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特開2022-91101ネットワーク管理サーバ、ネットワーク装置及び誤接続検知プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091101
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ネットワーク管理サーバ、ネットワーク装置及び誤接続検知プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/00 20220101AFI20220613BHJP
【FI】
H04L12/70 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138536
(22)【出願日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2020203514
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504411166
【氏名又は名称】アラクサラネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】角南 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 知見
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA12
5K030HC13
5K030MD07
(57)【要約】
【課題】ネットワーク機器の交換作業において、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合には、以前と異なるポートに接続しても誤接続として扱わない。
【解決手段】ネットワーク管理サーバの誤接続検知部は、ネットワーク装置の交換によりケーブルの再接続が行われた場合、現在値情報の対向識別情報と期待値情報の対向識別情報とを比較し、ポート構成情報を参照してネットワーク装置の交換前のグループ識別情報とネットワーク装置の交換後のグループ識別情報とを比較し、前記比較の結果に基づいてケーブルの誤接続の有無を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置にネットワークを介して接続され誤接続検知部を有するネットワーク管理サーバであって、
前記誤接続検知部は、
前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報と、前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、複数の前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶し、
前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、
前記現在値情報の前記対向識別情報と前記期待値情報の前記対向識別情報とを比較し、
前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とするネットワーク管理サーバ。
【請求項2】
前記誤接続検知部は、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが一致の場合に、前記ケーブルの接続が正常接続であると判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項3】
前記誤接続検知部は、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とが一致している場合に、前記ケーブルの接続が正常接続であると判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項4】
前記誤接続検知部は、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とが一致していない場合に、前記ケーブルの接続が誤接続であると判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項5】
前記誤接続検知部は、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記現在値情報の前記対向識別情報が存在しない場合に、前記ケーブルの未接続と判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項6】
前記期待値情報と前記現在値情報は、それぞれFDB情報とLLDP情報で構成されることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項7】
前記ネットワーク管理サーバは、
前記ケーブルの誤接続の有無を通知するユーザインターフェイス部を更に有することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項8】
複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置であって、
前記ネットワーク装置は、
前記誤接続検知部と、
取り外し可能な補助記憶媒体と、を有し、
前記補助記憶媒体は、
前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報を格納し、
前記誤接続検知部は、
前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶し、
前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、
前記補助記憶媒体は、交換前の前記ネットワーク装置から交換後の前記ネットワーク装置に差し替えられ、
前記誤接続検知部は、
前記現在値情報の前記対向識別情報と前記補助記憶媒体に格納された前記期待値情報の前記対向識別情報と比較し、
前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項9】
複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置にネットワークを介して接続されたネットワーク管理サーバに格納された誤接続検知プログラムであって、
前記誤接続検知プログラムは、
前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報と、前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、複数の前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶する処理と、
前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、
前記現在値情報の前記対向識別情報と前記期待値情報の前記対向識別情報とを比較する処理と、
前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較する処理と、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定するする処理と、
を計算機が実行するように構成されたことを特徴とする誤接続検知プログラム。
【請求項10】
前記誤接続検知プログラムは、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが一致の場合に、前記ケーブルの接続が正常接続であると判定することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項11】
前記誤接続検知プログラムは、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とが一致している場合に、前記ケーブルの接続が正常接続であると判定することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項12】
前記誤接続検知プログラムは、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とが一致していない場合に、前記ケーブルの接続が誤接続であると判定することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項13】
前記誤接続検知プログラムは、
前記比較の結果、
前記期待値情報の前記対向識別情報と前記現在値情報の前記対向識別情報とが不一致であり、かつ、前記現在値情報の前記対向識別情報が存在しない場合に、前記ケーブルの未接続と判定することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項14】
前記期待値情報と前記現在値情報は、それぞれFDB情報とLLDP情報で構成されることを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項15】
前記誤接続検知プログラムは、
前記ケーブルの誤接続の有無を通知する処理を実行することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項16】
前記複数のポートの少なくとも一つは、他のネットワーク装置を介して前記ケーブルにより前記複数の対向装置に接続され、
前記誤接続検知部は、
前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、
前記現在値情報の前記対向識別情報の集合と前記期待値情報の前記対向識別情報の集合とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項17】
前記誤接続検知部は、
前記現在値情報の前記対向識別情報の集合と前記期待値情報の前記対向識別情報の集合とを比較する際に、
前記ポート毎に、前記期待値情報の前記対向識別情報の一致数を数え、
前記一致数が最多であり、かつ他のポートで選択されていないものを正しいポートと推定し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする請求項16に記載のネットワーク管理サーバ。
【請求項18】
前記複数のポートの少なくとも一つは、他のネットワーク装置を介して前記ケーブルにより前記複数の対向装置に接続され、
前記誤接続検知プログラムは、
前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、
前記現在値情報の前記対向識別情報の集合と前記期待値情報の前記対向識別情報の集合とを比較し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする請求項9に記載の誤接続検知プログラム。
【請求項19】
前記誤接続検知プログラムは、
前記現在値情報の前記対向識別情報の集合と前記期待値情報の前記対向識別情報の集合とを比較する際に、
前記ポート毎に、前記期待値情報の前記対向識別情報の一致数を数え、
前記一致数が最多であり、かつ他のポートで選択されていないものを正しいポートと推定し、
前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする請求項18に記載の誤接続検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク管理サーバ、ネットワーク装置及び誤接続検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会情勢や生活様式の変化によりネットワークシステムが普及し、あらゆる場所にネットワーク機器が設置されている。しかし、ネットワーク機器を運用管理するための人材は不足し現地対応する人員も限られており、数多くのネットワーク機器の運用管理には非専門性や効率化が求められている。
【0003】
運用管理の一つであるネットワーク機器を交換する作業では、機器を交換後、機器に接続されていた多数のケーブルを以前と同じポートに接続する必要がある。この作業で誤接続を生じさせた場合、通信状態の把握から誤接続を検知し誤接続箇所の特定までには、専門的なトラブルシュートが必要であり復旧までに時間もかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-176393号公報
【特許文献2】特開2008-124791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ネットワーク機器のポートへのケーブル誤接続を検知するシステムとして、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)やOAM(Operation Administration and Maintenance)で受信したMAC(Media Access Control)アドレスを対向側の対向端点IDとし、あらかじめ設定保持しておいた対向端点IDの期待値と、ケーブルの再接続後に対向側から受信した対向端点IDの現在値を比較し、一致または不一致により誤接続を検知する方法として特許文献1に記載の発明がされている。
【0006】
また、FDB(Forwarding Database)のMACアドレスを対向端点IDとし、期待値についてもあらかじめ対向側から受信した対向端点IDを使う方法として特許文献2に記載の発明がされている。
【0007】
これらの方法では、ネットワーク機器であるレイヤ2スイッチにおいて、例えば端末が接続するポートなどで、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合でも、以前と異なるポートに接続しただけで誤接続と検知されるという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、ネットワーク機器の交換作業において、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合には、以前と異なるポートに接続しても誤接続として扱わないことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のネットワーク管理サーバは、複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置にネットワークを介して接続され誤接続検知部を有するネットワーク管理サーバであって、前記誤接続検知部は、前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報と、前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、複数の前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶し、前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、前記現在値情報の前記対向識別情報と前記期待値情報の前記対向識別情報とを比較し、前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様のネットワーク装置は、複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置であって、前記ネットワーク装置は、前記誤接続検知部と、取り外し可能な補助記憶媒体と、を有し、前記補助記憶媒体は、前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報を格納し、前記誤接続検知部は、前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶し、前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、前記補助記憶媒体は、交換前の前記ネットワーク装置から交換後の前記ネットワーク装置に差し替えられ、前記誤接続検知部は、前記現在値情報の前記対向識別情報と前記補助記憶媒体に格納された前記期待値情報の前記対向識別情報と比較し、前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較し、前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様の誤接続検知プログラムは、複数の対向装置にケーブルにより接続された複数のポートを有するネットワーク装置にネットワークを介して接続されたネットワーク管理サーバに格納された誤接続検知プログラムであって、前記誤接続検知プログラムは、前記ネットワーク装置の交換前の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の対向識別情報をそれぞれ対応付けた期待値情報と、前記ネットワーク装置の交換後の状態において複数の前記ポートと複数の前記対向装置の前記対向識別情報をそれぞれ対応付けた現在値情報と、複数の前記ポートと前記ポートの構成に応じてグループ化されたグループ識別情報をそれぞれ対応付けたポート構成情報と、を記憶する処理と、前記ネットワーク装置の交換により前記ケーブルの再接続が行われた場合、前記現在値情報の前記対向識別情報と前記期待値情報の前記対向識別情報とを比較する処理と、前記ポート構成情報を参照して、前記ネットワーク装置の交換前の前記グループ識別情報と前記ネットワーク装置の交換後の前記グループ識別情報とを比較する処理と、前記比較の結果に基づいて、前記ケーブルの誤接続の有無を判定するする処理と、を計算機が実行するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、ネットワーク機器の交換作業において、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合には、以前と異なるポートに接続しても誤接続として扱わないことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ネットワークの構成を示す図である。
図2】再接続後のネットワークの構成を示す図である。
図3】実施例1におけるネットワーク管理サーバの構成を示す図である。
図4】実施例1におけるレイヤ2スイッチの構成を示す図である。
図5】LLDP情報の期待値を示す図である。
図6】FDB情報の期待値を示す図である。
図7】LLDP情報の現在値を示す図である。
図8】FDB情報の現在値を示す図である。
図9】比較用のLLDP情報を示す図である。
図10】比較用のFDB情報を示す図である。
図11】ポート構成情報を示す図である。
図12】実施例1における誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。
図13】期待値の収集動作を示すフローチャートである。
図14】現在値の収集動作と対向ID比較動作を示すフローチャートである。
図15】ポート構成の収集動作とグループ化比較動作を示すフローチャートである。
図16】最終比較動作を示すフローチャートである。
図17】ユーザI/F画面の一例を示す図である。
図18】実施例2におけるレイヤ2スイッチの構成示す図である。
図19】レイヤ2スイッチ内のLLDP情報の一例を示す図である。
図20】レイヤ2スイッチ内のFDB情報の一例を示す図である。
図21】実施例2における誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。
図22】実施例3におけるネットワークの構成を示す図である。
図23】実施例3における再接続後のネットワークの構成を示す図である。
図24】実施例3におけるFDB情報の期待値を示す図である。
図25】実施例3におけるFDB情報の現在値を示す図である。
図26】実施例3における比較用のFDB情報を示す図である。
図27】実施例3における誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。
図28】実施例3における複数候補の比較動作を示すフローチャートである。
図29】実施例3におけるユーザI/F画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて実施例について説明する。
【実施例0015】
実施例1では、ネットワーク管理サーバ内に誤接続検知部を持った構成で、レイヤ2スイッチの交換等でケーブルの再接続が行われた際に、同じポート構成のため通信に影響が出ないポートへの接続間違いに対しては許容しながら、通信に影響が出て実害のある誤接続を検知する例を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例1におけるネットワークシステムの構成例を示す説明図である。
図1のネットワークシステムでは、誤接続を検知する対象となるレイヤ2スイッチS10にネットワークN10を介してネットワーク管理サーバS50が接続されている。レイヤ2スイッチS10はポートP11~P17を持つ。それぞれ銅線や光ファイバ等のケーブルで、ポートP11は対向端末A(U10)へ、ポートP12は対向端末B(U20)へ、ポートP13は対向端末C(U30)へ、ポートP14は対向装置A(S20)へ、ポートP15は対向装置B(S30)へ、ポートP16は対向装置C(S40)へ接続されている。なお、ポートP17には何も接続がされていない。ここで、対向装置とは、レイヤ2スイッチS10とは別のレイヤ2スイッチ、あるいはレイヤ3スイッチのことである。
【0017】
図3は、ネットワーク管理サーバS50の構成例を示す説明図である。
ネットワーク管理サーバS50は、CPU100とネットワークI/F101とメモリ102から構成され、メモリ102中に誤接続検知部M10とユーザI/F部M20を持つ。さらに、誤接続検知部M10は、装置情報収集部F10と比較部F20とグループ化部F30の処理部を持ち、LLDP情報(期待値)T10とLLDP情報(現在値)T11とLLDP情報(比較用値)T12とFDB情報(期待値)T20とFDB情報(現在値)T21とFDB情報(比較用値)T22とポート構成情報T30のテーブルを持つ。なお、本実施例において、誤接続検知部M10、装置情報収集部F10、比較部F20、グループ化部F30、ユーザI/F部M20は、いずれもCPU100が実行するプログラムである。
【0018】
誤接続検知部M10は、レイヤ2スイッチS10の交換前後の各状態において、レイヤ2スイッチS10の各ポート(P11からP17)のケーブル接続状態や接続先装置の情報をレイヤ2スイッチS10から収集し、それらの比較を行うことでケーブル誤接続の判定を行う。その詳細な動作、および各テーブルの内容と使用方法については、図12以降のフローチャートを用いて後述する。
【0019】
図4は、レイヤ2スイッチS10の一般的な構成の一例を示す説明図である。
図4のレイヤ2スイッチS10は、CPU103と複数のポートを備えたネットワークI/F104とメモリ105とパケット中継部106から構成される。メモリ105中には、制御部M40とユーザI/F部M30、および、テーブルであるLLDP情報T40とFDB情報T50を持つ。制御部M40とユーザI/F部M30は、いずれもCPU103が実行するプログラムである。
【0020】
レイヤ2スイッチS10では、ネットワークI/F104のいずれかのポートでパケットを受信すると、該パケットはパケット中継部106において該パケットの宛先MACアドレスとFDB情報T50の内容に基づいて、該パケットの転送先となるネットワークI/F104の他のポートを決定して該ポートから送信する。または、該パケットの宛先MACアドレスがレイヤ2スイッチS10自体のMACアドレスであった場合は、該パケットはレイヤ2スイッチS10宛のパケットであると解釈してCPU103に転送する。さらに必要な場合、該パケットの送信元MACアドレスと該パケットを受信したポートの識別子の組み合わせをFDB情報T50に登録する(MACアドレス学習)。
【0021】
図20は、FDB情報T50の一例を示す図である。ポートの識別情報(ポートC500)とMACアドレス(対向ID(MACアドレス)C501)の組み合わせを複数エントリ記憶することができ、どのポートのどのMACアドレスを持った端末が接続されているかという情報を保持する。
【0022】
制御部M40は、パケット中継部106からレイヤ2スイッチS10宛のパケットを受け取ると、該パケットの内容に応じて適切な処理を実行する。例えば、該パケットがLLDPと呼ばれるプロトコルに従ったパケットであれば、該パケットに含まれる対向装置(他のレイヤ2スイッチなど)の識別情報を、該パケットを受信したポートの識別情報と共にLLDP情報T40に格納する。
【0023】
図19は、LLDP情報T40の一例を示す図である。
【0024】
ポートの識別情報(ポートC400)とLLDPパケットに含まれる識別情報(対向ID(装置)C401)の組み合わせを複数エントリ記憶することができ、どのポートのどの識別情報を持ったレイヤ2スイッチなどの装置が接続されているかという情報を保持する。
【0025】
制御部M40がパケット中継部106から受け取ったパケットがネットワーク管理サーバS50からの情報収集指示コマンドであった場合は、その指示内容に応じてLLDP情報T40やFDB情報T50の内容を応答としてネットワーク管理サーバS50に送信する処理を行う。このような指示と応答のためのプロトコルとしては、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)などが利用できる。
【0026】
ユーザI/F部M30は、レイヤ2スイッチS10に対する種々の設定処理や状態確認を管理者が行うためのユーザI/F機能を提供する。
【0027】
図2は、レイヤ2スイッチS10の交換を行った後のネットワークの構成例を示す説明図である。なお、レイヤ2スイッチS10は交換により物理的に異なるスイッチに置き換わるが、交換前のレイヤ2スイッチS10と同じ構成を持ち、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0028】
図2のネットワークの構成は、図1の構成においてレイヤ2スイッチS10の交換が発生し、その後のケーブル再接続作業によって、ポートP11は対向端末B(U20)へ、ポートP12は対向端末A(U10)へ、ポートP13は対向端末C(U30)へ、ポートP15は対向装置A(S20)へ、ポートP17は対向装置C(S40)へ接続されたことを表している。なお、ポートP14およびポートP16には何も接続がされていない。
【0029】
このように図1のシステム構成から装置交換後の再接続作業によって図2のような誤接続が生じた場合を例に、誤接続の発生を検知する動作例を以下に説明する。
【0030】
図12は、誤接続検知部M10による誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。
【0031】
誤接続検知部F10は、装置情報収集処理を実行するタイミングになったかどうかを判定し(ステップF122)、装置情報収集処理を実行するタイミングになったら、装置情報収集部F10を呼び出して期待値の収集処理ステップF13を実行してからステップF123に進み、そうでない場合は、そのままステップF123に進む。装置情報収集処理を実行するタイミングは、例えば所定の時間間隔で定期的に実行することとしてもよいし、あるいは、ユーザI/F部M20を通して管理者が装置情報収集処理の開始コマンドを受け取ったタイミングとしてもよい。
【0032】
図13は、期待値の収集処理(ステップF13)の詳細を示すフローチャートである。ステップF13の処理は、誤接続検知部M10が呼び出した装置情報収集部F10により実行される処理である。
【0033】
装置情報収集部F10は、レイヤ2スイッチS10から例えばSNMPなどのプロトコルを用いてLLDP情報T40とFDB情報T50の内容を収集する(ステップF132)。そして、収集したLLDP情報T40の内容をLLDP情報(期待値)T10に、FDB情報T50の内容をFDB情報(期待値)T20にそれぞれ格納する(ステップF133)。
【0034】
図5図6は、LLDP情報(期待値)T10およびFDB情報(期待値)T20の内容を示す図である。LLDP情報(期待値)T10は、装置C100、ポートC101、対向ID(装置)C102の組み合わせを保持する複数のエントリから構成される。FDB情報(期待値)T20は、装置C200、ポートC201、対向ID(MACアドレス)C202の組み合わせを保持する複数のエントリから構成さる。
【0035】
ステップF132において装置情報収集部F10は、レイヤ2スイッチS10から収集したLLDP情報T40の内容を、LLDP情報(期待値)T10の同名のフィールドであるポートC101と対向ID(装置)C102に格納するとともに、それらの情報がレイヤ2スイッチS10から収集したものであることを示す識別子(例えば「S10」)を装置C100のフィールドに格納する。収集したFDB情報T50の値についても、同様にFDB情報(期待値)T20の対応する同名のフィールドに格納するとともに、レイヤ2スイッチS10から収集したことを示す識別子を装置C200のフィールドに格納する。
【0036】
なお、LLDP情報(期待値)T10とFDB情報(期待値)T20に格納された情報は、レイヤ2スイッチS10の交換とケーブル再接続が行われた際に、期待される元の接続状態を示す情報として利用されるものであるため、これを「期待値」と呼んでいる。
【0037】
図12の処理に戻り、次に誤接続検知部M10は、レイヤ2スイッチS10の交換とそれに伴うケーブルの再接続が発生したかを判定する(ステップF123)。誤接続検知部M10は、例えば、交換後のレイヤ2スイッチS10が起動したときに送信するSNMP等のプロトコルに基づいた通知の受信、あるいは、ユーザI/F部M20が管理者からレイヤ2スイッチS10の交換が行われたことを示すコマンドの受け取ったことにより、レイヤ2スイッチS10の交換とケーブル再接続が行われたことを認識する。
【0038】
誤接続検知部M10は、レイヤ2スイッチS10の交換とケーブルの再接続が発生した場合は、ステップF14以降の誤接続判定のための処理を開始し、そうでない場合は、ステップF122の処理に戻る。すなわち、誤接続検知部M10は、レイヤ2スイッチS10の交換とケーブルの再接続が発生するまでの間は、レイヤ2スイッチS10から最新のLLDP情報とFDB情報の収集を所定のタイミングで繰り返し実行し、レイヤ2スイッチS10の交換の交換とケーブルの再接続が発生すると、ケーブル誤接続が発生していないかを判定する処理を開始するように動作する。
【0039】
誤接続検知部M10は、ステップF123でレイヤ2スイッチS10の交換の交換とケーブルの再接続が行われたと判定すると、誤接続判定のための処理として、レイヤ2スイッチS10から再接続後の装置情報の現在値を収集してステップF13で収集した期待値と比較する処理(ステップF14)と、レイヤ2スイッチS10からポート構成の情報を収集してグループ化して比較する処理(ステップF15)と、最終的な誤接続有無を判定する最終比較処理(ステップF16)を順次実行する。以下、これらの処理の詳細を説明する。
【0040】
図14は、レイヤ2スイッチS10から再接続後の装置情報の現在値を収集して期待値と比較する処理(ステップF14)の詳細を示すフローチャートである。
【0041】
処理の開始後、誤接続検知部M10から呼び出された装置情報収集部F10により、レイヤ2スイッチS10から例えばSNMPなどのプロトコルを用いてLLDP情報T40とFDB情報T50の内容を収集し、収集したLLDP情報T40の内容をLLDP情報(現在値)T11に、FDB情報T50の内容をFDB情報(現在値)T21にそれぞれ格納する(ステップF142)。
【0042】
図7図8は、LLDP情報(現在値)T11およびFDB情報(現在値)T21の内容を示す図である。これらのテーブルは、それぞれLLDP情報(期待値)T10およびFDB情報(期待値)T20と同じ構造を持つ。ステップ142における装置情報収集部F10の処理も、取得した情報の格納先テーブルがLLDP情報(現在値)T11およびFDB情報(現在値)T21となることを除き、装置情報収集部F10の図13に示す処理と同一であり、詳細説明は割愛する。
【0043】
なお、以降の説明では、LLDP情報とFDB情報に対して同様の処理を行うため、同じ説明の繰り返しを避けるためにこれらをまとめてLLDP/FDB情報と表記する場合がある。また、テーブル名称も同様に、例えば「LLDP/FDB情報(現在値)T11/T21」のように複数のテーブルをまとめて表記する場合がある。
【0044】
次に、誤接続検知部M10から呼び出された比較部F20がステップF143以降の処理を実行する。
【0045】
まず、比較部F20は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22にケーブル再接続前後の接続先比較処理に使用する値を保存する(ステップF143)。具体的には、LLDP情報(期待値)T10の各エントリについて装置C100とポートC101と対向ID(装置)C102の値を、それぞれLLDP情報(比較用)T12の装置C120とポートC121と対向ID期待値C122へ保存しする。さらに、LLDP情報(現在値)T11の各エントリについて、対向ID(装置)C112を、LLDP情報(比較用)T12の同一の装置およびポートの値を持つエントリの対向ID現在値C123へ保存する。また、FDB情報(比較用)T22に対しても、LLDP情報(比較用)T12の場合と同様に、FDB情報(期待値)T20とFDB情報(現在値)T21の内容を保存する。
【0046】
図9図10は、それぞれLLDP情報(期待値)T12とFDB情報(比較用)T22の内容を示す図である。これらのテーブルは、レイヤ2スイッチS10において、ケーブル再接続の前後で接続先が変わっているネットワークI/F104のポートの有無を判定するための情報を保持する複数のエントリから構成される。なお、LLDP/FDB情報(期待値)T12/T22において、ステップF143に格納すべき情報が無かったフィールドは「-」と表記する。
【0047】
次に、比較部F20は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22のエントリ毎に対向ID期待値C122/C222と対向ID現在値C123/C223の値を比較する(ステップF144)。対向ID期待値C122/C222と対向ID現在値C123/C223の値が同一ということは、ケーブル再接続の前後で、そのエントリで示される装置のポートに接続される装置が同一であることを意味する。
【0048】
なお、接続先となっている装置の比較対象とする対向IDには、LLDP情報に含まれるもの(装置の識別子)と、FDB情報に含まれるもの(装置が持つMACアドレス)の2種類があるが、比較処理はLLDP情報を優先して利用し、LLDPに対応していない装置が接続されているポート(すなわちLLDP情報を持たないポート)ではFDB情報を使うこととする。
【0049】
比較の結果、対向ID期待値C122/C222と対向ID現在値C123/C223が同一の場合は(ステップF145のYES)、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID比較C124/C224に「一致」を保存し(ステップF146)、現在値の収集処理と対向ID比較処理F14を終了する。
【0050】
ステップF145にて、対向ID期待値C122/C222と対向ID現在値C123/C223が同一ではない場合は(ステップF145のNO)、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID現在値C123/C223の値が格納されているかどうかをさらに判定し(ステップF147)、値がない(「-」と表記されている)場合は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID比較C124/C224に「未接続」を保存して現在値の収集処理と対向ID比較処理F14を終了し(ステップF148)、値がある場合は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID比較C124/C224に「不一致」を保存して現在値の収集処理と対向ID比較処理F14を終了する(ステップF149)。
【0051】
なお、ステップF144からステップF149までの処理は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の全てのエントリに対して実行される。
【0052】
図15は、ポート構成の収集動作とグループ化比較処理(ステップF15)の詳細を示すフローチャートである。
【0053】
処理の開始後、処理F152にて、誤接続検知部M10から呼び出された装置情報収集部F10が、例えばSNMPなどのプロトコルを用いてレイヤ2スイッチS10からポートの構成情報を収集し、ポート構成情報T30に保存する。なお、実施例1では、レイヤ2スイッチS10のポート構成は、交換の前後で同一であることを前提としている。
【0054】
図11は、ポート構成情報T30の内容を示した図である。ポート構成情報T30は、レイヤ2スイッチS10から取得したネットワークI/F104の各ポートの設定状態を格納するテーブルで、ポート毎に、そのポートが所属するVLAN識別子を格納するVLANC302、そのポートの回線速度を示すI/FスピードC303、ステップF153でそのポートに付与するIDを格納するポートグループIDC304の各フィールドから構成される複数のエントリを持つ。
【0055】
次に、誤接続検知部M10から呼び出されたグループ化部F30にて、ポート構成情報T30の各ポートC301について、VLANC302とI/FスピードC303が同じものが同じグループになるようグループIDを付与し、グループIDC304へ保存する。図11に記されている値の例で説明すると、例えばポートP11とP12は、どちらも同じVLAN「100」に所属し、I/Fスピードが共に「1Gbps」であるため、どちらにもグループID「A」を付与して同一グループであることを示す。
【0056】
次に、誤接続検知部M10から呼び出された比較部F20が、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の各エントリに対し、対向ID比較C124/C224が「不一致」となっているエントリについて、ポート構成情報を比較するために必要な情報を保存する処理を行う(ステップF154)。具体的には、まず、該エントリのポートC121/C221に格納されているものと同じ値をポートC301に持つポート構成情報T30のエントリを検索し、検索されたエントリのグループIDC304の値をLLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対象エントリのポートグループIDC125/C225へ保存する。次に、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID現在値C123/C223と同じ値を対向ID期待値C122/C222に持つエントリを検索し、検索されたエントリのポートC121/C221の値を現在値ポートC126/C226へ保存する。
【0057】
最後に、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の現在値ポートC126/C226と同じ値をポートC301に持つポート構成情報T30のエントリを検索し、検索されたエントリのグループIDC304の値をLLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対象エントリの現在値ポートグループID欄C127/C227へ保存する。
【0058】
次に、比較部F20は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID比較C124/C224が「不一致」となっているポートについて、ポートグループIDC125/C225と現在値ポートグループIDC127/C227を比較する(ステップF155)。
比較の結果、両者のポートグループID値が同一の場合(ステップ156のYES)、処理F157にてポートグループID比較C128/C228に「一致」を保存し(ステップF157)、F15の処理を終了する。両者のポートグループID値が同一ではない場合(ステップF156のNO)、ポートグループID比較C128/C228に「不一致」を保存し(ステップF158)、F15の処理を終了する。
【0059】
図16は、最終的な接続状態の判定処理となる比較処理(ステップF16)の詳細を示すフローチャートである。なお、ステップF16の処理は、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の個々のエントリに対して実行される。以降の説明では、一つの対象エントリに対して実行される内容を説明する。
【0060】
処理の開始後、誤接続検知部M10から呼び出された比較部F20が、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の処理対象エントリにおいて、対向ID比較C124/C224とポートグループID比較C128/C228のいずれかが「一致」となっている場合(ステップF162のYES)、最終判定C129/C229に「正常接続」を保存し(ステップF163)、F16の処理を終了する。
【0061】
「一致」でなかった場合(ステップF162のNO)、ステップF164へ進む。ここで、「正常接続」とは、レイヤ2スイッチS10交換後に、処理対象となったエントリに示されるポートに交換前と同じ装置が接続されたか、または、異なる装置が接続されたがその装置はレイヤ2スイッチS10交換前に同じグループIDに属するポートに接続されていた装置であったためその接続には問題がない状態を意味する。
【0062】
次に、処理対象エントリの対向ID比較C124/C224が「未接続」ではない場合(ステップF164のNO)、最終判定C129/C229に「誤接続」を保存し(ステップF166)、F16の処理を終了する。「未接続」の場合(ステップ164のYES)、分岐F165へ進む。
【0063】
ここで、「誤接続」とは、レイヤ2スイッチS10交換後に、処理対象となったエントリに示されるポートに異なる装置が接続され、かつ、その装置はレイヤ2スイッチS10交換前に異なるグループIDに属するポートに接続されていた装置であったため、このポートへの接続が許されない装置が接続されている状態を意味する。
【0064】
次に、処理対象エントリのポートC121/C221の値が他のポートの現在値ポートC126/C127に保存されているかを調べ、保存されていた場合に、そのポートのポートグループID比較C128/C228が「一致」となっていたら(ステップF165のYES)、最終判定欄C129/C229に「対象外(移動)」を保存し、F16の処理を終了する(ステップF167)。それ以外の場合(ステップF165のNO)、最終判定欄C129/C229に「誤接続(未接続)」を保存し、F16の処理を終了する(ステップF168)。
【0065】
ここで、「対象外(移動)」とは、処理対象となったエントリに示されるポートがレイヤ2スイッチS10交換後に何も接続されていない状態となったが、交換前にこのポートに接続されていた装置は同じグループIDに属する別のポートにつなぎ変えられたので、問題が無い状態にあることを意味する。また、「誤接続(未接続)」とは、処理対象となったエントリに示されるポートがレイヤ2スイッチS10交換後に何も接続されていない状態となり、かつ、交換前にこのポートに接続されていた装置が他のどのポートにも接続されていない状態を意味する。
【0066】
以上説明した一連の処理により、レイヤ2スイッチS10の交換後のケーブル再接続の状態と、それらのうち接続し直しの対処を行うべき誤接続ポートの有無が判定される。
【0067】
図12のフローチャートに戻り、誤接続検知部M10は、ステップF16までの処理で判明したケーブルの誤接続の有無をユーザI/F部M20によりに通知する(ステップF124)。具体的には、syslog/mail/Web-UI等の手段によりLLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の最終判定C129/C229の誤接続有無を通知する。通知された情報は、例えば管理者が通知に基づいてケーブルの再接続などを行うために利用される。
【0068】
Web-UIの一例として、図17にユーザI/F画面の一例を示す。対象のレイヤ2スイッチS10について、ポート接続確認の表D20を表示する。表内のポートD200にはLLDP/FDB情報(比較用)T12/T22のポートC120/C220のポートを、グループD201にはポート構成情報T30のグループIDC304のグループIDを、判定D202には、最終判定C129/C229の判定を、以前のポートD203には、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22の対向ID比較C124/C224が「一致」の場合はポートC120/C220のポートを、「不一致」の場合は、現在値ポートC126/C226のポートを、D204については、適切な説明を。それぞれ表示する。
【0069】
ステップF124の後、ケーブル誤接続判定の処理を継続するか終了するかを判定する(ステップF125)。具体的には、LLDP/FDB情報(比較用)T12/T22のすべての最終判定欄C129/C229が「正常接続」または「対象外(移動)」になっている場合(これは誤接続が発生していないことを意味する)、もしくは、ユーザI/F部M20にて、ユーザからの終了指示を受信した場合に、処理F12を終了する。ステップF125にて、それ以外の場合、現在値の収集処理と対向ID比較処理F14に戻り、繰り返す。
【0070】
なお、実施例1では、対象をレイヤ2スイッチとしたが、レイヤ3スイッチやルータなどにおいても同様に適用できる。その場合、対向端末や対向装置の接続状態を示す情報として、ARP情報やルーティング情報も用いることができることが容易に想像できる。
【0071】
以上、実施例1によれば、レイヤ2スイッチなどの装置の交換が行われた際に、交換前後のケーブル誤接続の発生を検出することができる。さらに、レイヤ2スイッチ等のポート構成情報を併用することで、誤接続であったとしてもシステムの動作に影響がない範囲であれば正常接続と判断することで、誤接続によるケーブル再接続作業を最小化できるという効果がある。
【実施例0072】
実施例2では、レイヤ2スイッチ内に誤接続検知部を持った構成で、レイヤ2スイッチの交換等でケーブルの再接続が行われた際に、同じポート構成のため通信に影響が出ないポートへの接続間違いに対しては許容しながら、通信に影響が出て実害のある誤接続を検知する例を説明する。
【0073】
図18は、実施例2におけるレイヤ2スイッチS60の構成例を示す説明図である。なお、実施例1に示したレイヤ2スイッチS10と同じ構成要素は、同じ符号を付している。
【0074】
図18のレイヤ2スイッチS60の構成は、実施例1に示したレイヤ2スイッチS10に対し、メモリ105に誤接続検知部M10とほぼ同じプログラムである誤接続検知部M50を格納してこれをCPU103が実行するように構成し、さらに、補助記憶制御部107と補助記憶媒体108を備えた構成となっている。
【0075】
誤接続検知部M50は、図3に示した誤接続検知部M10と同じ処理部とテーブルを含んでいる。これらの図示は省略しており、以降の説明では図3に示した符号を用いて参照する。
【0076】
補助記憶媒体108は、取り外し可能な不揮発性の記憶媒体で、補助記憶制御部107は、補助記憶媒体108へのデータの読み書きを制御するものである。補助記憶媒体108は、レイヤ2スイッチS60が別の装置に交換された際に、誤接続検知に必要な情報を交換後の装置に移動するためのものであり、交換前の装置から交換後の装置に差し替えられることを前提としたものである。
【0077】
図21は、誤接続検知部M50における誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。これは、基本的に実施例1で説明した図12のフローチャートの処理とほぼ同じであるため、以下では図12のフローチャートと異なる部分のみを説明する。図21において図12のフローチャートと同じ処理をする要素には図12と同じ符号を付しており、その詳細動作の説明は割愛する。
【0078】
まず、誤接続検知部M50は、レイヤ2スイッチS60の起動後の最初のステップとして、補助記憶媒体108にLLDP/FDB情報が格納されているかを確認し、格納されていなければステップF122以降の処理に進み、格納されていればステップF214以降の処理に進む(ステップF212)。この処理は、レイヤ2スイッチS60の起動後に、今回の起動がレイヤ2スイッチS60の交換後の再起動なのか、システム構築後の最初の起動なのかを判断するための処理である。この判断に補助記憶媒体108中のLLDP/FDB情報の有無を利用するのは一例であり、それ以外の動作識別情報を補助記憶媒体に格納して判断に利用するようにしてもよい。
【0079】
ステップF212で補助記憶媒体108にLLDP/FDB情報が格納されていなかった場合は、ステップF122、ステップF13の処理を実行する。これらの処理は、図12のフローチャートで説明した処理と基本的に同じである。違う部分は、ステップF13において装置情報収集部F10が、実施例1ではレイヤ2スイッチS10からSNMP等のプロトコルを用いて情報収集していたのに対し、実施例2ではレイヤ2スイッチS60内の情報を直接参照するようになることである(以降の処理でも同様)。あるいは、レイヤ2スイッチS60内で、ループバックインタフェースを用いたローカル通信でSNMP等を利用して、制御部M40から取得してもよい。
【0080】
次に、LLDP/FDB情報(期待値)T10/T20の内容を補助記憶媒体108に格納し、ステップF122に戻る(ステップF213)。ステップF212で補助記憶媒体108にLLDP/FDB情報が格納されていた場合は、まず、補助記憶媒体108からLLDP/FDB情報を読み出し、それらをLLDP/FDB情報(期待値)T10/T20に格納する(ステップF214)。
【0081】
次に、ステップF14以降の処理に進んで、誤接続の検出処理を進める。ステップF14以降の各処理は、図12のフローチャートで説明した処理と同じである。
【0082】
以上の処理により、レイヤ2スイッチS60単体でも誤接続検知が実現される。もし、誤接続検知部M50が自装置だけでなく、他のレイヤ2スイッチ等の誤接続検知も実施する場合は、他のレイヤ2スイッチ等に対する処理は、図12のフローチャートに示した動作により実施可能である。
【0083】
なお、実施例2では対象をレイヤ2スイッチとしたが、レイヤ3スイッチやルータなどにおいても同様に適用できる。その場合、対向端末や対向装置の接続状態を示す情報として、ARP情報やルーティング情報も用いることができることが容易に想像できる。
【0084】
実施例2によれば、外部のサーバ装置となる誤接続検知装置を用意することが難しい小規模なシステムにおいても、レイヤ2スイッチ等のネットワーク機器単体で、システムの動作に影響がない範囲の誤接続を許容した誤接続検出を行えるようになる効果がある。
【0085】
上記実施例では、ネットワーク機器の交換作業において、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合には、以前と異なるポートに接続しても誤接続として扱わないという柔軟性を有する。
【0086】
上記実施例によれば、ネットワーク機器の交換作業において、ネットワークシステムの動作に影響しない誤接続の検知を抑制できる。このため、ネットワーク機器交換後に誤接続してしまったケーブルの不要な再接続作業を減らし、交換作業を効率的に進められるようになる効果がある。特に、端末を接続するアクセス側のスイッチにおいては、一般的に動作に影響しない誤接続を許すポートが大部分となるためその効果は大きい。
【実施例0087】
実施例3では、実施例1と同様にネットワーク管理サーバ内または実施例2と同様にレイヤ2スイッチ内に誤接続検知部を持った構成で、対向端末や対向装置との間にノンインテリジェントレイヤ2スイッチまたはリピータハブなどのLLDPで接続情報が取得できないもしくは管理していない機器がある場合について説明する。
【0088】
レイヤ2スイッチの交換等でケーブルの再接続が行われた際に、同じポート構成のため通信に影響が出ないポートへの接続間違いに対しては許容しながら、通信に影響が出て実害のある誤接続を検知し、さらに正しい接続先を通知する例を説明する。
【0089】
レイヤ2スイッチと端末の間にLLDP非対応のノンインテリジェントレイヤ2スイッチまたはリピータハブなどが入った場合、レイヤ2スイッチはLLDPによりそれらの存在を認識することができない。このため、レイヤ2スイッチの交換による再接続でそれらの誤接続が発生しても直接検知することができない。実施例3は、そのような状況でも、LLDP非対応のスイッチの先に接続された端末の情報を用いて誤接続の可能性を推定し、ネットワーク管理者に通知できるようにしたものである。
【0090】
図22は、本発明の実施例3におけるネットワークシステムの構成例を示す説明図である。なお、実施例1または実施例2に示したネットワークシステムの構成例と同じ構成要素は、同じ符号を付している。
【0091】
図22のネットワークシステムでは、誤接続を検知する対象となるレイヤ2スイッチS10にネットワークN10を介してネットワーク管理サーバS50が接続されている。レイヤ2スイッチS10はポートP12~P15を持つ。それぞれ銅線や光ファイバ等のケーブルで接続されている。
【0092】
ポートP12は、レイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H10)を介して対向端末A(U10)と対向端末B(U20)と対向端末C(U30)へ接続されている。ポートP13は、レイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H20)を介して対向端末D(U40)と対向端末E(U50)へ接続されている。ポートP14は、レイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H30)を介して対向端末F(U60)と対向端末G(U70)へ接続されている。ポートP15は、レイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H40)を介して対向端末H(U80)へ接続されている。
【0093】
実施例3におけるレイヤ2スイッチS10の構成は、実施例1または実施例2と同じ構成なので、その説明は省略する。
【0094】
図23のネットワークの構成は、図22の構成においてレイヤ2スイッチS10の交換が発生し、その後のケーブル再接続作業によって、ポートP12はレイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H20)へ、ポートP13はレイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H10)へ、ポートP14はレイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H40)へ、ポートP15はレイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H30)へ接続されたことを表している。
【0095】
また、レイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H30)へ接続されていた対向端末G(U70)はレイヤ2スイッチまたはリピータハブ(H40)へ移動したことを表している。この移動は、レイヤ2スイッチS10の交換作業を行っている最中に、対向端末G(U70)が別のレイヤ2スイッチまたはリピータハブにつなぎ変えられた状況を想定している。
【0096】
レイヤ2スイッチS10の交換作業中は通信断が発生するため、例えば、その間に端末を使用するユーザが、その端末を別のレイヤ2スイッチまたはリピータハブにつなぎ変えて事態の解消を試みるといった行動を起こす可能性を考慮したものである。
【0097】
このように図22のシステム構成から装置交換後の再接続作業によって図23のような誤接続が生じた場合を例に、誤接続の発生を検知する動作例を以下に説明する。
【0098】
図27は、誤接続検知部M10による誤接続検知の全体動作を示すフローチャートである。これは、基本的に実施例1で説明した図12のフローチャートの処理とほぼ同じで、ステップF16とステップF124の間にステップF28が追加されたのみである。そのため、以下では図12のフローチャートと異なる部分F28のみを説明する。図27において図12のフローチャートと同じ処理をする要素には図12と同じ符号を付しており、その詳細動作の説明は割愛する。
【0099】
なお、ステップF16までの各処理は、実施例1の図12のフローチャートで説明した処理と同じであるが、レイヤ2スイッチまたはリピータハブを介することにより、レイヤ2スイッチS10の一つのポートの先に複数の端末が直接接続されたように見える状態になっている場合は、FDB情報(期待値)T20、FDB情報(現在値)T21、FDB情報(比較用)T22の各テーブルの対向IDの列に複数の対向ID(MACアドレス)が保存されるようにする。その場合には、その集合を対向IDとして扱うこととする。
【0100】
図24は、レイヤ2スイッチS10の交換前(図22のネットワーク構成)にステップF13によって収集された情報を含むFDB情報(期待値)T20の一例である。
【0101】
図25は、レイヤ2スイッチS10の交換後(図23のネットワーク構成)にステップF14によって収集された情報を含むFDB情報(現在値)T21の一例である。
【0102】
図28は、実施例3で追加された複数候補の比較処理(ステップF28)の詳細を示すフローチャートである。
ステップF28の処理は、図26のFDB情報(比較用)T22の個々のエントリに対して実行される。なお、図26のFDB情報(比較用)は図10のFDB情報(比較用)T22にC261からC266の列を追加したものである。また、FDB情報(比較用)T22のC220からC229の列は、ステップF28開始前に図27のフローチャートのステップF14とF15の処理により値がすでに格納されている。以降の説明では、一つの対象エントリに対して実行される内容を説明する。
【0103】
ステップF28の処理を開始すると、まず、誤接続検知部M10から呼び出された比較部F20が、FDB情報(比較用)T22の処理対象エントリにおいて、最終判定C229が「誤接続」でなかった場合(ステップF282のNO)、F28の処理を終了する。
【0104】
「誤接続」となっていた場合(ステップF282のYES)、ステップF283へ進む。ここで、「誤接続」とは、レイヤ2スイッチS10交換後に、処理対象となったエントリに示されるポートに交換前とは異なる対向IDの集合が接続され、かつ、その対向IDの集合はレイヤ2スイッチS10交換前とは異なるグループIDに属するポートに接続されていた対向IDの集合であったためその接続に問題がある状態を意味する。
【0105】
次に、ステップF283にて、FDB情報(比較用)T22の個々のエントリの対向ID期待値C222の集合に対して、対象エントリの対向ID現在値C223の集合の内、何個の対向IDが合致するか個数を数え、その数を個々のエントリのポートC221に対応する対向ID一致数C261からC264に保存し、ステップF284へ進む。
【0106】
具体的な例を図26で説明すると、例えば1行目(ポートC221がP12のエントリ)に対する処理では、1行目の対向ID期待値C222は、「U10、U20、U30」という集合であり、1行目の対向ID現在値C223は、「U40、U50」という集合であるから、両集合に一致する要素は無く、1行目の対向ID一致数(P12)C261は0となる。
【0107】
2行目(ポートC221がP13のエントリ)の対向ID期待値C222は、「U40、U50」という集合であり、1行目の対向ID現在値C223は、「U40、U50」という集合であるから、両集合は2個の要素が一致し、1行目の対向ID一致数(P13)C262は2となる。同様の比較処理を繰り返し、1行目の対向ID一致数(P14)C263と1行目の対向ID一致数(P15)C264の値はそれぞれ0となる。
【0108】
次に、ステップF284にて、対向ID一致数C261からC264の内、最も数が多いポートを一致数最多ポートC265へ保存する。最多のものが複数ある場合は複数ポートを保存し、ステップF285へ進む。例えば1行目(ポートC221がP12の行)に対する処理では、対向ID一致数C261からC264の内、最も大きい値は対向ID一致数(P13)C262に格納されている2であるから、一致数最多ポートC265にはP13を格納する。
【0109】
3行目(ポートC221がP14の行)に対する処理では、対向ID一致数C261からC264の内、最も大きい値は対向ID一致数(P14)C263と対向ID一致数(P15)C264に格納されている1であるから、一致数最多ポートC265にはP14とP15を格納する。
【0110】
以上説明したステップF282からステップF284までの処理は、FDB情報(比較用)T22の全てのエントリに対して実行してからステップF285以降の処理に進むものとする。
【0111】
次に、ステップF285にて、一致数最多ポートC265に保存されたポートが1個の場合(ステップF285のYES)、F28の処理を終了する。
【0112】
ポートが複数あった場合(ステップF285のNO)、ステップF286へ進む。
【0113】
ステップF286およびステップF287にて、一致数最多ポートC265に保存されたポートの集合の内、FDB情報(比較用)T22の他のエントリの一致数最多ポートC265で単一のポートとして格納されているものを除いたものを一致残ポートC266へ保存する。
【0114】
図26の例では、3行目(ポートC221がP14のエントリ)が一致数最多ポートC265に複数のポートP14とP15を含むため、ステップF286の処理対象となり、このうちP14は、4行目(ポートC221がP15のエントリ)で一致数最多ポートC265に単一のポートとして格納されているので除外の対象となり、結果としてステップF287にてP15だけが3行目の一致残ポートC266に格納される。
【0115】
図27のフローチャートに戻り、F124以降の処理に進んで、誤接続の検出処理を進める。ステップF124以降の各処理は、図12のフローチャートで説明した処理と同じである。
【0116】
実施例3において誤接続の検出結果を表示するWeb-UIの一例として、図29にユーザI/F画面の一例を示す。
【0117】
対象のレイヤ2スイッチS10について、ポート接続確認の表D20を表示する。表D20の各行は、FDB情報(比較用)T22の各エントリの内容に対応する情報を表示する。
【0118】
各行において、表内のポートD200には、FDB情報(比較用)T22のポートC221のポートを表示する。グループD201には、FDB情報(比較用)T22のポートグループIDC225のグループIDを表示する。判定D202には、最終判定C229の判定を表示する。
【0119】
以前のポートD203には、FDB情報(比較用)T22の対向ID比較C224が「一致」の場合はポートC221のポートを、「不一致」の場合は、一致数最多ポートC265のポートが1個の場合はそのポートを、C265のポートが複数あった場合は一致残ポートC266を表示する。D204には、適切な説明を表示する。
【0120】
ここで、現在値ポートC226が空だった場合は、以前のポートD203のポートの後ろに「(推定)」の文字をさらに付加する。これは、現在値ポートC226が空であることは、ステップF154(図15)で現在値ポートC226を求める際、対向ID現在値C223と完全一致するポートの集合を対向ID期待値C222に持つエントリが見つからなかったことを意味し、以前のポートD203に表示するポートが推定値であることをネットワーク管理者に知らせるためである。
【0121】
以前のポートD203を図26の例で説明すると、装置S10のポートP12は、C224が「不一致」、かつ、C265に格納されるポートがP13の1個、かつ、C226が空でないので、C265の値「P13」を表示する。装置S10のポートP13も、C224が「不一致」、かつ、C265に格納されるポートがP12の1個、かつ、C226が空でないので、C265の値「P12」を表示する。
【0122】
装置S10のポートP14は、C224が「不一致」、かつ、C265に格納されるポートがP14とP15の2個、かつ、C226が空なので、C266の値に「(推定)」を付加した「P15(推定)」を表示する。装置S10のポートP15は、C224が「不一致」、かつ、C265に格納されるポートがP14の1個、かつ、C226が空なので、C265の値に「(推定)」を付加した「P14(推定)」を表示する。
【0123】
なお、実施例3として説明した図22図23のネットワーク構成では、レイヤ2スイッチS10に接続される対向装置(レイヤ2スイッチS10以外のLLDP機能を持つレイヤ2スイッチ)が存在しないため説明を割愛しているが、もし対向装置も接続されていた場合は、LLDP情報(比較用)T12に基づいた判定結果も実施例1の図17の画面例を表示する場合と同様の処理によって表D20に含めて表示する。
【0124】
以上の処理により、対向端末や対向装置との間にノンインテリジェントレイヤ2スイッチまたはリピータハブなどLLDPで接続情報が取得できない機器がある場合にでも誤接続検知が実現される。
【0125】
上記実施例では、ネットワーク機器の交換作業において、複数あるポートのいずれに接続しても通信等に影響が無いような場合には、以前と異なるポートに接続しても誤接続として扱わないという柔軟性を有する。
【0126】
上記実施例によれば、ネットワーク機器の交換作業において、ネットワークシステムの動作に影響しない誤接続の検知を抑制できる。このため、ネットワーク機器交換後に誤接続してしまったケーブルの不要な再接続作業を減らし、交換作業を効率的に進められるようになる効果がある。特に、端末を接続するアクセス側のスイッチにおいては、一般的に動作に影響しない誤接続を許すポートが大部分となるためその効果は大きい。
【0127】
上記実施例によれば、ネットワーク機器の交換作業において、対向端末や対向装置との接続の間に管理されていないレイヤ2スイッチがある場合でも、誤接続の検知が実現される。このため、ネットワーク機器交換後に誤接続してしまったケーブルの不要な再接続作業を減らし、交換作業を効率的に進められるようになる効果がある。特に、端末を接続するアクセス側のスイッチにおいては、ケーブルの接続形態を問わない一般的に安価なノンインテリジェントレイヤ2スイッチが用いられることが多く、この上位スイッチの交換においても誤接続の検知が実現されることでその効果は大きい。
【符号の説明】
【0128】
S10、S60 レイヤ2スイッチ
S20 対向装置A
S30 対向装置B
S40 対向装置C
S50 ネットワーク管理サーバ
U10 対向端末A
U20 対向端末B
U30 対向端末C
U40 対向端末D
U50 対向端末E
U60 対向端末F
U70 対向端末G
U80 対向端末H
H10、H20、H30、H40 レイヤ2スイッチ/リピータハブ
P11、P12、P13、P14、P15、P16、P17 ポート
M10、M50 誤接続検知部
M20、M30 ユーザI/F部
F10 装置情報収集部
F20 比較部
F30 グループ化部
T10 LLDP情報(期待値)
T11 LLDP情報(現在値)
T12 LLDP情報(比較用)
T20 FDB情報(期待値)
T21 FDB情報(現在値)
T22 FDB情報(比較用)
T30 ポート構成情報
図1
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