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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091007
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】発光エンブレム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20220613BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20220613BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20220613BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/60
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203664
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉滿 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 義治
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA12
5F142AA13
5F142AA24
5F142AA56
5F142BA32
5F142CB11
5F142CB14
5F142CD01
5F142CD17
5F142CE04
5F142CE08
5F142CE16
5F142CE22
5F142CE32
5F142DB02
5F142DB03
5F142DB12
5F142DB16
5F142DB17
5F142DB18
5F142DB24
5F142GA01
(57)【要約】
【課題】薄型化が可能な発光エンブレムを提供する。
【解決手段】発光エンブレム1は、光を出射する発光素子10と、発光素子10が実装される基板20と、光を導光するアウターレンズ30と、アウターレンズ30に装着され、光を透過させる透過部により発光表示を行なうオーナメント部40と、アウターレンズ30を保持し、光をアウターレンズ30側へ反射するハウジング50と、を有する構成とする。発光素子10から出射する光を、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射させてアウターレンズ30により導光し、オーナメント部40を発光表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する発光素子と、
前記発光素子が実装される基板と、
前記光を導光するアウターレンズと、
前記アウターレンズに装着され、前記光を透過させる透過部により発光表示を行なうオーナメント部と、
前記アウターレンズを保持し、前記光を前記アウターレンズ側へ反射するハウジングと、を有し、
前記発光素子は、前記ハウジングに対向する前記基板の実装面に実装されている、発光エンブレム。
【請求項2】
前記基板、前記ハウジングは、前記光を高反射する白色である、請求項1に記載の発光エンブレム。
【請求項3】
前記アウターレンズは、前記基板を間に挟んで、前記ハウジングと周囲が溶着されている、請求項1又は2に記載の発光エンブレム。
【請求項4】
前記オーナメント部は、前記透過部により前記発光表示が行われる文字、記号等の意匠部を有し、前記基板は、前記意匠部に対応した領域が開口部とされている、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光エンブレム。
【請求項5】
前記基板は、前記意匠部のない領域に、前記開口部がないブリッジ部を有する、請求項4に記載の発光エンブレム。
【請求項6】
前記基板は、前記開口部の両側に配置された2つの前記ブリッジ部を有する1枚の基板として構成されている、請求項5に記載の発光エンブレム。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記発光素子に対応した位置に、前記発光素子に向かって突出した突起部を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光エンブレム。
【請求項8】
前記アウターレンズは、前記光を拡散する拡散材が配合されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光エンブレム。
【請求項9】
前記基板は、前記実装面に、前記発光素子以外の回路素子が実装され、前記回路素子を配置する位置により前記発光表示の輝度分布の調整を行なう、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光エンブレム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光エンブレムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LEDから照射される光の角度別に照射方向を変えることによって配光制御を行うことができると共に、LEDからの光を効率良く利用することができる発光エンブレムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この発光エンブレムは、表面にエンブレムが取り付けられたアウターレンズとハウジングによって画成される空間内に、光源であるLEDと、1次反射面と2次反射面を備えるインナーレンズを収容し、LEDからの光の出射角に応じてインナーレンズによって反射方向を制御し、反射方向が制御されてアウターレンズを透過する光によってエンブレムの周縁を発光させるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-141197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された発光エンブレムは、光源であるLEDから出射される光を1次反射、2次反射させてアウターレンズ、エンブレムを照射させる。このために、インナーレンズを備える必要があり、薄型化することが難しいという問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、薄型化が可能な発光エンブレムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、光を出射する発光素子と、前記発光素子が実装される基板と、前記光を導光するアウターレンズと、前記アウターレンズに装着され、前記光を透過させる透過部により発光表示を行なうオーナメント部と、前記アウターレンズを保持し、前記光を前記アウターレンズ側へ反射するハウジングと、を有し、前記発光素子は、前記ハウジングに対向する前記基板の実装面に実装されている、発光エンブレムを提供する。
[2]前記基板、前記ハウジングは、前記光を高反射する白色であってもよい。
[3]また、前記アウターレンズは、前記基板を間に挟んで、前記ハウジングと周囲が溶着されていてもよい。
[4]また、前記オーナメント部は、前記透過部により前記発光表示が行われる文字、記号等の意匠部を有し、前記基板は、前記意匠部に対応した領域が開口部とされていてもよい。
[5]また、前記基板は、前記意匠部のない領域に、前記開口部がないブリッジ部を有してもよい。
[6]また、前記基板は、前記開口部の両側に配置された2つの前記ブリッジ部を有する1枚の基板として構成されていてもよい。
[7]また、前記ハウジングは、前記発光素子に対応した位置に、前記発光素子に向かって突出した突起部を有していてもよい。
[8]また、前記アウターレンズは、前記光を拡散する拡散材が配合されていてもよい。
[9]また、前記基板は、前記実装面に、前記発光素子以外の回路素子が実装され、前記回路素子を配置する位置により前記発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なうように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発光エンブレムによれば、薄型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る発光エンブレムの分解斜視図である。
図2図2(a)は、本発明の実施の形態に係る発光エンブレムを正面(車両に装着された場合の車両正面)から見た場合の正面図であり。図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。
図3図3(a)は、基板のブリッジ部を含んで断面したところを示す、図2(a)のB-B断面図であり、図3(b)は、図2(a)のC-C断面図である。
図4図4(a)は、基板の実装面を示す正面図であり、図4(b)は、基板の裏面(実装面の裏面)を示す正面図である。
図5図5(a)は、外周部を暗くしたい場合において、基板の実装面に、発光素子以外の回路素子の配置により発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なう場合の一例を示すオーナメント部の正面図であり、図5(b)は、基板の実装面の正面図である。
図6図6(a)は、ロゴ部である意匠部を暗くしたい場合において、基板の実装面に、発光素子以外の回路素子の配置により発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なう場合の一例を示すオーナメント部の正面図であり、図6(b)は、基板の実装面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔本発明の実施の形態〕
図1は、本発明の実施の形態に係る発光エンブレムの分解斜視図である。また、図2(a)は、本発明の実施の形態に係る発光エンブレムを正面(車両に装着された場合の車両正面)から見た場合の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。
【0011】
図1図2に示すように、本発明の実施の形態に係る発光エンブレム1は、光を出射する発光素子10と、発光素子10が実装される基板20と、光を導光するアウターレンズ30と、アウターレンズ30に装着され、光を透過させる透過部により発光表示を行なうオーナメント部40と、アウターレンズ30を保持し、光をアウターレンズ30側へ反射するハウジング50と、を有し、発光素子10は、基板20のハウジング50に対向する実装面21に実装されて構成されている。図1に示すように、発光エンブレム1は、オーナメント部40、アウターレンズ30、発光素子10等が実装された基板20、ハウジング50が重ね合わせて一体的に組み立てられて、車両のフロントグリル等に装着される。
【0012】
図2図3に示すように、本実施の形態に係る発光エンブレム1は、発光素子10をハウジング50に対向する基板20の実装面21に実装し、ハウジング50の方向に光L1を出射させる。出射された光L1は、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射して光L2となり、アウターレンズ30により導光されてオーナメント部40を発光表示させる。これにより、発光エンブレム1は、インナーレンズ等が不要となり、薄型化が可能となる。
【0013】
(発光素子10)
発光素子10は、種々の光源を使用可能であるが、特に、可視光を出射する発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)を使用する。本実施の形態における発光素子10は、輝度が大きく、意匠性、視認性に優れる白色の光を出射するLEDを使用する。
【0014】
なお、発光素子10は、種々の色の光を出射するLEDが使用でき、RGBの各発光チップを備え任意の可視光色を出射できるLEDも使用できる。これにより、所望の色により発光エンブレム1を発光させることができる。
【0015】
発光素子10は、後述する基板20の実装面21に実装するために、面実装タイプの素子を使用する。これにより、基板20の実装面21の任意の位置に配置でき、輝度分布の調整(調節)が容易になる。
【0016】
(基板20)
基板20は、絶縁性を有するエポキシ基板等に必要な回路パターンが形成されたものである。基板20には、上記した発光素子10、その制御に必要な回路等が配置されて実装される。基板20は、アウターレンズ30、ハウジング50等に固定されることができる。
【0017】
基板20は、少なくとも実装面21の側は、光を反射する白色とされている。反射率は、例えば、80%以上であることが好ましい。なお、白色は、基板20の材着色であることがコストの観点から好ましいが、レジスト等により白色としてもよい。
【0018】
図4(a)に示すように、基板20の実装面21には、一例として、4個の発光素子10(LED)が実装される。また、LEDの制御に必要な他の複数の回路素子15も実装される。
【0019】
本実施の形態では、上記したように、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射させて、光の強さを均一化する。これにより、アウターレンズ30により導光してオーナメント部40を発光表示させるので、少ない個数の発光素子10(LED)で発光エンブレム1を構成することが可能となる。
【0020】
図4(a)、(b)に示すように、基板20は、外周部25が円形の板状体であり、中央部に開口部23を有する。開口部23は、例えば、基板20の打ち抜き加工により形成される。この開口部23は、例えば、図2(b)に示すように、ハウジング50で反射された光L2がアウターレンズ30の方向に向かって透過できるようにする開口である。したがって、基板20は、オーナメント部40の文字、記号等を表示する意匠部45に対応した領域が開口部23とされている。
【0021】
また、開口部23と外周部25の間には、基板20の第1基板部20aと第2基板部20bを連結するブリッジ部24が存在する。これにより、基板20は、開口部23の両側に配置された第1基板部20aと第2基板部20bが2つのブリッジ部24で連結された1枚の基板として構成される。図2(a)、(b)に示すように、ハウジング50で反射された光L2は、ブリッジ部24において、アウターレンズ30の方向に向かって透過できず遮光される。したがって、ブリッジ部24は、文字、記号等が配置された意匠部45のない領域に位置するように形成されている。
【0022】
基板20は、実装面21において、発光素子10(LED)が配置されると共に、発光素子10以外の回路素子15も実装される。回路素子15は、その配置される位置により、発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なうことができる。この輝度分布の調整(調節)については、後述する。
【0023】
(アウターレンズ30)
アウターレンズ30は、光、特に、ハウジング50で反射された光L2をオーナメント部40へ導光する透明部材である。アウターレンズ30は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethyl methacrylate)等のアクリル樹脂、ポリカーボネートPC(Polycarbonate)樹脂等の透明樹脂が好ましい。なお、光の拡散性を増すために、成型時に溶融樹脂中に、フィラー等の拡散材を配合することができる。
【0024】
図1図2図3に示すように、アウターレンズ30は、オーナメント部40の開口部47から外部に発光する箇所として、発光部32a、32bが凸部として形成され、全体として、オーナメント部40とハウジング50の間に収容される円盤状に形成されている。
【0025】
図2(a)、(b)に示すように、オーナメント部40の開口部47aから発光する発光部32aの部分は、ロゴ部として文字、記号等を表示するオーナメント部40の意匠部45を発光させる。また、オーナメント部40の開口部47bから発光する発光部32bの部分は、オーナメント部40の外周部46を発光させる。
【0026】
アウターレンズ30は、基板20をハウジング50との間に挟んで、ハウジング50の周縁部51と周囲35が嵌め合わされて、溶着されている。これにより、防水性が高まり、内部に収容する基板20を水滴等から保護することができる。
【0027】
図2(b)に示すように、ハウジング50からの反射光が入射しやすいように、アウターレンズ30には、傾斜部30a、30bが形成されている。傾斜部30a、30bは、基板20で覆われていないように配置される。これにより、ハウジング50からの反射光が基板20で遮られずに、アウターレンズ30に入射できる。また、図2(b)に示す、中央の傾斜部30aは、オーナメント部40の開口部47aと基板20の間に配置される。開口部47aは、意匠部45を光らせるために面積が広く、直下に傾斜面30aがあると、文字の中で光ムラになってしまうが、中央の傾斜部30aを上記のように配置することにより、文字の中での光ムラを抑制、防止することができる。
【0028】
(オーナメント部40)
オーナメント部40は、アウターレンズ30に装着され、光を透過させる透過部により発光表示を行なう。本実施の形態では、透過部として、図2(a)、(b)等に示すように、開口部47a、47bが形成されている。開口部47a、47b以外の領域は、光が透過しない不透過領域48である。
【0029】
オーナメント部40は、例えば、PC(Polycarbonate)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等、種々の樹脂で形成できる。また、上記した開口部47a、47b以外の不透過領域は、塗装、メッキ等が施されている。なお本実施例においては、アウターレンズ30と別部材のオーナメント部40を配置する形態を示したが、アウターレンズ30の表面に、不透過領域としての塗装やメッキ等を施すことにより、アウターレンズ30にその機能を付してもよい。
【0030】
オーナメント部40の意匠部45は、開口部47aが文字、記号、等を表示する形状に形成されている。開口部47aは、基板20の内側、中央部に対応した位置に設けられている。この開口部47aには、アウターレンズ30の発光部32aが嵌合し、発光素子10が発光することにより、ロゴ部として、文字、記号等を表示するオーナメント部40の意匠部45が発光する。
【0031】
また、本実施の形態では、オーナメント部40の意匠部45を囲うように、開口部47bが設けられている。開口部47bは、基板20の外側、周囲部に対応した位置に設けられている。この開口部47bには、アウターレンズ30の発光部32bが嵌合し、発光素子10が発光することにより、意匠部45の周囲が略円形上に発光する。
【0032】
以上から、オーナメント部40の透過部としての開口部47a、47bは、アウターレンズ30により導光された光が透過して発光する発光部として機能する。例えば、図2(a)、(b)に示す、ロゴ部である意匠部45等の表示部は、塗装やメッキが施されず、開口部47a、47bとなっている。オーナメント部40は、開口部47a、47bにアウターレンズ30の一部が露出し、アウターレンズ30により導光された光が、意匠部45やその周囲を発光させることにより、発光エンブレム1として発光表示を行なうことができる。
【0033】
(ハウジング50)
ハウジング50は、アウターレンズ30を保持し、光をアウターレンズ30側へ反射する、例えば、樹脂製の筐体である。
【0034】
ハウジング50は、図1等に示すように、アウターレンズ30と嵌合して保持する周縁部51、発光素子10から出射された光L1を反射させる反射部52、発光素子10から出射された光L1を拡散して反射するための突起部53、等を有している。
【0035】
ハウジング50は、上記の構成を有するように、例えば、PC(Polycarbonate)、ASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、AES(Acrylonitrile Ethylene Styrene)等の合成樹脂により、一体成型されている。
【0036】
ハウジング50は、反射部52で発光素子10から出射された光L1を高反射するために、白色である。反射率は、例えば、80%以上であることが好ましい。なお、白色は、基板20の材着色であることがコストの観点から好ましいが、塗装等により、高反射率とされていてもよい。
【0037】
ハウジング50は、発光素子10に対応した位置に、反射部52から発光素子10に向かって突出した突起部53を有する。突起部53は、発光素子10から出射された光L1を、周囲に拡散させるように反射させるために、例えば、錐体状の傾斜面を備えた突起とされている。これにより、発光素子10から出射された光L1を、周囲に拡散させるように反射させ、また、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射した光L2とすることが容易になる。
【0038】
ハウジング50は、図2(b)に示すように、オーナメント部40の開口部47a、47bにそれぞれ対向して、傾斜面50a、50bが形成されている。これにより、ハウジング50は、傾斜面50a、50bで反射した光を積極的に開口部47a、47bへ向けて反射させることができる。
【0039】
ハウジング50は、図3(b)に示すように、上記した基板20のブリッジ部24を支えるための支持部55が形成されていることが好ましい。支持部55は、ハウジング50と一体的に基板保持機構として形成され、ブリッジ部24を支える。これにより、細く折れやすい基板20のブリッジ部24を支えることにより、補強が可能となる。
【0040】
(発光エンブレム1の発光動作)
車両は、発光エンブレム1の発光動作を制御することができる。発光素子10は、例えば、車両側からの制御信号により発光する。発光素子10の発光は、光の強度、発光色等を設定して発光させることが可能である。
【0041】
発光素子10から出射された光L1は、ハウジング50(反射部52)と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射して光L2となり、アウターレンズ30により導光されてオーナメント部40を発光表示させる。オーナメント部40は、アウターレンズ30により導光された光が、意匠部45やその周囲を発光させることにより、発光エンブレム1として発光表示を行なうことができる。
【0042】
(発光表示の輝度分布の調整、調節)
図5(a)は、外周部を暗くしたい場合において、基板の実装面に、発光素子以外の回路素子の配置により発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なう場合の一例を示すオーナメント部の正面図であり、図5(b)は、基板の実装面の正面図である。
【0043】
発光表示の輝度分布の調整(調節)とは、オーナメント部の狙った箇所を発光させること、また、均一な発光の調整(調節)を行なう等の制御をいう。
【0044】
図5(a)に示すように、発光部32aで発光される意匠部45に対して、発光部32bで発光される外周部49を暗くしたい場合は、図5(b)に示すように、発光素子10以外の回路素子15を、基板20の外周部21aに配置する。これにより、発光素子10から出射した光のうち、アウターレンズ30の発光部32bに到達する光が減少して、外周部49を暗くすることができる。
【0045】
図6(a)は、ロゴ部である意匠部を暗くしたい場合において、基板の実装面に、発光素子以外の回路素子の配置により発光表示の輝度分布の調整(調節)を行なう場合の一例を示すオーナメント部の正面図であり、図6(b)は、基板の実装面の正面図である。
【0046】
図6(a)に示すように、発光部32bで発光される外周部49に対して、発光部32aで発光される意匠部45を暗くしたい場合は、図6(b)に示すように、発光素子10以外の回路素子15を、基板20の開口部23の近くの領域21bに配置する。発光素子10から出射した光のうち、アウターレンズ30の発光部32aに到達する光が減少して、意匠部45を暗くすることができる。
【0047】
(本発明の実施の形態の効果)
上記のような構成により、本発明の実施の形態に係る発光エンブレム1は、次のような効果を有する。
(1)発光エンブレム1は、光を出射する発光素子10と、発光素子10が実装される基板20と、光を導光するアウターレンズ30と、アウターレンズ30に装着され、光を透過させる透過部により発光表示を行なうオーナメント部40と、アウターレンズ30を保持し、光をアウターレンズ30側へ反射するハウジング50と、を有し、発光素子10は、基板20のハウジング50に対向する実装面21に実装されて構成されている。発光素子10から出射された光は、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射してアウターレンズ30により導光されてオーナメント部40を発光表示させる。本実施の形態に係る発光エンブレム1は、このような反射を利用し光の光路長を十分取った構造とされているので、奥行き幅が削減可能であり、薄型化、軽量化に繋がる。
(2)また、発光素子10から出射された光は、ハウジング50と基板20(実装面21)との間で1回または複数回反射するので、光路長が大となり、光の拡散が効率よく可能となり、均一な光でオーナメント部40を発光させることができる。
(3)基板、ハウジングは、光を高反射する白色とされている。これにより、LED光の反射効率が大きく、オーナメント部40を高輝度で発光させることができる。また、LED光が、白色以外の色で発光する場合でも、基板、ハウジングが白色とされているので、反射率は高く、反射効率が大きい。
(4)例えば、意匠部45、外周部49の表示の明るさを調整するために、基板20の実装面21への回路素子の配置を変更して実装することができる。回路素子の配置とオーナメント部40の表示の明るさをシミュレーション、実測等することにより、オーナメント部の狙った箇所を発光させること、また、均一な発光の調整(調節)を行なうことが可能となる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0049】
1…発光エンブレム、10…発光素子、15…回路素子、20…基板、20a…第1基板部、20b…第2基板部、21…実装面、21a…外周部、21b…領域、23…開口部、24…ブリッジ部、25…外周部、30…アウターレンズ、30a、30b…傾斜面、32a…発光部、32b…発光部、40…オーナメント部、45…意匠部、46…外周部、47…開口部、47a…開口部、47b…開口部、48…不透過領域、49…外周部、50…ハウジング、50a、50b…傾斜面、51…周縁部、52…反射部、53…突起部、L1、L2…光
図1
図2
図3
図4
図5
図6