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  • 特開-転てつ機の動作監視装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091231
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】転てつ機の動作監視装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 5/10 20060101AFI20220614BHJP
   E01B 7/20 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B61L5/10 B
E01B7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203929
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小峰 拓也
(72)【発明者】
【氏名】栃原 開人
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161SS02
5H161SS13
5H161SS16
5H161SS21
(57)【要約】
【課題】転てつ機が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる転てつ機の動作監視装置を実現する。
【解決手段】転てつ機の動作監視装置100は、トングレールTRが転換される際にひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値から、基本レールRとトングレールTRの密着度を取得することができる。そして、基本レールRとトングレールTRの密着度が強過ぎても弱過ぎても転てつ機10の故障の原因となるので、例えば1.0[kN]以上2.0[kN]以下の規定の範囲内に密着度が納まらない場合には、その転てつ機10を点検するなどの対応を速やかに行うことができる。つまり、この転てつ機の動作監視装置100であれば、転てつ機10が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側が転てつ機本体の動作かんに接続され、他端側が接続器具を介してトングレールに接続されており、前記動作かんによる転換の駆動力を前記トングレールに伝達するスイッチアジャスタを備えた転てつ機が、一対の基本レールの間に配置されている前記トングレールを転換して、前記トングレールを前記基本レールに密着させる転てつ機の動作を監視する転てつ機の動作監視装置であって、
前記スイッチアジャスタに取り付けられているひずみセンサと、
予め解析されている前記スイッチアジャスタのひずみ値と前記基本レールと前記トングレールの密着度との相関に基づき、前記トングレールが転換される際に前記ひずみセンサが検出した前記スイッチアジャスタのひずみ値から、前記基本レールと前記トングレールの密着度を取得する動作監視手段と、
を備えたことを特徴とする転てつ機の動作監視装置。
【請求項2】
前記動作監視手段は、前記トングレールが転換される過程における鎖錠のタイミングに前記ひずみセンサが検出した前記スイッチアジャスタのひずみ値に基づいて、前記基本レールと前記トングレールの密着度を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の転てつ機の動作監視装置。
【請求項3】
前記動作監視手段は、取得した密着度について、所定の規定値に基づき異常の有無を判定する処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の転てつ機の動作監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転てつ機が所定の動作を行っているか否かを監視する転てつ機の動作監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、転てつ機の動作である、トングレールを転換して基本レールに密着させる動作が確実に行われているか否かを監視するため、転てつ機の動作かん負荷として、トングレールを転換する際の転換力とトングレールを密着させる密着力の少なくとも一方を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術では、動作かんとスイッチアジャスタロッドとを繋ぐジョーピンに替えて、ジョーピン型軸力計(センサー付ジョーピン)を用いており、そのジョーピン型軸力計によって転てつ機の動作かん負荷を測定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-6895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術の場合、転てつ機が動作する度にジョーピン型軸力計に負荷がかかるために、長期間使用するうちにジョーピン型軸力計が損傷してしまって測定誤差が生じるおそれがある。
そこで、本発明者らが鋭意検討して、転てつ機の動作を監視するのに、長期間に亘って正確な測定を行うことができる技術を開発するに至った。
【0005】
本発明の目的は、転てつ機が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる転てつ機の動作監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、この発明は、
一端側が転てつ機本体の動作かんに接続され、他端側が接続器具を介してトングレールに接続されており、前記動作かんによる転換の駆動力を前記トングレールに伝達するスイッチアジャスタを備えた転てつ機が、一対の基本レールの間に配置されている前記トングレールを転換して、前記トングレールを前記基本レールに密着させる転てつ機の動作を監視する転てつ機の動作監視装置であって、
前記スイッチアジャスタに取り付けられているひずみセンサと、
予め解析されている前記スイッチアジャスタのひずみ値と前記基本レールと前記トングレールの密着度との相関(例えば、検量線や換算式)に基づき、前記トングレールが転換される際に前記ひずみセンサが検出した前記スイッチアジャスタのひずみ値から、前記基本レールと前記トングレールの密着度を取得する動作監視手段と、
を備えるようにした。
【0007】
かかる構成の転てつ機の動作監視装置によれば、トングレールが転換される際にひずみセンサが検出したスイッチアジャスタのひずみ値から、基本レールとトングレールの密着度を取得することができるので、転てつ機が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる。そして、基本レールとトングレールの密着度が強過ぎても弱過ぎても転てつ機の故障の原因となるので、例えば1.0[kN]以上2.0[kN]以下の規定の範囲内に密着度が納まらない場合には、その転てつ機を点検するなどの対応を速やかに行うことができる。
特に、転てつ機の動作監視装置において、スイッチアジャスタのひずみ値を検出するひずみセンサを転てつ機におけるスイッチアジャスタ以外の部材とは接触しない位置に取り付けるようにすれば、上記従来技術のジョーピン型軸力計のように、転てつ機が動作する度にひずみセンサに負荷がかかるなどして、ひずみセンサが損傷してしまうようなことはない。
つまり、転てつ機のスイッチアジャスタに取り付けられているひずみセンサは、長期間に亘って正確な測定を行うことができるので、転てつ機の動作監視装置を長期に亘って使用することが可能になる。
【0008】
また、望ましくは、
前記動作監視手段は、前記トングレールが転換される過程における鎖錠のタイミングに前記ひずみセンサが検出した前記スイッチアジャスタのひずみ値に基づいて、前記基本レールと前記トングレールの密着度を取得するように構成されているようにする。
【0009】
こうすることで、基本レールとトングレールの密着度を好適に取得することができる。
【0010】
また、望ましくは、
前記動作監視手段は、取得した密着度について、所定の規定値に基づき異常の有無を判定する処理を実行するようにする。
【0011】
こうすることで、転てつ機の異常を迅速に確認することが可能になり、転てつ機を点検するなどの対応を速やかに行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、転てつ機が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる転てつ機の動作監視が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の転てつ機の動作監視装置を示す概略図である。
図2】ひずみセンサが検出したスイッチアジャスタのひずみ値の測定結果を示す説明図である。
図3】スイッチアジャスタのひずみ値と基本レールとトングレールの密着度との相関である検量線の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る転てつ機の動作監視装置の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
転てつ機の動作監視装置100は、一対の基本レールRの間に配置されているトングレールTRを転換し、トングレールTRを基本レールRに密着させる転てつ機10の動作を監視する装置である。
転てつ機10は、鉄道軌道における分岐器に設置されている周知の機器である。
ここでの転てつ機10は、例えば、図1に示すように、一端側が転てつ機本体11の動作かん12に接続され、他端側が接続器具2,3を介してトングレールTRに接続されており、動作かん12による転換の駆動力をトングレールTRに伝達するスイッチアジャスタ1を備えている。また転てつ機10は、転換後にトングレールTRを位置固定するための鎖錠かん13等を備えている。
【0016】
そして、本実施形態の転てつ機の動作監視装置100は、例えば、図1に示すように、スイッチアジャスタ1に取り付けられているひずみセンサ20と、トングレールTRが転換される際にひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値から、基本レールRとトングレールTRの密着度を取得する動作監視手段30等を備えている。
動作監視手段30は、後述するように、予め解析されているスイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関に基づき、トングレールTRが転換される際にひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値から、基本レールRとトングレールTRの密着度を取得するようになっている。
【0017】
ひずみセンサ20は、スイッチアジャスタ1に加わる外力に応じて、スイッチアジャスタ1が伸びたり縮んだりする変形量であるひずみ値を検出するセンサである。ひずみセンサ20は、ひずみ値を電圧値として検出する。
ひずみセンサ20は、スイッチアジャスタ1の表面であって、転てつ機10におけるスイッチアジャスタ1以外の部材とは接触しない位置に取付けられている。
このひずみセンサ20は、後述する動作監視手段30の監視器30aとケーブルなどを介して接続されている。
【0018】
動作監視手段30は、分岐器あるいは転てつ機10の近傍に設置されている監視器30aと、監視器30aと通信可能な端末装置30bを備えている。
【0019】
監視器30aは、例えば、監視器30aの各部を制御する制御部31と、通信部32を備えている。
【0020】
通信部32は、例えば、アンテナや通信回路を有し、制御部31による制御の下で端末装置30bと通信する機能を有している。
制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMに記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
この制御部31は、ひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値を取得する処理を実行し、取得したひずみ値のデータを、通信部32を介して端末装置30bに送信する。
具体的には、監視器30aの制御部31は、取得したひずみ値のデータを、転てつ機10(分岐器)の識別番号に対応付けて、端末装置30bに送信する。
【0021】
端末装置30bは、例えば、タブレット端末やスマートフォンなどであり、端末装置30bの各部を制御する端末制御部33と、端末通信部34と、操作部35と、表示部36と、記憶部37を備えている。
この端末装置30bは、鉄道従事者である作業員が操作する機器であり、監視対象の分岐器に最寄りの駅舎や、鉄道路線の集中管理室などに据え置かれている。
【0022】
端末通信部34は、例えば、アンテナや通信回路を有し、端末制御部33による制御の下で監視器30aと通信する機能を有している。
端末制御部33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMに記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
この端末制御部33は、監視器30aから送信されたスイッチアジャスタ1のひずみ値のデータを取得し、そのひずみ値から基本レールRとトングレールTRの密着度を算出する処理を実行する。
具体的には、端末制御部33は、記憶部37に記憶されているスイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関を示す検量線や換算式に基づいて、取得したひずみ値から密着度を算出する処理を実行する。
また、端末制御部33は、算出した密着度について、記憶部37に記憶されている所定の規定値に基づき異常の有無を判定する処理を実行する。例えば、算出した密着度が所定の数値範囲内であれば転てつ機10の動作に異常はないと判定し、算出した密着度が所定の数値範囲外であれば転てつ機10の動作に異常があると判定する処理を実行する。
【0023】
操作部35は、例えば、表示部36と一体的に形成されたタッチパネルであり、ユーザからの操作入力を受け付け、その操作入力に応じた操作信号を端末制御部33へ出力する。
この操作部35によって端末装置30bを操作することで、監視器30aが取得したスイッチアジャスタ1のひずみ値から算出された基本レールRとトングレールTRの密着度を表示部36に表示させたり、ひずみ値から得られた密着度による転てつ機10の動作についての異常の有無を表示部36に表示させたりすることができる。
【0024】
表示部36は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などであり、操作部35(タッチパネル)と一体的に形成されている。
この表示部36には、監視器30aが取得したスイッチアジャスタ1のひずみ値や、そのひずみ値から算出された基本レールRとトングレールTRの密着度が表示される。
また表示部36には、ひずみ値から得られた密着度による転てつ機10の動作についての異常の有無が表示される。
【0025】
記憶部37は、例えば、半導体メモリーである。
この記憶部37には、転てつ機10が設置されている分岐器毎に予め解析されているスイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関を示す検量線や換算式が記憶されている。
なお、分岐器毎に番数(クロッシング角)が異なるなど、転てつ機10の動作環境が異なるので、分岐器毎にスイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関を解析しておき、各分岐器におけるその相関に関する検量線や換算式を記憶部37に記憶しておく。
また記憶部37には、基本レールRとトングレールTRの密着度に関し、転てつ機10の動作についての異常の有無を判定するための所定の規定値が記憶されている。
例えば、基本レールRとトングレールTRの密着度の規定値として、下限値1.0[kN]、上限値2.0[kN]が記憶されている。つまり、この規定値によれば、基本レールRとトングレールTRの密着度が1.0[kN]以上2.0[kN]以下であれば、転てつ機10の動作に異常はないと判定されるようになっている。
【0026】
ここで、予め解析したスイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関について説明する。
【0027】
図2は、トングレールTRを反位から定位に転換する過程において、ひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値[V]の測定結果を示している。
図2に示すように、転てつ機10がトングレールTRを転換する過程には、モーター始動、解錠、転換(ストローク中)、鎖錠、転換終了の5つの段階がある。
本発明者らは、鎖錠のタイミングである転換時間4.90~5.00[sec]においてピークとなるひずみ値と、基本レールRとトングレールTRの密着度との間に高い相関があることを見いだした。
そして、そのタイミングにおける基本レールRとトングレールTRの密着度を計測し、スイッチアジャスタ1のひずみ値[V]と基本レールRとトングレールTRの密着度[kN]との相関を示す検量線を作成した(図3参照)。なお、鎖錠のタイミングは分岐器毎に異なるので、そのタイミングに計測したデータに基づいて各分岐器の検量線や換算式を作成するようにする。
この検量線に対応する関数(例えば、密着度をY、ひずみ値をXとする一次関数などの換算式)を、動作監視手段30を構成する端末装置30bの記憶部37に記憶しておき、端末制御部33によるひずみ値から密着度を算出する処理に使用する。(図3の検量線に対応する換算式は、
Y(密着度)=a・X(ひずみ値)+b [a;7.62 b;-18]
と表すことができる。)
なお、ここではトングレールTRを反位から定位に転換する際のひずみ値(図2)を例に説明したが、トングレールTRを定位から反位に転換する場合についても同様に、スイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関を示す検量線(換算式)を作成することができる。
【0028】
次に、スイッチアジャスタ1のひずみ値と基本レールRとトングレールTRの密着度との相関に基づく、転てつ機10の動作の監視について説明する。
【0029】
転てつ機の動作監視装置100の動作監視手段30を構成する監視器30aは、転てつ機10によってトングレールTRが転換される過程における鎖錠のタイミング(例えば、転換時間4.95[sec]のタイミング)に、ひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値を取得する処理を実行し、取得したひずみ値のデータを端末装置30bに送信する。なお、転てつ機10による鎖錠のタイミングは分岐器毎に異なるので、監視器30aは分岐器毎に設定されている所定のタイミングにひずみ値を取得する処理を実行する。
次いで、動作監視手段30を構成する端末装置30bにおいて、所定の検量線や換算式に基づいて、ひずみ値から密着度を算出する処理を実行する。
そして、端末装置30bにおいて算出された密着度が1.0[kN]以上2.0[kN]以下であれば、転てつ機10の動作に異常はないと判定され、その数値範囲外であれば転てつ機10の動作に異常があると判定され、その判定結果が端末装置30bの表示部36に表示される。例えば、転てつ機10の動作の異常の有無の判定結果は、転てつ機10(分岐器)の識別番号に対応付けて表示される。
端末装置30bを操作する作業員が、転てつ機10の動作に異常があるとの判定を確認した場合には、その識別番号に対応する転てつ機10(分岐器)を点検する作業を速やかに開始することができる。
【0030】
以上のように、本実施形態の転てつ機の動作監視装置100であれば、トングレールTRが転換される際にひずみセンサ20が検出したスイッチアジャスタ1のひずみ値から、基本レールRとトングレールTRの密着度を取得することができる。
そして、基本レールRとトングレールTRの密着度が強過ぎても弱過ぎても転てつ機10の故障の原因となるので、例えば1.0[kN]以上2.0[kN]以下の規定の範囲内に密着度が納まらない場合には、その転てつ機10を点検するなどの対応を速やかに行うことができる。
このように、本実施形態の転てつ機の動作監視装置100であれば、転てつ機10が所定の動作を行っているか否かを好適に監視することができる。
【0031】
特に、この転てつ機の動作監視装置100では、スイッチアジャスタ1のひずみ値を検出するひずみセンサ20が転てつ機10におけるスイッチアジャスタ1以外の部材とは接触しない位置に取り付けられているので、上記従来技術のジョーピン型軸力計のように、転てつ機10が動作する度にひずみセンサ20に負荷がかかるなどして、ひずみセンサ20が損傷してしまうようなことはない。
つまり、転てつ機10のスイッチアジャスタ1に取り付けられているひずみセンサ20は、長期間に亘って正確な測定を行うことができるので、転てつ機の動作監視装置100を長期に亘って使用することが可能になる。
【0032】
なお、以上の実施の形態においては、動作監視手段30を構成する端末装置30bにおいて、監視器30aが取得したひずみ値から密着度を算出する処理を実行するとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、動作監視手段30を構成する監視器30aにおいて、ひずみ値から密着度を算出する処理を実行し、算出した密着度のデータを端末装置30bに送信するようにしてもよい。
また、監視器30aにおいて算出した密着度に基づいて、監視器30aにて転てつ機10の動作の異常の有無を判定し、転てつ機10の動作に異常があると判定された場合に、その転てつ機10(分岐器)の識別番号を端末装置30bに送信するようにしてもよい。
この場合には、監視器30aに記憶部を備え、その記憶部に検量線や換算式、所定の規定値が記憶されているようにする。
【0033】
また、検量線に対応する関数は一次関数であることに限らず、例えば、最小二乗法などによって求められる関数であればよい。
【0034】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
1 スイッチアジャスタ
10 転てつ機
11 転てつ機本体
12 動作かん
20 ひずみセンサ
30 動作監視手段
30a 監視器
31 制御部
32 通信部
30b 端末装置
33 端末制御部
34 端末通信部
35 操作部
36 表示部
37 記憶部
100 転てつ機の動作監視装置
R 基本レール
TR トングレール
図1
図2
図3