(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091145
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】単一アナログ入力の機能安全アプリケーションのためのアナログ入力経路上の故障または障害を検出するための実装
(51)【国際特許分類】
H03K 17/00 20060101AFI20220613BHJP
H03M 1/12 20060101ALI20220613BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20220613BHJP
【FI】
H03K17/00 B
H03M1/12 C
G01R31/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021198277
(22)【出願日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】17/114,915
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロッコ カラブロ
(72)【発明者】
【氏名】ケタン デュワン
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン シェーファー
【テーマコード(参考)】
2G014
5J022
5J055
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AB24
2G014AB38
2G014AB51
2G014AB56
2G014AC18
5J022AA01
5J022CA10
5J055AX36
5J055BX16
5J055EX23
5J055EY01
5J055EY10
5J055EZ03
5J055EZ24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アナログ入力経路上の故障又は障害を検出する。
【解決手段】アナログ障害検出システム100において、アナログ障害検出回路104は、入力端子114と、第1の終端で入力端子に結合された入力回路経路116と、入力回路経路の第2の終端に結合された第1サンプリングスイッチ128と、を含む。前記スイッチは、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングして、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)入力電圧Vin_ADC1を供給する。アナログ障害検出回路はさらに、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力Vout_ADC1に変換する第1のADC変換回路と前記スイッチと第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路138と、を含み、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ障害検出回路であって、前記アナログ障害検出回路は、
アナログソース回路に結合するように構成された入力端子と、
第1の終端および第2の終端を有し、前記第1の終端において前記入力端子に結合されている入力回路経路と、
第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路と、
を含み、
前記第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC変換回路と第1のADC回路経路と第1の断線検出回路とを含み、
前記第1のADC変換回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成されており、
前記第1のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合されており、前記第1のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第1のサンプリングスイッチを含み、前記第1のサンプリングスイッチは、前記第1のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第1のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、
前記第1の断線検出回路は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合されており、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含む、
アナログ障害検出回路。
【請求項2】
前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を含むか、または、前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を含むか、または、これら双方を含む、
請求項1記載のアナログ障害検出回路。
【請求項3】
前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項2記載のアナログ障害検出回路。
【請求項4】
前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項2記載のアナログ障害検出回路。
【請求項5】
前記アナログ障害検出回路は、前記第1のADC変換回路の出力側に結合され、前記第1のデジタルADC出力に基づき前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された第1の障害検出回路をさらに含む、
請求項1記載のアナログ障害検出回路。
【請求項6】
前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するために、前記第1の断線検出回路は、アクティベートされ、前記第1のADC入力電圧がプルアップまたはプルダウンされ、次いで予め規定されたアクティベート時間後に、前記第1の断線検出回路は、ディアクティベートされ、前記第1の障害検出回路は、前記第1のデジタルADC出力の第1の測定値と、ディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するように構成されており、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む、
請求項5記載のアナログ障害検出回路。
【請求項7】
前記アナログ障害検出回路は、第2のADC回路をさらに含み、前記第2のADC回路は、第2のADC変換回路と第2のADC回路経路と第2の断線検出回路とを含み、
前記第2のADC変換回路は、第2のADC入力電圧を第2のデジタルADC出力に変換するように構成されており、
前記第2のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第2のADC変換回路との間に結合されており、前記第2のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第2のサンプリングスイッチを含み、前記第2のサンプリングスイッチは、前記第2のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第2のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における前記入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、
前記第2の断線検出回路は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合されており、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第2のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第2のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第2のADC回路経路とを含む、
請求項5記載のアナログ障害検出回路。
【請求項8】
前記第2の断線検出回路は、前記第2のADC入力電圧をプルアップするように構成された第2のプルアップ回路分岐を含むか、または、前記第2のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第2のプルダウン回路分岐を含むか、または、これら双方を含む、
請求項7記載のアナログ障害検出回路。
【請求項9】
前記第2のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第2のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルアップスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第2のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項8記載のアナログ障害検出回路。
【請求項10】
前記第2のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第2のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルダウンスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第2のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項8記載のアナログ障害検出回路。
【請求項11】
前記アナログ障害検出回路は、前記第2のADC変換回路の出力側に結合され、前記第2のデジタルADC出力に基づき前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された第2の障害検出回路をさらに含む、
請求項7記載のアナログ障害検出回路。
【請求項12】
前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するために、前記第2の断線検出回路は、アクティベートされ、前記第2のADC入力電圧は、プルアップまたはプルダウンされ、次いで予め規定されたアクティベート時間後に、前記第2の断線検出回路は、ディアクティベートされ、前記第2の障害検出回路は、前記第2のデジタルADC出力の第1の測定値と、ディアクティベート後の前記第2のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するように構成されており、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む、
請求項11記載のアナログ障害検出回路。
【請求項13】
前記アナログ障害検出回路は、前記第1の障害検出回路の結果と前記第2の障害検出回路の結果とを比較するように構成された障害比較回路をさらに含む、
請求項11記載のアナログ障害検出回路。
【請求項14】
アナログ障害検出システムであって、前記アナログ障害検出システムは、
アナログソース回路と、
アナログ障害検出回路と
を含み、
前記アナログ障害検出回路は、
前記アナログソース回路に結合された入力端子と、
第1の終端および第2の終端を有し、前記第1の終端において前記入力端子に結合されている入力回路経路と、
第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路と、
を含み、
前記第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC変換回路と第1のADC回路経路と第1の断線検出回路とを含み、
前記第1のADC変換回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成されており、
前記第1のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合されており、前記第1のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第1のサンプリングスイッチを含み、前記第1のサンプリングスイッチは、前記第1のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第1のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、
前記第1の断線検出回路は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合されており、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含む、
アナログ障害検出システム。
【請求項15】
前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を含むか、または、前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を含むか、または、これら双方を含む、
請求項14記載のアナログ障害検出システム。
【請求項16】
前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項15記載のアナログ障害検出システム。
【請求項17】
前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項15記載のアナログ障害検出システム。
【請求項18】
前記アナログ障害検出回路は、前記第1のADC変換回路の出力側に結合され、前記第1のデジタルADC出力に基づき前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された第1の障害検出回路をさらに含む、
請求項14記載のアナログ障害検出システム。
【請求項19】
前記アナログ障害検出回路は、第2のADC回路をさらに含み、前記第2のADC回路は、第2のADC変換回路と第2のADC回路経路と第2の断線検出回路とを含み、
前記第2のADC変換回路は、第2のADC入力電圧を第2のデジタルADC出力に変換するように構成されており、
前記第2のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第2のADC変換回路との間に結合されており、前記第2のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第2のサンプリングスイッチを含み、前記第2のサンプリングスイッチは、前記第2のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第2のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における前記入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、
前記第2の断線検出回路は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合されており、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第2のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第2のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第2のADC回路経路とを含む、
請求項18記載のアナログ障害検出システム。
【請求項20】
前記第2の断線検出回路は、前記第2のADC入力電圧をプルアップするように構成された第2のプルアップ回路分岐を含むか、または、前記第2のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第2のプルダウン回路分岐を含むか、または、これら双方を含む、
請求項19記載のアナログ障害検出システム。
【請求項21】
前記第2のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第2のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルアップスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第2のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項20記載のアナログ障害検出システム。
【請求項22】
前記第2のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第2のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルダウンスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第2のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項20記載のアナログ障害検出システム。
【請求項23】
前記アナログ障害検出回路は、前記第2のADC変換回路の出力側に結合され、前記第2のデジタルADC出力に基づき前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された第2の障害検出回路をさらに含む、
請求項19記載のアナログ障害検出システム。
【請求項24】
前記アナログ障害検出回路は、前記第1の障害検出回路の結果と前記第2の障害検出回路の結果とを比較するように構成された障害比較回路をさらに含む、
請求項23記載のアナログ障害検出システム。
【請求項25】
アナログ障害検出回路のための方法であって、前記方法は、以下のステップを含む、すなわち、
前記アナログ障害検出回路に関連する入力端子をアナログソース回路に結合するステップと、
第1のADC変換回路を使用して、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するステップと、
第1のサンプリングスイッチを使用して、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングして、前記第1のADC入力電圧を形成するステップであって、前記入力回路経路の第1の終端は、前記入力端子に結合され、前記入力回路経路の前記第2の終端は、前記第1のサンプリングスイッチに結合され、前記第1のサンプリングスイッチは、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路に含まれるステップと、
第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路を使用して、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルアップまたはプルダウンするステップであって、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含むステップと
を含む方法。
【請求項26】
前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を含むか、または、前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を含むか、または、これら双方を含む、
請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路と、を含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている、
請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記第1の断線検出回路は、アクティベートされ、前記第1のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンし、前記方法は、前記第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、予め規定されたアクティベート時間後に前記第1の断線検出回路を次いでディアクティベートするステップをさらに含む、
請求項25記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記第1の断線検出回路のディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力に基づいて、前記第1のADC変換回路の出力側に結合された第1の障害検出回路を使用して、前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するステップをさらに含む、
請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記第1の障害検出回路を使用して、前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するステップは、前記第1の障害検出回路を使用して、前記第1のデジタルADC出力の第1の測定値と、前記第1の断線検出回路のディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するステップを含み、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む、
請求項30記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子回路におけるアナログ入力に関し、具体的には、電子回路におけるアナログソース回路からアナログ/デジタル変換器(ADC)へのアナログ入力経路上の故障または障害を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機能安全は、多くの産業における総合的な安全戦略の一部であり、人間または操作機器に危害が及ぶ可能性を許容できるレベルまで低減することを企図している。システムが機能的に安全であるようにする要求は、近年、著しく高まってきた。原子力発電所から医療機器、自動車システムに至るまで、誤りのないシステムというのは、一部の人にとっては究極の目標となっており、他の人にとっては必要不可欠なものとなっている。例えばセンシングの世界では、間違ったまたは変造されたデータを取得することは、システムおよび引き起こされるリスクのレベル次第では、甚大な被害をもたらすおそれがあり、場合によっては致命的なものとなり得る。同様に、自動運転および自動運転車両の到来に伴い、ありきたりの日々の通勤から運転者を解放するよう、自動車メーカーは競い合っているので、この魅力的な未来を可能にする電子機器における機能安全の役割は、これまで以上に大きくかつ重要なものとなっている。
【0003】
以下では、回路、装置および/または方法のいくつかの実施例を、単なる例として説明する。これに関連して添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システムの簡略ブロック図を示す図である。
【
図2】第1のアナログ回路経路または第2のアナログ回路経路における障害を検出するために、アナログ障害検出回路によって使用されるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図3a】第1のアナログ回路経路における障害を検出するためのアルゴリズムを実行している間の、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の経時的変化について、1つの可能な実施形態を示す図である。
【
図3b】第1のアナログ回路経路における障害を検出するためのアルゴリズムを実行している間の、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の経時的変化について、別の可能な実施形態を示す図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システムに関連するアナログ/デジタル変換器(ADC)変換回路の1つの可能な実装形態を示す図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システムの方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の1つの実施形態によれば、アナログ障害検出回路が開示される。アナログ障害検出回路は、アナログソース回路に結合するように構成された入力端子と、第1の終端および第2の終端を有し第1の終端において入力端子に結合された入力回路経路とを含む。アナログ障害検出回路はさらに、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路を含み、この第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成された第1のADC変換回路と、入力回路経路の第2の終端と第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路とを含む。第1のADC回路経路は第1のサンプリングスイッチを含み、この第1のサンプリングスイッチの第1の端子は入力回路経路の第2の終端に結合されている。一部の実施形態によれば、第1のサンプリングスイッチは、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングして、第1のサンプリングスイッチの第2の端子において第1のADC入力電圧を供給するように構成されている。第1のADC回路はさらに、第1のサンプリングスイッチと第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路を含み、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成される。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、アナログソース回路と入力回路経路と第1のADC回路経路とを含む。
【0006】
本開示の1つの実施形態によれば、アナログ障害検出システムが開示される。アナログ障害検出システムは、アナログソース回路とアナログ障害検出回路とを含む。アナログ障害検出回路は、アナログソース回路に結合するように構成された入力端子と、第1の終端および第2の終端を有し第1の終端において入力端子に結合された入力回路経路とを含む。アナログ障害検出回路はさらに、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路を含み、この第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成された第1のADC変換回路と、入力回路経路の第2の終端と第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路とを含む。第1のADC回路経路は第1のサンプリングスイッチを含み、この第1のサンプリングスイッチの第1の端子は入力回路経路の第2の終端に結合されている。一部の実施形態によれば、第1のサンプリングスイッチは、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングして、第1のサンプリングスイッチの第2の端子において第1のADC入力電圧を供給するように構成されている。第1のADC回路はさらに、第1のサンプリングスイッチと第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路を含み、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成される。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、アナログソース回路と入力回路経路と第1のADC回路経路とを含む。
【0007】
本開示の1つの実施形態によれば、アナログ障害検出回路のための方法が開示される。この方法は、アナログ障害検出回路に関連する入力端子をアナログソース回路に結合し、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)入力電圧を、第1のADC変換回路を使用して第1のデジタルADC出力に変換するステップを含む。この方法はさらに、第1のサンプリングスイッチを使用して、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングし、第1のADC入力電圧を形成するステップを含む。一部の実施形態によれば、入力回路経路の第1の終端は入力端子に結合されており、入力回路経路の第2の終端は第1のサンプリングスイッチに結合されている。一部の実施形態によれば、第1のサンプリングスイッチは、入力回路経路の第2の終端と第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路に含まれる。一部の実施形態によれば、この方法はさらに、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のサンプリングスイッチと第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路を使用して、第1のADC入力電圧を適応的にプルアップまたはプルダウンするステップを含む。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、アナログソース回路と入力回路経路と第1のADC回路経路とを含む。
【0008】
次に、添付の図面を参照しながら本開示について説明する。この場合、図面全体を通して同様の参照符号は同様の要素を参照するために用いられ、また、図示されている構造および装置は、必ずしも原寸に比例して描かれているわけではない。本明細書で使用される用語「構成要素」、「システム」、「インタフェース」、「回路」、「モジュール」およびこれらに類するものは、コンピュータ関連のエンティティ、ハードウェア、(例えば実行中の)ソフトウェア、および/またはファームウェアを指すことを意図している。例えば構成要素は、プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ、コントローラ、または他の処理装置)、プロセッサ上で実行されるプロセス、コントローラ、オブジェクト、実行ファイル、プログラム、記憶装置、コンピュータ、タブレットPC、および/または処理装置を備えたユーザ機器(例えば携帯電話等)とすることができる。一例を挙げると、サーバ上で実行されるアプリケーションおよびサーバも、1つの構成要素とすることができる。1つまたは複数の構成要素を1つのプロセス内に存在させることができ、1つの構成要素を1つのコンピュータ上にローカルに存在することができ、かつ/または2つ以上のコンピュータ間で分散させることができる。本明細書において、一連の要素または他の一連の構成要素について説明する場合があり、ここで用語「一連の」を「1つまたは複数の」と解釈することができる。
【0009】
別の実施例として、1つの構成要素を、電気回路または電子回路により動作させられる機械部品によって提供される特定の機能を備えた装置とすることができ、この場合、電気回路または電子回路を、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアアプリケーションまたはファームウェアアプリケーションによって動作させることができる。1つまたは複数のプロセッサは、装置の内部または外部にあるものとすることができ、ソフトウェアアプリケーションまたはファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の実施例として、1つの構成要素を、機械部分を用いずに電子構成要素を介して特定の機能を提供する装置とすることができる。それらの電子構成要素は、その内部に1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、これによって電子構成要素の機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェアおよび/またはファームウェアが実行される。
【0010】
例示的という語の使用は、概念を具体的に提示することを意図している。本出願において使用される用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味することを意図している。つまり特に明記しない限り、または前後関係から明らかでない限り、「XはAまたはBを使用する」は、自然な包括的な並べ替えのいずれも意味することを意図している。つまりXがAを使用する場合、XがBを使用する場合、またはXがAおよびBの両方を使用する場合、「XはAまたはBを使用する」は、上記の例のいずれの場合であっても満たされる。これに加え、特に明記しない限り、または前後関係から単数形に向けられたものであることが明らかでない限り、本願および添付の特許請求の範囲において使用されている単数形の不定冠詞は一般に、「1つまたは複数」を意味するものと解釈されたい。さらに用語「包含している」、「包含する」、「有している」、「有する」、「を備えた」またはその異形が、詳細な説明および特許請求の範囲のいずれかで使用されている場合、かかる用語は、「含んでいる」という用語に類似したやり方で包括的であることを意図している。
【0011】
以下の詳細な説明は添付の図面を参照する。同一または類似の要素を識別するために、異なる図面において同一の参照番号が使用されている場合がある。以下の記述では、限定ではなく説明の目的で、様々な実施形態の様々な態様の完全な理解をもたらすために、特定の構造、アーキテクチャ、インタフェース、技術等のような特定の詳細について記載されている。ただし本開示の利益を有する当業者には明らかとなるように、様々な実施形態の様々な態様を、それらの特定の詳細から離れた他の実施例において実施することができる。いくつかの例においては、様々な実施形態の説明が不必要な詳細によって不明瞭にならないように、周知の装置、回路、および方法の説明が省略されている。
【0012】
上述のとおり、電子機器における機能安全の役割は、これまで以上に大きくかつ重要なものとなっている。ISO31262は、自動車産業で使用されている機能安全規格である。この規格の目的は、自動車における電気システムおよび/または電子システムの故障および誤動作に起因して発生し得る危険を低減することである。開発プロセスに対する安全要求は、ターゲットアプリケーションの自動車安全完全性レベル(ASIL)の格付けに依存し、これをASIL-AからASIL-Dまでの範囲とすることができる。ステアリングシステムまたはブレーキシステムなどのアプリケーションは、最高のASIL-Dレベルで格付けされる。この種のシステムにおける故障によって、車両が制御不能に陥るおそれがあり、その結果、場合によっては致命的な損傷が引き起こされる。最新の安全アプリケーションにおいては、ISO31262によって規定されたASILレベルを満たさなければならない多数のアナログ入力が存在する。多くのアプリケーションでは、アナログ入力のソースはASIL A/Bであるとはいえ、ソースからアナログ/デジタル変換器(ADC)への信号分配経路が保護されておらず、または故障モードをカバーするために付加的なシステムレベルの安全機構を必要とする。しかしながら機能安全のためには(特に単一のアナログ入力機能安全アプリケーションの場合)、ソースからアナログ/デジタル変換器(ADC)への信号分配経路における故障または障害を検出することが不可欠である。一部の実施形態によれば、ソースからADCへの信号分配経路をさらにアナログ信号経路と称する。
【0013】
アナログ信号経路に対するASILレベルまたは機能安全を達成するために、一部の目下の実装形態では冗長なソースが使用される。特に、第1のソースが第1の経路(例えばミッションチャネル)に結合されており、第2のソースが第2の経路(例えば監視チャネル)に結合されている。第1のソースまたは第2のソースの経路における障害を、多様な冗長チャネルの結果に対する妥当性検査によって検出することができる。一部の実施形態によれば、第1のソースおよび第2のソースは同種のソースを含む。択一的に他の実施形態によれば、第1のソースおよび第2のソースは異種のソースを含む。一部の実施形態によれば、第1のソースおよび第2のソースの両方がアナログソースを含む。かかる実施形態において、第1のソースまたは第2のソースの経路における障害が、それぞれ第1の経路および第2の経路に結合されたADCの比較結果に基づいて判定される。択一的に他の実施形態によれば、第1のソースはアナログ入力を含むことができ、第2のソースをデジタル入力とすることができる。とはいえ、機能安全のために冗長的なソースを利用と、アナログ入力を有する電子回路の面積および電力消費が増加する。しかも冗長的なソースを利用すると、電子回路においてサポート可能なアナログ入力の数が制限される。
【0014】
択一的に一部の目下の実装形態によれば、アナログ信号経路に対するASILレベルまたは機能安全を達成するために、同一のアナログ入力(例えばアナログソース回路)が少なくとも2つのADCチャネルに接続されており、各ADCチャネルは対応するADCを含む。各ADCチャネルはさらに、アナログ入力と、個々のADCに関連するサンプリングスイッチとの間に結合された障害識別回路を含む。障害識別回路は、アナログ入力と対応するADCとの間に結合されたアナログ信号経路における障害を検出するために、サンプリングスイッチへの入力電圧(またはサンプリングスイッチの入力側における電圧)を適応的にプルアップまたはプルダウンするように構成されている。一部の実施形態によれば、各ADCチャネルにおける欠陥が、個々のチャネルのデジタルADC出力に基づき判定される。具体的には、プルアップまたはプルダウンがディアクティベートされた直後の第1のデジタルADC出力と、プルアップまたはプルダウンがディアクティベートされてから予め規定された時間が経過した後の第2のデジタルADC出力との差に基づき、各ADCチャネルにおける欠陥が判定される。
【0015】
例えば、サンプリングスイッチへの入力電圧がプルダウンされ、アナログ入力経路に障害が発生していない場合、第2のADC出力は、アナログソースがサンプリングスイッチに接続されているので、(アナログソースによって供給される)アナログ入力電圧に戻ることになる。しかしながら、サンプリングスイッチへの入力電圧がプルダウンされ、アナログ入力経路に障害が発生した場合、アナログソースがADCの入力から部分的にまたは完全に切り離されていることから、第2のADC出力は低いままとなり、これによって障害を検出することができる。しかしながら、アナログ入力とサンプリングスイッチとの間に障害識別回路を結合すると、結果としてリークが発生し、このリークは、(アナログ入力と障害識別回路との間の)アナログ信号経路に結合されたキャパシタ(例えばこのキャパシタは充電されているかもしれないし放電されているかもしれない)における電圧に作用を及ぼす。したがってかかる実施形態の場合には、たとえアナログ信号経路に障害が発生していても、キャパシタからの漏れ電荷に起因して第2のADC出力が高くなってしまう。その結果、信頼できない障害検出となってしまう。上述の欠点を克服する目的で本明細書に開示されているのは、単一のアナログ入力の利用に基づき漏れを低減しながら、アナログ信号経路における障害または故障を確実に検出するシステムおよび方法である。
【0016】
図1には、本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システム100の簡略ブロック図が示されている。一部の実施形態によれば、アナログ障害検出システム100は、アナログ入力を受信する(例えばアナログ入力ソースに結合された)電子システム/回路の一部を含む。一部の実施形態によれば、アナログ障害検出システム100は、電子回路においてアナログソース回路をアナログデジタル変換器(ADC)に結合するアナログ信号/回路経路に関連する障害または故障の検出を容易にする。これに加え、一部の実施の形態によれば、アナログ障害検出システム100は、電子回路に結合されたアナログソース回路に関連する障害または故障の検出を容易にする。アナログ障害検出システム100は、アナログソース回路102とアナログ障害検出回路104とを含む。一部の実施形態によれば、アナログ障害検出回路104を単一の集積チップ(IC)上に実装することができる。択一的に他の実施形態によれば、アナログ障害検出回路104を1つまたは複数の集積チップ(IC)上に実装することができる。
【0017】
アナログソース回路102は、アナログ入力電圧Vin_1を供給するように構成された入力ソース回路106を含む。一部の実施形態によれば、アナログソース回路102はさらに、入力ソース回路106をアナログ障害検出回路104に結合するように構成されたソース回路経路110を含む。一部の実施形態によれば、ソース回路経路110は、入力抵抗108および入力キャパシタC0112を含む。択一的に他の実施形態によれば、ソース回路経路110は、導体パターンのみを含むことができ、他のいかなる構成要素も含むことはできない。アナログ障害検出回路104は、アナログ入力電圧Vinを受けるためにアナログソース回路102に結合されるように構成されている。一部の実施形態によれば、アナログ入力電圧Vinはアナログ入力電圧Vin_1と同一である。択一的に他の実施形態によれば、アナログ入力電圧Vinは、ソース回路経路110内での降下に起因して、アナログ入力電圧Vin_1とはいくらか異なる場合もある。アナログ障害検出回路104は、入力端子114を介してアナログソース回路102に結合されるように構成されている。一部の実施形態によれば、入力端子114は、アナログソース回路102に結合するためにソース回路経路110に結合されている。
【0018】
アナログ障害検出回路104はさらに、入力回路経路116と、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路118と、第2のADC回路122と、を含む。入力回路経路116は第1の終端と第2の終端とを含み、第1の終端は入力端子114に結合されており、第2の終端は、共通電気ノード120に結合されている。一部の実施形態によれば、入力回路経路116の第2の終端は共通電気ノード120と一致している。一部の実施形態によれば、第1の入力回路経路116は静電放電(ESD)保護装置130を含み、この装置130は、これに関連するESDノード136に結合されている。一部の実施形態によれば、ESD保護装置130は、ESDノード136と正の電圧VDDとの間に結合された第1のダイオード132を含む。これに加えESD保護装置130は、ESDノード136とアースGNDとの間に結合された第2のダイオード134を含む。ESD保護装置130の他の実装形態も、本開示の範囲内に含まれるものとする。一部の実施形態によれば、入力回路経路116はさらに、自身に結合された他の構成要素(例えば抵抗、キャパシタ等)を含むことができる。択一的に他の実施形態によれば、入力回路経路116は、自身に結合されたいかなる構成要素もない導体パターンを含むことができる。
【0019】
第1のADC回路118および第2のADC回路122は、共通電気ノード120を介して入力回路経路116の第2の終端に結合されている。第1のADC回路118は、第1のADC変換回路124と、入力回路経路116の第2の終端(または共通電気ノード120)と第1のADC変換回路124との間に結合された第1のADC回路経路126と、を含む。第1のADC回路経路126は導体経路を含み、この導体経路に結合された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。第1のADC回路経路126は、第1の端子および第2の端子を有する第1のサンプリングスイッチ128を含み、第1の端子は、入力回路経路116の第2の終端または共通電気ノード120に結合されており、第2の端子は、(第1のADC回路経路126を介して)第1のADC変換回路124に結合されている。一部の実施形態によれば、第1のサンプリングスイッチ128を、1つまたは複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して実装することができる。第1のサンプリングスイッチ128は、入力回路経路116の第2の終端における入力経路電圧Vin_pathをサンプリングして、第1のサンプリングスイッチ128の第2の端子において第1のADC入力電圧Vin_ADC1を供給するように構成されている。一部の実施形態によれば、入力経路電圧Vin_pathをアナログ入力電圧Vinと同じものとすることができる。択一的に他の実施形態によれば、入力経路電圧Vin_pathは、入力回路経路116におけるいくらかの電圧降下に起因して、アナログ入力電圧Vinとは異なる場合もある。一部の実施形態によれば、第1のADC入力電圧Vin_ADC1は、(アナログ電圧である)入力経路電圧Vin_pathのサンプリングされたバージョンを含む。一部の実施形態によれば、第1のADC変換回路124は、第1のADC入力電圧Vin_ADC1を第1のデジタルADC出力Vout_ADC1に変換するように構成されている。
【0020】
一部の実施形態によれば、第1のADC回路118はさらに、第1のサンプリングスイッチ128と第1のADC変換回路124との間に結合された第1の断線検出回路138を含み、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のADC入力電圧Vin_ADC1を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成される。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、(入力ソース回路106およびソース回路経路110を含む)アナログソース回路102と、入力回路経路116と、第1のADC回路経路126と、を含む。一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138は、第1のADC入力電圧Vin_ADC1を正の電圧VDDまでプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐142を含む。
【0021】
第1のプルアップ回路分岐142は、第1のプルアップソース回路148と第1のプルアップスイッチ回路150とを含む。一部の実施形態によれば、第1のプルアップスイッチ回路150を、1つまたは複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して実装することができる。第1のプルアップソース回路148は、第1の終端において正の給電電圧VDDに結合されており、異なる第2の終端において第1のプルアップスイッチ回路150に結合されている。第1のプルアップスイッチ回路150は第1の端子と第2の端子とを含み、第1の端子は、第1のプルアップソース回路148の第2の終端に直列に結合されており、第2の端子は、第1のサンプリングスイッチ128と第1のADC変換回路124との間に結合された第1のADC回路経路126内のADCノード146に結合されている。一部の実施形態によれば、第1のプルアップソース回路148は電流源を含む。択一的に他の実施形態によれば、第1のプルアップソース回路148は電圧源を含むことができる。
【0022】
一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138はさらに、第1のADC入力電圧Vin_ADC1をアース電位までプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐144を含む。第1のプルダウン回路分岐144は、第1のプルダウンソース回路154と第1のプルダウンスイッチ回路152とを含む。一部の実施形態によれば、第1のプルダウンスイッチ回路152を、1つまたは複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して実装することができる。第1のプルダウンソース回路154は、第1の終端においてアース電圧GNDに結合されており、異なる第2の終端において第1のプルダウンスイッチ回路152に結合されている。第1のプルダウンスイッチ回路152は第1の端子と第2の端子とを含み、第1の端子は、第1のプルダウンソース回路154の第2の終端に直列に結合されており、第2の端子は、第1のサンプリングスイッチ128と第1のADC変換回路124との間に結合された第1のADC回路経路126内のADCノード146に結合されている。
【0023】
一部の実施形態によれば、第1のプルダウンソース回路154は電流源を含む。択一的に他の実施形態によれば、第1のプルダウンソース回路154は電圧源を含むことができる。この実施形態によれば、断線検出回路138は、第1のプルアップ回路分岐142および第1のプルダウン回路分岐144の両方を含むように示されている。択一的に他の実施形態によれば、断線検出回路138は、第1のプルアップ回路分岐142のみを含むことができ、または第1のプルダウン回路分岐144のみを含むことができる。一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138を第1のサンプリングスイッチ128と第1のADC変換回路124との間に結合することによって、(第1のサンプリングスイッチ128がサンプリング中の半分の時点で開いていることから)第1の断線検出回路138からアナログソース回路102への漏れを低減することができる。さらに、第1のプルアップソース回路148および第1のプルダウンソース回路154を使用することによって、第1のプルアップ回路分岐142および第1のプルダウン回路分岐144を介して制御された電流が供給され、これによりアナログソース回路102への漏れがさらに低減される。
【0024】
第2のADC回路122は、第2のADC変換回路158と、入力回路経路116の第2の終端(または共通電気ノード120)と第2のADC変換回路158との間に結合された第2のADC回路経路160と、を含む。第2のADC回路経路160は導体経路を含み、この導体経路に結合された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。具体的には、第2のADC回路経路160は、第1の端子および第2の端子を有する第2のサンプリングスイッチ162を含み、第1の端子は、入力回路経路116の第2の終端または共通電気ノード120に結合されており、第2の端子は、(第2のADC回路経路160を介して)第2のADC変換回路158に結合されている。第2のサンプリングスイッチ162は、入力回路経路116の第2の終端における入力経路電圧Vin_pathをサンプリングして、第2のサンプリングスイッチ162の第2の端子において第2のADC入力電圧Vin_ADC2を供給するように構成されている。一部の実施形態によれば、第2のADC入力電圧Vin_ADC2は、(アナログ電圧である)入力経路電圧Vin_pathのサンプリングされたバージョンを含む。一部の実施形態によれば、第2のADC変換回路158は、第2のADC入力電圧Vin_ADC2を第2のデジタルADC出力Vout_ADC2に変換するように構成されている。
【0025】
一部の実施形態によれば、第2のADC回路122はさらに、第2のサンプリングスイッチ162と第2のADC変換回路158との間に結合された第2の断線検出回路164を含み、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第2のADC入力電圧Vin_ADC2を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成される。一部の実施形態によれば、第2のアナログ回路経路は、(入力ソース回路106およびソース回路経路110を含む)アナログソース回路102と、入力回路経路116と、第2のADC回路経路160とを含む。一部の実施形態によれば、第2の断線検出回路164は、第2のADC入力電圧Vin_ADC2を正の電圧VDDまでプルアップするように構成された第2のプルアップ回路分岐166を含む。
【0026】
第2のプルアップ回路分岐166は、第2のプルアップソース回路170と第2のプルアップスイッチ回路172とを含む。一部の実施形態によれば、第2のプルアップスイッチ回路172を、1つまたは複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して実装することができる。第2のプルアップソース回路170は、第1の終端において正の給電電圧VDDに結合されており、異なる第2の終端において第2のプルアップスイッチ回路172に結合されている。第2のプルアップスイッチ回路172は第1の端子と第2の端子とを含み、第1の端子は、第2のプルアップソース回路170の第2の終端に直列に結合されており、第2の端子は、第2のサンプリングスイッチ162と第2のADC変換回路158との間に結合された第2のADC回路経路160内のADCノード178に結合されている。一部の実施形態によれば、第2のプルアップソース回路170は電流源を含む。択一的に他の実施形態によれば、第2のプルアップソース回路170は電圧源を含むことができる。
【0027】
一部の実施形態によれば、第2の断線検出回路164はさらに、第2のADC入力電圧Vin_ADC2をアース電位までプルダウンするように構成された第2のプルダウン回路分岐168を含む。第2のプルダウン回路分岐168は、第2のプルダウンソース回路176と第2のプルダウンスイッチ回路174とを含む。一部の実施形態によれば、第2のプルダウンスイッチ回路174を、1つまたは複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して実装することができる。第2のプルダウンソース回路176は、第1の終端においてアース電圧GNDに結合されており、異なる第2の終端において第2のプルダウンスイッチ回路174に結合されている。第2のプルダウンスイッチ回路174は第1の端子と第2の端子とを含み、第1の端子は、第2のプルダウンソース回路176の第2の終端に直列に結合されており、第2の端子は、第2のサンプリングスイッチ162と第2のADC変換回路158との間に結合された第2のADC回路経路160内のADCノード178に結合されている。
【0028】
一部の実施形態によれば、第2のプルダウンソース回路176は電流源を含む。択一的に他の実施形態によれば、第2のプルダウンソース回路176は電圧源を含むことができる。この実施形態によれば、第2の断線検出回路164は、第2のプルアップ回路分岐166および第2のプルダウン回路分岐168の両方を含むように示されている。択一的に他の実施形態によれば、第2の断線検出回路164は、第2のプルアップ回路分岐166のみを含むことができ、または第2のプルダウン回路分岐168のみを含むことができる。一部の実施形態によれば、第2の断線検出回路164を第2のサンプリングスイッチ162と第2のADC変換回路158との間に結合することによって、(第2のサンプリングスイッチ162がサンプリング中の半分の時点で開いていることから)第2の断線検出回路164からアナログソース回路102への漏れを低減することができる。さらに、第2のプルアップソース回路170および第2のプルダウンソース回路176を使用することによって、第2のプルアップ回路分岐166および第2のプルダウン回路分岐168を介して制御された電流が供給され、これによりアナログソース回路102への漏れがさらに低減される。
【0029】
一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138が第1のプルアップ分岐142のみを含む場合には、第2の断線検出回路164も第2のプルアップ分岐166のみを含む。同様に一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138が第1のプルダウン分岐144のみを含む場合には、第2の断線検出回路164も第2のプルダウン分岐168のみを含む。しかしながら、第1の断線検出回路138および第2の断線検出回路164の他の構成も可能であり、例えば、第1の断線検出回路138が第1のプルアップ分岐142のみを含むこと、および第2の断線検出回路164が第2のプルダウン分岐168のみを含むこと、ならびにその逆のことも可能である。さらに、第1の断線検出回路138がプルアップ分岐およびプルダウン分岐の両方を含む場合には、第2の断線検出回路164もプルアップ分岐およびプルダウン分岐の両方を含む。第1の断線検出回路138および第2の断線検出回路164がプルアップ分岐およびプルダウン分岐の両方を含む実施形態であれば、障害検出のために、第1の断線検出回路138および第2の断線検出回路164の両方のプルアップ分岐がアクティベート/ディアクティベートされるか、または第1の断線検出回路138および第2の断線検出回路164の両方のプルダウン分岐がアクティベート/ディアクティベートされる。ただし他の実施形態によれば、第1の断線検出回路138および第2の断線検出回路164を、それぞれ異なるようにアクティベート/ディアクティベートしてもよい。
【0030】
一部の実施形態によれば、アナログ障害検出回路104はさらに、第1のADC変換回路124の出力側に結合され、第1のデジタルADC出力Vout_ADC1に基づき第1のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第1の障害検出回路180を含む。先に説明したように一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、(入力ソース回路106およびソース回路経路110を含む)アナログソース回路102と、入力回路経路116と、第1のADC回路経路126とを含む。さらに一部の実施形態によれば、アナログ障害検出回路104は、第2のADC変換回路158の出力側に結合され、第2のデジタルADC出力Vout_ADC2に基づき第2のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第2の障害検出回路182を含む。先に説明したように一部の実施形態によれば、第2のアナログ回路経路は、(入力ソース回路106およびソース回路経路110を含む)アナログソース回路102と、入力回路経路116と、第2のADC回路経路160とを含む。一部の実施形態によれば、アナログ障害検出回路104はさらに、第1の障害検出回路180の結果と第2の障害検出回路182の結果とを比較するように構成された障害比較回路184を含む。一部の実施形態によれば、障害比較回路184はさらに、比較に基づいて障害を示すように構成されている。
【0031】
例えば、第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182のいずれによっても障害が識別されたならば、障害比較回路184は、例えばアラームのアクティベートまたはエラーメッセージの供給によって、障害が識別されたことを示すことができる。一部の実施形態によれば、第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182のいずれによっても障害が識別されたならば、アナログソース回路102または入力回路経路116(これらのいずれも第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182に共通である)に関連する障害を表すことができる。さらに、第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182のいずれによっても障害が識別されなければ、障害比較回路184は、障害が存在しないことを示すメッセージを供給することができる。さらに、第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182のうちの一方のみによって障害が識別されたならば、障害比較回路184はさらに、エラーメッセージまたはアラームを供給することができる。一部の実施形態によれば、第1の障害検出回路180および第2の障害検出回路182のうちの一方のみによって障害が識別されたならば、第1のADC回路経路126または第2のADC回路経路160に関連する障害を表すことができる。よって、かかる実施形態の場合には、障害比較回路からのエラーメッセージによって、障害がADC回路経路に関連するものであることを示すことができる。かかる実施形態であれば、障害を正すために、対応するADCをリセットすることができる。この実施形態によれば、アナログ障害検出回路104は、入力回路経路116の第2の終端に結合された第1のADC回路118および第2のADC回路122を含むことが示されている。ただし他の実施形態によれば、2つ以上のADC回路を入力回路経路116の第2の終端に結合することができる。さらに一部の択一的な実施形態によれば、1つのADC回路(例えば第1のADC回路118)のみを、入力回路経路116の第2の終端に結合することができる。ただしかかる実施形態の場合には、障害比較回路184を含めることはできない。むしろかかる実施形態によれば、対応するデジタルADC出力に基づき対応する障害検出回路によって、アナログ回路経路に関連する障害が検出され、それに基づきアラーム/表示を生成することができる。
【0032】
図2には、第1のアナログ回路経路または第2のアナログ回路経路における障害を検出するために、アナログ障害検出回路104によって使用されるアルゴリズム200のフローチャートが示されている。第1のアナログ回路経路に関連する障害を判定するために、第1の断線検出回路138および第1の障害検出回路180を使用して、アルゴリズム200を実装することができる。同様に、第2のアナログ回路経路に関連する障害を判定するために、第2の断線検出回路164および第2の障害検出回路182を使用して、アルゴリズム200を実装することができる。本明細書では、アナログ障害検出回路104の第1の断線検出回路138および第1の障害検出回路180を参照しながら、アルゴリズム200について説明するが、第2の断線検出回路164および第2の障害検出回路182にも等しくアルゴリズム200を適用可能であり、このアルゴリズム200を限定されたものであると解釈してはならない。
【0033】
一部の実施形態によれば、アルゴリズム200は、持続的な障害もランダムな障害もカバーするために、予め規定されたタイムインターバルで(例えば走行サイクルごとに1回)実行される。一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138および第1の障害検出回路180を使用してアルゴリズム200が実行され、これと同時に、第2の断線検出回路164および第2の障害検出回路182を使用してアルゴリズム200が実行される。択一的に他の実施形態によれば、第1の断線検出回路138および第1の障害検出回路180を使用してアルゴリズム200が実行され、これとは異なる時点に、第2の断線検出回路164および第2の障害検出回路182を使用してアルゴリズム200が実行される。
図2を参照すると、ステップ202においてアルゴリズム200がスタートする。ステップ204において、第1の断線検出回路138をアクティベートして、第1のADC入力電圧Vin_ADC1をプルアップまたはプルダウンする。具体的には、第1のプルアップ回路分岐142をアクティベートし/イネーブル状態にして、第1のADC入力電圧Vin_ADC1をVDDまでプルアップし、第1のプルダウン回路分岐144を、第1のADC入力電圧Vin_ADC1をGNDまでプルダウンするように構成する。一部の実施形態によれば、第1のプルアップ回路分岐142をアクティベートする/イネーブル状態にするステップは、第1のプルアップスイッチ回路150をオンにするステップを含み、第1のプルダウン回路分岐144をアクティベートする/イネーブル状態にするステップは、第1のプルダウンスイッチ回路152をオンにするステップを含む。
【0034】
ステップ206において、予め規定されたアクティベート時間後、第1の断線検出回路138をディアクティベートする/ディスエーブル状態にする。具体的には、ステップ204においてアクティベートした/イネーブル状態にした第1のプルアップ回路分岐142または第1のプルダウン回路分岐144を、ディアクティベートする/ディスエーブル状態にする。一部の実施形態によれば、第1のプルアップ回路分岐142をディアクティベートする/ディスエーブル状態にするステップは、第1のプルアップスイッチ回路150をオフにするステップを含み、第1のプルダウン回路分岐144をディアクティベートする/ディスエーブル状態にするステップは、第1のプルダウンスイッチ回路152をオフにするステップを含む。ステップ208において、第1の断線検出回路138のディアクティベート後、第1の障害検出回路180を使用して、第1のデジタルADC出力Vout_ADC1の第1の測定値を測定し記憶する。一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路138をディアクティベートしてから予め規定されたディアクティベート時間後に、第1の測定値を測定する。ステップ210において、第1の断線検出回路138のディアクティベート後、第1の障害検出回路180を使用して、第1のデジタルADC出力Vout_ADC1の第2の測定値を測定し記憶する。一部の実施形態によれば、第2の測定値は、第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された第1のデジタルADC出力Vout_ADC1の値を含む。ステップ212において、第1のアナログ回路経路における障害を検出する目的で、第1の障害検出回路180を使用して、第1の測定値と第2の測定値とを比較する。
【0035】
一部の実施形態によれば、アナログ回路経路に障害が存在しない場合、第1の測定値と第2の測定値との間に(例えば予め規定された偏差範囲内で)十分な偏差が存在することになる。しかしながら、アナログ回路経路に障害が存在する場合には、第1の測定値および第2の測定値は、(予め規定された予期された範囲内で)類似した値を示すことになる。これについてのさらに詳細な点は、以下の実施形態において呈示する。したがって一部の実施形態によれば、第1の障害検出回路180は、第1の測定値と第2の測定値とが類似した値を示している場合、第1のアナログ回路経路における障害を識別する。
図3aには、第1のアナログ回路経路における障害を検出するためのアルゴリズム200を実行している間の、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の経時的変化について、1つの可能な実施形態が示されている。特に
図3aには、第1のアナログ回路経路が遮断または断続的に遮断される1つの実施形態について、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の波形が示されている。この実施形態によれば、第1の断線検出回路138を使用してVin_ADC1をプルダウンすることにより、アルゴリズム200が実行される。ただし他の実施形態によれば、第1の断線検出回路138を使用してVin_ADC1をプルアップすることにより、アルゴリズム200を実行することができる。第2のアナログ回路経路における同様の障害を検出するためにアルゴリズム200を実行した場合、第2のADC入力電圧Vin_ADC2に関連する波形も類似の変化を示す。よって、本明細書ではこれについては繰り返し説明しない。
【0036】
波形300は、通常動作中(すなわちアルゴリズム200が実行されていない場合)であり、かつ第1のアナログ回路経路に障害が存在しない場合の、Vin_ADC1の予期される経時的変化を描写している。さらに波形310は、アルゴリズム200の実行中であり、かつ第1のアナログ回路経路において301(時点)で障害が発生した場合(すなわち第1のアナログ回路経路が遮断または断続的に遮断された場合)の、Vin_ADC1の経時的変化を描写している。さらに波形320は、アルゴリズム200の実行中であり、かつ第1のアナログ回路経路に障害が発生していない場合の、Vin_ADC1の経時的変化を描写している。302において、第1の断線検出回路138を使用してプルダウンがイネーブル状態にされる。
図3aから見て取れるように、波形310および320のいずれも、プルダウンがイネーブル状態にされた後のV1からV2への電圧の低下を示している。予め規定されたアクティベート時間の後、304においてプルダウンがディスエーブル状態にされる。波形310および320から見て取れるように、Vin_ADC1は304の後、低くなった電圧V2で一定となる。
【0037】
306において、Vin_ADC1の第1の測定値が記憶される。具体的には、Vin_ADC1の第1の測定値は、304の後、予め規定されたディアクティベート時間を経て、測定/記憶される。
図3aから見て取れるように、波形310および320のいずれも、306において電圧V2を有する。308において、Vin_ADC1の第2の測定値が記憶される。第2の測定値は、第1の測定値が測定されてから予め規定された待ち時間後、測定/記憶される。第1のアナログ回路経路に障害が存在しなければ、Vin_ADC1は、プルダウンがイネーブル状態にされたときよりも前の以前のレベル(すなわちV1)に戻ることになる。しかしながら
図3aから見て取れるように、波形310は308においてV3の電圧を示しており、これはプルダウン電圧V2に非常に近い。換言すれば、障害のためVin_ADC1は、プルダウンがイネーブル状態にされたときよりも前の以前のレベル電圧(すなわちV1)には戻らない。これに反し波形320は、308においてV4の電圧を示しており、これはプルダウンがイネーブル状態にされたときよりも前の以前の電圧レベル(すなわちV1)に非常に近い。よって、第1の測定値と第2の測定値とが類似した値を示すならば、第1の障害検出回路180は、第1のアナログ回路経路における障害を検出する。これに対し、第1の測定値と第2の測定値とが(例えば予め規定された範囲内で)十分な偏差を示しているならば、第1の障害検出回路180は、アナログ回路経路において障害が存在していない、ということを識別する。
【0038】
図3bには、第1のアナログ回路経路における障害を検出するためのアルゴリズム200を実行している間の、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の経時的変化について、別の可能な実施形態が示されている。特に
図3bには、入力ソース回路106がVDDに短絡される1つの実施形態について、第1のADC入力電圧Vin_ADC1の波形が示されている。換言すれば、第1のアナログ回路経路における障害には、入力ソース回路106がVDDに短絡されることが含まれる。択一的に他の実施形態によれば、障害には、入力ソース回路106がGNDに短絡されることが含まれる場合もある。この実施形態によれば、第1の断線検出回路138を使用してVin_ADC1をプルダウンすることにより、アルゴリズム200が実行される。ただし他の実施形態によれば、第1の断線検出回路138を使用してVin_ADC1をプルアップすることにより、アルゴリズム200を実行することができる。第2のアナログ回路経路における同様の障害を検出するためにアルゴリズム200を実行した場合、第2のADC入力電圧Vin_ADC2に関連する波形も類似の変化を示す。よって、本明細書ではこれについては繰り返し説明しない。
【0039】
波形350は、通常動作中(すなわちアルゴリズム200が実行されていない場合)であり、かつ第1のアナログ回路経路に障害が存在しない場合の、Vin_ADC1の予期される経時的変化を描写している。さらに波形360は、アルゴリズム200の実行中であり、かつ第1のアナログ回路経路において351(時点)で障害が発生した(すなわち入力ソース回路106がVDDに短絡された)場合の、Vin_ADC1の経時的変化を描写している。さらに波形370は、アルゴリズム200の実行中であり、かつ第1のアナログ回路経路に障害が発生していない場合の、Vin_ADC1の経時的変化を描写している。352において、第1の断線検出回路138を使用してプルダウンがイネーブル状態にされる。
図3bから見て取れるように、351における障害のため(すなわち入力ソース回路106がVDDに短絡されているため)、たとえプルダウンがイネーブル状態にされても、短絡電流がプルダウン電流より著しく大きいことから、波形360はVDDにとどまる。しかしながら波形370は、障害が存在しないことから、プルダウンがイネーブル状態にされた後、V1からV2への電圧の低下を示している。予め規定されたアクティベート時間の後、354においてプルダウンがディスエーブル状態にされる。障害のため、波形360はVDDにとどまる。これに反し波形370すなわちVin_ADC1は、354の後、低くなった電圧V2で一定となる。
【0040】
356において、Vin_ADC1の第1の測定値が記憶される。具体的には、Vin_ADC1の第1の測定値は、354の後、予め規定されたディアクティベート時間を経て、測定/記憶される。
図3bから見て取れるように、波形360はVDDにとどまり、波形370は356において電圧V2を有する。358において、Vin_ADC1の第2の測定値が記憶される。第2の測定値は、第1の測定値が測定されてから予め規定された待ち時間後、測定/記憶される。第1のアナログ回路経路に障害が存在しなければ、Vin_ADC1は、プルダウンがイネーブル状態にされたときよりも前の以前のレベル(すなわちV1)に戻ることになる。しかしながら
図3bから見て取れるように、短絡(すなわち障害)のため、波形360はVDDにとどまる。これに反し波形370は、358においてV3の電圧を示しており、これはプルダウンがイネーブル状態にされたときよりも前の以前の電圧レベル(すなわちV1)に非常に近い。よって、第1の測定値と第2の測定値とが類似した値を示すならば、第1の障害検出回路180は、第1のアナログ回路経路における障害を検出する。これに対し、第1の測定値と第2の測定値とが(例えば予め規定された範囲内で)十分な偏差を示しているならば、第1の障害検出回路180は、アナログ回路経路において障害が存在していない、ということを識別する。
【0041】
図4には、本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システム400に関連するアナログ/デジタル変換器(ADC)変換回路410の1つの可能な実装形態が示されている。一部の実施形態によれば、ADC変換回路410は、
図1における第1のADC変換回路124または第2のADC変換回路158に対応する。この実施形態の場合、ADC変換回路410は、サンプル&ホールドを備えた逐次比較型(SAR)ADCを含む。ただしADC変換回路410の他の実現形態も、本開示の範囲内にあるものとする。一部の実施形態によれば、ADC変換回路410は、(
図1におけるVout_ADC2またはVout_ADC2と同様の)デジタルADC出力Vout_ADCを生成するように構成されている。
【0042】
図5には、本開示の1つの実施形態によるアナログ障害検出システムの方法500のフローチャートが示されている。本明細書ではこの方法について、
図1のアナログ障害検出システム100を参照しながら説明する。ステップ502において、アナログ障害検出回路(例えば
図1のアナログ障害検出回路104)に関連する入力端子(例えば
図1の入力端子114)を、アナログソース回路(例えば
図1のアナログソース回路102)に結合する。ステップ504において、第1のサンプリングスイッチ(例えば
図1の第1のサンプリングスイッチ128)を使用して、入力回路経路(例えば
図1の入力回路経路116)の第2の終端における入力経路電圧(例えば
図1の入力経路電圧Vin_path)をサンプリングし、第1のADC入力電圧(例えば
図1の第1のADC入力電圧Vin_ADC1)を形成する。一部の実施形態によれば、入力回路経路の第1の終端は入力端子に結合されており、入力回路経路の第2の終端は第1のサンプリングスイッチに結合されている。
【0043】
ステップ506において、第1のADC変換回路(例えば
図1の第1のADC変換回路124)を使用して、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力(例えば
図1の第1のデジタルADC出力Vout_ADC1)に変換する。一部の実施形態によれば、第1のサンプリングスイッチは、入力回路経路の第2の終端と第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路(例えば
図1の第1のADC回路経路126)に含まれる。ステップ508において、第1のサンプリングスイッチと第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路(例えば
図1の第1の断線検出回路138)をアクティベートすることによって、第1のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンする。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第1のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンする。一部の実施形態によれば、第1のアナログ回路経路は、アナログソース回路と入力回路経路と第1のADC回路経路とを含む。ステップ510において、予め規定されたアクティベート時間後、第1の断線検出回路をディアクティベートする。ステップ512において、第1の障害検出回路(例えば
図1の第1の障害検出回路180)を使用して、第1のデジタルADC出力に基づき、第1のアナログ回路経路における障害を検出する。一部の実施形態によれば、第1の障害検出回路は、
図2に関して先に述べたように、第1のデジタルADC出力の第1の測定値と、第1のデジタルADC出力の第2の測定値との比較に基づいて、障害を検出するように構成されている。
【0044】
ステップ514において、第2のサンプリングスイッチ(例えば
図1における第2のサンプリングスイッチ162)を使用して、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングし、第2のADC入力電圧(例えば
図1における第2のADC入力電圧Vin_ADC2)を形成する。一部の実施形態によれば、入力回路経路の第2の終端は第2のサンプリングスイッチに結合されている。ステップ516において、第2のADC変換回路(例えば
図1の第2のADC変換回路158)を使用して、第2のADC入力電圧を第2のデジタルADC出力(例えば
図1の第2のデジタルADC出力Vout_ADC2)に変換する。一部の実施形態によれば、第2のサンプリングスイッチは、入力回路経路の第2の終端と第2のADC変換回路との間に結合された第2のADC回路経路(例えば
図1の第2のADC回路経路160)に含まれる。ステップ518において、第2のサンプリングスイッチと第2のADC変換回路との間に結合された第2の断線検出回路(例えば
図1の第2の断線検出回路164)をアクティベートすることによって、第2のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンする。一部の実施形態によれば、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、第2のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンする。一部の実施形態によれば、先に説明したように第2のアナログ回路経路は、アナログソース回路と入力回路経路と第2のADC回路経路とを含む。
【0045】
ステップ520において、予め規定されたアクティベート時間後、第2の断線検出回路をディアクティベートする。ステップ522において、第2の障害検出回路(例えば
図1の第2の障害検出回路182)を使用して、第2のデジタルADC出力に基づき、第2のアナログ回路経路における障害を検出する。一部の実施形態によれば、第2の障害検出回路は、
図2に関して先に述べたように、第2のデジタルADC出力の第1の測定値と、第2のデジタルADC出力の第2の測定値との比較に基づいて、障害を検出するように構成されている。一部の実施形態によれば、第1の断線検出回路をアクティベート/ディアクティベートし、これと同時にまたは同じ時点に第2の断線検出回路をアクティベート/ディアクティベートする。択一的に、第1の断線検出回路をアクティベート/ディアクティベートし、これとは異なる時点で第2の断線検出回路をアクティベート/ディアクティベートする。ステップ524において、障害比較回路(例えば
図1の障害比較回路184)を使用して、第1の障害検出回路の結果と第2の障害検出回路の結果とが比較される。
【0046】
この方法を一連の動作または事象としてこれまで例示し説明してきたが、自明のとおり、かかる動作または事象について例示した順序を、限定という趣旨で解釈すべきではない。例えば一部の動作が、本明細書で例示および/または説明したものとは違い、異なる順序で、かつ/または他の動作または事象と同時に、発生するようにしてもよい。これに加え、本明細書の開示の1つまたは複数の態様または実施形態を実装するために、例示した動作のすべてが要求されないようにしてもよい。また、本明細書で示した動作のうちの1つまたは複数が、1つまたは複数の別個の動作および/または段階において実施されるようにしてもよい。
【0047】
実施例は、方法、この方法の動作またはブロックを実施するための手段、少なくとも1つの機械可読媒体といった保護対象を含むことができ、ここで機械可読媒体は、機械によって実行されると、本明細書で説明した実施形態および実施例に従い、方法の動作を、または複数の通信技術を使用する同時通信のための装置またはシステムの動作を、機械に実行させる命令を含む。
【0048】
実施例1はアナログ障害検出回路であって、アナログソース回路に結合するように構成された入力端子と、第1の終端および第2の終端を有し、前記第1の終端において前記入力端子に結合されている入力回路経路と、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路とを含み、該第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC変換回路と第1のADC回路経路と第1の断線検出回路とを含み、前記第1のADC変換回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成されており、前記第1のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合されており、該第1のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第1のサンプリングスイッチを含み、該第1のサンプリングスイッチは、該第1のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第1のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、前記第1の断線検出回路は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合されており、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含む。
【0049】
実施例2は、要素を含むまたは省いた、実施例1の保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を、または前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を、またはこれら双方を含む。
【0050】
実施例3は、要素を含むまたは省いた、実施例1から2までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている。
【0051】
実施例4は、要素を含むまたは省いた、実施例1から3までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内の前記ADCノードに結合されている。
【0052】
実施例5は、要素を含むまたは省いた、実施例1から4までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1のADC変換回路の出力側に結合され、前記第1のデジタルADC出力に基づき前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第1の障害検出回路をさらに含む。
【0053】
実施例6は、要素を含むまたは省いた、実施例1から5までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するために、前記第1の断線検出回路がアクティベートされ、前記第1のADC入力電圧がプルアップまたはプルダウンされ、次いで予め規定されたアクティベート時間後に前記第1の断線検出回路がディアクティベートされ、前記第1の障害検出回路は、前記第1のデジタルADC出力の第1の測定値と、ディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するように構成されており、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む。
【0054】
実施例7は、要素を含むまたは省いた、実施例1から6までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、第2のADC回路をさらに含み、該第2のADC回路は、第2のADC変換回路と第2のADC回路経路と第2の断線検出回路とを含み、前記第2のADC変換回路は、第2のADC入力電圧を第2のデジタルADC出力に変換するように構成されており、前記第2のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第2のADC変換回路との間に結合されており、該第2のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第2のサンプリングスイッチを含み、該第2のサンプリングスイッチは、該第2のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第2のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における前記入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、前記第2の断線検出回路は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合されており、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第2のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第2のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第2のADC回路経路とを含む。
【0055】
実施例8は、要素を含むまたは省いた、実施例1から7までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第2の断線検出回路は、前記第2のADC入力電圧をプルアップするように構成された第2のプルアップ回路分岐を、または前記第2のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第2のプルダウン回路分岐を、またはこれら双方を含む。
【0056】
実施例9は、要素を含むまたは省いた、実施例1から8までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第2のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第2のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルアップスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第2のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている。
【0057】
実施例10は、要素を含むまたは省いた、実施例1から9までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第2のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第2のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルダウンスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第2のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内の前記ADCノードに結合されている。
【0058】
実施例11は、要素を含むまたは省いた、実施例1から10までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第2のADC変換回路の出力側に結合され、前記第2のデジタルADC出力に基づき前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第2の障害検出回路をさらに含む。
【0059】
実施例12は、要素を含むまたは省いた、実施例1から11までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するために、前記第2の断線検出回路がアクティベートされ、前記第2のADC入力電圧がプルアップまたはプルダウンされ、次いで予め規定されたアクティベート時間後に前記第2の断線検出回路がディアクティベートされ、前記第2の障害検出回路は、前記第2のデジタルADC出力の第1の測定値と、ディアクティベート後の前記第2のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するように構成されており、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む。
【0060】
実施例13は、要素を含むまたは省いた、実施例1から12までの保護対象を含むアナログ障害検出回路であって、前記第1の障害検出回路の結果と前記第2の障害検出回路の結果とを比較するように構成された障害比較回路をさらに含む。
【0061】
実施例14は、アナログ障害検出システムであって、アナログソース回路と、アナログ障害検出回路とを含み、該アナログ障害検出回路は、前記アナログソース回路に結合された入力端子と、第1の終端および第2の終端を有し、前記第1の終端において前記入力端子に結合されている入力回路経路と、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路とを含み、該第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)回路は、第1のADC変換回路と第1のADC回路経路と第1の断線検出回路とを含み、前記第1のADC変換回路は、第1のADC入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するように構成されており、前記第1のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合されており、該第1のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第1のサンプリングスイッチを含み、該第1のサンプリングスイッチは、該第1のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第1のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、前記第1の断線検出回路は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合されており、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含む。
【0062】
実施例15は、実施例14の保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を、または前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を、またはこれら双方を含む。
【0063】
実施例16は、要素を含むまたは省いた、実施例14から15までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている。
【0064】
実施例17は、要素を含むまたは省いた、実施例14から16までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内の前記ADCノードに結合されている。
【0065】
実施例18は、要素を含むまたは省いた、実施例14から17までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記アナログ障害検出回路は、前記第1のADC変換回路の出力側に結合され、前記第1のデジタルADC出力に基づき前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第1の障害検出回路をさらに含む。
【0066】
実施例19は、要素を含むまたは省いた、実施例14から18までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記アナログ障害検出回路は第2のADC回路をさらに含み、該第2のADC回路は、第2のADC変換回路と第2のADC回路経路と第2の断線検出回路とを含み、前記第2のADC変換回路は、第2のADC入力電圧を第2のデジタルADC出力に変換するように構成されており、前記第2のADC回路経路は、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第2のADC変換回路との間に結合されており、該第2のADC回路経路は、第1の端子が前記入力回路経路の前記第2の終端に結合された第2のサンプリングスイッチを含み、該第2のサンプリングスイッチは、該第2のサンプリングスイッチの第2の端子において前記第2のADC入力電圧を供給するために、前記入力回路経路の前記第2の終端における前記入力経路電圧をサンプリングするように構成されており、前記第2の断線検出回路は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合されており、第2のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第2のADC入力電圧を適応的にプルダウンまたはプルアップするように構成されており、前記第2のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第2のADC回路経路とを含む。
【0067】
実施例20は、要素を含むまたは省いた、実施例14から19までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第2の断線検出回路は、前記第2のADC入力電圧をプルアップするように構成された第2のプルアップ回路分岐を、または前記第2のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第2のプルダウン回路分岐を、またはこれら双方を含む。
【0068】
実施例21は、要素を含むまたは省いた、実施例14から20までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第2のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第2のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルアップスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第2のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内のADCノードに結合されている。
【0069】
実施例22は、要素を含むまたは省いた、実施例14から21までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記第2のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第2のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第2のプルダウンスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第2のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第2のサンプリングスイッチと前記第2のADC変換回路との間に結合された前記第2のADC回路経路内の前記ADCノードに結合されている。
【0070】
実施例23は、要素を含むまたは省いた、実施例14から22までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記アナログ障害検出回路は、前記第2のADC変換回路の出力側に結合され、前記第2のデジタルADC出力に基づき前記第2のアナログ回路経路における障害を検出するように構成された、第2の障害検出回路をさらに含む。
【0071】
実施例24は、要素を含むまたは省いた、実施例14から23までの保護対象を含むアナログ障害検出システムであって、前記アナログ障害検出回路は、前記第1の障害検出回路の結果と前記第2の障害検出回路の結果とを比較するように構成された障害比較回路をさらに含む。
【0072】
実施例25は、アナログ障害検出回路のための方法であって、当該方法は以下のステップを含む、すなわち、前記アナログ障害検出回路に関連する入力端子をアナログソース回路に結合するステップと、第1のADC変換回路を使用して、第1のアナログ/デジタル変換器(ADC)入力電圧を第1のデジタルADC出力に変換するステップと、第1のサンプリングスイッチを使用して、入力回路経路の第2の終端における入力経路電圧をサンプリングして、前記第1のADC入力電圧を形成するステップであって、前記入力回路経路の第1の終端が前記入力端子に結合され、前記入力回路経路の前記第2の終端が前記第1のサンプリングスイッチに結合され、該第1のサンプリングスイッチが、前記入力回路経路の前記第2の終端と前記第1のADC変換回路との間に結合された第1のADC回路経路に含まれるステップと、第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された第1の断線検出回路を使用して、前記第1のADC入力電圧を適応的にプルアップまたはプルダウンするステップであって、前記第1のアナログ回路経路は、前記アナログソース回路と前記入力回路経路と前記第1のADC回路経路とを含むステップとを含む。
【0073】
実施例26は、実施例25の保護対象を含む方法であって、前記第1の断線検出回路は、前記第1のADC入力電圧をプルアップするように構成された第1のプルアップ回路分岐を、または前記第1のADC入力電圧をプルダウンするように構成された第1のプルダウン回路分岐を、またはこれら双方を含む。
【0074】
実施例27は、要素を含むまたは省いた、実施例25から26までの保護対象を含む方法であって、前記第1のプルアップ回路分岐は、第1の終端において正の給電電圧に結合された第1のプルアップソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルアップスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルアップソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内のADCノードに結合されている。
【0075】
実施例28は、要素を含むまたは省いた、実施例25から27までの保護対象を含む方法であって、前記第1のプルダウン回路分岐は、第1の終端においてアース回路に結合された第1のプルダウンソース回路と、第1の端子および第2の端子を有する第1のプルダウンスイッチ回路とを含み、前記第1の端子は、前記第1のプルダウンソース回路の異なる第2の終端に直列に結合されており、前記第2の端子は、前記第1のサンプリングスイッチと前記第1のADC変換回路との間に結合された前記第1のADC回路経路内の前記ADCノードに結合されている。
【0076】
実施例29は、要素を含むまたは省いた、実施例25から28までの保護対象を含む方法であって、前記第1の断線検出回路をアクティベートして、前記第1のADC入力電圧をプルアップまたはプルダウンし、当該方法は、前記第1のアナログ回路経路に関連する障害を検出するために、予め規定されたアクティベート時間後に前記第1の断線検出回路を次いでディアクティベートするステップをさらに含む。
【0077】
実施例30は、要素を含むまたは省いた、実施例25から29までの保護対象を含む方法であって、前記第1の断線検出回路のディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力に基づいて、前記第1のADC変換回路の出力側に結合された第1の障害検出回路を使用して、前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するステップをさらに含む。
【0078】
実施例31は、要素を含むまたは省いた、実施例25から30までの保護対象を含む方法であって、前記第1の障害検出回路を使用して前記第1のアナログ回路経路における障害を検出するステップは、前記第1の障害検出回路を使用して、前記第1のデジタルADC出力の第1の測定値と、前記第1の断線検出回路のディアクティベート後の前記第1のデジタルADC出力の第2の測定値と、を比較するステップを含み、前記第2の測定値は、前記第1の測定値を測定してから予め規定された待ち時間後に測定された値を含む。
【0079】
1つまたは複数の実装態様に関して本発明を例示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示した実施例に変更および/または修正を加えることができる。特に、上述の構成要素または構造(アセンブリ、装置、回路、システム等)によって実施される様々な機能に関して、かかる構成要素を説明するために使用した用語(「手段」についての言及を含む)は、別段の記載がない限り、本明細書で例示した具体例としての本発明の実装形態において機能を実施する開示された構造に、たとえ構造的に等価ではないにしても、(例えば機能的に等価である)既述の構成要素の特定の機能を実施する任意の構成要素または構造に対応するものであることが意図されている。
【0080】
要約書の記載内容を含め、本開示の例示された実施形態についての上述の記載は、余すところなく記載することを意図したものではなく、または開示された実施形態を開示された精密な形態に限定することを意図したものではない。本明細書では特定の実施形態および実施例が例示目的で説明されているが、当業者には自明のとおり、かかる実施形態および実施例の範囲内にあると見なされる様々な変更が可能である。
【外国語明細書】