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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090845
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】遠距離無線通信開通システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/06 20210101AFI20220613BHJP
   H04W 8/20 20090101ALI20220613BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20220613BHJP
【FI】
H04W12/06
H04W8/20
H04W76/10 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203399
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕大
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067HH23
5K067HH32
(57)【要約】
【課題】 開通作業後、据え付け作業まで日数が長い場合には、遠距離無線通信に関する慣例上、好ましくない。本開示は、当該点に考慮した遠距離無線通信開通システム等の一例を開示する。
【解決手段】 遠隔管理装置20は、携帯型通信端末機30が送信した装置特定情報を受信し、その受信した装置特定情報を利用して装着SIMを認証サーバ100に登録する際に必要なパスコードを特定した後、装着SIMを認証サーバ100に登録する行為を実行する。これにより、本実施形態に係る開通システム1を用いれば、作業者の負担が過度に大きくなることなく、ポンプ装置10の据え付け作業時に開通作業を実施することが可能となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を利用したポンプ装置の通信を開通させるための遠距離無線通信開通システムにおいて、
前記ポンプ装置に設けられた通信部であって、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着可能な通信部と、
前記ポンプ装置を特定する情報(以下、装置特定情報という。)が記録された特定情報記憶部と、
遠距離無線通信が可能な携帯型通信端末機であって、前記特定情報記憶部に記憶された前記装置特定情報を取得する機能、及び当該取得した前記装置特定情報を遠距離無線通信を介して遠隔管理装置に送信する機能を実行可能な携帯型通信端末機とを備え、
前記SIMを電気通信事業者の認証サーバに登録する際に必要な情報をパスコードとしたとき、
前記遠隔管理装置は、複数のパスコードを記憶可能な記憶部を有するとともに、受信した前記装置特定情報を利用して当該SIMを前記認証サーバに登録する際に必要なパスコードを特定した後、当該SIMを当該認証サーバに登録する行為を実行可能である遠距離無線通信開通システム。
【請求項2】
前記特定情報記憶部には、前記装置特定情報に加えて、当該SIMを特定するための情報(以下、SIM識別情報という。)が記憶されており、
前記携帯型通信端末機は、前記装置特定情報と併せて前記SIM識別情報を取得するとともに、それら2種類の情報を前記遠隔管理装置に送信し、
前記遠隔管理装置は、受信した前記2種類の情報を利用して前記パスコードを特定する請求項1に記載の遠距離無線通信開通システム。
【請求項3】
前記遠隔管理装置は、当該SIMの登録が正常終了したときに、当該遠隔管理装置に向けて通信確認信号を送信すべき旨を前記通信部に指令する請求項1又は2に記載の遠距離無線通信開通システム。
【請求項4】
前記遠隔管理装置は、前記通信確認信号を受信したときに、前記通信部が開通した旨を前記携帯型通信端末機に送信する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遠距離無線通信開通システム。
【請求項5】
前記特定情報記憶部は、前記ポンプ装置に設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遠距離無線通信開通システム。
【請求項6】
前記特定情報記憶部は、二次元コードにて構成されている請求項5に記載の遠距離無線通信開通システム。
【請求項7】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を利用したポンプ装置の通信を開通させるための遠距離無線通信開通システムにおいて、
前記ポンプ装置に設けられた通信部であって、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着可能な通信部と、
前記SIMを特定するための情報をSIM識別情報としたとき、
遠距離無線通信が可能な携帯型通信端末機であって、当該SIM識別情報を取得する機能、及び当該取得したSIM識別情報を遠距離無線通信を介して遠隔管理装置に送信する機能を実行可能な携帯型通信端末機とを備え、
前記SIMを電気通信事業者の認証サーバに登録する際に必要な情報をパスコードとしたとき、
前記遠隔管理装置は、複数のパスコードを記憶可能な記憶部を有するとともに、受信した前記SIM識別情報を利用して当該SIMを前記認証サーバに登録する際に必要なパスコードを特定した後、当該SIMを当該認証サーバに登録する行為を実行可能である遠距離無線通信開通システム。
【請求項8】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を利用したポンプ装置の通信を開通させるための遠距離無線通信開通システムにおいて、
前記ポンプ装置に設けられた通信部であって、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着可能な通信部と、
前記ポンプ装置を特定する情報(以下、装置特定情報という。)が記録された特定情報記憶部と、
遠距離無線通信が可能な携帯型通信端末機とを備え、
前記SIMを電気通信事業者の認証サーバに登録する際に必要な情報をパスコードとしたとき、
前記携帯型通信端末機は、前記特定情報記憶部に記憶された前記装置特定情報を取得する機能、及び当該装置特定情報を利用して当該SIMを前記認証サーバに登録する際に必要なパスコードを特定した後、当該SIMを当該認証サーバに登録する行為を実行可能である遠距離無線通信開通システム。
【請求項9】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を実行するために第1通信部であって、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着可能な第1通信部と、
前記第1通信部を特定する情報(以下、装置特定情報という。)が記録された特定情報記憶部と、
遠距離無線通信が可能な携帯型通信端末機と通信するための第2通信部と、
遠距離無線通信を開通させる開通制御部とを備え、
前記SIMを電気通信事業者の認証サーバに登録する際に必要な情報をパスコードとしたとき、
前記開通制御部は、
前記特定情報記憶部に記憶された前記装置特定情報を取得する機能、
当該装置特定情報を利用して当該SIMを前記認証サーバに登録する際に必要なパスコードを特定する機能、及び
前記携帯型通信端末機を介して前記認証サーバと通信することにより、前記SIMを当該認証サーバに登録する機能
を実行可能であるポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ装置の通信を開通させるための遠距離無線通信開通システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を開通させるためには、遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)を電気通信事業者の認証サーバに登録する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-101853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SIMを電気通信事業者の認証サーバに登録する作業(以下、開通作業という。)は、煩雑な作業である。このため、ポンプ装置の据え付け作業時に、当該据え付け作業に加えて開通作業を実施することは、作業者の負担が大きくなるので、好ましくない。
【0005】
なお、据え付け作業前、例えば、ポンプ装置の組立工場にて事前に開通作業を実施することも可能である。しかし、開通作業後、据え付け作業まで日数が長い場合には、遠距離無線通信に関する慣例上、好ましくない。本開示は、当該点に考慮した遠距離無線通信開通システム等の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電気通信事業者が提供する無線通信(以下、遠距離無線通信という。)を利用したポンプ装置(10)の通信を開通させるための遠距離無線通信開通システムは、ポンプ装置(10)に設けられた通信部(11)であって、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着可能な通信部(11)と、ポンプ装置(10)を特定する情報(以下、装置特定情報という。)が記録された特定情報記憶部(12)と、遠距離無線通信が可能な携帯型通信端末機(30)であって、特定情報記憶部(12)に記憶された装置特定情報を取得する機能、及び当該取得した装置特定情報を遠距離無線通信を介して遠隔管理装置(20)に送信する機能を実行可能な携帯型通信端末機(30)とを備える。
【0007】
そして、遠隔管理装置(20)は、複数のパスコードを記憶可能な記憶部を有するとともに、受信した装置特定情報を利用して当該SIMを認証サーバに登録する際に必要なパスコードを特定した後、当該SIMを当該認証サーバに登録する行為を実行可能であることが望ましい。
【0008】
これにより、作業者の負担が過度に大きくなることなく、ポンプ装置の据え付け作業時に開通作業を実施することが可能となる。
【0009】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る開通システムを示す図である。
図2】第1実施形態に係る開通システムの作動を示すチャートである。
図3】第2実施形態に係る開通システムの作動を示すチャートである。
図4】第2実施形態に係る開通システムを示す図である。
図5】第3実施形態に係る開通システムの作動を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0012】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0013】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0014】
(第1実施形態)
<1.遠距離無線通信開通システムの概要>
本実施形態は、図1に示されるように、遠距離無線通信開通システム1(以下、開通システム1という。)に適用した例である。なお、遠距離無線通信とは、電気通信事業者が提供する無線通信をいう。
【0015】
具体的には、本実施形態に係る開通システム1は、ポンプ装置10の通信を開通させるためのシステムである。当該開通システム1は、ポンプ装置10、遠隔管理装置20及び携帯型通信端末機30等を少なくとも備えている。
【0016】
<1.1 ポンプ装置>
ポンプ装置10は、電動ポンプ(図示せず。)、制御部(図示せず。)、通信部11及び特定情報記憶部12等を少なくとも有する。制御部は、電動ポンプの作動を制御するためのコントローラである。
【0017】
<通信部>
通信部11は、少なくとも遠距離無線通信機能を実行可能である。当該通信部11には、例えば、ICCID(Integrated Circuit Card ID))等の情報が記憶されたIC(以下、SIMという。)が装着されている。なお、当該情報は、遠距離無線通信が実行される際に電気通信事業者が当該遠距離無線通信の利用者を特定するための情報の一例である。
【0018】
本実施形態に係るSIMは、通信部11の基板に直接的に組込可能なSIM(例えば、eSIM)である。なお、本実施形態に係る通信部11は、遠距離無線通信機能に加え、近距離無線通信機能及び有線通信機能も実行可能である。
【0019】
<特定情報記憶部>
特定情報記憶部12には、少なくともポンプ装置10を特定する情報(以下、装置特定情報という。)が記録されている。本実施形態では、装置特定情報として、ポンプ装置10の製造番号に加え、当該ポンプ装置10に関する各種の情報(例えば、ポンプ装置の形式、現場住所等)が関連付けられた情報(「現場ID」ともいう。)が用いられている。
【0020】
なお、本実施形態に係る特定情報記憶部12には、装置特定情報をなす「現場ID」に加えて、通信部11に装着されたSIM(以下、装着SIMという。)を特定するための情報(以下、SIM識別情報という。)が記憶されている。当該SIM識別情報は、例えば、ICCIDである。
【0021】
特定情報記憶部12は、携帯型通信端末機30が装置特定情報を取得することが可能な構成であれば十分である。なお、本実施形態に係る特定情報記憶部12は、二次元コードにて構成されている。
【0022】
<1.2 携帯型通信端末機>
携帯型通信端末機30は、スマートホンやタブレット型コンピュータ等の携帯型コンピュータであって、少なくとも遠距離無線通信機能を実行可能である。なお、本実施形態に係る携帯型通信端末機30は、遠距離無線通信機能に加えて、近距離無線通信機能及び有線通信機能も実行可能である。
【0023】
このため、携帯型通信端末機30は、ポンプ装置10と有線通信又は近距離無線通信にて通信可能である。そして、携帯型通信端末機30は、情報取得機能及び情報送信機能を実行可能である。
【0024】
情報取得機能は、特定情報記憶部12に記憶された装置特定情報を取得する機能である。情報送信機能は、その取得した装置特定情報を遠距離無線通信を介して遠隔管理装置20に送信する機能である。
【0025】
本実施形態に係る情報取得機能及び情報送信機能は、携帯型コンピュータである携帯型通信端末機30にソフトウェアが組み込まれることにより実現される。当該ソフトウェアは、例えば、遠隔管理装置20から携帯型通信端末機30に供給される。
【0026】
なお、携帯型通信端末機30には、二次元コードを読み取るためのカメラ等の読取部(図示せず。)が設けられている。情報取得機能は、上記ソフトウェアとハードウェアである読取部とが協働することにより実現される。
【0027】
<1.3 遠隔管理装置>
遠隔管理装置20は、ポンプ装置10の製造業者又は当該ポンプ装置10の管理者等が維持・管理する遠距離無線通信可能なコンピュータである。なお、遠隔管理装置20は、複数のポンプ装置10と通信可能であって、それら複数のポンプ装置10それぞれの運転状況を監視又は把握するととともに、各ポンプ装置10の遠隔制御することが可能である。
【0028】
遠隔管理装置20は、通信部21及び記憶部22等を有する。通信部21は、少なくとも遠距離無線通信を実行可能である。記憶部22には、複数のパスコードが記憶されている。
【0029】
なお、パスコードは、装着SIMを認証サーバ(キャリアサーバともいう。)100に登録する際に必要な情報である。当該認証サーバ100は、電気通信事業者が管理するコンピュータである。
【0030】
遠隔管理装置20は、SIM登録機能が実行可能である。SIM登録機能は、パスコード特定機能及び登録実行機能等により構成されている。具体的には、図2に示されるように、パスコード特定機能が実行された後、登録実行機能が実行される。
【0031】
パスコード特定機能は、携帯型通信端末機30から受信した装置特定情報等を利用して装着SIMを認証サーバ100に登録する際に必要なパスコードを特定する機能である。登録実行機能は、装着SIMを認証サーバに登録する行為を実行する機能である。
【0032】
なお、本実施形態に係るパスコード特定機能では、現場ID及びICCIDの2つの情報によりパスコードが特定される。換言すれば、記憶部22では、パスコード、現場ID及びICCIDの組み合わせにより1つのレコードが構成された状態で複数のパスコードが記憶されている。
【0033】
このため、現場IDとICCIDとの組み合わせがいずれのレコードにも記憶されていない場合には、遠隔管理装置20は、該当するパスコードが存在しないと判断し、パスコードが存在しない旨の携帯型通信端末機30に送信するとともに、登録実行機能を停止する。
【0034】
そして、装着SIMが当該認証サーバ100に登録されると、装着SIMが装着された通信部11の遠距離無線通信が開通する。なお、SIM登録機能は、コンピュータで構成された遠隔管理装置20に予め組み込まれたソフトウェアが実行されることにより実現される。
【0035】
なお、遠隔管理装置20は、装着SIMの登録が正常終了したときに、遠隔管理装置20に向けて通信確認信号を送信すべき旨を通信部11に指令する。そして、遠隔管理装置20は、当該通信確認信号を受信したときに、通信部11が開通した旨を携帯型通信端末機30に送信する。
【0036】
因みに、遠隔管理装置20は、上記の指令を発信した時から予め決められた時間内に通信確認信号を受信できなかった場合には、通信部11が開通に失敗した旨を携帯型通信端末機30に送信する。
【0037】
<2.本実施形態に係る開通システムの特徴>
遠隔管理装置20は、携帯型通信端末機30が送信した装置特定情報を受信し、その受信した装置特定情報を利用して装着SIMを認証サーバ100に登録する際に必要なパスコードを特定した後、装着SIMを認証サーバ100に登録する行為を実行する。
【0038】
これにより、本実施形態に係る開通システム1を用いれば、作業者の負担が過度に大きくなることなく、ポンプ装置10の据え付け作業時に開通作業を実施することが可能となる。
【0039】
本実施形態では、携帯型通信端末機30を用いなければ、装着SIMを認証サーバ100に登録できない。このため、仮に、装着SIMが盗まれた場合であっても、その盗まれたSIMにより、遠距離無線通信が開通されてしまうことが抑制され得る。
【0040】
本実施形態では、現場IDとICCIDとの組み合わせが、いずれのレコードにも記憶されていない場合には、遠隔管理装置20は、登録実行機能を実行しない。これにより、本実施形態では、誤登録の発生を抑制可能となる。
【0041】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係る開通システムは、遠隔管理装置20がSIM登録機能、つまりパスコード特定機能及び登録実行機能を実行する構成であった。これに対して、本実施形態に係る開通システムは、図3に示されるように、携帯型通信端末機30がSIM登録機能、つまりパスコード特定機能及び登録実行機能を実行する構成である。
【0042】
なお、パスコード特定機能の実行時に利用される記憶部、つまり複数のパスコードが記憶されている記憶部(以下、パスコード記憶部という。)は、遠隔管理装置20及び携帯型通信端末機30のうちいずれか(本実施形態では、携帯型通信端末機30)に設けられている。
【0043】
つまり、本実施形態では、パスコード特定機能及び登録実行機能を実行するソフトウェア、並びにハードウェアであるパスコード記憶部は、携帯型通信端末機30に組み込まれている。
【0044】
なお、パスコード記憶部が遠隔管理装置20に組み込まれた構成においては、携帯型通信端末機30は、遠隔管理装置20に設けられたパスコード記憶部にアクセスしてパスコード特定機能を実行する。
【0045】
(第3実施形態)
<遠距離無線通信開通システムの構成>
本実施形態に係る開通システム1では、図4に示されるように、ポンプ装置10に開通制御部13が設けられているとともに、携帯型通信端末機30は、登録実行機能を実行する際の通信用中継局として機能する。
【0046】
開通制御部13は、情報取得機能、パスコード特定機能及び登録実行機能を実行可能である。なお、開通制御部13はマイクロコンピュータにて構成されている。そして、開通制御部13には、情報取得機能、パスコード特定機能及び登録実行機能を実現するためのソフトウェアが予め記憶されている。
【0047】
本実施形態に係る特定情報記憶部12は、制御部又は開通制御部13に設けられたフラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置にて構成されている。パスコード記憶部は遠隔管理装置20の記憶部22により構成されている。
【0048】
そして、開通制御部13は、通信部11の有する近距離無線通信機能を利用して携帯型通信端末機30と通信し、当該携帯型通信端末機30を中継して遠隔管理装置20及び認証サーバ100と通信をする。
【0049】
<開通制御部の開通制御(図5参照)>
開通制御部13は、情報取得機能を実行した後、携帯型通信端末機30を中継して遠隔管理装置20の記憶部22にアクセスしてパスコード特定機能を実行する。次に、開通制御部13は、携帯型通信端末機30を中継して認証サーバ100にアクセスして登録実行機能する。
【0050】
具体的には、開通制御部13は、先ず、特定情報記憶部12に記憶された装置特定情報及びSIM情報を取得する。次に、開通制御部13は、当該取得した情報を利用してパスコードを特定した後、当該装着SIMを認証サーバ100に登録する。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、装置特定情報(現場ID)及びSIM情報(ICCID)の2種類の情報を利用してパスコードを特定する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0052】
すなわち、当該開示は、例えば、(a)SIM識別情報のみが特定情報記憶部12に記憶され、そのSIM識別情報のみを利用してパスコードを特定する構成、又は(b)装置特定情報のみが特定情報記憶部12に記憶され、その装置特定情報のみを利用してパスコードを特定する構成であってもよい。
【0053】
なお、SIM識別情報のみを利用してパスコードを特定する構成においては、特定情報記憶部12を廃止し、通信部11に装着されているSIMから直接的にSIM情報を取得する構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態に係る装置特定情報は、現場IDであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ポンプ装置10の製造番号のみを装置特定情報としてもよい。
【0055】
上述の実施形態では、SIMとしてeSIMが採用されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、いわゆる「フルサイズのSIM」、「ミニSIM」、「マイクロSIM」若しくは「ナノSIM」、又は近距離無線通信を実行するためのアプリケーションが組み込まれたSIMであってもよい。
【0056】
上述の実施形態に係る特定情報記憶部12は、二次元コードであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、制御部に設けられたフラッシュメモリ、ポンプ装置10に張り付けられた銘板、又は取扱説明書に印刷された二次元コード等で特定情報記憶部12が構成されていてもよい。
【0057】
なお、特定情報記憶部12がフラッシュメモリ等にて構成されている場合には、携帯型通信端末機30とポンプ装置10とが有線又は近距離無線通信にて通信することにより、装置特定情報又はSIM情報を取得することが可能である。
【0058】
上述の第2実施形態では、パスコード特定機能及び登録実行機能を実行するソフトウェア、並びにパスコード記憶部は、携帯型通信端末機30に組み込まれていた。本開示はこれに限定されない。
【0059】
すなわち、当該開示は、例えば、パスコード特定機能又は登録実行機能が遠隔管理装置20で実行される構成、又はパスコード記憶部が遠隔管理装置20に組み込まれている構成であってもよい。
【0060】
なお、上記のパスコード記憶部が遠隔管理装置20に組み込まれている構成においては、パスコード特定機能及び登録実行機能それぞれは、ポンプ装置10、遠隔管理装置20及び携帯型通信端末機30のうちいずれかの機器で実行される構成であってもよい。
【0061】
上述の第3実施形態では、特定情報記憶部12が制御部又は開通制御部13に設けられ、パスコード記憶部が遠隔管理装置20に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、パスコード記憶部が携帯型通信端末機30に設けられた構成であってもよい。
【0062】
上述の実施形態では、装置特定情報が自動的に取得される構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、作業者が現場IDを携帯型通信端末機30に入力する構成、又は作業者が携帯型通信端末機30に表示された現場IDのリストの中から選択する構成であってもよい。
【0063】
上述の実施形態では、装着SIMの登録が正常終了したときに、遠隔管理装置20に向けて通信確認信号を送信すべき旨を通信部11に指令するとともに、遠隔管理装置20は、当該通信確認信号を受信したときに、通信部11が開通した旨を携帯型通信端末機30に送信した。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0064】
上述の実施形態に係る遠隔管理装置20は、上記の指令を発信した時から予め決められた時間内に通信確認信号を受信できなかった場合には、通信部11が開通に失敗した旨を携帯型通信端末機30に送信した。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0065】
上述の第1実施形態では、情報取得機能及び情報送信機能が携帯型通信端末機30にソフトウェアが組み込まれることにより実現され、かつ、当該ソフトウェアは、遠隔管理装置20から携帯型通信端末機30に供給された。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0066】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1… 遠距離無線通信開通システム
10… ポンプ装置
11… 通信部
12… 特定情報記憶部
20… 遠隔管理装置
21… 通信部
22… 記憶部
30… 携帯型通信端末機
100… 認証サーバ
図1
図2
図3
図4
図5