)のように、発光パネル40の光出射領域50から光が出射されず、少なくとも光出射領域50が鏡面となり、本体基板2の透明領域10に発光パネル40の光出射領域50の色が反映されて鏡面となる。すなわち、消灯時の面部材1は、発光パネル40の光出射領域50の色が反映された透明領域10と、本体基板2の装飾領域11が一つの鏡面を構成する。そのため、面部材1は、正面視したときに、全体が鏡面となる。
【0064】
続いて、点灯時の面部材1について説明する。
【0065】
点灯時の面部材1は、
図15(b)のように、発光パネル40の光出射領域50から光が放射され、光出射領域50から本体基板2の透明領域10を通過して外部に出射される。すなわち、点灯時の面部材1は、透明領域10から光が出射し、透明領域10が光放射領域となる。そのため、面部材1は、光が鏡面の中から浮き上がって見え、透明領域10のみ光る。
また、点灯時の面部材1は、発光パネル40の光出射領域50が透明領域10よりも大きく、わずかに装飾領域11と重なっている。すなわち、発光パネル40の光出射領域50からの光は、装飾領域11に絞られて本体基板2から放射される。
【0066】
本実施形態の面部材1によれば、面状パネル30の裏面を覆うカバー部111の押圧部162によって面状パネル30が本体基板2側に押圧されているので、フレーム部110を介して面状パネル30を安定した姿勢で本体基板2側に取り付け可能である。そのため、長期間の使用により、面状パネル30が傾いたりしにくく、面状パネル30の光出射領域50からの光の見え方や消灯時の表面の見え方が変化してしまうことを防止できる。
【0067】
本実施形態の面部材1によれば、補強部材42が発光パネル40の裏面を覆っており、押圧部162が補強部材42を押圧する。すなわち、押圧部162からの押圧力を補強部材42が受けるため、発光パネル40に過剰な負荷が加わることを防止できる。
【0068】
本実施形態の面部材1によれば、本体基板2が面状パネル30の光出射領域50と重なる部分に透明領域10を有しているので、面状パネル30の光出射領域50からの出射光を本体基板2の透明領域10を透過させて外部に取り出すことができる。そのため、本体基板2によって面状パネル30の光出射領域50を保護できる。
【0069】
本実施形態の面部材1によれば、発光パネル40を収容するケース部材41のパネル側係合部62a~62hと、フレーム部110のフレーム側係合部121が発光パネル40から離れた位置で係合する。そのため、外部から面部材1に荷重が加えられても、発光パネル40に直接荷重がかかることを防止できる。
具体的には、正面視したときに、発光パネル40から外れた位置に設けられたケース部材41のパネル側係合部62a~62hがフレーム部110の凹部156a~156hと係合することでフレームカバー構造体31内での面状パネル30の位置が位置決めされる。すなわち、発光パネル40を収容するケース部材41が発光パネル40とは離れた位置でフレームカバー構造体31と本体基板2に対して直交方向に係合する。そのため、本体基板2に面光源3を取り付ける際に、発光パネル40に直接荷重がかかることを防止できる。
【0070】
本実施形態の面部材1によれば、カバー部111をフレーム部110から取り外すことで面状パネル30をフレーム部110から取り外し可能となる。具体的には、カバー部111の係合突起168a,168bとフレーム部110の係合溝155a,155bの係合状態を解除することでフレーム部110からカバー部111が取り外し可能となっている。そして、フレーム部110からカバー部111を取り外した状態において、フレーム部110から面状パネル30を取り外し可能となっている。そのため、面状パネル30を容易に交換可能である。
【0071】
本実施形態の面部材1によれば、フレームカバー構造体31は、本体基板2よりも剛性が低いため、本体基板2に面光源3を取り付ける際にフレームカバー構造体31で荷重を分散でき、面状パネル30に過剰な負荷が加わることを防止できる。
【0072】
本実施形態の面部材1によれば、裏面側ケース61が本体側ケース60の規制壁部82によって前方側への移動が規制されており、発光パネル40が裏面側ケース61によって押圧されることが防止されている。そのため、本体基板2に面光源3を取り付ける際に、発光パネル40が裏面側ケース61から過剰な押圧力を受けることを防止できる。
【0073】
本実施形態の面部材1によれば、透明塗料層22は、透明領域10の透明基材20上から装飾領域11の装飾形成層21上に跨って形成されている。すなわち、透明塗料層22によって装飾形成層21と透明基材20との境界部分が覆われているため、長期間に亘って使用しても、装飾形成層21と透明基材20との境界部分からの装飾形成層21の捲れや剥がれが生じにくい。
【0074】
本実施形態の面部材1によれば、透明基材20は、透明領域10における表面粗さが、装飾領域11における表面粗さに比べて粗く、透明塗料層22が少なくとも透明領域10の全域に形成されている。そのため、透明塗料層22と透明基材20との接着強度が向上し、より装飾形成層21が剥がれにくい。
【0075】
本実施形態の面部材1によれば、透明塗料層22が装飾領域11の全域に形成されているため、透明塗料層22を形成しやすい。
また、本実施形態の面部材1によれば、装飾形成層21が透明塗料層22によって保護されているため、ベース部120が装飾形成層21に直接接触せず、ベース部120による装飾形成層21の剥離を防止できる。また、装飾形成層21の酸化等による劣化に伴う鏡面の見え方の低下を抑制できる。
【0076】
本実施形態の面部材1によれば、装飾形成層21が透明基材20に対して面光源3側に設けられている。すなわち、透明基材20側が使用者側からみて外側に位置するため、装飾形成層21が剥がれにくい。
【0077】
本実施形態の面部材1によれば、発光パネル40の光出射領域50の一部が装飾領域11と重なるため、透明領域10から装飾領域11との境界がくっきりとした光を放射できる。
【0078】
本実施形態の面部材1によれば、発光パネル40の光出射領域50が透明領域10と重なるように配され、装飾領域11と透明領域10が消灯時に一つの鏡面を構成する。そのため、光源としての機能だけではなく、消灯時に鏡として機能させることができ、消灯時に一面の鏡として使用できる。
【0079】
本実施形態の面部材1によれば、透明基材がガラス基板で形成されているため、加工が容易である。
【0080】
本実施形態の面部材1によれば、装飾形成層21をサンドブラストによって部分的に除去し、サンドブラストによって生じた透明基材20の表面凹凸による散乱性を透明塗料層22で透明性を回復させるので、明るく美観に優れている。
【0081】
本発明の第2実施形態の面部材200について説明する。なお、第1実施形態の面部材1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
本発明の第2実施形態の面部材200は、
図16のように、本体基板2と、面光源203を備えており、本体基板2に対して固定部材5を介して面光源203を取り付けるものである。
面光源203は、
図17のように、面状パネル230と、フレームカバー構造体231を備えている。
【0083】
面状パネル230は、
図18のように、発光パネル40と、ケース部材241と、補強部材242を備えている。
ケース部材241は、本体側ケース260と、裏面側ケース261で構成されている。
本体側ケース260は、正面視したときに四角環状であり、中央にケース側開口63を有している。また、本体側ケース260は、樹脂製であって真空成形によって形成されており、厚みが実質的に一律となっている。
本体側ケース260は、本体側覆部70と、側面覆部71を備えている。
【0084】
裏面側ケース261は、本体側ケース260とともに発光パネル40を収容するケースであり、発光パネル40の裏面側を覆う部材である。
裏面側ケース261は、ケース本体90と、配線溝292を備えている。
配線溝292は、発光パネル40の配線を通過可能な溝であり、縦方向Yに幅をもち、横方向Xに延びている。
【0085】
補強部材242は、発光パネル40の剛性を補強する補強板である。
補強部材242は、
図18のように、補強本体部210と、延伸部211a,211bを備えている。
補強本体部210は、正面視したときに略「コ」字状をしており、横方向Xの中央部分に切り欠き部297を備えている。
切り欠き部297は、裏面側ケース261の配線溝292を開放する切り欠きであり、配線溝292を避けるように設けられている。
延伸部211a,211bは、補強本体部210の横方向Xの端部から外側に延伸した部位である。
【0086】
フレームカバー構造体231は、面状パネル230を保持し、本体基板2に対して固定する固定フレームである。
フレームカバー構造体231は、
図17のように、フレーム部270と、カバー部271が一体成形されて構成されており、不可分一体となっている。
ここでいう「不可分一体」とは、「一体」の一種であって、単純に2部材間のみの関係において、破壊しない限り、分けたり切り離したりできない状態をいう。
【0087】
フレーム部270は、
図19のように、正面視したときに「コ」字状であり、横フレーム275と、縦フレーム276a,276bで構成されており、横フレーム275と縦フレーム276a,276bで囲まれ、上方に向けて開放した囲繞空間277が形成されている。
横フレーム275は、横方向Xに延びる棒状部位であり、フレーム本体279a,279bと、載置部280a,280bと、支持部281a,281bと、収容部282を備えている。
載置部280a,280bは、
図20のように、面状パネル230を載置する部位であり、横方向Xに延びた部位である。
支持部281a,281bは、面状パネル230を支持する部位である。
支持部281a,281bは、載置部280a,280bの外側に位置し、縦方向Y(上下方向)に高さをもち、頂部が尖った三角柱状となっている。すなわち、支持部281a,281bは、基端部側から先端部側に向かうにつれて幅が狭くなっており、頂部が線状となっている。
【0088】
縦フレーム276a,276bは、
図19のように、横フレーム275のフレーム本体279a,279bの外側端部から上方に向かって延びる棒状部位である。
縦フレーム276a,276bは、
図21のように、位置決め部285a,285bを備えている。
位置決め部285a,285bは、横方向Xに高さをもち、頂部が尖った三角柱状の部位である。すなわち、位置決め部285a,285bは、基端部側から先端部側に向かうにつれて幅が狭くなっており、頂部が線状となっている。
位置決め部285a,285bは、高さ方向に間隔を空けて配されている。
【0089】
カバー部271は、
図20のように、面状パネル230の裏面側を覆う部位であり、カバー本体272と、押圧部273を備えている。
カバー本体272は、
図17のように、縦フレーム276a,276bの長手方向の中間部間を連結する部位であり、桟として機能する部位である。
カバー本体272は、縦方向Yに幅をもち横方向Xに延びる板状体であり、端部が縦フレーム276a,276bと接続されている。
【0090】
押圧部273は、カバー本体272の長手方向の中間部に設けられ、面状パネル230の上端部と係合して面状パネル230を固定する部位である。
押圧部273は、板状の部位であり、カバー部271に片持ち状に支持されている。
押圧部273の先端部には、面状パネル230の上方への移動を係止する係合片278を備えている。
【0091】
収容部282は、面状パネル230の制御基板等を収容可能な箱状部位である。収容部282の内部空間は、上方に向けて開放している。
【0092】
続いて、第2実施形態の面部材200の各部材の位置関係について説明する。
【0093】
面光源203は、
図22から読み取れるように、固定部材5を介して光出射領域50が本体基板2の透明領域10と重なるように取り付けられている。
フレーム部270は、固定部材5を介して本体基板2と面接触している。すなわち、横フレーム275及び縦フレーム276a,276bは、本体基板2側の面全面に固定部材5が取り付けられており、本体基板2に対して接着されている。
【0094】
面状パネル230は、押圧部273によって本体基板2に押さえつけられており、本体基板2と面接触している。
面状パネル230は、
図19,
図20のように、囲繞空間277に配されており、横フレーム275上であって縦フレーム276a,276bの間に位置している。
具体的には、面状パネル230は、
図20のように、底部たる下側側面部(第1側面部)が載置部280a,280b上に載置されており、支持部281a,281bと線接触している。
面状パネル230は、横方向Xにおいて位置決め部285a,285bの間にあり、位置決め部285a,285bによって横方向Xの移動が規制されている。
本実施形態では、面状パネル230は、横方向Xの側面が位置決め部285a,285bを介してフレームカバー構造体231に挟持されている。
面状パネル230は、上側側面部(第2側面部,対向側面部)をなす補強部材242の上端部が押圧部273の係合片278と係合しており、上方への移動が規制されている。
本実施形態では、面状パネル230は、縦方向Yの側面部が支持部281a,281b及び載置部280a,280bと、押圧部273の係合片278によって挟持されている。
【0095】
第2実施形態の面部材200によれば、押圧部273によって面状パネル230を本体基板2に押さえつけているため、長期間使用した場合でも、面状パネル230の姿勢が変わりにくく、光出射領域50からの光の見え方や消灯時の表面の見え方が変化しにくい。
【0096】
第2実施形態の面部材200によれば、押圧部273を弾性変形させて係合片278と面状パネル230の係合を解除する。すなわち、押圧部273を裏面側に撓ませて係合片278と面状パネル230の上側側面部(対向側面部)との係合を解除することで、囲繞空間277が上方に開放し、フレームカバー構造体231に対して面状パネル230を着脱可能となる。そのため、容易に面状パネル230を交換できる。
【0097】
上記した実施形態では、固定部材5として接着シートや接着剤等の接着部材を使用していたが、本発明はこれに限定されるものではない。面光源を本体基板2に固定できれば、固定方法は問わない。例えば、ねじや釘、鋲等の締結要素によって固定してもよいし、磁石等で固定してもよい。
【0098】
上記した実施形態では、フレーム部に面状パネルを載置する載置部が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、フレーム部かカバー部の少なくとも一方に載置部が設けられていればよい。例えば、カバー部に載置部が設けられていてもよい。
【0099】
上記した実施形態では、固定構造物180に対して面部材を縦姿勢で設置した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。横姿勢で設置してもよいし、水平姿勢で設置してもよい。
【0100】
上記した実施形態では、本体基板2は、横長長方形状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。本体基板2は、縦長長方形状であってもよいし、正方形状であってもよい。また、三角形や五角形、六角形などの多角形状であってもよいし、円形状や楕円状などの角部に丸みをもつ形状であってもよい。
【0101】
上記した実施形態では、発光パネル40は、横長長方形状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。発光パネル40は、縦長長方形状であってもよいし、正方形状であってもよい。また、三角形や五角形、六角形などの多角形状であってもよいし、円形状や楕円状などの角部に丸みをもつ形状であってもよい。
【0102】
上記した実施形態では、サンドブラストによって透明基材20上から装飾形成層21が剥離されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。他の機械的研磨により透明基材20上から装飾形成層21を剥離してもよいし、エッチングや電解研磨等の化学的研磨により透明基材20上から装飾形成層21を剥離してもよい。
【0103】
上記した実施形態では、透明領域10以外の領域全てが装飾領域11であったが、本発明はこれに限定されるものではない。透明領域10以外の領域にも装飾形成層21が形成されていない非装飾領域が形成されていてもよい。
例えば、透明領域10と装飾領域11の間に第3の領域として光を放射せず、かつ、鏡面に見えない中間領域が存在していてもよい。
【0104】
上記した実施形態では、装飾形成層21として常時鏡面を形成する鏡面形成層を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図23のように、装飾形成層21として塗料や色紙等によって所定の模様や文字、図形等を形成した模様形成層を用いてもよい。この場合、
図23(a)のように消灯時に透明領域10と重なる面状パネルと一体的な模様や文字、図形等を形成し、
図23(b)のように点灯時に透明領域10が点灯して浮き上がることが好ましい。
【0105】
上記した実施形態では、発光パネル40として有機ELパネルを使用したが、本発明はこれに限定されるものではない。発光パネル40としてLEDが面状に敷き詰められたLEDパネルであってもよい。
【0106】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0107】
1,200 面部材
2 本体基板(本体基材)
3,203 面光源
10 透明領域
11 装飾領域
20 透明基材
21 装飾形成層
22 透明塗料層
40 発光パネル
50 光出射領域