(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091100
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】駐車場の料金精算システムおよび料金精算システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/34 20120101AFI20220613BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220613BHJP
【FI】
G06Q20/34
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021135211
(22)【出願日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2020215811
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FeliCa
(71)【出願人】
【識別番号】391009040
【氏名又は名称】横浜特殊船舶株式会社
(72)【発明者】
【氏名】並木 則夫
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L055AA66
(57)【要約】
【課題】 自転車、自動二輪車、自動車等の車両のための、課金を伴う駐車設備に於ける料金精算を、より便利なものにすることを可能にしたい。
【解決手段】 課金処理装置10は、カードリーダ16で読み込んだICカードCのICカード番号を表示して、このICカード番号をユーザーに入力枠31へ入力させると共に、ユーザーのクレジットカード情報をクレジットカード番号入力画面32へ入力させて、更にユーザーの承認に基づいて両者の紐付け処理を行って会員登録をする。ユーザーがICカードCをカードリーダ11にかざすことによって、開門管理装置13はゲート22を開ける処理を行い、課金処理装置10は通信装置12を介して外部のクレジットカードの決済サーバS宛に所定の料金の課金を指令する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車設備と料金精算機とを備える駐車場の料金精算システムであって、近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、このユーザーの決済口座と前記固有のカード番号とをユーザー承認の元に紐付けて、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザー承認のための前記固有のカード番号の出力装置とこのカード番号およびユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置とを備えており、この入力装置から前記固有のカード番号およびユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機はこの時の入力装置からの固有のカード番号を以て前記紐付けを実行するものである、駐車場の料金精算システム。
【請求項2】
駐車設備と料金精算機とを備える駐車場の料金精算システムであって、近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、このユーザーの決済口座と前記固有のカード番号とをユーザー承認の元に紐付けて、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置を備えており、この入力装置からユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機は読み取り時の前記カード番号を以て前記紐付けを実行するものである、駐車場の料金精算システム。
【請求項3】
前記カード読み取り機と前記出力装置と前記入力装置とがPLC(Programmable Logic Controller)上に構築されたものであり、前記料金精算機がインターネット上に構築された仮想サーバに成るものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の駐車場の料金精算システム。
【請求項4】
前記料金精算機は、前記固有のカード番号を、ユーザーの決済口座としてのクレジットカードに紐付けてこのクレジットカードからの引き落としを可能にするものである、請求項1または請求項2または請求項3に記載の駐車場の料金精算システム。
【請求項5】
近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、このユーザーの決済口座と前記固有のカード番号とをユーザー承認の元に紐付けて、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザー承認のための前記固有のカード番号の出力装置とこのカード番号およびユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置とを備えており、この入力装置から前記固有のカード番号およびユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機はこの時の入力装置からの固有のカード番号を以て前記紐付けを実行するものである、料金精算システム。
【請求項6】
近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、このユーザーの決済口座と前記固有のカード番号とをユーザー承認の元に紐付けて、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置を備えており、この入力装置からユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機は読み取り時の前記カード番号を以て前記紐付けを実行するものである、料金精算システム。
【請求項7】
前記カード読み取り機と前記出力装置と前記入力装置とがPLC(Programmable Logic Controller)上に構築されたものであり、前記料金精算機がインターネット上に構築された仮想サーバに成るものであることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の料金精算システム。
【請求項8】
前記料金精算機は、前記固有のカード番号を、ユーザーの決済口座としてのクレジットカードに紐付けてこのクレジットカードからの引き落としを可能にするものである、請求項5または請求項6または請求項7に記載の料金精算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自転車、自動二輪車、自動車等の車両の駐車設備に係り、従来のNFC規格等々の電子マネー決済カードを使用する場合の問題点に鑑み、より利便性の高い料金精算システムを提供しようと言うものである。
【背景技術】
【0002】
駐車場に於ける車両の一時預かりサービスを自動化して管理者の無人化を計り、省力化やコストダウンを実現するためには、塀などで囲った駐車場の入口に開閉装置を取り付けることや、車両の駐車装置に施錠装置を取り付けると共に利用料金の精算装置を設けることが必須となる。この内で利用料金の精算装置は、紙幣や硬貨を受け付けたり釣銭を払い戻すための機構を備えて概して大型であり、設置には大きなコストが掛かる。
【0003】
例えば特開2005-180161の駐車設備には精算装置としての操作盤が設けられている。この操作盤のコイン投入口にコインを投入して(コイン投入の代わりにプリペイドカードの使用も可能としている)精算し、テンキーによって駐車台番号を指定すると、この情報は制御装置へと伝達され、制御装置は精算を確認し駐車台番号を確認して、通信ケーブルを通じて施錠装置のソレノイドに通電し、この駐車台に駐車されている自転車の前輪を開放して、出庫可能な状態にする。なお発券機はプリペイドカードを発行するためのものであるが、この他にはコイン(硬貨)による精算を可能としている。また入出力部では釣銭を取り扱うことが出来る。
【0004】
また例えば特開2005-339452の料金精算装置は、立設された支柱の回りがこの支柱に取り付けられた筒状の外壁でカバーされており、この筒状外壁の内部に料金精算装置を構成する各機能ブロックが位置取り自在に積み上げて納められており、前記筒状の外壁は前記機能ブロック毎に上下方向に分離可能に設けられている料金精算装置である。この機能ブロックとしては、例えばコイン投入口とコイン計数機のブロック、釣銭払戻機のブロック、カード受入口とカード読取機のブロック、テンキーボードと各種スイッチのブロック等々が任意に準備される。この構成により細長い筒状の筐体を積み上げて場所を取ることなくスッキリと設置することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-180161
【特許文献2】特開2005-339452
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特開2005-180161の精算装置も特開2005-339452の料金精算装置も、単にサイズが大きいと言うだけでなく製造・設置・管理の各段階に於いて多大なコストが掛かっている。仮にこのような精算装置が不要になるのであれば、駐車場の設置コストが極めて小さいものとなるであろう。そうであれば駐車場設置の自由度もより一層高まることが期待される。なおさらに精算がキャッシュレスであれば、料金精算装置への接触が不要となり衛生面からも好都合である。
【0007】
精算をキャッシュレスにすれば、時間に駆られるユーザーに取り料金清算に掛ける時間は短縮されるし、上述のように衛生的でもある。更に車両の駐車設備は概して鉄道の駅の近くに設置されていることが多いため、鉄道利用で使用されるNFC規格等の電子マネー決済カードを、そのまま車両の駐車設備に於ける料金精算でも使用することが出来れば、ユーザーの利便性は格段に向上するものと思われる。現に鉄道各社間をシームレスに使用することが可能なNFC規格の電子マネー決済カードによって、ユーザーは多大な恩恵を受けている。
【0008】
更にNFC規格等のICカードであって、いわゆるお財布機能のないカードやポイントサービス(ロイヤリティープログラム(Loyalty program))のためのカード等であっても、そのまま車両の駐車設備に於ける料金精算でも使用し得るようであれば便利である。駐車設備の近辺にコンビニエンスストアがあることが多いためである。
【0009】
この発明では上述したような問題を解決して、自転車、自動二輪車、自動車等の車両のための、課金を伴う駐車設備に於ける料金精算を、ユーザー目線でより便利なものにすることを可能にしたい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、駐車設備と料金精算機とを備える駐車場の料金精算システムであって、近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、このユーザーの決済口座と前記固有のカード番号とをユーザー承認の元に紐付けて、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザー承認のための前記固有のカード番号の出力装置とこのカード番号およびユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置とを備えており、この入力装置から前記固有のカード番号およびユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機はこの時の入力装置からの固有のカード番号を以て前記紐付けを実行するものである、駐車場の料金精算システムとすることにより達成される。
【0011】
近距離無線通信規格の一つに、「かざして通信」とも言われているNFC(Near Field Communication)がある。日本ではFeliCaと言うICチップが埋め込まれたカードが定期券や電子マネーやクーポンのために多く用いられている。このような近距離無線通信を利用したユーザーの決済用カードが近接して来たカード読み取り機では、無線通信にてICカードの固有のカード番号を読み取ることが出来る。
【0012】
料金精算機はユーザーに、上記読み取ったカード番号をユーザーの決済口座に紐付ける処理の許可をもらう。これがユーザー承認と言うことである。この際に料金精算機は読み取ったカード番号をユーザーが目で見て確認することが出来るように出力装置に出力するので、ユーザーはこのカード番号を入力装置を用いて入力して承認するようにする。
【0013】
これ以降は、このICカードを使用して駐車設備を利用することが出来るようになるものの、利用料金に付いては、このICカードからではなく、ユーザーの決済口座の方から引き落とすことが可能になる。これはすなわちこのICカードで上述した駐車設備に於ける、塀などで囲った駐車場の入口に設けた開閉装置や、車両の駐車装置に設けた施錠装置を開閉することが出来るように、この駐車場の料金精算システムが設計されていると言うことである。
【0014】
なおNFC規格等のICカードで、上述したようにいわゆるお財布機能のないカードやポイントサービス(ロイヤリティープログラム(Loyalty program))のためのカード等であっても、そのまま車両の駐車設備に於ける料金精算でも使用し得るようであれば便利であるため、このようなICカードとユーザーの決済口座との紐付けも十分な利用価値を備えたものとなる。
【0015】
カード読み取り機が、ICカードから固有のカード番号を読み取るも、表示装置に表示することが出来ないような場合には、ユーザーはこのICカードの外面に記載されているカード番号を入力装置を用いて入力し、このカード番号をユーザーの決済口座に紐付ける承認を行えば良い分けである。
【0016】
なお前記料金精算機は前記固有のカード番号をユーザーの決済口座としてのクレジットカードに紐付けて、このクレジットカードからの引き落としを可能にするものとすることが出来る。すなわち上述のユーザー承認の際に、出力装置に出力されたカード番号を入力すると共に、紐付けるクレジットカードのカード番号やカードホルダーやカード有効期限等を入力すると、料金精算機がこれ等の情報の紐付け処理を行う。従ってこのカード番号のICカードを用いてこのクレジットカードを使用することが出来るのである。
【0017】
利用料金の決済を行うことが出来るユーザーの決済口座とは主としてクレジットカードやデビットカードに係る銀行口座等のことである。或いはデジタル通貨を扱う銀行口座と言うことも将来的にはあり得る。なお料金精算機は、設定された時間内の駐車設備の使用であれば利用料金の精算を行わないように設定することが出来る。例えば有料駐車場として、自転車用のものが商店街に設置されており、この商店街を利用してもらい易くすべく、1時間以内の駐車は無料であると設定するような使用法を想定している。料金精算機はこの駐車時間をタイマーにより例えば通勤通学の長時間の駐車と区別するのである。
【0018】
さて上記の課題は、駐車設備と料金精算機とを備える駐車場の料金精算システムであって、近距離無線通信を利用してユーザーのICカードからこのICカードに付与されている固有のカード番号を読み取るためのカード読み取り機と、固有のカード番号とこのユーザーの決済口座とをユーザー承認の元に紐付けして、前記固有のカード番号にてユーザーの決済口座からの引き落としを可能にする前記料金精算機とを備えると共に、ユーザーの承認の意思をユーザーに入力させるための入力装置を備えており、この入力装置からユーザーの承認の意思が入力されたならば、前記料金精算機は読み取り時の前記カード番号を以て前記紐付けを実行するものである、駐車場の料金精算システムとすることにより達成される。
【0019】
この請求項2の発明が上述した請求項1の発明と異なる点は、料金精算機が読み取ったカード番号をユーザーの決済口座に紐付ける処理の許可をユーザーからもらう際に、読み取ったカード番号をユーザーに入力装置を用いて入力させる手間を掛けることなく、ユーザー承認があった時点で、読み取ったカード番号をそのまま用いて上記紐付けを実行すると言う点である。ユーザーは言わば承認ボタンを押すだけであるから、面倒がなくて便利である。
【0020】
この発明の場合も、前記料金精算機は、ユーザーの決済口座からの引き落としを可能にすべく、前記固有のカード番号をユーザーのクレジットカードに紐付けてこのクレジットカードからの引き落としを可能にすることが出来る。
【0021】
ところで請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、前記カード読み取り機と前記出力装置と前記入力装置とがPLC(Programmable Logic Controller)上に構築されたものであり、前記料金精算機がインターネット上に構築された仮想サーバに成るものである、とすることが出来る。
【0022】
請求項1の発明では、PLCはカード読み取り機やカード番号の出力装置やユーザーの承認の入力装置などの資源を最大限に活用して、制御方式をある程度自由に組み換えることが可能である。また請求項2の発明では、PLCはカード読み取り機やユーザーの承認の入力装置などの資源を最大限に活用して、制御方式をある程度自由に組み換えることが可能である。
【0023】
また請求項1の発明も請求項2の発明も、仮想サーバは登録ユーザーに係る各種情報や課金のために必要な情報を得ることで、ユーザー認証と利用料金精算を行うことが出来るし、システムの変更をある程度自由に行うことが出来る。この利用料金精算では前記固有のカード番号をユーザーのクレジットカードに紐付けてこのクレジットカードからの引き落としを可能にすることが出来る。なお仮想サーバを利用することにより自前の精算手段を設備する必要が少なくなると言う利点も大きい。
【0024】
従って持ち合わせている資源を有効に活用しつつ、PLCの管理装置と仮想サーバとで制御を分け合って最適な駐車場の料金精算システムを構築することが出来るし、運用上で必要になった変更をすぐにサービスに反映させることが可能である。
【0025】
なお請求項1乃至請求項3の発明は何れも、自転車、自動二輪車、自動車等の車両の駐車設備から離れて、種々の商品やサービスを提供する場合であってNFC規格等々のICカードを使用する場合にも十分適用可能である。
【発明の効果】
【0026】
この発明の駐車場の料金精算システムによれば、ユーザーの任意のICカードを、ユーザーの決済口座に紐付けることを可能にしたことにより、このICカードを使用して駐車場を利用することが出来るようになるものの、利用料金に付いては、このICカードからではなく、ユーザーの決済口座の方から引き落とすことが出来るようになる。従ってユーザー目線からすれば、例えば交通系のNFC規格等のICカードで駐車場を利用することが可能であるから忙しい通勤通学時間にはユーザーに大いに喜ばれ、また例えばコンビニエンスストアのNFC規格等のICカードで駐車場を利用することが可能であるから駐車場を利用する前後での買い物が面倒でなくなる効果も生まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】 ゲート装置2と開門管理装置13の説明図である。
【
図3】 ディスプレイ3に表示した会員登録画面の説明図である。
【
図4】 登録ブースでの会員登録処理工程の説明図である。
【
図5】 開門管理装置13での利用料金課金処理工程の説明図である。
【
図6】 実施例2の駐車ラック4と出庫制御装置15の説明図である。
【
図7】 登録ブースでの会員登録処理工程の説明図である。
【
図8】 駐車ラック4での利用料金課金処理工程の説明図である。
【
図9】 実施例3のディスプレイ3に表示した会員登録画面の説明図である。
【
図10】 登録ブースでの会員登録処理工程の説明図である。
【
図11】 実施例4の駐車場装置1の説明図である。
【
図13】 登録ブースでの会員登録処理工程の説明図である。
【
図14】 駐車ラック4での利用料金課金処理工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、自転車の一時預かりサービスを例に上げてこの発明の4種の実施例を説明するが、この発明はこれ等の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例0029】
図1乃至
図5を用いてこの実施例を説明する。自転車の一時預かりサービスを提供するための周りを柵で囲った駐車場の一角に出入りのためのゲート装置2が設けられている。ゲート装置2には2本の支柱20の間に、図示しない電動モータにより駆動され、回動軸21によって観音扉のように開閉するゲート22が取り付けられている。この支柱20の頂部にカードリーダ11が設けられている。
【0030】
カードリーダ11の動作やゲート22の開閉の制御を担うものが開門管理装置13であり、これは駐車場装置1の一部を構成している。すなわち駐車場装置1では課金処理装置10が以下の各装置に付いての中心的な制御装置の役割を担う。カードリーダ11はここにNFC規格等々のICカードCが接近した場合にこれと通信を行ってICカード番号を読み取る。課金処理装置10はこのICカード番号を会員管理装置14に送ってこのユーザーが会員登録されているかの確認を行う。ユーザーが会員であれば開門管理装置13にゲート22の開門を指令する。また通信装置12を介して外部の決済サーバS宛に所定の料金の課金を指令する。決済サーバSはこの実施例ではクレジットカード会社のサーバである。
【0031】
ところでこのユーザーのICカードCは、このユーザーのクレジットカードと紐付けされていなくてはならない。以下ではICカードCがカードリーダ11にかざされた時に、課金処理装置10にてこのユーザーが会員登録されていないことを確認した場合の処理に付いて説明する。課金処理装置10は会員管理装置14を以て、会員登録の必要がある旨を告げてこのユーザーを図示しない会員登録ブースへ案内する。会員登録ブースのカードリーダを
図1ではカードリーダ16として表すが、このカードリーダ16にICカードCをかざすと会員登録ブースのタッチパネルディスプレイ3には
図3のような会員登録画面が表示される。画面右側にはカードリーダ16で読み込まれたICカードCのICカード番号37と入力枠31とがICカード番号入力画面30として表示される。画面左側にはユーザーのクレジットカード番号入力画面32が表示される。またこれ等の中央部分にはテンキー33と紐付け承認ボタン34とが表示される。画面右側の入力枠31には、ユーザーがICカード番号入力画面30に表示されているICカード番号37を目で見ながらテンキー33を操作することによって、ICカード番号37が入力される。
【0032】
会員登録処理の流れに付いて説明すると、会員管理装置14は、ディスプレイ3のICカード番号入力画面30にICカード番号37を表示する(ステップS1)。続いてユーザーに、ICカード番号入力画面30の入力枠31に対して、テンキー33を用いてICカード番号入力画面30に表示されているICカード番号37と同じ番号を入力させると共に、クレジットカード番号入力画面32に対して、クレジットカード番号やカード有効期限やカードホルダーをテンキー33を用いて、英数文字種を切り替えながら入力させ、その後に紐付け承認ボタン34をタップさせることにより(ステップS2)、ユーザーのICカード番号37とクレジットカード情報とを紐付ける(ステップS3)。この一連の入力作業はこれで終わりであるが、ユーザーは上下の2つのICカード番号を見比べて、正しく入力枠31に入力したかを確認する必要がある。またクレジットカード番号入力画面32でも正しい入力が必要であるし、紐付け承認ボタン34による承認も必要である。
【0033】
こうして会員登録が為されたユーザーは、ICカードCの使用が可能になる。このICカードCを開門管理装置13のカードリーダ11にかざしてゲート22を開けてもらうには、課金処理装置10の次のような制御が必要になる。すなわちICカードCが接近した場合にカードリーダ11がこれと通信を行ってICカード番号37を読み取り、会員管理装置14にてこのユーザーが会員登録されているかの確認を行う(ステップS4)。登録会員であればこのICカードCは上述したようにこのユーザーのクレジットカード情報と紐付けされているので、課金処理装置10は通信装置12を介して外部の決済サーバS宛に所定の料金の課金を指令する(ステップS5)。また課金処理装置10は開門管理装置13にゲート22の開門を行わせる(ステップS6)。
上述した実施例1では駐車場装置1に開門管理装置13が設けられていたが、この実施例2ではこの開門管理装置13の代わりに出庫制御装置15が各駐車ラック4に設けられており、施錠装置41から上方に立設されたバール43の頂部の所までカードリーダ44が延設されている。この辺りの構成は実施例4でも説明される。この出庫制御の動作は、駐車場装置1にほぼ倣うものである。
一方、ユーザーのICカードCをこのユーザーのクレジットカードと紐付ける点で実施例1と異なっていると言うことが出来る。すなわち会員管理装置14はディスプレイ3のICカード番号入力画面30にICカード番号37を表示する(ステップS7)。しかしながら実施例1とは異なりユーザーにICカード番号入力画面30の入力枠31に、ICカード番号入力画面30に表示されているICカード番号37と同じ番号をテンキー33を用いて入力させることは行わせない。その代わりに、ユーザーにクレジットカード番号入力画面32のクレジットカード番号やカード有効期限やカードホルダーをテンキー33を用いて英数文字種を切り替えながら入力させて、このクレジットカード情報を先に読み込んで表示したICカード番号37に紐付けして良いか否かをユーザーに確認させるべく紐付け承認ボタン34をタップさせて(ステップS8)、ユーザーのICカード番号37とクレジットカード情報とを紐付ける(ステップS9)。すなわち会員管理装置14は、カードリーダ16から読み込まれたICカード番号を、ユーザーの入力と言う操作を介さずに、そのまま紐付けに用いているのである。ユーザーにとってはこの分の作業が少なくなり面倒がなくて良い。
会員登録が為されたユーザーはICカードCの使用が可能になる。このICカードCを出庫制御装置15のカードリーダ44にかざしてロックバー42を開放してもらうには、課金処理装置10の次のような制御が必要になる。すなわちICカードCが接近した場合にカードリーダ44でこれと通信を行ってICカード番号37を読み取り、会員管理装置14でこのユーザーが会員登録されているか否かの確認を行う(ステップS10)。登録会員であればこのICカードCは上述したようにこのユーザーのクレジットカード情報と紐付けされているので、課金処理装置10は通信装置12を介して外部の決済サーバS宛に所定料金の課金を指令する(ステップS11)。また課金処理装置10は出庫制御装置15にロックバー42の開放を行わせて、自転車の前輪Tの出し入れ操作が自由に行えるようにする(ステップS12)。