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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091229
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】投入管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203927
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(71)【出願人】
【識別番号】500352063
【氏名又は名称】株式会社デンソーエスアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山鍬 靖
(72)【発明者】
【氏名】伊塚 修平
(72)【発明者】
【氏名】松本 頼明
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB02
3F522CC05
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD23
3F522DD25
3F522DD34
3F522EE19
3F522FF03
3F522FF12
3F522GG04
3F522GG27
3F522GG44
3F522HH03
3F522HH33
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止し得る構成を提供する。
【解決手段】作業者の手に装着される携帯端末30によって、作業者が持つ部品箱10の部品タグ11から読み取った投入品情報と、作業者が部品箱10を所定の投入指示によって指示された間口21に投入する際に当該間口21の間口タグ22から読み取った投入先情報とに基づいて、部品箱10が所定の投入指示に応じた間口21に投入されるか否かについて判定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が投入品を複数の投入先のうち所定の投入指示によって指示された投入先に投入するための投入管理システムであって、
前記作業者の手には、無線タグに記録される情報を読み取り可能な無線タグ処理端末が装着され、
前記投入品には、当該投入品に関する投入品情報を記録した第1の無線タグが付され、
前記複数の投入先には、他の投入先と区別するための投入先情報を記録した第2の無線タグがそれぞれ付され、
前記無線タグ処理端末は、前記作業者が持つ前記投入品の前記第1の無線タグから読み取った前記投入品情報と、前記作業者が前記投入品を前記所定の投入指示によって指示された前記投入先に投入する際に当該投入先の前記第2の無線タグから読み取った前記投入先情報とに基づいて、前記投入品が前記所定の投入指示に応じた前記投入先に投入されるか否かについて判定する判定部を備えることを特徴とする投入管理システム。
【請求項2】
前記複数の投入先には、前記投入品を投入する投入状態を検知可能な検知部がそれぞれ設けられ、
前記無線タグ処理端末は、前記検知部により前記投入状態が検知されることで、前記第2の無線タグから前記投入先情報を読み取るための処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の投入管理システム。
【請求項3】
前記無線タグ処理端末は、前記検知部により前記投入状態が検知されてからの時間が第1の時間を経過するまでに前記投入先情報が読み取られない場合に第1の報知を行う第1の報知部を備えることを特徴とする請求項2に記載の投入管理システム。
【請求項4】
前記無線タグ処理端末は、前記投入品情報が読み取られてからの時間が第2の時間を経過するまでに前記投入先情報が読み取られない場合に第2の報知を行う第2の報知部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の投入管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が投入品を指示された投入先に投入するための投入管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、仕入先から受け入れた部品等は、所定の生産計画などに従ってなされる部品投入指示に基づいて、指示された部品棚に作業者によって投入される。このような投入作業では、作業者は、上記部品投入指示に加えて部品等に取り付けられるかんばん等の識別票や部品棚の棚番号等を見てその部品等を投入する部品棚を判断するため、目視による判断だけでは、部品箱を誤った部品棚に投入してしまうおそれがある。
【0003】
このような投入品の誤投入を防止するための技術として、例えば、下記特許文献1に開示される部品誤投入防止システムが知られている。この部品誤投入防止システムでは、作業者がハンディータイプの部品誤投入防止装置(読取装置)を用いて、補充する部品の部品箱に設けられた二次元コードとこの部品を補充する部品棚の間口に設けられた二次元コードとを順に読み取ることにより、これらが対応する物であるかどうかを判断する。そして、投入指示と異なる誤った部品棚の間口に設けられた二次元コードを読み取った場合には、部品誤投入防止装置によって所定の警告が行われることで、部品箱の誤投入を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-020753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるような構成では、作業者は、読取装置で部品箱に設けられた二次元コードを読み取り、その部品箱を投入指示された部品棚まで運び、取り出した読取装置で投入指示された間口に設けられた二次元コードを読み取り、正常報知を受けてから、その間口に部品箱を投入する作業を行う必要がある。このように部品箱を間口に投入するまでに少なくとも二次元コードを読み取るための読取操作を二度行う必要があることから、円滑に投入作業を行えないために、作業工数が増えてしまい作業効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
作業者が投入品(10)を複数の投入先(21)のうち所定の投入指示によって指示された投入先に投入するための投入管理システム(1,1a~1c)であって、
前記作業者の手には、無線タグに記録される情報を読み取り可能な無線タグ処理端末(30)が装着され、
前記投入品には、当該投入品に関する投入品情報を記録した第1の無線タグ(11,11a,11b)が付され、
前記複数の投入先には、他の投入先と区別するための投入先情報を記録した第2の無線タグ(22,22a,22b)がそれぞれ付され、
前記無線タグ処理端末は、前記作業者が持つ前記投入品の前記第1の無線タグから読み取った前記投入品情報と、前記作業者が前記投入品を前記所定の投入指示によって指示された前記投入先に投入する際に当該投入先の前記第2の無線タグから読み取った前記投入先情報とに基づいて、前記投入品が前記所定の投入指示に応じた前記投入先に投入されるか否かについて判定する判定部(31)を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、作業者の手に装着される無線タグ処理端末によって、作業者が持つ投入品の第1の無線タグから読み取った投入品情報と、作業者が投入品を所定の投入指示によって指示された投入先に投入する際に当該投入先の第2の無線タグから読み取った投入先情報とに基づいて、投入品が所定の投入指示に応じた投入先に投入されるか否かについて判定部により判定される。
【0009】
これにより、作業者が無線タグ処理端末を装着した手で投入品を持って指示された投入先に投入しようとする際に、投入品情報と投入先情報とを読み取れるので、その投入品が所定の投入指示に応じた投入先に投入されるか否かについて容易に判定することができる。特に、無線タグ処理端末は作業者の手に装着されるため、投入品を投入先まで運ぶ間に投入品を左手で持ったまま右手で読取装置を取り出して読取操作するような作業も必要ないので、投入作業の作業効率を向上させることができる。したがって、投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止可能な投入管理システムを実現することができる。
【0010】
請求項2の発明では、複数の投入先には、投入品を投入する投入状態を検知可能な検知部がそれぞれ設けられ、無線タグ処理端末では、検知部により投入状態が検知されることで、第2の無線タグから投入先情報を読み取るための処理が開始される。
【0011】
これにより、検知部により投入品の投入状態が検知されなければ、無線タグ処理端末にて投入品情報を読み取る処理が開始されることもない。例えば、指示された投入先に投入品が投入される前に、無線タグ処理端末を装着した作業者の手が隣の投入先の第2の無線タグに近づいても、その第2の無線タグから投入先情報が読み取られることもない。このため、実際に投入品を投入した投入先の第2の無線タグから投入先情報を読み取ることができ、上記判定部による判定精度を高めることができる。
【0012】
請求項3の発明では、無線タグ処理端末には、検知部により投入状態が検知されてからの時間が第1の時間を経過するまでに投入先情報が読み取られない場合に第1の報知を行う第1の報知部が設けられる。
【0013】
これにより、仮に、実際に投入品を投入した投入先の第2の無線タグから投入先情報が読み取れなかった場合でも、上記第1の時間の経過によって上記第1の報知が第1の報知部によってなされる。このため、上記第1の報知を受けた作業者は、先ほど投入した投入品に関して所定の投入指示に応じて投入されるか判定されていない未判定状態であることを把握できるので、その未判定状態の解消を図ることができる。
【0014】
請求項4の発明では、無線タグ処理端末には、投入品情報が読み取られてからの時間が第2の時間を経過するまでに投入先情報が読み取られない場合に第2の報知を行う第2の報知部が設けられる。
【0015】
これにより、仮に、実際に投入品を投入した投入先の第2の無線タグから投入先情報が読み取れなかった場合でも、上記第2の時間の経過によって上記第2の報知が第2の報知部によってなされる。このため、上記第2の報知を受けた作業者は、先ほど投入した投入品に関して所定の投入指示に応じて投入されるか判定されていない未判定状態であることを把握できるので、その未判定状態の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る投入管理システムの概略構成を示す説明図である。
図2図2(A)は、作業者の手に装着した携帯端末で部品箱の部品タグから投入品情報を読み取る状態を説明する説明図であり、図2(B)は、携帯端末が装着された手で部品箱を持つ状態を説明する説明図である。
図3】間口を介して部品箱を投入する状態を説明する説明図である。
図4図4(A)は、携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図4(B)は、無線タグ処理部の電気的構成を例示するブロック図であり、図4(C)は、情報コード読取部の電気的構成を例示するブロック図である。
図5】第1実施形態において携帯端末にてなされる投入管理処理の流れを例示するフローチャートである。
図6】第1実施形態の第1変形例に係る投入管理システムの要部を示す説明図である。
図7】第1実施形態の第2変形例に係る投入管理システムの概略構成を示す説明図である。
図8】第1実施形態の第3変形例に係る投入管理システムの概略構成を示す説明図である。
図9】第2実施形態に係る投入管理システムの概略構成を示す説明図である。
図10】第2実施形態において携帯端末にてなされる投入管理処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る投入管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す投入管理システム1は、作業者が投入品を複数の投入先のうち所定の投入指示によって指示された投入先に投入するためのシステムとして構成されている。具体的には、本実施形態では、投入管理システム1は、仕入先から受け入れた複数の部品箱10を投入品として管理し、各部品箱10は、所定の生産計画に従って作成される所定の投入指示に応じて、指示された部品棚20のいずれかの間口に対して作業者によって投入されるようになっている。
【0018】
各部品箱10には、1又は2以上の部品がそれぞれ収容されて、その部品箱10の側面には、RFタグ等からなる無線タグ(以下、部品タグ11ともいう)がそれぞれ付されている。部品タグ11には、収容部品に関する部品情報(例えば、部品名や部品番号、個数など)に加えて、部品箱10を投入品として投入する投入先となる間口を選定する基準となる情報(以下、投入品情報ともいう)が記録されている。なお、部品タグ11は、「第1の無線タグ」の一例に相当し得る。
【0019】
また、各部品箱10には、上記所定の生産計画に従って所定の識別票として作成されるかんばん12がそれぞれ取り付けられている。かんばん12には、部品箱10に関する情報として上述した部品情報や投入品情報等に加えて、これら部品情報及び投入品情報等を記録したQRコード(登録商標)などからなる情報コード13が表示される。なお、図1では、便宜上、かんばん12に対して情報コード13の大きさを誇張して図示している。
【0020】
部品棚20は、投入される部品箱10の種類に対応した複数の間口21を備え、間口21ごとに投入される部品箱10をそれぞれ一時保管するように構成されている。各間口21は、上下左右の各支柱によって投入側から見てそれぞれ略方形状となるように形成されており、投入側から見て各間口21の右縁を構成する支柱部分には、RFタグ等からなる無線タグ(以下、間口タグ22ともいう)がそれぞれ付されている。間口タグ22には、他の間口タグ22と区別するための固有の情報、すなわち、他の投入先(間口21)と区別するための固有の情報(以下、投入先情報ともいう)が記録されている。また、各間口タグ22の近傍には、その間口タグ22に記録された投入先情報と同じ情報が記録されるようにコード化された情報コードが間口コード(図示略)としてそれぞれ貼り付け等によって表示されている。なお、間口タグ22は、「第2の無線タグ」の一例に相当し得る。
【0021】
また、部品棚20には、複数種類の発光状態を実現可能に複数種類のパトライト(登録商標)などを備える報知装置23が設けられている。この報知装置23は、外部から受信した信号に応じてその発光状態を切り替えるように構成されている。
【0022】
作業者は、部品タグ11及び間口タグ22などを含めた無線タグに対して情報の読み書き可能な携帯型の無線タグ処理端末(以下、単に、携帯端末30ともいう)を右手の甲に装着して、上記所定の投入指示に従って、各部品箱10を指示された間口21に投入する。その際、携帯端末30にてなされる投入管理処理では、作業者が部品箱10を持つ際に部品タグ11から読み取った投入品情報と、作業者がその部品箱10を間口21に投入する際に間口タグ22から読み取った投入先情報とを利用して、正しい間口21に部品箱10が投入されたかについて判定される。
【0023】
より具体的には、図2(A)に示すように、作業者が部品箱10を持つ前に携帯端末30にて部品タグ11から投入品情報を読み取り、その読み取りが完了することで、図2(B)に示すように、作業者が部品箱10を持つ。そして、図3に示すように、作業者がその部品箱10を間口21に投入する際に、その間口21の右縁に位置する間口タグ22と右手の甲に装着した携帯端末30が近づくことで、投入先情報が読み取られる。携帯端末30では、上述のように読み取られた投入品情報及び投入先情報を用いた照合処理がなされることで、正しい間口21に部品箱10が投入されたかについて判定される。
【0024】
以下、作業者の手の甲に装着される携帯端末30について、図面を参照して説明する。
携帯端末30は、アンテナを介して送受信される電波を媒介として部品タグ11及び間口タグ22などの無線タグに記憶されている情報を読み書きする機能に加えて、情報コード13やバーコードなどの情報コードを光学的に読み取る情報コードリーダとしての機能を兼ね備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。なお、携帯端末30は、作業者の手に装着されて無線タグに記録される情報を読み取り可能な「無線タグ処理端末」の一例に相当し得る。
【0025】
携帯端末30の外郭を構成する筐体内には、携帯端末30全体を制御する制御部31が設けられている(図4(A)参照)。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部32とともに情報処理装置を構成している。記憶部32には、RFタグ等を非接触通信にて読み書きする処理を実行するためのプログラムやQRコード等を光学的に読み取る読取処理を実行するためのプログラムに加えて、上記投入管理処理を実行するためのプログラム等が制御部31により実行可能に予め格納されている。
【0026】
また、図4(A)に示すように、制御部31には、操作部33、LED34a、バイブレータ34b、ブザー34c、外部インタフェース35などが接続されている。操作部33は、モード切替スイッチ等を備えてその操作に応じた操作信号を制御部31に対して与える構成をなしており、制御部31は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED34a、バイブレータ34b及びブザー34cは、制御部31によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部31からの指令を受けて動作する。外部インタフェース35は、報知装置23や後述するタブレット端末などの外部機器との間での通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部31と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0027】
また、携帯端末30は、制御部31により制御されて外部の情報を読み取り可能な情報読取部として機能する無線タグ処理部37及び情報コード読取部38を備えている。
無線タグ処理部37は、アンテナ36及び制御部31と協働して無線タグとの間で電磁波による通信を行ない、無線タグに記憶されるデータの読取り、或いは無線タグに対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この無線タグ処理部37は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図4(B)にて概略的に示すように、送信回路37a、受信回路37b、整合回路37cなどを有している。
【0028】
なお、本実施形態では、部品箱10を投入した間口21の間口タグ22が読み取られる際に周囲の他の間口タグ22が読み取られ難くするため、制御部31により無線タグ処理部37の電波出力が小さくなるように制御される。
【0029】
情報コード読取部38は、情報コード13やバーコードなどを光学的に読み取るように機能するもので、図4(C)に示すように、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部38a、結像レンズ38b、CCDエリアセンサからなる受光センサ38cなどを備えた構成をなしており、制御部31と協働してかんばん12に付された情報コード13等を読み取るように機能する。具体的には、照明部38aから照射された照明光Lfが情報コード13等に照射されることで、情報コード13等からの反射光Lrが読取口及び結像レンズ38bを通って受光センサ38cにて受光されると、受光センサ38cから情報コード13等の像に応じた受光信号が出力される。この受光信号は、画像データとして記憶部32に記憶され、情報コード13等に記録される情報を解読するためのデコード処理に用いられる。
【0030】
次に、携帯端末30を手の甲に装着した作業者が上記所定の投入指示に従って各部品箱10を指示された間口21に投入する際に、携帯端末30の制御部31にてなされる投入管理処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
作業者は、管理サーバ等から受信した上記所定の投入指示等が画面表示されるタブレット端末(図示略)を操作して、投入作業内容を確認した後、各部品箱10を指示された間口21に投入する作業を開始する。
【0031】
作業者による投入作業開始前の所定の操作等に応じて制御部31にて投入管理処理が開始されると、まず、ステップS101に示す初期設定処理がなされ、投入予定の全ての部品箱10に関する投入品情報と各部品箱10を投入すべきそれぞれの間口21に関する投入先情報とを対応付けた投入確認用情報が上記タブレット端末から受信される。続いて、ステップS103に示す無線タグ読取処理がなされ、部品タグ11を読み取り可能な状態になる。
【0032】
そして、図2(A)に示すように作業者が手に装着された携帯端末30を投入予定の部品箱10に付された部品タグ11に近づけることで、その部品タグ11から投入品情報が読み取られると(S105でYes)、ステップS107に示す読取成功報知処理がなされる。この処理では、LED34aが部品タグ11の読み取りが成功したことを示す読取成功点灯状態に制御される。そして、ステップS109に示す無線タグ読取処理がなされて、間口タグ22を読み取り可能な状態になる。
【0033】
上述のようなLED34aの読取成功点灯状態を見た作業者は、部品タグ11からの投入品情報の読み取りに成功したことを把握した後、図2(B)に示すように持った部品箱10を、図3に示すように、投入予定の間口21に投入する。
【0034】
この投入時に、投入しようとしている間口21の間口タグ22から投入先情報が読み取られると(S111でYes)、ステップS113に示す照合処理がなされる。この処理では、上述のように読み取った投入品情報及び投入先情報と先に受信した投入確認用情報とに基づく照合がなされる。
【0035】
ここで、上述のように読み取った投入品情報と投入先情報とが、上記投入確認用情報に基づく対応関係にあることから照合成功とされる場合には、部品箱10が所定の投入指示に応じた間口21に投入される正常投入であるとして、ステップS115の判定処理にてYesと判定される。なお、上記ステップS113に示す照合処理及びステップS115の判定処理を行う制御部31は、投入品となる部品箱10が所定の投入指示に応じた投入先となる間口21に投入されるか否かについて判定する「判定部」の一例に相当し得る。
【0036】
そして、ステップS117に示す正常投入報知処理がなされて、LED34aが正常投入であることを示す正常投入点灯状態に制御された後、上記照合実績が記憶部32の所定のデータベースに記憶される(S119)。そして、指示された全ての部品箱10の投入が完了していない場合には(S121でNo)、上記ステップS103からの処理がなされて、次の部品箱10の部品タグ11を読み取り可能な状態になる。なお、記憶部32に記憶される照合実績は、都度、タブレット端末等に送信されてもよいし、所定のタイミングでまとめてタブレット端末等に送信されてもよい。
【0037】
一方、上述のように読み取った投入品情報と投入先情報とが、上記投入確認用情報に基づく対応関係にないために照合失敗とされる場合には、部品箱10が誤った間口21に投入されようとしている誤投入であるとして、ステップS115の判定処理にてNoと判定される。このような場合には、ステップS123に示す誤投入報知処理がなされ、LED34aが誤投入であることを示す誤投入点灯状態に制御される。そして、ステップS109からの処理がなされて、上記誤投入点灯状態を見た作業者によって部品箱10が正しい間口21に投入される際に、その間口21に付された間口タグ22から投入先情報を読み取り可能な状態になる。なお、上記誤投入報知処理では、誤投入であることを作業者に確実に認識させるため、携帯端末30から報知装置23に対して所定の報知信号を送信することで、誤投入であることを示す誤投入発光状態に報知装置23を制御してもよい。
【0038】
一方、作業者は、携帯端末30を部品タグ11に近づけても、LED34aが読取成功点灯状態にならないために、その部品タグ11から投入品情報を読み取れない状態(S105でNo)であることを把握すると、操作部33のモード切替スイッチを操作することで(S125でYes)、携帯端末30が情報コードを光学的に読み取り可能な状態になる(S127)。
【0039】
この状態で、作業者が、携帯端末30の読取口を部品タグ11が読み取れなかった部品箱10に取り付けられたかんばん12の情報コード13に向けることで、その情報コード13から投入品情報等が読み取られると(S129でYes)、上記ステップS107以降の処理がなされる。これに対して、情報コード13から投入品情報等が読み取られない場合には(S129でNo)、その部品箱10の部品タグ11及び情報コード13の双方が読み取り不能な状態であるとして、その旨に関する警告情報が管理者などによって管理される上位端末等に送信されて、本投入管理処理が終了する。
【0040】
また、作業者は、部品箱10を指示された間口21に投入しようとした際に、LED34aが正常投入点灯状態及び誤投入点灯状態のいずれにもならないために、その間口21の間口タグ22から投入先情報を読み取れない状態(S111でNo)であることを把握すると、操作部33のモード切替スイッチを操作することで(S131でYes)、携帯端末30が情報コードを光学的に読み取り可能な状態になる(S133)。
【0041】
この状態で、作業者が、携帯端末30の読取口を読み取れなかった間口タグ22の近傍の上記間口コードに向けることで、その間口コードから投入先情報等が読み取られると(S135でYes)、上記ステップS113以降の処理がなされる。これに対して、間口コードから投入先情報等が読み取られない場合には(S135でNo)、その間口21の間口タグ22及び間口コードの双方が読み取り不能な状態であるとして、その旨に関する警告情報が管理者などによって管理される上位端末等に送信されて、本投入管理処理が終了する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る投入管理システム1では、作業者の手に装着される携帯端末30によって、作業者が持つ部品箱10の部品タグ11から読み取った投入品情報と、作業者が部品箱10を所定の投入指示によって指示された間口21に投入する際に当該間口21の間口タグ22から読み取った投入先情報とに基づいて、部品箱10が所定の投入指示に応じた間口21に投入されるか否かについて判定される。
【0043】
これにより、作業者が携帯端末30を装着した手で部品箱10を持って指示された投入先に投入しようとする際に、投入品情報と投入先情報とを読み取れるので、その部品箱10が所定の投入指示に応じた間口21に投入されるか否かについて容易に判定することができる。特に、携帯端末30は作業者の手に装着されるため、部品箱10を指示された間口21まで運ぶ間に部品箱10を左手で持ったまま右手で読取装置を取り出して読取操作するような作業も必要ないので、投入作業の作業効率を向上させることができる。したがって、投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止可能な投入管理システムを実現することができる。
【0044】
なお、上記投入管理処理では、投入品情報が読み取られてからの時間が所定の時間(第2の時間)を経過するまでに投入先情報が読み取られない場合に、投入先情報が読み取られていない状態を示す所定の点灯状態にLED34aを制御する報知処理を行ってもよい。
【0045】
これにより、仮に、実際に部品箱10を投入した間口21の間口タグ22から投入先情報が読み取れなかった場合でも、上記所定の時間の経過によってLED34aが上記所定の点灯状態に制御される。このため、このLED34aの点灯状態を見た作業者は、先ほど投入した部品箱10に関して所定の投入指示に応じて投入されるか判定されていない未判定状態であることを把握できるので、例えば、上記間口コードを光学的に読み取ることで、その未判定状態の解消を図ることができる。なお、上記所定の点灯状態に制御されるLED34aは、「第2の報知を行う第2の報知部」の一例に相当し得る。
【0046】
また、部品箱10の投入時に携帯端末30が投入予定の間口21と異なる隣の間口21の間口タグ22を誤って読み取らないようにするため、各間口タグ22間に電波遮断シールドなどの電波を遮断する素材からなる電波遮断部材24を配置してもよい。例えば、図6に示す本実施形態の第1変形例のように、各間口タグ22を左右方向にて区画するように電波遮断部材24を配置することで、間口タグ22の誤読を抑制することができる。このような構成では、電波遮断部材24によって区画される空間内に間口タグ22を配置することで、上記誤読抑制効果を高めることができる。なお、図6では、部品棚20の一部(4つの間口21部分)を図示している。
【0047】
また、本実施形態に係る投入管理システム1は、作業者が部品箱10を複数の間口21のうち所定の投入指示によって指示された間口21に投入するためのシステムに採用されることに限らず、他の種別の投入品を指示された投入先に投入するためのシステムに採用されてもよい。
【0048】
例えば、図7に示す本実施形態の第2変形例に係る投入管理システム1aのように、大型部品を指示された投入レーンに投入するシステムに採用することができる。このような投入管理システム1aでも、大型部品10aに対して部品タグ11に相当する無線タグ11aを付すとともに、各投入レーン21aに対してそれぞれ間口タグ22に相当する無線タグ22aを付して、投入作業時に携帯端末30にて上記投入管理処理に相当処理を実施することで、投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止することができる。
【0049】
また、例えば、図8に示す本実施形態の第3変形例に係る投入管理システム1bのように、各部品を指示された梱包箱に投入するシステムに採用することができる。このような投入管理システム1bでも、箱詰めする各部品10bに対してそれぞれ部品タグ11に相当する無線タグ11bを付すとともに、各梱包箱21bに対してそれぞれ間口タグ22に相当する無線タグ22bを付して、投入作業時に携帯端末30にて上記投入管理処理に相当処理を実施することで、投入作業を行う作業者の作業効率を向上させつつ、誤投入を防止することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る投入管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、各投入先には投入品を投入する投入状態を検知可能な検知部がそれぞれ設けられる点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
図9に示すように、本実施形態に係る投入管理システム1cは、上述した部品棚20に代えて部品棚20aが採用されており、この部品棚20aは、各間口21に対して、部品箱10が投入される状態(以下、投入状態ともいう)の検知に応じて所定の検知情報を携帯端末30に送信可能な検知部25がそれぞれ設けられるように構成されている。
【0052】
本実施形態では、各検知部25は、間口21に投入される部品箱10の底面が接触することで部品箱10が投入される投入状態を検知するリミットスイッチと、このリミットスイッチによって部品箱10の投入状態が検知されることで上記検知情報を携帯端末30に送信する送信部とをそれぞれ備えるように構成されている。
【0053】
このため、本実施形態では、携帯端末30は、部品タグ11から投入品情報が読み取られた後、検知部25からの上記検知情報の受信に応じて、間口タグ22から投入先情報を読み取るための処理を開始することで、実際に部品箱10を投入した間口21の間口タグ22から投入先情報を読み取る。
【0054】
以下、本実施形態における投入管理システム1cにおいて、携帯端末30を手の甲に装着した作業者が上記所定の投入指示に従って各部品箱10を指示された間口21に投入する際に、携帯端末30の制御部31にてなされる投入管理処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0055】
上記第1実施形態と同様に制御部31にて投入管理処理が開始されることで、投入予定の部品箱10に付された部品タグ11から投入品情報が読み取られると(図10のS105でYes)、LED34aが読取成功点灯状態に制御される(S107)。
【0056】
続いて、ステップS108の判定処理にて、検知部25からの上記検知情報を受信しているか否かについて判定され、上記検知情報が受信されるまでNoとの判定が繰り返されて、間口タグ22を読み取るための電波出力が停止された状態が維持される。
【0057】
このような電波出力停止状態で、作業者が部品箱10を投入予定の間口21に投入する際に、その間口21に設けられる検知部25のリミットスイッチに部品箱10の底面が接触することで、検知部25から上記検知情報が送信される。
【0058】
この検知情報が携帯端末30にて受信されることで(S108でYes)で、ステップS109に示す無線タグ読取処理がなされて、間口タグ22を読み取り可能な状態になる。上記検知情報が受信されるタイミングでは、部品箱10を間口21に投入している状態であり、携帯端末30が各間口タグ22のうち投入する間口21の間口タグ22に最も近づいているので、投入する間口21の間口タグ22から投入先情報を読み取りやすくなる。
【0059】
そして、投入しようとしている間口21の間口タグ22から投入先情報が読み取られると(S111でYes)、上述のように読み取った投入品情報及び投入先情報と先に受信した投入確認用情報とに基づく照合がなされる(S113)。そして、読み取った投入品情報と投入先情報とが上記投入確認用情報に基づく対応関係にあることから照合成功とされる場合には、正常投入であると判定されて(S115でYes)、LED34aが正常投入点灯状態に制御された後(S117)、上記照合実績が記憶部32の所定のデータベースに記憶される(S119)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る投入管理システム1cでは、各間口21には、部品箱10を投入する投入状態を検知可能な検知部25がそれぞれ設けられ、携帯端末30では、検知部25により投入状態が検知されることで、間口タグ22から投入先情報を読み取るための処理(S109)が開始される。
【0061】
これにより、検知部25により部品箱10の投入状態が検知されなければ、携帯端末30にて投入品情報を読み取る処理が開始されることもない。例えば、指示された間口21に部品箱10が投入される前に、携帯端末30を装着した作業者の手が隣の間口21の間口タグ22に近づいても、その間口タグ22から投入先情報が読み取られることもない。このため、実際に部品箱10を投入した間口21の間口タグ22から投入先情報を読み取ることができ、上記判定部による判定精度を高めることができる。
【0062】
なお、検知部25は、投入される部品箱10の底面に接触するリミットスイッチを備えるように構成されることに限らず、例えば、投入される部品箱10の側面又は上面等に接触するリミットスイッチを備えるように構成されてもよい。また、検知部25は、リミットスイッチに代えて、部品箱10の投入状態を検知可能な光電センサ等を備えるように構成されてもよい。
【0063】
本実施形態の変形例として、制御部31にてなされる投入管理処理では、検知部25により投入状態が検知されてからの時間が所定の時間(第1の時間)を経過するまでに投入先情報が読み取られない場合に、投入先情報が読み取られていない状態を示す所定の点灯状態にLED34aを制御する報知処理を行ってもよい。
【0064】
これにより、仮に、実際に部品箱10を投入した間口21の間口タグ22から投入先情報が読み取れなかった場合でも、上記所定の時間の経過によってLED34aが上記所定の点灯状態に制御される。このため、このLED34aの点灯状態を見た作業者は、先ほど投入した部品箱10に関して所定の投入指示に応じて投入されるか判定されていない未判定状態であることを把握できるので、例えば、上記間口コードを光学的に読み取ることで、その未判定状態の解消を図ることができる。なお、上記所定の点灯状態に制御されるLED34aは、「第1の報知を行う第1の報知部」の一例に相当し得る。
【0065】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上述した照合処理では、上述のように読み取った投入品情報と投入先情報とが上記投入確認用情報に基づく対応関係にあるかについて照合することに限らず、さらに上記投入確認用情報に投入予定日時を含めることで日時も含めて照合してもよい。
【0066】
(2)上述した各報知処理では、LED34aの点灯状態を利用することで作業者に対して各種の報知を行うことに限らず、バイブレータ34bの振動やブザー34cの鳴動等を利用することで作業者に対して各種の報知を行ってもよい。また、上述した各報知処理では、報知装置23の発光状態を利用することで作業者に対して各種の報知を行ってもよい。このような構成では、バイブレータ34b、振動やブザー34c、報知装置23は、「第1の報知部」「第2の報知部」の一例に相当し得る。
【0067】
(3)部品箱10に対して情報コード13を表示した状態で取り付けられる所定の識別票として、上述したかんばん12が採用されることに限らず、現品票や明示票などの他の識別票が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1,1a~1c…投入管理システム
10…部品箱(投入品)
11…部品タグ(第1の無線タグ)
11a,11b…無線タグ(第1の無線タグ)
20,20a…部品棚
21…間口
22…間口タグ(第2の無線タグ)
22a,22b…無線タグ(第2の無線タグ)
23…報知装置(第1の報知部,第2の報知部)
25…検知部
30…携帯端末(無線タグ処理端末)
31…制御部(判定部)
34a…LED(第1の報知部,第2の報知部)
34b…バイブレータ(第1の報知部,第2の報知部)
34c…ブザー(第1の報知部,第2の報知部)
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10