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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090949
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】オゾンミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/015 20060101AFI20220613BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20220613BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20220613BHJP
   F24F 3/16 20210101ALI20220613BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220613BHJP
【FI】
A61L9/015
C01B13/10 Z
A61L9/14
F24F3/16
F24F7/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203563
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】304065879
【氏名又は名称】株式会社 マルナカ
(71)【出願人】
【識別番号】318014588
【氏名又は名称】株式会社超微細科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】切石 壯
【テーマコード(参考)】
3L053
4C180
4G042
【Fターム(参考)】
3L053BD01
4C180AA02
4C180AA07
4C180CA01
4C180CA10
4C180CB01
4C180EA17X
4C180GG08
4C180HH01
4C180HH05
4C180KK05
4C180LL11
4C180LL15
4G042CA04
4G042CC23
4G042CE01
4G042CE04
(57)【要約】
【課題】貯水槽に蓄えている原料水の昇温を抑制して充分なオゾン濃度を有したミストを得る。
【解決手段】オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、原料となる水を蓄える貯水槽1と、水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽2と、前記貯水槽1に蓄えている水を吸込み吐出して前記反応槽2に送り込む給水ポンプ3とを具備するオゾンミスト発生装置を構成した。これにより、反応槽2で生じた熱が貯水槽1に蓄えている原料水に伝わるのを抑制する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、
原料となる水を蓄える貯水槽と、
水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽と、
前記貯水槽に蓄えている水を吸込み吐出して前記反応槽に送り込む給水ポンプと
を具備するオゾンミスト発生装置。
【請求項2】
前記給水ポンプは、前記反応槽内の水位が所定の高さを下回ったことを必要条件として前記貯水槽から反応槽に水を給水するように断続的に稼働するものである請求項1記載のオゾンミスト発生装置。
【請求項3】
前記反応槽の底が前記貯水槽の底よりも高位置にある請求項1または2記載のオゾンミスト発生装置。
【請求項4】
前記反応槽において発生したオゾンを含むミストを放散させるファンを具備する請求項1、2または3記載のオゾンミスト発生装置。
【請求項5】
オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、
原料となる水を蓄える貯水槽と、
水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽と、
前記貯水槽と前記反応槽とを接続し水を流通させる連通路を開閉する制御バルブと
を具備するオゾンミスト発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン(O3)を含むミスト(霧)を発生させて拡散するためのオゾンミスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、室内の滅菌や消臭を目的として、水を電気分解することで発生するオゾンを含むオゾン水を生成し、そのオゾン水を霧化して室内に散布せしめる装置が公知である(下記特許文献を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-157292号公報
【特許文献2】実用新案登録第3227487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のオゾンミスト発生装置は、原料となる水を蓄える貯水槽内に直に電気分解用の電極を配設するか、図4に示すように、貯水槽1と常時連通している反応槽2内に電極21を配設して、オゾン水の生成を行っている。
【0005】
しかしながら、このような構造であると、電気分解により生じる熱が貯水槽に蓄えている水に伝わり、その水温を上昇させてしまう。原料水の温度が高くなると、生成するオゾン水中のオゾンの濃度が低下するという不都合を招く。
【0006】
以上の問題に初めて着目してなされた本発明は、貯水槽に蓄えている原料水の昇温を抑制して充分なオゾン濃度を有したミストを得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するべく、本発明では、オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、原料となる水を蓄える貯水槽と、水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽と、前記貯水槽に蓄えている水を吸込み吐出して前記反応槽に送り込む給水ポンプとを具備するオゾンミスト発生装置を構成した。
【0008】
前記給水ポンプは、典型的には、前記反応槽内の水位が所定の高さを下回ったことを必要条件として前記貯水槽から反応槽に水を給水するように、断続的に稼働する。
【0009】
前記反応槽の底は、前記貯水槽の底よりも高位置に配置することができる。即ち、貯水槽と反応槽とを離間させまたは隔絶して、反応槽から貯水槽に熱がより伝わりにくい構造とすることが可能である。
【0010】
本オゾンミスト発生装置は、前記反応槽において発生したオゾンを含むミストを放散させるファンを具備することがある。
【0011】
並びに、本発明では、オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、原料となる水を蓄える貯水槽と、水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽と、前記貯水槽と前記反応槽とを接続し水を流通させる連通路を開閉する制御バルブとを具備するオゾンミスト発生装置を構成した。このようなものであっても、反応槽内の水から貯水槽内の原料水に熱が伝わりにくいようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、貯水槽に蓄えている原料水の昇温を抑制して充分なオゾン濃度を有したミストを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態におけるオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
図2】同実施形態のオゾンミスト発生装置の一例を示す外観図。
図3】本発明の変形例におけるオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
図4】従来のオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態におけるオゾンミスト発生装置の概要を示す。本オゾンミスト発生装置は、水を電気分解することで発生するオゾンを含むオゾン水を生成し、そのオゾン水を霧化して室内に散布せしめ、室内の加湿とともに滅菌や消臭を行うものである。本オゾンミスト発生装置は、オゾンミストの原料となる水、例えば水道水を蓄える貯水槽1と、水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽2と、反応槽2において発生したオゾンを含むミストを放散させるファン6と、貯水槽1に蓄えている原料水を吸込み吐出して反応槽2に送り込む給水ポンプ3とを具備する。
【0015】
本実施形態では、貯水槽1を反応槽2よりも下方に配置している。換言すれば、反応槽2の底が貯水槽1の底よりも高位置にあり、貯水槽1が反応槽2から離間または隔絶している。このことは、反応槽2で生じる熱が貯水槽1内の原料水に伝導して原料水が高温となることを抑制するために役立つ。
【0016】
反応槽2には、当該反応槽2内に注入された水を電気分解してオゾンを発生させるための電極21と、そのオゾンを含む水に振動を与えミストを発生させるための超音波振動子22とを設置している。オゾンを含んだミストは、反応槽2に面したファン6により吹き飛ばされ、吹出口5から吹出して室内に拡散する。
【0017】
給水ポンプ3は、貯水槽1から反応槽2に向けて原料水を揚水し、その原料水を反応槽2に注入する。反応槽2には、必要最小限量の水を貯留する。反応槽2の容積は貯水槽1の容積よりも小さく、反応槽2内に現存する水の量は貯水槽1に蓄える水の量よりも少ない。貯水槽1と反応槽2とを接続し原料水を流通させる連通路4、換言すればポンプにより揚水する原料水の流路の長さは、自由に設定することができる。
【0018】
給水ポンプ3は、必ずしも常時稼働するわけではない。給水ポンプ3を制御する制御器(コントローラ)7には、反応槽2内の水位を検出するセンサまたはスイッチ23を接続している。制御器7は、当該センサまたはスイッチ23を介して反応槽2内の水位を知得し、その水位が所定の高さ(下限水位)を下回ったことを必要条件として、給水ポンプ3を稼働させて貯水槽1から反応槽2に原料水を補給する。その後、反応槽2内の水位が所定の高さ(上限水位。上限水位は通常、下限水位よりも高位である)を上回ったならば、給水ポンプ3の稼働を停止し、貯水槽1から反応槽2への原料水の供給を遮断する。
【0019】
なお、制御器7が、タイマ制御により給水ポンプ3を稼働させ、及び/または、給水ポンプ3の稼働を停止する態様をとることを妨げない。何れにせよ、反応槽2内の水位を一定の範囲内に維持するように、給水ポンプ3を断続的に稼働させる。
【0020】
加えて、制御器7は、反応槽2で発生するオゾンを含むミストを放散させるファン6の稼働及び停止、ファン6の回転数または吐出風量等をも制御する。
【0021】
図2に示すように、反応槽2で発生したオゾンを含むミストを上下方向に延伸した管8を通じて上方に導き、その上端部に配したファン6及び吹出口5から室内の広範囲に拡散させることも一案である。
【0022】
本実施形態では、オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、原料となる水を蓄える貯水槽1と、水を電気分解してオゾンを発生させるとともにオゾンを含む水を霧化する反応槽2と、前記貯水槽1に蓄えている水を吸込み吐出して前記反応槽2に送り込む給水ポンプ3とを具備するオゾンミスト発生装置を構成した。
【0023】
本実施形態によれば、貯水槽1と反応槽2とを常時連通させないようにして(貯水槽1内の水と反応槽2内の水とが常時互いに交わらないようにして)、反応槽2で生じた熱が貯水槽1に蓄えている原料水に伝わるのを抑制することができる。従って、原料水が高温化せず、充分なオゾン濃度を有したミストを室内に散布することが可能となり、滅菌効果または消臭効果を享受できる。貯水槽1と反応槽2とを分離してこれらを自由にレイアウトすることも可能になる。
【0024】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、給水ポンプ3を介して貯水槽1から反応槽2に原料水を揚水して補給するようにしていたが、図3に示すように、給水ポンプ3によらず貯水槽1から反応槽2に原料水を補給する態様のオゾンミスト発生装置を構成することも考えられる。
【0025】
図3に示す変形例では、貯水槽1を反応槽2よりも上方に配置、即ち貯水槽1の底が反応槽2の底よりも高位置にあり、貯水槽1と反応槽2とを接続する連通路4を通じて貯水槽1から反応槽2に原料水を流下させる。その連通路4上には、当該連通路4を開閉する制御バルブ9を設置している。
【0026】
制御器7は、センサまたはスイッチ23を介して反応槽2内の水位を知得し、その水位が所定の高さ(下限水位)を下回ったことを必要条件として、制御バルブ9を開放して貯水槽1から反応槽2に原料水を補給する。その後、反応槽2内の水位が所定の高さ(上限水位。上限水位は通常、下限水位よりも高位である)を上回ったならば、制御バルブ9を閉止して、貯水槽1から反応槽2への原料水の流通を遮断する。制御バルブ9は、反応槽2の水位よりも高位置に設けることが好ましい。
【0027】
制御器7が、タイマ制御により制御バルブ9を開弁し、及び/または、制御バルブ9を閉弁する態様をとることを妨げない。何れにせよ、反応槽2内の水位を一定の範囲内に維持するように、制御バルブ9を断続的に開閉する。
【0028】
図3に示している変形例によっても、貯水槽1を反応槽2から離間させまたは隔絶し、反応槽2で生じる熱が貯水槽1内の原料水に伝導して原料水が高温となることを抑制することが可能である。
【0029】
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1…貯水槽
2…反応槽
3…給水ポンプ
4…連通路
6…ファン
9…制御バルブ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、
原料となる水を蓄える貯水槽と、
前記貯水槽よりも上方に配置されて同貯水槽から離間または隔絶しており、水を貯留するとともに、その水を電気分解してオゾンを発生させるための電極及びオゾンを含む水を霧化するための超音波振動子が設置された反応槽と、
前記貯水槽と前記反応槽とを接続し水を流通させる連通路と、
前記貯水槽に蓄えている水を吸込み吐出して前記連通路を通じて揚水し前記反応槽に送り込む給水ポンプと
を具備するオゾンミスト発生装置。
【請求項2】
前記給水ポンプは、前記反応槽内の水位が所定の高さを下回ったことを必要条件として前記貯水槽から反応槽に水を給水するように断続的に稼働するものである請求項1記載のオゾンミスト発生装置。
【請求項3】
前記反応槽の容積が前記貯水槽の容積よりも小さい請求項1または2記載のオゾンミスト発生装置。
【請求項4】
前記反応槽において発生したオゾンを含むミストを放散させるファンを具備する請求項1、2または3記載のオゾンミスト発生装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述した課題を解決するべく、本発明では、オゾンを含むミストを発生させて拡散するための装置であり、原料となる水を蓄える貯水槽と、前記貯水槽よりも上方に配置されて同貯水槽から離間または隔絶しており、水を貯留するとともに、その水を電気分解してオゾンを発生させるための電極及びオゾンを含む水を霧化するための超音波振動子が設置された反応槽と、前記貯水槽と前記反応槽とを接続し水を流通させる連通路と、前記貯水槽に蓄えている水を吸込み吐出して前記連通路を通じて揚水し前記反応槽に送り込む給水ポンプとを具備するオゾンミスト発生装置を構成した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記反応槽の容積は、前記貯水槽の容積よりも小さくしてよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1】本発明の一実施形態におけるオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
図2】同実施形態のオゾンミスト発生装置の一例を示す外観図。
図3】本発明に関連する参考例のオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
図4】従来のオゾンミスト発生装置の構成を模式的に示す図。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。ところで、上記実施形態では、給水ポンプ3を介して貯水槽1から反応槽2に原料水を揚水して補給するようにしていたが、図3に示すように、給水ポンプ3によらず貯水槽1から反応槽2に原料水を補給する態様のオゾンミスト発生装置を構成することも考えられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図3に示す参考例では、貯水槽1を反応槽2よりも上方に配置、即ち貯水槽1の底が反応槽2の底よりも高位置にあり、貯水槽1と反応槽2とを接続する連通路4を通じて貯水槽1から反応槽2に原料水を流下させる。その連通路4上には、当該連通路4を開閉する制御バルブ9を設置している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
図3に示している参考例によっても、貯水槽1を反応槽2から離間させまたは隔絶し、反応槽2で生じる熱が貯水槽1内の原料水に伝導して原料水が高温となることを抑制することが可能である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除
【補正の内容】