(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091271
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】降車地点案内システム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220614BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220614BHJP
G08G 1/127 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/00 D
G08G1/127
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203997
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 大
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】堀 敬滋
(72)【発明者】
【氏名】若林 賢
(72)【発明者】
【氏名】前山田 信
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA04
2F129BB03
2F129BB40
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2F129GG17
2F129HH02
2F129HH10
2F129HH12
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB15
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC09
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5H181FF38
5H181MA07
5H181MA20
5H181MC03
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】乗員数に応じた降車地点を案内させる可能性を高める。
【解決手段】車両の乗員の降車地点案内要求を取得する取得部と、降車地点案内要求の送信元に対応した車両の乗員数が予め設定された基準人数よりも多い場合に、過去に検出された、車両のドアが開いていた期間であるドア開時間の統計値、及び過去に検出された、車両のドアが開いた回数であるドア開回数の統計値のうち少なくとも一方の値が閾値以上の地点を、少なくとも一方の値が閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させる案内部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員の降車地点案内要求を取得する取得部と、
前記降車地点案内要求の送信元に対応した前記車両の乗員数が予め設定された基準人数よりも多い場合に、過去に検出された、車両のドアが開いていた期間であるドア開時間の統計値、及び過去に検出された、車両のドアが開いた回数であるドア開回数の統計値のうち少なくとも一方の値が閾値以上の地点を、前記少なくとも一方の値が前記閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させる案内部と
を備える、降車地点案内システム。
【請求項2】
前記ドア開時間は、前記車両のドアのうち、対向車線側のドアが開いている時間である、請求項1に記載の降車地点案内システム。
【請求項3】
前記ドア開回数は、前記車両のドアのうち、対向車線側のドアが開いた回数である、請求項1に記載の降車地点案内システム。
【請求項4】
前記ドア開時間の統計値が時間閾値以上の地点が、前記ドア開時間の統計値が前記時間閾値未満の地点よりも優先的に前記降車地点として案内され、
前記ドア開回数の統計値が回数閾値以上の地点が、前記ドア開回数の統計値が前記回数閾値未満の地点よりも優先的に前記降車地点として案内され、
前記ドア開時間の統計値が前記時間閾値以上の地点が、前記ドア開回数の統計値が前記回数閾値以上の地点よりも優先的に前記降車地点として案内される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の降車地点案内システム。
【請求項5】
過去に検出された前記ドア開時間の統計値のばらつきの程度がばらつき閾値よりも小さい地点が、前記ばらつきの程度が前記ばらつき閾値以上の地点よりも優先的に前記降車地点として案内される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の降車地点案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降車地点案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両による送迎サービスなどにおいては、道路脇に車両を停車し、車両に人が乗り込んだり、車両から人が降りたりといったことが行われている。これに対し、特許文献1には、プローブ車両から得られた車両情報に基づいて、乗降車挙動が発生した場所の位置情報を保存する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、後部座席に複数人が乗車している場合には、道路側のドアからも乗員が降りることがある。このため、降車のための停止位置としては、交通量が比較的少ない道路が望ましい。一方で、降車する乗員が助手席の1人だけの場合には、道路側のドアから乗員が降りることがないため、交通量が比較的多い道路でも問題ない。このように、乗員数に応じて、乗員を降ろすために駐停車するのに適した地点が異なる可能性がある。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、乗員数に応じた降車地点を案内させる可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の降車地点案内システムは、車両の乗員の降車地点案内要求を取得する取得部と、前記降車地点案内要求の送信元に対応した前記車両の乗員数が予め設定された基準人数よりも多い場合に、過去に検出された、車両のドアが開いていた期間であるドア開時間の統計値、及び過去に検出された、車両のドアが開いた回数であるドア開回数の統計値のうち少なくとも一方の値が閾値以上の地点を、前記少なくとも一方の値が前記閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させる案内部とを備える。
【0007】
上記降車地点案内システムは、乗員数が基準人数よりも多い場合に、ドア開時間の統計値及びドア開回数の統計値のうち少なくとも一方の値が閾値以上の地点を、当該少なくとも一方の値が閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させる。従って、乗員数に応じた降車地点を案内させる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1車載システム、第2車載システム及び降車地点案内システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2Aは、車両情報DBのデータ構成例を示す図であり、
図2Bは、乗降テーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図4】降車地点案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の順序に従って実施の形態について説明する。
(1)第1車載システム、第2車載システム及び降車地点案内システムの構成:
(2)情報登録処理:
(3)降車地点案内処理:
(4)他の実施形態:
【0010】
(1)第1車載システム、第2車載システム及び降車地点案内システムの構成:
図1は、第1車載システム10、降車地点案内システム20及び第2車載システム30の構成を示すブロック図である。第1車載システム10は、車両(プローブ車両)に搭載され、第1車載システム10が搭載された車両の車両情報を降車地点案内システム20に送信するシステムである。ここで、車両情報は、車両の位置や車速、ドアの開閉状態など車両の挙動を示す情報である。車両情報については後述する。降車地点案内システム20は、第1車載システム10から受信した車両情報に基づいて降車地点を特定し、第2車載システム30に対し降車地点を案内させるサーバ装置である。ここで、降車地点とは、車両から乗員を降ろすために車両を駐車又は停車させる地点である。本実施形態の降車地点案内システム20は、リンク単位で降車地点を管理するものとする。すなわち、1つのリンク内の地点は、同一の降車地点とみなされ、異なるリンク内の地点は異なる降車地点とみなされる。なお、異なる2つの進行方向に対応して2つのリンクが区別されるものとする。第2車載システム30は、車両に搭載され、降車地点を案内させるシステムである。第2車載システム30が搭載される車両としては、乗員を所定の場所に送り届けるサービスを行う送迎車両や一般車両などが挙げられるが、車両の種類は特に限定されるものではない。
【0011】
図1においては、第1車載システム10及び第2車載システム30を1台ずつ示しているが、降車地点案内システム20は、複数の第1車載システム10から車両情報を受信する。また、降車地点案内システム20は、複数の第2車載システム30に対し、降車地点を案内させる。
【0012】
第1車載システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部11と記録媒体12と通信部13とを備えている。制御部11は、記録媒体12やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部11は、このプログラムの1つとして、第1車載プログラム110を実行することができる。制御部11は、第1車載プログラム110の処理により、車両情報を生成し、車両情報を、通信部13を介して降車地点案内システム20に送信する。通信部13は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部11による降車地点案内システム20との情報の送受信は、通信部13を介して行われる。
【0013】
記録媒体12は、地図情報121を格納している。地図情報121は、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ等を含んでいる。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。地図情報121は、車両の位置の特定や目的地までの経路探索、経路案内等に利用される。本実施形態において、リンクデータには、リンクデータが示す道路区間上で車両が進行可能な方向を示す情報が含まれている。
【0014】
第1車載システム10はさらに、GNSS受信部14、車速センサ15、ジャイロセンサ16、カメラ17、ドアセンサ18、及びユーザI/F部19を備えている。GNSS受信部14は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部14は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、車両の位置を算出するための信号を出力する。制御部11は、この信号を取得して車両の位置を取得する。車速センサ15は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部11は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。
【0015】
ジャイロセンサ16は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部11は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ15およびジャイロセンサ16等は、車両の走行軌道を特定するために利用される。本実施形態においては、制御部11は、車両の出発地と走行軌道とに基づいて車両の位置を特定し、出発地と走行軌道とに基づいて特定された車両の位置をGNSS受信部14の出力信号に基づいて補正する。
【0016】
カメラ17は、第1車載システム10が搭載された車両の室内に設けられており、車内のすべての座席を撮影する。カメラ17は、例えば運転席及び助手席を撮影する第1のカメラと後部座席を撮影する第2のカメラを備える。なお、第1車載システム10は、すべての座席の撮影画像が得られればよく、第1車載システム10が備えるカメラの台数及び設置位置は限定されるものではない。
【0017】
ドアセンサ18は、第1車載システム10が搭載された車両が備えるすべてのドアそれぞれの開閉を検知する。ユーザI/F部19は、ユーザの指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ等やスピーカー等を備えている。すなわち、ユーザI/F部19は、画像や音声の出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0018】
第1車載システム10の制御部11が実行する第1車載プログラム110は、第1車載システム10のコンピュータを、車両情報生成部111及び通信処理部112として実行させるためのプログラムである。以下において、車両情報生成部111及び通信処理部112が行うものとして記載する処理は、制御部11(CPU)が第1車載プログラム110を実行することにより実現される処理、すなわち制御部11が実行する処理である。
【0019】
車両情報生成部111は、第1車載システム10が搭載された車両の車両情報を生成する。具体的には、車両情報生成部111は、定期的に、車両の挙動を特定する。そして、車両情報生成部111は、車両の挙動を示す情報に、車両を識別する車両ID及び挙動が検出された検出時刻を対応付けることで車両情報を生成する。
【0020】
本実施形態においては、車両情報生成部111は、車両の挙動として、車両位置、車速、ドア状態、乗員数を特定し、これらを示す車両情報を生成する。車両情報生成部111は、前述の通り、GNSS受信部14、車速センサ15、ジャイロセンサ16の出力信号により得られた情報から車両位置を特定する。車両情報生成部111は、前述の通り、車速センサ15の検知結果から車速を特定する。車両情報生成部111は、ドアセンサ18のドア検知結果からドア状態を特定する。ドア状態は、各ドアの開閉状態である。制御部11は、カメラ17により撮影された画像に基づいて、乗員数を特定する。制御部11は、例えば、AI(artificial intelligence)等により人物の顔認識を行い、認識された人物の数を乗員数(合計数)として特定する。
【0021】
なお、車両情報生成部111が乗員数を特定するための処理は、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、各座席に着座センサやシートベルトセンサを設け、車両情報生成部111は、これらの検知結果に基づいて乗員数を特定してもよい。また、他の例としては、乗員数は、ユーザI/F部19を介してユーザにより入力されてもよい。
【0022】
通信処理部112は、通信部13を介した外部装置との情報の送受信を行う。通信処理部112は、例えば、車両情報を定期的に降車地点案内システム20に送信する。
【0023】
次に、降車地点案内システム20について説明する。降車地点案内システム20は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部21と記録媒体22と通信部23とを備えている。制御部21は、記録媒体22やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部21は、このプログラムの1つとして、降車地点案内プログラム210を実行することができる。制御部21は、降車地点案内プログラム210の処理により、第2車載システム30に、降車地点を案内させる。通信部23は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部21による第1車載システム10及び第2車載システム30との情報の送受信は、通信部23を介して行われる。
【0024】
記録媒体22は、地図情報221、車両情報テーブル222及び乗降テーブル223を格納している。地図情報221は、地図情報121と同様である。車両情報DB222には、複数の第1車載システム10それぞれから定期的に送信される車両情報が順次蓄積される。
図2Aは、車両情報DB222のデータ構成例を示す図である。
図2Aにおいては、1台の車両に対応した車両情報を示しているが、車両情報DB222には、同様に他の車両に対応した車両情報も格納されている。前述の通り、車両情報には、車両ID、検出時刻、車両位置、車速、ドア状態及び乗員数が含まれる。
図2Aにおいては一部省略しているが、ドア状態には、車両に備えられた複数のドアそれぞれについての開閉状態が含まれる。
【0025】
乗降テーブル223は、車両情報DB222から得られた統計値を格納するテーブルである。
図2Bは、乗降テーブル223のデータ構成例を示す図である。
図2Bにおいては、1つの地点、すなわち1つのリンクに対応した乗降テーブルを示しているが、乗降テーブル223には、複数の地点それぞれの乗降テーブルが含まれる。各乗降テーブルは、ドア位置、ドア開回数合計値、ドア開時間平均値及びドア開時間分散値を対応付けて格納する。ここで、ドア位置は、助手席、後部右、後部左というように、車両におけるドアの位置である。
【0026】
ドア開回数は、ある地点において、過去に各ドアが開いた回数であり、ドア開回数合計値は、ドア開回数の合計値である。例えば、ある地点において、車両Aの助手席のドアが開けられ、また車両Bの助手席のドアが開けられたとする。この場合、助手席のドア開回数合計値には「2回」が格納される。このように、ドア開回数合計値は、ある地点において過去にドアが開いた回数のドア毎の合計値である。ここで、ドア開回数合計値は、ドア開回数の統計値の一例である。
【0027】
ドア開時間は、ある地点において過去に各ドアが開いていた期間、すなわちドアが開けられてから閉じられるまでの期間である。ドア開時間平均値は、ドア毎のドア開時間の平均値である。例えば、車両Aの助手席のドアが開いていた期間が3分、車両Bの助手席のドアが開いていた期間が1分の場合には、助手席のドア開時間平均値には、「2分」が格納される。
【0028】
ドア開時間分散値は、ドア毎のドア開時間の分散値である。上記のように、助手席のドア開回数が2回で、それぞれのドア開時間が3分と2分の場合には、(式1)により助手席のドア開時間分散値には「1」が格納される。なお、ドア開時間平均値及びドア開時間分散値は、いずれもドア開時間の統計値の一例である。
{(3-2)2+(1-2)2}/2=1 …(式1)
【0029】
乗降テーブル223への統計値の格納は、制御部21により行われる。制御部21が乗降テーブル223に統計値を格納する処理については
図3を参照しつつ詳述する。以上のように、乗降テーブル223には、過去に車両が乗降のために駐停車した地点毎の統計値がドア位置毎に格納される。なお、本実施形態においては、乗降テーブル223には、ドア開時間の統計値として、ドア開時間平均値が格納されることとしたが、これに替えてドア開時間中央値が格納されてもよい。
【0030】
図1において、降車地点案内システム20の制御部21が実行する降車地点案内プログラム210は、降車地点案内システム20のコンピュータを、通信処理部211、テーブル管理部212、取得部213及び案内部214として機能させるためのプログラムである。以下において、通信処理部211、テーブル管理部212、取得部213及び案内部214が行うものとして記載する処理は、制御部21(CPU)が降車地点案内プログラム210を実行することにより実現される処理、すなわち制御部21が実行する処理である。
【0031】
通信処理部211は、通信部23を介した外部装置との情報の送受信を行う。通信処理部211は、例えば、車両情報を第1車載システム10から受信する。テーブル管理部212は、車両情報DB222を参照し、乗降テーブル223への統計値の登録を行う。取得部213は、通信処理部211を介して、第2車載システム30から降車地点案内要求を取得する。ここで、降車地点案内要求は、車両の目的地を含み、目的地付近における降車地点の案内を要求する情報である。降車地点案内要求には、第2車載システム30が搭載された車両における乗員数も含まれるものとする。
【0032】
案内部214は、乗降テーブル223を参照することで、降車地点案内要求に含まれる目的地から一定距離に含まれる降車地点を特定し、特定した降車地点を第2車載システム30に案内させる。具体的には、案内部214は、特定した降車地点を含む案内情報を、第2車載システム30において出力させるべく、通信処理部211を介して第2車載システム30に送信する。案内部214の処理については、
図4を参照しつつ後に詳述する。
【0033】
次に、第2車載システム30について説明する。第2車載システム30は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部31と記録媒体32と通信部33とを備えている。制御部31は、記録媒体32やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部31は、このプログラムの1つとして、第2車載プログラム310を実行することができる。制御部31は、第2車載プログラム310の処理により、ユーザI/F部39のディスプレイに降車地点を案内させる。具体的には、制御部31は、ディスプレイに降車地点を表示させる。通信部33は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部31による降車地点案内システム20との情報の送受信は、通信部33を介して行われる。
【0034】
記録媒体32は、地図情報321を格納している。地図情報321は、地図情報121と同様である。第2車載システム30は、さらに、GNSS受信部34、車速センサ35、ジャイロセンサ36、カメラ37及びユーザI/F部39を備えている。GNSS受信部34、車速センサ35、ジャイロセンサ36、カメラ37及びユーザI/F部39は、それぞれ第1車載システム10のGNSS受信部14、車速センサ15、ジャイロセンサ16、カメラ17及びユーザI/F部19と同様である。
【0035】
第2車載システム30の制御部31が実行する第2車載プログラム310は、第2車載システム30のコンピュータを、通信処理部311及び表示処理部312として実行させるためのプログラムである。以下において、通信処理部311及び表示処理部312が行うものとして記載する処理は、制御部31(CPU)が第2車載プログラム310を実行することにより実現される処理、すなわち制御部31が実行する処理である。
【0036】
通信処理部311は、通信部33を介した外部装置との情報の送受信を行う。通信処理部311は、例えば、降車地点案内システム20に降車地点案内要求を送信する。ここで、降車地点案内要求に含まれる目的地は、ユーザI/F部39に対しユーザにより入力される。降車地点案内要求に含まれる乗員数は、カメラ37の撮影画像から、制御部31により特定される。制御部31が乗員数を特定する処理は、第1車載システム10の制御部11がカメラ17の撮影画像から乗員数を特定する処理と同様である。通信処理部331は、また例えば、降車地点案内システム20から、降車地点の案内情報を受信する。表示処理部312は、各種情報をユーザI/F部39のディスプレイに案内情報を表示させる。
【0037】
(2)情報登録処理:
図3は、情報登録処理を示すフローチャートである。情報登録処理は、降車地点案内システム20により定期的に実行される処理である。なお、情報登録処理の開始時に、乗降テーブル223に各値が登録されている場合には、テーブル管理部212は、これらの値を初期値(ゼロ)に初期化する。
【0038】
降車地点案内システム20のテーブル管理部212は、まず、車両情報DB222を参照し、車両情報においてドア開の発生を抽出する(S100)。なお、テーブル管理部212により参照される車両情報は、S100の処理時点から一定期間前までの期間(例えば過去1か月分)に検出された情報とする。テーブル管理部212は、具体的には、車両情報のドア状態が「開」を示す車両情報を抽出する。なお、同一の車両の同一のドアにおいて時系列に沿って連続してドア状態「開」が示される場合、テーブル管理部212は、連続したドア開の状態を1回のドア開として抽出する。
【0039】
次に、テーブル管理部212は、S100において抽出された、各ドア開に対応した、ドア開地点を特定する(S102)。具体的には、テーブル管理部212は、ドア開が検出された車両情報に示される車両位置を含むリンクをドア開地点として特定する。次に、テーブル管理部212は、ドア開地点毎及びドア位置毎に、ドア開時間合計値を算出する(S104)。次に、テーブル管理部212は、ドア開地点毎及びドア位置毎に、ドア開回数合計値を算出する(S106)。なお、テーブル管理部212は、ドア開が検出された、同一車両における検出時刻が連続する車両情報において最も早い時刻から最も遅い時刻までの期間を、1回のドア開に対するドア開時間として特定する。
【0040】
次に、テーブル管理部212は、ドア開地点毎及びドア開位置毎に、ドア開時間合計値をドア開回数合計値で除することで、ドア開時間平均値を算出する(S108)。次に、テーブル管理部212は、ドア開地点毎及びドア開位置毎に、各ドア開に対応したドア開時間と、ドア開時間平均値と、ドア開回数合計値と、に基づいて、ドア開時間分散値を算出する(S110)。次に、テーブル管理部212は、地点毎及びドア位置毎の、ドア開回数合計値、ドア開時間平均値及びドア開時間分散値を乗降テーブル223に格納する(S112)。以上により、情報登録処理が完了する。
【0041】
なお、本実施形態においては、テーブル管理部212は、例えば過去1か月というように所定期間に検出された車両情報に基づいて、乗降テーブル223を作成することとした。これは、例えば道路の交通量の変化等から乗降のために駐停車された地点が変更された場合に、変更が速やかに乗降テーブル223に反映されるようにしたものである。ただし、他の例としては、テーブル管理部212は、新たに得られた車両情報に基づいて、乗降テーブル223の各情報を更新していくこととしてもよい。この場合、テーブル管理部212は、第1の期間に検出された車両情報に基づいて、乗降テーブル223の各統計値を登録する。その後、テーブル管理部212は、第1の期間に続く第2の期間に検出された車両情報に基づいて、第1の期間に基づいて登録された各統計値を更新する。このように、テーブル管理部212は、定期的に乗降テーブル223の各統計値を更新し続ければよい。
【0042】
このように、乗降テーブル223には、車両のドアが開けられた地点、すなわち乗車又は降車が行われた地点が登録される。このように、ドアが開けられた地点は、車両が駐停車しやすい地点でかつ乗員が降車しやすい地点であると考えられる。そこで、降車地点案内システム20は、乗降テーブル223に登録された地点を降車地点として案内する。以下、降車地点を案内する降車地点案内処理について、
図4を参照しつつ説明する。
【0043】
(3)降車地点案内処理:
図4は、降車地点案内処理を示すフローチャートである。降車地点案内処理は、降車地点案内システム20が、第2車載システム30から降車地点案内要求を受信した場合に実行する処理である。降車地点案内システム20の取得部213は、降車地点案内要求を通信部23及び通信処理部211を介して取得する(S200)。ここで、降車地点案内要求は、前述の通り、送信元の第2車載システム30が搭載された車両の目的地及び乗員数を含んでいる。次に、案内部214は、降車地点案内要求に含まれる乗員数を特定する(S202)。
【0044】
次に、案内部214は、乗員数と基準人数とを比較する(S204)。ここで、基準人数は、記録媒体22等に予め設定された数であり、車両の乗員数が多いか否かを判定する基準となる値である。基準人数として、例えば3人が設定されているものとする。なお、基準人数は、管理者等により設定されてもよい。乗員数が基準人数以上の場合には(S204でY)、案内部214は、処理をS210へ進める。
【0045】
乗員数が基準人数未満の場合には(S204でN)、案内部214は、乗降テーブル223に格納されている地点の中から、降車地点案内要求に含まれる目的地から一定距離範囲内のすべての地点を検索する(S206)。次に、案内部214は、S206において得られたすべての地点を降車地点として選択し、降車地点を含む案内情報を生成する(S208)。次に、案内部214は、通信処理部211に案内情報を第2車載システム30に送信させる(S222)。すなわち、案内部214は、案内情報に示される降車地点を案内させる。以上で、降車地点案内処理が完了する。このように、案内部214は、乗員数が基準人数以下の場合には、目的地から一定距離範囲内の地点で、過去に乗降のために車両が駐停車した地点を第2車載システム30の利用者に案内させることができる。
【0046】
なお、第2車載システム30の表示処理部312は、通信処理部311が案内情報を受信すると、これをユーザI/F部39のディスプレイに表示させる。表示処理部312は、例えば、案内情報に示される降車地点と目的地を地図上に表示してもよい。これにより、利用者は、各降車地点の位置が確認できるだけでなく、目的地と各降車地点との位置関係を把握することができる。
【0047】
S210においては、案内部214は、乗降テーブル223を参照し、目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点を検索する。ここで、右ドア開時間平均値とは、右ドアのドア開時間平均値である。
図2Bに示す乗降テーブル223においては、ドア位置「後部右」に対応付けられたドア開時間平均値が右ドア開時間平均値である。時間閾値は、予め設定された期間とする。時間閾値には、例えば、乗員の降車に十分な長さの期間が設定される。目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点が存在する場合には(S210でY)、案内部214は、検出した地点を降車地点として選択し、降車地点を含む案内情報を生成し(S212)、その後処理をS222へ進める。このように、案内部214は、車両の右側のドア、すなわち対向車線側のドアのドア開時間の統計値(右ドア開時間平均値)が時間閾値以上の地点を、統計値が時間閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として選択する。
【0048】
なお、他の例としては、S212において、案内部214は、右ドア開時間分散値(右ドアのドア開時間分散値)が分散値閾値よりも小さい地点が存在する場合には、右ドア開時間分散値が分散値閾値よりも小さい地点のみを降車地点として含む案内情報を生成してもよい。このように、案内部214は、右ドア開時間分散値が分散閾値よりも小さい地点を、右ドア開時間分散値が分散閾値以上の地点よりも優先的に降車地点として選択し、選択した降車地点を案内させてもよい。ここで、分散値はばらつきの程度の指標値であり、分散値閾値はばらつき閾値に対応する値である。すなわち、上記処理は、ばらつきの程度がばらつき閾値よりも小さい地点を選択する処理である。
【0049】
一方、S210において、目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点が存在しない場合には(S210でN)、案内部214は、処理をS214へ進める。S214において、案内部214は、乗降テーブル223を参照し、目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開回数合計値(右ドアのドア開回数合計値)が回数閾値以上の地点を検索する。回数閾値は、予め定められた回数である。回数閾値には、例えば、乗員の降車が頻繁に行われたことを示す回数が設定される。目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開回数合計値が回数閾値以上の地点が存在する場合には(S214でY)、案内部214は、検出した地点を含む案内情報を生成し(S216)、その後処理をS222へ進める。このように、案内部214は、車両の右側のドア、すなわち対向車線側のドアのドア開回数の統計値(右ドア開回数合計値)が回数閾値以上の地点を、統計値が回数閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として選択する。
【0050】
なお、上記処理においては、一定距離範囲内の地点で、右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点x1と、右ドア開回数合計値が回数閾値以上の地点x2とが存在する場合には、S210、S212の処理により、地点x1が優先的に降車地点として選択される。すなわち、右ドア開時間が時間閾値以上の地点が、右ドア開回数の合計値が回数閾値以上の地点よりも優先的に選択され、案内される。
【0051】
目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ右ドア開回数合計値が回数閾値以上の地点が存在しない場合には(S214でN)、案内部214は、処理をS218へ進める。S218において、案内部214は、乗降テーブル223において、目的地から一定距離範囲内において左ドア開時間平均値(左ドアのドア開時間平均値)が時間閾値以上の地点を検索する。ここで、左ドア開時間平均値は、左ドアのドア開時間平均値である。目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ左ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点が存在する場合には(S218でY)、案内部214は、検出した地点を含む案内情報を生成し(S220)、その後処理をS222へ進める。
【0052】
目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ左ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点が存在しない場合には(S218でN)、案内部214は、処理をS206へ進める。すなわち、この場合には、案内部214は、乗降テーブル223に格納される、一定距離範囲内のすべての地点を含む案内情報を生成する。
【0053】
なお、他の例としては、案内部214は、目的地から一定距離範囲内の地点で、かつ左ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点が存在しない場合には(S218でN)、距離範囲を拡大し、S210~S218の処理を行うこととしてもよい。それでも、降車地点とする地点が検出されない場合に、案内部214は、処理をS206へ進めることとしてもよい。
【0054】
乗員数が基準人数以上の場合には、交通量の多い道路や道路幅が広い道路など、降車に適さない地点がある。これに対し、本実施形態の降車地点案内システム20は、乗員数が基準人数以上の場合には、乗降テーブル223を参照し、過去に実際に乗車又は降車時に駐停車された地点を案内させる。すなわち、本実施形態の降車地点案内システム20は、乗員数に応じた降車地点を案内させる可能性を高めることができる。
【0055】
さらに、乗員数が基準人数以上の場合には、降車のために、右ドア、すなわち道路側(対向車線側)のドアが利用される可能性が高い。これに対し、本実施形態の降車地点案内システム20はさらに、乗員数が基準人数以上の場合には、過去に実際に乗車又は降車時に駐停車された地点の中でも右ドアが用いられた地点を優先的に案内させる。これにより、右ドアを利用した乗降の実績のある地点、すなわち降車により適した地点を降車地点として案内させる可能性を高めることができる。
【0056】
また、本実施形態の降車地点案内システム20は、乗降に際し右ドアが用いられた地点のうち、右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点を降車地点として選択する。これにより、時間的に余裕をもった乗降の実績のある地点、すなわち、時間的に余裕を持って降車できる可能性の高い地点を降車地点として案内させる可能性を高めることができる。
【0057】
そして、降車地点案内システム20は、このような地点が存在しない場合に右ドア回数合計値が回数閾値以上の地点を降車地点として選択する。これにより、時間的に余裕をもって降車できる可能性の高い地点が見つからなかった場合には、乗降の実績の多い地点、すなわち降車に適した地点を案内させることができる。
【0058】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、降車地点案内システム20は、複数の装置によって実現されるシステムであってもよい。降車地点案内システム20を構成する通信処理部211、テーブル管理部212、取得部213及び案内部214の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0059】
例えば、情報登録処理と降車地点案内処理は、異なる装置により実行されてもよい。この場合、第1の装置が情報登録処理を行い、第2の装置は、第1の装置により登録された乗降テーブルを受信し、乗降テーブルに基づいて、降車地点案内処理を行えばよい。また、他の例としては、第2車載システム30が、降車地点案内システム20から乗降テーブルを受信し、乗降テーブルに基づいて、降車地点案内処理を行ってもよい。すなわち、第2車載システム30が降車地点案内システムとして機能してもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、第1車載システム10が車両情報を送信し、第2車載システム30が案内情報を表示することとした。ただし、1つの車両に搭載された1つの車載システムが、第1車載システム10の処理及び第2車載システム30の処理を行ってもよい。
【0061】
本実施形態において説明した、第2車載システム30の乗員数が基準人数以上か否かを判断する処理(
図4のS202及びS204)は、実施形態に限定されない。他の例としては、第2車載システム30は、ドアセンサ18を備え、第2車載システム30の制御部31は、第2車載システム30が搭載された車に乗員が乗り込んだときに開けられたドアの数を特定する。そして、制御部31は、開けられたドアの数が例えば「3」など所定数以上の場合に、乗員数が基準人数以上と判断し、基準人数以上の乗員数であることを示す情報を記録媒体32に格納しておく。制御部31は、開けられたドアの数が所定数未満の場合には、乗員数が基準人数未満と判断し、基準人数未満の乗員数であることを示す情報を記録媒体32に確認しておく。そして、制御部31は、降車地点案内要求の送信時には、記録媒体32に格納された、基準人数以上又は基準人数未満の乗員数であることを示す情報を含む降車地点案内要求を降車地点案内システム20に送信してもよい。
【0062】
また、他の例としては、制御部31は、乗員が乗り込んだときに開けられたドアの開時間を特定する。そして、制御部31は、ドアの開時間が予め設定された閾値以上の場合に、乗員数が基準人数以上と判断し、閾値未満の場合に、乗員数が基準人数未満と判断し、判断結果を記録媒体32に格納してもよい。
【0063】
本実施形態においては、右ドアが開いたことのある地点が、左ドアが開いたことのある地点よりも優先的に降車地点として選択され、案内されることとした。これは、日本のように、左側通行の道路に対応するものである。降車地点案内システム20は、対向車線側のドアが開いたことのある地点を、対向車線側と反対側のドアが開いたことのある地点よりも優先的に降車地点として選択すればよい。例えば、米国のように右側通行の道路を対象とする場合には、実施形態において処理対象となる左右のドアは反対になる。
【0064】
なお、降車地点案内システム20は、右ドア開時間平均値(ドア開時間の平均値)及び右ドア開回数合計値(ドア開回数の統計値)の少なくとも一方の値が閾値以上の地点を、当該一方の値が閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させればよい。さらに、降車地点案内システム20は、ドア開回数合計値の回数閾値を1回に設定し、少なくとも1回、右ドアが開けられた地点を降車地点として案内させてもよい。
【0065】
また、対象となるドアは、右ドアに限定されるものではない。すなわち、降車地点案内システム20は、車両が備えるすべてのドアのドア開時間平均値及びドア開回数合計値の少なくとも一方の値に基づいて、降車地点を案内させてもよい。
【0066】
また、本実施形態の降車地点案内システム20の制御部21は、ドア開時間平均値及びドア開回数合計値の少なくとも一方が閾値以上の地点のみを案内させることとしたが、これに限定されるものではない。他の例としては、制御部21は、乗車人数が基準人数以上の場合においても、目的地から一定距離範囲内のすべての地点を案内させることとし、各地点に対し、優先度を示すようにしてもよい。
【0067】
制御部21は、例えば、一定距離範囲内でかつ右ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点の優先度を1に設定する。さらに、制御部21は、一定距離範囲内でかつ右ドア開回数合計値が回数閾値以上の地点の優先度を2、一定距離範囲内でかつ左ドア開時間平均値が時間閾値以上の地点の優先度を3、それ以外の地点の優先度を4に設定する。さらに、この場合、第2車載システム30は、優先度を識別可能に、各降車地点を表示してもよい。例えば、第2車載システム30は、地図上において、降車地点を優先度に応じて色分けして表示してもよい。なお、優先度は、その数値が小さいほど、優先されることを示している。
【0068】
本実施形態においては、運転手以外の乗員の降車地点を案内することを想定したが、他の例としては、降車地点案内システム20は、運転手を含めた乗員の降車地点を案内してもよい。この場合には、制御部21は、運転席の統計値も乗降テーブル223に登録し、運転席を含む各ドアの統計値に基づいて、案内対象の降車地点を決定すればよい。
【0069】
また、本実施形態においては、降車地点案内システム20は、目的地から一定距離範囲内の地点から降車地点を選択したが、処理対象の地点を含む範囲はこれに限定されるものではない。他の例としては、降車地点案内システム20は、第2車載システム30が搭載された車両の車両位置を基準とした範囲内の地点から降車地点を選択してもよい。このように、降車地点案内システム20は、任意の地点を基準とした範囲内の地点から降車地点を選択すればよい。
【0070】
降車地点案内システム20は、目的地からの距離と、ドア開回数合計値と、ドア開時間平均値と、に基づいて各優先度を決定し、優先度が閾値以上の地点を優先度が閾値未満の地点よりも優先的に降車地点として案内させてもよい。この場合、目的地からの距離が近くなるほど優先度が大きくなり、ドア時間平均値が長くなるほど優先度が大きくなり、かつドア開回数合計値が大きくなるほど優先度が大きくなるような関数を用いることとする。さらに、当該関数において、ドア時間平均値に対しドア開回数合計値よりも大きい重みが付与されることとする。これにより、ドア時間平均値が大きい地点が、ドア開回数合計値が多い地点よりも優先的に選択されるようになる。
【0071】
また、本実施形態の降車地点案内システム20は、同一のリンクを同一地点として管理することとしたが、所定の範囲を同一地点とみなせばよく、その単位はリンクに限定されるものではない。他の例としては、降車地点案内システム20は、所定の距離範囲内の地点を同一地点と判断してもよい。
【0072】
また、他の例としては、降車地点案内システム20は、例えば時間帯毎、曜日毎、というように異なる期間毎の乗降テーブルを登録し、降車地点案内要求を取得した場合に、目的地の到着予定日時に対応した乗降テーブルを参照して、降車地点を案内してもよい。これにより、例えば、曜日など降車のタイミングにより、駐停車された地点や頻度等が異なる場合においても、降車に適した地点を降車地点として案内させることができる。
【0073】
さらに、以上のようなシステムはプログラムや方法としても適用可能である。また、このようなプログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0074】
10…第1車載システム、11…制御部、12…記録媒体、13…通信部、17…カメラ、18…ドアセンサ、19…ユーザI/F部、20…降車地点案内システム、21…制御部、22…記録媒体、23…通信部、30…第2車載システム、31…制御部、32・・・記録媒体、33…通信部、37…カメラ、39…ユーザI/F部、111…車両情報生成部、112…通信処理部、211…通信処理部、212…テーブル管理部、213…取得部、214…案内部、221…地図情報、222…車両情報DB、223…乗降テーブル、311…通信処理部、312…表示処理部