(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091142
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】文書作成支援装置、文書作成支援方法、並びに文書作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/174 20200101AFI20220613BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20220613BHJP
【FI】
G06F40/174
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198094
(22)【出願日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2020203703
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519393576
【氏名又は名称】株式会社エヌ・エス・ディ
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】原田 忠則
【テーマコード(参考)】
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B109NA04
5B109ND02
5B109TB03
5L049CC32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工程履歴記録を含んだ文書作成支援をすることが可能な文書作成支援装置、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】文書作成支援装置として機能するサーバ101は、先ず操作者に、工程履歴特定操作促進部108により、工程履歴管理部105に登録された工程履歴記録から文書作成の対象となる工程履歴を選択させ、次に特定された工程履歴に割当てられた複数の文書テンプレートから唯一に選択させた上で、これに記録された置換指示語を鍵として、置換指示語・置換情報対応記録部114から置換語生成指示情報を取り出し、この指示に従って置換対象対応履歴情報取得部115で工程履歴を取得して置換語を決定し、最後に文書テンプレート置換部116によって、文書テンプレート中の置換指示語を決定した置換語で置き換えて最終文書を作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の標準工程からなる工程の進捗を記録する工程履歴管理部を具備する工程管理装置から工程履歴情報を取得するとともに、該工程管理装置が記録した工程履歴情報に基づいて該工程履歴に関する文書を作成する文書作成支援装置であって、
少なくともひとつの置換指示語を含む文書テンプレートを、複数記録しうる文書テンプレート記録部と、
ひとつの標準工程と少なくともひとつの文書テンプレートとを関連付ける標準工程・文書テンプレート対応記録部と、
工程履歴情報のうちから特定の工程履歴情報の特定を操作者に促す工程履歴特定操作促進部と、
工程履歴特定操作促進部により促されて入力された工程履歴の特定情報を受ける工程履歴特定情報入力部と、
該工程履歴特定情報入力部により特定された工程履歴を標準工程として該標準工程・文書テンプレート対応記録部に記録された文書テンプレート対応から操作者にひとつの選択を促す文書テンプレート選択促進部と、
該文書テンプレート選択促進部により促されて入力された文書テンプレートの選択情報を受ける文書テンプレート選択情報入力部と、
該文書テンプレート選択情報入力部において受けた文書テンプレート選択情報に基づいて該文書テンプレート記録部から文書テンプレートを取り出す文書テンプレート取得部と、
文書テンプレートに含まれる置換指示語を抽出する置換指示語抽出部と、
置換指示語と工程履歴情報との対応を記録する置換指示語・置換情報対応記録部と、
該文書テンプレート選択情報入力部において受けた文書テンプレート選択情報に基づいて選択された文書テンプレートについて、置換指示語・置換情報対応記録部の記憶を用いて読み出した文書テンプレートに含まれる置換指示語に対応した工程履歴を上記工程履歴管理部から取得する置換対象対応履歴情報取得部と、
該置換対象対応履歴情報取得部で取得した工程履歴情報に基づいて、該置換指示語抽出部により抽出した置換指示語を置換する文書テンプレート置換部と、
を具備することを特徴とする文書作成支援装置。
【請求項2】
更に、任意の文字よりなる置換語の入力を操作者に促す任意置換語入力促進部と、
該任意置換語入力促進部によって促されて入力された任意置換語を受ける任意置換語入力部と、
を具備し、
前記文書テンプレート置換部は、置換の際に置換指示語に対応する履歴情報があるときには当該履歴情報に基づく置換語で、置換指示語に対応する履歴情報がないときには該任意置換語入力部で入力した置換語で、置換指示語を置換すること、
を特徴とする請求項1に記載の文書作成支援装置。
【請求項3】
更に、文書テンプレートから抽出した置換指示語が予め定めた置換指示語である場合には該置換指示語に従って前記工程履歴情報に対して演算を行う置換語演算部、を具備するとともに、
前記文書テンプレート置換部は、該置換語演算部で演算した結果を置換語とすること、
を特徴とする請求項1に記載の文書作成支援装置。
【請求項4】
更に、文書テンプレートから抽出した置換指示語に付随する付随演算情報に従って演算を行う置換語演算部を具備するとともに、
前記文書テンプレート置換部は、該置換語演算部で演算した結果を置換語とすること、
を特徴とする請求項1に記載の文書作成支援装置。
【請求項5】
更に、操作者に対して前記標準工程・文書テンプレート対応記録部に関連付ける情報の入力を促すにあたり、操作者に文書テンプレートを特定する文書テンプレート特定情報と、標準工程の全てをリストとともに各標準工程の選択を促す標準工程対応入力促進情報とを示し、該標準工程対応入力促進情報に従って入力された文書テンプレート・標準工程対応情報に基づいて前記標準工程・文書テンプレート対応記録部に標準工程・文書テンプレート対応情報を記録させる、標準工程・文書テンプレート対応操作制御部を具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の文書作成支援装置。
【請求項6】
前記標準工程・文書テンプレート対応操作制御部は、更に前記標準工程対応入力促進情報に、複数の標準工程で共通して前記文書テンプレートを関連付ける標準工程共通対応入力促進情報を含め、
上記文書テンプレート選択促進部は、標準工程共通対応入力促進情報が記録された文書テンプレートをいずれの標準工程が選択されても常に選択候補に含めて選択を促すこと、
を特徴とする請求項5に記載の文書作成支援装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の文書作成支援装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた複数の標準工程を含んで構成される業務の中で、特定の工程に関して求められる文書の作成を支援する文書作成支援装置等に係る。
【0002】
詳しくは、
(1) 工程履歴記録データベースに記録された工程履歴のうちから特定の工程履歴情報を操作者に特定させ、
(2) 当該特定された工程履歴にあたる標準工程を特定し、
(3) 特定した標準工程に予め紐づけられた文書テンプレートを特定し、または特定した標準工程に予め紐づけられた複数の文書テンプレートのうちのひとつを操作者に特定させ、
(4) 特定した若しくは特定された文書テンプレートに記録された置換項目記述(置換指示語)をどのように置換するか指示する指示情報を置換指示語・置換情報対応記録部から取り出し、
(5) (4)で取り出した置換情報の指示に従って工程履歴記録から履歴情報を取り出す等の処理をするとともに、
(6) (3)で特定した文書テンプレートの当該置換項目記述の部位を(5)の情報で置換して、
(7) 当該工程履歴に係る文書を作成する、
文書作成支援装置等に関するものである。
【0003】
言い換えれば、工程履歴記録を含んだ文書作成支援をするにあたり、工程履歴、文書テンプレートの順に絞込むことで目的の文書テンプレート選択の効率化を図るとともに、置換指示語・置換情報対応記録部を介して工程履歴にアクセスすることで工程履歴記録に対するセキュリティの維持を図った文書作成支援装置を提供するものである。
【背景技術】
【0004】
たとえば、特許出願・実用新案登録出願・意匠登録出願・商標登録出願などの行政手続や、民事訴訟・刑事訴訟・破産手続などの司法手続について、具体的な個々の手続き内容には違いがあるものの、手続きの種類や順序(工程進捗)は概ね確定している。
【0005】
この際、手続を代理する者若しくは代行する者は、委任した若しくは請け負わせた者に都度報告をすることが求められる。このような場面にあって、自動化に着手していない場合には、過去に作成した文書を下書きに用い、個別の事案で異なるところを書き直し、新たな文書を作成するような作業が行われることが多い。
【0006】
また、自動化がされている場合であっても、マイクロソフト コーポレイション社製のWORD(商標)、同社製EXCEL(登録商標)、同社製POWERPOINT(登録商標)など、文書等作成手段が備えるマクロ機能を用い、置換対象語を予め定めた文書テンプレートに対し、置換語を指定し置換することで新たな文書を作成するような作業が行われることが多い。
【0007】
付言するに、複数の工程からなる業務であって、予め定められる工程において文書を作成しなければならないものは上記法的手続きに留まらず、広く社会活動に散在する。たとえば多品種少量生産を行う製造現場では、一品種に限った生産手順は決められているものの、各品種については異なる手順で作業工程を進めることになる。そのような場面では、各品種各工程において品質報告書を作成するような要請が散見される。
【0008】
このような場面にあって使用する文書作成支援技術については、それぞれの事情に対応した提案がある。
【0009】
たとえば、特許文献1のような提案がある。特許文献1には、作業計画を基にして、作業データを手作業で入力することなく農作業報告書が作成されるシステムが記載されている。
【0010】
また、特許文献2のような提案がある。特許文献2には、「システム関連情報モニタリング方法およびその装置、並びに集計処理装置および閲覧用端末装置、並びにプログラム」が開示されており、ここには報告書作成処理手段が設けられ、詳細情報記憶手段を構成する登録用データベース等に記憶された詳細情報および/または集計結果記憶手段である集計用データベースに記憶された集計情報に基づき、報告書またはその添付書類を作成する手段として説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2014-071709号公報
【特許文献2】特開2002-358396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
確かに、いずれの文献にも、工程履歴などを記録したデータベースを参照して、報告書を作成する点は記載されている。
【0013】
しかし、前述のような場面でひとつの業務が多くの工程を積み上げて達成され、かつ用意された文書が数多くある場合には、いずれの種類の文書を作成するのかという選択自体が困難になる。また、工程毎に作成する文書の種類が特定されていたとしても、一の種類の文書自体を頻繁にカスタマイズしたいときには、単純にテンプレートを変更したとしても、データベースの記録内容と関連付けた項目を修正する必要がある。
【0014】
このようなシステム実装の場面にあって、どのような処理手順を採ればよいのかについては、統合的な示唆はされていない。すなわち、多くの工程履歴によって構成される業務にあって、文書を作成するにあたり、文書テンプレートの内容変更が容易で、しかも文書テンプレートの選択が容易な文書作成支援装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1. 課題を解決するための手段の概要)
本発明は、上記課題の解決を試みるものであって、その目的とするところは、その要部に、工程履歴特定情報入力部、置換指示語・置換情報対応記録部、置換対象対応履歴情報取得部、並びに文書テンプレート置換部とを備えることで、文書テンプレート選択と文書テンプレート変更とが容易な文書作成支援装置を提供することにある。
【0016】
(2. 本願において用いる文言の定義)
課題を解決するための手段を説明するに先立ち、説明の便宜上、本願(明細書、特許請求の範囲、図面)において用いる文言の定義を示す。
【0017】
「業務」とは、特定の目的に向けて達成される行為の総体である。遂行する主体は、人間であるかロボットであるかを問わない。
【0018】
「工程」とは、ひとつの業務を遂行するために構成するひとつひとつの独立した処理をいう。ひとつの業務はひとつ以上の工程をもって遂行される。
【0019】
「標準工程」とは、ひとつの業務類型について、その業務を完遂するためにこれを構成する、予め定められた、ひとつひとつの独立した工程をいう。即ち、同一の業務類型に含まれれば別の業務であっても共通に行われると想定されている工程といえる。例えば、「発明内容取材」に始まり、「特許証受領のお知らせ」若しくは「拒絶査定謄本受領のお知らせ」を含む「特許出願手続」業務を例に採ると、同じ特許出願手続業務に属する個別出願手続案件夫々の工程として共通に行われる「発明内容取材」や「特許出願」などは、「標準工程」に当たる。
【0020】
「置換指示語」とは、文書テンプレートに含まれる文字列のうち、作成された文書では他の文字列に置き換えられることを示すものをいう。
【0021】
「置換語」とは、文書テンプレートに含まれる置換指示語の部位を置き換える文字列をいう。たとえば、文書テンプレートが「AAABBBCCC」である場合であって、置換指示語を「BBB」、置換語を「DDD」とする場合には、結果として作成される文書では「AAADDDCCC」となる。
【0022】
「置換情報」とは、置換語となる文字列の求め方を示す情報をいう。即ち、置換情報は「置換語」の上位概念であって、単に置換語そのものとしてもよいし、具体的な文字列を求めるための演算情報を含んでもよい。
【0023】
「対応置換情報」とは、特定の置換指示語に対応付けられた置換情報のことをいう。
【0024】
「付随演算情報」とは、置換指示語に一定の位置関係を保って記述された文字列であって、置換語を決定するにあたり所定の演算を要するものをいう。
【0025】
(3. 課題を解決するための手段の説明)
次に、課題を解決するための手段について説明する。
【0026】
(3.1. 請求項1に記載の発明について)
請求項1に係る発明は、工程履歴記録データベースが記録した工程履歴情報に基づいて当該工程履歴に関する文書を作成する文書作成支援装置に係る。そして、文書テンプレート記録部、標準工程・文書テンプレート対応記録部、工程履歴特定操作促進部、工程履歴特定情報入力部、文書テンプレート選択促進部、文書テンプレート選択情報入力部、文書テンプレート取得部、置換指示語抽出部、置換指示語・置換情報対応記録部、置換対象対応履歴情報取得部、文書テンプレート置換部、を具備する。
【0027】
工程履歴情報は、複数の標準工程履歴からなる工程の進捗に係る情報であるとともに、工程履歴情報はいずれの標準工程に該当するのかという標準工程との対応がつけられるものである。すなわち工程履歴情報は、時系列に複数の標準工程を処理して達成される業務について、ひとつの具体的な業務について、少なくともこれを構成するひとつひとつの標準工程が何時行われたか、また、どの標準工程がまだ行われていないかを参照して把握できるものとなっている。
【0028】
文書テンプレート記録部は、複数の異なる文書テンプレートを記録できる。文書テンプレートは、少なくともひとつの置換指示語を含むことができる文書データであって、この置換指示語が後述する文書テンプレート置換部において他のデータに置き換えられることになるものである。
【0029】
標準工程・文書テンプレート対応記録部は、工程履歴情報と対応づけられるひとつの標準工程と、上記文書テンプレート記録部に記録された文書テンプレートと、を関連付ける、標準工程・文書テンプレート対応情報を記録する。すなわち、業務類型を特定し、かつこれを構成する標準工程が特定されれば、その標準工程に関連する文書テンプレートがどれであるのかを抽出し、これを特定できるようになっている。ここで、一の標準工程が特定されたときに、これに対応付けられた文書テンプレートの数は、一であっても複数であっても構わない。勿論、全ての標準工程に少なくともひとつの文書テンプレートが対応付けられなければならないわけではなく、文書テンプレートとの対応がない標準工程の存在も許容する。
【0030】
工程履歴特定操作促進部は、一の工程履歴情報を特定させるように、操作者に促すようになっている。
【0031】
工程履歴特定情報入力部は、上記工程履歴特定操作促進部により一の工程履歴情報の特定を促された結果として操作者が入力した工程履歴の特定情報を、受けとるようになっている。
【0032】
文書テンプレート選択促進部は、上記工程履歴特定情報入力部が入力した工程履歴特定情報から一の工程履歴を特定するとともに、その工程履歴が属する標準工程を特定する。一方、上記文書テンプレート対応記録部に記録された、標準工程・文書テンプレート対応情報に基づいて、特定した標準工程に対応した文書テンプレート候補を抽出、このなかから操作者にひとつ文書テンプレートを選択させるように促すようになっている。
【0033】
文書テンプレート選択情報入力部は、上記文書テンプレート選択促進部により促されて操作者が入力した文書テンプレート特定情報を受けとるようになっている。
【0034】
文書テンプレート取得部は、上記文書テンプレート選択情報入力部において受けた文書テンプレート選択情報に基づいて、上記文書テンプレート記録部から文書テンプレートを取り出すようになっている。
【0035】
置換指示語抽出部は、上記文書テンプレートに含まれる置換指示語を抽出するようになっている。
【0036】
置換指示語・置換情報対応記録部は、置換指示語と標準工程履歴とを関連付ける、置換指示語・標準工程対応情報を記録するようになっている。すなわち、置換指示語が特定されれば、これが参照される標準工程がどの標準工程を指し示すのかを抽出できるようになっている。ここで対応づけられる標準工程について、その置換指示語を含んでいる文書テンプレートとその標準工程との関係は、上記標準工程・文書テンプレート対応記録部が記録する標準工程・文書テンプレート対応情報と一致しているかどうかを問わない。
【0037】
置換対象対応履歴情報取得部は、上記文書テンプレート選択情報入力部において受けた文書テンプレート選択情報に基づいて選択された文書テンプレートについて、置換指示語・置換情報対応記録部の記憶を用いて読み出した文書テンプレートに含まれる置換指示語に対応した工程履歴情報を取得するようになっている。
【0038】
文書テンプレート置換部は、上記置換対象対応履歴情報取得部で取得した工程履歴情報に基づいて、文書テンプレートに含まれている置換指示語を置換することができるようになっている。
【0039】
(3.2. 請求項2に記載の発明について)
請求項2に記載の発明は、更に、任意置換語入力促進部と、任意置換語入力部とを備え、文書テンプレートを用いた文書作成の際に、細かい事情を取り入れることができ、さらに柔軟性のある文書作成支援をすることができるようにしたものである。
【0040】
任意置換語入力促進部は、文書テンプレートに含まれる置換指示語に対応して置換する置換文字の入力を操作者に促すようになっている。
【0041】
任意置換語入力部は、上記任意置換語入力促進部によって促されて操作者より入力された任意置換語を受けるようになっている。
【0042】
また、前記文書テンプレート置換部は、置換の際に置換指示語に対応する履歴情報があるときには当該履歴情報に基づく置換語で、置換指示語に対応する履歴情報がないときには該任意置換語入力部が受けた任意置換語で、置換指示語を置換することができるようになっている。
【0043】
(3.3. 請求項3に記載の発明について)
請求項3に記載の発明は、更に置換語演算部を備えることで、置換指示語・置換情報対応記録部に記録をせずとも文書テンプレート中での演算指示によって置換語の微調整をすることができる。即ち、個々の具体的な業務について、文書中で伝えるべき期日など時間的内容を含む文書の作成を容易にすることができ、柔軟性をもった文書作成支援装置を提供するものである。これは即ち、置換指示語・置換情報対応記録部での記録内容を簡易なものとすることができることを意味し、この記録を設定する際のミス発生を低減することができるようになる。
【0044】
ここで、置換語演算部は、工程履歴情報を基礎として演算を行う。その演算内容は、文書テンプレートから抽出した置換指示語が予め定めた置換指示語である場合に、その置換情報に依って予め決められたものとする。
【0045】
また、上記文書テンプレート置換部は、該置換語演算部で演算した結果を置換語とするようになっている。
【0046】
(3.4. 請求項4に記載の発明について)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の文書作成支援装置と同様に置換語演算部を具備する。置換指示語には演算の内容を規定する付随情報の付加を許したうえで、この付随情報に従って、この置換語演算部に演算をさせるようにしたものである。
【0047】
また、上記文書テンプレート置換部は、該置換語演算部で演算した結果を置換語とするようになっている。
【0048】
(3.5. 請求項5に記載の発明について)
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の文書作成支援装置について、更に、標準工程・文書テンプレート対応操作制御部を具備する。
【0049】
標準工程・文書テンプレート対応操作制御部は、本装置の操作により入力された文書テンプレート・標準工程対応情報に基づいて前記標準工程・文書テンプレート対応記録部に標準工程・文書テンプレート対応情報を記録させる。この際、以下の順で操作のガイド並びに制御を行うことになる。
【0050】
a. 前記標準工程・文書テンプレート対応記録部に関連付ける情報の入力を促す。この際、操作者に文書テンプレートを特定する文書テンプレート特定情報と、標準工程対応入力促進情報と、を示す。ここで、標準工程対応入力促進情報とは、標準工程の全てをリストとともに各標準工程の選択を促す情報である。もっとも、全ての標準工程をリストで示すにあたり、一度に全標準工程を示すのではなく、全標準工程を分割して、その一部を選択的に示すことも含む趣旨である。
【0051】
b. 次に、該標準工程対応入力促進情報に促されてされた操作に起因して生じた文書テンプレート・標準工程対応情報を入力する。
【0052】
c. 次に、入力された文書テンプレート・標準工程対応情報に基づいて前記標準工程・文書テンプレート対応記録部に前記標準工程・文書テンプレート対応情報を記録させる。
【0053】
即ち、標準工程・文書テンプレート対応操作制御部は、特に上記a.の標準工程対応入力促進情報を示すことで、ひとつの文書テンプレートが複数の標準工程と紐づけることを直感的に操作者に認識させるとともに、リストを構成する要素である個別の「標準工程」の複数個を任意に選択できるように作用する。
【0054】
(3.6. 請求項6に記載の発明について)
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の文書作成支援装置における前記標準工程・文書テンプレート対応操作制御部は、更に前記標準工程対応入力促進情報に、複数の標準工程で共通して前記文書テンプレートを関連付ける標準工程共通対応入力促進情報を含めるようになっている。
【0055】
加えて、前記文書テンプレート選択促進部は、いずれの標準工程が選択されても標準工程共通対応入力促進情報が関連付けられた記録された文書テンプレートを常に選択候補に含めるようになっている。これにより、一の標準工程が個別に関連付けられた文書テンプレートの他に、標準工程共通対応入力促進情報が記録された文書テンプレートも併せて選択を促すように作用する。
【0056】
(3.7. 請求項7に記載の発明について)
請求項7に記載の発明は、コンピュータを、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の文書作成支援装置として機能させるためのプログラムに係るものである。
【0057】
以上に述べた各請求項について、可読容易性を図るため。従属関係を表にまとめる。表では矢印が従属元と従属先との関係を表している。
【表1】
【発明の効果】
【0058】
(1. 各請求項に記載の発明に共通する効果)
本願記載の発明は、いずれも多くの標準工程がある業務であり、かつ多くの標準工程で文書を作成する必要がある場合に直観的にしかも迅速に文書テンプレートを選択でき、かつ作成する文書内容のミスの低減を図ることができる。
【0059】
また、置換指示語・置換情報対応記録部に記録された置換指示語を置換の対象として工程履歴情報を取得することが、直接に文書テンプレートから工程履歴情報にアクセスさせることを妨げている。よって、工程履歴情報を構成する要素のうち文書での開示が望まれない情報を含む場合でも、置換指示語・置換情報対応記録部での記録がない限り、そのフィールドデータを誤って漏洩させることもなく、データセキュリティの維持を図ることができる。
【0060】
これらの効果は、工程管理装置の同じ工程履歴情報管理部で管理する工程履歴情報をアクセスすることで達成する相乗効果といえるものである。
【0061】
(2. 請求項2に記載の発明の効果)
請求項2に記載の発明によれば、置換指示語・置換情報対応記録部に記録されていない置換指示語を文書テンプレートに含めることができ、その置換指示語に対しては文書作成のときに指定した任意の置換語で置換することができる。このため、幅の広い文書テンプレートを作成することができることは勿論、同じ業務類型の業務について個々の事案に、より相応しい文書を作成することができるようになる。
【0062】
(3. 請求項3に記載の発明の効果)
請求項3に記載の発明によれば、置換語演算部において、工程履歴情報に基づいて予め決められた演算ができるので、所定の標準工程の実行時から一定期間を経過した日時などを具体的に適示した文書を作成することができることは勿論、個々の文書テンプレートにその期間を指定することができるようになるので、より柔軟性ある文書の作成を支援できるようになる。
【0063】
(4. 請求項4に記載の発明の効果)
請求項4に記載の発明によれば、置換語演算において、工程履歴情報に基づいた演算ができるのに加え、付随演算情報によって自由な演算内容を追加することができるので、文書テンプレートが直感的な表現となる。これにより、所定の標準工程の実行時から一定期間を経過した日時などを具体的に適示した文書を作成することは勿論、より柔軟性ある文書の作成を支援できるようになる。
【0064】
(5. 請求項5に記載の発明の効果)
請求項5に記載に発明によれば、複数の標準工程で使用する文書テンプレートファイルについて標準工程と関連付ける操作において、直感に訴える操作感が得られるのは勿論、文書テンプレートファイルを更新する際、ひとつの文書テンプレートファイルを更新するだけで、これと紐づけられた多くの標準工程において作成を支援する文書テンプレートを統合的に更新することについても直感に訴えるので、全体の操作性・管理の容易性が向上する。
【0065】
(6. 請求項6に記載の発明の効果)
請求項6に記載に発明によれば、一の文書テンプレートが多くの標準工程において汎用的に用いられるものである場合に、多くの標準工程について関連付ける操作が不要となり、文書管理の容易性を担保することができるようになる。
【0066】
(7. 請求項7に記載の発明の効果)
請求項7に記載に発明によれば、汎用コンピュータ/汎用サーバを、文書作成支援装置として機能させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る構成図である。
【
図2】
図2は、工程を特定させるための検索入力促進画面例図である。
【
図3】
図3は、工程を唯一に特定させるための検索結果選択画面例図である。
【
図4】
図4は、特定した工程の内容を確認するための特定工程確認画面例図である。
【
図5】
図5は、特定した工程に関連した工程履歴特定促進画面例図である。
【
図6】
図6は、特定した工程履歴に対応した文書テンプレート選択促進画面例図である。
【
図7】
図7は、選択した文書テンプレートに関する置換内容修正画面例図である。
【
図8】
図8は、標準工程・文書テンプレート対応記録部の記録内容例図である。
【
図9】
図9は、置換指示語・置換情報対応記録部の記録内容例図である。
【
図10】
図10は、文書テンプレートから文書を作成するまでの構成・データーフロー説明図である。
【
図12】
図12は、第3の実施の形態における、文書テンプレートから文書を作成するまでの構成・データーフロー説明図である。
【
図13】
図13は、置換指示語・置換情報対応記録部におけるテーブル構成例図である。
【
図14】
図14は、標準工程指定レコードと文書テンプレート指定レコードとの対応付けでありうる関係を示した関係説明図である。
【
図15】
図15は、標準工程・文書テンプレート対応記録部における管理態様説明図である。
【
図16】
図16は、
図15は、標準工程・文書テンプレート対応記録部における管理テーブル基本構成図である。
【
図17】
図17は、文書テンプレートを特定した直後に、既登録標準工程対応付けをする操作者に示す操作画面例図である。
【
図18】
図18は、文書テンプレートを特定した後に表示される既登録標準工程表示例図である。
【
図19】
図19は、文書テンプレートを特定した後に業務類型を選択させ、更にその後に標準工程対応の特定を操作者に促す操作画面例図である。
【
図20】
図20は、文書テンプレートを特定した後に、拡張業務類型とともに業務類型を選択させ、更にその後に標準工程対応の特定を操作者に促す操作画面例図である。
【
図21】
図21は、文書テンプレートを階層化したディレクトリでファイルを把握するシステムで管理する場合のディレクトリとファイルの配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本願実施の形態については、以下の目次に従って説明する。
―――――― 目次 ――――――
(1. 図面と符号の表記について)
(2. 第1の実施の形態)
(2.1.第1の実施の形態の構成について)
[ユーザー端末(102)]
[通信路(103)]
[業務管理部(118)]
[業務特定操作促進部(119)]
[業務特定情報入力部(117)]
[工程履歴管理部(105)]
[標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)]
[工程履歴特定操作促進部(108)]
[工程履歴特定情報入力部(109)]
[文書テンプレート選択促進部(110)]
[文書テンプレート選択情報入力部(111)]
[文書テンプレート記録部(106)]
[文書テンプレート取得部(112)]
[置換指示語抽出部(113)]
・ 置換指示語について
[置換指示語・置換情報対応記録部(114)]
・ 置換語の指定について
・・ A. いずれの実装においても共通する事項の説明
・・ B. カラム位置に処理意義を付与する実装について
・・ C. 処理指定カラムに処理意義を付与する実装について
・ 記録態様について
[置換対象対応履歴情報取得部(115)]
[文書テンプレート置換部(116)]
(2.2.第1の実施の形態の動作について)
[事前の各種情報の登録]
[業務の特定]
[工程履歴の特定]
[文書テンプレート選択]
[置換処理]
(3. 第2の実施の形態)
(3.1. 第2の実施の形態の構成について)
[文書テンプレート取得部(1185)]
[置換指示語抽出部(1184)]
[置換対象対応履歴情報取得部(1181)]
[文書テンプレート置換部(1182)]
(3.2. 第2の実施の形態の動作について)
[事前の各種情報の登録]
[置換処理]
(4. 第3の実施の形態)
(4.1. 第3の実施の形態の構成について)
(4.2. 第3の実施の形態の動作について)
[事前の各種情報の登録]
[置換処理]
(5. 各実施の形態で実装した装置への文書テンプレートの登録)
(5.1. 文書テンプレートの登録上、検討すべき課題)
(5.2. 本実装に係る構成)
(5.3. 文書テンプレートと標準工程との紐付けについて)
(5.3.1. 紐付けをする機能の構成について)
[文書テンプレート管理テーブル(1682)]
[標準工程管理テーブル(1684)]
[標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)]
(5.3.2. 紐付けをするUIと動作について)
[UI設計の指針]
[文書テンプレートのアップロード]
[文書テンプレートリストの表示]
[文書テンプレートリストでの特定から操作エリア表示まで]
[標準工程関連付け操作エリアの表示と操作]
(操作対象ファイル表示エリア)
(割当済工程表示エリア)
(割当操作エリア)
(業務類型に拡張業務類型を伴う管理を行う場合の割当操作エリア)
(5.3.3. 全標準工程で共通して用いるテンプレートへの配慮)
(6. その他の変形例など)
(6.1. 他の置換対象対応履歴情報取得部への情報登録技法)
(6.2. 置換指示語抽出部の動作時期)
(6.3. 演算を行うことを指示する2つの場面)
(6.4. 「端末」について)
(7. 請求項と実施の形態との対応)
【0069】
―――――― 本文 ――――――
(1. 図面と符号の表記について)
以下の説明では同時に複数の図面を参照する便宜に資するため、図面中の符号中、下2 桁を除く先頭の数値が図面番号を表す表記を採っている。たとえば、「業務管理部(118)」ならば
図1、「業務管理部(1118)」ならば
図11を参照する説明となっている。
【0070】
(2. 第1の実施の形態)
第1の実施の形態について
図1乃至
図10を用いて説明する。
【0071】
(2.1.第1の実施の形態の構成について)
第1の実施の形態は、本願発明を所謂サーバ・クライアントモデルの形式で実装したものである。即ち、インターネット、LANその他の通信路(103)を介してユーザー端末(102)と、サーバ(101)とを接続し、ユーザー端末(102)から文書作成操作をする態様をとるものである。
【0072】
なお便宜上、本実施の形態に係る文書作成支援装置が支援する業務を、主として特許出願を代理する者が利用する特許出願業務として説明する。もちろん、工程管理が伴う業務の下で文書作成を扱うものであれば他の業務を扱う装置とすることができる。
【0073】
本実施の形態に係る文書作成支援装置はまた、工程履歴情報や業務管理情報について外部のデータベースを参照するのではなく、工程管理装置に本願発明に係る文書作成支援装置を統合したものとなっている。尤もこれは、工程管理装置と文書作成支援装置とを統合することができることを示すものであって、両者を一体にして実装しなればならないということではない。
【0074】
[ユーザー端末(102)]
ユーザー端末(102)は、図示しない表示デバイスと、操作者からの情報を受ける入力デバイスと、を具備し、通信路(103)に接続して特定のサーバとの間で通信ができるようになっている。勿論、この表示デバイスと力デバイスとは一体をなすタッチパネル様のものであってもよい。
【0075】
ユーザー端末(102)は、表示デバイス上で操作者に入力を促すメッセージを見せ、また、操作者が入力デバイスから入力した情報を表示指示情報において指定された宛先に送信することができるようになっている。なお、操作者に入力を促すメッセージ並びに宛先の指定は、通信路を介してサーバ(101)から得た表示指示情報に基づくのであっても、通信路を介さずに予め同端末内に記録されている情報に基づくのであっても構わない。表示指示情報としては、HTMLを用いても、JSON(JAVASCRIPT(登録商標) OBJECT NOTATION)形式でのデータ列によるものであっても構わない。
【0076】
[通信路(103)]
通信路(103)は、接続された情報装置間での通信を実現する媒体であって、無線によるものであっても有線によるものであっても構わない。また、ユーザー端末とサーバ(101)とを一体のコンピュータ内に実装するようにした場合には、通信路は仮想的なものとして、Operating System(以下、単に「OS」という。)に代用させることができる。
【0077】
[業務管理部(118)]
業務管理部(118)は、業務についての情報を記録し、問合せがあればその情報を読み出すようになっている。管理の仕方について、通常はリレーショナル・データベース(以下、単に「RDB」という。)を用いればよい。具体的には、レコード番号、個別の業務の名称、同様の標準工程をもつグループとしてまとめられる業務類型、個別業務について管理の開始時を表す業務登録日、この業務に関連する者、この業務に関連する組織、個別業務について連絡窓口となる者などについて、複数のテーブルのリレーションを採りつつ、管理すればよい。
【0078】
勿論、管理項目は必要なものに限ればよく、またひとつの項目が複数のデータを持つようなものであれば、複数のテーブルに分割し、これらテーブル間でリレーションを組めばよいことはRDBの原則通りである。また、ひとつのレコードには唯一のレコードIDをつけ、これを手掛かりとして後述する工程履歴管理部で記録するデータとの関連付けをすればよい。本段落で述べたこれらの実装手法は、工程履歴管理部(105)、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)、文書テンプレート記録部(106)などにデータベースを実装した場合にも同様である。
【0079】
[業務特定操作促進部(119)]
業務特定操作促進部(119)は、業務管理部(118)において記録されている個別の業務に関するデータについて、いずれの業務を選択するのかについての回答を求める問い合わせ情報をユーザー端末(102)に送出するようになっている。
【0080】
個別の業務を特定するにあたっては、業務管理部(118)に記録管理する複数個の業務データのうち、ひとつの業務に絞りこめるようにユーザー端末に働きかけるようにすればよく、ユーザー端末を操作する操作者はこれによりひとつの業務を特定できるようになる。このため、この働きかけは、操作者による一回の入力作業で特定できるようにするのであっても、複数段階に分けて特定できるようにするのであってもよい。したがって、キーワードなどを指定させる働きかけをしたあと、そのキーワードに合致する選択可能な量の業務データ集合を提示し、このなかからひとつの業務データを選択させるようにすることもできる。この場合、業務特定操作促進部(119)は業務管理部(118)にキーワードによる部分集合の作成を依頼し、その結果を受けてユーザー端末にその部分集合のなかから選択するように特定を促す表示指示情報を提示することになる。
【0081】
[業務特定情報入力部(117)]
業務特定情報入力部(117)は、操作者がユーザー端末(102)の入力デバイスからした業務を特定する指示を受けるようになっている。ここで受けた情報は業務管理部(118)で管理する一の業務を特定するものである。通常、これは業務特定操作促進部(119)の作用に基づいて操作者が意識的に特定した情報である。この特定情報によって特定された業務に属する工程履歴を、工程履歴管理部(1105)から取得できるようになるわけである。勿論、ここで確認等の必要があれば、業務管理部(118)に記録されている情報を参照するなどしてもよい。
【0082】
ここで受けた業務特定情報は、また、工程履歴管理部(105)で管理する多くの個々の工程履歴情報からひとつの特定の業務に関する工程履歴を抽出する鍵とすることができる。
【0083】
[工程履歴管理部(105)]
工程履歴管理部(105)は、工程履歴を記録し、問合せがあればその情報を読み出すようになっている。管理の仕方について、上記業務管理部と同じく、通常はRDBを用いればよい。具体的には、レコード番号、業務管理部で管理されているひとつの業務を特定するためのリレーション情報、工程履歴の名称、工程履歴のメモなどの付帯情報、どの標準工程にあたるのかを示す標準工程識別子、この工程履歴が登録された若しくは完了された日時情報、などを実装すればよい。
【0084】
ここで、標準工程識別子カラムを持たせているのは、業務が通常複数の標準工程からできていることに関連し、このレコードの示す具体的な工程の履歴が、いずれの標準工程に当たるのかを確定させることができるからである。よって、少なくとも必要な一の工程履歴がいずれの標準工程にあたるのかを特定できる仕組みを採るのであれば、本カラムは不要である。
【0085】
[標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)]
標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)は、標準工程毎に、その標準工程について作成する文書の基礎となる文書テンプレートとの対応を記録する。そして、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)に対して標準工程を特定して問い合わせを行うと、この標準工程で作成しうる文書について、ひな形となる文書テンプレートとして何があるのかを返すようになっている。
【0086】
なお、文書テンプレート保守に資するため、文書テンプレートを特定して問い合わせれば、対応する標準工程が何であるのかを返すこともできるようになっていることが望ましい。
【0087】
ここで、標準工程と文書テンプレートとの対応は、1:多、多:1、1:1、空、のいずれであっても構わない。
【0088】
より具体的には、オンメモリ/RDBなど記録技法が何であっても、
図8に示すように、少なくとも標準工程フィールド(852)、文書テンプレートフィールド(853)とを具備するレコード集合(851)として実装すればよい。
【0089】
ここで、送付状のように、全ての標準工程で作成する場合がある文書の場合には「共通」という標準工程で示せば足りる。もちろんすべての標準工程についてのレコードを作成してもよいが、その場合、特定の業務類型でこれを構成する標準工程に変更/追加/削除があったときにこれらのレコードの保守が必要になる。保守性なども考慮していずれを採るのかを選択すればよい。
【0090】
また、
図8中、標準工程のレコード中「特許:共通(854)」の表記があるが、これは複数の業務類型のなかで「特許」業務についてのすべての標準工程を意味するものである。このように業務類型を限った実装を採っても構わない。
【0091】
更に、ここでは標準工程について文字列を用いた実装例を示したが、勿論これらを識別子としても構わない。
【0092】
[工程履歴特定操作促進部(108)]
工程履歴特定操作促進部(108)は、工程履歴管理部(105)において記録されている個別の工程履歴に関するデータに基づいて、いずれの工程履歴を選択するのかについての回答を求める問い合わせ情報をユーザー端末(102)に送出するようになっている。
【0093】
個別の工程履歴を特定するにあたっては、工程履歴管理部(105)に記録管理する複数個の工程履歴データのうち、ひとつの工程履歴を絞りこめるようにユーザー端末に働きかけるようにすればよく、ユーザー端末を操作する操作者はこれによりひとつの工程履歴を特定できるようになる。このため、上記業務特定操作促進部における促し方と同じく、操作者による一回の入力作業で特定できるようにしても、複数段階に分けた操作で特定できるようにしてもよい。具体的には、キーワードなどを指定させる働きかけをしたあと、そのキーワードに合致する選択可能な量の工程履歴データ集合を提示し、このなかからひとつの工程履歴データを選択させるようにすることもできる。この場合、工程履歴特定操作促進部(108)は工程履歴管理部(105)にキーワードによる部分集合の作成を依頼し、その結果を受けてユーザー端末にその部分集合のなかから選択するように特定を促す表示指示情報を提示することになる。
【0094】
また、上記業務特定情報入力部(117)の支援をうけ、特定の業務が特定されたときには、その業務に関して記録された全工程履歴を工程履歴管理部(105)から読み出し、これをリストの形式でユーザー端末(102)上に表示させるようにするのであってもよい。
【0095】
[工程履歴特定情報入力部(109)]
工程履歴特定情報入力部(109)は、操作者が上記工程履歴特定操作促進部(108)の作用に促されてユーザー端末(102)の入力デバイスから入力した個別の工程履歴を特定する情報を受けるようになっている。ここで受けた情報は工程履歴管理部(105)で管理する一の工程履歴を特定するものである。通常、これは工程履歴特定操作促進部(108)の作用に基づいて操作者が意識的に特定した情報である。
【0096】
ここで受けた工程履歴特定情報は、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)、文書テンプレート選択促進部(110)が文書テンプレート記録部(106)で管理する多くの文書テンプレートからこの工程履歴に関する文書テンプレートを抽出するために用いる、ひとつの鍵とすることができる。
【0097】
[文書テンプレート選択促進部(110)]
文書テンプレート選択促進部(110)は、上記工程履歴特定情報入力部(109)が受けた工程履歴特定情報に基づいて特定された工程履歴を標準工程とし、これに対応する文書テンプレートの選択肢を標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)に照会する。そしてして当該標準工程に対応づけられた文書テンプレートがひとつあればこれを使った文章を作るのか、若しくは文書テンプレートが複数ある場合にはこれらのうちいずれを使って文章を作るのか、についてユーザー端末(102)にその問い合わせるため、問い合わせ表示指示情報を送出するようになっている。
【0098】
これにより、文書テンプレート記録部(106)に記録されている文書テンプレートが多数あっても、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)の記録によって選択しうる文書テンプレート選択肢を限定した数に減らすことができるので、操作者が視認によって選択することを容易にすることができるようになる。
【0099】
[文書テンプレート選択情報入力部(111)]
文書テンプレート選択情報入力部(111)は、上記文書テンプレート選択促進部(110)の作用により促された操作者がユーザー端末(102)に対して入力した文書テンプレートを特定する情報を受けるようになっている。
【0100】
[文書テンプレート記録部(106)]
文書テンプレート記録部(106)は、本装置の支援を受けて作成される文書のテンプレート自体を記録するようになっている。
【0101】
[文書テンプレート取得部(112)]
文書テンプレート取得部(112)は、文書テンプレート選択情報入力部(111)で受けた文書テンプレート特定情報に基づいて、文書テンプレート記録部から文書テンプレートを取り出し、文書テンプレート置換部(116)に送るようになっている。
【0102】
[置換指示語抽出部(113)]
置換指示語抽出部(113)は、文書テンプレートのデータを入力し、その内容を走査して置換指示語を抽出し、文書テンプレート中に登場する置換指示語の位置を検出するようになっている。
【0103】
・ 置換指示語について
ここで置換指示語について敷衍する。置換指示語は、通常の品詞の文字列そのものであってもよいが、通常の品詞からなる文字列を予め決められた特殊な文字で囲んだものとするのが望ましい。たとえば、「$(出願日)」のように一般的な品詞である名詞「出願日」を「$(」と「)」とで囲んで置換指示語とする。これにより後日に修正・追加の必要があるなど、様々なバリエーションに耐えられるようにすることができる。また、文書テンプレート自体を作成する者がその作成の際に容易に視認することができるようになる。
【0104】
また、特殊文字で囲まれた文字列は特別に取扱われるべきことを容易に置換指示語抽出部(113)に認識させることができるため、特殊文字で囲まれた文字列を単一の品詞の単語にするばかりでなく、更に特殊な文字列を組み合わせて置換対象とすることも容易になる。たとえば、「$(出願日:9日後)」として、出願日の9日後の日付でこの文字列を置き換えるべきことを本装置に認識させることができるようになる。即ち、単なる置き換えばかりでなく、文書テンプレート作成者の為の視認性を維持したままに、補助的な情報を付加して簡単な演算指示を含めた置換指示語とすることも容易になる。
【0105】
なお、演算指示について、本願ではいくつかの指示技法が混在するので、混乱防止のため、(5.3. 演算を行うことを指示する2つの場面)にこの点を整理して記載した。
【0106】
[置換指示語・置換情報対応記録部(114)]
置換指示語・置換情報対応記録部(114)は、文書テンプレートに埋め込まれた置換指示語とこれを置換する置換語との対応情報を記録するようになっている。置換には様々な類型が考えられ、設計上の選択肢となる。
【0107】
・ 置換語の指定について
置換語の例として、以下のようなものがありうる。
(置換語例1)その特定の業務に属する過去に登録した工程履歴情報のうち、メモ欄に書かれた事項の文字列
(置換語例2)その特定の業務に属する過去に登録した工程履歴情報であって、メモ欄に書かれた事項のうち、特に指定した文字列
(置換語例3)その特定の業務に属する過去に登録した特定の工程履歴情報の登録日時
(置換語例4)その特定の業務に属する過去に登録した特定の工程履歴情報の登録日時に一定の演算を行った日時
(置換語例5)文書を作成する時点で特に付加すべき事項に関する文字列
(置換語例6)その特定の業務についてメモ欄に書かれた事項
(置換語例7)その特定の業務についてメモ欄に書かれた事項のうち、特に指定した文字列
(置換語例8)その他、本装置とデータ交換をすることができるデータベースが有するテーブルの特定のフィールドに記録された文字列
【0108】
これらのうち(置換語例1)乃至(置換語例4)については、前記工程履歴管理部(105)に記録されたレコード内データからその文字列を決めることになる。
【0109】
(置換語例5)については、図示しない任意置換語入力促進部を設け、文書作成の際にユーザー端末(102)にその代替文字列の入力を促し、そこで入力された文字列で置き換えることにすればよい。
【0110】
また、(置換語例6)・(置換語例7)は、業務管理部(118)に記録されたレコード内データから置換語を決めることになる。
【0111】
(置換語例8)は、適宜他に増設した記録装置等に記録された情報からその文字列を決めるようにすればよい。
【0112】
いずれの置換をするのであっても、置換指示語・置換情報対応記録部(114)に置換指示語変換対応情報を記録させるにあたっては、作成/保守容易化の観点から、いわゆるスプレッドシートを介して行うことが望ましい。即ち、第1の列に置換指示語を、同一行の第2の列以降にその置換情報を配するスプレッドシートを作成し、これに記録媒体として置換指示語・置換情報対応記録部(114)に記録するようにするのが望ましい。
【0113】
また、スプレッドシートは例えばシステム管理者・業務マネージャーなどの記録権限保有者に限って登録できるようにするのが望ましい。
【0114】
ここで、「スプレッドシート」とは、情報単位ごとに独立し、二次元マス目状に情報単位を並べた状態で操作者が一瞥でき、情報単位毎にこれを編集可能とした情報の集合体をいう。スプレッドシートによって記述された情報単位の集合は、置換指示語・置換情報対応記録部(114)に記録される。置換指示語・置換情報対応記録部(114)としてRDBを用いずに、サーバ内部のメモリ内に展開し、選択肢もとりうることは勿論であるが、ここでは実装例として便宜上、RDBのテーブルにより記録される場面を想定し、
図13を用いて説明する。
【0115】
置換指示語置換情報について、上記(置換語例1)から(置換語例8)のように置換語には様々な種類のものを採りうるので、置換指示語・置換情報対応記録部に置換指示語変換情報を記録する場面においても、どのようにサーバに記録していくか、またどのようなフォーマットを採るのかを予め定めておくことが求められる。この例では、スプレッドシートに変換情報を担持させて置換指示語・置換情報対応記録部に記録させることになるが、スプレッドシートを作成するにあたっては、2つの技法がありうる。ひとつは、スプレッドシート上でのカラム位置によって置換語の種類を指定する技法、もうひとつはスプレッドシート上の特定の位置において置換語の種類を指定する技法である。それぞれについて、簡単に触れる。
【0116】
・・ A. いずれの実装においても共通する事項の説明
いずれの技法においても、スプレッドシートには「標準工程」と「置換語」乃至「置換情報」との対応を記録することになる。勿論、送付状のように全ての標準工程において使用することがあるもの等「標準工程」に特定の標準工程の指定が不要なもの、また一部「標準工程」と「置換語」との対応を採らないもの、等を含んでも構わない。
【0117】
「標準工程」は、業務ごとに異なるものであるから、一の標準工程を指定すると業務類型と標準工程との両者を指定したことになる。よって、標準工程を表す情報が異なる業務類型における他の標準工程と重複することがないのであれば、業務類型を明示的に指定する必要はなく標準工程のみを指定すればよい。また、異なる業務類型で同一の標準工程が存在するのであれば、業務類型を特定できないので、業務類型と標準工程との両者を指定するようにすればよい。
【0118】
・・ B. カラム位置に処理意義を付与する実装について
「標準工程」と「置換情報」との対応のうち、「標準工程」については上記のとおりである。カラム位置に処理意義を付与する実装では置換情報の意味をカラムの位置で決めることになる。
【0119】
置換語の種類を特定するためにカラム位置に処理意義を付与する実装について、
図13(a)を用いて説明する。この図は、特許出願業務において標準工程が出願の際に作成する文書テンプレートで使うことができる置換指示語として「出願日」「項数」を含ませる場合を示している。
【0120】
上述の通り本実装では、行方向にひとつの置換指示語に対する置換情報が、複数の列(すなわちカラム)に渡って分割して記録されている。そして列ごとに特定の意味付けがされている。即ち、各カラムは工程履歴記録部内での記録レコード・カラムを特定するTable名・Field名(1371)や、メモ欄からの抽出指示(1372)など、それぞれ意味付けがされている。これらに限らず、別の取り扱いをするべき置換語とする場合には、これらのコラムに続く別のコラム(1373)に記述していくことになる。
【0121】
たとえば置換指示語に「出願日」と記載されている行に着目すると、この行が記録する内容は、
・ 「特許出願」業務における「出願」工程の記録があったとき、
・ その工程について作成する文書テンプレート中に「出願日」と記載された置換指示語について、
・ 工程履歴管理部(105)中の当該工程履歴情報に関する「jHistory」テーブルの「registedAt」フィールドを日付型として取得して、これで置換すること、
を意味することとなる。
【0122】
また、置換指示語に「項数」と記載されている行に着目すると、この行が記録する内容は、
・ 「特許出願」業務における「出願」工程の記録があったとき、
・ その工程について作成する文書テンプレート中に「項数」と記載された置換指示語について、
・ その業務について、標準工程が「出願」にあたる工程履歴の登録日までに登録された全ての工程履歴のメモ欄を参照し、その中で置換指示語を伴って指定された記録を取り出して置換すること、を意味することとなっている。なお、置換指示語を伴った指定記録が複数の工程履歴に存在すれば、対象としている工程履歴に直近の工程履歴のもので代表させればよい。
【0123】
ここで、置換指示語で指定されたメモ欄等の記録の仕方については、たとえば、XML形式の記述を用いることができる。たとえば「<請求項数>4</請求項数>」の記述がメモフィールド中にあれば、タグで囲まれた「4」が置換語になる。勿論、XMLでの指定に限らず、他の表記で特定されているものであればよい。このようにすることで直近にした変更情報なども文書内に反映させることが可能となる。
【0124】
なお、この実装技法によれば、使用しない多くのカラムが生まれるが、それらには「null」など、予め指定がなかったとする情報乃至単なる空情報で埋めておけばよい。
【0125】
また、そのデータ型の指定(1374)を含めておくことが望ましい。本サーバプログラムが静的型付けを採る言語で記述されている場合には、これがあると置換元のデータから置換語に変換する演算が容易になる。またこれは、文書作成前に操作者に置換内容を確認する際、入力欄をどのようなユーザーインターフェース(以下、ユーザーインターフェースのことを単に「UI」と記す。)要素にするのかの選択でも利用できる。即ち、Dateの指定があればカレンダーを示してそこから日にちの選択を促したり、Textの指定があれば一行の文字列として入力を促したり、TextAreaの指定があれば複数行の文字列として入力を促したり、などと適切な確認修正画面を構成することができるようになる。
【0126】
・・ C. 処理指定カラムに処理意義を付与する実装について
次に、処理指定カラムに処理意義を付与する実装について、
図13(b)を用いて説明する。この実装でも「標準工程」と「置換情報」との対応のうち、「標準工程」については上記と同様である。
【0127】
他方、処理指定カラムに他カラムの文字列の処理意義を付与する実装では置換情報の指定は、処理指定カラムで記録した情報によって、その後段のカラムの意味を選択することになる。これはちょうど、CISC形式のCPUがコマンドバイトとこれに続く任意数のオペランドとを合わせてひとつのコマンドを形成するのに同様で、処理指定カラム(1375)がコマンドバイトとして機能する。そして、これに続くカラム(1376)がオペランドとして機能する。即ち、処理指定カラム(1375)は、置換語としてどのような内容(上記(置換語1)乃至(置換語8)等)にするのかを決めることが目的となる。また、それに続くオペランドカラムは、その処理内容をどのようにするかを更に補助的に特定するのが目的である。よって、オペランドカラムがどのような内容になるのかは処理指定カラム(1375)の内容によるのであって、その数は任意である。
【0128】
この技法によれば、置換指示語変換情報を記録する際に使用するスプレッドシートは横方向にコンパクトに済ませることができるため、編集の際の見通しが容易になる一方、処理内容の指定記述の意義が分かりにくくなるという、長所短所がある。
【0129】
・ 記録態様について
次に、置換指示語・置換情報対応記録部(114)における記録の実装例について、
図9を用いて説明する。これはのちに作成する文書における、操作者に置換指示語と具体的置換語とを確認させる際に認識容易とするため、置換指示語の読み替え表示とする確認表示文字列カラム(957)も併せて記録している例となっている。
【0130】
この例において、置換指示語・置換情報対応記録部(114)には、オンメモリ/RDBいずれの実装にかかわらず、置換指示語カラム(956)、確認の際の確認表示文字列カラム(957)、業務類型カラム(958)、置換語生成指示情報カラム(959)を含んだ置換指示語の置換情報対応レコード集合(955)が記録されている。置換語生成指示情報には前述(置換語例1)乃至(置換語例8)が含まれるような様々な種類の実装をすることができるが、このうち少なくともひとつの種類の置換語生成指示情報には、工程履歴情報を特定しうる情報が含まれている。
【0131】
置換指示語カラム(956)には、文書テンプレート中に含めることができ、かつ置換対象であることが意図される置換指示語が記録される。前述のように置換指示語を特殊文字で囲う場合、特殊文字を含んだ記録としても含まない記録としても構わない。これは単なる設計事項である。
【0132】
確認の際の確認表示文字列カラム(957)は、(2.2.第1の実施の形態の動作について)において触れるところの、文書作成に先立ってユーザー端末上に確認表示を行う際に、置換指示語に換えて表示される文字列が記録される。これにより、置換指示語・置換情報対応記録部(114)に登録する者を一定の権限ある者に制限した場合、この登録情報作成者が置換指示語としてそのままでは分かりにくい文字列を採ったとしても、文書作成の際、操作者が容易に視認確認できるものとすることができるようになる。
【0133】
業務類型カラム(958)は、このレコードが対象とする標準工程が属する業務の類型を特定するものである。後述する置換語生成指示情報カラム(959)で特定する標準工程が全ての業務類型に渡って唯一性が担保されているのであれば、このカラムは必須ではない。
【0134】
置換語生成指示情報カラム(959)は置換語生成指示情報を記録する。置換語生成指示情報は、置換語をどのようなものにするのかについて規定する文字列である。即ち、置換語生成指示情報は、簡易プログラムスクリプトとでもいうべきものであり、実装するプログラムで規定したルールに従って、最終的な置換語となる文字列を決定する手順を示す文字列となっている。
【0135】
たとえば図中、「JOB-DB:CLIENT」とあるうち、「JOB-DB」は、業務管理部(118)に問い合わせることを意味する。「CLIENT」は、その業務についての顧客であって相手担当者(CLIENT)であることを意味する。すなわち「JOB-DB:CLIENT」は、業務管理部で管理する顧客担当者を具体的な置換語にすることを指示したスクリプトになっている。
【0136】
「HST-DB:[出願:RegistedAt]」とあるうち、「HST-DB」は、工程履歴管理部(105)に問い合わせることを意味する。[出願:RegistedAt]は工程履歴管理されているもののうち、標準工程として「出願」に当たるものであって、登録日(RegistedAt)であることを意味する。すなわち「HST-DB:[出願:RegistedAt]」は、工程履歴管理部で管理されている出願工程の登録日を具体的な置換語にすることを指示したスクリプトになっている。
【0137】
同様に、「HST-DB:[出願:NumId]」とあるうち、「NumId」は出願の際に割り当てられたIDを意味する。よって「HST-DB:[出願:NumId]」は、工程履歴管理部で管理されている出願工程におけるID、すなわち出願番号を具体的な置換語にすることを指示したスクリプトになっている。
【0138】
このように、置換指示語・置換情報対応記録部(114)における置換語生成指示情報を介して工程履歴管理部をアクセスするので、置換指示語・置換情報対応記録部(114)のセキュリティ管理をしておけば、文書テンプレートを介した情報漏洩を妨げるように作用する。
【0139】
[置換対象対応履歴情報取得部(115)]
置換対象対応履歴情報取得部(115)は、置換指示語抽出部(113)によって抽出された置換指示語を受け、これに対応する置換語を置換指示語・置換情報対応記録部(1114)に問合せてその置換語とすべき情報をどのように取得するべきかを把握する。そのうえで、置換語が工程履歴管理部(105)から取得した情報に基づくものであるときには、その基礎となる情報を工程履歴管理部(105)から取得するようになっている。そのうえで、演算を必要とする置換語では、予め決められた演算を行うようになっている。
【0140】
たとえば、「出願日より3年」という文字列が置換指示語として上記置換指示語・置換情報対応記録部(114)に登録されているならば、その業務に属する工程履歴のうち、「出願」に係る工程履歴情報を工程履歴管理部(105)から抽出し、かつその登録日を取得する。そのうえで、3年をその登録日に加えて置換語に決めることになる。
【0141】
[文書テンプレート置換部(116)]
文書テンプレート置換部(116)は、文書テンプレート取得部(112)から唯一に特定された文書テンプレートを受けるとともに、置換対象対応履歴情報取得部(115)で用意した置換語を受ける。そして、受けた文書テンプレート中の置換指示語を、置換対象対応履歴情報取得部(115)から受けた置換語で置換する。これにより最終的に本装置によって支援を受けた文書を取得することができる。
【0142】
(2.2.第1の実施の形態の動作について)
次に第1の実施の形態の動作について、
図1乃至
図10を用いて説明する。
【0143】
[事前の各種情報の登録]
本実施の形態に係る文書支援装置によって報告書等の文書を作成する作業をするに先立ち、予め業務管理部(118)、工程履歴管理部(105)、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)、文書テンプレート記録部(106)、置換指示語・置換情報対応記録部(114)にはそれぞれ、業務情報、工程履歴情報、標準工程・文書テンプレート対応情報、文書テンプレート、置換対応指示語変換処理情報が記録されているものとする。
【0144】
なお、業務情報、工程履歴情報については、本願明細書に記載しない他の工程管理装置での記録をそのまま転送して用いてもよい。上記(2.1.第1の実施の形態の構成について)中、業務管理部、工程履歴管理部の説明で触れた問合せに応答するAPI等を実装した他の工程管理装置を流用するものであっても構わないことは同項冒頭で述べた通りである。
【0145】
標準工程・文書テンプレート対応情報、置換指示語・置換情報対応情報については、業務を管理する者がその参照内容に制限を加えたい場合があるので、追加/更新/削除については、予め決められた者のみがこれらをすることができるに限ることが望ましい。登録の際の書式その他は、上記構成の説明で触れたような情報形式で行えばよい。
【0146】
これに対し文書テンプレートについては、文書作成担当者であるユーザー端末使用者が独自のものを追加したいと思うことがあるので、文書作成担当者が自由に追加できるようにしておくのでも構わない。勿論この場合でも、修正は先に作成した文書作成担当者しかできないようにするようにセキュリティ管理を行うのが望ましい。先に作成した文書作成担当者が知らないうちに文書テンプレートを更新される不意打ちを防止するためである。
【0147】
[業務の特定]
本実施の形態に係る文書支援装置によって報告書等の文書を作成するにあたっては、はじめに文書のテーマとなる工程履歴を特定する必要がある。前述のとおり、工程履歴は業務を完遂するためのステップである。よって、工程履歴は業務の特定とともにされる性質がある。このため、文書支援装置として機能するように実装した本実施の形態にかかるサーバ(101)では、はじめに業務を特定してからその業務として管理される工程履歴を特定していくというUIを採っている。
【0148】
ユーザー端末(102)の操作者は、サーバ(101)の使用権原確認のために、ログイン処理を行う。以降、ログイン処理に成功したものが以下の処理を行うことができるようになる。ここでログイン処理をすることで、本サーバにおいて単に文書作成支援を受けるのか、文書テンプレートの追加ができるのか、文書テンプレートの修正ができるのか、置換指示語・置換情報対応記録部(114)の記録の追加修正ができるのか、などの権限を決定することができるようになる。
【0149】
ログインに成功すると、業務特定操作促進部(119)の作用により、ユーザー端末上の表示部に
図2のように業務を特定するための検索促進画(221)が表示される。
【0150】
様々な視点から検索ができるようにするために、検索画面には、業務を特定することに寄与する様々なキーワード、業務の種類(業務の類型)などの検索(222)の他、会社名による検索(223)、窓口担当者による検索(224)などが指定できることが望ましい。もちろん、直接工程履歴を検索(225)できるようにしても構わない。
【0151】
操作者は検索促進画で、これらの検索の手掛かりとなるキーワード等を記入乃至選択し、検索開始(226)の指示を与えることになる。
【0152】
この指示を業務特定操作促進部(119)が受けると、指定されたキーワード等を用いて業務管理部(118)に問合せ、業務管理部から少なくともひとつ該当する業務があれば、これを指定させるために、検索結果としてその該当業務リストをユーザー端末(102)に送る。
【0153】
該当業務リストとしては
図3に示すようなUIを採って表示させればよい。ここで、ユーザー端末のレイアウト(327)上、リスト表示すべき該当業務が多すぎるときには何回かに分けて表示できるように「次リスト」指示(329)を表示し、求める業務の選択をさせればよい。
【0154】
操作者がこのリストのなかから文書作成をしたい業務(328)があればこれをクリック等により選択操作することになる。
【0155】
[工程履歴の特定]
選択情報を業務特定情報入力部(117)で受取ると、業務が特定されるので、これを用いて業務管理部(118)と工程履歴管理部(105)とから、その業務自体に関する事項と、その業務を遂行する工程履歴であって既に記録されたものとを抽出する。たとえば
図4、
図5に示すようなUIでこれらを示すことができる。すなわち、業務内容自体に係る情報を含む業務情報(432)と既に記録された工程履歴リスト(433)とを業務内容表示画(431)としてユーザー端末上に表示することができるようになる。なお、このUIでは業務情報(432)と工程履歴リスト(433)とは所謂タブ形式で表示しているが、異なる表示形式を採っても構わない。
【0156】
業務特定情報入力部(117)から選択情報が工程履歴特定操作促進部(108)に送られるので、工程履歴特定操作促進部(108)・工程履歴管理部(105)の作用により、操作者が工程履歴リスト(433)タブを選択すると、
図5のように工程履歴項目選択画(535)に工程履歴リスト(537)が現れるようにすることができる。この時点で、操作者は、現れた工程履歴リストのなかから作成する文書に係る工程履歴を選択することができるようになる。
【0157】
選択可能な工程履歴リストに基づいて操作者が一の工程履歴を選択すると、工程履歴特定情報入力部(109)はその選択情報を受ける。そして、工程履歴管理部(105)の記録を参照して、若しくはその選択情報自体に標準工程を示す情報を含めてあれば、それをもってこの工程履歴がどの標準工程にあたるかを特定する。これにより特定された標準工程は、次に文書テンプレート選択促進部(110)に送られる。なおここで、標準工程について、識別子により弁別可能とする実装を行うならば、その識別子を送ることになるのは勿論である。
【0158】
[文書テンプレート選択]
文書テンプレート選択促進部(110)は、標準工程を特定する情報を受けると、次に標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)に問合せ、対応する文書テンプレートの集合を取得する。取得する集合の要素は0個以上となる。0個であれば対応する文書テンプレートがないことを、また、n個あればその標準工程には作成支援可能な文書テンプレートがn個あるということになる。
【0159】
次に文書テンプレート選択促進部(110)が、ここで取得した文書テンプレートにどのようなものがあるのかをユーザー端末(102)に送り、その選択肢を表示させる。表示する作成文書リスト選択のためのUIは、
図6のように、先に決定した工程履歴(642)の内容とともに作成文書リスト(643)の表示があり、ほぼ1回の操作で文書テンプレート選択促進画(641)と工程履歴表示画(
図6では文書テンプレート選択促進画(641)上で隠れたように見せている)とを相互に交換できるように見せるのが望ましい。当該工程履歴に対応するものであることを確認容易にするためである。
【0160】
作成文書リスト(643)の表示では、特定の標準工程に対応付けられた作成文書テンプレートリストの各要素に作成開始指示(644)を意味するアイコンを付し、操作者がこのアイコンを通して作成する文書をひとつに絞ることができるようにすればよい。
【0161】
[置換処理]
作成する文書の文書テンプレートが決まると、次に実際に文書テンプレート中の置換指示語を置換語に置き換える処理をすることになる。ここでは、
図10を主に、
図7を補助的に用いて置換処理を説明する。
【0162】
これまでの処理によって基礎文書として用いる文書テンプレート(1061)が決まり、サーバの制御に従って、これは置換指示語抽出部(1013)に送られる。
【0163】
置換指示語抽出部(1013)では、受けた文書テンプレート(1061)に含まれる置換指示語を抽出する。すなわち、文書テンプレート中での置換指示語の存否確認、並びに置換指示語を見つけたときにはそれが現れる文書中の位置を検出する。
【0164】
本実施の形態で置換指示語を特殊文字で囲って表す実装をしたとすると、文書テンプレート(1061)からは図示するような置換指示語群(1062)が抽出される。
【0165】
検出された置換指示語群は置換対象対応履歴情報取得部(1015)に送られる。置換対象対応履歴情報取得部(1015)は、置換指示語群に含まれる置換指示語のそれぞれについて置換指示語・置換情報対応記録部(1014)に問い合わせを行い、置換語生成指示情報を取得する。
図10のように、置換指示語群(1062)中に「dateOfFilingApp」(出願日)が含まれているなど、置換情報の一要素となる置換語生成指示情報に、工程履歴管理部へのアクセス指示が含まれている場合には、その指示に従って工程履歴管理部に対して工程履歴情報を求める。そして得た工程履歴情報に基づいて当該置換語生成指示に従った処理を行い、置換語を決定する。勿論、図中の「today」(今日の日付)のように、置換語生成指示情報が工程履歴管理部に対するアクセスが不要な場合には、これにアクセスをすることなく、指示に応じた処理を行う。
【0166】
また、置換語生成指示情報に業務管理部(118)への問い合わせを伴う必要があるものがあれば、業務管理部に必要事項を問い合わせればよい。
【0167】
・ 置換内容の確認
ここまでの処理によって置換指示語と置換語とが決定するので、このままでも置換処理を行うことはできる。しかし、ここで操作者にこれらの置換でよいのかを確認する手順を加える方が作成する文書の間違いを発見できて好ましい。そこで、置換対象対応履歴情報取得部(1015)には、このような置換でよいか、また置換内容を修正するならどうすべきかをユーザー端末(102)に問い合わせる実装を加えることも設計上の選択肢となる。
【0168】
この場合、
図7に示すように置換指示語若しくは置換指示語を示す表示をする置換項目欄(747)と置換文字列表示入力欄(748)とを備えた置換内容表示(746)をするようにユーザー端末に指示することになる。
【0169】
置換文字列表示入力欄(748)には、既に置換対象対応履歴情報取得部(1015)で決定した置換語を例示する。また、置換語が決まらなかった項目について、「~未決定な項目です。ここで入力してください。~」などの未決定項目入力促進表示(750)を行えばよい。
【0170】
このためには、任意置換語の入力を促進するように図示しない任意置換語入力促進部を、促されて操作者が入力した置換語を受け取る任意置換語入力部をそれぞれ設ければよい。勿論両者を、置換対象対応履歴情報取得部(1015)の作用を拡張するように実装してもよい。
【0171】
置換内容表示(746)で置換内容を把握確認した文書作成者は、これでよい場合はそのまま、修正・追加を必要とする場合には該当する欄に修正・追加内容を入力する。そして、「確定・文書生成(749)」アイコンを用いてサーバ(101)に最終的な文書作成を指示する。確定・文書生成指示をサーバ(101)に送る際には、置換語の修正・追加内容も併せて送るようになっている。そして、図示しない任意置換語入力部により、若しくは置換対象対応履歴情報取得部(1015)によりこれを受け、文書テンプレート置換部(1016)で受けられるようにすればよい。
【0172】
文書テンプレート置換部(1016)は、確定・文書生成の指示を受けると、文書テンプレート(1061)と、置換指示語抽出部(1013)で抽出された置換指示語の位置と、置換対象対応履歴情報取得部(1015)で決定した置換語とを用いて置換を行い、最終文書データ(1063)を得ることができる。ここで、確定・文書生成の指示を受けた際、置換語の追加修正を伴う情報があった場合には、その追加修正された置換語を、用いて置換処理をするものとする。
【0173】
以上のようにシーケンスを進めることで、多くの文書テンプレートが用意されている業務においても容易に検索を進めることができるようになり、迅速に、しかも確実に、求める文書テンプレートを絞り込んで文書を作成することができるようになる。
【0174】
(3. 第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、文書テンプレートに記録された置換指示語を抽出することを、文書テンプレート記録部から文書テンプレートを読み出したときに行った。これに対し第2の実施の形態は、文書テンプレート記録部に文書テンプレートを記録する時に、文書テンプレートに記録された置換指示語を抽出するようになっている点で異なる。
【0175】
こうすることにより、文書テンプレート内に記録された置換指示語を抽出するための処理を、多くの処理を必要とする文書作成時には行わずに済ませることができる。即ち、サーバ(101)における文書作成負荷の分散を図ることができる。もっとも、置換指示語が文書テンプレートのどこにあるのかを記録することも求められる。このため、文書テンプレート記録部に置換指示語検出位置を併せて記録させるようにする。
【0176】
文書テンプレートのメンテナンスに着目すると、第1の実施の形態によれば、直接文書テンプレート記録部(1106)に記録された文書テンプレート自体を編集するだけに留めることができる。これに対し、第2の実施の形態によれば、直接文書テンプレート記録部(1106)に記録された文書テンプレートを編集するばかりでなく、文書テンプレート内に現れる置換指示語の存在位置についても変更する操作をする必要がある。
【0177】
本実施の形態の構成を採るべきか否かの選択は、このサーバのハードウエア仕様によればよい。第2の実施の形態は、置換指示語の検出位置を永続的に記憶する必要がある一方、高速メモリを多く消費する必要がないことから、小規模なハードウエアによってサーバを実現する場合に有力な選択肢となる。
【0178】
(3.1. 第2の実施の形態の構成について)
第2の実施の形態の構成について、
図11を用いて説明する。
【0179】
本実施の形態に係る文書作成支援装置の構成に関し、ユーザー端末(1102)、通信路(1103)、業務管理部(1118)、業務特定操作促進部(1119)、業務特定情報入力部(1117)、工程履歴管理部(1105)、標準工程・文書テンプレート対応記録部(1107)、工程履歴特定操作促進部(1108)、工程履歴特定情報入力部(1109)、文書テンプレート選択促進部(1110)、文書テンプレート選択情報入力部(1111)、置換指示語・置換情報対応記録部(1114)、については、第1の実施の形態に記載の同名部と概ね同様の処理をするので、説明を割愛する。ここでは、本実施の形態に係る文書作成支援装置に特徴的な構成に限って説明する。
【0180】
[文書テンプレート記録部(1183)]
文書テンプレート記録部(1183)は、本装置の支援を受けて作成される文書のテンプレート自体、並びにその文書テンプレート中に現れる置換指示語の位置を表す置換指示語位置情報を記録するようになっている。
【0181】
[文書テンプレート取得部(1185)]
文書テンプレート取得部(1185)は、文書テンプレート選択情報入力部(111)で受けた文書テンプレート特定情報に基づいて、文書テンプレート記録部から文書テンプレート並びに置換指示語位置情報を取り出し、文書テンプレート置換部(116)に送るようになっている。
【0182】
[置換指示語抽出部(1184)]
置換指示語抽出部(1184)は、文書テンプレートが文書テンプレート記録部(1183)に登録される際、当該文書テンプレートデータを走査して置換指示語を抽出し、文書テンプレート中に登場する置換指示語の位置を検出するようになっている。そして、検出した置換指示語と、その置換指示語の位置とを組み合わせ、文書テンプレートとともに文書テンプレート記録部(1183)に記録させるようになっている。
【0183】
[置換対象対応履歴情報取得部(1181)]
置換対象対応履歴情報取得部(1181)は、作成する文書の基礎となる文書テンプレートが確定した際に、その文書に使用されている置換指示語を文書テンプレート記録部に問合せる。次に問合せの結果として得られた置換指示語群につき、それぞれの置換指示語に対応する変換指示を置換指示語・置換情報対応記録部(1114)に問合せ、その置換語を生成するにはどこから何の情報を取得し、またどのように生成すべきかについて記述された情報を把握する。そのうえで、置換語が工程履歴管理部(1105)から取得した情報に基づくものであるときには、その基礎となる情報を工程履歴管理部(1105)から取得するようになっている。加えて、演算を必要とする置換語生成指示情報の場合には、予め決められた演算を行うようになっている。
【0184】
[文書テンプレート置換部(1182)]
文書テンプレート置換部(1182)は、文書テンプレート取得部(1185)から唯一に特定された文書テンプレートを受けるとともに、置換対象対応履歴情報取得部(1181)で生成された置換語を受け、受けた文書テンプレート中の置換指示語を、置換対象対応履歴情報取得部(115)から受けた置換語で置換する。これにより最終的に支援を受けた文書を取得することができる。
【0185】
(3.2. 第2の実施の形態の動作について)
次に第2の実施の形態の動作について説明する。本実施の形態でも、第1の実施の形態における動作と概ね同様であるが、事前の各種情報の登録時の処理と置換処理とが一部異なるので、これらについて説明する。
【0186】
[事前の各種情報の登録]
本実施の形態に係る文書支援装置によって報告書等の文書を作成する作業をするに先立ち、予め業務管理部(118)、工程履歴管理部(105)、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)、文書テンプレート記録部(106)、置換指示語・置換情報対応記録部(114)にはそれぞれ、業務情報、工程履歴情報、標準工程・文書テンプレート対応情報、文書テンプレート、置換対応指示語変換処理情報を記録しておくことは同様である。
【0187】
もっとも、文書テンプレート記録部(106)に文書テンプレートを記録する際には、置換指示語抽出部(1184)の作用によって置換指示語を検出する。そして、検出した置換指示語とその置換指示語の文書テンプレート中での位置とを併せて文書テンプレート記録部(1183)に記録することになる。
【0188】
[置換処理]
本実施の形態における、文書作成支援作業について[業務の特定]から始まり、[工程履歴の特定]、[文書テンプレート選択]をする迄は、第1の実施の形態と略同様である。これに続く置換処理については、文書テンプレート決定時に置換指示語を抽出する必要がなく、これに代えて文書テンプレート記録部に必要な置換指示語等が含まれているので、これを用いることになる。以下、文書テンプレートの選択が終わったところから説明を行う。
【0189】
文書テンプレート(1061)が決まると、併せて記録された置換指示語とその位置情報を含め、これらは、サーバの制御手順に従って、文書テンプレート置換部(1182)に送られるとともに、置換指示語群は置換対象対応履歴情報取得部(1181)に送られる。
【0190】
そして、置換対象対応履歴情報取得部(1181)が、受けた置換指示語群に含まれる置換指示語のそれぞれについて置換指示語・置換情報対応記録部(1014)に問い合わせを行い、置換語生成指示を取得する。置換語生成指示に工程履歴管理部に対するアクセスをするものが含まれている場合には、その置換語生成指示に従って工程履歴管理部(1105)に対して工程履歴情報を求める。そこで得た工程履歴情報に基づいて当該置換語生成指示情報に従った処理を行い、置換語を決定する。勿論、置換語生成指示に工程履歴管理部に対するアクセスが不要な場合には、アクセスをすることなく、置換語生成指示情報に応じた処理を行う。置換語生成指示情報に業務管理部(1118)への問い合わせを伴う指示があれば、これに従って業務管理部にアクセスする。
【0191】
なお、本実施の形態においてもここまでの動作で決定した各置換指示語に対する置換語を確認するステップがあった方が望ましい。この手順は第1の実施の形態と同様である。
【0192】
次に文書テンプレート置換部(1016)が、確認画面で確定した置換語を伴って確定・文書生成の指示を受けると、若しくは文書テンプレート選択後直接作成すべき指示を受けると、文書テンプレート取得部(1185)から文書テンプレート(1061)と抽出された置換指示語群とその位置情報を、また、置換対象対応履歴情報取得部(1181)から置換指示語と置換語を、それぞれ受ける。
【0193】
そして文書テンプレート置換部(1016)は、文書テンプレート取得部(1185)から受けた置換指示語と置換対象対応履歴情報取得部(1181)から置換指示語とが一致する場合に、受けた置換指示語の位置にある置換指示語を置換語に置換し、最終文書データ(1063)を得る。この結果をファイル形式で、若しくは表示可能な形式でユーザー端末に送り、文書作成者は目的とする文書データを取得することになる。
【0194】
(4. 第3の実施の形態)
本実施の形態は、置換指示語に付随演算情報が付加されたものを扱う文書作成支援装置を提供するものである。
【0195】
[付随演算情報]
「付随演算情報」とは、既述のように、置換指示語に一定の位置関係を保って記述された文字列であって、置換語を決定するにあたり所定の演算を要するものをいう。置換指示語の直後に付随演算情報を直に後置記載するような場合は勿論、「置換指示語:付随演算情報」のようにデリミタ「:」を挟んで後置記載するようなものであっても、「付随演算情報->置換指示語」のようにデリミタ「->」を挟んで前置するようなものであっても構わない。
【0196】
付随演算情報としては、「ひと月後の年月日」のように固定した情報であるばかりでなく、「n日後の年月日」のような記述における「n」のように、可変項目を含んだものであっても構わない。
【0197】
このようにすることで、付随演算情報を文書テンプレート側に記述できるとともに、置換指示語を記録する置換対象対応履歴情報取得部から細かい演算にかかる指示情報を放逐することができる。例えば「登録日:3年後の年月日」「登録日:20日後の年月日」「登録日:30日後の年月日」など、演算の基礎となる時を同じ登録日とするもののバリエーションがあるような場合に、全てを置換対象対応履歴情報取得部に登録する必要がない。これにより、置換対象対応履歴情報作成の簡便化、並びに置換対象対応履歴情報作成ミス発生低減化を図っている。
【0198】
(4.1. 第3の実施の形態の構成について)
本実施の形態の構成には概ね第1の実施の形態と同じであり、一部の機能を拡張すれば足りるが、本実施の形態においては「置換語演算部」を追加実装したものとして説明する。追加実装した置換語演算部について、
図12を用いて説明する。
図12は第1の実施の形態において
図10に基づいて説明したところに相当する構成・データーフロー説明図である。
【0199】
[置換語演算部(1265)]
置換語演算部(1265)は、置換対象対応履歴情報取得部(1281)が置換対象指示語変換対応記録部(1214)の記録から得た置換語生成指示情報のうち、演算が必要となるものに対応して置換語を決定するべく、現実の演算処理を提供する。このため、置換語演算部(1265)は、置換対象対応履歴情報取得部(1281)から置換語生成指示情報を得て、また必要であれば置換対象対応履歴情報取得部(1281)が工程履歴管理部(1205)などから得た情報を引き継いで、これらから現実の演算をするplug-inとして作用するようになっている。
【0200】
(4.2. 第3の実施の形態の動作について)
次に第3の実施の形態の動作について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における置換語演算を拡張したものであるため、同実施の形態の動作と概ね同様であるので、拡張された置換語演算部を中心に、文書テンプレートが選択されてから文書を作成するまでを、
図1並びに
図12を用いて説明する。
【0201】
[事前の各種情報の登録]
本実施の形態に係る文書支援装置によって報告書等の文書を作成する作業をするに先立ち、予め業務管理部(118)、工程履歴管理部(105)、標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)、文書テンプレート記録部(106)、置換指示語・置換情報対応記録部(114)にはそれぞれ、業務情報、工程履歴情報、標準工程・文書テンプレート対応情報、文書テンプレート、置換対応指示語変換処理情報を記録しておくことは同様である。
【0202】
付言するに、
図11に示した第2の実施の形態を基礎としてこれを実装するのであれば、文書テンプレートを記録する際に、置換指示語抽出部(1184)の作用によって置換指示語を検出、検出した置換指示語を、その置換指示語の文書テンプレート中での位置、並びに付随演算情報とともに文書テンプレート記録部(1183)に記録することになる。
【0203】
[置換処理]
本実施の形態において、文書作成支援作業を[業務の特定]から始め、[工程履歴の特定]、[文書テンプレート選択]に至る動作については第1の実施の形態と略同様である。勿論、第2の実施の形態を基礎としてこれを実装するのであれば、これに続く置換処理については、文書テンプレート決定時に置換指示語を抽出する必要がなく、これに代えて文書テンプレート記録部に必要な置換指示語等が含まれているので、これを用いることになる。以下、文書テンプレートの選択が終わったところから説明を行う。
【0204】
文書テンプレート(1061)が決まると、併せて記録された置換指示語とその位置情報を含め、これらは、サーバの制御に従って、文書テンプレート置換部(1182)に送られるとともに、置換指示語群は置換対象対応履歴情報取得部(1181)に送られる。
【0205】
次に、置換対象対応履歴情報取得部(1181)が、受けた置換指示語群に含まれる置換指示語のそれぞれについて置換指示語・置換情報対応記録部(1014)に問い合わせを行い、置換情報を取得する。置換情報に工程履歴管理部へのアクセス指示が含まれている場合には、その指示に従って工程履歴管理部(1105)に対して工程履歴情報を求める。そして得た工程履歴情報に基づいて当該置換語生成指示に従った処理を行い、置換語を決定する。工程履歴管理部に対するアクセスが不要な指示では、これに対するアクセスをすることなく、指示に応じた処理を行う。勿論、置換情報に業務管理部(1118)への問い合わせを伴う指示を伴うのであれば、これに従って業務管理部にアクセスすればよい。
【0206】
ここで、置換指示語に付随演算情報が伴い、若しくは置換情報に演算を伴う指示が含まれている場合には、置換語演算部(1265)に問合せ、この結果を用いて置換語を決定する。
【0207】
本実施の形態においてもここまでの動作で決定した各置換指示語に対する置換語を確認するステップがあった方が望ましい。この手順は第1の実施の形態と同様である。
【0208】
文書テンプレート置換部(1016)は、確認画面で確定した置換語を伴って確定・文書生成の指示を受けると、若しくは文書テンプレート選択後直接作成すべき指示を受けると、文書テンプレート取得部(1185)から文書テンプレート(1061)と抽出された置換指示語群とその位置情報を、また、置換対象対応履歴情報取得部(1181)から置換指示語と置換語を、それぞれ受ける。
【0209】
そして文書テンプレート置換部(1016)は、文書テンプレート取得部(1185)から受けた置換指示語と置換対象対応履歴情報取得部(1181)から置換指示語とが一致する場合に、受けた置換指示語の位置にある置換指示語を置換語に置換し、最終文書データ(1063)を得る。この結果をファイル形式で、若しくは表示可能な形式でユーザー端末に送り、文書作成者は目的とする文書データを取得することになる。
【0210】
(5. 各実施の形態で実装した装置への文書テンプレートの登録)
次に、上記各実施の形態において述べた装置に文書テンプレートを登録する実装について説明する。即ち各実施の形態の構成において、主として標準工程・文書テンプレート対応記録部(107、1107)での記録態様、乃至対応情報を記録させる際の実装態様を中心に説明することになる。
【0211】
(5.1. 文書テンプレートの登録上、検討すべき課題)
まず、新たにテンプレートを登録する者の視点で不用意な実装をすると、使い勝手に問題が生じる点を指摘する。上記各実施の形態に係る文書作成支援装置において操作者は、特定のひとつの標準工程について作成すべき報告文書のテンプレートを用意することになる。
【0212】
もっとも、報告文書はひとつだけとは限らない。このため、テンプレ―トの登録を実装する場合には、ひとつの標準工程に複数の報告文書テンプレートを紐づけられるようにする必要がある。
【0213】
これらのことを、
図15を用いて説明する。
図15は、文書作成支援を受ける操作者の視点で構成した、前記各実施の形態における標準工程・文書テンプレート対応記録部(107、1107)における管理態様説明図である。
【0214】
文書作成支援を受ける操作者の視点で文書テンプレート管理操作手順を構成すると、複数の文書テンプレート管理レコード(1581)がひとつの標準工程管理レコード(1580)に向かってリレーションを採ることになる。これでひとつの標準工程において複数の文書テンプレートから文書を作成することができるように管理装置を構成することができるようになる。ここで、文書テンプレート管理レコードに記録した情報が一の文書テンプレートを特定し、また、標準工程管理レコードに記録した情報は一の標準工程を特定するようになっている。
【0215】
しかし、このような実装手法を採ると、複数の工程で共通の文書テンプレートを使用したい場合にも、別々の文書テンプレートを用意しなければならない。これでは一種類ではあるが別個の標準工程で利用する文書テンプレートを全て書き換えなくてはならなくなる。また、仮に文書テンプレートの実体をひとつだけ管理し、複数の文書テンプレート管理レコードがそのひとつの文書テンプレート実体を管理するようにすると、これもまたその管理操作を実現するための構成が複雑となる。
【0216】
(5.2. 本実装に係る構成)
前記課題を背景として本実装では、前記(2.1.第1の実施の形態の構成について)において説明した[標準工程・文書テンプレート対応記録部(107)]において、文書テンプレート管理処理と、標準工程管理処理と、標準工程・文書テンプレート索引処理と、を行うようにすることが好ましい。そのうえで、標準工程・文書テンプレート索引処理を中心にする処理を促すための標準工程・文書テンプレート対応操作制御部(図示せず)を設ける。この作用によって、複雑な標準工程・文書テンプレートの関係を整理して管理することができるようにする。なお、これらの処理はいずれもデータベース上テーブルを設けて管理することが容易であるので、以下、各処理をそれぞれテーブルを用いて実装することを前提として説明する。
【0217】
この場合、
図16に示すように、文書テンプレート管理テーブル(1682)を実装して文書テンプレート管理処理を、標準工程管理テーブル(1684)を実装して標準工程管理を、また、標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)を実装して標準工程・文書テンプレート索引処理を、それぞれ担保することが好適である。
【0218】
勿論、(2.1.第1の実施の形態の構成について)で説明したように、工程管理装置とともに実装する場合には、標準工程管理テーブル(1684)に代えて当該工程管理装置内で記録された標準工程情報を参照することになる。または、当該工程管理装置に実装した標準工程取得APIなどを介して同様の処理を担保させることになる。
【0219】
また、文書テンプレート管理テーブル(1682)についても、メモリ利用効率が下がってもよいのであれば、これを省略することができる。これについては(5.3. 文書テンプレートと標準工程との紐付けについて)(5.3.1. 紐付けをする機能の構成について)[標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)]の節で説明する。
【0220】
(5.3. 文書テンプレートと標準工程との紐付けについて)
(5.3.1. 紐付けをする機能の構成について)
前述の通り、文書テンプレートと標準工程との紐付けは、主として標準工程・文書テンプレート対応記録部にて行うことになる。
【0221】
[文書テンプレート管理テーブル(1682)]
文書テンプレート管理テーブル(1682)を用いる文書テンプレート管理処理では、ひとつの文書テンプレートをひとつのレコードで把握するようになっている。たとえば、文書テンプレート管理テーブル中のひとつのレコードは、レコードIDと、ファイルをOS上で管理するディレクトリを示す記録場所、ファイル名などを担持する。勿論、他にファイル閲覧の便に供する様、メモ欄などを設けても構わない。また、ひとつのファイルにはひとつのレコードが記録されているので、異なるファイルを管理するレコード(1682-1、1682-2、・・・)は別個のレコードで管理することになる。
【0222】
ところで、
図16では文書テンプレート管理テーブル(1682)のフィールドとして、記録場所となるディレクトリ名と、ファイル名とがひとつのレコードに含まれる。これは、コンピュータ上に一般的なOperating Systemが稼働しているときに好適な実装例であって、
図21に示すように一のディレクトリの下にひとつのファイルを管理するとともに、各ディレクトリは異なる名称を付することで、同一ファイル名でも別個のものとして管理でき、上書き混同しないようにしたものである。
【0223】
[標準工程管理テーブル(1684)]
標準工程管理テーブル(1684)を用いる標準工程管理処理では、ひとつの標準工程をひとつのレコードで把握するようになっている。ひとつひとつのレコードはキーとなる標準工程ID(1684-1、1684-2、・・・)などによって標準工程が識別可能としておけば足りる。
【0224】
[標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)]
標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)を用いる標準工程・文書テンプレート索引処理では、標準工程と文書テンプレートとを紐づける。これにより、一の標準工程を特定すれば対応する文書テンプレートを特定でき、また、一の文書テンプレートを特定すれば対応する標準工程を特定できるようになる。
【0225】
ここで、ひとつのレコードはひとつのテンプレートを特定するテンプレートファイルIDフィールドと、ひとつの標準工程を特定する標準工程IDフィールドを備えている。この両フィールド情報を介して、特定の文書テンプレートファイルと、特定の標準工程とが関連付けられるようになっている。
【0226】
このように関連付け情報を独立したレコードで実装することによって、一の標準工程において複数の文書テンプレートファイルを作成したい場合には勿論、複数の標準工程において共通してひとつ文書テンプレートを用いて文書を作成する場合にも簡単に対応することができる。この際、文書テンプレートはひとつであるので、これを編集すれば、たとえば送付状など概ね全ての標準工程で共通して統一的に用いたい文書テンプレートを一括して編集したことになり、管理が簡単になる。
【0227】
なお、テーブル参照の速度や記録容量等を気にしないのであれば、標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)中のフィールドであるテンプレートファイルIDを関連付けるのではなく、直接文書テンプレートファイル名をレコード内のフィールドに含めて記録するように実装してもよい。言い換えれば、この場合、テンプレートファイルIDの代わりに直接文書テンプレートファイル名を用いることになる。
【0228】
文書テンプレートの指定は、ディレクトリ名を含んだファイル名を単独の文書テンプレートファイル名フィールドに記録して指定するのでも、ディレクトリを示すディレクトリフィールドと文書テンプレートファイル名フィールドとの両方で指定するのでもよい。
【0229】
このようにすることで、文書テンプレート管理テーブル(1682)は不要となる。もっとも、データベースの構造は単純化できるものの、文書テンプレートを単純な番号だけで表しうるテンプレートファイルIDでは表せなくなるので、メモリ利用効率が低下する虞は大きい。
【0230】
(5.3.2. 紐付けをするUIと動作について)
次に、本実装で好ましいUI(User Interface)設計について、
図17乃至
図19を用いて説明する。
【0231】
文書作成操作者の視点であれば、(5.1. 文書テンプレートの登録上、検討すべき課題)で説明したように、特定の標準工程を決めてからこれに用いる文書テンプレートを登録するようにした方が直感的な操作ができるように見える。
【0232】
しかし、文書テンプレートは、これが使用される標準工程を意識しながら作成するものであることから、まず文書テンプレートを作成し、次にこれを登録するにあたり、標準工程を指定していくようにしても、直感的な操作が失われるわけではない。むしろ、単一の文書テンプレートを意識しつつ、複数の標準工程を一括的に指定でき、更にこれを一瞥できるようにした方が、文書管理をする者の直感に沿うため、文書管理者・文書作成者のチームとして作業をする場合には、業務効率の改善が伴う点で望ましい結果となる。以下、単一の文書テンプレートを意識して複数の標準工程を指定する操作UI例を説明する。
【0233】
[UI設計の指針]
まず、「新規」に文書テンプレートを登録する際の指針を説明する。文書テンプレート登録操作者の視点で説明すると、
1-1) 操作者は予め文書テンプレートを作成し、
1-2) これを本文書作成支援装置にアップロードし、
1-3) アップロード直後に本文書作成支援装置から、これに対応すべき標準工程のリストが提示され、
1-4) 提示されたリストのうちから操作者は標準工程を特定し、その特定情報が文書作成支援装置に送られ、
1-5) 特定情報を受けた文書作成支援装置は、その文書テンプレートと特定された標準工程との間の関連付けのための情報を編集してレコードとし、これを標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)に記録する、
という流れを採ることになる。このうち、UIでの特徴的外観は、1-2)、1-3)、1-4)に係るところで強く顕れる。
【0234】
また、既に登録されている文書テンプレートについて、標準工程との関連付けを「変更」するには、
2-1) 登録されている全ての文書テンプレートのリストを提示し、若しくは検索キーを指定しその検索キーにあう文書テンプレートのリストを提示し、
2-2) リスト内から唯一の文書テンプレートを操作者に選択させ、
2-3) 選択した文書テンプレートに対応すべき標準工程のリストを提示する。この際、既に関連付けられた標準工程についてはこれを選択除外できるように提示するとともに、未だ関連付けられていない標準工程についてはこれを選択できるように提示する。
2-4) 操作者は提示された標準工程リストのうちから関連付けるべき標準工程を特定し、また、関連付けを除外したい標準工程を特定し、その特定情報が文書作成支援装置に送られ、
2-5) 特定情報を受けた文書作成支援装置は、その文書テンプレートと特定された標準工程との間の関連付けのための情報を編集してレコードとし、若しくは削除すべきレコードを特定して、これを標準工程・文書テンプレート索引テーブル(1683)に記録/削除する、
という流れを採ることになる。
【0235】
以下、新規に文書テンプレートを登録する際のUIについて説明するが、上記2-2)乃至2-5)は、上記1-2)乃至1-5)と同じものにできるので、特に異なる部分がない限り説明を省略する。
【0236】
既述の通り、新規に文書テンプレートを登録する際には、予め文書テンプレートを用意する。そして、これを本文書作成支援装置にアップロードするところから登録操作を始める。登録/更新の操作は、既述(2.1.第1の実施の形態の構成について)中の[ユーザー端末(102)]で示したユーザー端末と同様の構成を具える文書テンプレート登録更新操作装置(以下、同じ)から行うものとして説明する。
【0237】
さて、特許出願業務では、代理人が拒絶理由通知を受領した際に、クライアントたる出願人にこの旨を報告するべく拒絶理由通知書の受領報告書を発行する。以下の説明にあたってはこの書面を例に採り、この際に使用する文書テンプレート(ファイル名:拒絶理由通知受領報告(特).docx)が登録対象であることを前提とする。
【0238】
[文書テンプレートのアップロード]
図17に示す表示例のように、新規ファイルの指定・送信操作エリア(1785)と、登録文書テンプレートファイルリスト表示エリア(1786)と、標準工程関連付け操作エリア(1789)とが1画面内にレイアウトされている。この操作画面は、図示しない文書作成支援装置の管理操作画面において文書テンプレート登録若しくは文書テンプレート更新の指示操作がされたあとに示されるものである。もっとも、登録文書テンプレートファイルリスト表示エリア(1786)について文書テンプレート「登録」操作をされた直後に表示することは必須ではない。また、文書テンプレート「更新」操作のときには、新規ファイルの指定・送信操作エリア(1785)を表示することも必須ではない。
【0239】
新規ファイルの指定・送信操作エリア(1785)には、登録したい文書テンプレートを指定するボタンアイコン(「参照」表示)と、指定した文書テンプレートを本文書作成支援装置内に送信するボタンアイコン(「Temp登録」表示)とが示されている。端末の参照ボタンの操作に契機に、登録したい文書テンプレートを選択する。そして、選択が終わったところでTemp登録ボタンの操作により、その文書テンプレートを本文書作成支援装置に送信する。
【0240】
[文書テンプレートリストの表示]
文書テンプレートが本文書作成支援装置に送られると、文書作成支援装置で記録されている文書テンプレートがひとつ増える。これが登録文書テンプレートファイルリスト表示エリア(1786)内に、追加された文書テンプレートファイル名として表示(1787)される。
【0241】
図中ファイル名の横に示された数値は、文書テンプレートファイル関連標準工程数(1788)であって、この文書テンプレートファイルが関連付けられた標準工程の数を表している。今、新たに追加された文書テンプレートファイル「拒絶理由通知受領報告(特).docx」は本文書作成支援装置にアップロードした直後であるので、未だ標準工程と関連付けられておらず、文書テンプレートファイル関連標準工程数が「0」になっている。
【0242】
なお、追加直後はこれに続いて関連付け操作をする蓋然性が高いので、これを選択容易にするために、追加した文書テンプレートの表示色を変え、視認性を高めるようにするのが望ましい。
【0243】
ところで、文書テンプレートファイル関連標準工程数が示されると、新規に作成した文書テンプレートファイルを一括してアップロードし、後に個別の文書テンプレートファイルについて標準工程と関連付けるなど、内容が類似する作業をまとめてする際に、いずれの文書テンプレートが未だ関連付け作業を終わらせていないかを一瞥することができる。これは、文書作成支援装置の立上初期に、管理の容易性、管理作業の効率化を担保することができるようになることを意味する。
【0244】
[文書テンプレートリストでの特定から操作エリア表示まで]
リストに挙がった文書テンプレートは個々に選択ができるようになっている。そして、ここで一の文書テンプレートが選択されたときには、それ以後に標準工程との関連付けができるように、標準工程関連付け操作エリア(1789)に操作用表示が現れる。
【0245】
即ち、既に表示されている登録文書テンプレートファイルリスト表示エリア(1786)中の特定のファイル名、たとえば前操作でアップロードした文書テンプレートファイル名をタッチするなどして選択されると、標準工程関連付け操作エリア(1789)に、
・ その文書テンプレート自体を修正するための操作領域、
・ その文書テンプレートに既に関連付けられている標準工程のリスト、並びに
・ その文書テンプレートに関連付けることができる標準工程の選択可能リスト、
が示されるようになっている。
【0246】
[標準工程関連付け操作エリアの表示と操作]
標準工程関連付け操作エリアの表示例を
図18並びに
図19を用いて説明する。
【0247】
(操作対象ファイル表示エリア)
標準工程関連付け操作エリア(1889)内には、操作対象とする文書テンプレートファイル名を明示する領域として、操作対象ファイル表示エリア(1890)が含まれている。ここには、
・ 当該文書テンプレートをそのままダウンロードする文書テンプレートダウンロード指示ボタン(1891-1)と、
・ この文書テンプレートを別の文書テンプレートファイルに置換するための文書テンプレートファイル更新指示ボタン(1891-2)と、
が示されている。
【0248】
文書テンプレートダウンロード指示ボタン(1891-1)は、これが操作されたとき、本文書作成支援装置に記録されている当該文書テンプレートファイルがダウンロードされる。これにより、同操作者は、本文書作成支援装置とは関係なく独立して同テンプレートファイルを編集することができるようになる。
【0249】
文書テンプレートファイル更新指示ボタン(1891-2)は、これが操作されたとき、修正文書テンプレートファイル指定・送信操作エリア(1885)が現れる。現れた修正文書テンプレートファイル指定・送信操作エリア(1885)内には文書テンプレートファイル名(1898-1)の指定ボタンと修正文書テンプレートファイルアップロードボタン(1898-2)とがある。ユーザー端末側にあるファイルであって更新後に適用される文書テンプレートを文書テンプレートファイル名(1898-1)で指示し、修正文書テンプレートファイルアップロードボタン(1898-2)でこれをアップロードする指示をすると、このファイルが文書作成支援装置に送信され、指定されている文書テンプレートファイルと置き換わる処理がされるようになっている。
【0250】
このように、修正文書テンプレートファイル指定・送信操作エリア(1885)は文書テンプレートファイル更新指示ボタン(1891-2)が操作される前には標準工程関連付け操作エリア(1789)には表れないようにするのが操作性を高めて好ましい。これは操作に必要なものは最小限しか表示させないようにすることが操作性を高めるという価値観に基づく。
【0251】
勿論、動きが少ないGUIが望まれるなど、複雑さを除きたいのであれば、標準工程関連付け操作エリア(1789)が示された当初からこれを示しておいてもよい。この場合、文書テンプレートファイル更新指示ボタン(1891-2)は不要となる。
【0252】
(割当済工程表示エリア)
割当済工程表示エリアと割当操作エリアとは、ともに標準工程関連付け操作エリア(1889)の下部に、示されるようになっている。そして両者は、割当済工程表示タブ(1892-1)と割当操作タブ(1892-2)とにより選択的に示されるようになっている。
【0253】
割当済工程表示タブ(1892-1)を選択することによって示される割当済工程表示エリアには、特定された文書テンプレートファイルに対し既に関連付けられた、関連付済標準工程リスト(1892)が示されるようになっている。
【0254】
勿論、新たな文書テンプレートファイルをアップロードした直後には関連付済標準工程はないので、この領域に表示される関連付済標準工程はない。しかし、更新操作の際で、かつ関連付済標準工程があるときには、
図18に示したように、それらを内容とする関連付済標準工程リスト(1892)が示されることになる。
【0255】
なお、その文書テンプレートに既に関連付けられている標準工程のリストを示すことは必須ではない。これらは、既に関連付けられている標準工程があるならば、その文書テンプレートに関連付けることができる標準工程の選択可能リストの中にこれを示すことができるからである。もっとも、多くの業務類型を擁する文書作成支援装置においては、その文書テンプレートに既に関連付けられている標準工程のリストに関連付けられている全ての標準工程を複数の業務類型に渡って一括して表示すれば、その視認性は飛躍的に向上する。よって、関連付済標準工程リスト(1892)に業務類型と併せて表示することは、有力な設計上の選択事項である。
【0256】
(割当操作エリア)
・ 割当操作エリアの外観
図19に示すように、割当操作タブ(1892-2)を選択することによって示される割当操作エリアには、業務類型を指定する業務類型指定操作エリア(1995)と、その指定がされたあとに指定された業務類型に属する全標準類型のリストが表示されるようになっている。
【0257】
全標準類型のリストには、少なくとも、標準工程類型名称欄(1994)、並びに該当する標準工程を関連付けることを指示する関連付指定欄(1993)が含まれている。
【0258】
ひとつの業務類型には多くの標準工程が含まれることが多いので、一画面に入りきらないことが容易に想定できる。そこで、操作性向上を図るため、全リスト要素のうち画面上に表れる要素を選択するスライダー(1996)を設け、操作対象ファイル名が見えたまま多くのリスト要素を選択できるようにすることが望ましい。
【0259】
勿論、リストを分割し、かつ、ページ送りボタンなどとともに表示するようにしても構わない。
【0260】
・ 割当操作エリアでの操作と動作
特定した文書テンプレートファイルとの関連付け操作を行うにあたって割当操作エリアにおいてする操作は、業務類型の指定から始める。ここで業務類型指定操作エリア(1995)には、業務類型リストはドロップダウンボックスの形式で示されている。
【0261】
業務類型指定操作エリア(1995)には予め指定可能な全業務類型リストが設定されていて、操作者はこのなかからドロップダウンボックスにより、選択指定する。
【0262】
業務類型が定まると、ユーザー端末は、その業務類型に属する全標準工程名のリストを、業務類型が定まったとき若しくは予め、本文書支援装置若しくは工程進捗管理装置に問合せ、これを割当操作エリアに表示する。
【0263】
全標準類型のリストには、関連付けることを指示する関連付指定欄(1993)が含まれているので、ここに該当する標準工程を当該文書テンプレートと関連付けたい関連付け指定チェックボックスにチェックを入れる。このチェックを入れたとき乃至図示しない設定決定ボタンを押したとき、この関連付け情報は本文書作成支援装置に送信される。これを受けた文書作成支援装置では、受けた情報に基づいて、関連性情報を標準工程・文書テンプレート対応記録部(107、1107)に記録する。これにより標準工程と文書テンプレートとの関連付けが完了する。
【0264】
なお、既に関連付けがされている標準工程については、表示当初から関連付け指定チェックボックスにチェックが付されている。よって、このチェックを外すことで、その関連付けを解除する指定とすることができる。
【0265】
(業務類型に拡張業務類型を伴う管理を行う場合の割当操作エリア)
・ 割当操作エリアの外観
図20には、上記の割当操作エリアの表示例とは別に、業務類型に拡張業務類型を伴う管理を行う場合の表示例を示している。この例の業務類型の指定操作エリアは、業務類型の選択欄と拡張類型の選択欄と含むように構成されている。
【0266】
拡張類型とは、同一の業務類型名が付されていても、異なる拡張類型を選択すると、別個の業務類型として管理されるようにする、業務類型の弁別類型を意味する。これは、構成する標準工程が概ね同じものであっても若干異なるものを含む複数の業務類型を認識容易にする構成を採った際に利用できる業務の管理技法であり、具体的には、一の拡張業務類型には複数の業務類型が属すものとして管理する、二層階層構造乃至樹形構造を採ることになる。もっとも、一の拡張類型に属する標準工程群を選択する際、必要に応じて他の拡張類型に属する標準工程群を示すようにすることを排除する趣旨ではない。
【0267】
・ 割当操作エリアでの操作と動作
この場合のUI操作の流れを説明する。この表示例の場合には、まず拡張業務類型の指定をするところから始める。図では、選択可能な拡張業務類型には、標準、拡張類型1、拡張類型2、・・・があり、それぞれ選択可能な要素として表示されている。
【0268】
拡張業務類型を決定すると、この拡張業務類型に属する少なくともひとつの業務類型が属しているので、次にその属する業務類型を選択可能なリストとして業務類型欄に示すことになる。更に業務類型を選択すると、その業務類型に属する標準工程のリストを割当操作エリア下欄に表示する。これ以降の操作は(割当操作エリア)で述べたものと同様になる。
【0269】
(5.3.3. 全標準工程で共通して用いるテンプレートへの配慮)
ところで、送付状や報告書表紙のように、ひとつの文書テンプレートでも複数の標準工程が共通して使用するようなシナリオも想定される。
【0270】
すなわち、文書テンプレートの内容によっては、ひとつの業務類型のなかに含まれる全ての標準工程で用いたり、更に全ての業務類型に渡って全ての標準工程で用いたりするものもあることが予想される。このように、特定の複数の業務に属する複数の標準工程で利用したい場合などにおける使い勝手についてより向上させることが望ましい。
【0271】
この点、既に
図19と
図20には表われているのであるが、ひとつの文書テンプレートが一の業務に属する標準工程の全てに渡って「共通」に用いるとする操作ができると有利である。更に、場面によっては全ての業務に属する全ての標準工程の全てに渡って「共通」に用いるとする操作ができることも望ましい。
【0272】
業務類型で「共通」を選択した場合には、その業務類型に属する全ての標準工程で、その特定された文書テンプレートを用いた文書を作成することができるように、各工程履歴の参照時に示される作成文書の選択肢に挙がることになる。
【0273】
また、拡張業務類型で「共通」を選択した場合には、全ての拡張業務類型に属する全ての業務類型内の全ての標準工程で、その特定された文書テンプレートを用いた文書を作成することができるように、各工程履歴の参照時に示される作成文書の選択肢に挙がることになる。
【0274】
(6. その他の変形例など)
(6.1. 他の置換対象対応履歴情報取得部への情報登録技法)
各実施の形態において、置換対象対応履歴情報取得部(115)、ないし置換対象対応履歴情報取得部(1181)への情報登録技法として、一枚のシートを情報媒体に用いる例を開示したが、これは、CSV,TSVなど、カラムと行とを弁別できるものであればよい。ここでは、更に扱いを分かりやすくするために、スプレッドシートを情報媒体に用いる例を示す。
【0275】
ここで「スプレッドシート」には、第1の実施の形態での説明したものを3次元方向に拡張したものを用いることができる。即ち、「スプレッドシート」とは、情報単位ごとに独立し、二次元マス目状に情報単位を並べた状態で操作者が一瞥でき、情報単位毎にこれを編集可能とした情報集合を、少なくともひとつ備えた集合体であって、かつ二次元マス目状に並べられた情報集合が複数あるときには選択により唯一の情報集合のみが視認可能となるものをいう。以下、各情報集合を業務類型ごとに割り当て、かつこれらを唯一視認可能とするための選択部として「タブ」と呼ばれる選択UIを持つものとして説明する。
【0276】
スプレッドシートによって記述された情報単位の集合は、置換指示語・置換情報対応記録部(114)に記録される。
【0277】
具体的には、サーバの管理者は
図14に示すようにひとつのファイルとなった「ブック(1491)」と呼ばれるシート(1455)の集合体をサーバ(101)ないしサーバ(1101)に対して送出する。サーバの制御により、受けたファイルは置換対象対応履歴情報取得部(115)、ないし置換対象対応履歴情報取得部(1181)に登録される。
【0278】
ひとつのシート(1455)にはひとつの業務類型、図例の場合は特許業務(1458)に係る置換指示語(1456)と置換語生成指示(1459)とが組み合わされて記録されている。勿論、いわゆるタブと呼ばれる部分にこれら業務類型が表示されるので他のシートにも同様のそれらの業務類型に固有の置換指示語等をそれぞれに記録して登録すればよい。
【0279】
このようにすることで、置換指示語の登録を行うサーバ管理者は、異なる業務で用いられる個別の置換指示語を明確に分離して視認できるようになり、置換指示語の作成ミスの頻度を低減させることが可能となる。
【0280】
(6.2. 置換指示語抽出部の動作時期)
置換指示語抽出部について、若干の補足をする。前記第1の実施の形態では文書を作成する際に文書テンプレートから置換指示語を抽出するのに対し、第2の実施の形態では文書テンプレートを文書テンプレート記録部に記録する際に置換指示語を抽出している。
【0281】
即ち、両置換指示語を抽出する時期として最も早期に行うのが第1の実施の形態での実装であり、最も後れた時期に行うのが第2の実施の形態での実装である。勿論、最終的に置換指示語について置換処理を行うのは文書作成時であるので、これまでに指示語が抽出されていれば何時行われてもよい。たとえば、第2の実施の形態の構成を採り、文書テンプレート登録時には置換指示語抽出部を機能させず、その後CPUの負荷が低い時、若しくは低優先度のプロセスとして動作させるようにしてもよい。
【0282】
勿論、文書テンプレート登録前であっても、個別に文書テンプレートを作成する時に文書編集プログラムの支援を受けて置換指示語を抽出し、文書テンプレート登録部に文書テンプレートと置換指示語抽出に係る情報との双方を記録する手法も取れないではない。しかし、この場合には外部に独立の置換指示語抽出プログラムなどが必要となり、管理の手間が増え、使い勝手は悪くなる。
【0283】
(6.3. 演算を行うことを指示する2つの場面)
上記実施の形態のいずれにも、工程履歴情報を基礎として「演算」を行う場面があるが、混乱しやすいので、ここで補足説明をする。
【0284】
本願発明において、演算の手順を決める情報は、置換指示語にある場合、並びに置換情報にある場合の両者がある。
【0285】
即ち、置換指示語に演算を指示する情報がある場合とは、
・ 「出願日:20年後」のように付随演算情報として演算内容が含まれている場合、
・ 「出願から20年」のように、置換指示語自体に演算内容が含まれている場合、
などがこれにあたる。
【0286】
また、置換情報に演算を指示する情報がある場合とは、
・ 置換指示語には「満了日」とするのみであり、演算内容は置換情報に含まれている場合、
などがこれにあたる。よって演算処理は適宜これらをいずれにも起因して行われることになる。
【0287】
(6.4. 「端末」について)
本「発明を実施するための形態」の記載において「端末」乃至「ユーザー端末」とあるのは、各実施の形態に係る文書作成支援装置にネットワークを介して接続されたPC等であって、文書作成支援装置から提示された情報は、ブラウザプログラム等によってその操作者に表示されるのが通常である。もっとも、これに限らず、文書作成支援装置が実装されているコンピュータ自体に併せて実装されたブラウザプログラムなどを起動して、これを端末と見ることを妨げない。また、ブラウザプログラムを介さずとも、アプリケーションプログラムによって表示・指示入力を行うことも妨げない。
【0288】
(7. 請求項と実施の形態との対応)
本願特許請求の範囲において記載した請求項と本明細書に記載した実施の形態とは概ね以下の関係にある。勿論、各請求項の解釈においては、これら実施の形態に記載した実装に限られるものではない。
【0289】
請求項1に記載の文書作成支援装置は、概ね第1の実施の形態に記載した文書作成支援装置に実装する。各発明特定事項は概ね同名各部にサブセットの態様で実装し、概ね同名の部名を採っている。
【0290】
なお、各実施の形態で、「置換指示語」は特殊文字列(「$(」と「)」)により囲み、明確に視認できるように実装している。これに限られず、予め決められた文字列や、エスケープ文字で分離するほかにも、置換指示語はXML形式で「<置換指示>」の文字列から始め、「</置換指示>」で終わるものにするなど、他の実装を妨げるものではない。
【0291】
また、文書テンプレートに含まれる置換指示語はいつ抽出してもよいが、その作用を生じさせる置換指示語抽出部を文書作成時に動作させるものを第1の実施の形態に、文書テンプレート登録時に動作させるものを第2の実施の形態に記載してある。
【0292】
請求項2に記載の文書作成支援装置について、任意置換語入力促進部と任意置換語入力部とは、図示はないものの、第1の実施の形態の中ではもちろん、他の実施の形態においても実装されている。この点、(2.2.第1の実施の形態の動作について)[置換処理]の項目に記載がある。
【0293】
請求項3に記載の文書作成支援装置は、各実施の形態において実装がある。このうち置換語演算部は、第1の実施の形態においては置換対象対応履歴情報取得部(115)に、第2の実施の形態においても置換対象対応履歴情報取得部(1181)にそれぞれ実装がある。また第3の実施の形態においては同名の置換語演算部として独立した実装がある。
【0294】
請求項4に記載の文書作成支援装置は、第3の実施の形態に対応した実装がある。
【0295】
請求項5に記載の文書作成支援装置は、第1乃至第3の実施の形態に対応した実装に加え、(5.2. 本実装に係る構成)に対応した実装がある。
【0296】
請求項6に記載の文書作成支援装置は、第1乃至第3の実施の形態に対応した実装に加え、(5.3.3. 全標準工程で共通して用いるテンプレートへの配慮)に対応した実装がある。
【0297】
請求項7に記載の文書作成支援装置は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に記載されている装置として動作させられるように汎用サーバ/汎用PCに記録するプログラムであって、その実装について既述の通りである。
【0298】
なお、各実施の形態の説明において表記する「置換語生成指示情報」とは、特に他部の作用の支援を求める必要がある意義、並びに演算等の必要がある意義に着目した置換情報に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0299】
本発明によれば、特許出願業務をはじめとする行政手続管理業務・司法手続管理業務は勿論、多品種少量生産にかかる進捗管理を伴う生産管理業務などに利用することができる。
【符号の説明】
【0300】
図面中の符号は先頭の数値が図面番号を表す。なお、異なる図面においても下位2桁が同一のものは概ね同意義のものとなるように配番した。
【0301】
101 サーバ
102 ユーザー端末
103 通信路
105 工程履歴管理部
106 文書テンプレート記録部
107 標準工程・文書テンプレート対応記録部
108 工程履歴特定操作促進部
109 工程履歴特定情報入力部
110 文書テンプレート選択促進部
111 文書テンプレート選択情報入力部
112 文書テンプレート取得部
113 置換指示語抽出部
114 置換指示語・置換情報対応記録部
115 置換対象対応履歴情報取得部
116 文書テンプレート置換部
117 業務特定情報入力部
118 業務管理部
119 業務特定操作促進部
221 検索促進画
222 検索
223 検索
224 検索
225 検索
226 検索開始
327 レイアウト
328 業務
329 指示
431 業務内容表示画
432 業務情報
433 工程履歴リスト
535 工程履歴項目選択画
537 工程履歴リスト
641 文書テンプレート選択促進画
642 工程履歴
643 作成文書リスト
644 作成開始指示
746 置換内容表示
747 置換項目欄
748 置換文字列表示入力欄
749 確定・文書生成
750 未決定項目入力促進表示
851 レコード集合
852 標準工程フィールド
853 文書テンプレートフィールド
854 共通
955 置換情報対応レコード集合
956 置換指示語カラム
957 確認表示文字列カラム
958 業務類型カラム
959 置換語生成指示情報カラム
1013 置換指示語抽出部
1014 置換指示語・置換情報対応記録部
1015 置換対象対応履歴情報取得部
1016 文書テンプレート置換部
1061 文書テンプレート
1062 置換指示語群
1063 最終文書データ
1101 サーバ
1102 ユーザー端末
1103 通信路
1105 工程履歴管理部
1106 直接文書テンプレート記録部
1107 標準工程・文書テンプレート対応記録部
1108 工程履歴特定操作促進部
1109 工程履歴特定情報入力部
1110 文書テンプレート選択促進部
1111 文書テンプレート選択情報入力部
1114 置換指示語・置換情報対応記録部
1117 業務特定情報入力部
1118 業務管理部
1119 業務特定操作促進部
1181 置換対象対応履歴情報取得部
1182 文書テンプレート置換部
1183 文書テンプレート記録部
1184 置換指示語抽出部
1185 文書テンプレート取得部
1205 工程履歴管理部
1214 置換対象指示語変換対応記録部
1265 置換語演算部
1281 置換対象対応履歴情報取得部
1371 Table名・Field名
1372 抽出指示
1373 コラム
1374 指定
1375 処理指定カラム
1376 カラム
1455 シート
1456 置換指示語
1458 特許業務
1459 置換語生成指示
1491 ブック
1580 標準工程管理レコード
1581 文書テンプレート管理レコード
1682 文書テンプレート管理テーブル
1683 標準工程・文書テンプレート索引テーブル
1684 標準工程管理テーブル
1785 指定・送信操作エリア
1786 登録文書テンプレートファイルリスト表示エリア
1787 追加表示
1788 文書テンプレートファイル関連標準工程数
1789 標準工程関連付け操作エリア
1885 修正文書テンプレートファイル指定・送信操作エリア
1889 標準工程関連付け操作エリア
1891-1 文書テンプレートダウンロード指示ボタン
1891-2 文書テンプレートファイル更新指示ボタン
1892 関連付済標準工程リスト
1892-1 割当済工程表示タブ
1892-2 割当操作タブ
1898-1 文書テンプレートファイル名
1898-2 修正文書テンプレートファイルアップロードボタン
1993 関連付指定欄
1994 標準工程類型名称欄
1995 業務類型指定操作エリア
1996 スライダー