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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090982
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203619
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】302071092
【氏名又は名称】三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(72)【発明者】
【氏名】有田 吉徳
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA01
5G503FA03
(57)【要約】
【課題】出力端子への異物の付着による不具合が生じにくい充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置1は、端末装置2に下方および側方からそれぞれ対向する底面111および側面113を含み、端末装置2が着脱可能に設置される設置部110と、側面113に配置され、端末装置2を充電するための電力が出力される出力端子201と、底面111における、側面113を正面から見たときに出力端子201の直下となる位置に形成され、下方に凹む底面凹部115と、を備える。側面113には、出力端子201の周囲に、側方に凹む側面凹部116が形成される。側面凹部116は、側面113の下端に達し底面凹部115に繋がる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充電装置に下方および側方からそれぞれ対向する底面および側面を含み、前記被充電装置が着脱可能に設置される設置部と、
前記側面に配置され、前記被充電装置を充電するための電力が出力される出力端子と、
前記底面における、前記側面を正面から見たときに前記出力端子の直下となる位置に形成され、下方に凹む底面凹部と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記側面において、所定間隔を置いて横方向に並ぶ正極側および負極側の2つの前記出力端子を備え、
前記底面凹部は、前記底面における、前記側面を正面から見たときにそれぞれの前記出力端子の直下となる位置に形成される、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項3】
前記底面凹部は、前記側面と反対側の内側面が開放されて外部と連通する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記側面には、前記出力端子の周囲に、側方に凹む側面凹部が形成され、
前記側面凹部は、前記側面の下端に達し前記底面凹部に繋がる、
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記側面凹部は、前記側面の上端に達しない、
ことを特徴とする請求項4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記底面は、前記底面凹部側に向かって下る傾斜面を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の充電装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被充電装置、特にタブレット端末等の端末装置が設置されて充電される充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被充電具である電池が着脱自在に装着される装着ポケットを有する充電器であって、装着ポケットが、その側面に排水路を有する溝形に形成されるとともに、装着ポケットにおける、底面から立ち上がる面に接点を表出させる接点穴が設けられた充電器が、特許文献1に記載されている。
【0003】
上記の充電器では、装着ポケットに侵入した水が排水路から流出することにより、接点穴から充電器の内部に水が浸入することが阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-162865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成の充電器では、粘性の高い液体や固体の異物が装着ポケットに侵入した場合、これら異物は、排水路から排出されにくいため、装着ポケットの底面に滞留しやすい。粘性の高い液体の異物は、その後乾いて固まる。そして、これらの異物が接点、即ち出力端子の高さ位置まで堆積することにより、出力端子に異物が付着すると、接触不良など、充電器に不具合が生じる惧れがある、
なお、上記構成の充電器が、飲食店向けの端末装置(タブレット端末など)のための充電器として用いられる場合がある。この場合、充電器が、粘性が高い液体であるソースやたれ、固体である食べ滓などの異物に晒されやすく、これら異物が底面に滞留しやすい。よって、上記の課題が生じやすくなる。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、出力端子への異物の付着による不具合が生じにくい充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る充電装置は、被充電装置に下方および側方からそれぞれ対向する底面および側面を含み、前記被充電装置が着脱可能に設置される設置部と、前記側面に配置され、前記被充電装置を充電するための電力が出力される出力端子と、前記底面における、前記側面を正面から見たときに前記出力端子の直下となる位置に形成され、下方に凹む底面凹部と、を備える。
【0008】
上記の構成によれば、設置部に侵入した異物は、出力端子の直下においては、底面凹部の底面に滞留し、堆積する。このため、堆積した異物が、出力端子の位置まで到達しにくくなり、出力端子に付着しにくくなる。
【0009】
本態様に係る充電装置において、前記側面には、所定間隔を置いて横方向に並ぶ正極側および負極側の2つの前記出力端子が備えられ得る。この場合、前記底面凹部は、前記底面における、前記側面を正面から見たときにそれぞれの前記出力端子の直下となる位置に形成される。
【0010】
上記の構成によれば、堆積した異物が、正極側および負極側の2つの出力端子に付着しにくくなる。
【0011】
本態様に係る充電装置において、前記底面凹部は、前記側面と反対側の内側面が開放されて外部と連通するような構成とされ得る。
【0012】
上記の構成によれば、底面凹部に溜まった異物を容易に除去することができる。
【0013】
本態様に係る充電装置において、前記側面には、前記出力端子の周囲に、側方に凹む側面凹部が形成され得る。前記側面凹部は、前記側面の下端に達し前記底面凹部に繋がる。
【0014】
設置部に侵入した異物が直接的に出力端子に付着した場合、被充電装置が設置部に設置される際に、被充電装置と異物が接触し、異物が出力端子から離れ得る。上記の構成によれば、離れた異物が、端末装置と側面との間に挟まった状態にならずに側面凹部を通って底面凹部へ落下しやすくなる。
【0015】
上記の構成とされた場合、さらに、前記側面凹部は、前記側面の上端に達しないような構成とされ得る。
【0016】
このような構成とされれば、被充電装置が設置部から上方に取り外される際に、端末装置に付着した異物が側面凹部の上端の壁面に衝突して被充電装置から離れやすくなる。よって、被充電装置に付着した異物が除去されやすくなる。
【0017】
本態様に係る充電装置において、前記底面は、前記底面凹部側に向かって下る傾斜面を含むような構成とされ得る。
【0018】
上記の構成によれば、底面における、底面凹部が形成されていない領域から異物が底面凹部に移動しやすくなるので、当該領域に異物が滞留しにくくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、出力端子への異物の付着による不具合が生じにくい充電装置を提供することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1(a)は、実施形態に係る、端末装置が設置された状態の充電装置を示す斜視図である。図1(b)は、実施形態に係る、端末装置を背面側から見た斜視図である。
図2図2(a)は、実施形態に係る、充電装置の斜視図であり、図2(b)は、実施形態に係る、設置部の底面の中間位置で切断された充電装置の斜視断面図である。
図3図3(a)は、実施形態に係る、充電装置の正面図であり、図3(b)は、実施形態に係る、充電装置を真上よりもやや後方から見た図である。
図4図4(a)は、実施形態に係る、出力端子の位置で切断された充電装置の側面断面図であり、図4(a)は、実施形態に係る、出力端子の位置で切断された、端末装置が設置された状態の充電装置の側面断面図である。
図5図5(a)および(b)は、変更例に係る、充電装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に示す実施形態は、飲食店において使用される端末装置を充電するための充電装置に本発明を適用したものである。
【0023】
図1(a)は、端末装置2が設置された状態の充電装置1を示す斜視図である。図1(b)は、端末装置2を背面側から見た斜視図である。
【0024】
図1(a)に示すように、充電装置1には、被充電装置である端末装置2がやや後方に傾くように立てられた状態で設置される。充電装置1は、いわゆる充電クレードルであり、端末装置2の充電を行う。外部電源装置3が充電装置1に接続される。外部電源装置3は、商用電源の交流電力を所定の大きさの直流電力に変換し、充電装置1に供給する。なお、外部電源装置3と同様の電源装置が、充電装置1に内蔵されてもよい。この場合、外部電源装置3が充電装置1に接続されない。
【0025】
端末装置2は、平板形状を有しており、いわゆるタブレット端末である。端末装置2は、正面に表示部21を備える。表示部21は、タッチパネルにより構成され、ユーザからの入力を受け付けるとともに画像を表示する。
【0026】
図1(b)に示すように、端末装置2は、背面の外周縁部に、一対の入力端子22を備える。一対の入力端子22は、充電装置1から端末装置2へと電力を供給するための端子であり、一方が正極となり、他方が負極となる。
【0027】
図2(a)は、充電装置1の斜視図であり、図2(b)は、設置部110の底面111の中間位置で切断された充電装置1の斜視断面図である。図3(a)は、充電装置1の正面図であり、図3(b)は、充電装置1を真上よりもやや後方から見た図である。図4(a)は、出力端子201の位置で切断された充電装置1の側面断面図であり、図4(a)は、出力端子201の位置で切断された、端末装置2が設置された状態の充電装置1の側面断面図である。なお、図2(a)ないし図3(b)には、便宜上、前後、左右および前後の方向が示されている。しかしながら、これら方向は、充電装置1の絶対的な方向を示すものではない。
【0028】
図2(a)ないし図4(b)を参照し、充電装置1の構成について、詳細に説明する。
【0029】
充電装置1は、所定の形態を有する筐体100を備える。筐体100には、前側の位置に、端末装置2が着脱可能に設置される設置部110が設けられる。設置部110は、端末装置2の外周縁部の形状に対応した凹形状を有し、左右の端部が開放されている。
【0030】
設置部110は、底面111と、前側の側面112と、後側の側面113とを含む。底面111は、前側の面111aが後方へ緩やかに下る平坦面に形成され、後側の面111bが円弧状の曲面に形成される。前側の側面112と後側の側面113は、それぞれ、平坦面に形成され、底面111の後縁および前縁から後斜め上方に立ち上がる。
【0031】
後側の側面113には、下部に、所定の間隔を置いて左右方向(横方向)に並ぶように、一対の出力端子201が配置される。一方の出力端子201が正極側の端子となり、他方の出力端子201が負極側の端子となる。側面113には、各出力端子201の位置に、筐体100の内部に貫通する方形状の端子孔114が形成される。各出力端子201は、三角柱状を有し、各端子孔114から前方に突き出す。各出力端子201からは、バネ性を有するようほぼU字状に屈曲する接続片202が延び出す。出力端子201と接続片202は、導電性材料により一体に形成される。
【0032】
底面111には、後側の側面113を正面から見たときにそれぞれの出力端子201の直下となる位置に、下方に凹む底面凹部115が形成される。各底面凹部115の左右方向の幅は、各出力端子201の左右方向の幅よりも大幅に広くされ、上方から見たときに出力端子201全体が、底面凹部115の範囲に収まる。また、各底面凹部115は、底面111の前端から後端に亘る。
【0033】
各底面凹部115は、後側の側面113と反対側の内側面が開放されており、当該内側面の前方に形成された連通口120を介して外部と連通する。連通口120は、底面111よりも高い位置まで開口する。
【0034】
後側の側面113には、各出力端子201の周囲に、後方(側方)に凹む側面凹部116が形成される。各側面凹部116は、側面113の下端に達し各底面凹部115に繋がる。各側面凹部116は、側面113の上端には達せず、その上端に壁面が存在する。側面113における端子孔114の周縁部は、側面凹部116の底面よりも高くされる。
【0035】
設置部110には、底面111の中央部に、検知ボタン301が配置される。検知ボタン301は、底面111から突出する。筐体100の内部には、検知ボタン301の下方にマイクロスイッチ等の検知器302が配置される。端末装置2が設置部110に設置されると、端末装置2により検知ボタン301が下方に押し込まれて、検知器302により端末装置2が設置されたことが検知される。
【0036】
筐体100には、設置部110の左方と右方の外側部分に、外方(左方と右方)へと下る傾斜面130が形成される。左右の傾斜面130は、設置部110の底面111に繋がる。
【0037】
筐体10の内部には、各端子孔114の下方に排水部140が配置される。排水部140は、上面が開口する排水ケース141と、排水ケース141の底部から下方に延びる排水パイプ142とを含む。排水パイプ142の下端は、筐体10の底面部を貫通する。水等の液体が端子孔114から筐体10内に侵入したとき、侵入した液体が排水ケース141に溜まり、排水パイプ142を通じて筐体10の外部に排出される。なお、排水部140は、端子孔114ごとでなく、2つの端子孔114に対して1つ設けられてもよい。同様に、検知ボタン301と検知器302の下方にも、排水ケース151と排水パイプ152とを含む排水部150が配置される。検知ボタン301と当該検知ボタン301が出入りする孔との間から水等の液体が筐体10内に侵入したとき、侵入した液体が排出部150によって筐体10の外部に排出される。
【0038】
筐体100の内部には、回路基板400が配置される。回路基板400には、マイクロコンピュータ等で構成される制御回路、過電流の発生等を防止するための保護回路などが搭載される。2つの出力端子201が、接続片202を介して回路基板400に接続される。また、端末装置2が設置部110に設置されると、検知器302から検知信号が回路基板400に出力される。回路基板400では、制御回路が、検知信号の有無に基づいて、外部電源装置3からの直流電力を一対の出力端子201に供給するか否かの切り替えを行う。
【0039】
図4(a)に示すように、充電装置1の設置部110に端末装置2が設置されていないときには、検知ボタン301が設置部110の底面111から突出した状態にあり、検知器302から検知信号が出力されない。このため、回路基板400では、制御回路が一対の出力端子201に電力供給を行わない。
【0040】
端末装置2は、上方から充電装置1の設置部110に設置される。設置の際、端末装置2の背面が各出力端子201に接触し、各出力端子201が筐体100の内部側へと押し込まれる。
【0041】
図4(b)に示すように、充電装置1の設置部110に端末装置2が設置されると、端末装置2の一対の入力端子22が一対の出力端子201に接触する。設置部110の底面111は、下方から端末装置2に対向し、端末装置2を、入力端子22と出力端子201が一致する高さ位置に下方から支える。設置部110の後側の側面113は、後方(側方)から端末装置2に対向し、後方から端末装置2を支える。設置部110の前側の側面112は、後側の側面113とともに端末装置2を挟み込み、これによって、端末装置2が前後方向に転倒しにくくなる。
【0042】
端末装置2により検知ボタン301が筐体100の内部に押し込まれ、検知器302から検知信号が出力される。これにより、回路基板400では、制御回路が一対の出力端子201に電力供給を行う。一対の出力端子201と一対の入力端子22とを介して端末装置2に直流電力が供給され、端末装置2に備えられたバッテリ(図示せず)が充電される。なお、充電装置1には、インジケータ(図示せず)が設けられており、端末装置2への電力供給の有無がインジケータにより表示される。
【0043】
さて、飲食店において利用される場合、端末装置2は、充電装置1に設置された状態でテーブルやカウンタに置かれる。客は、充電装置1に端末装置2を設置した状態のまま、あるいは、充電装置1から端末装置2を取り外し、端末装置2を操作して飲食物の注文等を行う。
【0044】
テーブル等に置かれた充電装置1は、粘性が高い液体であるソースやたれ、固体である食べ滓などの異物に晒されやすい。このため、このような異物が、充電装置1の凹形状である設置部110の内部に侵入しやすい。
【0045】
なお、端末装置2と充電装置1が、飲食店の厨房等に設置される場合もあり、この場合、異物として、調理用のたれ等、厨房に置かれた調味料が充電装置1の設置部110に侵入し得る。
【0046】
充電装置1では、設置部110の底面111における各出力端子201の直下の位置に底面凹部115が設けられている。設置部110に侵入した異物は、出力端子201の直下においては、図4(a)のように、底面凹部115の底面に滞留し、堆積し得る。しかしながら、底面凹部115の底面と出力端子201との間には大きな高低差が存在するため、底面凹部115の底面に異物が堆積しても、堆積した異物が出力端子201の位置まで到達しにくい。よって、堆積した異物が出力端子201に付着することが生じにくい。
【0047】
底面凹部115は、後側の側面113と反対側の内側面が開放されており、連通口120を介して外部と連通している。このため、底面凹部115内に堆積した異物は、開放された内側面側から連通口120を介して除去される。たとえば、連通口120を通じてブラシ等の掃除具が底面凹部115内に挿入され、当該掃除具により異物が外部に掻き出される。このとき、連通口120は、底面111よりも高い位置まで開口することで開口面積が広くなっているので、底面凹部115からの異物の除去が行いやすい。なお、上方から底面凹部115内に水を流し込んで、連通口120から水とともに異物を排出させることも可能である。
【0048】
また、設置部110に侵入した異物が直接的に出力端子201や端子孔114の周縁部に付着することがあり得る。この場合、端末装置2が設置部110に設置される際に、端末装置2の背面と異物が接触し、異物が出力端子201等から離される。後側の側面113には、出力端子201の周囲に側面凹部116が設けられている。この側面凹部116により、出力端子201の周囲に、離れた異物が収まる空間ができる。このため、離れた異物は、端末装置2と側面113との間に挟まった状態にならずに側面凹部116を通って底面凹部115へ落下しやすくなる。よって、離れた異物が、端末装置2側へ付着したり、出力端子201等に再付着したりしにくくなる。
【0049】
さらに、側面凹部116は側面113の上端までは達しておらず、側面凹部116の上端に壁面が存在する。このため、端末装置2を設置部110から上方に取り外す際に、端末装置2の背面に付着した異物が、側面凹部116の壁面に衝突して端末装置2から離れやすくなる。よって、端末装置2の背面に付着した異物が除去されやすくなる。端末装置2から離れた異物は、側面凹部116を通ることにより底面凹部115へ落下しやすい。
【0050】
さらに、上記のような異物が、筐体100における、設置部110の左右の外側部分に付着する場合があり得る。しかしながら、これら左右の外側部分は、外方、即ち設置部110とは反対方向へと下る傾斜面130に形成されている。このため、付着した異物は、設置部110から離れる方向へ移動しやすく、設置部110へは侵入しにくい。
【0051】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0052】
設置部110の底面111には、後側の側面113を正面から見たときに、正極側および負極側の各出力端子201の直下となる位置に、下方に凹む底面凹部115が形成されている。これにより、設置部110に侵入した異物は、各出力端子201の直下においては、底面凹部115の底面に滞留し、堆積することになるため、各出力端子201の位置まで到達しにくくなる。よって、設置部110内に堆積した異物が各出力端子201に付着することを防止できる。
【0053】
また、底面凹部115は、後側の側面113と反対側の内側面が開放されて外部と連通している。これにより、底面凹部115に溜まった異物を容易に除去することができる。
【0054】
さらに、側面113には、出力端子201の周囲に、後方(側方)に凹む側面凹部116が形成され、この側面凹部116が、側面113の下端に達し底面凹部115に繋がっている。設置部110に侵入した異物が直接的に出力端子201に付着した場合、端末装置2が設置部110に設置される際に、端末装置2の背面と異物が接触し、異物が出力端子201から離れ得る。側面凹部116により、出力端子201の周囲には、離れた異物が収まる空間ができるため、離れた異物が、端末装置2と側面113との間に挟まった状態にならずに側面凹部116を通って底面凹部115へ落下しやすくなる。
【0055】
さらに、側面凹部116が側面113の上端まで達していないので、端末装置2が設置部110から上方に取り外される際に、端末装置2の背面に付着した異物が、側面凹部116の上端の壁面に衝突して端末装置2から離れやすくなる。よって、端末装置2の背面に付着した異物が除去されやすくなる。
【0056】
<変更例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら制限されるものではない。
【0057】
たとえば、図5(a)に示すように、設置部110の底面111には、底面凹部115が形成されていない領域に、底面凹部115に向かって下る傾斜面117が含まれてもよい。この場合、底面111の上記領域において、中央部と左右両端の部分が平坦面118とされ、それ以外の部分が傾斜面117とされる。中央部と左右両端の平坦面118により端末装置2が下方から支えられる。
【0058】
このような構成とされれば、底面111における、底面凹部115が形成されていない領域から異物が底面凹部115に移動しやすくなるので、当該領域に異物が滞留しにくくなる。また、当該領域に滞留した異物を水で洗い流す場合に、異物が底面凹部115へ流れやすくなる。
【0059】
なお、底面111において、中央部と左右両端が曲面とされてもよいし、中央部と左右両端に面が形成されずに頂点が形成されてもよい。
【0060】
また、図5(b)に示すように、設置部110が前側の側面112を備えず、底面凹部115が連通口120を介さずに外部に連通する構成とされてもよい。この場合、たとえば、筐体100には、設置部110の左端部と右端部の前方に、上方に延びる柱状の支持部160が形成される。この構成では、2つの支持部160と設置部110の側面113とにより端末装置2が挟み込まれ、端末装置2が前後方向に倒れにくくなる。底面凹部115の前方に壁となる部分がないため、底面凹部115から異物をより除去しやすくなる。
【0061】
さらに、上記実施形態では、側面凹部116は、側面113の上端まで達しない構成とされている。しかしながら、側面凹部116は、側面113の上端まで達する構成とされてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態では、設置部110の側面113に、側面凹部116が形成された。しかしながら、側面113に側面凹部116が形成されなくてもよい。
【0063】
さらに、上記実施形態では、設置部110の底面111は、前側の面111aが平坦面に形成され、後側の面111bが曲面に形成された。しかしながら、底面111は、如何なる形状であってもよく、たとえば、底面111は、平坦面のみで構成されてもよいし、曲面のみで構成されてもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態では、出力端子201ごとに底面凹部115と側面凹部116が設けられた。しかしながら、2つの出力端子201の間隔が狭い場合は、2つの出力端子201の直下に1つの底面凹部115が形成されてもよく、2つの出力端子201の周囲に1つの側面凹部116が形成されてもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態では、充電装置1は、飲食店において使用される端末装置2が設置されて充電される充電装置であった。しかしながら、本発明は、飲食店以外の施設で使用される端末装置あるいは個人が使用する端末装置が設置されて充電される充電装置に適用することもできる。さらに、本発明は、デジタルカメラ、デジタルムービーなどの電気機器あるいはバッテリー(2次電池)単体が設置されて充電される充電装置に適用することもできる。
【0066】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 充電装置
2 端末装置(被充電装置)
110 設置部
111 底面
113 側面
115 底面凹部
116 側面凹部
117 傾斜面
201 出力端子

図1
図2
図3
図4
図5