(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091017
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】金融関連情報管理装置、金融関連情報管理装置の制御方法及び金融関連情報管理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20220613BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203681
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】519195534
【氏名又は名称】株式会社ローソン銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】片山 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】畑 優摩
(72)【発明者】
【氏名】深見 勇
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA14
(57)【要約】
【課題】電子マネー等の電子通貨をチャージするにあたって金融機関の預金口座から出金する際に、利用者に煩雑な手続きを求めることなく、且つ、取引の安全を確保できる金融関連情報管理装置等を提供すること。
【解決手段】利用者の端末装置10、事業者の管理装置である事業者用管理装置20及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置30と通信可能であって、端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行され、自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、自動口座出金の実行は、過去における自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される金融関連情報管理装置40。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置であって、
前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行され、
前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、
前記自動口座出金の実行は、過去における自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置。
【請求項2】
前記過去における自動口座出金実行実績情報が、事業者ごとの過去における前記自動口座出金の最大の実行回数情報であると共に前記最大の実行回数情報が、所定の下限情報以上であることを特徴とする請求項1に記載の金融関連情報管理装置。
【請求項3】
前記利用者が前記事業者と取引するために前記事業者用管理装置に入力された登録関連情報に基づいて、前記金融機関が受信可能な金融機関向送信情報を生成すると共に、前記金融機関から受信した情報に基づいて、前記事業者用管理装置が受信可能事業者向送信情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の金融関連情報管理装置。
【請求項4】
利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置の制御方法であって、
前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行され、
前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、
前記自動口座出金の実行は、過去における自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置の制御方法。
【請求項5】
利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置に、前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行される機能、
前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、前記自動口座出金の実行は、過去における自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される機能、を実行させる構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業を行う事業者と金融機関との間の金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置、金融関連情報管理装置の制御方法及び金融関連情報管理装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子マネー等の残高が少ないときに、使用者の銀行口座等から自動的にチャージする「電子マネー自動チャージ」があるが、この「電子マネー自動チャージ」では、その取引の安全性を確保するため、「暗証番号」等の入力が必要となっている。(特許文献1等)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子マネーの利用者にとって、チャージをする度に、暗証番号等の入力を求められるのは、煩雑であるという問題があった。
また、電子マネー等のチャージ等を行うATM等の機器を管理する金融機関等が、当該利用者が利用している金融機関等と異なる場合、当該金融機関は、他の金融機関等に「暗証番号」等を管理させることになるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、電子マネー等の電子通貨をチャージ(入金)するにあたって金融機関の預金口座から出金する際に、利用者に煩雑な手続きを求めることなく、且つ、取引の安全を確保できる金融関連情報管理装置、金融関連情報管理装置の制御方法及び金融関連情報管理装置の制御プログラム等を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置であって、前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行され、前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、前記自動口座出金の実行は、過去における前記自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、暗証番号等の暗証情報を入力せずに自動口座出金可能なので、利用者に暗証番号の入力を強いることがない。
また、自動口座出金(例えば、オートチャージ等)の実行の際、過去における自動口座出金の実行実績情報(例えば、事業者毎の1日における出金実行回数等)に基づいて、当該自動口座出金の実行が許可される構成となっているため、不適切な自動口座出金を未然に防ぐことができる。
【0008】
好ましくは、前記金融関連情報管理装置の前記過去における自動口座出金実行実績情報が、事業者毎の過去における前記自動口座出金の最大の実行回数情報であると共に前記最大の実行回数情報が、所定の下限情報以上であることを特徴とする。
【0009】
前記構成によれば、過去自動口座出金実行実績情報が、事業者毎の過去おける自動口座出金(例えば、オートチャージ等)の例えば、1日等の最大の実行回数情報なので、利用者の不自然な自動口座出金を精度良く、未然に把握することができる。
また、前記構成によれば、最大の実行回数情報が、所定の下限情報以上となっているので、例えば、自動口座出金を開始直後のように、過去のおける自動口座出金の回数が少ないときでも、自動口座出金を不許可にする等となることを未然に回避することができる。
【0010】
好ましくは、前記金融関連情報管理装置の前記利用者が前記事業者と取引するために前記事業者用管理装置に入力された登録関連情報に基づいて、前記金融機関が受信可能な金融機関向送信情報を生成すると共に、前記金融機関から受信した情報に基づいて、前記事業者用管理装置が受信可能事業者向送信情報を生成することを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、登録関連情報(例えば、カナ氏名、生年月日、銀行名等)に基づいて、金融機関が受信可能な金融機関向送信情報を生成すると共に、金融機関から受信した情報に基づいて、事業者が受信可能な事業者向送信情報を生成する。
このように、事業者が情報を金融機関に送信するときは、金融関連情報管理装置は、金融機関側管理装置が受信可能な電文等の情報を作成して、送信する。
また、金融機関が事業者に情報を送信するときは、金融関連情報管理装置は、事業者側管理装置が受信可能な電文等の情報を作成して、送信する。
【0012】
このように、金融関連情報管理装置は、金融機関側管理装置と事業者側管理装置が、それぞれ、受信可能な電文等で情報を送信するので、事業者側管理装置と金融機関側管理装置は、従来のネットワークシステム等を一切変更することなく、そのままで、相互に情報を交換することができる。
例えば、各金融機関側管理装置は、それぞれ、別個のAPI((Application Programming Interface)を採用しているため、事業者側管理装置が、各金融機関側管理装置と通信するために、異なるAPIに合わせたネットワークを構築する必要があった。
これに対し、本発明では、金融関連情報管理装置が、各金融機関側管理装置のAPIに合わせた電文等を生成するので、事業者側管理装置が、各金融機関側管理装置と通信するために、異なるAPIに合わせたネットワークを構築する必要はなく、従来のネットワーク等をそのまま利用でき、コストを大幅に低減することができる。
【0013】
上記目的は、本発明にあっては、利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置の制御方法であって、前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行され、前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、前記自動口座出金の実行は、過去における前記自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置の制御方法により達成される。
【0014】
上記目的は、本発明にあっては、利用者の端末装置、前記端末装置と通信する事業者の管理装置である事業者用管理装置及び金融機関の管理装置である金融機関側管理装置と通信可能な金融関連情報を管理する金融関連情報管理装置に、前記端末装置の電子通貨は、所定の条件に達した場合に、自動的に金融機関の預金口座から出金がなされて所定金額が増加される自動口座出金が実行される機能、前記自動口座出金の実行に、利用者の金融機関の暗証情報の入力が条件とされず、前記自動口座出金の実行は、過去における前記自動口座出金実行実績情報である過去自動口座出金実行情報に基づき許可される機能、を実行させる構成となっていることを特徴とする金融関連情報管理装置の制御プログラムにより達成される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明は、電子マネー等の電子通貨をチャージ(入金)するにあたって金融機関の預金口座から出金する際に、利用者に煩雑な手続きを求めることなく、且つ、取引の安全を確保できる金融関連情報管理装置、金融関連情報管理装置の制御方法及び金融関連情報管理装置の制御プログラムを提供することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる「金融関連情報管理システム」である例えば、電子通貨管理システム1を示す概略説明図である。
【
図2】
図1の事業者サーバ20の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】事業者サーバ側第1の各種情報記憶部200の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図4】事業者サーバ側第2の各種情報記憶部210の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】
図1の管理サーバ40の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図6】管理サーバ側第1の各種情報記憶部400の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図7】管理サーバ側第2の各種情報記憶部410の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図8】管理サーバ側第3の各種情報記憶部420の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図9】管理サーバ側第4の各種情報記憶部430の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図10】管理サーバ側第5の各種情報記憶部440の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図11】
図1の銀行サーバ30の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図12】銀行サーバ側第1の各種情報記憶部300の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図13】銀行サーバ側第2の各種情報記憶部310の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図14】利用者の登録工程を示す主な概略フローチャートである。
【
図15】利用者の登録工程を示す他の主な概略フローチャートである。
【
図16】利用者の登録工程を示す他の主な概略フローチャートである。
【
図17】利用者の都度チャージ工程を示す主な概略フローチャートである。
【
図18】利用者の都度チャージ工程を示す主な他の概略フローチャートである。
【
図19】利用者の都度チャージ工程を示す主な他の概略フローチャートである。
【
図20】利用者の自動口座出金(オートチャージ等)登録工程を示す主な概略フローチャートである。
【
図21】自動口座出金(オートチャージ等)の実行工程を示す他の概略フローチャートである。
【
図22】自動口座出金(オートチャージ等)の実行工程を示す他の概略フローチャートである。
【
図23】自動口座出金(オートチャージ等)の実行工程を示す他の概略フローチャートである。
【
図24】ST4で記憶された「管理側利用者情報(その1)」を示す概略説明図である。
【
図25】ST6でMS情報が記憶された管理側利用者情報(その2)を示す概略説明図である。
【
図26】ST13で「利用許可フラグ」が設定された状態を示す管理側利用者情報を示す概略説明図である。
【
図27】ST14で「トークン情報」が記憶された「管理側利用者情報(その4)」を示す概略説明図である。
【
図28】ST25で「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶される「管理側チャージ受付情報(その1)」の内容を示す概略説明図である。
【
図29】ST27で「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶される「管理側チャージ受付情報(その2)」の内容を示す概略説明図である。
【
図30】ST28で、「都度チャージ金額」「取引ID」「取引日時」の情報が付加された管理側利用者情報(その5)を示す概略説明図である。
【
図31】ST35で「取引結果(出金)」が付加された「管理者側利用者情報(その6)」を示す概略説明図である。
【
図32】「取引結果(自動口座出金)」が付加された「管理側利用者情報(その7)」を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる「金融関連情報管理装置」である例えば、管理サーバ40を有する「電子通貨情報管理システム1」を示す概略説明図である。
図1に示すように、本システム1は、例えば、Xペイ等の電子通貨を使用する、または使用を希望する利用者が所持する端末装置10、Xペイ等の電子通貨を扱う事業者の事業者側管理装置である例えば、事業者サーバ20、銀行等の金融機関側管理装置である例えば、銀行サーバ30を有している。
【0019】
また、同システム1は、これら端末装置10、事業者用管理装置である例えば、事業者サーバ20、銀行サーバ30の間で、金融関連情報である例えば、利用者の口座情報等を管理する金融関連情報管理装置である例えば、管理サーバ40を有している。
また、これら端末装置10、事業者サーバ20、管理サーバ40等は
図1に示すように、インターネット網2や基地局3等を介して相互に通信可能に接続されている。
さらに、
図1に示すように、管理サーバ40は銀行サーバ30と通信可能な構成となっている。
【0020】
図1に示すように端末装置10は、入力装置及び表示部である例えば、「タッチパネル11」を有している。
ここで「タッチパネル11」は、表示部である例えば、ディスプレイと、位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、ディスプレイ上の表示に利用者が触れることで各種情報を入力できる入力装置である。
また、
図1に示す端末装置10は、図示しない端末装置側通信装置を有している。
【0021】
そして、
図1の「電子通貨管理システム1」の端末装置10、事業者サーバ20、管理サーバ40、銀行サーバ30等は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を有し、バスを介して接続されている。
【0022】
(事業者サーバ20の主な構成について)
図2は、
図1の事業者サーバ20の主な構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、事業者サーバ20は、「事業者側制御部21」を有し、同制御部21は、「事業者側通信装置22」、「事業者側ディスプレイ23」及び「事業者側各種情報入力装置24」を制御する。
また、同制御部21は、
図2に示す「事業者サーバ側第1の各種情報記憶部200」や「事業者サーバ側第2の各種情報記憶部210」も制御する。
【0023】
図3及び
図4は、それぞれ「事業者サーバ側第1の各種情報記憶部200」及び「事業者サーバ側第2の各種情報記憶部210」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容については、後述する。
【0024】
(管理サーバ40について)
図5は、
図1の管理サーバ40の主な構成を示す概略ブロック図である。
図5に示すように、管理サーバ40は、「管理側制御部41」を有し、同制御部41は、「管理側通信装置42」、「管理側ディスプレイ43」及び「管理側各種情報入力装置44」を制御する。
また、同制御部41は、
図5に示す「管理サーバ側第1の各種情報記憶部400」、「管理サーバ側第2の各種情報記憶部410」、「管理サーバ側第3の各種情報記憶部420」、「管理サーバ側第4の各種情報記憶部430」及び「管理サーバ側第5の各種情報記憶部440」も制御する。
【0025】
図6乃至
図10は、それぞれ「管理サーバ側第1の各種情報記憶部400」乃至「管理側サーバ側第5の各種情報記憶部440」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容については、後述する。
【0026】
(銀行サーバ30について)
図11は、
図1の銀行サーバ30の主な構成を示す概略ブロック図である。
図11に示すように、銀行サーバ30は、「銀行側制御部31」を有し、同制御部31は、「銀行側通信装置32」、「銀行側ディスプレイ33」、「銀行側各種情報入力装置34」、「銀行サーバ側第1の各種情報記憶部300」及び「銀行サーバ側第2の各種情報記憶部310」を制御する。
【0027】
図12及び
図13は、「銀行サーバ側第1の各種情報記憶部300」及び「銀行サーバ側第2の各種情報記憶部310」の主な構成を示す概略ブロック図である。この内容については、後述する。
【0028】
(電子通貨管理システム1の動作例について)
以下、本実施の形態にかかる「電子通貨管理システム1」の動作例等を説明する。
本実施の形態では、先ず、X電子通貨の利用を希望する利用者が
図1に示す端末装置10を操作し、インターネット網2等を介して、X電子通貨を取り扱う事業者の事業者サーバ20にアクセスし、利用可能な状態とするため「登録手続」を行う「利用者の登録工程」を説明する。
【0029】
図14乃至
図16は、利用者の登録工程を示す主な概略フローチャートであり、
図17乃至
図19は利用者の都度(随時)チャージ工程を示す主な概略フローチャートである。
また、
図20は、利用者の自動口座出金(オートチャージ等)登録工程を示す主な概略フローチャートであり、
図21乃至
図23は、自動口座出金(オートチャージ等)の実行工程を示す概略フローチャートである。
【0030】
先ずは、利用者の登録工程を説明し、次いで、登録済みの利用者が
図1の端末装置10を操作し、インターネット網2等を介して、自己の銀行口座からX電子通貨を都度チャージする「都度チャージ工程」を説明する。
その後、自動口座出金登録工程と、その実行工程を説明する。
【0031】
ここで、都度チャージ工程は、利用者が必要に応じて、任意のタイミングで、利用者が自己の銀行口座の現金を端末装置10で利用可能なX電子通貨に変更するための工程を指し、後述する、所定の条件下で、自動的に利用者の銀行口座の現金を端末装置10で利用可能なX電子通貨に変更する自動口座出金工程、例えば、オートチャージ工程と相違する工程である。
【0032】
(利用者の登録工程)
先ず、
図14のステップ(以下「ST」とする。)1では、X電子通貨(Xペイ等)の利用を希望する利用者は、
図1の自己の端末装置10を操作し、インターネット網2等を介して、
図1のX電子通貨(Xペイ等)の事業者サーバ20にアクセスする。
【0033】
次いで、ST2へ進む。ST2では、
図1の事業者サーバ20の
図3の「事業者側登録受付処理部(プログラム)201」が動作し、
図3の「登録受付用情報記憶部202」を参照する。
同記憶部202には、端末装置10のタッチパネル11に登録情報として表示すべき事項、例えば、基本受付用情報(例えば「カナ氏名、生年月日、銀行名、支店名、種目名、口座番号等」が記憶されている。
そこで、同処理部201は、端末装置10のタッチパネル11に、「基本受付用情報(例えば「カナ氏名、生年月日、銀行名、支店名、種目名、口座番号)」の入力を求める画面を表示する。
ここで、基本受付用情報が、登録関連情報及び一般登録関連情報の一例である。
【0034】
次いで、ST3へ進む。ST3では、利用者による端末装置10への入力が完了すると、端末装置10との接続が事業者サーバ20から管理サーバ40に自動的に変更され、管理サーバ40の
図6の「管理側登録受付処理部(プログラム)401」が動作し、管理サーバ40は、端末装置10のタッチパネル11に「現在残高」及び「暗証番号」の入力を求める。
また、併せて「カナ氏名」、「生年月日」、「職業」、「利用目的」、「電話番号」、「口座(預金口座)情報(支店名、(預金)種目、口座番号)」の入力も求める。
これら「現在残高」及び「暗証番号」等が、登録関連情報及び金融機関識別情報の一例となっている。
【0035】
次いで、ST4へ進む。ST4では、利用者による「現在残高(例えば、1,000,000円)」、「暗証番号(例えば、5678)」、「カナ氏名」、「生年月日」、「職業」、「利用目的」、「口座情報(支店名、種目、口座番号)」等の入力が完了すると、管理サーバ40の同処理部401が動作し、
図6の「管理側利用者情報記憶部402」の「管理側利用者情報」にこれらの情報を記憶する。
【0036】
図24は、ST4で記憶された「管理側利用者情報(その1)」を示す概略説明図である。
図24に示すように、この段階では、管理側利用者情報として「利用者ID」「カナ氏名」「銀行名」「支店名」「種目名」「口座番号」「現在残高」「暗証番号」「生年月日」「利用目的」「職業」「電話番号」等が記憶される。
【0037】
このように、本実施の形態では、利用者の「現在残高」や「暗証番号」は、事業者サーバ20に入力されることがない。
したがって、暗証番号や口座番号等が電子通貨の事業者に漏れることがなく、これらの拡散を未然に防止することができる。
【0038】
次いで、ST5へ進む。ST5では、管理サーバ40は、事業者サーバ20から「カナ氏名」及び「生年月日」のデータを受け取り、事業者サーバ20に入力された「カナ氏名」及び「生年月日」と、管理サーバ40に入力された「カナ氏名」及び「生年月日」と一致するか否かを判断する。
【0039】
次いで、ST6へ進む。ST6では、管理サーバ40の
図6の「MS情報取得部(プログラム)403」が動作し、
図6の「MS情報記憶部404」を参照する。
この「MS情報記憶部404」には、各銀行のキャッシュカードのマグストライプ(MS)情報が記憶されている。
ここで、MS情報は、各銀行のキャッシュカードに記憶されている情報であって、口座番号等が暗号化されて記憶されている。
【0040】
また、同取得部403は、
図6及び
図24の管理側利用者情報(その1)の当該利用者IDの「銀行名(例えば、ABC銀行)」を参照し、当該銀行(例えば、ABC銀行)のキャッシュカードのマグストライプ(MS)情報を取得して、
図6の「管理側利用者情報記憶部402」に記憶する。
【0041】
図25は、ST6でMS情報が記憶された管理側利用者情報(その2)を示す概略説明図である。
図25に示すように、管理側利用者情報(その2)には、上述のその1と異なり「MS情報」が記憶されている。
【0042】
次いで、ST7へ進む。ST7では、管理サーバ40の
図6の「第1の銀行向送信用電文(例えば、ATM電文)作成部(プログラム)405」が動作し、
図6及び
図25の管理側利用者情報記憶部402の管理側利用者情報(その2)から「銀行名(ABC銀行)」「支店名(大崎支店)」「種目名(普通)」「口座番号(1234567)」「MS情報(・・・・)」「暗証番号(5678)」を取得し、「第1の銀行向送信用電文」を作成し、
図6の「第1の銀行向送信用電文記憶部406」に記憶する。
【0043】
ここで、「第1の銀行向送信用電文」は、金融機関向送信情報の一例であり、銀行等の金融機関が受信可能な電文である。
本実施の形態では、例えば、ABC銀行が受信可能なAPI(Application Programming Intercace)に沿った電文となっている。
なお、銀行向電文は、各銀行によって異なるAPIを採用しているが、本実施の形態の管理サーバ40は、各銀行のAPIの情報を取得しているため、当該銀行(例えば、ABC銀行)に合致した電文を作成することができる。
【0044】
したがって、事業者は利用者の情報を取得しても、その情報を管理サーバ40に送信することで、銀行サーバ30に送信することができ、事業者は銀行毎に相違するAPIに沿ってネットワークを構築する必要がなく、極めて低コストで銀行と通信することができる。
また、銀行も従来から利用しているAPIネットワークをそのまま利用して管理サーバ40と通信することができるので、新たにネットワークを構築する必要がなく、極めて低コストで通信することができる。
【0045】
次いで、ST8へ進む。ST8では、管理サーバ40は、
図6の「第1の銀行向送信用電文記憶部406」の電文を「銀行サーバ30」に送信する。
そして、送信後、管理サーバ40は、
図25の管理側利用者情報(その2)の「暗証番号」及び
図6の「第1の銀行向送信用電文記憶部406」の「第1の銀行向送信用電文」の「暗証番号」を記憶から削除する。
【0046】
このように、本実施の形態では、利用者にとって極めて重要な「暗証番号」を事業者サーバ20のみならず「管理サーバ40」にも残さない構成となっているため、極めて安全なシステムとなっている。
【0047】
次いで、ST9へ進む。ST9では、銀行サーバ30の
図12の「暗証番号突合処理部(プログラム)301」が動作し、受信した「第1の銀行向送信用電文」の「口座番号」等から銀行サーバ30の当該口座の「暗証番号」情報を取得する。
そして、第1の銀行向送信用電文の暗証番号と銀行サーバ30の暗証番号の突合を行う。
【0048】
次いで、ST10へ進む。ST10では、銀行サーバ30が、利用者の口座の暗証番号の突合の結果、暗証番号が完全に一致した場合、銀行サーバ30の
図12の「現在残高付銀行向送信用電文作成部(プログラム)302」が動作する。
そして、当該口座の銀行サーバ30における「現在残高」を含む「現在残高付銀行向送信用電文」を作成し、
図12の「現在残高付銀行向送信用電文記憶部303」に記憶する。
この「現在残高付銀行向送信用電文」には、銀行で把握している口座名義人の「カナ氏名」、「生年月日」、「銀行において本人確認済みか否かを識別するフラグ(本人確認フラグ)」及び「個人か法人かを識別するフラグ(個人法人識別フラグ)」も含まれる。
なお、この暗証番号は、暗証情報の一例である。
【0049】
この現在残高付銀行向送信用電文は、当該銀行のAPIに沿った電文で作成され、
図12に示すように、銀行名(ABC_bank)、支店名(Osaki_Branch)、種目名(普通)、口座番号(1234567)、MS番号(abvdefg)、暗証番号(efgh)、銀行側現在残高(1,000,000円)の情報等が含まれている
【0050】
この工程で、銀行サーバ30は、利用者が端末装置10で入力した「暗証番号」が正確か否かの判断を行う。
【0051】
次いで、ST11へ進む。ST11では、銀行サーバ30は、
図12の「現在残高付銀行向送信用電文記憶部303」の「現在残高付銀行向送信用電文」を管理サーバ40に送信する。
【0052】
次いで、ST12へ進む。ST12では、管理サーバ40の
図6の「現在残高付事業者向送信用電文作成部(プログラム)407」が動作し、受信した「現在残高付銀行向送信用電文」を「現在残高付事業者向送信用電文」に変換する。
そして、
図7の「現在残高付事業者向送信用電文記憶部411」に記憶する。
【0053】
ここで、現在残高付事業者向送信用電文の「事業者向送信用電文」は、事業者サーバ20が受信可能事業者向け送信情報の一例である。
このように、本実施の形態では、管理サーバ40が、銀行向けの特殊な電文を事業者向けの電文に変換するので、事業者は特に銀行との通信のために当該銀行の採用するAPIに沿った新たなネットワークを構築する必要がなく、通信コストを低く抑えることができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態では、管理サーバ40は、銀行サーバ30と事業者サーバ20が、それぞれ、受信可能な電文で情報を送信するので、銀行サーバ30と事業者サーバ20は、従来のネットワークシステム等を一切変更することなく、そのままで、相互に情報を交換することができる。
例えば、各銀行の銀行サーバ30は、それぞれ、別個のAPIを採用しているため、事業者サーバ20が、各銀行サーバ30と通信するために、異なるAPIに合わせたネットワークを構築する必要があった。
これに対し、本実施の形態では、管理サーバ40が、各銀行サーバ30のAPIに合わせた電文を生成するので、事業者サーバ20が、銀行サーバ30と通信するために、異なるAPIに合わせたネットワークを構築する必要はなく、従来のネットワーク等をそのまま利用でき、コストを大幅に低減することができる。
【0055】
次いで、ST13へ進む。ST13では、管理サーバ40の「情報比較部(マッチング)(プログラム)412」が動作し、
図7の「現在残高付事業者向送信用電文記憶部411」の「現在残高付事業者向送信用電文」の「カナ氏名」、「生年月日」、「銀行側現在残高(1,000,000円)」と、
図6及び
図25の「管理側利用者情報記憶部402」の「管理側利用者情報(その2)」の「カナ氏名」、「生年月日」、「現在残高(1,000,000円)」とを比較し、データが一致したか否かを判断し、一致し、本人確認がなされており、口座名義人が個人であることが確認できた場合、
図6の管理側利用者情報記憶部402に「利用許可フラグ」を設定する。
また、この本人確認と口座名義人が個人であること等の確認は、
図7の「現在残高付事業者向送信用電文」に基づいて実行される。
【0056】
図26は、ST13で「利用許可フラグ」が設定された状態を示す管理側利用者情報を示す概略説明図である。
図26に示すように、管理側利用者情報(その3)には「利用許可フラグ」が設定されている。
なお、ここで現在残高は、残高情報の一例となっている。
【0057】
このように本実施の形態では、銀行サーバ30が、利用者が入力した暗証番号と、利用者のキャッシュカードの登録済みの暗証番号の一致を確認し、更に、管理サーバ40が、利用者が入力した「カナ氏名」、「生年月日」、現在残高と、銀行サーバ30から入手した「カナ氏名」、「生年月日」、現在残高を比較し、これらが一致し、さらに、銀行において本人確認がなされており、口座名義人が個人であることが確認できた場合等にのみ「利用許可フラグ」を設定する構成となっている。
このため、利用者の本人認証を確実に行うことができる。
【0058】
特に、本実施の形態では、暗証番号の突合は、銀行サーバ30、現在残高等の突合は管理サーバ40と、それぞれ異なった機関で実行されるので、より信頼性の高い本人認証が可能となっている。
【0059】
次いで、ST14へ進む。ST14では、管理サーバ40の
図7の「利用期間情報(トークン)生成部(プログラム)413」が動作し、トークン情報(特定日から120日間有効)を生成し、
図6の「管理側利用者情報記憶部402」に登録する。
図27は、ST14で「トークン情報」が記憶された「管理側利用者情報(その4)」を示す概略説明図である。
図27で示すように、当該利用者フラグの有効期間を限定する情報を付加することで、本人認証の確実性を担保している。
【0060】
次いで、ST15へ進む。ST15では、管理サーバ40の
図7の「事業者サーバ送信用利用者情報生成部(プログラム)414」が動作し、「事業者サーバ送信用情報」を生成し、
図7の「事業者サーバ送信用情報記憶部415」に記憶する。
この事業者サーバ送信用情報は、事業者サーバ20が受信可能な事業者向送信用電文で生成されていると共に、事業者が必要な情報に限定し、利用者のキャッシュカードの暗証番号や銀行口座の現在残高情報は含まれない構成となっている。
【0061】
具体的には、
図7の「事業者サーバ送信用情報」として、事業者ID(例えば、2001)、利用者ID(例えば、10001)、カナ氏名、銀行名(例えば、ABC銀行)、支店名(例えば、大崎支店)、種目名(例えば、普通)、口座番号(例えば、1234567)、トークン(例えば、20200130)情報等が含まれる。
【0062】
このように本実施の形態では、事業者が従来のシステムを変更することなく、管理サーバ40を介して銀行サーバ30と通信できると共に、利用者の機密情報等は取得できない構成となっている。
したがって、事業者にとっては使い易く、且つ、必要な情報を自動的に取得でき、一方、利用者にとっては安全性の高いシステムとなっている。
【0063】
次いで、ST16へ進む。ST16では、管理サーバ40は、
図7の「事業者サーバ送信用情報記憶部415」の「事業者サーバ送信用情報」を事業者サーバ20へ送信する。
【0064】
次いで、ST17へ進む。ST17では、事業者サーバ20は、受信した「事業者サーバ送信用情報」に基づいて、事業者サーバ20の
図3の「事業者側利用者情報記憶部203」に「事業者側利用者情報」を記憶する。
具体的には、
図3の「事業者側利用者情報記憶部203」に示すように、事業者ID(例えば、2001)、利用者ID(例えば、10001)、カナ氏名(、銀行名(例えば、ABC銀行)、支店名(例えば、大崎支店)、種目名(例えば、普通)、口座番号(例えば、1234567)、トークン(例えば、20200130)情報等が記憶される。
【0065】
これにより、事業者サーバ20は、X電子通貨を利用する利用者の必要な情報を自動的に取得することができる。
【0066】
次いで、ST18へ進む。ST18では、管理サーバ40が、端末装置10とのタッチパネル11に登録終了の画面を表示し、「利用者の登録」が終了する。
【0067】
(都度チャージ工程)
X電子通貨の利用のために登録が完了した利用者が、X電子通貨を利用するために「都度チャージ」すなわち、自己の銀行口座の現金を端末装置10で利用可能なX電子通貨に変更するための工程を以下説明する。
先ず、
図17のST21で、電子通貨のチャージを希望する利用者は、自己の端末装置10で電子通貨の事業者サーバ20にアクセスする。
【0068】
次いで、ST22へ進む。ST22では、事業者サーバ20の
図3の「都度チャージ受付処理部(プログラム)204」が動作し、端末装置10のタッチパネル11に、都度チャージ情報である例えば、都度チャージ金額の入力画面を表示される。
【0069】
次いで、ST23へ進む。ST23では、入力が完了すると、同処理部204が動作し、都度チャージ金額を
図3の「事業者側都度チャージ受付情報記憶部205」に記憶する。
図3の事業者側都度チャージ受付情報記憶部205では、「銀行名(例えば、ABC銀行)」「支店名(例えば、大崎支店)」「種目名(例えば、普通)」「口座番号(例えば、124567)」「都度チャージ金額(例えば、1,000円)」が記憶される。
【0070】
次いで、ST24へ進む。ST24では、端末装置10との接続が、事業者サーバ20から管理サーバ40へ自動変更されると共に、事業者サーバ20が
図3の「事業者側都度チャージ受付情報記憶部205」の「事業者側チャージ受付情報」を管理サーバ40へ送信する。
【0071】
次いで、ST25へ進む。ST25では、管理サーバ40は、受信した「事業者側チャージ受付情報」を「管理側チャージ受付情報」として
図8の「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶する。
図28は、ST25で「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶される「管理側チャージ受付情報(その1)」の内容を示す概略説明図である。
図28に示すように、「管理側都度チャージ受付情報(その1)」は、以下の事項となる。
「銀行名(例えば、ABC銀行)」「支店名(例えば、大崎支店)」「種目名(例えば、普通)」「口座番号(例えば、1234567)」「都度チャージ金額(例えば、1,000円)」
【0072】
次いで、ST26へ進む。ST26では、管理サーバ40の
図8の「暗証番号要求部(プログラム)422」が動作し、端末装置10のタッチパネル11に「暗証番号」の入力画面を表示する。
【0073】
次いで、ST27へ進む。ST27では、入力があると、管理サーバ40の同要求部422は、入力された「暗証番号(例えば、5678)」を
図8の「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶する。
【0074】
図29は、ST27で「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」に記憶される「管理側チャージ受付情報(その2)」の内容を示す概略説明図である。
図29に示すように、「管理側都度チャージ受付情報(その2)」は、以下の事項となる。
「銀行名(例えば、ABC銀行)」「支店名(例えば、大崎支店)」「種目名(例えば、普通)」「口座番号(例えば、1234567)」「都度チャージ金額(例えば、1,000円)」「暗証番号(例えば、5678)」
【0075】
このように、本実施の形態では、利用者は入力する暗証番号は、事業者サーバ20ではなく、管理サーバ40に直接、入力される。このため、事業者は不必要な情報を取得することなく、また、利用者は暗証番号の機密性を確保することができる。
【0076】
次いで、ST28へ進む。ST28では、管理サーバ40の
図8の「利用者判断部(プログラム)423」が動作し、
図8の「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」の「管理側都度チャージ受付情報」と、管理サーバ40の
図6「管理側利用者情報記憶部402」の「管理側利用者情報」とを比較する。
具体的には、
図29の「管理側都度チャージ受付情報(その2)」と
図27の「管理側利用者情報(その4)」とを比較して、情報が一致するか否かを判断し、一致する場合、「都度チャージ金額」「取引ID」「取引日時」の情報を
図6の「管理側利用者情報記憶部402」に記憶する。
【0077】
図30は、ST28で、「都度チャージ金額」「取引ID」「取引日時」の情報が付加された管理側利用者情報(その5)を示す概略説明図である。
図30に示すように、管理側利用者情報(その5)には、「都度チャージ金額(例えば、1,000円)」「取引ID(・・・・)」「取引日時(・・・・)」の情報が記憶される。
【0078】
このように、本実施の形態では、登録工程を経た利用者であっても、チャージに際し、管理サーバ40が、再び本人認証するため、より安全性の高いシステムとなっている。
【0079】
次いで、ST29へ進む。ST29では、管理サーバ40の
図8の「第2の銀行向送信用電文作成部(プログラム)424」が動作し、
図6の「管理側利用者情報記憶部402」の
図30の「管理側利用者情報(その5)」と
図8の「管理側都度チャージ受付情報記憶部421」の
図29の「管理側都度チャージ受付情報(その2)」に基づいて、「第2の銀行向送信用電文」、例えばATM電文を作成し、
図8の「第2の銀行向送信用電文記憶部425」に記憶する。
【0080】
具体的には、
図8に示すように「第2の銀行向送信用電文」の内容は以下のとおりである。
「銀行名(例えば、ABC_bank)」「支店名(例えば、Osaki_branch)」「種目名(普通)」「口座番号(例えば、1234567)」「MS情報(例えば、Abcdefg)」「暗証番号(例えば、efgh)」「チャージ方式区分(0)」「暗証番号チェック区分(0)」「都度チャージ金額(例えば、1、000円)」
【0081】
ここで、チャージ方式区分は、都度チャージ又はオートチャージ(自動口座出金)の区分を指し、「0」は都度チャージを意味する。
また、「暗号番号チェック区分」は、暗号番号のチェックの要否を示し、「0」はチェック要を意味する。
暗号番号チェックは、オートチャージでは不要、都度チャージでは必要となっているため、ここでは、「チェック要(0)」となっている。
【0082】
次いで、ST30へ進む。ST30では、管理サーバ40は、
図8の「第2の銀行向送信用電文記憶部425」の「第2の銀行向送信用電文」を「銀行サーバ(ABC銀行)30」へ送信する。
そして、その後、「第2の銀行向送信用電文」の「暗証番号」の情報を削除する。
【0083】
したがって、管理サーバ40が利用者の機密性の高いキャッシュカードの暗証番号を保持しないため、安全性を高める構成となっている。
【0084】
次いで、ST31へ進む。ST31では、銀行サーバ30の
図12の「出金判断処理部(プログラム)304」が動作し、「都度チャージ金額」が出金可能か否かを判断し、可能な場合は、出金(1,000円)処理(勘定系処理)する。
そして、「出金済み銀行送信用電文」を生成し、
図12の「出金済み銀行送信用電文記憶部305」に記憶する。
【0085】
次いで、ST32へ進む。ST32では、銀行サーバ30は、
図12の「出金済み銀行送信用電文記憶部305」の「出金済み銀行送信用電文」を管理サーバ40へ送信する。
【0086】
次いで、ST33へ進む。ST33では、管理サーバ40は、受信した「出金済み銀行送信用電文」を
図8の「管理側出金済み銀行送信用電文記憶部426」に記憶する。
【0087】
次いで、ST34へ進む。ST34では、管理サーバ40の
図8の「事業者向送信用電文変換処理部(プログラム)427」が動作し、
図8の「管理側出金済み銀行送信用電文記憶部426」の「管理側出金済み銀行向送信用電文」を「管理側出金済み事業者向送信用電文」に変換し、
図9の「管理側出金済み事業者向送信用電文記憶部431」に記憶する。
【0088】
したがって、上述の利用者の登録工程と同様に、管理サーバ40が銀行サーバ30向け送信電文と事業者サーバ20向け送信電文を生成し、送信するので、事業者と銀行は従来のシステムを変更することなく、そのまま利用することができ、本システム1を低コストで利用することができる。
【0089】
次いで、ST35へ進む。ST35では、管理サーバ40は、
図9の「管理側出金済み事業者向送信用電文記憶部431」の「管理側出金済み事業者向送信用電文」の「取引結果(出金)(例えば、1,000円)」を
図6の「管理側利用者情報記憶部402」に記憶する。
【0090】
図31は、ST35で「取引結果(出金)」が付加された「管理者側利用者情報(その6)」を示す概略説明図である。
図31に示すように、管理サーバ40は、暗証番号を除く利用者情報を管理することができる構成となっている。
【0091】
次いで、ST36へ進む。ST36では、管理サーバ40が、チャージで1000円が電子通貨として入金処理されたことを、端末装置10のタッチパネル11に表示する。
【0092】
次いで、ST37へ進む。ST37では、端末装置10で、承認入力すると、取引終了の信号が事業者サーバ20へ送信される。
【0093】
次いで、ST38へ進む。ST38では、事業者サーバ20は、管理サーバ40から「管理側出金済み事業者向送信用電文」を取得し、
図3の「事業者側利用者情報記憶部203」の「事業者側利用者情報」に「取引結果(出金)」情報等を付加して記憶する。
【0094】
本実施の形態のチャージ工程では、ST24から端末装置10との通信が、事業者サーバ20ではなく、管理サーバ40へ自動的変更されるため、チャージ関連情報である例えば、取引結果(出金)情報を事業者サーバ20が入手できない構成となっている。
このため、ST37で、取引が終了すると、その信号が、端末装置10から事業者サーバ20へ送信され、事業者サーバ20が管理サーバ40から取引結果(出金)等の情報を取得できる構成となっている。
すなわち、暗証番号等の機密情報は、事業者サーバ20に入力されないと共に、取引結果(出金)等の必要な情報は迅速に漏れなく、事業者サーバ20が取得可能な構成となっている。
【0095】
加えて、本実施の形態によれば、仮に、事業者サーバ20、銀行サーバ30、管理サーバ40間の通信が途絶した場合であっても事業者サーバ20と管理サーバ40、銀行サーバ30間の取引結果の整合性確認及び不整合時の補正を事業者側で行うことができる構成となっている。
【0096】
(自動口座出金(オートチャージ等)登録工程)
次いで、X電子通貨の利用のために登録が完了した利用者が、X電子通貨を利用するために「自動口座出金」すなわち、端末装置10で利用可能なX電子通貨が、所定金額(例えば、1,000円以下等)なったとき、自己の銀行口座から現金(10,000円)を自動的に出金し、端末装置10のX電子通貨に変更するための登録工程を説明する。
【0097】
図20は、自動口座出金登録工程を示す概略フローチャートである。
先ず、
図20のST41で、X電子通貨のオートチャージを希望する利用者は、自己の端末装置10で電子通貨の事業者サーバ20にアクセスする。
【0098】
次いで、ST42へ進む。ST42では、事業者サーバ20の
図4の「自動口座出金(例えば、オートチャージ)受付処理部(プログラム)211」が動作し、端末装置10のタッチパネル11に、自動口座出金情報(例えば、オートチャージ出金等)である自動口座出金金額(例えば、10,000円)と自動口座出金の実行金額(例えば、オートチャージ実行金額、1,000円)の入力画面を表示する。
【0099】
次いで、入力が完了すると、ST43へ進む。ST43では、同処理部211が動作し、オートチャージ出金金額(10,000円)及びオートチャージの実行金額(1,000円)を
図4の「事業者側自動口座出金受付情報記憶部212」に記憶する。
「事業者側自動口座出金受付情報記憶部212」では、「銀行名(例えば、ABC銀行)」「支店名(例えば、大崎支店)」「種目名(例えば、普通)」「口座番号(例えば、124567)」「オートチャージ出金金額(例えば、10,000円)」「オートチャージの実行金額(例えば、1,000円)」等が記憶される。
以上で、X電子通貨の自動口座出金(オートチャージ)の登録工程が完了する。
【0100】
(自動口座出金(オートチャージ)の実行工程)
図21は、自動口座出金の実行工程を示す概略フローチャートである。
図21に沿って、以下、同工程を説明する。
先ず、
図21のST51では、事業者サーバ20の
図4の「自動口座出金受付処理部(プログラム)211」が動作し、事業所サーバ20の
図4の「端末装置毎電子通貨残高情報記憶部213」の当該端末装置10のX電子通貨の残高情報と、
図4の「事業者側自動口座出金受付情報記憶部212」の「自動口座出金実行金額(1,000円)」を参照し、同残高情報が、自動口座出金実行金額に該当するか否かを判断し、該当する場合は、この「事業者側自動口座出金受付情報」を管理サーバ40に送信する。
【0101】
次いで、ST52へ進む。ST52では、事業者サーバ20から受信した「事業者側自動口座出金受付情報」を
図9の「管理側自動口座出金受付情報記憶部432」に記憶する。
【0102】
次いで、ST53へ進む。ST53では、
図9の「暫定合計出金実行回数生成部(プログラム)433」が動作し、事業者サーバ20から「事業者側自動口座出金受付情報」を受信すると、暫定的に、すなわち、出金を実行したと仮定して「出金実行回数」に含め、当該1日の当該事業者に関する出金実行回数に足し、その合計回数を当該実行日の暫定合計出金実行回数として、
図9の「暫定合計出金実行回数記憶部434」に記憶する。
【0103】
次いで、ST54に進む。ST54では、
図9の「出金制限等基準情報生成部(プログラム)436」が動作し、
図9の「自動口座出金履歴情報記憶部435」を参照する。
ここで、「自動口座出金履歴情報記憶部435」には、各端末装置10等について電子通貨の事業者毎に、1日における出金実行回数の合計も記憶される構成となっている。
この出金実行回数は、銀行サーバ30で出金実行した回数に基づいて算出される。
【0104】
また、この出金実行回数は、過去における1日の最大値(回数)を優先的に記憶する構成となっており、優先的に記憶されている1日の最大値を上回る回数の場合は、従前の最大値が更新される構成となっている。
【0105】
そして、同生成部436は、「自動口座出金履歴情報記憶部435」の過去における1日の出金実行回数の最大値に基づいて、一定の比率を乗じて算出した「出金制限基準回数」及び「出金停止基準回数」を定め、
図9の「出金制限等基準情報記憶部437」に記憶させる。
【0106】
このとき、過去における1日の実行回数の最大値が、任意で設定される出金実行下限回数未満のときは、過去における最大値ではなく、この出金実行下限回数値に基づいて「出金制限基準回数」等を定め、それぞれ記憶する。
したがって、例えば、自動口座出金の開始直後のように、過去のおける自動口座出金(オートチャージ等)の回数が少ないときでも、自動口座出金を不許可にする等となることを未然に回避することができる。
【0107】
次いで、ST55に進む。ST55では、
図10の「自動口座出金監視部(プログラム)442」が動作し、
図9の「暫定合計出金実行回数記憶部434」の暫定合計出金実行回数が
図9の「出金制限等基準情報記憶部437」の「出金制限基準回数」又は「出金停止基準回数」に達したか否かを判断し、暫定合計出金実行回数が、「出金制限基準回数」に達し、「出金停止基準回数」に達していないときは、「警告情報」を生成して、管理サーバ40運営者宛てに「警告情報」を送信すると共に、「警告情報」を
図10の「監視結果情報記憶部441」に記憶し、後述する「出金制限情報関連工程」へ進む。
【0108】
また、暫定合計出金実行回数が「出金停止基準回数」に達しているときは、「停止情報」を生成し、管理サーバ40管理者宛てに「停止情報」を送信すると共に、「停止情報」を
図10の「監視結果情報記憶部441」に記憶し、後述する「出金停止情報関連工程」へ進む。
さらに、暫定合計出金実行回数が「出金制限基準回数」に達していないときは、後述する「通常工程」に進む。
【0109】
このように本実施の形態では、自動口座出金(例えば、オートチャージ等)の実行の際、過去における自動口座出金の実行実績情報(例えば、事業者毎の1日における出金実行回数等)に基づいて、当該自動口座出金が、「正常」、「警告(出金制限)」又は「停止(出金停止)」のいずれかに分け、異なる処理を行い、これにより、不適切な自動口座出金を未然に防ぐ構成となっている。
【0110】
。
以下、「通常工程」、「出金制限情報工程」及び「出金停止情報工程」のそれぞれについて詳述する。
【0111】
(通常工程)
図22及び
図23は、「通常工程」の主な工程を示す概略フローチャートである。
以下、同概略フローチャートに沿って、本実施の形態における「通常工程」を説明する。
先ず、
図22のST70では、管理サーバ40は、
図10の「監視結果情報記憶部441」を参照し、同記憶部441に「警告情報」や「停止情報」が記憶されていないときは、「正常」と判断して、「銀行向自動口座出金用送信電文」を生成し、
図10の「銀行向自動口座出金用送信電文記憶部443」に記憶する。
【0112】
具体的には、
図10に示すように「銀行向自動口座出金用送信電文」の内容は以下のとおりである。
「銀行名(例えば、ABC銀行)」「支店名(例えば、大崎支店)」「種目名(例えば、普通)」「口座番号(例えば、1234567)」「自動口座出金金額(例えば、10,000円)」「MS情報(例えば、Abcdefg)」、自動口座出金の場合は、MS情報の「チャージ方式区分」が「自動口座出金(1)」、「暗証番号チェック区分」が「チェック不要(1)」となる旨追加する。
【0113】
次いで、ST71へ進む。ST71では、管理サーバ40は、「銀行向自動口座出金用送信電文」を銀行サーバ30へ送信する。
ST72では、銀行サーバ30は
図13の「出金判断処理部(プログラム)311」が動作し、「自動口座出金金額」が出金可能か否かを判断し、可能な場合は、出金(10,000円)処理(勘定系処理)する。
そして、ST73へ進み、銀行サーバ30は、「出金済み銀行送信用電文」を生成し、
図13の「出金済み銀行送信用電文記憶部312」に記憶する。
【0114】
ここで、銀行サーバ30は、「暗証番号」の確認を行わないため、管理サーバ40も「暗証番号」情報を銀行サーバ30へ送信する必要がない。
したがって、端末装置10の利用者に「暗証番号」の入力を強いることがないので、使い易いシステムとなっている。
また、暗証番号の入力を利用者に強いることがない代わりに、例えば、自動口座出金「1日における出金実行回数の合計の最大値」等に基づいて自動口座出金の不適切な実行を未然に防ぐ構成となっている。
【0115】
次いで、ST74へ進む、ST74では、銀行サーバ30は、
図13の「出金済み銀行送信用電文記憶部312」の「出金済み銀行送信用電文」を管理サーバ40へ送信する。
次いで、ST75で、管理サーバ40は、受信した「出金済み銀行送信用電文」を
図10の「管理側出金済み銀行送信用電文記憶部444」に記憶する。
【0116】
次いで、ST76へ進む。ST76では、管理サーバ40の
図10の「事業者向送信用電文変換処理部(プログラム)445」が動作し、
図10の「管理側出金済み銀行送信用電文記憶部444」の「管理側出金済み銀行送信用電文」を「管理側出金済み事業者向送信用電文」に変換し、
図10の「管理側出金済み事業者向送信用電文記憶部446」に記憶する。
このように、管理サーバ40が「銀行サーバ向け送信電文」と「事業者サーバ向け送信電文」を生成し、送信するので、事業者と銀行は従来のシステムを変更することなく、そのまま利用することができ、本システム1を低コストで利用することができる。
【0117】
次いで、ST77へ進む。ST77で管理サーバ40は、
図10の「管理側出金済み事業者向送信用電文記憶部446」の「管理側出金済み事業者向送信用電文」の「取引結果自動出金(例えば、10,000円)」を
図6の「管理側利用者情報記憶部402」に記憶する。
【0118】
図32は、「取引結果(自動口座出金)」が付加された「管理側利用者情報(その7)」を示す概略説明図である。
図32に示すように、管理サーバ40は、暗証番号を除く利用者情報を管理することができる構成となっている。
【0119】
次いで、ST78へ進む。ST78では、自動口座出金で10,000円が電子通貨として自動入金処理されたことを、端末装置10のタッチパネル11に表示する。
次いで、ST79で、端末装置10で、承認入力すると、取引終了の信号が端末装置10から管理サーバ40へ送信される。
【0120】
次いで、ST80へ進む。ST80では、管理サーバ40から事業者サーバ20へ「管理側出金済み事業者向送信用電文」が送信され、
図3の「事業者側利用者情報記憶部203」の「事業者側利用者情報」に「取引結果(自動口座出金取引)」情報等を付加して記憶する。
【0121】
ただし、管理サーバ40から事業者サーバ20への「取引結果(自動口座出金取引)」情報等の送信が所定の時間内に正常になされなかった場合には、事業者サーバ20が管理サーバ40から取引結果(自動口座出金)等の情報を取得できる構成となっている。
以上で、「通常」と判断された場合の自動口座出金の実行工程が終了する。
【0122】
(出金制限情報関連工程)
「出金制限情報関連工程」では、管理サーバ40が、
図10の「監視結果情報記憶部441」を参照し、同記憶部441に「警告情報」が記憶されている場合、管理サーバ40は、メールでその旨を管理サーバ40運営者に提供するが、その他の工程は、上記の「正常と判断された場合」と同様である。
【0123】
ただし、「警告情報」のメールを受け取った管理サーバ40運営者が任意に設定した「停止情報」が併せて記憶されている場合には、「銀行向自動口座出金用送信電文」を銀行サーバ30に送信することなく、自動口座出金(オートチャージ等)が不可である旨の情報を「事業者サーバ20」と「端末装置10」に送信する。
したがって、不適切な自動口座出金は実行されることなく、その実行は未然に防止される。
【0124】
(「出金停止情報関連工程」について)
「出金停止情報関連工程」では、管理サーバ40は、
図10の「監視結果情報記憶部441」を参照し、同記憶部441に「停止情報」が記憶されている場合、「銀行向自動口座出金用送信電文」を銀行サーバ30に送信することなく、自動口座出金が不可である旨の情報を「事業者サーバ20」と「端末装置10」に送信する。
したがって、不適切な自動口座出金は実行されることなく、その実行は未然に防止される。
【0125】
このように、本実施の形態では、自動口座出金(例えば、オートチャージ等)の実行の際、過去における自動口座出金の実行実績情報(例えば、事業者毎の1日における出金実行回数等)に基づいて、当該自動口座出金の実行が許可される構成となっているため、不適切な自動口座出金を未然に防ぐことができる。
【0126】
以上説明した本実施形態においては、装置として実現される場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納され頒布されてもよい。
【0127】
また、記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であればよい。記憶媒体の記憶形式は、特には限定されない。
【0128】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0129】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体には限定されず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0130】
また、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいて本実施形態における各処理を実行すればよく、1つのパソコン等からなる装置であってもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等であってもよい。
【0131】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0133】
1・・・電子通貨情報管理システム、2・・インターネット網、3・・・基地局、10・・・端末装置、20・・・事業者サーバ、30・・・銀行サーバ、40・・・管理サーバ、200・・・事業者サーバ側第1の各種情報記憶部、210・・・事業者サーバ側第2の各種情報記憶部、300・・・銀行サーバ側第1の各種情報記憶部、310・・・銀行サーバ側第2の各種情報記憶部、400・・・管理サーバ側第1の各種情報記憶部、410・・・管理サーバ側第2の各種情報記憶部、420・・・管理サーバ側第3の各種情報記憶部、430・・・管理サーバ側第4の各種情報記憶部、440・・・管理サーバ側第5の各種情報記憶部