(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091138
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】使い捨て/単回使用のための蛍光トナーを有する印刷された日光曝露センサ
(51)【国際特許分類】
G01J 1/50 20060101AFI20220613BHJP
G03G 9/08 20060101ALI20220613BHJP
G03G 9/087 20060101ALI20220613BHJP
G03G 9/093 20060101ALI20220613BHJP
G01N 17/00 20060101ALI20220613BHJP
G03G 9/09 20060101ALI20220613BHJP
G03G 7/00 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
G01J1/50
G03G9/08 391
G03G9/087 331
G03G9/093
G01N17/00
G03G9/09
G03G7/00 M
G03G7/00 101M
G03G7/00 A
G03G7/00 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196952
(22)【出願日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】17/114,669
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ユイ・チー
(72)【発明者】
【氏名】エリウド・ロブレス・フローレス
(72)【発明者】
【氏名】ジュディス・ミルナー・ヴァンデウィンケル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ビームス
【テーマコード(参考)】
2G050
2G065
2H500
【Fターム(参考)】
2G050AA07
2G050BA09
2G050EA03
2G050EB07
2G050EC06
2G065AA04
2G065AB05
2G065BA26
2G065DA20
2H500AA01
2H500AA06
2H500AA14
2H500CA06
2H500CA29
2H500EA22A
2H500EA39B
2H500EA44B
2H500EA60A
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調製が容易で、単純、及び安価である日光曝露センサの提供。
【解決手段】上面及び下面を有する基材と、基材の上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、基材の上面上に配置された日光曝露スケールであって、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、基材の下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える、使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサ。電子写真式トナー印刷を使用してセンサを調製するためのプロセス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサであって、
上面及び下面を有する基材と、
前記基材の前記上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、前記蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、
前記基材の前記上面上に配置された日光曝露スケールであって、前記蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、
前記基材の前記上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、
前記基材の前記下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える、日光曝露センサ。
【請求項2】
前記基材が、紙、プラスチック、ポリマーフィルム、厚紙、板紙、折り畳んだ板紙、クラフト紙、布地、ガラス、ガラスプレート、木材、金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項3】
前記基材、前記基材が、白色である、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項4】
前記日光曝露感知部分の蛍光トナー画像が、400nm~700nmの反射率のスペクトルをカバーする蛍光トナーで印刷されている、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項5】
前記日光曝露感知部分の蛍光トナー画像が、黄色蛍光トナー、マゼンタ色蛍光トナー、オレンジ色蛍光トナー、ピンク色蛍光トナー、緑色蛍光、赤色蛍光トナー、青色蛍光トナー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される蛍光トナーで印刷されている、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項6】
前記日光曝露感知部分が、蛍光黄色トナーで印刷され、前記蛍光黄色トナーが、
第1のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、第2のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、及び結晶性ポリエステルを含むコアであって、前記第1の非結晶性ポリエステル及び前記第2の非結晶性ポリエステルが異なる、コアと、
前記コアの上に配置されたシェルであって、少なくとも1つの非結晶性ポリエステルを含む、シェルと、を含み、
前記トナーが、90超のL*値、約-40未満~約-20のa*値、及び75超のb*値を有する印刷画像を提供する、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項7】
前記日光曝露スケールが、非蛍光トナーで印刷されている、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項8】
前記任意選択のコーティング層が存在し、耐水性オーバーコート層を含む、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項9】
前記任意選択のコーティング層が存在し、耐擦過性オーバーコート層を含む、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項10】
前記バッキング層が存在し、前記バッキング層が、フックアンドループ層、接着層、ゲルパッド、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項11】
前記基材が、ウェアラブルデバイスを含む、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項12】
前記基材が、リストバンド、アームバンド、足首バンド、帽子、シャツ、1着のズボン、1着のショートパンツ、靴、スニーカー、パッチ、スカーフ、一対の手袋、物体の表面上のステッカー、ゴルフクラブの表面上のステッカー、眼鏡若しくはサングラス、又は携帯電話ケースである、請求項1に記載の日光曝露センサ。
【請求項13】
使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサであって、
上面及び下面を有する第1の基材と、
前記第1の基材の前記上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、前記蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、
上面及び下面を有する第2の基材と、
前記第2の基材の前記上面上に配置された日光曝露スケールであって、前記蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、
前記第1の基材の前記上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、
前記第2の基材の前記上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、
前記第1の基材の前記下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、
前記第2の基材の前記下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える、日光曝露センサ。
【請求項14】
日光曝露センサを調製するためのプロセスであって、
上面及び下面を有する基材を提供することと、
前記基材の前記上面上に日光曝露感知部分を配置することであって、前記日光曝露感知部分が、蛍光トナー画像を含み、前記蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、配置することと、
前記基材の前記上面上に日光曝露スケールを配置することであって、前記日光曝露スケールが、前記蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、配置することと、
任意選択的に、前記基材の前記上面の全体又は一部の上にコーティング層を配置することと、
任意選択的に、前記基材の前記下面の全体又は一部の上に配置されるバッキング層を配置することと、を含む、プロセス。
【請求項15】
配置することが、電子写真式プリンタを使用して、前記蛍光トナー画像、前記日光曝露評価画像、前記任意選択のコーティング層、及び前記任意選択のバッキング層のうちの1つ以上を印刷することを含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
配置することが、インラインプロセスで電子写真式プリンタを使用して、前記蛍光トナー画像、前記日光曝露評価画像、前記任意選択のコーティング層、及び前記任意選択のバッキング層のうちの1つ以上を印刷することを含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
前記日光曝露感知部分の蛍光トナー画像が、400nm~700nmから選択される反射率のスペクトルをカバーする蛍光トナーで印刷される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項18】
前記日光曝露感知部分の蛍光トナー画像が、黄色蛍光トナー、マゼンタ色蛍光トナー、オレンジ色蛍光トナー、ピンク色蛍光トナー、緑色蛍光、赤色蛍光トナー、青色蛍光トナー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される蛍光トナーで印刷される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
前記基材が、紙、プラスチック、ポリマーフィルム、厚紙、板紙、折り畳んだ板紙、クラフト紙、ガラス、ガラスプレート、木材、金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項20】
前記基材が、白色である、請求項14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書には、上面及び下面を有する基材と、基材の上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、基材の上面上に配置された日光曝露スケールであって、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、基材の下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサが開示される。
【0002】
また、日光曝露センサを調製するためのプロセスであって、上面及び下面を有する基材を提供することと、基材の上面上に日光曝露感知部分を配置することであって、日光曝露感知部分が、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、配置することと、基材の上面上に日光曝露スケールを配置することであって、日光曝露スケールが、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、配置することと、任意選択的に、基材の上面の全体又は一部の上にコーティング層を配置することと、任意選択的に、基材の下面の全体又は一部の上に配置されたバッキング層を配置することと、を含む、プロセスが開示される。
【0003】
ほとんどの現在利用可能な紫外線(ultra-violet、UV)放射センサは、スマートフォン又はウェアラブルスマート技術などの、操作するためのハイテクで複雑なデバイスを必要とする。最近では、単回使用の使い捨て日焼け止めセンサが市場に投入されている。ACS(American Chemical Society)に報告されている1つのこのような日光曝露センサは、二酸化チタン及び食品染料を紙にインクジェット印刷することによって作成されている。十分なUV放射がセンサに当たると、二酸化チタンが染料を変色させ、大量の日光曝露を人々に知らせ、太陽を避けるか、又はもっと日焼け止めを塗るように警告する。Khiabani,et al.,「Paper-Based Sensor For Monitoring Sun Exposure」ACS Sens.,2016,1,775-780(その全体は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在利用可能な日光曝露センサは、それらの意図された目的に好適であり得るが、特に屋外で作業する人々による使用、又は屋外で時間を過ごして楽しむ人々のための消費者用/安全用製品としての使用のために、改善された日光曝露センサが必要とされている。更に、調製が単純であり、使いやすく、安価である、改善された日光曝露センサが依然として必要とされている。
【0005】
上記の米国特許及び特許出願公開のそれぞれの適切な構成要素及びプロセスの態様は、その実施形態において本開示のために選択され得る。更に、本出願全体を通して、様々な刊行物、特許、及び公開された特許出願は、特定の引用によって参照される。本出願において参照される刊行物、特許、及び公開された特許出願の開示は、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照により本開示に組み込まれる。
【0006】
上面及び下面を有する基材と、基材の上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、基材の上面上に配置された日光曝露スケールであって、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、基材の下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサが開示される。
【0007】
また、日光曝露センサを調製するためのプロセスであって、上面及び下面を有する基材を提供することと、基材の上面上に日光曝露感知部分を配置することであって、日光曝露感知部分が、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、配置することと、基材の上面上に日光曝露スケールを配置することであって、日光曝露スケールが、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、配置することと、任意選択的に、基材の上面の全体又は一部の上にコーティング層を配置することと、任意選択的に、基材の下面の全体又は一部の上に配置されたバッキング層を配置することと、を含む、プロセスが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態による日光曝露センサの図である。
【0009】
【
図2】
図2は、本実施形態による日光曝露センサの代替の実施形態の図である。
【0010】
【
図3】
図3は、本実施形態による日光曝露センサの代替の実施形態の図である。
【0011】
【
図4】
図4は、本実施形態による、異なる蛍光印刷物の色変化の図である。
【0012】
【
図5】
図5は、劣化パッチ(上段)及び非劣化パッチ(下段)の日光曝露試験の完全な範囲の図である。
【0013】
【
図6】
図6は、本実施形態によるセンサを調製するために使用することができる、3つの異なるトナーの日光曝露試験の完全な範囲の図である。
【0014】
【
図7】
図7は、70℃の蛍光オレンジ色トナーでのG155モードにおける光曝露時間(分)を示すグラフであり、色変化は、アリゾナの日中の割合に相関する。
【0015】
【
図8】
図8は、本実施形態により調製された日光曝露センサの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
調製が容易で、単純、及び安価である日光曝露センサが提供される。日光曝露センサ全体は、蛍光トナーキットを印刷することができる任意のオフィス製品を使用して、実施形態では、Versant(登録商標)などのXerox(登録商標)印刷技術を使用して、特定の実施形態では、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)印刷技術などを使用して、シングルパス印刷ジョブにおいて印刷することができる。日光曝露センサは、多くのメディアタイプで調製することができ、様々な仕上げ作業をそれに適用することができる。実施形態では、日光曝露センサは、単回使用の使い捨て日光曝露センサである。
【0017】
本発明の単回使用の使い捨て日光曝露センサは、蛍光トナー印刷に基づく。センサは、直射日光下での蛍光染料/着色剤分解に起因する蛍光印刷の退色メカニズムを利用する。脱色速度は、光曝露強度と相関する。すなわち、色彩度は、耐光性の調査中に露光時間を延ばすときにシフトする。本明細書に記載の印刷されたセンサは、人が屋外滞在時にどのくらい太陽光に曝露されたかをその人に示す。曝露は、例えば、アリゾナの日中に相関させることができる。
【0018】
本明細書に記載の印刷センサは、蛍光トナーを基材上に印刷してベタ塗り画像を形成することによって作製され、その画像の隣に、日光曝露スケールが、日光曝露が増加するにつれて蛍光トナーが漸進的に退色するその色をシミュレートする通常の(非蛍光)着色トナーで印刷される。印刷されたスケールは、太陽光に対して頑強である。センサは、直射日光に曝露されたときに変色する。日光曝露レベルは、退色したセンサをスケールと比較することによって容易に見出される。実施形態では、スケールは、アリゾナの日中の割合に相関する0~8の退色インジケータで印刷することができる。センサは、異なる色で調製することができ、顧客/エンドユーザの好みに従って様々な基材に適用することができる。基材は、接着ラベル、リストバンド、プラスチック、ホイル、布地等の使い捨て基材とすることができる。所望であれば、オーバーコートをセンサに適用して、耐水性及び耐擦過性にすることができる。オーバーコートは、センサの機能に影響を与えない。このようにして提供されるセンサは、単純で使いやすく、非常に安価である。
【0019】
実施形態では、使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサは、上面及び下面を有する基材と、基材の上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、基材の上面上に配置された日光曝露スケールであって、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、基材の下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える。
【0020】
蛍光トナー画像は、任意の好適な、又は所望の形状又は構成とすることができる。実施形態では、蛍光トナー画像は、矩形、正方形、円、又は任意の他の所望の形状の形状のベタ塗り印刷画像を含む。
【0021】
日光曝露スケール評価画像は、任意の好適な、又は所望の画像とすることができる。実施形態では、日光曝露スケールは、一連の番号付けされた形状、例えば0~8の円を含み、各円は、日光曝露が増加した際の蛍光トナー画像の退色と同等の漸進的な退色を示す。他の実施形態では、日光曝露スケールは、蛍光画像の退色を評価するための基準点を提供することができる任意の好適な又は所望の画像を含むことができる。例えば、日光曝露スケールは、日光曝露時が増加した際の蛍光トナー画像の色落ちに対応する、漸進的に退色する印刷画像とすることができる。日光曝露スケールは、いくつかの離散基準点を含むことができ、又は漸進的に退色する画像とすることができる。
【0022】
図1は、本実施形態による日光曝露センサの1つの可能な実施形態の側面図を示す。
図1に示す日光曝露センサ100は、上面114及び下面116を有する基材112を含む。日光曝露を感知するための蛍光トナー画像118が、基材112の上面114上に配置される。日光曝露スケール/非退色評価画像120が、蛍光トナー画像118に隣接する基材112の上面114上に配置される。コーティング層122が、任意選択的に、蛍光トナー画像118及び評価画像120を覆う基材112の上面114上に配置される。コーティング層112は、透明なコーティングであってもよい。実施形態では、コーティング層は、耐水性オーバーコート層である。実施形態では、コーティング層は、耐擦過性オーバーコート層である。実施形態では、オーバーコート層は、耐水性及び耐擦過性のオーバーコート層である。任意の好適な又は所望のコーティング層を選択することができる。好適なコーティング層は、当該技術分野において既知のアクリルコーティングを含む。好適なコーティングとしては、例えば、KRYLON(登録商標)、PlutoniumTM Clear Coat Gloss Spray、Rust-Oleum(登録商標)Spray Paint、Aleene(登録商標)Spray Gloss Finish Acrylic Sealer)を挙げることができる。
【0023】
任意選択の接着層124が、基材112の下面116上に配置される。任意選択の接着層は、接着剤、フックアンドループ式閉鎖タイプ材料、又はセンサを表面に接着するための他の手段を含む、任意の好適な又は所望の材料とすることができる。接着剤は、医療産業において一般的に使用される接着剤を含む、容易に入手可能な多種多様な接着剤のいずれかとすることができる。実施形態では、バッキング層が存在し、それはフックアンドループ層、接着層、ゲルパッド、及びこれらの組み合わせを含む。
【0024】
実施形態では、接着層が存在せず、基材自体が、リストバンド、衣類などの着用可能な物品、又は本明細書に記載されるものを含む他の基材を含む。任意選択的に、バッキング層126は、基材112の下面116の全体又は一部を覆うように配置される。あるいは、接着層が存在する実施形態では、バッキング層126は、接着層124の全体又は一部を覆うように配置される。バッキング層は、基材又は接着層の底部を覆う任意の好適な又は所望の層とすることができる。実施形態では、バッキング層は、使用直前に接着層124から剥がすことができるセルロース又はプラスチックの層を含む。
【0025】
図2は、本実施形態によるセンサの上面図を示す。
図2に示されるセンサ200は、基材210を含む。蛍光トナー画像212は、基材210上に印刷される。日光曝露スケール/評価画像214は、蛍光トナー画像212に隣接した基材210上に通常の非蛍光トナーで印刷される。図示されていない任意選択のコーティング層を、蛍光トナー画像及び評価画像の上にわたって配置して、基材表面の全部又は一部を覆うことができる。図示されていない任意選択の接着剤及びバッキング層は、センサ印刷表面の反対側の基材表面上に配置することができる。
【0026】
実施形態では、日光曝露センサは、2つの部品を含むことができる。実施形態では、使い捨て又は単回使用のための日光曝露センサは、上面及び下面を有する第1の基材と、第1の基材の上面上に配置された日光曝露感知部分であって、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、日光曝露感知部分と、上面及び下面を有する第2の基材と、第2の基材の上面上に配置された日光曝露スケールであって、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、日光曝露スケールと、第1の基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、第2の基材の上面の全体又は一部の上に配置された任意選択のコーティング層と、第1基材の下面の全部又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、第2の基材の下面の全体又は一部の上に配置された任意選択のバッキング層と、を備える。
【0027】
図3は、蛍光トナー画像を含む日光曝露感知部分が、第1の基材上に配置され、日光曝露スケール評価画像が、第2の別個の基材上に配置されている、本実施形態によるセンサの上面図を示している。
図3に示すセンサ300は、基材310上に印刷された蛍光トナー画像312を含む基材310を含む。日光曝露スケール/評価画像316は、別個の基材314上に通常の非蛍光トナーで印刷される。基材310及び副状態314を含む材料は、同じであっても異なっていてもよい。この実施形態では、蛍光トナー画像310が印刷された基材310を含む日光曝露感知部分は、太陽に曝露された表面上に着用又は配置することができ、基材314上に印刷されたスケール316を含む評価部分は、ウォレット若しくはポケット、又はスケール評価画像316と蛍光トナー画像312の退色を比較するために必要に応じてアクセスすることができる他の場所で別個に実行することができる。この実施形態では、日光曝露センサ部分が評価部分から分離していることにより、日光曝露センサは全体的により小さくすることができる。
【0028】
日光曝露センサ部分を形成する蛍光トナー画像は、任意の好適な又は所望の蛍光トナーを使用して調製することができる。実施形態では、日光曝露感知部分の蛍光トナー画像は、400nm~700nmの反射率のスペクトルをカバーする蛍光トナーで印刷される。実施形態では、日光曝露感知部分の蛍光トナー画像は、黄色蛍光トナー、マゼンタ色蛍光トナー、オレンジ色蛍光トナー、ピンク色トナー、緑色蛍光、赤色蛍光トナー、青色蛍光トナー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される蛍光トナーで印刷される。
【0029】
特定の実施形態では、日光曝露感知部分の蛍光トナー画像は、蛍光黄色トナーで印刷される。
【0030】
特定の実施形態では、選択される蛍光トナーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/676,971号に記載されているような高視認性蛍光黄色トナーである。したがって、ある特定の実施形態では、日光曝露感知部分の蛍光トナー画像は、第1のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、第2のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、及び結晶性ポリエステルを含むコアであって、第1の非結晶性ポリエステル及び第2の非結晶性ポリエステルが異なる、コアと、コアの上に配置されたシェルであって、少なくとも1つの非結晶性ポリエステルを含むシェルと、を含む、蛍光黄色トナーであって、トナーが、90超のL*値、約-40未満~約-20のa*値、及び75超のb*値を有する印刷画像を提供する、蛍光黄色トナーで印刷される。
【0031】
本明細書に記載のセンサのために選択される蛍光トナーは、樹脂、蛍光着色剤、任意のワックス、及び他の任意のトナー添加剤を含むことができる。トナーは、任意選択にコアシェル構成を含んでもよい。トナー樹脂は、非結晶性樹脂と結晶性樹脂との組み合わせを含む。実施形態では、トナーは、コアシェル構成を含み、コアは、非結晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとの組み合わせを含み、シェルは、少なくとも1種の非結晶性ポリエステルを含む。実施形態では、トナーは、米国特許出願第16/676,971号に記載されているような、コアシェル構成を含み、コアは、第1及び第2のソルベントイエロー160添加非結晶性樹脂と結晶性ポリエステル(ソルベントイエロー160が添加されていない結晶性樹脂)との組み合わせを含み、シェルは、少なくとも1つの非結晶性ポリエステルを含む。
【0032】
結晶性樹脂
【0033】
本明細書でのトナーは、結晶性樹脂を含んでもよい。本明細書での結晶性樹脂は、任意選択的な触媒の存在下でジオールと二酸とを反応させることによって形成されるポリエステル樹脂であってもよい。結晶性ポリエステルを形成するのに好適な有機ジオールとしては、構造異性体を含む、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、これらの組み合わせなどの、約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、樹脂の約42~約55モルパーセント、樹脂の約45~約53モルパーセントの量で選択され得、第2のジオールは、樹脂の約0~約10モルパーセント、又は樹脂の約1~4モルパーセントの量で選択され得る。
【0034】
結晶性樹脂の調製のために選択されるビニル二酸又はビニルジエステルを含む有機二酸又はジエステルの例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、ジメチルフマラート、ジメチルイタコネート、シス-1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、ジエチルフマラート、ジエチルマレエート、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸及びメサコン酸、これらのジエステル又は無水物が挙げられる。有機二酸は、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、樹脂の約42~約52モルパーセント、又は樹脂の約45~約50モルパーセントの量で選択され得、第2の二酸は、樹脂の約0~約10モルパーセントの量で選択され得る。
【0035】
結晶性(並びに非結晶性)ポリエステルを形成するのに利用され得る重縮合触媒としては、テトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートなどのテトラアルキルスズ、及びブチルスズオキシド水酸化物などのジアルキルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。このような触媒は、例えば、ポリエステル樹脂を生成するために使用される出発二酸又はジエステルに基づいて、約0.01モルパーセント~約5モルパーセントの量で利用されてもよい。
【0036】
結晶性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、これらの混合物などが挙げられる。特定の結晶性樹脂は、ポリ(エチレン-アジペート)、ポリ(プロピレン-アジペート)、ポリ(ブチレン-アジペート)、ポリ(ペンチレン-アジペート)、ポリ(ヘキシレン-アジペート)、ポリ(オクチレン-アジペート)、ポリ(エチレン-サクシネート)、ポリ(プロピレン-サクシネート)、ポリ(ブチレン-サクシネート)、ポリ(ペンチレン-サクシネート)、ポリ(ヘキシレン-サクシネート)、ポリ(オクチレン-サクシネート)、ポリ(エチレン-セバケート)、ポリ(プロピレン-セバケート)、ポリ(ブチレン-セバケート)、ポリ(ペンチレン-セバケート)、ポリ(ヘキシレン-セバケート)、ポリ(オクチレン-セバケート)、ポリ(デシレン-セバケート)、ポリ(デシレン-デカノエート)、ポリ(エチレン-デカノエート)、ポリ(エチレン-ドデカノエート)、ポリ(ノニレン-セバケート)、ポリ(ノニレン-デカノエート)、コポリ(エチレン-フマレート)-コポリ(エチレン-セバケート)、コポリ(エチレン-フマレート)-コポリ(エチレン-デカノエート)、コポリ(エチレン-フマレート)-コポリ(エチレン-ドデカノエート)、コポリ(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール-デカノエート)-コポリ(ノニレン-デカノエート)、ポリ(オクチレン-アジペート)、及びこれらの混合物などの、ポリエステル系であってもよい。ポリアミドの例としては、ポリ(エチレン-アジパミド)、ポリ(プロピレン-アジパミド)、ポリ(ブチレン-アジパミド)、ポリ(ペンチレン-アジパミド)、ポリ(ヘキシレン-アジパミド)、ポリ(オクチレン-アジパミド)、ポリ(エチレン-スクシンイミド)、ポリ(プロピレン-セバカミド)、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリイミドの例としては、ポリ(エチレン-アジピミド)、ポリ(プロピレン-アジピミド)、ポリ(ブチレン-アジピミド)、ポリ(ペンチレン-アジピミド)、ポリ(ヘキシレン-アジピミド)、ポリ(オクチレン-アジピミド)、ポリ(エチレン-スクシンイミド)、ポリ(プロピレン-スクシンイミド)、ポリ(ブチレンス-クシンイミド)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
実施形態では、結晶性ポリエステルは、次式のものであり、
【化1】
【0038】
a及びbの各々は、1~12、2~12、又は4~12の範囲としてよく、更に、pは、10~100、20~80、又は30~60の範囲としてもよい。実施形態では、結晶性ポリエステルは、ポリ(1,6-ヘキシレン-1,12-ドデカノエート)であり、ドデカン二酸と1,6-ヘキサンジオールとの反応によって生成され得る。
【0039】
表記、「CX:CY」、「CX:Y」、「X:Y」、及びこれらの形態は、本明細書で使用するとき、結晶性樹脂を示し、ここで、Cは、炭素であり、Xは、結晶性ポリエステル(crystalline polyester、CPE)を生成するために使用される酸/エステルモノマーのメチレン基の数を特定する正の非ゼロ整数であり、Yは、CPEを生成するために使用されるアルコールモノマーのメチレン基の数を特定する正の非ゼロの整数である。したがって、例えば、C10は、例えばドデカンジオン酸を表すことができ、C6は、例えばヘキサンジオールを表すことができる。X及びYは各々、10以下である。実施形態では、X及びYの合計は、16以下である。特定の実施形態では、合計及びX及びYは、14以下である。
【0040】
実施形態では、結晶性ポリエステルは、ドデカン二酸(C10)及び1,9-ノナンジオール(C9)から作製されたポリエステルを含むC10:9樹脂である。
【0041】
上記のように、結晶性ポリエステルは、重縮合触媒の存在下で、好適な有機ジオールと好適な有機二酸とを反応させることによる重縮合プロセスによって調製され得る。有機ジオールと有機二酸との化学量論的等モル比を利用し得るが、有機ジオールの沸点が約180℃~約230℃である場合には、約0.2~1モル当量のエチレングリコール又はプロピレングリコールなどの過剰量のジオールを利用し、蒸留によって重縮合プロセス中に除去することができる。利用される触媒の量は様々であってもよく、例えば、結晶性ポリエステル樹脂の約0.01~約1又は約0.1~約0.75モルパーセントなどの量で選択することができる。
【0042】
結晶性樹脂は、任意の好適な又は所望の量で存在し得る。実施形態では、結晶性樹脂は、例えば、トナーの約1~約85重量%、トナーの約5~約50重量%、又はトナーの約10~約35重量%の量で存在してもよい。
【0043】
結晶性樹脂は、種々の融点を有してよく、例えば、約30℃~約120℃、約50℃~約90℃、約60℃~約80℃とすることができる。結晶性樹脂は、ゲル透過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定する場合、例えば、約1,000~約50,000、約2,000~約25,000、又は約5,000~約20,000の数平均分子量(number average molecular weight、Mn)、及びGPCによって決定する場合、約2,000~約100,000、約3,000~約80,000、又は約10,000~約30,000の重量平均分子量(weight average molecular weight、Mw)を有し得る。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、約3~15約5、又は約2~約4であってもよい。
【0044】
非結晶性樹脂
【0045】
本明細書でのトナーは、非結晶性樹脂とすることができる。非結晶性樹脂を、任意選択的な触媒の存在下でジオールと二塩基酸とを反応させることによって形成される非結晶性ポリエステル樹脂であってもよい。非晶性ポリエステルの調製のために利用されるビニル二酸又はビニルジエステルを含む二酸又はジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、トリメリト酸、ジメチルフマラート、ジメチルイタコネート、シス-1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、ジエチルフマラート、ジエチルマレエート、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジ二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、無水フタル酸、ジエチルフタレート、ジメチルサクシネート、ジメチルフマラート、ジメチルマレエート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、ジメチルドデシルサクシネート、及びこれらの組み合わせなどの、ジカルボン酸又はジエステルが挙げられる。有機二塩基酸又はジエステルは、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、樹脂の約42~約52モルパーセント、樹脂の約45~約50モルパーセントの量で存在してもよい。
【0046】
非結晶性ポリエステルの生成に利用され得るジオールの例としては、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2-ジメチルプロパンジオール、2,2,3-トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)-ビスフェノールA、ビス(2-ヒドロキシプロピル)-ビスフェノールA、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2-ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。選択される有機ジオールの量は様々であってもよく、有機ジオールは、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、樹脂の約42~約55モルパーセント、又は樹脂の約45~約53モルパーセントの量で存在してもよい。
【0047】
好適な非結晶性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリプロピレンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
不飽和非晶性ポリエステル樹脂が樹脂として利用されてよい。このような樹脂の例としては、米国特許第6,063,827号に開示されるものが挙げられ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的な不飽和非結晶性ポリエステル樹脂としては、限定するものではないが、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコフマラート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコフマラート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコフマラート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコフマラート)、ポリ(1,2-プロピレンフマラート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(1,2-プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(1,2-プロピレンイタコネート)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
好適なポリエステル樹脂は、ポリ(プロポキシ化ビスフェノールAコフマラート)樹脂などの非晶性ポリエステルであってもよい。そのような樹脂及びその製造プロセスの例には、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,063,827号に開示されているものが含まれる。
【0050】
好適なポリエステル樹脂としては、非結晶性酸性ポリエステル樹脂が挙げられる。非結晶性酸ポリエステル樹脂は、プロポキシル化ビスフェノールA、エトキシル化ビスフェノールA、テレフタル酸、フマル酸、及びドデセニルコハク酸無水物の任意の組み合わせ、例えばポリ(プロポキシル化ビスフェノール-コ-テレフタレート-フマラート-ドデセニルスクシネート)の系統としてもよい。使用し得る別の非結晶性酸ポリエステル樹脂は、ポリ(プロポキシレート-エトキシル化ビスフェノール-コ-テレフタレート-ドデセニルコハク酸-トリメリト酸無水物)である。
【0051】
樹脂として利用され得る直鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂の例は、Resana S/A Industrias Quimicas,Sao Paulo,Brazilから商品名SPAMIIで入手可能である。利用され得る、市販されている、他のプロポキシル化ビスフェノールAフマラート樹脂としては、Kao Corporation,JapanからのGTUF及びFPESL-2、並びにReichhold,Research Triangle Park,N.C.からのEM181635などが挙げられる。
【0052】
結晶性樹脂又は結晶性樹脂の組み合わせは、例えば、トナーの約5~約95重量%、トナーの約30~約90重量%、又はトナーの約35~約85重量%の量で存在してもよい。
【0053】
非結晶性樹脂又は非結晶性樹脂の組み合わせは、約30℃~約80℃、約35℃~約70℃、又は約40℃~約65℃のガラス転移温度を有し得る。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定され得る。非結晶性樹脂は、GPCによって測定する場合、例えば、約1,000~約50,000、約2,000~約25,000、又は約1,000~約10,000のMnを有してもよく、GPCによって決定する場合、例えば、約2,000~約100,000、約5,000~約90,000、約10,000~約90,000、約10,000~約30,000、又は約70,000~約100,000のMwを有し得る。
【0054】
1つ、2つ、又はそれ以上の樹脂を使用してもよい。2つ以上の樹脂が使用される場合、樹脂は、例えば、約1%(第1の樹脂)/99%(第2の樹脂)~約99%(第1の樹脂)/1%(第2の樹脂)、約10%(第1の樹脂)/90%(第2の樹脂)~約90%(第1の樹脂)/10%(第2の樹脂)などの任意の好適な比(例えば、重量比)であってもよい。樹脂が非晶性樹脂と結晶系樹脂との組み合わせを含む場合、樹脂は、例えば、約1%(結晶性樹脂)/99%(非晶性樹脂)~約99%(結晶性樹脂)/1%(非晶性樹脂)、又は約10%(結晶性樹脂)/90%(非晶性樹脂)~約90%(結晶性樹脂)/10%(非晶性樹脂)の重量比であってもよい。いくつかの実施形態では、樹脂の重量比は、約80%~約60%の非結晶性樹脂及び約20%~約40%の結晶性樹脂である。このような実施形態では、非結晶性樹脂は、非結晶性樹脂の組み合わせ、例えば、2種類の非結晶性樹脂の組み合わせであり得る。
【0055】
蛍光トナー
【0056】
特定の実施形態では、非結晶性樹脂は、米国特許出願第16/676,971号に記載されているような、ソルベントイエロー160添加非結晶性樹脂を含む。
【0057】
特定の実施形態では、蛍光黄色トナーは、第1のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、第2のソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステル、及び結晶性ポリエステルを含むコアであって、第1の非結晶性ポリエステル及び第2の非結晶性ポリエステルが異なる、コアと、コアの上に配置されたシェルであって、少なくとも1つの非結晶性ポリエステルを含むシェルと、を含む、蛍光黄色トナーであって、トナーが、米国特許出願第16/676,971号に記載されているような、90超のL*値、約-40未満~約-20のa*値、及び75超のb*値を有する印刷画像を提供する、蛍光黄色トナーである。蛍光黄色着色剤は、非結晶性ポリエステルと組み合わされると、特定の固有のL*a*b*座標を提供するトナーをもたらす。着色剤は、ソルベントイエロー160及びその誘導体とすることができる。実施形態では、着色剤は、ソルベントイエロー160、ソルベントイエロー160:1、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、着色剤は、ソルベントイエロー160である。特定の実施形態では、着色剤は、ソルベントイエロー160:1である。蛍光黄色着色剤を、蛍光黄色着色剤及び第1の非結晶性ポリエステルを含有するラテックスにおいて、第1の非結晶性ポリエステルと組み合わせ、次いでラテックスを使用してトナーを形成する。蛍光黄色着色剤を、蛍光黄色着色剤及び第2の非結晶性ポリエステルを含有するラテックスにおいて、第2の非結晶性ポリエステルと組み合わせ、次いでラテックスを使用してトナーを形成する。
【0058】
非蛍光トナー
【0059】
本発明のセンサのスケール部分を調製するために使用される通常の非蛍光トナーは、任意の好適な、又は所望のトナーとすることができる。トナーは、任意選択的にコアシェル構成を有してもよい。トナーは、蛍光トナーについて上述した樹脂を含む樹脂又は樹脂の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
本開示による通常の非蛍光トナーのために選択される着色剤としては、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、染料の混合物などが挙げられる。着色剤は、例えば、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、レッド、オレンジ、ブラウン、グリーン、ブルー、バイオレット、又はこれらの混合物であってもよい。
【0061】
着色剤が顔料である実施形態では、顔料は、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン又はローダミンB(商標)型、レッド、グリーン、オレンジ、ブラウン、バイオレット、イエローなどであってもよい。
【0062】
トナーの調製
【0063】
蛍光トナー及び通常の非蛍光トナーは、当該技術分野において既知の任意の好適な又は所望の方法によって形成することができる。実施形態では、上述した樹脂のいずれも、例えば、溶媒系転相乳化プロセスを使用することによって、エマルションとして提供されてもよい。次いで、エマルションは、例えば、エマルション凝集及び合体(EA)プロセスを使用することによって、トナーを形成するために原材料として利用され得る。
【0064】
ワックス
【0065】
任意選択的に、ワックスはまた、蛍光又は非蛍光着色剤と樹脂と組み合わせて、トナー粒子を形成してもよい。ワックスは、ワックス分散体に提供されてもよく、ワックス分散体は、単一の種類のワックス、又は2つ以上の異なるワックスの混合物を含んでもよい。例えば、トナー粒子の形状、トナー粒子表面上のワックスの存在及び量、帯電及び/又は融着特性、光沢、ストリッピング、オフセット特性などの特定のトナー特性を改善するために、単一のワックスを添加してもよい。代替的に、ワックスの組み合わせを添加して、複数の特性をトナー組成物に提供することができる。
【0066】
ワックスが含まれる場合、ワックスは、例えば、トナーの約1重量%~約25重量%、又はトナーの約5重量%~約20重量%の量で存在してもよい。
【0067】
選択され得るワックスとしては、例えば、約500~約20000、又は約1,000~約10,000の平均分子量を有するワックスが挙げられる。使用され得るワックスとしては、例えば、Allied Chemical and Petrolite Corporationから市販されているような、直鎖状ポリエチレンワックスと分枝状ポリエチレンワックスを含むポリエチレン、直鎖状ポリプロピレンワックスと分枝状ポリプロピレンワックスを含むポリプロピレン、ポリメチレンワックス、ポリエチレン/アミド、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン/アミド、及びポリブテンワックスなどのポリオレフィン、例えば、Baker Petroliteから市販されているようなPOLYWAX(商標)ポリエチレンワックス、Michaelman,Inc.及びDaniels Products Companyから入手可能なワックスエマルション、Eastman Chemical Products,Inc.から市販されているEPOLENE N-15(商標)、並びにSanyo Kasei K.K.から入手可能な低重量平均分子量ポリプロピレンのVISCOL 550-P(商標)、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ウルシワックス、及びホホバオイルなどの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレジン、パラフィンワックス、粗油の蒸留に由来するワックスなどの微結晶ワックス、シリコーンワックス、メルカプトワックス、ポリエステルワックス、ウレタンワックス、などのミネラル系ワックス及び石油系ワックス、変性ポリオレフィンワックス(カルボン酸末端ポリエチレンワックス又はカルボン酸末端ポリプロピレンワックスなど)、Fischer-Tropschワックス、ステアリルステアレート及びベヘニルベヘネートなどの高級脂肪酸及び高級アルコールから得られるエステルワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、グリセリドモノステアレート、グリセリドジステアレート、及びペンタエリスリトールテトラベヘネートなどの高級脂肪酸及び一価又は多価低級アルコールから得られるエステルワックス、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジグリセリルジステアレート、及びトリグリセリルテトラステアレートなどの高級脂肪酸及び多価アルコールマルチマーから得られるエステルワックス、ソルビタンモノステアレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステルワックス、並びにコレステリルステアレートなどのコレステロール高級脂肪酸エステルワックスが挙げられる。使用し得る官能化ワックスの例としては、例えば、アミン、アミド、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なAQUA SUPERSLIP 6550(商標)、SUPERSLIP 6530(商標)、フッ素化ワックス、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なPOLYFLUO 190(商標)、POLYFLUO 200(商標)、POLYSILK 9(商標)、POLYSILK14(商標)、脂肪族極性アミド官能化ワックスなどの混合フッ素化アミドワックス、ヒドロキシル化不飽和脂肪酸のエステル、例えば、これもまたMicro Powder Inc.から入手可能なMICROSPERSION 19(商標)、イミド、エステル、第四級アミン、カルボン酸又はアクリルポリマーエマルション、例えば、いずれもSC Johnson waxから入手可能なJONCRYL 74(商標)、89(商標)、130(商標)、537(商標)及び538(商標)、並びにAllied Chemical and Petrolite CorporationとSC Johnson waxから入手可能な塩素化ポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられる。前述のワックスの混合物及び組み合わせもまた、実施形態で使用されてもよい。ワックスは、例えば、定着機ロール剥離剤として含まれてもよい。実施形態では、ワックスは、結晶性又は非結晶性であってもよい。
【0068】
実施形態では、ワックスは、水中の固体ワックスの1つ以上の水性分散体の形態でトナーに組み込まれてもよく、固体ワックスの粒径は、約100~約300ナノメートル(nm)の範囲であってもよい。
【0069】
実施形態では、本発明のトナーは、エマルション凝集(emulasion、EA)プロセスによって、例えば、1つ以上のエマルションの混合物を凝集させることであって、各エマルションが、樹脂と、蛍光着色剤又は非蛍光着色剤と、任意選択的にワックスとを含む、凝集させることと、次いで混合物を合体させることと、を含むプロセスによって調整される。実施形態では、結晶性ポリエステルは、実施形態では、別個のエマルションで提供される。実施形態では、結晶性ポリエステルは、C10:C9ポリエステルを含む。
【0070】
実施形態では、本明細書でのプロセスは、ラテックスを調製するために、1つ以上の非結晶性ポリエステル、水、及び蛍光又は非蛍光着色剤を組み合わせて、ラテックスを調製することと、任意選択で、凝集剤をラテックスに添加することと、ラテックスを加熱して凝集粒子を形成することと、シェル樹脂を凝集トナー粒子に添加することであって、シェルが、任意選択的に少なくとも1種の非結晶性ポリエステルを含む、添加することと、加熱して、合体したトナー粒子を形成する粒子を合体させることと、合体したトナー粒子を回収することと、を含む。
【0071】
混合物は、約600~約6,000回転/分で混合するなどによって、任意の好適な又は所望のプロセスによって達成され得て、均質化されてもよい。均質化は、例えば、IKA ULTRA TURRAX TSOプローブホモジナイザーを用いることを含む任意の好適な手段によって達成してもよい。
【0072】
プロセスにおいて、任意の好適な凝集剤を利用してもよい。好適な凝集剤としては、例えば、二価の薬剤の水溶液、例えば、ポリ塩化アルミニウム(polyaluminum chloride、PAC)などのポリアルミニウムハライド、又は対応する臭化物、フッ化物、若しくはヨウ化物などの無機カチオン性凝集剤、ポリアルミニウムスルホシリケート(polyaluminum sulfosilicate、PASS)などのポリアルミニウムシリケート、又は塩化アルミニウム、亜硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オキシ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、塩化銅、及び硫酸銅を含む水溶性金属塩、又はこれらの組み合わせであってもよい。凝集剤は、樹脂のガラス転移温度(glass-transition temperature、Tg)未満の温度で混合物に添加されてもよい。凝集剤は、均質化下で混合物に添加されてもよい。
【0073】
凝集剤は、任意の適切な又は所望の量で、実施形態では、例えば、樹脂の約0重量%~約10重量%、樹脂の約0.2%~約8重量%、又は樹脂の約0.5%~約5重量%の量で混合物に添加されてもよい。
【0074】
混合物の粒子を、所定の所望の粒径が得られるまで凝集してもよい。所定の所望のサイズとは、形成前に決定される際に得られる所望の粒径を指し、粒径は、そのような粒径に達するまで成長プロセス中に監視される。サンプルは、成長プロセス中に採取され、体積平均粒径について、例えば、Coulter Counterで分析してもよい。したがって、凝集は、高温を維持すること、又は温度を、例えば、実施形態では約30℃~約100℃、実施形態では約30℃~約80℃、又は実施形態では約30℃~約50℃に維持することによって進行し得る。温度は、凝集粒子を提供するために、撹拌しながら、約0.5時間~約6時間、又は実施形態では約1~約5時間の期間保持されてもよい。所定の所望の粒径に達すると、シェルを添加してもよい。シェルの適用前の粒子の体積平均粒径は、例えば、約3マイクロメートル(μm)~約10μm、実施形態では約4μm~約9μm、又は約6μm~約8μmであってもよい。
【0075】
シェル樹脂
【0076】
実施形態では、凝集後であるが合体前に、凝集粒子に樹脂コーティングを適用して、その上にシェルを形成し得る。上述した任意の樹脂をシェルに利用してもよい。実施形態では、非晶性ポリエステル樹脂がシェルに利用される。実施形態では、シェルは、第1の非晶性ポリエステル及び第2の非晶性ポリエステルを含む。実施形態では、シェルは、第1の非晶性ポリエステル及び第2の非晶性ポリエステルを含み、他の樹脂を含まない。実施形態では、2つの非晶性ポリエステル樹脂は、例えば、実質的に等しい量でシェルに利用される。実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂及び2つの異なる種類の非結晶性ポリエステル樹脂がコアに利用され、同じ2つの種類の非結晶性ポリエステル樹脂がシェルに利用される。
【0077】
特定の実施形態では、シェルは、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール-co-テレフタレート-フマレート-ドデセニルスクシネート)を含む第1の非晶性ポリエステルと、ポリ(プロポキシル化-エトキシル化ビスフェノール-co-テレフタレート-ドデセニルスクシネート-トリメリト酸無水物)を含む第2の非晶性ポリエステルと、を含む。
【0078】
シェルは、上述したようにエマルションの形態でシェル樹脂を使用することによって、凝集粒子に適用され得る。このようなエマルションは、凝集粒子上にコーティングを形成するのに十分な条件下で凝集粒子と組み合わされてもよい。例えば、凝集粒子上のシェルの形成は、約30℃~約80℃、又は約35℃~約70℃の温度まで加熱しながら生じ得る。シェルの形成は、約5分~約10時間、又は約10分~約5時間の期間にわたって行われてもよい。
【0079】
トナー粒子の所望のサイズが達成されると、混合物のpHを、pH制御剤で、塩基を用いて、約3~約10、又は実施形態では約5~約9の値に調整してもよい。pHの調整は、トナー成長を停止させる凍結に利用されてもよい。トナー成長を停止するために利用される塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、これらの組み合わせなどのアルカリ金属水酸化物などの任意の好適な塩基を挙げることができる。実施形態では、上記の所望の値にpHを調整するのを助けるために、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid、EDTA)などのキレート剤を添加してもよい。他のキレート剤が使用されてもよい。
【0080】
実施形態では、コアシェルトナー粒子のサイズ(合体前)は、約3μm~約10μm、約4μm~約10μm、又は約6μm~約9μmであってもよい。
【0081】
合体
【0082】
所望の粒径への凝集及び任意選択的なシェルの適用に続いて、粒子は次に所望の最終形状に合体されてもよく、その合体は、例えば、約45℃~約150℃、約55℃~約99℃、又は約60℃~約90℃の温度に混合物を加熱する(この温度は、トナー粒子を形成するために利用される樹脂のガラス転移温度以上であってもよい)。加熱は継続してもよく、又は混合物のpHは、所望の円形度に達するように一定時間にわたって調節(例えば、低減)されてもよい。その時間は、約1時間~約5時間、又は約2時間~約4時間であってもよい。合体中に様々な緩衝剤を使用し得る。合体の総期間は、約1~約9時間、約1~約8時間、又は約1~約5時間としてもよい。攪拌は、合体中において、例えば、約20rpm~約1000rpm、又は約30rpm~約800rpmが利用され得る。
【0083】
凝集及び/又は合体後、混合物を室温まで冷却してもよい。冷却は、所望に応じて急速であっても遅くてもよい。好適な冷却プロセスは、反応器の周囲のジャケットに冷水を導入することを含んでもよい。冷却後、所望のサイズのふるいでトナー粒子を篩分けし、濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥させてもよい。乾燥は、例えば凍結乾燥を含む任意の好適な乾燥プロセスによって達成されてもよい。
【0084】
他の添加剤
【0085】
実施形態では、本発明のトナーはまた、他の任意選択の添加剤を含有し得る。例えば、トナーは、正電荷又は負電荷制御剤を含んでもよい。表面添加剤も使用されてもよい。表面添加剤の例としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スズ、これらの混合物などの金属酸化物と、AEROSIL(登録商標)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウム、これらの混合物などの脂肪酸の金属塩及び金属塩、UNILIN(商標)700などの長鎖アルコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
これらの表面添加剤は、トナーの約0.1%重量%~約5重量%、又はトナーの約0.25%重量%~約3重量%の量で存在してもよい。実施形態では、トナーは、例えば、トナーの約0.1%~約5重量%のチタニア、トナーの約0.1%~約8重量%のシリカ、トナーの約0.1%~約5%のコロイドシリカ、トナーの約0.05%~約4重量%のステアリン酸亜鉛、及びトナーの約0.1%~約4重量%の酸化セリウムを含んでもよい。
【0087】
現像剤及び担体
【0088】
本発明のトナーは、現像剤組成物に配合されてもよい。現像剤組成物は、本開示のトナーを、鋼、フェライトなどのコーティングされた担体を含む既知の担体粒子と混合することによって調製することができる。このような担体としては、米国特許第4,937,166号及び同第4,935,326号に開示されているものが挙げられ、これらのそれぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
トナーは、約1重量%~約15%重量%、約2重量%~約8重量%、又は約4重量%~約6重量%の量で担体内に存在してもよい。担体粒子はまた、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)などのポリマーコーティングを有するコアも含むことができ、その中に導電性カーボンブラックのような導電性成分が分散されている。担体コーティングとしては、メチルシルセスキオキサンなどのシリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフルオロポリマー、ポリフッ化ビニリデン及びアクリルなどの摩擦電気系列表(triboelectric series)で近接していない樹脂の混合物、アクリルなどの熱硬化性樹脂、これらの組み合わせ、及び他の既知成分が挙げられる。
【0090】
適用
【0091】
本発明のトナーは、様々な電子写真式プロセスで、様々な電子写真式プリンタと共に使用し得る。電子写真式イメージングプロセスには、例えば、帯電構成要素、イメージング構成要素、光導電性構成要素、現像構成要素、転写構成要素、及び定着構成要素を含む電子写真式プリンタで画像を調製することが含まれる。実施形態では、現像構成要素は、担体を本明細書に記載のいずれかのトナーと混合することによって調製される現像剤を含んでもよい。電子写真式プリンタは、高速プリンタ、白黒高速プリンタ、カラープリンタなどを含んでもよい。画像がトナー/現像剤で形成されると、画像はその後、紙などの画像受容媒体に転写され得る。定着機ロール部材は、熱及び圧力を使用することによって、トナーを画像受容媒体に定着させるために使用され得る。電子写真式印刷プロセスによる本発明のトナーを使用することにより、本明細書に記載される輝度及びL*a*b*座標値を含む本明細書に記載の特性を有する蛍光印刷画像を提供することができる。
【0092】
本発明のトナーは、本発明のトナーのいずれかを含有する粉末スプレーガン(例えば、トリボガン)が、基材にトナーを供給するために使用される粉末コーティング適用などの他の適用での使用が見出される。
【0093】
実施形態では、本明細書において、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)Press、実施形態では、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)5 Press、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)Pressの組み合わせのうちの1つ以上を使用して、蛍光トナー及び非蛍光トナーを印刷するためのプロセスが提供される。日光曝露センサは、蛍光トナーで印刷される。日光曝露スケールは、非蛍光トナーで印刷される。
【0094】
したがって、本明細書でのプロセスは、蛍光トナー及び非蛍光トナーを使用して日光曝露センサを調製するために提供される。実施形態では、日光曝露センサを調製するためのプロセスは、上面及び下面を有する基材を提供することと、基材の上面上に日光曝露感知部分を配置することであって、日光曝露感知部分が、蛍光トナー画像を含み、蛍光トナー画像が、太陽光に曝露された際に次第に退色する、配置することと、基材の上面上に日光曝露スケールを配置することであって、日光曝露スケールが、蛍光トナー画像の退色量を評価するための評価画像を含む、配置することと、任意選択的に、基材の上面の全体又は一部の上にコーティング層を配置することと、任意選択的に、基材の下面の全体又は一部の上に配置されたバッキング層を配置することと、を含む。
【0095】
実施形態では、配置することは、電子写真式プリンタを使用して、蛍光トナー画像、日光曝露評価画像、任意選択のコーティング層、及び任意選択のバッキング層のうちの1つ以上を印刷することを含む。
【0096】
実施形態では、配置することは、インラインプロセスで電子写真式プリンタを使用して、蛍光トナー画像、日光曝露評価画像、任意選択のコーティング層、及び任意選択のバッキング層のうちの1つ以上を印刷することを含む。
【0097】
任意の更なる好適な基材、記録シート、又は取り外し可能なサポート、ステージ、プラットフォームなどは、XEROX(登録商標)4024紙、XEROX(登録商標)Image Series紙、Courtland 4024DP紙、掛け線ノート、ボンド紙など普通紙;Sharp Companyシリカコート紙、JuJo紙、HAMMERMILL LASERPRINT(登録商標)紙などシリカコート紙;XEROX(登録商標)Digital Color Gloss、Sappi Warren Papers LUSTROGLOSS(登録商標)など光沢性コート紙;並びに透明材料、布地、織物製品、プラスチック、ポリマーフィルム、ガラス、ガラスプレート、金属及び木材など無機基材、並びにワックス又は塩など溶融可能な又は溶解性の基材(自立物体などの取り外し可能なサポートの場合)を含む本明細書の日光曝露センサを調製するために用いることができる。特定の実施形態では、基材は、紙、プラスチック、ポリマーフィルム、厚紙、板紙、折り畳んだ板紙、クラフト紙、布地、ガラス、ガラスプレート、木材、金属、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。実施形態では、基材は、ラベルである。ラベルは、前述の種類の基材のいずれかから選択され得る。いくつかの実施形態では、基材は、食品包装材料、医療用包装材料などを含む。いくつかの実施形態では、基材は、食品包装材料、医療用包装材料、医療用装置、化粧品包装材料、化粧用具、化粧品、及びこれらの組み合わせからなる群のうちの1つの部材を含む。更なる実施形態では、基材は、リストバンドなどのウェアラブルデバイスを含む。実施形態では、基材は、リストバンド、アームバンド、足首バンド、帽子、シャツ、1着のズボン、1着のショートパンツ、靴、スニーカー、パッチ、スカーフ、一対の手袋、物体の表面上のステッカー、ゴルフクラブの表面上のステッカー、眼鏡若しくはサングラス、又は携帯電話ケースを含む。センサは、好適な又は所望に応じて、任意の他の物品の一部の上に配置されるか、又はその一部で作製されてもよい。
【0098】
基材は、より多くのエネルギーを吸収し、退色又はより明るい色を加速し得る、より暗い色を含む、任意の好適な又は所望の色であり得る。特定の実施形態では、基材は、白色基材である。
【実施例0099】
以下の実施例は、本開示の様々な種類を更に定義するために提示される。これらの実施例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、別途記載のない限り、割合及び百分率は重量による。
【0100】
以下のように蛍光着色剤を使用して、トナーを調製した。
実施例1
【0101】
FY-O、Opticイエロー。ソルベントイエロー160添加非結晶性ポリエステルエマルションの調製。240グラムの非結晶性ポリエステル樹脂(プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸塩/テレフタレート)と4.9グラムのソルベントイエロー160との混合物を、2L反応器中に50℃で(145/48/40グラム)の割合で、メチル-エチルケトン、イソプロピルアルコール、及びアンモニア水溶液の混合物に溶解させた。ポリエステル樹脂を完全に中和するために、追加のアンモニア溶液を必要としてもよい。この溶液に、320グラムの脱イオン水含有界面活性剤(Pilot Chemical Company製のCalfax(登録商標)DB-45)を添加してエマルションを形成した。反応器に蒸留塔を充填し、有機溶媒を留去した。最後に、得られたエマルションを25μmのふるいを通して濾過した。エマルションの平均粒径は203ナノメートルであり、固形分含量は約41%であった。エマルション中のソルベントイエロー160含量は、約2%であった。
実施例2
【0102】
FP49-M。ソルベントイエロー160の代わりにソルベントレッド49マゼンダを使用したことを除いて、実施例1のソルベントイエローと同じ方法でマゼンタポリエステルエマルションを調製した。
実施例3
【0103】
FP49-O、Optic。ソルベントイエロー160の代わりにソルベントイエロー160とソルベントレッド149との混合物を使用したことを除いて、実施例1のソルベントイエローと同じ方法でポリエステルエマルジョンを調製した。
実施例4
【0104】
FP149-O、Optic。ソルベントイエロー160の代わりにソルベントイエロー160とソルベントレッド49との混合物を使用したことを除いて、実施例1のソルベントイエローと同じ方法でオレンジポリエステルエマルジョンを調製した。
実施例5
【0105】
FBブルー。ソルベントイエロー160の代わりにPacific Blue又は3-カルボキシ-6,8-ジフルオロ-7-ヒドロキシクマリンを使用したことを除いて、実施例1のソルベントイエローと同じ方法でブルーポリエステルエマルジョンを調製した。
実施例6
【0106】
FG、グリーン。ソルベントイエロー160の代わりにソルベントイエロー160とシアン顔料(PB15:4)との混合物を使用したことを除いて、実施例1のソルベントイエローと同じ方法でグリーンポリエステルエマルジョンを調製した。
実施例7
【0107】
ソルベントイエロー160添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例1により作製された蛍光乳剤(225.2グラム)を、あるタイプの非結晶性ポリエステルエマルション(132.4グラム、固形分40%)、別のタイプの非結晶性ポリエステルエマルション(132.4グラム、固形分40%)、結晶性ポリエステル(47.4グラム、固形分43%)を含有する別のエマルション、及び脱イオン水(920.8グラム)と混合した。混合物を酸性化した後、均質化しながら硫酸アルミニウム溶液をゆっくりと添加した。得られた高粘度混合物を2L反応器に移し、温度を約45℃に上昇させることによって凝集を開始させた。粒径が7.2μmに達したとき、2つの非結晶性ポリエステル(それぞれ107.2グラム)を含むエマルションをpH4.5に酸性化した後に添加して、粒子上にシェルを形成し、粒子を約8.5μmまで成長させ続けた。EDTA及び水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、粒子を凍結させた。反応温度を上昇させ、約84℃で合体を開始させた。粒子の円形度が0.965±0.005に達した時点で加熱を停止した。温度を40℃未満に下げることによって粒子スラリーをクエンチし、次いで20μmのふるいで篩分けし、真空下で濾過した。得られた粒子を脱イオン水で洗浄し、乾燥させた。
実施例8
【0108】
FP49、M添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例2のFP49、Mエマルションを使用したことを除いて、実施例7と同様に蛍光トナー粒子を調製した。
実施例9
【0109】
FP49、Q-Optic添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例3のFP49、Q-Opticエマルションを使用したことを除いて、実施例7と同様に蛍光トナー粒子を調製した。
実施例10
【0110】
FP1490、O-Optic添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例4のFP1490、O-Opticエマルションを使用したことを除いて、実施例7と同様に蛍光トナー粒子を調製した。
実施例11
【0111】
FB Blue添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例5のF0149、ブルーエマルションを使用したことを除いて、実施例8と同様に蛍光トナー粒子を調製した。
実施例12
【0112】
FG、Green添加エマルションを用いた蛍光トナー粒子の調製。実施例6のFG、Greenエマルションを使用したことを除いて、実施例8と同様に蛍光トナー粒子を調製した。
【0113】
耐光性調査
【0114】
Xerox(登録商標)iGen(登録商標)及び異なる蛍光トナーを使用して印刷された一連の画像は、Atlas CPS+Suntest(登録商標)装置を使用して試験した耐光性であった。試験した蛍光色のトナーは以下の通りであった。
【0115】
FY-O、Optic Yellow、実施例7。
【0116】
FP49-M、実施例8。
【0117】
FP49-O、Optic、実施例9。
【0118】
FP149-O、Optic、実施例10。
【0119】
FB、Blue、実施例11。
【0120】
FG、Green、実施例12。
【0121】
実施形態では、本明細書での印刷センサは、蛍光トナーを基材上に印刷してベタ塗り画像を形成することによって調整され、その画像の隣に、日光曝露スケールが、蛍光トナーが漸進的に退色するその色をシミュレートする通常の着色トナーで印刷される。印刷されたスケールは、太陽光に対して頑強である。印刷スケールは、無視できるほど退色しないか、又はそのような最小限の退色を有する。蛍光トナーが印刷されたセンサ部分は、直射日光に曝露されたときに変色する。日光曝露レベルは、蛍光トナー画像の退色量をスケールと比較することによって容易に見出される。実施形態では、スケールは、アリゾナの日中の割合に相関する漸進的退色を示す0~8で番号付けされる。印刷スケールは、
図5及び
図6に示されるように、日光曝露の完全な範囲でより細かくすることができる。
【0122】
紙基材上にベタ塗り画像を含むカラー印刷を、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)を用いて、実施例7~12の蛍光色トナーのそれぞれを用いて調製した。
【0123】
印刷された画像は、Atlas CPS+Suntest(登録商標)装置を使用して試験した。試験条件に続いて、G155モードで240分(4時間)の曝露を行った。曝露15分ごとに色Labをサンプリングした。
【0124】
表1は、再設定試験G155及び4892-1の条件を示す。
【表1】
【0125】
E W/m2=平方メートル当たりのワットとして測定される放射照度(E)
【0126】
BST-黒色標準温度。
【0127】
図4は、0、120、及び240分の曝露時間下での、トナー実施例7、8、9、10及び12で調製された蛍光印刷の色変化を示している。
【0128】
異なる色印刷物での日光曝露の完全な範囲を、
図5及び
図6に示す。
図5では、最上段、FY-O、Optic Yellow、トナー実施例7で作製されたトナー印刷物の分解パッチが示されている。
図5下段には、日光に退色しない通常の顔料CMYKトナーで作製されたトナー印刷物の非劣化パッチ(下段)が示されている。
【0129】
図6は、センサを構築するために使用することができる3つの異なるトナー配合物を示している。
図6では、実施例7の光学黄色トナーの印刷パッチが、G155モードのAtlas CPS+Suntestに従って0~240分の曝露で示されている。
図6中段には、実施例8の色トナーの印刷されたパッチが、0~240分の曝露で示されている。
図6では、下段、実施例10の色トナーの印刷されたパッチが、0~240分の曝露で示されている。
【0130】
図7は、実施例10のトナーで調製された蛍光オレンジトナー印刷物の色変化に関連する曝露時間を、アリゾナの日中の割合に相関させて示している。
【0131】
図8は、実施例10の蛍光トナー、及び通常のトナー、Xerox(登録商標)CMYKトナーで印刷されたスケールで調製された日光曝露センサを示している。実施例10の蛍光トナーを使用して、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)を用いて、検知ストリップを基材に印刷した。蛍光トナーストリップに隣接して、蛍光Xerox(登録商標)トナーを用いてスケールを印刷した。このスケールは、増加する曝露を示すように連続する番号付けされた退色度の円0~8の画像を含み、0は最も少ない曝露であり、8は最も多い曝露を示す。矢印によって示されるように、1回のアリゾナの日中と同等の日光曝露の後、センサストリップは色を変えて、日光曝露量を示す退色したスケール色と一致する。
【0132】
したがって、蛍光トナー印刷物に基づいて、単回使用の使い捨て日光曝露センサが提供される。センサは、色の変化を示す日光曝露スケールを有する。センサは、日光曝露をアリゾナの日中に相関させることができる。センサは、単純であり、使いやすく、安価である。日光曝露センサ全体は、シングルパス印刷ジョブで印刷することができ、印刷機の特徴及び利点の全てを、多くのメディアタイプの能力から様々な仕上げ動作に利用することができる。現在利用可能な使い捨てセンサと比較して、本発明のセンサは、より単純な材料で調製され、天候及び擦過に対して頑強に作製することができる。
【0133】
様々な上記で開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましく組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、様々な現在予期されない、又は先行例のない代替、修正、変形、又は改善が、当業者によって行われてもよく、これらはまた、以下の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図されている。特許請求の範囲に具体的に列挙されない限り、特許請求の範囲の工程又は構成要素は、本明細書又は任意の他の特許請求の範囲から、いかなる特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、又は材料に関して、暗示又は意味されるべきではない。