(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091135
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】ガスタービンシステム用の吸気加熱システム
(51)【国際特許分類】
F02C 7/057 20060101AFI20220613BHJP
F02C 6/10 20060101ALI20220613BHJP
F01K 9/00 20060101ALI20220613BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
F02C7/057
F02C6/10
F01K9/00 A
F02C9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021196828
(22)【出願日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】17/114,879
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・フェヘール
(57)【要約】
【課題】ガスタービンシステム用の吸気加熱システムを提供する。
【解決手段】ガスタービンシステム(10)用の入口吸気加熱システムは、ガスタービンシステム(10)の圧縮機(16)の上流に位置決めされるように構成された入口熱交換器(52)を含む。吸気加熱システムはまた、入口熱交換器(52)に流体結合された加熱ループ(56)を含む。加熱ループ(56)は、加熱流体(58)を入口熱交換器(52)に提供するように構成され、入口熱交換器(52)は、加熱流体(58)から圧縮機(16)に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。さらに、吸気加熱システムは、蒸気復水器(39)と冷却塔との間に延びる流体経路(44)から冷却塔流体(48)を受け取るように構成された熱伝達アセンブリを含む。熱伝達アセンブリは、冷却塔流体(48)から加熱流体(58)への熱の伝達を促進するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンシステム(10)用の吸気加熱システム(12、104、112、122)であって、
前記ガスタービンシステム(10)の圧縮機(16)の上流に位置決めされるように構成された入口熱交換器(52)と、
前記入口熱交換器(52)に流体結合された加熱ループ(56)であって、前記入口熱交換器(52)に加熱流体(58)を提供するように構成され、前記入口熱交換器(52)が前記加熱流体(58)から、前記圧縮機(16)に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される、加熱ループ(56)と、
蒸気復水器(39)と冷却塔との間に延びる流体経路(44)から冷却塔流体(48)を受け取るように構成された第1の熱伝達アセンブリ(60、116、124)であって、前記冷却塔流体(48)から前記加熱流体(58)への熱の伝達を促進するように構成される、第1の熱伝達アセンブリ(60、116、124)と、
蒸気タービンシステム(28)から加熱された流体を受け取るように構成された第2の熱伝達アセンブリ(68、106)であって、前記加熱された流体から前記加熱流体(58)への熱の伝達を促進するように構成される、第2の熱伝達アセンブリ(68、106)と
を備える、吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項2】
前記第1の熱伝達アセンブリ(60)が、前記冷却塔流体(48)から前記加熱流体(58)への前記熱の伝達を促進するように構成された加熱ループ熱交換器(62)を備える、請求項1に記載の吸気加熱システム(12、104)。
【請求項3】
前記第1の熱伝達アセンブリ(60、116、124)は、流体入口通路(108、118、126)および流体出口通路(110、120、128)を含み、前記流体入口通路(108、118、126)および前記流体出口通路(110、120、128)は前記加熱ループ(56)に流体結合され、前記流体入口通路(108、118、126)は前記冷却塔流体(48)を前記流体経路(44)から前記加熱流体(58)に移送するように構成され、前記流体出口通路(110、120、128)は前記加熱流体(58)から前記冷却塔流体(48)を受け取り、前記冷却塔流体(48)を前記流体経路(44)に移送するように構成される、請求項1に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項4】
前記第2の熱伝達アセンブリ(68)が、前記加熱された流体から前記加熱流体(58)への前記熱の伝達を促進するように構成された第2の加熱ループ熱交換器(70)を備える、請求項1に記載の吸気加熱システム(12)。
【請求項5】
前記第2の熱伝達アセンブリ(106)は第2の流体入口通路(108)および第2の流体出口通路(110)を含み、前記第2の流体入口通路(108)および前記第2の流体出口通路(110)は、前記加熱ループ(56)に流体結合され、前記第2の流体入口通路(108)は、前記加熱された流体を前記蒸気タービンシステム(28)から前記加熱流体(58)に移送するように構成され、前記第2の流体出口通路(110)は、前記加熱流体(58)から前記加熱された流体を受け取り、前記加熱された流体を前記蒸気復水器(39)に移送するように構成される、請求項1に記載の吸気加熱システム(104、112、122)。
【請求項6】
前記第1の熱伝達アセンブリ(60、116、124)を通る前記冷却塔流体(48)の第1の流量を制御するように構成された第1のバルブ(82)と、
前記第2の熱伝達アセンブリ(68、106)を通る前記加熱された流体の第2の流量を制御するように構成された第2のバルブ(84)と、
前記加熱ループ(56)を通る前記加熱流体(58)の第3の流量を制御するように構成された第3のバルブ(86)と、
メモリ(92)およびプロセッサ(90)を含むコントローラ(88)であって、前記第1のバルブ(82)、前記第2のバルブ(84)、および前記第3のバルブ(86)に通信可能に結合され、前記第1のバルブ(82)、前記第2のバルブ(84)、および前記第3のバルブ(86)を制御するように構成される、コントローラ(88)
とを備える、請求項1に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項7】
前記コントローラ(88)は、前記圧縮機(16)への前記空気流の目標温度を確立するように前記第1のバルブ(82)を制御するように構成される、請求項6に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項8】
前記コントローラ(88)は、第1の閾値持続時間よりも長い間、前記第1のバルブ(82)の位置が閾値位置以上であると判定したことに応答して、前記第2のバルブ(84)の開放を可能にするように構成され、前記コントローラ(88)は、第2の閾値持続時間よりも長い間、前記第1のバルブ(82)の前記位置が前記閾値位置未満であると判定したことに応答して、前記第2のバルブ(84)を閉じ、開放を無効とするように前記第2のバルブ(84)に指示するように構成される、請求項6に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項9】
前記コントローラ(88)は、前記第2のバルブ(84)の開放が可能にされている間に前記圧縮機(16)に入る前記空気流の目標温度を確立するように前記第2のバルブ(84)を制御するように構成され、前記コントローラ(88)は、前記第2のバルブ(84)の開放が可能にされている間に、かつ第3の閾値持続時間を超えて、前記第1の熱伝達アセンブリ(60、116、124)に流入する前記冷却塔流体(48)と前記入口熱交換器(52)から流れる前記加熱流体(58)との間の温度差が閾値温度差以下であるとの判定したことに応答して、またはそれらの組み合わせに応答して、前記第1のバルブ(82)に閉じるように指示するように構成される、請求項8に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【請求項10】
前記コントローラ(88)は、第1の温度差が第1の調整係数を乗じた第2の温度差未満であり、かつ第2の調整係数を乗じた前記第2の温度差以上であるように前記第3のバルブ(86)を制御するように構成され、前記第1の調整係数は前記第2の調整係数よりも大きく、前記第1の温度差は、前記入口熱交換器(52)に流入する前記加熱流体(58)の温度と前記入口熱交換器(52)から流出する前記加熱流体(58)の温度との間の差に対応し、前記第2の温度差は、前記圧縮機(16)に流入する前記空気流の目標温度と前記入口熱交換器(52)に流入する第2の空気流の温度との間の差に対応する、請求項6に記載の吸気加熱システム(12、104、112、122)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、ガスタービンシステム用の吸気加熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムは、典型的には、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、燃料源とを有する少なくとも1つのガスタービンエンジンを含む。特定のガスタービンシステムは、圧縮機に流入する空気の温度を上昇させるように構成された吸気加熱システムを有する。吸気加熱システムは、ガスタービンシステムの効率を高めるために、特定の動作条件(例えば、ガスタービンシステムのより低い動作ガス量)および/または周囲空気条件(例えば、より低い周囲空気温度)中に作動することができる。特定の吸気加熱システムは、低圧エコノマイザに由来する復水から周囲空気への熱の伝達を促進し、それによって周囲空気の温度を上昇させるように構成される。残念なことに、復水から周囲空気に熱を伝達すると、蒸気タービンシステムの蒸気タービンを最終的に駆動する流体内の熱/エネルギーが減少し、それによって蒸気タービンシステムの出力が減少する。
【発明の概要】
【0003】
出願時の特許請求の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求される主題の範囲を限定しようとするものではなく、むしろ、これらの実施形態は、特許請求される主題について可能な形態の概要を提示しようとするものにすぎない。実際、特許請求される主題は、以下に記載する実施形態に類似してもよく、あるいは異なってもよい様々な形態を包含することができる。
【0004】
本開示の一実施形態によれば、ガスタービンシステム用の吸気加熱システムは、ガスタービンシステムの圧縮機の上流に位置決めされるように構成された入口熱交換器を含む。吸気加熱システムはまた、入口熱交換器に流体結合された加熱ループを含む。加熱ループは、入口熱交換器に加熱流体を提供するように構成され、入口熱交換器は、加熱流体から、圧縮機に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。さらに、吸気加熱システムは、蒸気復水器と冷却塔との間に延びる流体経路から冷却塔流体を受け取るように構成された熱伝達アセンブリを含む。熱伝達アセンブリは、冷却塔流体から加熱流体への熱の伝達を促進するように構成される。
【0005】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付図面を参照して以下の発明を実施するための形態を読むとより良く理解され、添付図面では、図面全体にわたって、同様の文字は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一態様による、吸気加熱システムの一実施形態を有するガスタービンシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図2】本開示の一態様による、吸気加熱システムの別の実施形態を有する
図1のガスタービンシステムのブロック図である。
【
図3】本開示の一態様による、吸気加熱システムのさらなる実施形態を有する
図1のガスタービンシステムのブロック図である。
【
図4】本開示の一態様による、吸気加熱システムの別の実施形態を有する
図1のガスタービンシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようと努めているが、実際の実施態様の全ての特徴を本明細書中で記載しきれない場合がある。任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおけるように、任意のそのような実際の実装形態の開発では、実装形態ごとに異なる可能性があるシステム関連およびビジネス関連の制約条件の順守などの、開発者の具体的な目標を達成するために、実装形態に特有の決定を数多く行わなければならないことを理解されたい。さらに、そのような開発の努力が、複雑かつ時間を必要とするものであり得るが、それでもなお本開示の恩恵を被る当業者にとって設計、製作、および製造の日常的な取り組みにすぎないと考えられることを、理解すべきである。
【0008】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、その要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的なものであり、列挙された要素以外のさらなる要素が存在してよいことを意味することを意図している。動作パラメータおよび/または環境条件のいかなる例も、開示される実施形態の他のパラメータ/条件を排除するものではない。
【0009】
特定の実施形態では、ガスタービンシステム用の吸気加熱システムは、ガスタービンシステムの圧縮機の上流に位置決めされるように構成された入口熱交換器を含む。加えて、吸気加熱システムは、入口熱交換器に流体結合された加熱ループを含む。加熱ループは、入口熱交換器に加熱流体を提供するように構成され、入口熱交換器は、加熱流体から、圧縮機に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。吸気加熱システムはまた、蒸気復水器と冷却塔との間に延びる流体経路から冷却塔流体を受け取るように構成された熱伝達アセンブリ(例えば、熱交換器を含む熱伝達アセンブリ)を含む。熱伝達アセンブリは、冷却塔流体から加熱流体への熱の伝達を促進するように構成される。吸気加熱システムは、冷却塔流体からの熱を使用して圧縮機への空気流を加熱するので、蒸気タービンシステムからの熱のみを使用して圧縮機への空気流を加熱する吸気加熱システムを利用する場合と比較して、蒸気タービンの回転を駆動するための蒸気を生成するためにガスタービンシステムからの燃焼ガスを利用するように構成されている蒸気タービンシステム内の熱を増加させることができる。結果として、蒸気タービンに結合された負荷/発電機へのエネルギー伝達を増加させることができ、それによって蒸気タービンシステムの出力を増加させることができる。
【0010】
ここで図面を参照すると、
図1は、吸気加熱システム12を有するガスタービンシステム10の一実施形態のブロック図である。図示の実施形態では、ガスタービンシステム10は、ガスタービンエンジン14を含み、ガスタービンエンジン14は、圧縮機16、燃焼器18、およびタービン20を含む。図示のように、燃焼器18は、圧縮機16からの圧縮空気および燃料源からの燃料を受け取る。燃料源は、液体燃料、ならびに/または合成ガス、例えば、天然ガスおよび/もしくはガス化システム(例えば、石炭などの供給原料から合成ガスを生成するガス化装置)から生成されるガス状燃料を供給することができる。燃焼器18は、圧縮機16からの圧縮空気で燃料を点火して燃焼させ、それによって高温加圧燃焼ガス(例えば、排気)21を生成する。
【0011】
タービン20内のタービンブレードは、ガスタービンエンジン14のシャフト22に結合され、さらに、シャフト22は、ガスタービンシステム10全体のいくつかの他の構成要素に結合されてもよい。燃焼ガス21が、タービン20のタービンブレードに対しておよびそれらの間を流れるとき、タービンブレードが駆動されて回転し、これによりシャフト22を回転させる。最終的に、燃焼ガス21は、排気口を介してガスタービンエンジン14を出る。さらに、図示の実施形態では、シャフト22は、シャフト22の回転を介して動力供給される負荷24に結合されている。負荷24は、発電機または他の負荷など、ガスタービンエンジン14の回転出力を介して出力を生成する任意の適切な装置であってよい。
【0012】
ガスタービンエンジン14の圧縮機16は、圧縮機ブレードを含む。圧縮機16内の圧縮機ブレードは、シャフト22に結合され、上述のように、シャフト22がタービン20によって駆動されて回転するときに回転する。圧縮機ブレードが圧縮機16内で回転すると、圧縮機16は、吸気口から受け取った空気26を圧縮して加圧空気を生成する。次いで、加圧空気が燃焼器18に供給される。加圧空気および燃料は、燃焼器18に流入し、燃焼してタービン20の回転を駆動する。
【0013】
図示の実施形態では、燃焼ガス21は蒸気タービンシステム28に導かれる。蒸気タービンシステム28は、燃焼ガス21から水への熱の伝達を促進し、それによって蒸気タービンの回転を駆動するために使用される蒸気を生成するように構成される。蒸気タービンは、発電機などの負荷に結合されてもよく、蒸気タービンの回転エネルギーは、負荷に伝達されてもよい(例えば、電力の生成を促進するために)。図示の実施形態では、蒸気タービンシステム28は、低圧(LP)蒸発器30およびLPエコノマイザ32を含む。LP蒸発器30およびLPエコノマイザ32は、燃焼ガス21から給水への熱の伝達を促進するように構成される。
【0014】
図示のように、より低温の給水33がLPエコノマイザ32に流入し、LPエコノマイザ32は給水の温度を上昇させ、それによってより高温の給水34が生成される。次いで、より高温の給水34は、LPドラム36を介してLP蒸発器30に流入する。燃焼ガス21からの熱は、より高温の給水34に伝達され、それによってLP蒸気38を生成する。LP蒸気38は、LP蒸気タービンに流れ、LP蒸気タービンを駆動して回転させる。LP蒸気タービンは、発電機などの負荷に結合されてもよく、LP蒸気タービンの回転エネルギーは、負荷に伝達されてもよい(例えば、電力の生成を促進するために)。
【0015】
図示の実施形態では、LP蒸発器30は、燃焼ガス21の流れに対してLPエコノマイザ32の上流に位置決めされる。したがって、LP蒸発器30内の給水は、LPエコノマイザ32内の給水よりも高い燃焼ガス温度にさらされる可能性がある。図示の実施形態では、LP蒸発器30およびLPエコノマイザ32が燃焼ガス21の流路内にあるが、他の実施形態では、LPエコノマイザ32を省略することができ、および/または追加の熱交換器(例えば、高圧蒸発器、中圧蒸発器など)を燃焼ガス21の流路内に位置決めすることができる。
【0016】
図示の実施形態では、より低温の給水33は、蒸気復水器39によって提供される。したがって、より低温の給水33は、蒸気復水器39からの復水を含む。図示の実施形態では、ポンプ40は、より低温の給水/復水を駆動して蒸気復水器39からLPエコノマイザ32に流す。さらに、蒸気復水器39は、LPエコノマイザ32からより高温の給水34の流れを受け取る。図示のように、より高温の給水34の第1の部分は、LPエコノマイザ32からLPドラム36に流れ、より高温の給水34の第2の部分は、蒸気復水器39に流れる。蒸気復水器39はまた、LP蒸気タービン、LPドラム、中圧蒸気タービン、高圧蒸気タービン、他の適切な供給源、またはそれらの組み合わせなどの他の供給源から、蒸気および/またはより高温の水を受け取ることができる。蒸気復水器39は、受け取った蒸気を復水(例えば、水)に凝縮し、復水および/または受け取ったより高温の水の温度を低下させるように構成される。図示の実施形態では、蒸気復水器39は、受け取った蒸気/より高温の水から冷却塔流体(例えば、水)に熱を伝達するように構成された熱交換器42を含む。
【0017】
図示するように、第1の流体経路44は、蒸気復水器39と冷却塔(図示せず)との間で蒸気復水器39から離れる方向に延びている。加えて、冷却塔と蒸気復水器39との間で蒸気復水器39に向かう方向には、第2の流体経路46が延びている。冷却塔流体(例えば、水)48は、第2の流体経路46を通って冷却塔から蒸気復水器39に流れ、加熱された冷却塔流体48は、第1の流体経路44を通って蒸気復水器39から冷却塔に流れる。図示の実施形態では、第2の流体経路46に沿って配置されたポンプ50は、冷却塔流体48を駆動して冷却塔から蒸気復水器39に流す。
【0018】
蒸気復水器39内において、熱交換器42は、蒸気/より高温の水から冷却塔流体への熱の伝達を促進し、それによって蒸気を凝縮して復水にし、より高温の水の温度を低下させ、冷却塔流体48の温度を上昇させる。蒸気/より高温の水から熱を受け取った後、加熱された冷却塔流体48は、第1の流体経路44を介して冷却塔に流れる。冷却塔は、加熱された冷却塔流体48から環境への熱の伝達を促進し、それによって第2の流体経路46を通って蒸気復水器39に流れる冷却塔流体48を生成する。
【0019】
図示の実施形態では、ガスタービンシステム10は、圧縮機16に入る空気流の温度を上昇させるように構成された吸気加熱システム12を含む。吸気加熱システム12は、ガスタービンシステム10の効率を高めるために、特定の動作条件および/または周囲空気条件の間で作動/利用することができる。例えば、ガスタービンシステム10がより低い周囲空気温度においてより低いガス量で動作している間に、吸気加熱システム12を作動/利用して圧縮機16に入る空気流の温度を上昇させ、それによってガスタービンシステム10の動作効率を高めることができる。
【0020】
図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、周囲環境から圧縮機16への空気流路54に沿って圧縮機16の上流に位置決めされた入口熱交換器52を含む。入口熱交換器52は、周囲空気を受け取り、空気に熱を伝達し、それによって圧縮機16に入る加熱された空気流26を確立するように構成される。加えて、吸気加熱システム12は、入口熱交換器52に流体結合された加熱ループ56を含む。加熱ループ56は、入口熱交換器52に加熱流体58(例えば、水、水/プロピレングリコール溶液、水/エチレングリコール溶液など)を提供するように構成され、入口熱交換器52は、加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、蒸気復水器39から冷却塔に延びる第1の流体経路44から、加熱された冷却塔流体(例えば、水)48を受け取るように構成された熱伝達アセンブリ60(例えば、第1の熱伝達アセンブリ60)を含む。熱伝達アセンブリ60は、冷却塔流体48から加熱流体58への熱の伝達を促進するように構成される。
【0021】
図示の実施形態では、熱伝達アセンブリ60は、加熱された冷却塔流体48から加熱流体58への熱の伝達を促進するように構成された加熱ループ熱交換器62を含む。図示するように、加熱された冷却塔流体(例えば、水)48の第1の部分は、蒸気復水器39から第1の流体経路44を介して冷却塔に流れ、加熱された冷却塔流体(例えば、水)48の第2の部分は、蒸気復水器39から第1の流体経路44および第1の流体通路64を介して加熱ループ熱交換器62に流れる。加熱ループ熱交換器62内では、加熱された冷却塔流体48から加熱流体58に熱が伝達され、それによって加熱流体58の温度が上昇し、冷却塔流体48の温度が低下する。より低温の冷却塔流体48は、第2の流体通路66を介して第1の流体経路44に戻る。次いで、冷却塔流体48は、冷却塔流体48の第1の部分と混合し、冷却塔に流れる。
【0022】
加えて、加熱された加熱流体58は、加熱ループ熱交換器62から入口熱交換器52に流れ、そこで熱が加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流に伝達される。加熱流体58から空気流への熱の伝達は、加熱流体58の温度を低下させ、より低温の加熱流体58は加熱ループ熱交換器62に戻るように流れる。吸気加熱システム12は、冷却塔流体48からの熱を使用して圧縮機16への空気流を加熱するので、蒸気タービンシステム28からの熱(例えば、より高温の給水からの熱)のみを使用して圧縮機16への空気流を加熱する吸気加熱システムを利用する場合と比較して、蒸気タービンシステム28内の熱を増加させることができる。結果として、蒸気タービンに結合された負荷/発電機へのエネルギー伝達を増加させることができ、それによって蒸気タービンシステム28の出力を増加させることができる。
【0023】
図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、LPエコノマイザ32からより高温の給水35(例えば、復水)を受け取るように構成された第2の熱伝達アセンブリ68を含む。第2の熱伝達アセンブリ68は、より高温の給水35から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。例えば、特定の動作条件および/または環境条件では、第1の熱伝達アセンブリ60は、加熱流体58に十分な熱を提供できない可能性がある。したがって、第2の熱伝達アセンブリ68を利用して(例えば、第1の熱伝達アセンブリ60と連動して)、加熱流体58に十分な熱を提供して、圧縮機16への空気流26を効果的に加熱することができる。
【0024】
図示の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ68は、より高温の給水35(例えば、復水)から加熱流体58への熱の伝達を促進にするように構成された第2の加熱ループ熱交換器70を含む。図示のように、第2の加熱ループ熱交換器70は、LPエコノマイザ32から蒸気復水器39へのより高温の給水35の流路に沿って位置決めされる。図示の実施形態では、第1のLP流路72は、LPエコノマイザ32をLPドラム36に流体結合し、第2のLP流路74は、第1のLP流路72を第2の加熱ループ熱交換器70に流体結合する。これにより、より高温の給水35は、第2のLP流路74を第1のLP流路72から第2の加熱ループ熱交換器70へと流れる。さらに、第3のLP流路76が、第2の加熱ループ熱交換器70を蒸気復水器39に流体結合する。これにより、より高温の給水35は、第2の加熱ループ熱交換器70から蒸気復水器39へと流れる。第2の加熱ループ熱交換器70内で、熱はより高温の給水35から加熱流体58に伝達される。図示の実施形態では、吸気加熱システム12は第2の熱伝達アセンブリ68を含むが、他の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ68は省略されてもよい。さらに、特定の実施形態では、別の適切な供給源(例えば、高圧蒸発器のための給水、中圧蒸発器のための給水など)から熱を受け取ることができる別の適切な熱伝達アセンブリを利用して、加熱流体58を加熱することができる。
【0025】
図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、加熱ループ56に沿って配置された加熱ループポンプ78を含む。加熱ループポンプ78は、加熱ループ56の周りで加熱流体58を駆動するように構成され、それにより、第1の熱伝達アセンブリ60および/または第2の熱伝達アセンブリ68から入口熱交換器52への熱伝達を促進する。図示の実施形態では、吸気加熱システム12は単一の加熱ループポンプを含むが、他の実施形態では、吸気加熱システム12は、より多いまたはより少ない加熱ループポンプ(例えば、0、2、3、4、またはそれより多い)を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、加熱ループポンプ78は省略されてもよい。
【0026】
さらに、図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、第1の流体通路64に沿って配置された熱伝達アセンブリポンプ80を含む。熱伝達アセンブリポンプ80は、加熱された冷却塔流体48(例えば、水)を第1の熱伝達アセンブリ60を通して駆動し、それによって加熱された冷却塔流体48から加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。図示の実施形態では、吸気加熱システム12は単一の熱伝達アセンブリポンプを含むが、他の実施形態では、吸気加熱システムは、追加の加熱ループポンプ(例えば、追加の1、2、3、4、またはそれより多くのポンプ)を含んでもよい。さらに、図示の実施形態では、熱伝達アセンブリポンプ80は第1の流体通路64に沿って配置されているが、他の実施形態では、熱伝達アセンブリポンプ80は第2の流体通路66に沿って配置されてもよく、または1つもしくは複数の熱伝達アセンブリポンプが第1の流体通路64に沿っておよび/または第2の流体通路66に沿って配置されてもよい。
【0027】
図示の実施形態では、吸気加熱システム12は、第1の熱伝達アセンブリ60を通る加熱された冷却塔流体48の流量を制御するように構成された第1のバルブ82を含む。図示するように、第1のバルブ82は、第1の流体通路64に沿って配置されている。加えて、吸気加熱システム12は、第2の熱伝達アセンブリ68を通るより高温の給水35(例えば、復水)の流量を制御するように構成された第2のバルブ84を含む。図示の実施形態では、第2のバルブ84は、第2のLP流路74に沿って配置されている。さらに、吸気加熱システム12は、加熱ループ56を通る加熱流体58の流量を制御するように構成された第3のバルブ86を含む。図示するように、第3のバルブ86は、加熱ループ56に沿って配置されている。
【0028】
図示の実施形態では、第1のバルブ82は第1の流体通路64に沿って位置決めされているが、他の実施形態では、第1のバルブ82は、第2の流体通路66に沿ってなど、第1の熱伝達アセンブリ60を通る加熱された冷却塔流体48の流量の制御を促進するために、任意の他の適切な位置に位置決めされてもよい。さらに、図示の実施形態では、第2のバルブ84は第2のLP流路74に沿って配置されているが、他の実施形態では、第2のバルブ84は、第3のLP流路76に沿ってなど、第2の熱伝達アセンブリ68を通るより高温の給水35の流量の制御を促進するために、任意の他の適切な位置に位置決めされてもよい。
【0029】
図示の実施形態において、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86は、バルブの位置を制御するように構成されたコントローラ88に通信可能に結合される。特定の実施形態において、コントローラ88は、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86を制御するように構成された電気回路を有する電子コントローラである。図示の実施形態において、コントローラ88は、図示のマイクロプロセッサ90などのプロセッサ、およびメモリ装置92を含む。コントローラ88はまた、1つまたは複数の記憶装置および/または他の適切な構成要素を含んでもよい。
【0030】
プロセッサ90を使用して、ソフトウェア、例えば、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86などを制御するためのソフトウェアを実行することができる。さらに、プロセッサ90は、複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数の「汎用」マイクロプロセッサ、1つもしくは複数の専用マイクロプロセッサ、および/もしくは1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ90は、1つまたは複数の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含んでもよい。
【0031】
メモリ装置92は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/または読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ装置92は、種々の情報を記憶することができ、様々な目的のために使用することができる。例えば、メモリ装置92は、プロセッサ90による実行のためのプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェアまたはソフトウェア)、例えば、バルブを制御するための命令などを記憶することができる。記憶装置(例えば、不揮発性ストレージ)は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意の他の適切な光学、磁気、もしくはソリッドステート記憶媒体、またはこれらの組み合わせを含むことができる。記憶装置は、データ、命令(例えば、バルブを制御するためのソフトウェアまたはファームウェアなど)、および任意の他の適切なデータを記憶することができる。
【0032】
特定の実施形態では、コントローラ88は、圧縮機16に入る空気流26の目標温度を確立するために第1のバルブ82を制御するように構成される。図示の実施形態では、第1の温度センサ94は、圧縮機16への空気流路54に沿って位置決めされ、コントローラ88に通信可能に結合される。第1の温度センサ94は、入口熱交換器52の下流の空気流26(例えば、圧縮機16に入るもの)の温度を示す第1のセンサ信号を出力するように構成される。特定の実施形態では、コントローラ88は、第1のバルブ82の位置(例えば、開位置と閉位置との間)を制御して、第1の熱伝達アセンブリ60を通る加熱された冷却塔流体48の流量を制御し、それによって加熱流体58の温度を制御するように構成される。熱は、入口熱交換器52を介して加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流に伝達されるため、加熱流体58の温度を制御することにより、圧縮機16に入る空気流26の温度が制御される。したがって、コントローラ88は、第1のバルブ82の位置を制御して、圧縮機16に入る空気流26の温度を制御することができる。特定の動作条件では、コントローラ88が第1のバルブ82の位置を制御して圧縮機16に入る空気流26の温度を制御している間、第2のバルブ84は閉じてあってもよい。
【0033】
さらに、特定の実施形態では、コントローラは、第1のバルブ82の位置が第1の閾値持続時間を超えて閾値位置以上であると判定したことに応答して、第2のバルブ84の開放を可能にするように構成される。例えば、閾値位置は、他の適切な位置の中でも、50%開放、60%開放、70%開放、80%開放、90%開放、または95%開放とすることができる。さらに、第1の閾値持続時間は、他の適切な持続時間の中でも、15秒、30秒、45秒、60秒、75秒、または90秒とすることができる。第2のバルブ84の開放が可能となっている間、コントローラ88は、圧縮機16に入る空気流26の目標温度を確立するために第2のバルブ84を制御するように構成される。
【0034】
例えば、第1のバルブ82が全開位置に近づくにつれて、第1の熱伝達アセンブリ60における加熱された冷却塔流体48と加熱流体58との間の熱伝達が最大に近づく。第1の熱伝達アセンブリ60が最大の熱伝達を提供しており、周囲温度が低下する動作条件および/または環境条件では、加熱流体58は、圧縮機16に入る空気流26の目標温度を維持するのに十分な熱を入口熱交換器52に提供できない可能性がある。したがって、第1のバルブ82が全開位置に近づくと、コントローラ88は、第2のバルブ84の開放を可能にし、それにより、コントローラ88は、圧縮機16に入る空気流26の目標温度を確立するために第2のバルブ84を制御することが可能になる。第2のバルブ84が開放された状態で、より高温の給水35(例えば、復水)が第2の熱伝達アセンブリ68を通って流れ、それによって加熱流体58の温度を上昇させる。結果として、加熱流体58は、圧縮機16への空気流26の目標温度を実質的に維持するのに十分な熱を入口熱交換器52に提供することができる(例えば、第1のバルブ82が全開位置にある間)。
【0035】
さらに、特定の実施形態では、コントローラ88は、第1のバルブ82の位置が第2の閾値持続時間を超えて閾値位置未満であると判定したことに応答して、第2のバルブ84を閉じ、その開放ができなくなるように第2のバルブ84に指示するように構成される。第2の閾値持続時間は、他の適切な持続時間の中でも、15秒、30秒、45秒、60秒、75秒、または90秒とすることができる。
【0036】
第2のバルブ84は、第1のバルブ82が全開位置に近づいたことに応答してのみ開くことができるため、加熱された冷却塔流体(例えば、水)48から加熱流体58への熱伝達は、より高温の給水35(例えば、復水)から加熱流体58への熱伝達よりも優先される。したがって、加熱された冷却塔流体48によって提供される熱が、圧縮機16に入る空気流26を目標温度に維持するのに不十分またはほぼ不十分である場合にのみ、より高温の給水35から加熱流体58に熱が伝達される。結果として、蒸気タービンシステム28からの熱(例えば、より高温の給水からの熱)のみを使用して圧縮機16への空気流を加熱する吸気加熱システムを利用する場合と比較して、蒸気タービンシステム28内の熱損失を実質的に低減することができる。結果として、それぞれの蒸気タービンに結合された負荷/発電機へのエネルギー伝達を増加させることができ、それによって蒸気タービンシステム28の出力を増加させることができる。
【0037】
特定の実施形態では、コントローラ88は、第1の熱伝達アセンブリ60に流入する加熱された冷却塔流体(例えば、水)48と入口熱交換器52から流れる加熱流体58との間の温度差(例えば、第1の温度差)を決定するように構成される。図示の実施形態では、第2の温度センサ96は、第1の熱伝達アセンブリ60の上流で第1の流体通路64に沿って位置決めされ、第3の温度センサ98は、入口熱交換器52の下流(例えばすぐ下流)で加熱ループ56に沿って位置決めされる。図示のように、第2および第3の温度センサ96、98は、コントローラ88に通信可能に結合される。
【0038】
第2の温度センサ96は、第1の熱伝達アセンブリ60に流入する加熱された冷却塔流体48の温度を示す第2のセンサ信号を出力するように構成され、第3の温度センサ98は、入口熱交換器52から流れる加熱流体58の温度を示す第3のセンサ信号を出力するように構成される。コントローラ88は、第2および第3のセンサ信号に基づいて、第1の熱伝達アセンブリ60に流入する加熱された冷却塔流体(例えば、水)48と入口熱交換器52から流れる加熱流体58との間の温度差を決定するように構成される。
【0039】
特定の実施形態では、コントローラ88は、第2のバルブ84の開放が可能になっている間、かつ第1の熱伝達アセンブリ60に流入する加熱された冷却塔流体(例えば、水)48と入口熱交換器52から流れる加熱流体58との間の温度差が第3の閾値持続時間を超えて閾値温度差以下であると判定したことに応答して、第1のバルブ82に閉じるように指示するように構成される。例えば、閾値温度差は、他の適切な温度差の中でも、華氏0.25度、華氏0.5度、華氏0.75度、または華氏1.0度とすることができる。さらに、第3の閾値持続時間は、他の適切な持続時間の中でも、15秒、30秒、45秒、60秒、75秒、または90秒とすることができる。コントローラ88は、上に開示された条件の間において第1の熱伝達アセンブリ60が加熱流体58に実質的に重要ではない量の熱を提供しているので、このような条件下では閉じるように第1のバルブ82に指示するように構成される。バルブの制御は、上に開示された実施形態では第1、第2、および第3の閾値持続時間に基づいているが、他の実施形態では、少なくとも1つのバルブ制御動作は、検出された状態/パラメータ/値に応答して実質的に瞬時に実行されてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、コントローラ88は、入口熱交換器52に流入する加熱流体58の温度と入口熱交換器52から流出する加熱流体58の温度との間の第2の温度差を決定するように構成される。図示の実施形態では、第4の温度センサ100が、加熱ループ56に沿って入口熱交換器52の上流(例えば、すぐ上流)に位置決めされる。図示のように、第4の温度センサ100は、コントローラ88に通信可能に結合される。加えて、第4の温度センサ100は、入口熱交換器52に流入する加熱流体58の温度を示す第4のセンサ信号を出力するように構成される。コントローラ88は、第3の温度センサ98からの第3のセンサ信号および第4の温度センサ100からの第4のセンサ信号に基づいて、入口熱交換器52に流入する加熱流体58と入口熱交換器52から流れる加熱流体58との間の第2の温度差を決定するように構成される。
【0041】
さらに、特定の実施形態では、コントローラ88は、圧縮機16に入る空気流26の目標温度と入口熱交換器52に入る空気流の温度との間の第3の温度差を決定するように構成される。図示の実施形態では、第5の温度センサ102は、周囲環境から圧縮機16への空気流路54に沿って入口熱交換器52の上流に位置決めされる。図示のように、第5の温度センサ102は、コントローラ88に通信可能に結合される。加えて、第5の温度センサ102は、入口熱交換器52に入る空気流の温度を示す第5のセンサ信号を出力するように構成される。コントローラ88は、第5のセンサ信号および圧縮機16に入る空気流26の目標温度に基づいて、圧縮機16に入る空気流26の目標温度と入口熱交換器52に入る空気流の温度との間の第3の温度差を決定するように構成される。目標温度は、コントローラ88によって決定されてもよく、遠隔電子装置から受信されてもよく、ユーザインターフェースから受信されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0042】
特定の実施形態では、コントローラ88は、第2の温度差が第1の調整係数を乗じた第3の温度差未満であり、かつ第2の調整係数を乗じた第3の温度差以上であるように、第3のバルブ86を制御するように構成される。第1の調整係数は第2の調整係数よりも大きい。例えば、第1の調整係数は1.0とすることができ、第2の調整係数は0.9とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、第1の調整係数は1.0より大きくても小さくてもよく(しかし、依然として第2の調整係数よりは大きい)、および/または第2の調整係数は0.9より大きくても小さくてもよい(しかし、依然として第1の調整係数よりは小さい)。上に開示された方式で第3のバルブ86を制御することにより、入口熱交換器52を通る空気流および入口熱交換器52を通る加熱流体の流れに実質的に等しい熱容量率(例えば、質量流量と比熱との積)が確立され、それによって吸気加熱システム12の効率が向上する。
【0043】
図示の実施形態では、吸気加熱システム12は3つの制御されたバルブを含むが、他の実施形態では、吸気加熱システム12は、それぞれの流体の流れを制御するように構成されたより多いまたはより少ない制御されたバルブを含むことができる。さらに、図示の実施形態では、LPエコノマイザ32からのより高温の給水35(例えば、加熱された流体)が第2の熱伝達アセンブリ68に提供されるが、他の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ68は、他の適切な供給源または供給源の組み合わせの中でも、LPドラム36、中圧エコノマイザ、中圧ドラム、または中圧蒸発器などの別の適切な供給源である蒸気タービンシステム28から加熱流体を受け取ることができる。加えて、図示の実施形態では、第1の熱伝達アセンブリ60は、冷却塔流体(例えば、水)48から加熱流体に熱を伝達するが、他の実施形態では、第1の熱伝達アセンブリ60は、他の適切な供給源または供給源の組み合わせの中でも、発電機冷却流体または油冷却システムからの流体などの他の適切な供給源から加熱流体58に(例えば、単独で、または冷却塔流体と組み合わせて)熱を伝達するように構成されてもよい。
【0044】
図2は、吸気加熱システム104の別の実施形態を有する
図1のガスタービンシステム10のブロック図である。図示の実施形態では、吸気加熱システム104は、周囲環境から圧縮機16への空気流路54に沿って圧縮機16の上流に位置決めされた入口熱交換器52を含む。前述したように、入口熱交換器52は、周囲空気を受け取り、その空気に熱を伝達し、それによって圧縮機16に入る加熱された空気流26を確立するように構成される。加えて、吸気加熱システム104は、入口熱交換器52に流体結合された加熱ループ56を含む。加熱ループ56は、入口熱交換器52に加熱流体58を提供するように構成され、入口熱交換器52は、加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。さらに、吸気加熱システム104は、加熱ループ熱交換器62を有する第1の熱伝達アセンブリ60を含む。前述したように、加熱された冷却塔流体(例えば、水)48の一部は、蒸気復水器39から第1の流体通路64を介して加熱ループ熱交換器62に流れる。加熱ループ熱交換器62内では、加熱された冷却塔流体48から加熱流体58に熱が伝達され、それによって加熱流体58の温度が上昇し、冷却塔流体48の温度が低下する。
【0045】
図示の実施形態では、吸気加熱システム104は、LPエコノマイザ32からより高温の給水35(例えば、復水)を受け取るように構成された第2の熱伝達アセンブリ106を含む。第2の熱伝達アセンブリ106は、より高温の給水35から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。例えば、特定の動作条件および/または環境条件では、第1の熱伝達アセンブリ60は、加熱流体58に十分な熱を提供できない可能性がある。したがって、第2の熱伝達アセンブリ106を利用して(例えば、第1の熱伝達アセンブリ60と連動して)、加熱流体に十分な熱を提供して、圧縮機16への空気流を効果的に加熱することができる。
【0046】
図示の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ106は、流体入口通路108および流体出口通路110を含む。図示のように、流体入口通路108および流体出口通路110は、加熱ループ56に流体結合される。加えて、流体入口通路108は第2のLP流路74に流体結合され、流体出口通路110は第3のLP流路76に流体結合される。したがって、第2のLP流路74および流体入口通路108は、より高温の給水35(例えば、復水)をLPエコノマイザ32から加熱ループ56内の加熱流体58に移送するように構成される。加えて、流体出口通路110および第3のLP流路76は、加熱流体58からより高温の給水35(例えば、より高温の給水35と加熱流体58との組み合わせ)を受け取り、流体を蒸気復水器39に移送するように構成される。第2の熱伝達アセンブリ106内で、より高温の給水35は加熱流体58と混合し、それによってより高温の給水35から加熱流体58に熱を伝達する。その結果、加熱ループ内の加熱流体58の温度が上昇する。
【0047】
入口熱交換器52は、加熱ループ56に沿って流体入口通路108の下流側かつ流体出口通路110の上流側に位置決めされているため、より高温の加熱流体58は、流体出口通路110を出て蒸気復水器に向かって流れる前に、入口熱交換器52を通って流れる。図示の実施形態では、流体出口通路110は、第1の熱伝達アセンブリ60の下流に位置決めされているが、他の実施形態では、流体出口通路は、第1の熱伝達アセンブリ60の上流かつ入口熱交換器52の下流に位置決めされてもよい。より高温の給水35は加熱ループ56内で加熱流体58と混合するため、給水および加熱流体の両方として水を使用することができる。したがって、図示の第2の熱伝達アセンブリ106は、より暖かい環境(例えば、凍結の可能性が低い環境)で動作するガスタービンシステム内で使用することができる。
【0048】
図示の実施形態では、第2のバルブ84は、第2の熱伝達アセンブリ106を通るより高温の給水35(例えば、復水)の流量を制御するように構成される。加えて、前述したように、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86は、コントローラ88に通信可能に結合されている。コントローラ88は、
図1を参照して上に開示された方式でバルブを制御することができる。
【0049】
図3は、吸気加熱システム112のさらなる実施形態を有する
図1のガスタービンシステム10のブロック図である。図示の実施形態では、蒸気復水器39は、図示の実施形態では水である冷却塔流体48を、受け取った蒸気/より高温の水と混合し、それによってより低温の給水33を生成するように構成された直接接触システム114を含む。受け取った蒸気/より高温の水は、より低温の冷却塔水と混合されるため、より低温の給水33の温度は、受け取った蒸気/高温水の温度よりも低い。特定の実施形態では、直接接触システム114は、受け取った蒸気/より高温の水に冷却塔水を噴霧し、それによってより低温の給水33を生成する。前述したように、ポンプ40は、より低温の給水を駆動して蒸気復水器39からLPエコノマイザ32へと流す。受け取った蒸気/より高温の水が冷却塔水と混合するため、冷却塔は、蒸気タービンシステム28内で使用される水の純度を実質的に維持するために、実質的に密閉された熱交換器を含む。例えば、冷却塔は、冷却塔水から周囲空気への熱の伝達を促進する熱交換器を含むことができる。
【0050】
図示の実施形態では、第1の流体経路44に沿って配置されたポンプ50は、冷却塔水を駆動して蒸気復水器39から冷却塔へと流す。冷却塔内では、冷却塔水の温度が低下する。次いで、より低温の冷却塔水は、第2の流体経路46を介して蒸気復水器39に戻るように流れる。図示の実施形態では、ポンプは第1の流体経路44に沿って配置されているが、他の実施形態では、ポンプは第2の流体経路に沿って(例えば、単独で、または第1の流体経路に沿って配置されたポンプ50と組み合わせて)配置されてもよいし、ポンプ50が省略されてもよい。
【0051】
さらに、図示の実施形態では、吸気加熱システム112は、周囲環境から圧縮機16への空気流路54に沿って圧縮機16の上流に位置決めされた入口熱交換器52を含む。前述したように、入口熱交換器52は、周囲空気を受け取り、その空気に熱を伝達し、それによって圧縮機16に入る加熱された空気流26を確立するように構成される。加えて、吸気加熱システム112は、入口熱交換器52に流体結合された加熱ループ56を含む。加熱ループ56は、入口熱交換器52に加熱流体58を提供するように構成され、入口熱交換器52は、加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。
【0052】
図示の実施形態では、吸気加熱システム112は、蒸気復水器39から加熱された冷却塔水を受け取るように構成された第1の熱伝達アセンブリ116を含む。第1の熱伝達アセンブリ116は、加熱された冷却塔水48から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。図示の実施形態では、第1の熱伝達アセンブリ116は、流体入口通路118および流体出口通路120を含む。図示のように、流体入口通路118および流体出口通路120は、加熱ループ56に流体結合される。加えて、流体入口通路118は第1の流体通路64に流体結合され、流体出口通路120は第2の流体通路66に流体結合される。したがって、第1の流体通路64および流体入口通路118は、第1の流体経路44から加熱ループ56内の加熱流体58に、加熱された冷却塔水を移送するように構成される。加えて、流体出口通路120および第2の流体通路66は、加熱流体58(例えば、冷却塔水と加熱流体58との組み合わせ)から冷却塔水を受け取り、第1の流体経路44にその流体を移送するように構成され、第1の流体経路44がその流体を冷却塔に導く。
【0053】
第1の熱伝達アセンブリ116内で、より高温の冷却塔水は加熱流体58と混合し、それによってより高温の冷却塔水から加熱流体58に熱を伝達する。その結果、加熱ループ内の加熱流体58の温度が上昇する。入口熱交換器52は、加熱ループ56に沿って流体入口通路118の下流側かつ流体出口通路120の上流側に位置決めされているため、より高温の加熱流体58は、流体出口通路120を出て第1の流体経路44に向かって流れる前に、入口熱交換器52を通って流れる。加熱された冷却塔水は加熱ループ56内で加熱流体58と混合するため、冷却塔流体および加熱流体の両方として水を使用することができる。したがって、図示の第1の熱伝達アセンブリ116は、より暖かい環境(例えば、凍結の可能性が低い環境)で動作するガスタービンシステム内で使用することができる。
【0054】
さらに、図示の実施形態では、吸気加熱システム112は、LPエコノマイザ32からより高温の給水35(例えば、復水)を受け取るように構成された第2の熱伝達アセンブリ106を含む。前述したように、第2の熱伝達アセンブリ106は、より高温の給水35から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。例えば、特定の動作条件および/または環境条件では、第1の熱伝達アセンブリ116は、加熱流体58に十分な熱を提供できない可能性がある。したがって、第2の熱伝達アセンブリ106を利用して(例えば、第1の熱伝達アセンブリ116と連動して)、加熱流体に十分な熱を提供して、圧縮機16への空気流を効果的に加熱することができる。
【0055】
図示の実施形態では、より高温の給水35は、第2の熱伝達アセンブリ106内で加熱流体58と混合し、それによってより高温の給水35から加熱流体58に熱を伝達する。その結果、加熱ループ内の加熱流体58の温度が上昇する。図示の実施形態では、より高温の給水35は、第2の熱伝達アセンブリ106内で加熱流体58と混合するが、他の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ106は、流体を混合することなく、より高温の給水から加熱流体58への熱の伝達を促進するように構成された、
図1を参照して上で開示されたような第2の加熱ループ熱交換器を含んでもよい。
【0056】
図示の実施形態では、第1のバルブ82は、第1の熱伝達アセンブリ116を通る冷却塔水の流量を制御するように構成される。加えて、前述したように、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86は、コントローラ88に通信可能に結合されている。コントローラ88は、
図1を参照して上に開示された方式でバルブを制御することができる。
【0057】
図4は、吸気加熱システム122の別の実施形態を有する
図1のガスタービンシステム10のブロック図である。図示の実施形態では、
図3を参照して前述したように、蒸気復水器39は、図示の実施形態では水である冷却塔流体48を、受け取った蒸気/より高温の水と混合し、それによってより低温の給水33を生成するように構成された直接接触システム114を含む。
【0058】
さらに、図示の実施形態では、吸気加熱システム122は、周囲環境から圧縮機16への空気流路54に沿って圧縮機16の上流に位置決めされた入口熱交換器52を含む。前述したように、入口熱交換器52は、周囲空気を受け取り、その空気に熱を伝達し、それによって圧縮機16に入る加熱された空気流26を確立するように構成される。加えて、吸気加熱システム122は、入口熱交換器52に流体結合された加熱ループ56を含む。加熱ループ56は、入口熱交換器52に加熱流体58を提供するように構成され、入口熱交換器52は、加熱流体58から、圧縮機16に入る空気流への熱の伝達を促進するように構成される。
【0059】
図示の実施形態では、吸気加熱システム122は、蒸気復水器39から加熱された冷却塔水を受け取るように構成された第1の熱伝達アセンブリ124を含む。第1の熱伝達アセンブリ124は、加熱された冷却塔水から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。図示の実施形態では、第1の熱伝達アセンブリ124は、流体入口通路126および流体出口通路128を含む。図示のように、流体入口通路126および流体出口通路128は、加熱ループ56に流体結合される。加えて、流体入口通路126は第1の流体通路64に流体結合され、流体出口通路128は第2の流体通路66に流体結合される。
【0060】
図示の実施形態では、加熱ループ56は、入口130および出口132を有する。加熱ループ56の入口130は、第1の熱伝達アセンブリ124の流体入口通路126に流体的に結合され、加熱ループ56の出口132は、流体出口通路128に流体的に結合される。したがって、第1の流体通路64および流体入口通路126は、加熱ループ入口130を介して、第1の流体経路44から加熱ループ56に、加熱された冷却塔水を移送するように構成される。冷却塔水は、入口130から出口132まで加熱ループ56を通って流れる。したがって、加熱流体58および冷却塔水は同じ流体である。しかしながら、流体が加熱ループ内にある間、流体は加熱流体と呼ばれる。したがって、第1の流体通路64および流体入口通路126は、第1の流体経路44からの加熱された冷却塔水を加熱ループ56内の加熱流体58に移送するように構成され、それによって加熱された冷却塔水から加熱流体58への熱伝達を促進する。加えて、流体出口通路128および第2の流体通路66は、加熱ループ56の出口132において加熱流体58から冷却塔水を受け取り、第1の流体経路44に冷却塔水を移送するように構成され、第1の流体経路44が冷却塔水を冷却塔に導く。
【0061】
第1の熱伝達アセンブリ124において、より高温の冷却塔水は、加熱流体58として加熱ループ56に流入する。入口熱交換器52は、加熱ループ56に沿って流体入口通路126の下流側かつ流体出口通路128の上流側に位置決めされているため、加熱流体58は、流体出口通路128を出て第1の流体経路44に向かって流れる前に、入口熱交換器52を通って流れる。冷却塔水および加熱流体は、図示の実施形態では同じ流体であるため、冷却塔流体および加熱流体の両方として水を使用することができる。したがって、図示の第1の熱伝達アセンブリ124は、より暖かい環境(例えば、凍結の可能性が低い環境)で動作するガスタービンシステム内で使用することができる。
【0062】
さらに、図示の実施形態では、吸気加熱システム122は、LPエコノマイザ32からより高温の給水35(例えば、復水)を受け取るように構成された第2の熱伝達アセンブリ106を含む。前述したように、第2の熱伝達アセンブリ106は、より高温の給水35から加熱ループ56内の加熱流体58への熱伝達を促進するように構成される。例えば、特定の動作条件および/または環境条件では、第1の熱伝達アセンブリ124は、加熱流体58に十分な熱を提供できない可能性がある。したがって、第2の熱伝達アセンブリ106を利用して(例えば、第1の熱伝達アセンブリ124と連動して)、加熱流体58に十分な熱を提供して、圧縮機16への空気流を効果的に加熱することができる。
【0063】
図示の実施形態では、より高温の給水35は、第2の熱伝達アセンブリ106内で加熱流体58と混合し、それによってより高温の給水35から加熱流体58に熱を伝達する。その結果、加熱ループ56内の加熱流体58の温度が上昇する。図示の実施形態では、より高温の給水35は、第2の熱伝達アセンブリ106内で加熱流体58と混合するが、他の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ106は、流体を混合することなく、より高温の給水から加熱流体58への熱の伝達を促進するように構成された、
図1を参照して上で開示されたような第2の加熱ループ熱交換器を含んでもよい。
【0064】
図示の実施形態では、第1のバルブ82は、第1の熱伝達アセンブリ124を通る冷却塔水の流量を制御するように構成される。加えて、前述したように、第1のバルブ82、第2のバルブ84、および第3のバルブ86は、コントローラ88に通信可能に結合されている。コントローラ88は、
図1を参照して上に開示された方式でバルブを制御することができる。
【0065】
冷却塔水は、入口130から出口132まで加熱ループ56を通って流れるので、熱伝達アセンブリポンプ80は、加熱ループ56を通る流体の十分な流れを確立することができる。結果として、特定の実施形態では、加熱ループポンプ(例えば、
図3に示す78)は省略されてもよい。さらに、
図2~
図4を参照して上に開示された実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ106は、より高温の給水35を加熱流体58と混合するように構成されているが、他の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリ106は、より高温の給水35を加熱流体58として加熱ループに移送することができる。第2の熱伝達アセンブリ106はまた、加熱ループ56から加熱流体58を受け取り、流体を給水として蒸気復水器39に向けて導くことができる。
【0066】
加えて、
図1~
図4を参照して上に開示された実施形態では、各吸気加熱システムは第2の熱伝達アセンブリを含むが、特定の実施形態では、第2の熱伝達アセンブリは省略されてもよい。さらに、
図1の実施形態を参照して開示された吸気加熱システムを含むガスタービンシステム内の任意の変形例は、
図2~
図4の実施形態を参照して上に開示されたガスタービンシステムに適用することができる。
【0067】
図1~
図4を参照して開示された吸気加熱システムの実施形態の各々は、単一の入口熱交換器を含むが、他の実施形態では、吸気加熱システムは、複数の入口熱交換器(例えば、圧縮機への空気流路に沿って位置決めされる)を含むことができる。例えば、第1の入口熱交換器が第1の加熱ループに流体結合されてもよく、第1の熱伝達アセンブリ(例えば、上に開示された実施形態のいずれかの第1の熱伝達アセンブリ)は、第1の加熱ループに沿って配置されてもよい。加えて、第2の入口熱交換器が第2の加熱ループに流体結合されてもよく、第2の熱伝達アセンブリ(例えば、上に開示された実施形態のいずれかの第2の熱伝達アセンブリ)は、第2の加熱ループに沿って配置されてもよい。
【0068】
さらに、特定の実施形態では、吸気加熱システムは、2つの独立したコイルを有する単一の入口熱交換器を含むことができる。例えば、第1のコイルが第1の加熱ループに流体結合されてもよく、第1の熱伝達アセンブリ(例えば、上に開示された実施形態のいずれかの第1の熱伝達アセンブリ)は、第1の加熱ループに沿って配置されてもよい。加えて、第2のコイルが第2の加熱ループに流体結合されてもよく、第2の熱伝達アセンブリ(例えば、上に開示された実施形態のいずれかの第2の熱伝達アセンブリ)は、第2の加熱ループに沿って配置されてもよい。
【0069】
さらに、特定の実施形態では、第3のLP流路は、第2の熱伝達アセンブリを第1のLP流路に流体結合することができる。このような実施形態では、第2の熱伝達アセンブリから第1のLP流路に給水を駆動するために、ポンプを第3のLP流路に沿って配置することができる。したがって、より高温の給水は、第1のLP流路から第2のLP流路を介して第2の熱伝達アセンブリに流れ、その後、給水は、第2の熱伝達アセンブリから第3のLP流路を介して第1のLP流路に戻るように流れることができる(例えば、第1のLP流路と第2のLP流路との交差部の下流の位置において)。
【0070】
本明細書は、例を使用して本主題を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの作製および使用ならびにあらゆる統合された方法の実行を含む本開示の主題の実施を当業者にとって可能にする。本主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者であれば想到する他の例も含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【0071】
本明細書に提示され特許請求された技法は、参照され、本技術分野を明らかに改善する、実際的な性質の有形物および具体例に適用され、したがって、抽象的、無形的、または純粋に理論的なものではない。さらに、本明細書の終わりに添付された任意の請求項が「[機能]を[実行]するための手段」または「[機能]を[実行]するためのステップ」として指定された1つまたは複数の要素を含む場合、そのような要素は米国特許法112条(f)の下で解釈されるべきことを意図している。しかしながら、任意の他の方式で指定された要素を含む任意の請求項の場合、そのような要素は米国特許法112条(f)の下で解釈されるべきでないことを意図している。
【符号の説明】
【0072】
10 ガスタービンシステム
12 吸気加熱システム
14 ガスタービンエンジン
16 圧縮機
18 燃焼器
20 タービン
21 燃焼ガス
22 シャフト
24 負荷
26 空気、空気流
28 蒸気タービンシステム
30 低圧蒸発器、LP蒸発器
32 LPエコノマイザ
33 より低温の給水
34 より高温の給水
35 より高温の給水
36 LPドラム
38 LP蒸気
39 蒸気復水器
40 ポンプ
42 熱交換器
44 第1の流体経路
46 第2の流体経路
48 冷却塔流体、冷却塔水
50 ポンプ
52 入口熱交換器
54 空気流路
56 加熱ループ
58 加熱流体
60 第1の熱伝達アセンブリ
62 加熱ループ熱交換器
64 第1の流体通路
66 第2の流体通路
68 第2の熱伝達アセンブリ
70 第2の加熱ループ熱交換器
72 第1のLP流路
74 第2のLP流路
76 第3のLP流路
78 加熱ループポンプ
80 熱伝達アセンブリポンプ
82 第1のバルブ
84 第2のバルブ
86 第3のバルブ
88 コントローラ
90 マイクロプロセッサ、プロセッサ
92 メモリ装置
94 第1の温度センサ
96 第2の温度センサ
98 第3の温度センサ
100 第4の温度センサ
102 第5の温度センサ
104 吸気加熱システム
106 第2の熱伝達アセンブリ
108 流体入口通路
110 流体出口通路
112 吸気加熱システム
114 直接接触システム
116 第1の熱伝達アセンブリ
118 流体入口通路
120 流体出口通路
122 吸気加熱システム
124 第1の熱伝達アセンブリ
126 流体入口通路
128 流体出口通路
130 入口、加熱ループ入口
132 出口
【外国語明細書】