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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091067
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ランドリーシステムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
   D06F 95/00 20060101AFI20220613BHJP
   D06F 33/32 20200101ALI20220613BHJP
   D06F 33/52 20200101ALI20220613BHJP
   D06F 34/04 20200101ALI20220613BHJP
   D06F 101/06 20200101ALN20220613BHJP
   D06F 101/20 20200101ALN20220613BHJP
【FI】
D06F95/00
D06F33/32
D06F33/52
D06F34/04
D06F101:06
D06F101:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203782
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】谷越 修
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA12
3B167AD07
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE11
3B167BA48
3B167BA59
3B167BA69
3B167BA92
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA31
3B167JA41
3B167KA03
3B167LG02
3B167LG11
3B167MA03
3B167MA12
(57)【要約】
【課題】RFIDタグを利用した洗濯を容易に実現でき得るランドリーシステムおよびサーバを提供する。
【解決手段】ランドリーシステムは、外部通信網を介して端末装置30と通信可能なサーバ20と、外部通信網を介してサーバ20と通信可能な洗濯機10とを備える。端末装置30は、二次元コードが表記され、衣類に装着されたRFIDタグ70から、二次元コードを読み取って識別情報を取得し、取得した識別情報を有するRFIDタグ70が装着された衣類の衣類情報の入力を受け付けてサーバ20に送信する。サーバ20は、洗濯機10から識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた衣類情報を洗濯機10に送信する。洗濯機10は、RFIDタグ70から無線送信された識別情報を、RFIDリーダにより読み取ってサーバ20に送信し、サーバ20から受信した衣類情報に基づいて、洗濯運転を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信網を介して端末装置と通信可能なサーバと、前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能な洗濯機と、を備えるランドリーシステムであって、
前記端末装置は、
識別情報が記憶されるとともに前記識別情報が変換されてなる二次元または一次元の変換コードが表記され、衣類に装着されたRFIDタグから、前記変換コードを読み取って前記識別情報を取得し、
取得した前記識別情報を有する前記RFIDタグが装着された衣類に係る情報の入力を受け付け、
取得した前記識別情報と入力された前記衣類に係る情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記端末装置から受信した前記識別情報と前記衣類に係る情報とを、互いに対応付けて記憶し、
前記洗濯機から前記識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた前記衣類に係る情報を前記洗濯機に送信し、
前記洗濯機は、
前記RFIDタグから無線送信された前記識別情報を、RFIDリーダにより読み取って前記サーバに送信し、
前記サーバから受信した前記衣類に係る情報に基づいて、洗濯運転を行う、
ことを特徴とするランドリーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のランドリーシステムにおいて、
前記サーバは、
前記識別情報に対応付けてアドレスを記憶し、
前記識別情報により識別される衣類が前記洗濯機で洗濯された結果得られた情報を前記アドレスに送信する、
【請求項3】
外部通信網を介して端末装置および洗濯機と通信可能なサーバであって、
前記端末装置は、
識別情報が記憶されるとともに前記識別情報が変換されてなる二次元または一次元の変換コードが表記され、衣類に装着されたRFIDタグから、前記変換コードを読み取って前記識別情報を取得し、
取得した前記識別情報を有する前記RFIDタグが装着された衣類に係る情報の入力を受け付け、
取得した前記識別情報と入力された前記衣類に係る情報とを前記サーバに送信し、
前記洗濯機は、
前記RFIDタグから無線送信された前記識別情報を、RFIDリーダにより読み取って前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記端末装置から受信した前記識別情報と前記衣類に係る情報とを、互いに対応付けて記憶し、
前記洗濯機から前記識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた前記衣類に係る情報を前記洗濯機に送信する、
ことを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機と、当該洗濯機と通信可能なサーバとを備えるランドリーシステムおよびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
被洗濯乾燥物、即ち衣類に添付された無線ICタグから洗濯乾燥情報を読み取り、読み取った洗濯乾燥情報を用いて洗濯を行うようにした洗濯機が特許文献1に記載されている。洗濯乾燥情報とは、たとえば、洗濯または乾燥が可能かどうかの情報であったり、被洗濯乾燥物の素材、加工等の情報であったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-141428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような洗濯乾燥情報を無線ICタグへ書き込む工程が、衣類の製造や販売を行うメーカ側に全て任される場合、メーカ側へ大きな負担を強いることになり得る。こうなると、このような無線ICタグ、即ちRFIDタグが付けられた衣類の普及が進みにくくなり、この結果、RFIDタグを利用して洗濯を行う洗濯機の製品化が進みにくくなりやすい。
【0005】
そこで、本発明は、RFIDタグを利用した洗濯を容易に実現でき得るランドリーシステムおよびサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るランドリーシステムは、外部通信網を介して端末装置と通信可能なサーバと、前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能な洗濯機と、を備える。前記端末装置は、識別情報が記憶されるとともに前記識別情報が変換されてなる二次元または一次元の変換コードが表記され、衣類に装着されたRFIDタグから、前記変換コードを読み取って前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報を有する前記RFIDタグが装着された衣類に係る情報の入力を受け付け、取得した前記識別情報と入力された前記衣類に係る情報とを前記サーバに送信する。前記サーバは、前記端末装置から受信した前記識別情報と前記衣類に係る情報とを、互いに対応付けて記憶し、前記洗濯機から前記識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた前記衣類に係る情報を前記洗濯機に送信する。前記洗濯機は、前記RFIDタグから無線送信された前記識別情報を、RFIDリーダにより読み取って前記サーバに送信し、前記サーバから受信した前記衣類に係る情報に基づいて、洗濯運転を行う。
【0007】
上記の構成によれば、洗濯機において、洗濯される衣類に装着されたRFIDタグから取得した識別情報に基づいて、洗濯される衣類に係る情報がサーバから取得され、取得された衣類に係る情報に基づいて洗濯運転が行われる。これにより、RFIDタグを利用して衣類に応じた洗濯を行うことができる。しかも、ユーザが、端末装置を用いて識別情報に対応付けられる衣類に係る情報を入力できるので、当該情報の入力のためにメーカ側に大きな負担が強いられない。さらに、ユーザは、端末装置に衣類に係る情報を入力する際、RFIDタグに表記された変換コードを読み取ることにより、RFIDタグの識別情報を、RFIDリーダを用いることなく容易に取得できる。したがって、RFIDタグを利用した洗濯を容易に実現することが可能となる。
【0008】
本態様に係るランドリーシステムにおいて、前記サーバは、前記識別情報に対応付けてアドレスを記憶し、前記識別情報により識別される衣類が前記洗濯機で洗濯された結果得られた情報を前記アドレスに送信するような構成とされ得る。
【0009】
上記の構成によれば、RFIDタグを利用した洗濯の結果得られた情報がユーザ側に通知されることにより、ユーザ側で通知された情報を活用することができる。
【0010】
本発明の第2の態様に係るサーバは、外部通信網を介して端末装置および洗濯機と通信可能な構成とされる。前記端末装置は、識別情報が記憶されるとともに前記識別情報が変換されてなる二次元または一次元の変換コードが表記され、衣類に装着されたRFIDタグから、前記変換コードを読み取って前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報を有する前記RFIDタグが装着された衣類に係る情報の入力を受け付け、取得した前記識別情報と入力された前記衣類に係る情報とを前記サーバに送信する。前記洗濯機は、前記RFIDタグから無線送信された前記識別情報を、RFIDリーダにより読み取って前記サーバに送信する。前記サーバは、前記端末装置から受信した前記識別情報と前記衣類に係る情報とを、互いに対応付けて記憶し、前記洗濯機から前記識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた前記衣類に係る情報を前記洗濯機に送信する。
【0011】
上記の構成によれば、上記第1の態様に係るランドリーシステムと同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、RFIDタグを利用した洗濯を容易に実現でき得るランドリーシステムおよびサーバを提供できる。
【0013】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態に係る、ランドリーシステムの構成を示す図である。
図2図2(a)は、実施の形態に係る、RFIDタグが装着された衣類を示す図であり、図2(b)は、RFIDタグの構成を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る、RFIDタグを利用した衣類の洗濯のために、端末装置、サーバおよび洗濯機で行われる各動作について説明するための図である。
図4図4は、実施の形態に係る、衣類情報データベースの構成を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る、端末装置の制御部により実行される制御処理を示すフローチャートである。
図6図6(a)は、実施の形態に係る、サーバの制御部により実行される制御処理を示すフローチャートであり、図6(b)は、実施の形態に係る、洗濯機の制御部により実行される制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、ランドリーシステム1の構成を示す図である。
【0017】
ランドリーシステム1は、1台以上の洗濯機10と、サーバ20とを備える。洗濯機10は、全自動洗濯機またはドラム式洗濯機であり、屋内に設置される。洗濯機10は、屋内に設置されたルータ等の通信システム40とインタネット等の外部通信網50とを介してサーバ20と通信可能である。サーバ20は、外部通信網50と基地局、ルータ等の通信システム60とを介して端末装置30と通信可能である。端末装置30は、たとえば、スマートフォン等の携帯端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータである。なお、端末装置30が、ランドリーシステム1に含まれてもよい。
【0018】
洗濯機10は、洗濯ユニット101と、給水ユニット102と、排水ユニット103と、操作ユニット104と、RFIDリーダ105と、制御部106と、記憶部107と、無線通信部108とを備える。
【0019】
洗濯機10が全自動洗濯機である場合、洗濯ユニット101は、外槽内に配置され、鉛直軸周りに回転可能な洗濯脱水槽と、洗濯脱水槽内に配置されたパルセータと、駆動モータと、駆動モータの回転を、洗濯時にはパルセータのみに伝達し、脱水時にはパルセータと洗濯脱水槽の双方に伝達するクラッチ機構とを含む。洗濯機10がドラム式洗濯機である場合、洗濯ユニット101は、外槽内に配置され、水平軸周りに回転可能なドラムと、ドラムを回転させる駆動モータとを含む。
【0020】
給水ユニット102は、給水バルブと、給水バルブに繋がる給水経路とを含み、洗濯ユニット101の外槽内に給水を行う。排水ユニット103は、排水バルブと、排水バルブに繋がる排水経路とを含み、洗濯ユニット101の外槽内から排水を行う。
【0021】
操作ユニット104は、洗濯運転に係る各種の操作を行うための各種の操作ボタンと、洗濯運転に係る各種の表示を行うための各種の表示器を含む。
【0022】
RFIDリーダ105は、RFIDタグから無線送信される識別情報を読み取る。
【0023】
制御部106は、CPUや各種の駆動回路等を含み、記憶部107に記憶された制御プログラムに従って、洗濯ユニット101の駆動モータ、給水ユニット102の給水バルブ、排水ユニット103の排水バルブ、操作ユニット104、RFIDリーダ105等を制御する。記憶部107は、RAM、ROM等のメモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0024】
無線通信部108は、制御部106の制御に従い、通信システム40との間で無線通信を行う。
【0025】
洗濯機10は、洗濯機能に加えて乾燥機能を備えていてもよい。この場合、洗濯機10には、ヒータとファンとを含む排気型または循環型の乾燥ユニットが付加される。
【0026】
サーバ20は、制御部201と、記憶部202と、通信部203とを備える。制御部201は、CPU等を含み、記憶部202に記憶された制御プログラムに従って、所定の制御を行う。記憶部202は、メモリおよびハードディスクを含み、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部203は、制御部201の制御に従い、通信システム40,60等の外部の通信部との間で、外部通信網50を介した通信を行う。
【0027】
端末装置30は、操作表示部301と、カメラ302と、制御部303と、記憶部304と、無線通信部305と、を備える。
【0028】
操作表示部301は、たとえば、タッチパネルであり、所定の画面を表示するとともに、画面に対する操作入力を検出する。カメラ302は画像の撮影を行う。
【0029】
制御部303は、CPUや各種の駆動回路等を含み、記憶部304に記憶された制御プログラムに従って、操作表示部301、カメラ302等を制御する。記憶部304は、RAM、ROM等のメモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0030】
記憶部304には、二次元コードをカメラ302で撮影して読み取るためのアプリケーションプログラムが記憶されている。このアプリケーションプログラムが実行されることにより、カメラ302と制御部303が二次元コードリーダとして機能する。
【0031】
無線通信部305は、制御部303の制御に従い、通信システム60との間で無線通信を行う。
【0032】
ランドリーシステム1では、洗濯機10において、RFIDタグを利用した衣類の洗濯を行うことができる。
【0033】
図2(a)に示すように、ユーザに販売される衣類には、RFIDタグ70が装着される。
【0034】
図2(b)に示すように、RFIDタグ70には、ハウジング701内に、記憶部であるICチップ702と、アンテナ703とが配置されている。ICチップ702には、衣類を識別するための識別情報が記憶される。識別情報は、文字、数字、記号などで構成される。アンテナ703から識別情報が無線送信される。ハウジング701の表面には、ICチップ702に記憶された識別情報をエンコードしてなる二次元コード704が、変換コードとして表記されている。
【0035】
このような構成により、RFIDタグ70では、タグ自身から無線送信によって識別情報を得ることができる他、二次元コードを読み取ることによっても識別情報を得ることができる。よって、RFIDリーダを用いなくても、RFIDタグ70の識別情報を取得できる。
【0036】
本実施の形態では、ICチップ702および二次元コード704に、素材など、衣類に係る情報(以下、「衣類情報」と称する)は記憶されない。よって、衣類の製造や販売を行うメーカ側では、RFIDライタを用いたRFIDタグ70への衣類情報の入力は行われず、衣類が区別されずに、衣類へRFIDタグ70が貼付される。なお、ユーザが、RFIDタグ70を入手して衣類に貼付することもできる。
【0037】
図3は、RFIDタグ70を利用した衣類の洗濯のために、端末装置30、サーバ20および洗濯機10で行われる各動作について説明するための図である。
【0038】
図3を参照して、端末装置30により、衣類に貼付されたRFIDタグ70の二次元コード704が読み取られ、デコードされて識別情報が取得される。さらに、端末装置30により、識別情報に対応付けられる所定の衣類情報の入力が受け付けられる。端末装置30には、専用のアプリケーションプログラムが搭載されており、このアプリケーションプログラムが実行されることにより、二次元コード704の読み取りと衣類情報の入力とが行われる。たとえば、本実施の形態では、衣類情報として、素材、色、無地か柄物かの区別、シャツ、ズボン等の種類、洗濯コース、衣類の所有者名、衣類の画像が入力される。洗濯コースは、洗濯機10に用意された洗濯コースとすることができる。
【0039】
識別情報と、当該識別情報に対応付けられる衣類情報が、端末装置30からサーバ20に送信される。なお、端末装置30では、衣類情報が入力される際、併せて、その衣類に関してサーバ20から送信される、洗濯の結果得られる情報の送信先のアドレス、たとえば、端末装置30や他の装置が有するメールアドレスが入力され、衣類情報とともにサーバ20に送信される。
【0040】
サーバ20には、図4に示す衣類情報データベース202aが、記憶部202に記憶されている。サーバ20は、衣類情報とアドレスを、識別情報に対応付けて衣類情報データベース202aに登録する。
【0041】
衣類情報データベース202aに衣類情報が登録された衣類が、洗濯機10に投入されて洗濯運転が開始されると、洗濯機10は、衣類に貼付されたRFIDタグ70から無線送信された識別情報を、RFIDリーダ105により読み取る。洗濯機10は、読み取った識別情報を、衣類情報の送付指令とともにサーバ20に送信する。
【0042】
サーバ20は、洗濯機10から識別情報を受信すると、当該識別情報に対応付けられた衣類情報を洗濯機10に送信する。
【0043】
洗濯機10は、サーバ20から受信した衣類情報に基づいて、洗濯運転を行う。洗濯運転が終了すると、洗濯機10は、洗濯された衣類の識別情報と運転終了通知をサーバ20に送信する。
【0044】
サーバ20には、衣類の洗濯回数が、その衣類の識別情報に対応付けられて記憶部202に記憶されている。運転終了通知とともに受信した識別情報の洗濯回数が更新、即ち1つ増加される。サーバ20は、洗濯回数が所定回数に到達すると、その識別情報により識別される衣類が洗濯機10で洗濯された結果得られた情報として、衣類の買い替えを勧めるメッセージを、識別情報に対応付けられたアドレスに送信する。この際、識別情報に対応付けられて衣類情報データベース202aに登録されている衣類の画像がメッセージに付加される。たとえば、登録されたアドレスによる送信先が端末装置30である場合、当該端末装置30において、衣類の買い替えを勧めるメッセージが通知される。このメッセージに、おすすめの衣類の広告が付加されてもよい。
【0045】
サーバ20は、洗濯の結果得られた情報として、上記買い替えのメッセージに替えてあるいは加えて、洗濯回数を送信するようにしてもよい。洗濯回数は、所定回数に到達したときに送信されてもよいし、定期的に送信されてもよいし、端末装置30等からの要求に応じて送信されてもよい。
【0046】
図5は、端末装置30の制御部303により実行される制御処理を示すフローチャートである。
【0047】
図5を参照し、制御部303は、カメラ302を起動し、RFIDタグ70の二次元コード704がカメラ302に写り込むと、二次元コード704を読み取る(S101)。そして、制御部303は、二次元コード704をデコードすることにより識別情報する取得する(S102)。
【0048】
次に、制御部303は、操作表示部301に入力画面を表示させて、その入力画面上において、上述した衣類情報の入力を受け付ける(S103)。このとき、制御部303は、全ての項目の衣類情報が入力されなくても、完了操作がなされれば、入力の受付を完了する。これにより、ユーザ自身が必要と考える衣類情報のみを入力できる。即ち、入力される衣類情報のカスタマイズを行える。
【0049】
次に、制御部303は、取得した識別情報に対応付けて、入力された衣類情報を記憶部304に記憶させる(S104)。そして、制御部303は、識別情報を付加した衣類情報を、無線通信部305によりサーバ20に送信する(S105)。
【0050】
なお、制御部303は、入力画面または他の画面で、上述した通知情報の送信先のアドレスの入力も受け付けて記憶部304に記憶させ、衣類情報とともにアドレスもサーバ20に送信する。
【0051】
図6(a)は、サーバ20の制御部201により実行される制御処理を示すフローチャートである。
【0052】
図6(a)を参照して、制御部201は、端末装置30から識別情報が付加された衣類情報を受信したか否か、および、洗濯機10から識別情報が付加された送付指令を受信したか否かを監視する(S201、S202)。
【0053】
制御部201は、端末装置30から衣類情報を受信すると(S201:YES)、当該衣類情報を、識別情報に対応付けて衣類情報データベース202aに登録する(S203)。上述のとおり、端末装置30からは衣類情報とともにアドレスも送信され、このアドレスも衣類情報データベース202aに登録される。
【0054】
一方、制御部201は、洗濯機10から送付指令を受信すると(S202:YES)、送付指令に付加された識別情報に対応付けられた衣類情報を衣類情報データベース202aから読み出して、識別情報とともに洗濯機10に送信する(S204)。そして、制御部201は、洗濯機10からの運転終了通知を待つ(S205)。
【0055】
洗濯機10において洗濯運転が終了すると、識別情報が付加された運転終了通知が送信される。制御部201は、洗濯機10らの運転終了通知を受信すると(S205:YES)、付加された識別情報に対応付けられて記憶部202に記憶されている洗濯回数を更新する(S206)。そして、更新後の洗濯回数が所定回数に到達すると(S207:YES)、制御部201は、識別情報に対応付けられたアドレス、所有者名、および衣類の画像を、衣類情報データベース202aから読み出し、そのアドレスに、所有者名と衣類の画像が付加された、衣類の買い替えを促すメッセージを送信する(S208)。これにより、端末装置30の操作表示部301等、送信先の装置の表示部に、上記メッセージが表示される。
【0056】
図6(b)は、洗濯機10の制御部106により実行される制御処理を示すフローチャートである。図6(b)の制御処理は、洗濯運転を実行する処理であり、洗濯運転の開始操作に基づいて開始される。
【0057】
図6(b)を参照して、制御部106は、RFIDリーダ105により、洗濯機10に投入された衣類のRFIDタグ70から識別情報を取得する(S301)。そして、制御部106は、識別情報を付加した送付指令を、無線通信部108によりサーバ20へ送信し(S302)、サーバ20からの衣類情報を待つ(S303)。
【0058】
制御部106は、識別情報ごとに衣類情報を受信すると(S303:YES)、衣類情報に基づいて洗濯運転を行う(S304)。
【0059】
たとえば、制御部106は、衣類情報に含まれる洗濯コースを、実行する洗濯コースに決定する。あるいは、衣類情報に含まれる素材、色および種類に基づいて、洗濯コースを決定する。記憶部107には、素材、色および種類と洗濯コースとが対応付けられたテーブルが用意される。適する洗濯コースが異なる複数の衣類が存在する場合、たとえば、適する衣類が最も多い洗濯コースに決定される。この場合、たとえば、適しない衣類は、その画像が操作ユニット104の表示器に表示されることにより、ユーザによって取り除かれ得る。また、制御部106は、無地の衣類と柄物の衣類が混在する場合、一緒に洗濯を行ってよいかの問い合わせを操作ユニット104により行い、許可が得られるか、無地の衣類または柄物の衣類が取り除かれた上で、洗濯運転を行う。さらに、制御部106は、衣類の素材に応じて洗い時間やすすぎ時間、脱水時間を調整する。
【0060】
洗濯運転が終了すると、制御部106は、識別情報を付加して運転終了通知をサーバ20に送信する(S305)。
【0061】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、洗濯機10において、洗濯される衣類に装着されたRFIDタグ70から取得した識別情報に基づいて、洗濯される衣類の衣類情報がサーバ20から取得され、取得された衣類情報に基づいて洗濯運転が行われる。これにより、RFIDタグ70を利用して衣類に応じた洗濯を行うことができる。しかも、ユーザが、端末装置30を用いて識別情報に対応付けられる衣類情報を入力できるので、衣類情報の入力のためにメーカ側に大きな負担が強いられない。さらに、ユーザは、端末装置30に衣類情報を入力する際、RFIDタグ70に表記された二次元コード704を読み取ることにより、RFIDタグ70の識別情報を、RFIDリーダを用いることなく容易に取得できる。したがって、RFIDタグ70を利用した洗濯を容易に実現することが可能となる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、洗濯回数が所定回数に達した衣類について、買い替えを勧めるメッセージが、指定されたアドレスに送信される。このように、RFIDタグ70を利用した洗濯の結果得られた情報がユーザ側に通知されることにより、衣類を買い替えるなど、ユーザ側で通知された情報を活用することができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0064】
たとえば、上記実施の形態では、RFIDタグ70に、ICチップ702に記憶された識別情報が変換されてなる二次元コード704が、変換コードとして表記された。しかしながら、二次元コード704に変えて一次元コード、即ちバーコードが、変換コードとしてRFIDタグ70に表記されてもよい。この場合、端末装置30には、一次元コードを読み取るためのアプリケーションプログラムが搭載される。
【0065】
また、上記実施の形態では、RFIDタグ70、即ちICチップ702に衣類情報が記憶されない。しかしながら、RFIDタグ70に、洗濯機10で利用される複数の衣類情報の一部、たとえば、衣類の素材が記憶されてもよい。この場合、二次元コード704にも、同じ一部の衣類情報が含められる。このように、一部の衣類情報の入力が必要となっても、メーカ側が大きな負担は強いられにくい。
【0066】
さらに、端末装置30に入力される衣類情報は、上記実施の形態に示された衣類情報に限られない。たとえば、入力される衣類情報に、洗剤使用の可否、所有者の性別や年齢、衣類の用途が含まれてもよい。たとえば、衣類の所有者が、洗剤に対するアレルギーを有する場合、洗剤使用が否に設定される。この場合、洗濯機10において、洗剤を使用しない洗濯運転が行われる。また、用途として、作業着、部活着等の情報が設定される。このような、性別、年齢および用途の情報により衣類の汚れの程度が予測でき、洗濯コースや洗い時間の決定に利用可能となる。このような衣類情報は、衣類の販売後に確定される情報である。よって、衣類情報が端末装置30において入力される構成では、このような情報を洗濯に利用することも可能となる。
【0067】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 ランドリーシステム
10 洗濯機
20 サーバ
30 端末装置
70 RFIDタグ
704 二次元コード(変換コード)
図1
図2
図3
図4
図5
図6