IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブリヂストンの特許一覧

<>
  • 特開-サイホン排水システム 図1
  • 特開-サイホン排水システム 図2
  • 特開-サイホン排水システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091061
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】サイホン排水システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/122 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
E03C1/122 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203772
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 伸也
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061AA04
2D061AB05
2D061AB07
2D061AB10
2D061AD01
(57)【要約】
【課題】水廻り器具の設計自由度を向上できるサイホン排水システムを提供する。
【解決手段】サイホン排水システム10は、横方向に延在し、居室19に設置された水廻り器具20からの排水を流す横引き管28と、横引き管28の下流側に接続され、下方向に延在して排水立て管12に接続される、可撓性を有する竪管50と、を備え、竪管50の横引き管28への第一接続部50Aは、竪管50の排水立て管12への第二接続部50Bに対して水平方向にオフセットしており、このオフセット方向は、排水立て管12に対する居室19側である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に延在し、居室に設置された水廻り器具からの排水を流す横引き管と、
前記横引き管の下流側に接続され、下方向に延在して排水立て管に接続される、可撓性を有する竪管と、
を備え、
前記竪管の前記横引き管への第一接続部は、前記竪管の前記排水立て管への第二接続部に対して水平方向にオフセットしており、
このオフセット方向は、前記排水立て管に対する前記居室側である、
サイホン排水システム。
【請求項2】
前記第一接続部の前記第二接続部に対するオフセット量は、600mm以下である、
請求項1に記載のサイホン排水システム。
【請求項3】
前記竪管は、継手を有さないポリブデン管で構成されている、
請求項1又は2に記載のサイホン排水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイホン排水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、横方向に延在し水廻り器具からの排水を流す横引き管と、該横引き管の下流側に接続され横引き管からの排水を下方に流す竪管と、を備えるサイホン排水システムが開示されている。このサイホン排水システムでは、竪管は、横引き管の下流側に接続され鉛直方向に延在する第1の鉛直部と、該第1の鉛直部の下流側に設けられ鉛直方向に対して傾斜する第1傾斜部分と、該第1傾斜部分の下流側に設けられ鉛直方向に延在する第2の鉛直部と、を有している。そして、該第1傾斜部分は、竪管の鉛直方向中間部よりも上側に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-25074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1のように鉛直部及び傾斜部分を有する竪管として、硬質ポリ塩化ビニル管(以下、「塩ビ管」という)を用いた場合、鉛直部と傾斜部分との接続部分に継手を利用する必要がある。この場合では、継手から漏水する可能性があり、竪管を施工する際の工程数が増加する。また、この場合では、継手部分に汚れも蓄積しやすい。
【0005】
また、特許文献1の構成では、第1の鉛直部の横引き管への接続部が、第2の鉛直部の排水立て管への接続部に対して、水平方向にオフセットしているが、横引き管の長さには限界があるため、オフセットする方向によっては、水廻り器具の配置位置が制約を受け、水廻り器具の設計自由度が低下する。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、水廻り器具の設計自由度を向上できるサイホン排水システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係るサイホン排水システムは、横方向に延在し、居室に設置された水廻り器具からの排水を流す横引き管と、前記横引き管の下流側に接続され、下方向に延在して排水立て管に接続される、可撓性を有する竪管と、を備え、前記竪管の前記横引き管への第一接続部は、前記竪管の前記排水立て管への第二接続部に対して水平方向にオフセットしており、このオフセット方向は、前記排水立て管に対する前記居室側である。
【0008】
このように、第1態様の構成では、竪管の横引き管への第一接続部は、竪管の排水立て管への第二接続部に対して水平方向にオフセットしており、そのオフセット方向は、排水立て管に対して、水廻り器具が設置された居室側である。
【0009】
このため、横引き管の長さにオフセット量を加えた長さ分、排水立て管と水廻り器具との水平方向の距離をとることができる。したがって、第1態様の構成によれば、オフセット方向が排水立て管に対して居室側とは反対側である構成に比べ、水廻り器具の配置位置の制約を受けにくく、水廻り器具の設計自由度が向上する。
【0010】
第2態様に係るサイホン排水システムでは、前記第一接続部の前記第二接続部に対するオフセット量は、600mm以下である。
【0011】
ここで、第一接続部の第二接続部に対するオフセット量が、600mmを超える場合には、竪管を流れる排水が抵抗を受けて流速が低下し、排水時間が長くなる。これに対して、第2態様の構成では、第一接続部の第二接続部に対するオフセット量が、600mm以下とされているので、竪管を流れる排水の流速が低下しにくく、排水時間が長くなることを抑制できる。
【0012】
第3態様に係るサイホン排水システムでは、前記竪管は、継手を有さないポリブデン管で構成されている。
【0013】
このように、第3態様の構成では、竪管が、継手を有さないポリブデン管であるため、継手を有する竪管を用いる構成に比べ、漏水を抑制できると共に、竪管を施工する際の工程数を低減できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のサイホン排水システムによれば、水廻り器具の設計自由度を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るサイホン排水システムの全体構成を示す概略図である。
図2】評価試験の評価結果を示す表である。
図3】本実施形態に係るサイホン排水システムにおいて、オフセット量を900mmとした場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0017】
(サイホン排水システム10)
サイホン排水システム10について説明する。図1には、本実施形態に係るサイホン排水システム10の全体構成が概略図にて示されている。サイホン排水システム10は、サイホン力を利用して水廻り器具20からの排水を効率よく排出する排水システムである。なお、各図に示される、鉛直方向及び水平方向における寸法比は、実際の構成と異なる場合がある。
【0018】
図1に示されるように、サイホン排水システム10は、一例として、複数階(図1では、所定の階のみ図示)で構成された集合住宅に用いられる。集合住宅は、排水を下方へ流す排水立て管12を備えている。排水立て管12は、集合住宅の上下方向(すなわち鉛直方向)に延設され、集合住宅の各階のコンクリート製の床スラブ14を貫いている。なお、排水立て管12は、住戸の内外を仕切る外壁16の外側、例えば、メーターボックス18の中に配置されている。また、サイホン排水システム10は、集合住宅に好適に用いられるが、集合住宅以外の戸建て住宅や工場等にも用いることができる。
【0019】
集合住宅の各階の各戸には、水廻り器具20が設けられている。具体的には、水廻り器具20は、各戸における外壁16の内側、例えば、居室19に設置されている。この水廻り器具20には、排水方向下流側に排水トラップ24が接続されている。
【0020】
排水トラップ24の排水方向下流側には、L字状に曲げられた第一L字配管部材26が配置されている。第一L字配管部材26は、排水トラップ24に接続されて鉛直方向に延びる鉛直部26Aと、床スラブ14の上に配置されて水平方向に沿って延びる水平部26Bと、鉛直部26Aと水平部26Bとを繋ぐ湾曲部26Cと、有している。
【0021】
第一L字配管部材26の排水方向下流側には、横方向に延在し、水廻り器具20からの排水を流す横引き管28が配置されている。具体的には、横引き管28は、床スラブ14の上に配置されて、水平方向(換言すれば、鉛直方向に対して直角方向)に延びている。第一L字配管部材26と横引き管28とは、継手30を介して接続されている。
【0022】
横引き管28の排水方向下流側には、L字状に曲げられた第二L字配管部材34が配置されている。第二L字配管部材34は、床スラブ14の上に配置されて水平方向に沿って延びる水平部34Aと、鉛直方向に延びる鉛直部34Bと、水平部34Aと鉛直部34Bとを繋ぐ湾曲部34Cと、を有している。第二L字配管部材34は、水平部34Aが継手32を介して横引き管28に接続されている。
【0023】
第二L字配管部材34の排水方向下流側には、下方向に延在して排水立て管12に接続される竪管50が配置されている。竪管50は、排水方向の上流端部50Aが、継手36を介して第二L字配管部材34の鉛直部34Bに接続されている。換言すれば、竪管50は、第二L字配管部材34を介して横引き管28の下流側に接続されている。竪管50の排水方向の下流端部50Bは、排水立て管12の中間部に取付けられた合流継手40に継手42を介して接続されている。
【0024】
以上のように、本実施形態では、サイホン排水管60は、第一L字配管部材26、横引き管28、第二L字配管部材34及び竪管50を有している。また、本実施形態では、第一L字配管部材26の内径、横引き管28の内径、第二L字配管部材34の内径、及び竪管50の内径が同一内径に設定されている。第一L字配管部材26及び第二L字配管部材34は、一例として、硬質塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で形成された市販品(例えば、エルボとも呼ばれる)を用いることができる。
【0025】
本実施形態では、図1に示されるように、竪管50は、第一縦部51と、傾斜部54と、第二縦部52と、を有している。第一縦部51は、排水立て管12に沿って縦方向(具体的には鉛直方向)に沿って延びている。傾斜部54は、上端が第一縦部51の下端に接続されており、第一縦部51の下端から下側に向かうにつれて徐々に居室19に対する排水立て管12側(図1における右側)にずれるように、鉛直方向に対して傾斜している。第二縦部52は、上端が傾斜部54の下端に接続されており、傾斜部54の下端から下方側(具体的には鉛直方向下側)へ延びている。すなわち、第二縦部52は、排水立て管12に沿って縦方向(具体的には鉛直方向)に沿って延びている。
【0026】
なお、竪管50は、例えば、第一縦部51と傾斜部54との境界部分が、バンド等により支柱(図示省略)に対して支持されていてもよい。また、竪管50は、例えば、傾斜部54と第二縦部52との境界部分が、バンド等により、排水立て管12又は支柱(図示省略)に対して支持されていてもよい。また、傾斜部54は、例えば、竪管50における鉛直方向の中央よりも上側に配置されていてもよい。
【0027】
そして、竪管50は、上流端部50Aが下流端部50Bに対して、水平方向にオフセットしている。換言すれば、竪管50は、第一縦部51が第二縦部52に対して、水平方向にオフセットしている。このオフセット方向は、排水立て管12に対する居室19側(図1において水廻り器具20が設置される左側)である。すなわち、竪管50の上流端部50Aは、水平方向にて、下流端部50Bに対して排水立て管12に対する居室19側にずれている。オフセット量A(図1における寸法A)は、例えば、600mm以下とされている。なお、オフセット量Aは、竪管50の上流端部50Aの中心から下流端部50Bの中心まで水平方向に沿った長さである。
【0028】
なお、竪管50の上流端部50Aは、上端部であり、第二L字配管部材34を介して横引き管28に接続される部分である。上流端部50Aは、横引き管28への第一接続部の一例である。一方、竪管50の下流端部50Bは、下端部であり、合流継手40を介して排水立て管12に接続される部分である。下流端部50Bは、排水立て管12への第二接続部の一例である。なお、竪管50は、矢印X方向に見ると、直線状を成している。
【0029】
竪管50及び横引き管28は、可撓性を有している。具体的には、竪管50及び横引き管28は、継手を有さないポリブデン管で構成されている。
【0030】
(本実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0031】
本実施形態のサイホン排水システム10によれば、水廻り器具20から排出された排水は、排水トラップ24、サイホン排水管60、及び合流継手40を経て排水立て管12へ合流する。
【0032】
水廻り器具20から大量の排水がサイホン排水管60に流入する場合には、横引き管28が排水で満水となり、その後、排水は、満水状態を維持して竪管50に流れる。満水となった排水が竪管50内を重力により落下すると、サイホン水頭Hs(図1参照)のポテンシャルエネルギ-により、サイホン力が発生する。横引き管28の内部の排水は、サイホン力によって竪管50に向かって吸引されて流下し、効率的に排水が行われる。
【0033】
ここで、本実施形態では、竪管50上流端部50Aが、竪管50の下流端部50Bに対して、水平方向にオフセットしている。このオフセット方向は、排水立て管12に対する居室19側(図1における左側)である。
【0034】
このため、横引き管28の長さ(厳密には、第一L字配管部材26の水平部26B及び第二L字配管部材34の水平部34Aを含む長さB)にオフセット量Aを加えた長さ分、排水立て管12と水廻り器具20との水平方向の距離をとることができる。したがって、本実施形態の構成によれば、オフセット方向が排水立て管12に対して居室19側とは反対側(図1における右側)である構成に比べ、水廻り器具20の配置位置の制約を受けにくく、水廻り器具20の設計自由度が向上する。この結果、横引き管28を配管するルートの自由度が向上し、施工性も向上する。
【0035】
また、本実施形態では、オフセット量Aが、600mm以下とされている。ここで、オフセット量Aが、600mmを超える場合には、竪管50を流れる排水が抵抗を受けて流速が低下し、排水時間が長くなる。これに対して、オフセット量Aが600mm以下とされることで、竪管50を流れる排水の流速が低下しにくく、排水時間が長くなることを抑制できる。
【0036】
また、本実施形態では、竪管50は、継手を有さないポリブデン管で構成されている。このため、竪管50として、継手を有する竪管を用いる構成に比べ、漏水を抑制できると共に、竪管50を施工する際の工程数を低減でき、汚れも蓄積しにくい。
【0037】
(評価試験)
次に、評価試験について説明する。本試験では、オフセット量Aを0m、300mm、600mm、900mmに変化させたときの排水時間、及び排水の流速について計測した。サイホン水頭Hs(すなわち垂直管長)は、2.5mに設定されている。
【0038】
排水時間の計測は、水廻り器具20に貯めた20Lの水を流すこと(以下、「20L溜め洗い」という)で行った。すなわち、排水時間は、水廻り器具20に貯めた20Lの水を排水開始した時から、その水が水廻り器具20からなくなるまでの時間である。排水の流速は、横引き管28の下流端部(具体的には、第二L字配管部材34)に配置した流速計により計測した。本試験では、排水時間及び排水の流速を、オフセット量Aを0m、300mm、600mm、900mmとした場合について、それぞれ5回ずつ計測し、その平均値を算出した。
【0039】
この結果、図2の表に示されるように、オフセット量Aが300mmの場合は、オフセット量Aが0mmの場合に対し、排水時間が0.87[sec]遅くなり、排水の流速が、0.05[m/sec]遅くなった。
【0040】
オフセット量Aが600mmの場合は、オフセット量Aが0mmの場合に対し、排水時間が0.36[sec]遅くなり、排水の流速が、0.03[m/sec]遅くなった。
【0041】
オフセット量Aが900mmの場合は、オフセット量Aが0mmの場合に対し、排水時間が16.60[sec]遅くなり、排水の流速が、0.83[m/sec]遅くなった。
【0042】
このように、排水時間及び排水の流速において、少なくとも、オフセット量Aが600mm以下であれば、オフセット量Aが0mmの場合との差がほとんどなく、誤差の範囲といえる。すなわち、排水性において、少なくとも、オフセット量Aが600mm以下であれば、オフセットさせた影響がほとんどないことがわかった。
【0043】
また、オフセット量Aが0mm、300mm、600mmの場合では、それぞれ、5回とも排水時間が、35[sec]以上38[sec]未満の範囲であった。一方、オフセット量Aが900mmの場合では、5回とも排水時間が、50[sec]を超えた。すなわち、排水性において、少なくとも、オフセット量Aが600mm以下であれば、オフセットさせた影響がほとんどないことがわかった。
【0044】
また、オフセット量Aが300mm、600mm、900mmの場合の施工性についても確認を行った。オフセット量Aが900mmの場合では、図3に示されるように、竪管50の曲がり癖も加わり、竪管50の上部及び下部において、矢印Y方向に膨らみように大きく湾曲する。具体的には、例えば、竪管50の上部は、竪管50の第二L字配管部材34に接続された上流端部50Aから竪管50の外径の長さ分を超えて矢印Y方向へ膨らむ。また、例えば、竪管50の下部は、竪管50の合流継手40に接続された下流端部50Bから竪管50の外径の長さ分を超えて矢印Y方向へ膨らむ。このため、第二L字配管部材34及び合流継手40に対して負荷が掛かることが確認された。これに対して、オフセット量Aが300mm、600mmの場合では、竪管50の上部及び下部において、竪管50の上流端部50A及び下流端部50Bから竪管50の外径の長さ分を超えて矢印Y方向へ膨らむことはなく、第二L字配管部材34及び合流継手40に対して負荷が掛からないことが確認された。
【0045】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0046】
本実施形態では、オフセット量Aが、600mm以下とされていたが、これに限られない。例えば、オフセット量Aは、600mmを超え、900mm以下の範囲で設定されていてもよい。
【0047】
本実施形態では、竪管50及び横引き管28として、継手を有さないポリブデン管を用いたが、これに限られない。例えば、竪管50及び横引き管28としては、ポリエチレン管、軟質塩化ビニル管等の他の種類の樹脂管を用いてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、第一L字配管部材26の水平部26B、横引き管28、及び第一L字配管部材26の水平部26Bが水平方向に延びていたが、これらは横方向に延びていればよい。ここで、横方向とは、鉛直方向に対して90°の方向である水平方向に限らず、横方向には、鉛直方向に対して90°±5°の範囲で傾斜する場合も含まれる。90°+5°とは、排水方向下流側が上流側よりも上方となるように傾斜していることを意味し、90°-5°とは、下流側が上流側よりも下方となるように傾斜していることを意味する。
【0049】
また、本実施形態では、本実施形態の第二L字配管部材34の鉛直部34B、竪管50の第一縦部51、及び第二縦部52は、鉛直方向に延びていたが、これらは縦方向に延びていればよい。ここで、縦方向は、鉛直方向に限られず、縦方向には、鉛直方向に対して5°の範囲で傾斜する場合も含まれる。さらに、鉛直部34B、第一縦部51、及び第二縦部52は、少なくとも、傾斜部54よりも鉛直方向に沿った角度を有していればよい。
【0050】
竪管50の傾斜部54は、一方向から見て、略全体が一方向に傾斜した直線形状であったが、本発明はこれに限らず、傾斜部54は全体が曲線状であってもよく、螺旋状であってもよい。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10…サイホン排水システム、12…排水立て管、14…床スラブ、16…外壁、18…メーターボックス、19…居室、20…水廻り器具、24…排水トラップ、26…第一L字配管部材、26A…鉛直部、26B…水平部、26C…湾曲部、28…横引き管、30…継手、32…継手、34…第二L字配管部材、34A…水平部、34B…鉛直部、34C…湾曲部、36…継手、40…合流継手、42…継手、50…竪管、50A…上流端部、50B…下流端部、51…第一縦部、52…第二縦部、54…傾斜部、60…サイホン排水管
図1
図2
図3