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特開2022-9096光パルス及びタッチセンサ式ディスプレイを介して通信するカード及び装置のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009096
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】光パルス及びタッチセンサ式ディスプレイを介して通信するカード及び装置のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G06K19/07 280
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021168163
(22)【出願日】2021-10-13
(62)【分割の表示】P 2020000213の分割
【原出願日】2011-05-18
(31)【優先権主張番号】61/345,659
(32)【優先日】2010-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/345,649
(32)【優先日】2010-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512298306
【氏名又は名称】ダイナミックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ミューレン ジェフリー ディー
(72)【発明者】
【氏名】ハートウィック ディヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リガッティ クリストファー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】イェン フィリップ ダブリュ
(57)【要約】
【課題】光パルス及びタッチセンサ式ディスプレイを介して通信するカード及び装置のためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】容量式タッチセンサ式スクリーンなどのタッチセンサ式スクリーンにタッチ信号を電気的に通信するタッチ送信機を含むカードを提供する。そうすることで、例えば、カードが、携帯電話機又は(タブレットコンピュータなどの)ポータブルコンピュータと直接通信できるようになる。カードは、ディスプレイ画面又は別の光源から発せられた光を介して情報を受け取る光センサを備える。従って、携帯電話機又は(タブレットコンピュータなどの)ポータブルコンピュータは、光パルスを介してカードに情報を通信することができる。光を介して通信される情報は、例えば、ポイント残高、クレジット残高、貸付残高、取引履歴、ソフトウェアの更新、クーポン、プロモーション、広告、又はその他のあらゆる種類の情報を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
メモリと、
前記メモリに記憶された情報を、前記プロセッサから受け取った制御信号を介してタッチセンサ式スクリーンに電気的に通信するタッチ送信機と、
を備えることを特徴とするカード。
【請求項2】
前記情報が、支払い情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記タッチ送信機が、導電性プレートに結合されたトランジスタを含み、前記プロセッサが、前記導電性プレートの静電容量を静電容量閾値よりも低下させるために前記トランジスタを非作動にする、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項4】
前記タッチ送信機が、導電性プレートに結合されたトランジスタを含み、前記プロセッサが、前記導電性プレートの静電容量を静電容量閾値よりも高めるために前記トランジスタを作動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項5】
前記タッチ送信機が、前記トランジスタの制御端末と前記プロセッサの間に結合された、絶縁回路を有するトランジスタを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項6】
タッチ送信機を含むカードと、
タッチセンサ式スクリーンを含む装置と、
を備え、前記タッチ送信機が、前記タッチセンサ式スクリーンを介して前記カードから前記装置に情報を通信する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記情報が、支払い情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記情報が、購入取引を完了するために前記装置が使用する支払い情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記情報が、認証情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記情報が、前記装置により実行される機能を許可するために前記装置が使用する認証情報である、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記タッチセンサ式スクリーンが、前記通信された情報を受け取る所定の位置を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記タッチセンサ式スクリーンのいずれかの部分が、前記通信された情報を受け取る、ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記タッチセンサ式スクリーンが、前記通信された情報の状態を示す状態インジケータを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記タッチセンサ式スクリーンが、前記通信された情報の状態を示す状態インジケータを含み、該状態インジケータが、前記通信された情報を受け取ったかどうかを示す、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記タッチセンサ式スクリーンが、前記通信された情報の状態を示す状態インジケータを含み、該状態インジケータが、前記通信された情報が有効であるかどうかを示す、
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
装置にカードを配置するステップと、
前記カードによってタッチをシミュレートするステップと、
前記装置によって前記シミュレートした接触を検出するステップと、
前記検出を、前記カードにより前記装置に通信されたデータとして前記装置内に記憶するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
タッチをシミュレートするステップが、前記カードの導電性プレートの静電容量を静電容量閾値よりも高めるステップを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通信されたデータが、購入取引を完了するために前記装置が使用する支払い情報である、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記通信されたデータが、前記装置により実行される機能を許可するために前記装置が使用する認証情報である、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記検出の状態を示すフィードバックを前記装置から提供するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
プロセッサと、
メモリと、
光信号を受け取る光センサと、
を備え、前記プロセッサが、前記光信号を復号して、該復号済み情報をメモリに記憶することができ、前記受け取った光信号を周波数2倍周波数(F2F)符号化することができる、
ことを特徴とするカード。
【請求項22】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の色を検出する、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項23】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の色を検出し、前記プロセッサが、前記検出した複数の色を前記復号済み情報に復号することができる、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項24】
前記光センサが、前記受け取った光信号間の色の遷移を検出する、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項25】
前記光センサが、前記受け取った光信号間の色の遷移を検出し、前記プロセッサが、前記検出した色の遷移を前記復号済み情報に復号することができる、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項26】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の強度を検出する、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項27】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の強度を検出し、前記プロセッサが、前記検出した複数の強度を前記復号済み情報に復号することができる、
ことを特徴とする請求項21に記載のカード。
【請求項28】
第1の光センサを含むカードと、
光信号を生成する装置と、
を備え、前記カードが、前記第1の光センサにより検出された前記光信号を介して前記装置から情報を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項29】
前記カードが、前記検出した光信号の期間時間から前記情報を復号するプロセッサを含む、
ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記カードが、前記検出した光信号間の期間時間から前記情報を復号するプロセッサを含む、
ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記カードが、前記検出した光信号の色から前記情報を復号するプロセッサを含む、
ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記カードが、前記検出した光信号の強度から前記情報を復号するプロセッサを含む、ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記カードが、第2の光センサをさらに備え、前記第1及び第2の光センサにより検出された前記光信号を介して前記装置から情報を受け取る、
ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
装置から光パルスを生成するステップと、
前記光パルスをカードによって検出するステップと、
前記検出した光パルスを、前記装置から前記カードに通信された情報として復号するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
前記カードの光センサが、前記光パルスの期間時間を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した期間時間を前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記カードの光センサが、前記光パルス間の期間時間を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した期間時間を前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記カードの光センサが、前記光パルスの色を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した色を前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記カードの光センサが、前記光パルス間の色の遷移を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した色の遷移を前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記カードの光センサが、前記光パルスの強度を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した強度を前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記カードの第1及び第2の光センサが、前記光パルスの強度を検出し、前記カードのプロセッサが、前記検出した光パルスを前記情報に復号する、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項41】
プロセッサ手段と、
メモリ手段と、
前記メモリ手段に記憶された情報を、前記プロセッサから受け取った制御信号を介してタッチセンサ式スクリーンに電気的に通信するタッチ送信機手段と、
を備えることを特徴とするカード。
【請求項42】
プロセッサ手段と、
メモリ手段と、
光信号を受け取る光センサ手段と、
を備え、前記プロセッサ手段が、前記光信号を復号し、該復号済み情報を前記メモリ手段に記憶することができ、前記受け取った光信号を周波数2倍周波数(F2F)符号化することができる、
ことを特徴とするカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カード及び装置、並びに関連する支払いシステムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
カードが、動的磁気通信装置を含むことができる。このような動的磁気通信装置は、磁気エンコーダ又は磁気エミュレータの形をとることができる。磁気エンコーダは、磁気媒体上の情報を変更し、この変更された磁気情報を磁気ストライプリーダが磁気媒体から読み取れるようにすることができる。磁気エミュレータは、磁気ストライプリーダにデータを直接通信する電磁場を生成することができる。このような磁気エミュレータは、磁気ストライプリーダの読み取りヘッドにデータを連続的に通信することができる。
【0003】
カードの表側及び裏側の全て又は実質的に全てを(双安定、非双安定、LCD、LED、又はエレクトロクロミックディスプレイなどの)ディスプレイとすることができる。ディスプレイの電極を1又はそれ以上の容量式タッチセンサに結合して、ディスプレイをタッチスクリーンディスプレイとして提供できるようにすることができる。あらゆる種類のタッチスクリーンディスプレイを利用することができる。このようなタッチスクリーンディスプレイは、複数のタッチポイントを判定することができる。従って、カードの表面全て又は実質的に全てにわたってバーコードを表示することができる。そうすることで、バーコードリーダなどのコンピュータビジョン装置を、表示されたバーコードを読み取る際にエラーを起こしにくくすることができる。
【0004】
カードは、動的情報を出力するためのいくつかの出力装置を含むことができる。例えば、カードは、1又はそれ以上のRFIDリーダ又はICチップリーダにそれぞれ通信するための1又はそれ以上のRFID又はICチップを含むことができる。カードは、情報を受け取るための装置を含むことができる。例えば、RFID及びICチップは、RFIDリーダ及びICチップリーダに対して、それぞれ情報の受け取り及び情報の通信の両方を行うことができる。無線情報信号を受け取るための装置を提供することもできる。光感知装置又は音感知装置を利用して、無線で情報を受け取ることができる。カードは、(RFID、ICチップ、及び動的磁気ストライプ通信装置などの)1又はそれ以上の出力装置を通じてデータを同時に通信する中央処理装置を含むことができる。この中央処理装置は、(RFID、ICチップ、動的磁気ストライプ装置、光感知装置及び音感知装置などの)1又はそれ以上の入力装置から同時に情報を受け取ることができる。プロセッサを表面接点に結合して、このプロセッサが、例えばEMVチップなどの処理能力を実行できるようにすることができる。このようなプロセッサがカードの表面に露出されないように、プロセッサをラミネート処理して露出されないようにすることができる。
【0005】
カードは、作動すると動的磁気ストライプ通信装置を通じてコードが通信されるようになるボタンを備えることができる(例えば、その後、カード上の読み取りヘッド検出器が読み取りヘッドを検出する)。このコードは、例えば(支払い機能などの)機能を示すことができる。カードは、(例えば、カードのボタンに対する)手動入力を介して、又は(光信号、電磁気通信信号、音声信号、又はその他の無線信号などの)無線送信を介してこのコードを受け取ることができる。このコードを、(光及び/又は音などを介して)ウェブページからカードに通信することができる。カードは、受け取ったコードをユーザに対して視覚的に表示できるようにディスプレイを含むことができる。そうすることで、ユーザに、店内環境を通じて(例えば、磁気ストライプリーダを介して)、又はオンライン環境を通じて(例えば、ディスプレイからコードを読み取り、このコードをオンライン購入取引の精算ページ上のテキストボックスに入力することにより)コードを選択して使用する方法を提供することができる。このコードを支払い許可サーバなどのリモートサーバが受け取り、受け取ったコードに基づいて別様に支払いを処理することができる。例えば、コードは、購入取引を許可するためのセキュリティコードであってもよい。コードは、(クレジットカード番号などの)単一の支払い口座番号を通じて、ポイント払い、引き落とし払い、クレジット払い、分割払い、又は代金後払いで購入を行えるように支払い機能を提供して、ユーザと、ユーザが利用したいと望む支払いの種類を選択するための支払い機能コードとを確認することができる。
【0006】
動的磁気ストライプ通信装置は、(コイルなどの)インダクタを含む磁気エミュレータを含むことができる。このコイルを通じて電流を供給し、磁気ストライプリーダの読み取りヘッドと通信する電磁場を形成することができる。駆動回路は、コイル内を移動する電流量を変動させて、磁気ストライプデータのトラックを磁気ストライプリーダの読み取りヘッドに通信できるようにすることができる。(トランジスタなどの)スイッチを提供して、例えば周波数/2倍周波数(F2F)符号化アルゴリズムに従って電流の流れを有効又は無効にすることができる。そうすることで、データビットを通信することができる。
【0007】
カードは、別の装置上の容量式タッチセンサを作動させることができるタッチ送信機を含み、ユーザがこの容量式タッチセンサに指で物理的に触れたことを他の装置が確信するようにすることができる。従って、タッチ送信機は、携帯電話機、タブレットコンピュータ装置上に位置する容量式タッチスクリーン、或いはラップトップコンピュータ又は固定コンピュータの容量式タッチスクリーンなどの容量式タッチスクリーンを作動させることができる。従って、タッチ送信機は、容量式タッチスクリーン上のタッチセンサを特定の方法で作動及び非作動にすることにより、(携帯電話機などの)装置に情報を通信することができる。例えば、タッチ送信機は、容量式タッチスクリーンセンサを時間に関連して作動及び非作動にすることにより、情報を連続的に通信することができる。従って、タッチ送信機は、F2F符号化を使用して容量式タッチセンサを介して情報を通信することができ、この場合、作動時に、又は例えば作動時と非作動時に状態遷移が生じる。このようにして、カードは、いずれの物理的接続又は専用通信プロトコルの使用も必要とせずに、容量式タッチスクリーンを備えた携帯電話機、又は容量式タッチスクリーンを備えたいずれかの装置に情報を直接通信することができる。タッチスクリーンを有する装置上では、1又はそれ以上のタッチ送信機によってバッテリ式支払いカードなどの装置から提供された情報を判断するソフトウェアプログラムを実行することができる。例えば、このソフトウェアプログラムは、状態遷移間の時間を測定することによって異なるビットの情報を判断することができる。例えば、状態遷移間の特定の時間を1つのビットの情報(例えばそれぞれ「0」又は「1」)として判断することができる。状態遷移間の別の特定の時間を異なるビットの情報(例えばそれぞれ「1」又は「0」)として判断することができる。タッチ送信機から提供されるメッセージは、ソフトウェアプログラムがこの特定ビットの時間期間を追尾、追跡又は特定して、将来受け取るビットを正しく判断できるようにする、特定のビットの特定の長さのストリング(例えば、4又は5ビット)を最初に含むことができる。1つのビットの情報に関連する1つの特定の時間は、異なるビットの情報に関連する別の特定の時間の約2倍の長さの期間時間とすることができる。
【0008】
カード又はその他の装置は、1又はそれ以上のタッチ送信機を利用してあらゆる種類の情報を通信することができる。例えば、カードは、タッチ送信機を利用して支払いカード番号及び関連データ(例えば、支払いコード及び有効期限などの関連する任意のデータ)を通信して、支払い購入を完了できるようにすることができる。例えば、カードは、タッチ送信機を利用して、トラック1、トラック2及び/又はトラック3の磁気ストライプ情報を装置に通信することができる。磁気ストライプ情報を受け取る装置上には、タッチスクリーンから受け取った磁気ストライプデータに基づいて購入取引を完了させるソフトウェアプログラムを提供することができる。別の例によれば、容量式タッチスクリーンに(例えば、支払いデータ及び/又はその他のデータに加えて)ユーザ選択を通信できるように、カードが、このカード上の1又はそれ以上のユーザ選択を示す情報を通信することができる。さらに別の例によれば、容量式タッチスクリーンを有する装置にメッセージを通信して通信の状態を提供することができる。例えば、カードは、メッセージがまさに送信されようとしている旨、又はメッセージの転送を完了した旨のメッセージを、装置の容量式タッチスクリーンを介して装置に通信することができる。カードは、カード自体を装置に対してセキュアに識別できるように、識別情報及びパスワード情報を通信することもできる。
【0009】
カードは、容量式タッチスクリーンを有する装置から情報を受け取って、容量式タッチスクリーンを利用して装置と双方向通信を行えるようにすることができる。例えば、カードは、容量式タッチディスプレイから発せられる光パルスを介して情報を受け取ることができる。より詳細には、例えば(携帯電話機などの)装置に、光を介してカードにメッセージを送り、タッチを介してカードからメッセージを受け取るソフトウェアプログラムをインストールすることができる。双方向通信は、並行して生じることがある(例えば、カードからタッチパルスを受け取ると同時にカードに光パルスを送信することができる)。双方向通信は、連続して生じることもある(例えば、カードがタッチを介して通信を行い、このカードの通信後にカードが光を介して装置から通信を受け取り、この装置の通信後にカードがタッチを介して通信を行うことができる)。装置は、光パルスを介してバッテリ式カード(又はその他の装置)に識別情報及びパスワード情報を通信し、バッテリ式装置が通信装置をセキュアに識別できるようにすることができる。このようにして、2つの装置が互いを識別できるようにハンドシェイクを開始し、これらの装置間でセキュアな通信チャネルを開始することができる。これらの装置の少なくとも一方は、(電話通信チャネルなどを介して)リモートサーバと通信してこの装置と通信する装置に関する情報を受け取り、受け取った識別情報及びパスワード情報をリモートサーバが識別できるようにすることができる。例えば、これらの装置のいずれか一方に、複数の装置の識別情報及びパスワード情報をローカルに記憶することができる。
【0010】
双方向通信により、例えばこれらの2つの装置間でハンドシェイクを行って、各装置を識別するとともに光パルス及びタッチパルスを介してセキュアな通信チャネルを設定できるようにすることができる。また、光及び/又はタッチを介して、例えばメッセージの受け取りを示す情報を通信することもできる。例えば、音又は電磁気パルスなどを介した他の方法で情報を通信することもできる。メッセージの前後に同期信号を通信することもできる。例えば、カード又はその他の装置が、信号内で送信される情報のタイミングを追跡できるように、全てのメッセージの前に特定のビットのストリング(複数の「0」など)を出現させることができる。例えば、「短い」タッチパルスを通じて0を送信することができ、「長い」タッチパルスを通じて1を送信することができる。信号を同期させる際には、受信装置は、「短い」タッチパルス対「長い」タッチパルスの期間時間をトレーニングすることができる。「短い」タッチパルスは、容量センサを作動させる間の時間、又はタッチセンサの作動と非作動の間の時間であってもよい。
【0011】
カードは、1又はそれ以上の光センサ、タッチ送信機、容量式タッチセンサ、及び/又は光エミッタを含むことができる。従って、このようなカードの2つの例は、光を介して、及び容量式タッチを介して、双方向に通信を行うことができる。
【0012】
(携帯電話機などの)装置上には、ウェブページ又はその他のグラフィックユーザインターフェイスを表示することができ、これらは、光情報を通信すること及びタッチ情報を受け取ることの両方を通じてカードと相互作用し、この情報をリモートサーバに通信することができる。このようなリモートサーバは、例えば購入又はその他の取引を完了させるために利用される認証サーバであってもよい。このようにして、ユーザは、例えばユーザの支払い情報をウェブサイトにロードする必要がなくなる。代わりに、例えばユーザは、様々な購入するアイテムを収集し、タッチ通信カードでの支払いを選択することができる。この時点で、ユーザは、(携帯電話機又はポータブルコンピュータなどの)装置のディスプレイに対してカードを保持し、支払い許可を求めてウェブサーバを介してリモートサーバに支払い情報をセキュアに通信することができる。
【0013】
カード上のタッチ送信機は、例えば本質的に機械的なものであっても、又は電子的なものであってもよい。例えば、機械的スイッチは、特定の静電容量を有する導電材料を、異なる特定の静電容量を有する別の導電材料に物理的に接続することができる。そうすることで、例えば、機械的スイッチは、容量式タッチスクリーンに情報を通信するために、導電領域が指の静電容量に近い静電容量を有しているかどうかを判定することができる。別の例によれば、(特定の静電容量を有する特定の静電界などの)特定の静電容量を電気的に提供する回路をプレート上に提供することができる。そうすることで、マイクロプロセッサは、(携帯電話機などの)装置の容量式タッチスクリーン上の1又はそれ以上の容量式タッチセンサを電子的にトリガすることができる。
【0014】
カードは、ユーザが容量式タッチセンサを指で物理的に触れたことを他の装置が確信するように、別の装置上の容量式タッチセンサを作動させることができるタッチ送信機を含むことができる。従って、タッチ送信機は、携帯電話機、タブレットコンピュータ装置上に見られる容量式タッチスクリーン、或いはラップトップコンピュータ又は固定コンピュータの容量式タッチスクリーンなどの容量式タッチスクリーンを作動させることができる。従って、タッチ送信機は、容量式タッチスクリーン上のタッチセンサを特定の方法で作動及び非作動にすることにより、(携帯電話機などの)装置に情報を通信することができる。例えば、タッチ送信機は、容量式タッチスクリーンセンサを時間に関連して作動及び非作動にすることにより、連続的に情報を通信することができる。従って、タッチ送信機は、F2F符号化を使用して容量式タッチセンサを介して情報を通信することができ、この場合、作動時に、又は例えば作動時と非作動時に状態遷移が生じる。このようにして、カードは、いずれの物理的接続又は専用通信プロトコルの使用も必要とせずに、容量式タッチスクリーンを備えた携帯電話機、又は容量式タッチスクリーンを備えたいずれかの装置に直接情報を通信することができる。
【0015】
カード又はその他の装置は、1又はそれ以上の光センサを有することができる。このような光センサは、例えば1又はそれ以上のフォトレジスタ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光を感知する発光ダイオード、或いは光を識別し、又は光を電気エネルギーに変換するその他のあらゆる装置を含むことができる。このような光センサは、光を介して情報を受け取ることができる。例えば、1又はそれ以上の光センサが光パルスを受け取り、1又はそれ以上の光センサを含む装置のメモリに記憶された1又はそれ以上の情報符号化スキームに基づいて、このような光パルスを情報に識別することができる。
【0016】
複数の光センサを提供することができる。1又はそれ以上の光センサは、例えばある期間にわたって異なるパルス又は光のパターンを生成するディスプレイ上の1つの領域から情報を受け取ることができる。各光センサは、例えばディスプレイ上の異なる光領域から情報を受け取ることができる。光領域は、例えば(赤、青、緑などの)異なる色の光を送信することによって光を通信することができ、或いは(黒及び白などの)2色の光間で交互に変化することによって情報を通信することができる。例えば、時間に基づく光の色の遷移に基づいて情報を通信することができる。例えば、1つの色から別の色への遷移を(バッテリ式支払いカードなどの)装置による遷移として判断することができる。遷移は、(黒などの)特定の色から(白などの)別の色への変化であってもよい。或いは、遷移は、(黒又は白などの)いずれかの色から(それぞれ白又は黒などの)異なる色への変化であってもよい。このような遷移間の時間期間を利用して、特定のビットの情報を判断することができる。例えば、遷移間の時間が「短い」場合を(「0」又は「1」などの)1つのビットとし、遷移間の時間が「長い」場合を(「1」又は「0」などの)異なるビットとすることができる。そうすることで、例えば、異なるフレームレートのディスプレイにわたって同じ符号化スキームを使用して同じ情報を通信することができる。データメッセージの前及び/又は後に一連のトレーニングパルスを送信して、1又はそれ以上の光パルスから情報を受け取るプロセッサが、「短い」期間と「長い」期間の違いを識別できるようにすることができる。例えば、(3つ、4つ又は5つの「0」又は「1」などの)いくつかのビットをいずれかのデータメッセージに先行させて、これらを、プロセッサがメッセージの前に受け取る情報であると知らしめることができる。このような既知のビットを例えば「短い」期間として、プロセッサが、「短い」期間のおおよその期間時間を判断し、これを利用して将来の遷移間の「短い」期間又は「長い」期間を判断できるようにすることができる。或いは、例えば、プロセッサは、データメッセージにわたる遷移情報及びタイミング情報を識別し、受け取ったデータに基づいて、他の期間に対して「長い」遷移期間を判断することができる。そうすることで、プロセッサは、受け取った遷移情報からデータを識別することができる。「長い」遷移期間を例えば「短い」遷移期間の約2倍の長さとすることができる。「長い」遷移期間を、例えば「短い」遷移期間よりも少なくとも25パーセント長い時間とすることもできる。2つよりも多くの長さの遷移間隔を利用することもできる。例えば、「短い」「中程度の」「長い」及び「非常に長い」遷移間隔を利用して、情報の4つの状態を装置に伝えることができる。
【0017】
ディスプレイの複数の領域を利用して、光を介して(例えば、携帯電話機、ポータブルコンピュータ装置、又はその他の装置を介して)装置に情報を通信することができる。各領域は、異なるトラックの情報を通信することができる。特定の時点における各光領域の状態に基づいてトラックの情報を通信することもできる。例えば、1つの領域が、特定の時間中に特定の色であり、別の領域が、同じ時間中に異なる色である場合、特定の時間中におけるこれらの状態の特定の組み合わせがデータ情報に相関することができる。
【0018】
複数の光センサにより、(装置に光情報を提供するディスプレイの複数の領域を介して)複数の独立した通信トラックを介して同時にデータが通信されるようにすることができる。例えば、4つの光センサは、4つのデータメッセージを同時に独立して受け取ることができる。或いは、例えば、複数の光センサを利用して単一のメッセージを受け取ることもできる。従って、複数の光センサを利用して、単一の光センサよりも速く単一のメッセージを受け取ることができる。例えば、2よりも多くの(例えば、2値よりも多くの)状態で情報を通信することができる。例えば、第1の光センサが白を受け取って第2の光センサが黒を受け取った場合、「0」とすることができる。第1の光センサが白を受け取って第2の光センサも白を受け取った場合、「1」とすることができる。第1の光センサが黒を受け取って第2の光センサが白を受け取った場合、「2」とすることができる。第1の光センサが黒を受け取って第2の光センサも黒を受け取った場合、「3」とすることができる。
【0019】
複数の光センサをセンサアレイ内で利用して、単一の光領域からの同じデータを判断することができる。各センサから複数のサンプルを採取することができる。これらの各センサからの複数のサンプルをともに平均化することができる。このサンプルアレイの各センサからの平均化したサンプルを利用して情報を判断することができる。例えば、プロセッサが、遷移が生じたと判断できるように、アレイ内のセンサの大部分又は圧倒的多数は、遷移が生じた時に、遷移を示す平均的サンプルをある時間にわたって提供する必要があり得る。光センサのサンプリングレートは、例えば毎秒10サンプルよりも多くすることができる。例えば、プロセッサは、光センサから毎秒20回よりも多くの(例えば、毎秒50回よりも多くの)サンプルを採取することができる。
【0020】
単一の光センサは、様々な方法で連続的に情報を受け取ることができる。例えば、(白対黒などの)特定のパルス幅の異なる色を提供することによって光を通信することができる。標準的な黒の幅を同期に利用することができる。白のパルスが黒と同じ幅の場合、「0」とすることができる。白のパルスが黒のパルスの2倍の幅の場合、「1」とすることができる。白のパルスが黒のパルスの3倍の幅の場合、「2」とすることができる。従って、例えば、このようなスキームにより、フレームレートに関わらず、ディスプレイによって情報が通信されるようにすることができる。1つの期間時間の1つの種類の光を別の期間時間の別の種類の光と比較することにより、フレームレートに関わらず情報を通信することができる。
【0021】
単一の光センサは、例えば周波数2倍周波数符号化を通じて情報を連続的に受け取ることができる。特に、例えばプロセッサは、光センサから、光センサにより感知された光を示す電気信号を受け取ることができる。白と黒を切り替えることにより、光センサを介してプロセッサに情報をパルス出力することができる。白から黒及び黒から白への遷移のタイミングを利用して情報を通信することができる。メッセージの前にいくつかの同期パルスを通信して、プロセッサが(「0」又は「1」などの)特定のビットの周期を追跡できるようにすることができる。遷移間の期間時間が短い場合には、(「0」などの)第1のデータビットとすることができ、遷移間の期間時間が長い場合には、(「1」などの)第2のデータビットとすることができる。このようなスキームは、ディスプレイのフレームレートとは無関係とすることができる。従って、例えば、装置ごとにフレームレートが異なるかどうかに関わらず、テレビのディスプレイ、コンピュータのモニタ、及び携帯電話機を介して情報を通信することができる。
【0022】
カードは、容量式タッチスクリーンを有する装置から情報を受け取って、容量式タッチスクリーンを利用する装置と双方向通信を行えるようにすることができる。例えば、カードは、容量式タッチディスプレイから発せられる光パルスを介して情報を受け取ることができる。より詳細には、例えば(携帯電話又はタブレットコンピュータ装置などの)装置に、光を介してカードにメッセージを送り、タッチを介してカードからメッセージを受け取るソフトウェアプログラムをインストールすることができる。双方向通信は、並行して生じることがある(例えば、カードからタッチパルスを受け取ると同時にカードに光パルスを送信することができる)。双方向通信は、連続して生じることもある(例えば、カードがタッチを介して通信を行い、このカードの通信後にカードが光を介して装置から通信を受け取り、この装置の通信後にカードがタッチを介して通信することができる)。
【0023】
双方向通信により、例えばこれらの2つの装置間でハンドシェイクを行って、各装置を識別するとともに光パルス及びタッチパルスを介してセキュアな通信チャネルを設定できるようにすることができる。このようなセキュアな通信チャネルは、1又はそれ以上の(例えば3つの)情報トラックを有することができる。また、例えば、光及び/又はタッチを介してメッセージの受け取りを示す情報を通信することもできる。メッセージの前後に、同期信号を通信することもできる。例えば、カード又はその他の装置が、信号内で送信される情報のタイミングを追跡できるように、全てのメッセージの前に特定の複数のビットのストリング(複数の「0」など)を出現させることができる。例えば、「短い」タッチパルスを通じて0を送信することができ、「長い」タッチパルスを通じて1を送信することができる。信号を同期する際には、受信装置が、「短い」タッチパルスと「長い」タッチパルスの期間時間をトレーニングすることができる。「短い」タッチパルスは、容量センサを作動させる間の時間、又はタッチセンサの作動と非作動の間の時間であってもよい。
【0024】
カード又は(携帯電話機などの)その他の装置は、1又はそれ以上の光センサ、タッチ送信機、容量式タッチセンサ、及び光エミッタを含むことができる。従って、このようなカードの2つの例は、光及び容量式タッチを介して双方向に通信することができる。
【0025】
全体を通じて同じ参照番号が同じ構造要素を示す以下の図面とともに以下の詳細な説明を検討すれば、本発明の原理及び利点をより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図2】本発明の原理によって構成されたグラフィックユーザインターフェイスを示す図である。
図3】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図4】本発明の原理によって構成されたシステムの概略図である。
図5】本発明の原理によって構成されたカードの概略図である。
図6】本発明の原理によって構成されたグラフィックユーザインターフェイスを示す図である。
図7】本発明の原理によって構成されたシステムを示す図である。
図8】本発明の原理によって構成されたシステムを示す図である。
図9】本発明の原理によって構成された装置を示す図である。
図10】本発明の原理によって構成された装置を示す図である。
図11】本発明の原理によって構成された装置を示す図である。
図12】本発明の原理によって構成されたフローチャートを示す図である。
図13】本発明の原理によって構成されたフローチャートを示す図である。
図14】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図15】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図16】本発明の原理によって構成されたネットワークトポロジを示す図である。
図17】本発明の原理によって構成された装置を示す図である。
図18】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図19】本発明の原理によって構成されたグラフィックユーザインターフェイスを示す図である。
図20】本発明の原理によって構成されたカードを示す図である。
図21】本発明の原理によって構成されたシステムの概略図である。
図22】本発明の原理によって構成されたシステムの概略図である。
図23】本発明の原理によって構成された信号を示す図である。
図24】本発明の原理によって構成された信号を示す図である。
図25】本発明の原理によって構成されたスキームを示す図である。
図26】本発明の原理によって構成されたシステムを示す図である。
図27】本発明の原理によって構成されたシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に、例えば、ディスプレイ112を介して全体的に又は部分的に表示できる動的数字を含むことができるカード100を示す。動的数字は、例えば不変部分111などの不変部分を含むことができる。不変部分111は、カード100に印刷してもよく、エンボス加工又はレーザエッチングしてもよい。カードには、複数のディスプレイを設けることができる。例えば、ディスプレイ113を利用して、動的セキュリティコードなどの動的コードを表示することができる。また、ディスプレイ125を設けて、ロゴ、バーコード、及び複数行の情報を表示することができる。ディスプレイは、双安定ディスプレイであっても、又は非双安定ディスプレイであってもよい。(ユーザの氏名又はユーザ名などの)ユーザ固有の情報、又は(カード発行日及び/又はカードの有効期限などの)カード固有の情報などの情報を含むことができる不変情報119を含めることもできる。カード100は、ボタン130~134などの1又はそれ以上のボタンを含むことができる。このようなボタンは、機械的ボタンであっても、容量ボタンであっても、又は機械的ボタンと容量ボタンの組み合わせであってもよい。(ボタン130などの)ボタンを使用して、例えば、ユーザが通信したいと望む単一トラックの磁気ストライプ情報を示す情報を、動的磁気ストライプ通信装置を通じて通信することができる。当業者であれば、関連する読み取りヘッド検出器が磁気ストライプリーダの読み取りヘッドの存在を検出した場合、(ボタン130などの)ボタンを押すことにより、動的磁気ストライプ通信装置を通じて情報を通信できるようになると理解するであろう。ボタン130を利用して、(例えば、ボタン130が押された後、及び読み取りヘッドがリーダの読み取りヘッドを検出した後に)ユーザ選択を示す情報を通信する(例えば、2トラックの磁気ストライプデータを通信する)ことができる。カードに複数のボタンを提供し、各ボタンを異なるユーザ選択に関連付けることができる。カード100は、例えばタッチ送信機126及び光センサ127を含むことができる。
【0028】
アーキテクチャ150は、あらゆるカードとともに利用することができる。アーキテクチャ150は、プロセッサ120を含むことができる。プロセッサ120は、(ドライブコードなどの)情報を記憶するためのオンボードメモリを有することができる。あらゆる数の構成要素が、プロセッサ120に通信を行い、及び/又はプロセッサ120から通信を受け取ることができる。例えば、プロセッサ120に、(ディスプレイ140などの)1又はそれ以上のディスプレイを結合することができる。当業者であれば、特定の構成要素とプロセッサ120の間に構成要素を配置できると理解するであろう。例えば、ディスプレイ140とプロセッサ120の間にディスプレイ駆動回路を結合することができる。プロセッサ120には、メモリ144を結合することができる。メモリ144は、特定のカードに固有のデータを含むことができる。例えば、メモリ144は、(図1のカード100などの)カードのボタンに関連する任意のデータコードを記憶することができる。このようなコードをリモートサーバが認識して、特定の動作をもたらすことができる。例えば、(カード発行者のウェブサイトに結合されたリモートサーバなどの)リモートサーバによってプロモーションが行われるようにするコードをメモリ144に記憶することができる。メモリ144は、プロモーションの種類を記憶することができ、これをユーザが装置にダウンロードし、使用するために装置上で選択することができる。各プロモーションをボタンに関連付けることもできる。或いは、例えば、ユーザが、カードの表側のディスプレイ上で(例えば、リストをスクロールするボタンを使用して)プロモーションのリストをスクロールすることもできる。ユーザは、手動入力インターフェイスを介して、ディスプレイ125上の表示された選択肢に対応する支払いタイプをカード100上で選択することができる。選択された情報は、動的磁気ストライプ通信装置を介して磁気ストライプリーダへ通信することができる。また、選択された情報を、容量センサ又は他の種類のタッチ感知式センサを有する(携帯電話機などの)装置に通信することもできる。
【0029】
カード100は、例えばあらゆる数のタッチ送信機126又は光センサ127を含むことができる。タッチ送信機126を利用して、例えば、容量式又はその他のタッチスクリーン上のタッチセンサを作動及び非作動にすることができる。そうすることで、タッチスクリーンを有する装置は、カードが実際に装置に物理的命令を与えている時に、ユーザが物理的命令を物理的に装置に与えていると確信することができる。光センサ127を利用して、ディスプレイ画面又はその他の発光装置が、光を介して光センサ127に情報を通信できるようにすることができる。
【0030】
アーキテクチャ150には、あらゆる数のリーダ通信装置を含めることができる。例えば、ICチップリーダに情報を通信するためのICチップ152を含めることができる。ICチップ152は、例えばEMVチップであってもよい。別の例によれば、RFIDリーダに情報を通信するためのRFID151を含めることができる。また、磁気ストライプリーダに情報を通信するための磁気ストライプ通信装置を含めることもできる。このような磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに電磁信号を供給することができる。磁気ストライプリーダに異なる電磁信号を通信して、異なるトラックのデータを提供することができる。例えば、電磁場発生器170、180及び185を含めて、磁気ストライプリーダに別個のトラックの情報を通信することができる。このような電磁場発生器は、(軟磁性材料及び非磁性材料などの)1又はそれ以上の材料を巻き付けたコイルを含むことができる。各電磁場発生器は、特定の磁気ストライプトラック用の磁気ストライプリーダの受信機に情報を連続的に通信することができる。読み取りヘッド検出器171及び172を利用して、(磁気ストライプリーダの読み取りヘッドハウジングなどの)磁気ストライプリーダの存在を感知することができる。この感知した情報をプロセッサ120に通信して、プロセッサ120が、電磁場発生器170、180及び185から磁気ストライプリーダの読み取りヘッドハウジング内の磁気ストライプトラック受信機に情報を連続的に通信するようにすることができる。従って、磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに通信される情報をいつでも変更することができる。プロセッサ120は、例えば、RFID151、ICチップ152、及び電磁場発生器170、180及び185を通じて、(購入許可サーバなどの)リモート情報処理サーバに結合されたカードリーダにユーザ固有の情報及びカード固有の情報を通信することができる。プロセッサ120は、駆動回路141を利用して、例えば電磁場発生器170、180及び185を制御することができる。
【0031】
アーキテクチャ150は、例えばタッチ送信機142及び光センサ143を含むこともできる。アーキテクチャ150は、タッチ送信機142から情報を通信し、光センサ143から情報を受け取ることができる。プロセッサ120は、タッチ送信機142を通じて情報を通信し、受け取った情報を光センサ143が判断することができる。プロセッサ120は、例えば、後でタッチ送信機142を介して通信する情報をメモリ144に記憶することができる。
【0032】
図2に、例えば、固定コンピュータ又はポータブルコンピュータ、携帯電話機、タブレットコンピュータ、ナビゲーションシステム、腕時計、カード、又はディスプレイ画面を有するあらゆる装置から表示できるグラフィックユーザインターフェイス(GUI)200を示す。グラフィックユーザインターフェイス200は、例えばサーバからホストすることができ、多くの追加サーバと通信することができる。例えば、購入取引を完了させるために、このグラフィックユーザインターフェイス200をウェブブラウザ、又は装置から実行される他のアプリケーション上に提供することができる。GUI200は、例えば、ユーザがカード番号、カードタイプ、有効期限、セキュリティコード、氏名、住所及び郵便番号を入力するための入力テキストボックスを含むことができる。例えば、許可を求めてこれらの情報をリモートサーバに通信するための提出ボタン(図示せず)を含めることができる。例えば、追加の任意の支払いデータ又は発送先用のテキストボックスなどの追加のテキストボックスを含めることもできる。
【0033】
GUI200は、状態エリア270によって囲まれた通信エリア280を有することもできる。通信エリア280を利用して、例えば、光出力及び触覚入力を介してカード又はその他の装置へ/からデータを通信することができる。状態エリア270を利用して、ユーザに通信状態を通信することができる。
【0034】
従って、例えば、GUI200は、GUI200を提供するディスプレイ上に存在するタッチセンサを介してカードから支払い情報を受け取ることができる。GUI200は、(光パルスなどの)光を介してカードに情報を通信することができる。従って、例えば、カードとGUI200の間でセキュアな通信を行うことができる。テキストボックス内には、情報を表示することができる(例えば、テキストボックスを完全に又は部分的にオートフィルすることができる)。或いは、例えば情報を表示しなくてもよい。状態エリア270は、例えば、処理が進行中である旨をユーザに示すための(黄色などの)特定の色の光を提供することができる。処理の開始前には、(赤などの)異なる色の光を表示することができる。さらに、処理の完了後には、(緑などの)異なる色の光を表示することができる。
【0035】
情報は、暗号化形式でGUI200に通信することができる。その後、GUI200は、例えば情報を復号し、又は暗号化されたメッセージを処理のためにリモートサーバに転送することができる。そうすることで、例えば、GUI200を保護されてない機密情報に接触させなくて済むようになる。カードからGUIに通信される情報は、例えば、カード番号、カードタイプ、有効期限、セキュリティコード、郵便番号、住所、電子メールアドレス、発送先、追加の任意のデータ、ユーザが選択した支払いコードを示す任意のデータ、又はその他のあらゆる種類の情報を含むことができる。カードは、例えば暗号化鍵、並びに装置のハンドシェイク及びセキュアな通信プロトコルのためのその他のデータを通信することもできる。カードは、例えばタッチ送信機を介して、カードが生成した電子メールアドレス及びパスワードを通信することもできる。そうすることで、例えば電子メールアドレス及びパスワードに基づいて支払いを許可することができる。ユーザは、カード又はその他の装置に金額を入力し、タッチベースの通信を介してカードからGUI200に通信を行うこともできる。
【0036】
カード上には、1又はそれ以上の光センサ又はタッチ送信機を位置付けることができる。例えば、カードの反対端にタッチ送信機を位置付けることができる。ユーザは、(ダウンロードボタンなどの)ボタンにタッチして、このタッチ送信機を介してデータの通信を開始することができる。GUIは、例えば1又はそれ以上のタッチ送信機が通信エリア280内に位置しているかどうかを判定することができる。カードの位置が合っていなければ、通信エリア280内にカードが正しく位置合わせされるまで(状態エリア270が、特定のテキスト又は色を点滅又は表示させることなどの特定の動作を行うことなどにより)ユーザに通知を行うことができる。通信エリア280は、カードが再び位置合わせされてユーザに(「ダウンロード」ボタンなどの)特定のボタンを押すことを要求しないようになった旨の情報を、カード又はその他の装置に光を通じて通信し返すことができる。そうすることで、GUI200は、通信エリア280に接して保持されたカード又はその他の装置に、光を介して通信状態を通信し返すことができる。
【0037】
図3に、縦型構成で提供できるカード300を示す。カード300は、例えば、発行者ロゴ310、ネットワークロゴ370、ディスプレイ350、手動入力インターフェイス341~343、タッチ送信機320、光センサ330、不変印351、362及び363を含むことができる。当業者であれば、ディスプレイ350を介してあらゆる不変印を提供できると理解するであろう。例えば、ディスプレイ350を介して、1又はそれ以上の支払いカード番号、ユーザの氏名、有効期限及びセキュリティコードを提供することができる。当業者であれば、タッチ送信機320及び/又は光センサ330をカードの隅近くに配置できると理解するであろう。タッチ送信機320をカードの隅近くに配置することにより、容量式タッチスクリーンの一部上にカードの隅を置き、容量式タッチスクリーン上にカード全体を置く必要なくデータを通信できるようになる。ディスプレイ350を利用して、例えば15桁又は16桁のクレジットカード番号又はデビットカード番号などの支払いカード番号を表示することもできる。手動入力インターフェイス341は、例えばユーザが選択肢リストの(左方向又は上方向などの)特定の方向にスクロールを行えるようにすることができる。手動入力インターフェイス343は、例えばユーザが選択肢リストの(右方向又は下方向などの)異なる方向にスクロールを行えるようにすることができる。手動入力インターフェイス342は、例えばユーザが選択肢リストから選択肢を選択できるようにすることができる。
【0038】
図4に、携帯電話機490及び(支払いカードなどの)装置410を含むことができるシステム400を示す。装置410は、例えば、通信を示す状態を表示できるディスプレイ420を含むことができる。装置410のディスプレイ420とは逆側の面に、タッチ送信機及び/又は光センサを提供することができる。このようにして、例えば装置410が、携帯電話機490に接して保持された時には携帯電話機490と通信できるが、ディスプレイ420を介して通信状態を示す情報を通信できるようにもすることができる。
【0039】
装置490は、ハウジング491、ボタン495、及び容量式タッチディスプレイ画面499を含むことができる。装置410は、タッチ送信機を利用して、例えば携帯電話機490に情報を通信することができる。当業者であれば、携帯電話機490上でモバイルバンキングアプリケーションを利用できると理解するであろう。不正を低減するために、装置410を利用して個人を正しくセキュアに識別することができる。従って、装置410は、識別情報、及び時間に基づくコード又は使用に基づくコードなどのセキュリティコードを、ディスプレイ499を介して装置490に通信することができる。従って、例えばバンキングアプリケーションは、バンキング情報にアクセスし、(株取引又はオプション取引などの)金銭的取引を実行し、送金を行い、又は電子小切手を通じて支払いを行うために、このような識別情報を要求することができる。
【0040】
図5に、例えば、タッチ送信機541、光センサ542、発光ダイオード561及び562、ボタン571及び572、不変情報520及び530、並びに光センサ543及びタッチ送信機544を含むことができる装置500を示す。
【0041】
当業者であれば、複数のタッチ送信機によってタッチスクリーンにデータを同時に並行して通信できると理解するであろう。同様に、例えば複数の光センサは、ディスプレイ画面からデータを同時に並行して受け取ることができる。これらの情報は、例えば異なるものであっても、又は同じものであってもよい。異なるタッチ送信機を通じて同じ情報を通信することにより、装置は2つのメッセージを受け取り、この2つのメッセージが同じものであれば通信の受け取り確認することができる。例えば装置上のソフトウェアがタッチ送信機を利用して、関連するタッチスクリーン上の装置500の位置を判断することができる。同様に、光センサを利用して、例えば関連するタッチスクリーン上の装置500の位置を示す情報を受け取ることができる。カードの(タッチ送信機などの)電子部品を単一層又は多層のフレキシブルプリント基板上に提供して、ホットラミネーション又はコールドラミネーション処理を通じてラミネート加工することができる。(光、温度、圧力及び/又は化学処理などを介した)電子部品のパッケージ化及び硬化に関する1又は複数種の液体を提供できる注入処理を利用してカードを形成することができる。カードは、例えば約1000分の30インチ~1000分の33インチの厚みとすることができる。
【0042】
図6に、ナビゲーションバー610及びメイン画面620を含むことができるGUI600を示す。GUI600は、例えばモバイルバンキングアプリケーションのためのウェブブラウザであってもよい。ユーザは、例えばユーザ名、パスワードを入力し、銀行カードが認証メッセージを通信できるようにディスプレイのエリア660上に銀行カードを保持することによって認証を行うように求められることがある。そうすることで、状態エリア650は、認証された身元を示す印を表示するように変化することができる。カードは、認証処理の一部として、光又は(音などの)その他の方法を通じて情報を受け取ることもできる。認証時には、ユーザにモバイルバンキングアプリケーションへのアクセス権を与えることができ、或いは特定の取引を行うことができる(例えば、資金振替を開始し、又は購入取引を許可することができる)。このような認証処理は、装置のアプリケーション又はウェブページ上で少なくとも部分的に行われる処理などのあらゆる処理のために行うことができる。
【0043】
図7に、ハウジング710及びタッチディスプレイ画面720を含むことができる装置700を示す。ユーザは、タッチディスプレイ画面720上のどこにカードを保持してもよく、装置700上で実行されるソフトウェアプログラムが、タッチ送信機741及び744を介して通信されるタッチパルスを通じて、タッチディスプレイ画面720上のカード740の向き及び位置を検出することができる。光センサ742及び743を利用して、装置700が光を介してカード740に情報を通信し返すようにすることができる。装置700は、装置700上のカード740の位置及び向きを判定することにより、光センサ742及び/又は743の近くに光を通信することができる。そうすることで、例えば装置700は光パルスを生成することができるが、カード740を通じてこの光パルスをユーザの視野から隠すことができる。装置700上には、1又はそれ以上のボタン715を提供することができる。例えば、ボタン715を利用して、装置700のディスプレイをオフにし、及び/又は装置700のディスプレイをオン及びオフに切り替えることができる。
【0044】
図8に、ボタン815及びタッチセンサ式ディスプレイ820を有する装置810と、タッチ送信機841及び844、並びに光センサ842及び843を有するカード840とを有するシステム800を示す。装置810上のソフトウェアは、カード840からのタッチパルスを検出し、カード840の近くのカード840の周囲にカード840に似た構成の状態エリア830を形成することにより、カード840の存在を確認することができる。状態エリア830は、カードの周囲にフレームを形成することができ、従ってカードよりも長くて広いものとすることができる。状態エリア830は、例えばカードが入ることができるボックスであってもよく、従ってカードよりも長くて広いものとすることができる。状態エリア830内には、例えば、(「向きを確認しました」「取引を許可しています」「取引が許可されました。カードを取り除いて下さい」などの)処理の状態を記述するテキスト情報などの印を提供することができる。状態エリア830は、例えば処理の状態が変化するにつれて色を変化させることができる。例えば、取引を許可している間は状態エリア830を第1の色にし、取引が許可された後には第2の色にすることができる。
【0045】
図9に、圧電アクチュエータ911、導電層912及びドーム913を含むことができるタッチ送信機900を示す。圧電アクチュエータ911は、単一層又は多層のフレキシブルプリント回路基板とすることができる基板910に結合することができる。プロセッサは、導電層912を装置の表面に近付けて又は装置の表面から離して動かすために、圧電アクチュエータ911の作動状態を制御することができる。そうすることで、タッチスクリーンに入力を行うために、プロセッサがこのタッチスクリーンに物理的に接触してもしなくてもよくなる。例えば、圧電アクチュエータ911を状態920に示すような位置921に引っ込めることができる。当業者であれば、導体912が指の静電容量に近い静電容量を有することができ、導体912がタッチセンサ式ディスプレイに物理的に接触できるようにドーム913を含めなくてもよいと理解するであろう。
【0046】
図10に、例えば基板1010及び導電層1020を含むことができるタッチ送信機1000を示す。当業者であれば、基板1010を、各層の片面又は両面上にプリントを施した単一層又は多層のプリント回路基板とすることができると理解するであろう。基板1010は、(ケブラーなどの)追加材料で補強されたフレキシブル回路基板とすることができる。基板1010は、例えば単一層又は多層のフレキシブルプリント回路基板とすることができる。例えば、ワイヤボンディング、フリップオンフリップ、又は別のアセンブリ処理を使用して、基板1010に構成要素を固定することができる。導体1020は、例えば、基板1010の表面上に設けられた銅の領域とすることができる。従って、基板1010の表面上に導体1020をプリントして、例えば追加アセンブリの努力を不要にし、タッチ送信機1000のコストが減少するようにすることができる。プロセッサ(図示せず)は、導体1020に追加の導電材料又はその他の構成要素を物理的に接続するために、機械スイッチ(図示せず)に制御信号を提供することができる。そうすることで、プロセッサは、容量式タッチスクリーンが導体1020に見込む静電容量の量を物理的に変化させることができる。従って、プロセッサは、(F2F符号化などの)特定の符号化ポリシに基づいて、導体1020に対して静電容量を機械的及び/又は電気的に結合及び分離することにより、容量式タッチスクリーンに情報信号を送信することができる。
【0047】
タッチ送信機1000は、例えば、基板1010上の導体1020の静電容量を電気的に変化させることができる電気回路1050を含むことができる。電気回路1050は、例えば、供給電圧1051、ダイオード1052、トランジスタ1053、(例えば導体1020とすることができる)導体1057、抵抗器1054、抵抗器1058、ダイオード1059、ダイオード1055、アース1056及び入力端子1060を含むことができる。端子1060には、プロセッサ(図示せず)を結合することができる。従って、プロセッサは、タッチ送信機を、容量式タッチスクリーンに機械的に接触せずに電気的に接触できるように電気的に制御することができる。
【0048】
例えば、電場と相互作用する導体の組を含むように製造できる容量式タッチスクリーンを提供する。人間の指は、皮膚の層で覆われた多くの導電性電解質(損失性誘電体など)を含むことができる。指の静電容量は、例えば約50pF~250pFの間で変化することができる。指の静電容量は、Cfと呼ぶことができ、指が存在しない1又はそれ以上のタッチセンサの組の静電容量は、Cp又は寄生容量と呼ぶことができる。
【0049】
長方形、正方形、円形、楕円形、又はあらゆる形状のプレートを提供することができる。例えば、プレート1057を提供することができる。このプレートは、例えば銅などの導電材料から製造することができる。プレートの領域は、例えばタッチスクリーン上のタッチセンサの領域、又はタッチスクリーン上の特定のタッチセンサの組よりも狭くなるように構成することができる。プレート1057には、最初に約ゼロ又は(5pF以下などの)ゼロに近い初期静電容量を与えることができる。プレート1057には、トランジスタ1053を結合することができる。トランジスタ1053は、例えばNPNトランジスタとすることができる。トランジスタ1053のコレクタからエミッタへの静電容量CCEは、約5pF以下とすることができる。最初は、トランジスタ1053をオフにすることができる。例えばトランジスタ1053のエミッタにプレート1057を接続して、タッチされるタッチセンサ又はタッチセンサのアレイの近くに位置付けることができる。トランジスタ1053がオフの間、プレート1057の静電容量は十分に低くなり得るので、プレート1057がタッチセンサを作動させることはない。当業者であれば、タッチ送信機のプレートがタッチセンサに物理的に接触する必要はないと理解するであろう。代わりに、例えばタッチ送信機のプレートを(例えば、タッチセンサから特定の量だけ離して)タッチセンサの近くに位置付けることができる。例えば、プレートは、タッチセンサから約1000分の5インチ~1000分の30インチ(約1000分の12インチ~1000分の16インチなど)に存在することができる。例えば、トランジスタ1053がオフの間にカード又はその他の装置や回路の残りの静電容量をトランジスタ1053から絶縁するために、トランジスタ抵抗器1058及びダイオード1059を提供することができる。また、トランジスタ1053を(供給電圧及びアース端子などの)他のあらゆる寄生容量から絶縁することもできる。同様に、トランジスタ1053及びプレート1057の周囲の寄生容量を減少させるために、長さを最小にしたトレースを提供することもできる。
【0050】
プロセッサは、ダイオード1059及び抵抗器1058に電圧を印加してトランジスタ1053をオンにすることができる。抵抗器1058は、例えば、約0.5k~1.5k(例えば約1k)の抵抗を含むことができる。
【0051】
ダイオード1055及び抵抗器1054を介してトランジスタ1053の基部をアース1056に接地させることもできる。抵抗器1054は、例えば約7.5k~12.5k(例えば約10k)の抵抗を含むことができる。
【0052】
例えば、順方向バイアスをかけた信号ダイオードにより、コレクタ及びトランジスタ1053の基部を絶縁することができる。例えば、供給電圧1051とトランジスタ1053の間にダイオード1052を提供することができる。ダイオードを利用して静電容量を遮断し、順方向又は逆方向のいずれかにバイアスをかけることができる。トランジスタ1053から静電容量を絶縁する際には、プレート1057の静電容量をより正確に制御することができる。
【0053】
当業者であれば、抵抗器1058の左側にダイオード1059を提供できると理解するであろう。当業者であれば、非作動時にソース制御のインピーダンスが低い場合、抵抗器1054及びダイオード1055を含まない回路1050を提供できることも理解するであろう。電気回路1050に構成要素を追加してもよく、電気回路1050から構成要素を取り除いてもよく、又は電気回路1050内で構成要素を修正してもよい。例えば、ダイオード(又はその他の回路部品)を通じてトランジスタ1053のエミッタを接地させ、トランジスタ1053がオンの時に、トランジスタ1053を通る電流経路が存在するようにすることができる。
【0054】
図11に、状態エリア1120、ロゴ1130、及び光通信エリア1140を有するGUIを含むタッチセンサ式ディスプレイ画面とすることができる装置1100を示す。カードに情報を通信するために、光通信エリア1140は、カードに光信号を提供することができる。さらに、状態エリア1120内の領域を利用して、カードからタッチ信号を受け取ることができる。当業者であれば、(エリア1140などの)同じエリアを利用して光信号及びタッチ信号を両方とも通信することができ、或いは異なるエリアを利用して光信号及びタッチ信号を通信することもできると理解するであろう。例えば、エリア1140を利用して光信号を通信し、ロゴ1130の残りを利用してタッチ信号を通信することができる。装置1100上には、機械的ボタンとすることができるボタン1110を含めることができる。
【0055】
図12に、処理フローチャート1210、1220及び1230を示す。処理1210は、カード又はその他の装置が別のカード又はその他の装置に同期タッチ信号を送信できるステップ1211を含むことができる。この同期信号は、例えば、複数の「1」のストリング又は複数の「0」のストリングなどの、情報の特定のビットのストリングを含むことができる。ステップ1212において、カードは、装置が同期信号を受け取って処理し、これにより装置が情報信号を受け取るように同期された旨を示す光信号(又はタッチ信号などの他の信号)を受け取ることができる。ステップ1213において、カードは、情報タッチ信号を送信することができる。ステップ1214において、カードは、メッセージの完了を示すタッチ信号を送信することができる。ステップ1215において、カードは、メッセージ全体が受け取られたことを示す(光信号などの)信号を受け取ることができる。装置は、メッセージが正しく受け取られない(例えば、データが破損した)場合、光信号又はタッチ信号を介してメッセージの再送を要求することができる。その後、タッチ信号を受け取る装置は、例えば同様の方法でカードに情報を通信し返すことができる。ステップ1212において、例えば、戻される光信号を光同期信号として、受け取るべき予想される光パルスにカードが同期できるようにすることができる。
【0056】
処理1220は、例えば、(カードなどの)1つの装置から(タッチ信号、光信号、又は音声信号などを介して)(携帯電話機などの)別の装置に情報メッセージを繰り返し送信するステップ1221を含むことができる。ステップ1222において、ステップ1221で提供されたメッセージが正常に受け取られた旨を示すメッセージを受け取ることができる。従って、ステップ1223において1221のメッセージの送信を停止することができ、ステップ1225においてメッセージが受け取られたと確認されるまで、ステップ1224において新たなメッセージを繰り返し送信することができる。
【0057】
処理1230を提供することもでき、この処理1230は、識別情報を通信するステップ1231を含むことができる。ステップ1232は、識別情報を受け取った確認応答を受け取るステップを含むことができる。ステップ1233は、他の装置から識別情報を受け取るステップを含むことができる。ステップ1234及び1235を利用して、例えば、通信において今後のデータをどのように符号化できるかに関する情報を交換することができる。
【0058】
図13に、処理フローチャート1310、1320及び1330を示す。フローチャート1310は、(携帯電話機又はポータブルコンピュータ上で実行されるような)GUIがカードなどの装置からタッチ信号を受け取るステップ1311を含む。GUIは、ステップ1312においてセキュアな通信を確立することができ、ステップ1313において支払い情報を受け取ることができる。GUIは、ステップ1314において(リモート許可サーバにデータを送信することなどを通じて)支払い情報を処理し、ステップ1315において完了した購入の印を表示することができる。
【0059】
処理1320を提供することもでき、この処理1320は、GUIがタッチ信号を受け取るステップ1321を含むことができる。GUIが1又はそれ以上の支払いカード番号を受け取るステップ1322を含めることもできる。この通信は、例えばセキュアでない通信であってもよい。GUIは、時間又は使用に基づくコードを受け取ることができ、ステップ1324において、このコードを使用してカード番号を処理することができる。当業者であれば、例えば有効期限及び/又は郵便番号などの追加情報を利用して購入を処理できると理解するであろう。完了した購入を表す印をGUIが表示するステップ1325を含めることもできる。
【0060】
処理1330を提供することもでき、この処理1330は、GUIがタッチ信号を受け取るステップ1321を含むことができる。GUIは、ステップ1332において支払いカード番号を受け取り、ステップ1333において時間又は使用に基づくコードを受け取り、ステップ1334において支払いオプションを受け取ることができる。例えば、支払いオプションは、ユーザのクレジットラインの代わりにポイントを使用して購入に対する支払いを行うことであってもよい。別の例によれば、支払いオプションは、特定の回数の分割払いで購入に対する支払いを行うことであってもよい。ステップ1335において、データを処理し、GUIが完了した購入を示す印を表示することができる。当業者であれば、完了した購入が電子領収書の表示を含み、(光などを介して)カードに情報が通信され、従ってカードは、更新済みのクレジット残高、ポイント残高、又はその他のあらゆる情報更新を含むことができると理解するであろう。
【0061】
図14に、カードの片面又は両面を実質的に覆って配置されたディスプレイを含むことができるカード1400を示す。光通信エリア1460を含むことができる印1450を表示することができる。カード1400は、容量性タッチボタン1430などの容量性タッチボタンを含むことができる。容量性タッチボタン1430を制御して、例えば別のカード又は装置上の容量式タッチセンサを作動させることもできる。同様に、例えば携帯電話機のタッチスクリーンを提供して、例えば異なる携帯電話機(又はカード)の容量式タッチスクリーンに電子的に接触するように動作させることもできる。
【0062】
図15に、片面に署名欄1530、ディスプレイ1520及び1540、動的磁気ストライプ通信装置1510、タッチ送信機及び光センサ1560を含むことができるカード1500を示す。当業者であれば、タッチ送信機及び光センサに、カードの裏面から情報の受け取り及び通信を行うように指示して、ユーザがディスプレイに対してカードを保持し、カード上のボタンを押して送信を開始できるようにすることができると理解するであろう。カードは、その表側に、タッチを介したディスプレイへの通信の開始時、進行中、完了時を示すための(LEDなどの)光源を含むことができる。
【0063】
図16には、タッチパルス情報交換サーバ1610、カード発行サーバ1640、光パルス情報交換サーバ1670、通信ネットワーク1650、許可サーバ1620、ルーティングサーバ1630、POS端末1660、(バッテリ式カード、携帯電話機又はコンピュータ装置などの)移動体装置1680、及び(プロモーション発行又は報酬管理サーバなどの)他のいずれかの装置1690を含むことができるトポロジ1600を示す。
【0064】
図17に、例えば、タッチセンサ式ディスプレイ1710、物理ボタン1740、及び仮想カード1720上の仮想容量性タッチボタン1750を有する携帯電話機とすることができる装置1700を示す。例えば、印1770の領域1780内で光通信を行うことができる。また、1又はそれ以上の容量式タッチセンサを、例えば(タッチ送信機エリア1780などの)タッチパルスを通信するように制御することもできる。
【0065】
図18に、例えば、ディスプレイ1812を介して全体的に又は部分的に表示できる動的数字を含むことができるカード1800を示す。動的数字は、例えば不変部分1811などの不変部分を含むことができる。不変部分1811は、カード1800に印刷してもよく、エンボス加工又はレーザエッチングしてもよい。カードには、複数のディスプレイを提供することができる。例えば、ディスプレイ1813を利用して、動的セキュリティコードなどの動的コードを表示することができる。また、ディスプレイ1825を提供して、ロゴ、バーコード、及び複数行の情報を表示することができる。ディスプレイは、双安定ディスプレイであっても、又は非双安定ディスプレイであってもよい。(ユーザの氏名又はユーザ名などの)ユーザ固有の情報、又は(カード発行日及び/又はカードの有効期限などの)カード固有の情報などの情報を含むことができる不変情報1820を含めることもできる。カード1800は、ボタン1830~1834などの1又はそれ以上のボタンを含むことができる。このようなボタンは、機械的ボタンであっても、容量ボタンであっても、又は機械的ボタンと容量ボタンの組み合わせであってもよい。(ボタン1830などの)ボタンを使用して、例えば、ユーザが通信したいと望む単一トラックの磁気ストライプ情報を示す情報を、動的磁気ストライプ通信装置を通じて通信することができる。当業者であれば、関連する読み取りヘッド検出器が磁気ストライプリーダの読み取りヘッドの存在を検出した場合、(ボタン1830などの)ボタンを押すことにより、動的磁気ストライプ通信装置を通じて情報を通信できるようになると理解するであろう。(ボタン1831などの)別のボタンを利用して、(例えば、ボタン1831が押された後、及び読み取りヘッドがリーダの読み取りヘッドを検出した後に)ユーザ選択を示す情報を通信する(例えば、2トラックの磁気ストライプデータを通信する)ことができる。カードに複数のボタンを提供し、各ボタンを異なるユーザ選択に関連付けることができる。
【0066】
アーキテクチャ1850は、あらゆるカードとともに利用することができる。アーキテクチャ1850は、プロセッサ1820を含むことができる。プロセッサ1820は、(ドライブコードなどの)情報を記憶するためのオンボードメモリを有することができる。あらゆる数の構成要素が、プロセッサ1820に通信を行い、及び/又はプロセッサ1820から通信を受け取ることができる。例えば、プロセッサ1820に、(ディスプレイ1840などの)1又はそれ以上のディスプレイを結合することができる。当業者であれば、特定の構成要素とプロセッサ1820の間に構成要素を配置できると理解するであろう。例えば、ディスプレイ1840とプロセッサ1820の間にディスプレイ駆動回路を結合することができる。プロセッサ1820には、メモリ1843を結合することができる。メモリ1843は、特定のカードに固有のデータを含むことができる。例えば、メモリ1843は、(図18のカード1800などの)カードのボタンに関連する任意のデータコードを記憶することができる。このようなコードをリモートサーバが認識して、特定の動作をもたらすことができる。例えば、(カード発行者のウェブサイトに結合されたリモートサーバなどの)リモートサーバによってプロモーションが行われるようにするコードをメモリ1843に記憶することができる。メモリ1843は、プロモーションの種類を記憶することができ、これをユーザが装置にダウンロードし、使用するために装置上で選択することができる。各プロモーションをボタンに関連付けることもできる。或いは、例えば、ユーザが、カードの表側のディスプレイ上で(例えば、リストをスクロールするボタンを使用して)プロモーションのリストをスクロールすることもできる。ユーザは、手動入力インターフェイスを介して、ディスプレイ1825上の表示された選択肢に対応する支払いタイプをカード1800上で選択することができる。選択した情報は、動的磁気ストライプ通信装置を介して磁気ストライプリーダへ通信することができる。また、選択した情報を、容量センサ又は他の種類のタッチ感知式センサを有する(携帯電話機などの)装置に通信することもできる。
【0067】
カード1800は、例えばあらゆる数のタッチトリガ1826又は光センサ1827を含むことができる。タッチトリガ1826を利用して、例えば、容量式又はその他のタッチスクリーン上のタッチセンサを作動及び非作動にすることができる。そうすることで、タッチスクリーンを有する装置は、カードが実際に装置に物理的命令を与えている時に、ユーザが物理的命令を物理的に装置に与えていると確信することができる。光センサ1827を利用して、ディスプレイ画面又はその他の発光装置が、光を介して光センサ1827に情報を通信できるようにすることができる。
【0068】
アーキテクチャ1850には、あらゆる数のリーダ通信装置を含めることができる。例えば、ICチップリーダに情報を通信するためのICチップ1852を含めることができる。ICチップ1852は、例えばEMVチップであってもよい。別の例によれば、RFIDリーダに情報を通信するためのRFID1851を含めることができる。また、磁気ストライプリーダに情報を通信するための磁気ストライプ通信装置を含めることもできる。このような磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに電磁信号を供給することができる。磁気ストライプリーダに異なる電磁信号を通信して、異なるトラックのデータを提供することができる。例えば、電磁場発生器1870、1880及び1885を含めて、磁気ストライプリーダに別個のトラックの情報を通信することができる。このような電磁場発生器は、(軟磁性材料及び非磁性材料などの)1又はそれ以上の材料を巻き付けたコイルを含むことができる。各電磁場発生器は、特定の磁気ストライプトラック用の磁気ストライプリーダの受信機に情報を連続的に通信することができる。読み取りヘッド検出器1871及び1872を利用して、(磁気ストライプリーダの読み取りヘッドハウジングなどの)磁気ストライプリーダの存在を感知することができる。この感知した情報をプロセッサ1820に通信して、プロセッサ1820が、電磁場発生器1870、1880及び1885から磁気ストライプリーダの読み取りヘッドハウジング内の磁気ストライプトラック受信機に情報を連続的に通信するようにすることができる。従って、磁気ストライプ通信装置は、磁気ストライプリーダに通信される情報をいつでも変更することができる。プロセッサ1820は、例えば、RFID1851、ICチップ1852、及び電磁場発生器1870、1880及び1885を通じて、(購入許可サーバなどの)遠隔情報処理サーバに結合されたカードリーダにユーザ固有の情報及びカード固有の情報を通信することができる。プロセッサ1820は、駆動回路1841を利用して、例えば電磁場発生器1870、1880及び1885を制御することができる。
【0069】
アーキテクチャ1850は、例えばタッチ送信機1842及び光センサ1843を含むこともできる。アーキテクチャ1850は、タッチ送信機1842から情報を通信し、光センサ1843から情報を受け取ることができる。プロセッサ1820は、タッチ送信機1842を通じて情報を通信し、受け取った情報を光センサ1843が判定することができる。プロセッサ1820は、例えば、タッチ送信機1842を介して後で通信する情報をメモリに記憶することができる。
【0070】
図19に、例えば、固定コンピュータ又はポータブルコンピュータ、携帯電話機、タブレットコンピュータ、ナビゲーションシステム、腕時計、カード、又はディスプレイ画面を有するあらゆる装置から表示できるグラフィックユーザインターフェイス(GUI)1900を示す。グラフィックユーザインターフェイス1900は、サーバからホストすることができ、多くの追加サーバと通信することができる。例えば、購入取引を完了させるために、このグラフィックユーザインターフェイス1900をウェブブラウザ、又は装置から実行される他のアプリケーション上に提供することができる。購入の完了時にGUI1900を提供して、更新情報をカードに通信し返すことができる。このような情報は、例えば、更新ポイント残高、クレジット残高、貸付残高、プリペイド残高、又はその他のあらゆる更新情報を含むことができる。例えば、光通信エリア1980内で光を介して情報を通信することができる。カードがディスプレイに接して保持されている間、状態表示エリア1970を利用してユーザに情報を通信することができる。例えば、状態表示エリア1970は、更新を開始しているか、通信中であるか、又は通信が完了したかに応じて色を変化させ、或いは異なる形状の視覚印を提供することができる。
【0071】
カード又はその他の装置上には、1又はそれ以上の光センサ又はタッチ送信機を位置付けることができる。例えば、カードの反対端あたりに、別のタッチ送信機としてタッチ送信機を位置付けることができる。例えば、カードの反対端あたりに、タッチ送信機として光センサを位置付けることができる。ユーザは、(ダウンロードボタンなどの)ボタンを作動させて、このタッチ送信機を介してデータの通信を開始することができる。ボタンは、物理ボタンであっても、容量性タッチボタンであっても、又は他のいずれの種類のボタンであってもよい。
【0072】
図20に、縦型構成で提供できるカード2000を示す。カード2000は、例えば、発行者ロゴ2010、ネットワークロゴ2070、ディスプレイ2050、手動入力インターフェイス2041~2043、タッチ送信機2020、光センサ2030、不変印2051、2062及び2063を含むことができる。当業者であれば、ディスプレイ2050を介してあらゆる不変印を提供できると理解するであろう。例えば、ディスプレイ2050を介して、1又はそれ以上の支払いカード番号、ユーザの氏名、有効期限及びセキュリティコードを提供することができる。
【0073】
図21に、携帯電話機2190及び(支払いカードなどの)装置2110を含むことができるシステム2100を示す。装置2110は、例えば、通信を示す状態を表示できるディスプレイ2120を含むことができる。装置2110のディスプレイ2120とは逆側の面に、タッチ送信機及び/又は光センサを提供することができる。このようにして、例えば装置2110が、携帯電話機2190に接して保持された時には携帯電話機2190と通信できるが、ディスプレイ2120を介して通信状態を示す情報を通信できるようにもすることができる。
【0074】
装置2190は、ハウジング2191、ボタン2195、及び容量式タッチディスプレイ画面2199を含むことができる。装置2110は、タッチ送信機を利用して、例えば携帯電話機2190に情報を通信することができる。当業者であれば、携帯電話機2190上でモバイルバンキングアプリケーションを利用できると理解するであろう。不正を低減するために、装置2110を利用して個人を正しくセキュアに識別することができる。従って、装置2110は、識別情報、及び時間に基づくコード又は使用に基づくコードなどのセキュリティコードを、ディスプレイ2199を介して装置2190に通信することができる。従って、例えばバンキングアプリケーションは、バンキング情報にアクセスし、(株取引又はオプション取引などの)金銭的取引を実行し、送金を行い、又は電子小切手を通じて支払いを行うためにこのような識別情報を要求することができる。
【0075】
当業者であれば、複数のタッチ送信機によってタッチスクリーンにデータを同時に並行して通信できると理解するであろう。同様に、例えば複数の光センサは、ディスプレイ画面からデータを同時に並行して受け取ることができる。これらの情報は、例えば異なるものであっても、又は同じものであってもよい。異なるタッチ送信機を通じて同じ情報を通信することにより、装置は2つのメッセージを受け取り、この2つのメッセージが同じものであれば通信の受け取り確認することができる。例えば装置上のソフトウェアがタッチ送信機を利用して、関連するタッチスクリーン上の装置の位置を判断することができる。同様に、光センサを利用して、例えば関連するタッチスクリーン上の装置の位置を示す情報を受け取ることができる。
【0076】
図22に、光通信エリア2210及び2220を表示するディスプレイ画面を有する装置を含むことができるシステム2200を示す。エリア2210及び2220は、例えばデータを通信するために色を変化させることができる。カードは、光エリア2210及び2220からデータを受け取るために、対応する光センサ又は光センサのアレイを含むことができる。例えば、光領域に示される色の組み合わせに基づいてデータを特定することができる。例えば、特定の色の組み合わせを(特定のビットなどの)特定のデータに関連付け、異なる色の組み合わせを(異なるビットなどの)異なるデータに関連付けることができる。色の組み合わせを遷移として利用することができる。このような遷移の組み合わせを利用して、例えばカード又はその他の装置にデータの分離を示すことができる。例えば、2つの領域を提供することができる。両方の領域が黒と判定された場合、これを遷移に関連付けることができる。一方の領域が白であり、他方の領域が黒である場合、1つのビットの情報に関連すると判断することができる。一方の領域が黒であり、他方の領域が白である場合、異なるビットの情報に関連すると判断することができる。両方の領域が白であることを利用して、メッセージの開始及び/又は終了を伝えることができる。2色スキームを利用することができる。2色よりも多くの色を利用することもできる。さらに、例えばカード又はその他の装置は、使用する色に関係なく情報を受け取ることができる。例えば、色が異なることに基づいて情報を識別することができる。従って、両方の色が同じであることを1つのビットの情報として利用し、両方の色が異なることを異なるビットの情報として利用することができる。そうすることで、例えば、(複数色の表示、或いは黒/白、又は緑/黄の表示など)利用するディスプレイの種類に関係なく同じ通信符号化方法を利用することができる。クロックを利用して、タイミング情報を判断することができる。このようなクロックは、プロセッサ内部のクロックであってもよい。或いは、このようなクロックは、プロセッサとは別個のクロックであってもよい。
【0077】
プロセッサは、例えば約1メガヘルツ~30メガヘルツの範囲(例えば、約2メガヘルツ~5メガヘルツ)で動作するように構成することができる。カード又はその他の装置には、バッテリを利用して電力を供給することができる。(デビットカード、クレジットカード、プリペイドカード、及び/又はギフトカードなどの)支払いカードに、3ボルト~4.5ボルト(例えば、約3.2ボルト~4.2ボルト)に充電したバッテリを含めて顧客に提供する(例えば、顧客に郵送する)ことができる。バッテリの充電後、カード内に電子部品のパッケージをラミネート処理することができる。例えば、ホットラミネート又はコールドラミネート処理を通じてカード内に電子部品のパッケージをラミネート処理することができる。光反応、温度反応、圧力反応、時間ベースの反応、化学反応、又はその他の反応を通じて硬化する1又はそれ以上の液体ラミネートを利用した射出成形加工を通じて、カード内に電子部品のパッケージをラミネート処理することができる。
【0078】
光通信エリア2240を表示するディスプレイを有する装置を含むことができるシステム2230を含めることができる。光通信エリア2240は、光パルスを介して情報を通信することができる。このような光パルスにより、連続的にデータを通信することができる。当業者であれば、画面サイズに関わらず、装置上で単一の光エリアを、及びこの単一のエリアのための単一の光センサ又は光センサのアレイを利用できると理解するであろう。ユーザは、カードの光センサ又は光センサのアレイをエリア540に接触させて置き、カードに光がパルス出力された時にエリア2240からデータを受け取ることができる。例えば、周波数2倍周波数(F2F)符号化を通じて情報を通信することができる。例えば、プロセッサが遷移を判断し、これらの遷移間の時間をデータとして利用することができる。例えば、「短い」間隔を(「0」などの)1つの種類のデータのビットとして識別することができ、「長い」間隔を(「1」などの)異なる種類のデータのビットとして識別することができる。1つの色から別の色への変化(例えば、黒から白及び白から黒)、又は1つの特定の色から別の特定の色への変化(例えば、白から黒、ただし黒から白は除く)として遷移を判断することができる。
【0079】
ディスプレイを有するあらゆる種類の装置を利用して、カード又はその他の装置から光を介して情報を通信することができる。例えば、テレビ、携帯電話機、(固定コンピュータ、ポータブルラップトップコンピュータ、又はポータブルタブレットコンピュータなどの)パーソナルコンピュータ、現金自動支払い機、電子レジスタ装置、又はその他のあらゆる種類の電子装置が挙げられる。ウェブページ、ソフトウェアアプリケーション、(例えば、コマーシャル又はテレビ番組中の)テレビストリーム、又はその他のあらゆるディスプレイ画面又はユーザインターフェイス内に提供される光領域を介して情報を通信することができる。
【0080】
図23に、信号2310及び信号2320を示す。例えば、ディスプレイ上の単一の光エリアからカード又はその他の装置上の単一の光センサに信号2310及び2320を通信することができる。信号2310は、(パルス2311及び2312のように)(白などの)特定の色のパルスの長さに(黒などの)異なる色の基準幅が伴うことを通じて情報を通信することができる。或いは、信号2310は、長い期間時間と短い期間時間の2つの色で情報を通信することもできる。例えば、白の短い期間時間後に黒の短い期間時間が続いたら1つのビットとすることができ、(パルス2313及び2314のように)白の長い期間時間後に黒の長い期間時間が続いたら別のビットとすることができる。信号2320は、例えば(白などの)1つの状態から(黒などの)別の色の状態への遷移間の時間期間を通じて情報を通信することができる。短い期間時間を(「0」などの)1つのビットとすることができ、長い期間時間を(「1」などの)別のビットとすることができる。そうすることで、例えば(パルス2321~2324などを通じて)周波数2倍周波数(F2F)符号化を実施することができる。
【0081】
図24に、データストリーム2410及び2420を示す。データストリーム2410は、同期パルス2411、情報パルス2412、及び同期パルス2413を含むことができる。当業者であれば、同期パルスを(複数の「0」のストリングなどの)特定のビットのストリングとして提供できると理解するであろう。そうすることで、例えば、そのビットに関連する遷移変化の期間時間をカードが判断して情報を正しく識別できるようにすることができる。このようにして、情報を通信するディスプレイ画面のフレームレートに関わらず、光を介して情報を通信することができる。ストリーム2420は、同期パルス2421、較正パルス2422、メッセージタイプパルス2423、及びメッセージパルス2424を含むことができる。メッセージタイプパルスは、後続するメッセージパルスに含まれるデータの種類を識別することができる。そうすることで、例えばメッセージパルスを正しく識別して、処理のためにルーティングすることができる。カードは、較正パルス2422を利用して、例えばディスプレイの能力、色の表示方法、バックライティングの属性、及び/又は周囲光及び光学ノイズに関するより多くの情報を識別することができる。当業者であれば、より効率的かつ効果的に較正を行えるように、較正パルスを同期パルスにしてもよく、同期パルスが(色輝度又は色深度などの)異なる特定の属性を有していてもよいと理解するであろう。当業者であれば、複数色のディスプレイ上及び白黒のディスプレイ上の両方で白黒パルスを利用できることも理解するであろう。
【0082】
例えば、光パルスを利用してカードに又はカード(又はその他の装置)間で光を通信する用途を数多く実現することができる。例えば、カードは、(クレジットカード番号、デビットカード番号、プリペイドカード番号、及び/又はギフトカード番号などの)支払いカード番号を示す情報を光を介して受け取ることができる。そうすることで、例えば移動体装置又はポータブルコンピュータを介して、カードに支払いカード番号を遠隔的に発行することができる。例えば、支払いカード番号に障害が起きた場合、又は(新たなクレジット製品、デビット製品、又はプリペイド製品などの)新たな製品をカードに追加したいと望む場合には、例えばウェブブラウザを介して支払いカード番号を遠隔的に発行することができる。光を介して警告を通信し、この警告をカードが受け取るようにすることができる。警告は、受信時に、特定の時刻に、又は特定の周波数で(ディスプレイ上に光の点滅又は特定の印を提供することなどの)特定の可視警告を与えるようにカードに指示することができる。このような警告は、例えば、ユーザを待ち受ける新たなプロモーションを示すものであってもよい。また、光を介してカードにプロモーション、クーポン及び広告をダウンロードすることもできる。カード上でゲームをプレイすることもでき、光を介してゲーム情報を通信することもできる。例えば、カジノのポイントカードが、光を介して特定のコードを受け取ることができ、このコードは、特定の金額のゲームの勝ち負けに対応することができる。このコードを(ディスプレイ上でさいころを転がすこと、又はディスプレイ上でスロットマシンを回すことなどの)カード上のゲームで利用することができる。カード上で機能を追加又は交換することもできる。例えば、ユーザは、ポイントを使用して、分割払いで、代金後払い、引き落とし払い、プリペイド払い又はクレジット払いを通じて購入に対する支払いが行えるようになる機能を追加することができる。このような機能を例えばバックエンドで交換して、カードに情報を通信する必要がなくなるようにすることができる。例えば、ユーザは、インターネットに接続して、カード上の特定のボタンの選択時に利用する機能を切り替えることができる。しかしながら、光を介した情報の通信では、カードが、これらの情報を利用してさらに機能的なカードを提供することができる。例えば、ユーザが特定のボタンに関連する機能を記憶する必要がないように、ボタンの隣に位置するディスプレイが、新たな機能を示すように表示情報を変更することができる。カード上の情報を更新することもできる。例えば、光パルスを介して(マイル報酬の状況などの)ユーザプロファイルを更新することができる。光パルスを介してカード上のソフトウェアを更新することもできる。ユーザは、特定のコードを利用して、このコードをボタンに入力することによりカードのロックを解除することができる。光パルスを介してこのコードを変更することもできる。同様に、ユーザの知らないコードがカードに入力されるまでカードをロックすることもできる。光パルスを介してこのコードをカードに通信してカードのロックを解除することができる。(送信の日付及び時刻などの)タイミング情報をカードに通信して、カードが内部クロックを更新して再同期できるようにすることもできる。光情報を介してカード上に値を追加して記憶することもできる。例えば、カードにプリペイド金額又はギフトの金額を追加することができる。例えば、ユーザがホテルの室料を支払った時に、カードが光を介してホテルキーを受け取ることができる。ホテル予約センターを通じてオンラインチェックイン機能を提供し、ホテルがカードに部屋のキーを直接ダウンロードできるようにすることもできる。そうすることで、ユーザは、ホテルに到着したら自分の部屋に直行するだけでよくなる。光を介してマイレージ状況及び/又はマイルを通信することもできる。光を介して保険情報、医療記録、又はその他の医療情報をカードに通信することもできる。光又はその他の無線通信を介して、地下鉄料金/トークン、列車料金/トークン、フェリー料金/トークンなどの交通情報をカードに追加することもできる。光(又は音など)を介して(毎月の定期券番号などの)交通番号をカードに追加することもできる。2つのカードを通じて(カード上の光センサ及び光源などを介して)個人対個人の支払いを行うこともできる。光を介してカードに広告を通信することもできる。例えば、単色光を通じて光を通信することができる。例えば、カード又はその他の装置の(LEDなどの)光源により、この光源を他の装置が識別できるパターンでオン及びオフにすることによって別のカード又は装置に情報を通信することができる。装置は、異なる光通信スキームを使用して情報を受け取ることができる。特定のスキームを受け取る装置のプロセッサは、各スキームについての知識を利用して、利用されているスキームを判断することができる。そうすることで、プロセッサは、例えば通信を送信している装置の種類を特定することができる。このようにして、例えば、カードは、カード又は非カード装置からいつ情報を受け取っているかを識別することができる。異なる種類の装置は、異なる種類のハンドシェイク及びセキュリティを有することができる。従って、例えば、装置は、通信のセキュリティレベルに基づいて(支払いアプリケーションなどの)異なる種類のアプリケーションを利用することができる。
【0083】
カード内に電子部品のパッケージをラミネート処理する前に、カード又はその他の装置にアプリケーションコードをプログラムすることができる。カード又はその他の装置は、カード内に電子部品のパッケージがラミネート処理された後に、(クレジットカード番号、デビットカード番号、プリペイドカード番号、及び/又はギフトカード番号などの)支払いカード情報を受け取ることができる。そうすることで、例えば、異なる施設を利用してカードをラミネート処理し、個人化することができる。
【0084】
図25に、カラー符号化スキーム2500を示す。カラー符号化スキーム2500は、例えば複数色の光を生成できる光源によって実施することができる。光センサは、例えば、このような光源によって生成された光の各々の色を検出することができ、例えば、検出した光の色に基づいて通信されている情報を識別することができる。従って、例えば、光の各々の色は、光センサが検出してプロセッサに通信できる(波長などの)特性を表すことができる。そうすることで、(生成された光の色及び/又は強度の変化などの)光の特性の変化を使用して光源からプロセッサにデータを通信することができる。
【0085】
色及び/又は色の遷移にデータシーケンスを関連付けて、生成された特定の色及び/又は色の遷移に基づいて(2つなどの)いくつかのデータビットを通信できるようにすることができる。従って、例えば、光源が最初に生成できる光の色、及び最初に生成された光の色の後に生成できる光の色に基づいてデータシーケンスを符号化することができる。
【0086】
カラー符号化スキーム2500には、光源が生成できる(6色などの)複数の色を示している。光源は、(黒及び白などの)その他の色を生成することもできる。各々の色及び/又は色の遷移を、例えばビットシーケンスで符号化して、各々の色及び/又は各々の色の遷移を検出する光センサ及び関連するプロセッサが、検出した色及び/又は色の遷移を、その関連するデータシーケンスに復号できるようにすることができる。従って、例えば、カラー符号化スキーム800に従って、第1の色を有する第1の光のフレームを生成した後に、第2の色を有する第2の光のフレームを生成することにより、(4ビットのデータなどの)複数のデータビットを通信することができる。そうすることで、例えば、2つの隣接フレーム内の2色の光を生成することによって4ビットのデータを通信することができる。
【0087】
例えば、光源は、最初に(黒のパルスの後に白のパルスを生成すること、又は白のパルスの後に黒のパルスを生成することなどの)開始シーケンスを生成することにより、あらゆるデータシーケンスを通信することができる。例えば、行2512の列2504~2510によって示すように、光源により生成される次の色は、光源により通信される最初の2つのデータビットを表すことができる。従って、例えば、開始シーケンス後に「緑」色が生成された場合、光源は(「00」などの)データシーケンス2504を通信することができ、開始シーケンス後に「青」色が生成された場合、光源は(「01」などの)データシーケンス2506を通信することができ、開始シーケンス後に「シアン」色が生成された場合、光源は(「10」などの)データシーケンス2508を通信することができ、開始シーケンス後に「マゼンタ」色が生成された場合、光源は(「11」などの)データシーケンス2510を通信することができる。
【0088】
カラー符号化スキーム2500に従って、例えば、光源が示す色の遷移に基づいて後続のデータビットを通信することができる。従って、例えば列2502は、光源が生成している現在の色を示すことができ、列2502内の色の1つから次の色への遷移に基づいて(次の2つのデータビットなどの)次のデータビットを符号化することができる。1つの例によれば、光源が、開始シーケンス後に「シアン」色を生成した場合、行2512からの(「10」などの)データシーケンス2508として符号化することができる。次に「シアン」から「緑」に色が遷移した場合、行2514によって示すように(「11」などの)データシーケンス2510として符号化することができる。次に「緑」から「黄」に色が遷移した場合、行2516によって示すように(「11」などの)データシーケンス2510として符号化することができる。そうすることで、例えば、現在の色から次の色への各色の遷移を(2つのデータビットなどの)複数のデータビットとして符号化し、色変化ごとに2つのデータビットを符号化できるようにすることができる。
【0089】
色を使用する代わりに光強度を使用することもできる。従って、例えば、カラー符号化スキーム2500を光強度符号化スキームに置き換え、これにより色の代わりに光強度を使用してデータを符号化することができる。そうすることで、例えば、(「赤」などの)単一色を担体として使用し、この担体の輝度を使用して、担体を実際のデータで符号化することができる。そうすることで、(6つの異なる輝度レベルなどの)複数の光強度を使用してデータを符号化することができる。当業者であれば、より多くの色(又は強度)によってより多くのデータビットが生じ、これらを光源が生成する光のフレームごとに符号化できると理解するであろう。当業者であれば、色の遷移(又は強度の遷移)を使用してデータ境界を示すことができるので、光源と光センサの間のデータ通信速度の変動を許容できることをさらに理解するであろう。また、全ての色の遷移(又は強度の遷移)が有効でない場合もあるので、カラー符号化スキーム800(又は強度符号化スキーム)により、ある程度の誤り訂正を実施することもできる。
【0090】
図26に、ディスプレイ2610を有する装置2602と、光センサ2606及び状態インジケータ2608を有するカード(又はその他の装置)2604とを含むことができるシステム2600を示す。装置2602は、例えばディスプレイ2610を含むことができ、このディスプレイ2610は、そのあらゆる部分から(光2612のパルスなどの)光を生成することができる。光センサ2606は、例えばディスプレイ2610によって生成された(光2612のパルスなどの)光を検出することができる。(LEDなどの)状態インジケータ2608は、例えば、光パルス2612を介して通信されるデータに関する状態情報を生成することができる。従って、例えば、カード2604のプロセッサは、光パルス2612が検出されているかどうかを判定することができ、さらに光パルス2612を、装置2602によってカード2604に通信されたデータとして復号することができる。そうすることで、例えば、光パルス2612を検出した状態及び/又は光パルス2612を通信データに復号した状態をプロセッサが生成し、状態インジケータ2608がこの状態を示すことができる(例えば、データ通信及びデータの復号に成功した場合、LED2608は緑色光2614を生成することができる)。(LEDなどの)状態インジケータ2608を、例えば後ろ向きのLEDとして提供して、(例えば、カード2604を通じて)カード2604の面2618上に通信状態を示す一方で、カード2604の反対側の面でカード2604と装置2602の間のデータ通信を行えるようにすることができる。
【0091】
光センサ2606(及びその他の電子部品)は、例えばカード2604のプリント回路基板に電気的及び/又は機械的に結合して電子アセンブリを形成することができる。このような電子アセンブリを、(2つの材料又は1つの材料の反応に基づく射出成形加工などの)射出成形加工によってカプセル化することができる。例えば、シリコンベースの材料又はポリウレタンベースの材料を注入し、(温度反応、光反応、圧力反応、時間ベースの反応及び/又は化学反応などを使用して)硬化して、電子部品のパッケージを形成することができる。この電子部品のパッケージ(及びカード2604のその他の構成要素)を(ポリマーラミネートの層などの)ラミネート層間に挟み込んで、カード2604の両面をラミネートの層によって形成できるようにすることができる。このようなポリマの層間に、注入処理によって材料を注入することができる。注入処理では、例えば一方のポリマの層上に電子部品のパッケージを配置し、この電子部品のパッケージを覆って1又はそれ以上の注入ラミネート材料を注入し、次にこの1又はそれ以上の液体注入ラミネートで覆われた電子部品のパッケージを覆って異なるポリマの層を配置することができる。その後、反応が起きて構造をカード内に硬化することができる。
【0092】
電子部品のパッケージは、ラミネート処理を通じて、例えば、携帯電話機、ポータブルタブレットコンピュータ、ポータブルラップトップコンピュータ、腕時計、その他のあらゆる種類の電子装置、又はあらゆる電子装置のあらゆる部品などの他の構造内に形成することができる。光センサ2606は、例えば、1又はそれ以上のラミネート材料の層よりも下に埋め込んだ場合でも光パルス2612を感知するものとすることができる。カードには印を印刷することができる。光センサへの光を遮断し得る領域は、例えば明るい色で印刷することができる。或いは、光センサが印刷インク/材料によって妨げられずに光を受光できるように、光センサ上には印刷インク/材料を配置しなくてもよい。カードの片面に1又はそれ以上の光センサを提供して、カードの反対側の面に1又はそれ以上のタッチ送信機を提供することができる。カードの1又はそれ以上のタッチ送信機と同じ面上に1又はそれ以上の光センサを提供することもできる。1又はそれ以上の光センサと同じ又は異なる面には、1又はそれ以上の光源を配置することができる。光源とは異なる面に光センサを配置する場合、ユーザは、カードの光センサ側をディスプレイに対して保持し、カードの裏面上の1又はそれ以上の光センサ(又はディスプレイ)を介して、(まだ通信を開始していません、通信を開始しました、通信を処理中です、通信を完了しました、通信に失敗しました、通信を正しく完了しましたなどの)動作が行われた旨の視覚表示を受け取ることができる。
【0093】
光センサ2606は、例えば広い周波数帯域の信号を感知することができる。例えば、装置2602は、ディスプレイ2610を(50Hz又は60Hzなどの)特定のレートでリフレッシュして、光センサ2606がリフレッシュレートノイズを検出できるようにすることができる。別の例によれば、ディスプレイ2610は、(数百Hz~数千Hzなどの)別の周波数レートで制御(例えば、パルス幅を変調)できるバックライティングを提供して、光センサ2606がバックライト制御ノイズを検出できるようにすることができる。さらに別の例によれば、ディスプレイ2610が、ディスプレイ910の画素を左から右、上から下のシーケンスでリフレッシュできるスクロールリフレッシュレートを示し、これにより光パルス2612の色又は強度に影響を与えることができる。従って、例えば、カード2604のプロセッサは、このようなノイズの影響を消す(例えば、フィルタ除去する)ために使用できる(デジタル信号処理アプリケーションなどの)アプリケーションを実行することができる。
【0094】
光センサ2606は、様々な距離2616の光パルス2612を検出することができる。例えば、ディスプレイ2610は、距離2616を最大化できるように高強度の光パルスを生成することができる(例えば、比較的高強度の光パルス2612を検出するために、カード2604をディスプレイ2610からさらに離して保持することができる)。或いは、例えば、ディスプレイ2610は、距離2616を最小化できるように低強度の光パルスを生成することができる(例えば、比較的低強度の光パルス2612を検出するために、カード2604をディスプレイ2610により近付けて保持することができる)。周囲光(例えば、ディスプレイ2610によって生成されない光)によって距離2616を縮めて、光パルス2612の検出を可能にすることもできる(例えば、周囲光の存在下では、カード2604をディスプレイ2610により近付けて保持する必要があり得る)。
【0095】
ユーザは、例えば状態インジケータ2608を利用して、距離2616が装置2602とカード2604の間の信頼できるデータ通信をサポートするのに適しているかどうかを判定することができる。従って、例えば、距離2616が、信頼できるデータ通信をサポートするのに長すぎる場合、(LEDなどの)状態インジケータ2608は、そのような状態を示す(例えば、赤色光を点灯する)ことができる。或いは、例えば、距離2616が、信頼できるデータ通信をサポートするのに適している場合、(LEDなどの)状態インジケータ2608は、そのような状態を示す(例えば、緑色光を点灯する)ことができる。そうすることで、例えば、カード2604のユーザは、状態インジケータ2608から通信状態を取得して、装置2602の許容できる通信距離2616の範囲内にカード2604を収めることができるようになる。
【0096】
プロセッサは、特定の波長範囲内の1又はそれ以上の光のサンプルを受け取ることによって色を決定することができる。サンプリング間隔中に複数のサンプルをともに平均化して、平均波長又は(強度などの)その他の特性を判断し、このある期間にわたる平均的特性を決定の計算に利用することができる。(2つ、3つ、4つ又は5つ以上などの)特定数のサンプルを採取してともに平均化し、プロセッサがこれらサンプルの平均値を利用して決定を行うことができる。
【0097】
図27に、光源2702、光センサ2706を有するカード(又はその他の装置)2704、及び反射装置2712を含むことができるシステム2700を示す。光源2702は、例えば光パルス2710を提供することができ、これを光センサ2706が反射光パルス2708として検出することができる。従って、例えば、カード2704の光センサ2706は、(投影型TVなどの)投影媒体を使用できる装置から通信データを受け取ることができる。その他の光源は、例えば周囲光2714を生成して、これを光センサ2706が検出することができる。従って、例えば、カード2704のプロセッサは、(デジタル信号処理アルゴリズムなどの)フィルタ処理を使用して周囲光2714の影響を消し、光パルス2708内で符号化されたデータをより正確に検出して復号できるようにすることができる。
【0098】
当業者であれば、本発明が、説明した実施形態のみに限定されるものではないことも理解するであろう。むしろ、本発明は、より一般的に動的情報に関与する。当業者であれば、本発明の装置を、本明細書で説明した以外の方法で実現できることも理解するであろう。全てのこのような修正は本発明の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0099】
100:カード
111:不変部分
112:ディスプレイ
113:ディスプレイ
119:不変情報
120:プロセッサ
125:ディスプレイ
126:タッチ送信機
127:光センサ
130:ボタン
131:ボタン
132:ボタン
133:ボタン
134:ボタン
140:ディスプレイ
141:駆動回路
142:タッチ送信機
143:光センサ
144:メモリ
150:アーキテクチャ
151:RFID
152:ICチップ
170:電磁場発生器
171:読み取りヘッド検出器
172:読み取りヘッド検出器
180:電磁場発生器
185:電磁場発生器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【手続補正書】
【提出日】2021-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
メモリと、
光信号を受け取る光センサと、
を備え、前記プロセッサが、周波数2倍周波数(F2F)符号化された光信号を復号して、該復号済み情報をメモリに記憶する、
ことを特徴とするカード。
【請求項2】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の色を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記光センサが、前記受け取った光信号間の色の遷移を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項4】
前記光センサが、前記受け取った光信号の複数の強度を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカード。
【請求項5】
第1の光センサとプロセッサを含むカードと、
光信号を生成する装置と、
を備え、前記カードが、前記第1の光センサにより検出された前記光信号を介して前記装置から情報を受け取り、前記プロセッサが、前記光信号の周波数に関係なく前記情報を復号する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
装置から光パルスを生成するステップと、
前記光パルスをカードによって検出するステップと、
プロセッサにより、前記検出した光パルスを、前記パルスの周波数に関係なく、前記装置から前記カードに通信された情報として復号するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
プロセッサ手段と、
メモリ手段と、
光信号を受け取る光センサ手段と、
を備え、前記プロセッサ手段が、周波数2倍周波数(F2F)符号化された光信号を復号して、該復号済み情報を前記メモリ手段に記憶する、
ことを特徴とするカード。
【外国語明細書】