(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091286
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20220614BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20220614BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20220614BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20220614BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20220614BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220614BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20220614BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/06
A61K8/55
A61K8/29
A61K8/25
A61K8/37
A61Q1/12
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204035
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】三井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】坂山 亮太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC122
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC862
4C083AD092
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD571
4C083AD572
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB25
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD33
4C083EE03
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】 製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差、及び水と接触したときに生じる色差のいずれも小さくすることができる水中油型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】 水中油型乳化化粧料は、(A)粉体と、(B)水溶性増粘剤と、(C)界面活性剤と、を含み、(A)成分の含有量が、化粧料全量を基準として1~30質量%であり、(A)成分が、(A1)N-アシル酸性アミノ酸処理粉体を含有し、(C)成分が、(C1)HLBが7未満の固体の非イオン界面活性剤と、(C2)HLBが7以上の界面活性剤と、を含有し、(C1)成分と(C2)成分との質量比[(C1):(C2)]が1.5:1~30:1である。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)粉体と、(B)水溶性増粘剤と、(C)界面活性剤と、を含む水中油型乳化化粧料であって、
前記(A)成分の含有量が、化粧料全量を基準として1~30質量%であり、
前記(A)成分が、(A1)N-アシル酸性アミノ酸処理粉体を含有し、
前記(C)成分が、(C1)HLBが7未満の固体の非イオン界面活性剤と、(C2)HLBが7以上の界面活性剤と、を含有し、
前記(C1)成分と前記(C2)成分との質量比[(C1):(C2)]が1.5:1~30:1である、水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
前記(A1)成分における粉体の処理剤のIOB値が2~5である、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
前記(C2)成分として、(C2-1)HLBが7以上の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
前記(C2)成分として、(C2-2)水添レシチンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化化粧料は、みずみずしく、さっぱりとした使用感が得られるため、高い評価を得ており、メークアップ製品、日焼け止めなどに広く用いられている。
【0003】
水中油型乳化化粧料は外相が水であることから、粉体成分を配合する場合には、親水性を有する粉体を親水性が強い界面活性剤とを組み合わせて用いることが一般的である。しかし、このような化粧料は、塗布後の化粧膜が耐水性に劣り、汗などによって化粧くずれが起こるといった問題があった。
【0004】
他方で、耐水・耐汗性を考慮して、疎水化処理微粒子金属酸化物粉末を配合した水中油型乳化化粧料の日焼け止め化粧料が提案されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メークアップ製品の場合、粉体成分として顔料等の色材が配合されるが、疎水性を有する顔料を配合した水中油型乳化化粧料は、製品外観色と、塗布後に肌上で得られる塗布色とが異なるように見えることがあり、外観上の色からは塗布色が購買者に伝わりにくいという課題を有している。一方、親水性を有する顔料を配合した水中油型乳化化粧料は、上述したように化粧膜の耐水性が劣るため、水との接触によって色味が変わるという課題を有している。
【0007】
本発明は、製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差、及び水と接触したときに生じる色差のいずれも小さくすることができる水中油型乳化化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、(A)粉体と、(B)水溶性増粘剤と、(C)界面活性剤と、を含む水中油型乳化化粧料であって、(A)成分の含有量が、化粧料全量を基準として1~30質量%であり、(A)成分が、(A1)N-アシル酸性アミノ酸処理粉体を含有し、(C)成分が、(C1)HLBが7未満の固体の非イオン界面活性剤と、(C2)HLBが7以上の界面活性剤と、を含有し、(C1)成分と(C2)成分との質量比[(C1):(C2)]が1.5:1~30:1である、水中油型乳化化粧料を提供する。
【0009】
本発明の水中油型乳化化粧料によれば、製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差、及び水と接触させたときに発生する色差のいずれも小さくすることができる。
【0010】
なお、上記の効果が得られる理由について本発明者らは以下のとおり推察する。まず、疎水性を有する顔料を配合した水中油型乳化化粧料において、製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差が発生する理由として、水中油型乳化化粧料は外相が水であるが、肌へ塗りこんでいくと途中で外相が水から油へ転相することが挙げられる。すなわち、製品状態では顔料が内相に分散しており、転相により外相に分散することが色差の要因と考えられる。本発明の水中油型乳化化粧料は、上記構成を有することにより、(i)油相である内相に(A1)成分を充分に分散させつつ、(ii)塗布後においては(A1)成分を充分に保持することができる塗布膜を形成することができる。(A1)成分を色材とした場合には、(i)によって製品状態において塗布色に近い外観色が得られることで、上述した転相に起因する色差は抑制され、(ii)によって水と接触させたときに発生する色差を小さくすることができたと考えられる。
【0011】
上記(A1)成分は、粉体の処理剤のIOB値が2~5であってもよい。
【0012】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記(C2)成分として、(C2-1)HLBが7以上の非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0013】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記(C2)成分として、(C2-2)水添レシチンを含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差、及び水と接触したときに生じる色差のいずれも小さくすることができる水中油型乳化化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、(A)粉体成分((A)成分という場合もある)と、(B)水溶性増粘剤((B)成分という場合もある)と、(C)界面活性剤((C)成分という場合もある)と、を含有する。
【0016】
<(A)粉体成分>
粉体成分としては、化粧料に用いられる公知の粉体を配合することができ、体質粉体、着色顔料等が挙げられる。粉体は、球状、板状、針状等の形状;煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径;多孔質、無孔質等の粒子構造等について特に限定されず用いることができる。(A)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、(A)成分として、(A1)N-アシル酸性アミノ酸処理粉体(以下、(A1)成分ともいう)を含有することができる。(A1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
N-アシル酸性アミノ酸におけるアシル基は、炭素原子数8~24のアシル基であってもよい。N-アシル酸性アミノ酸における酸性アミノ酸は、グルタミン酸又はアスパラギン酸であってもよい。N-アシル酸性アミノ酸は、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよい。
【0019】
N-アシル酸性アミノ酸としては、N-ステアロイルグルタミン酸、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、及びそれらの塩が挙げられる。具体的には、例えば、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウムなどが挙げられる。
【0020】
(A1)成分は、基材粉体の表面の一部又は全部がN-アシル酸性アミノ酸で被覆されていればよく、処理方法は特に限定されず、乾式製法、湿式製法など公知の方法によって得ることができる。N-アシル酸性アミノ酸の量は、基材粉体100質量部に対して、1~10質量部とすることができ、1~5質量部であってもよい。
【0021】
(A1)成分は、三好化成株式会社のNAI処理粉体(表示名称:ステアロイルグルタミン酸2Na、N-ステアロイル-L-グルタミン酸二ナトリウム)などの市販品を用いることができる。具体的には、NAI-チタンCR-50(NAI処理酸化チタン)、NAI-レッドR-516PS(NAI処理ベンガラ)、NAI-イエローLL-100P(NAI処理黄酸化鉄)、NAI-ブラックBL-100P(NAI処理黒酸化鉄)(以上、三好化成株式会社製商品名)等が挙げられる。
【0022】
(A1)成分は、粉体の処理剤のIOB値が2~5であってもよい。なお、本明細書において、IOB値とは有機概念図に基づき求められる無機性値及び有機性値の比を表わすものとして周知のものであり、油性基剤の極性の度合いを表し、下記の式(I)で表される。
IOB=無機性値(IV)/有機性値(OV) …(I)
具体的には、「有機化合物の予測と有機概念図」、藤田(化学の領域11-10)、1957年、p.719~725、「有機概念図による乳化処方設計」日本エマルジョン株式会社、矢口、1985年、p.98に従って、上記(I)式によりIOBを求めることができる。
【0023】
N-アシル酸性アミノ酸のIOB値(括弧内の数値)を以下に例示する。
ステアロイルグルタミン酸ナトリウム(2.17)、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム(3.26)、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(2.94)、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム(4.41)、ミリストイルグルタミン酸カリウム(2.63)
【0024】
(A1)成分が、2種以上の処理剤によって処理された粉体である場合は、各処理剤のIOBに各処理剤の配合量を乗じた数値の和を、合計配合量で割った数値とする。
【0025】
(A1)成分における基材粉体としては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず用いることができる。例えば、体質粉体、着色顔料等が挙げられる。体質粉体としては、無機粉体、合成無機粉体、有機粉体、金属セッケン、合成高分子粉体などが挙げられる。より具体的には、ガラス末、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成金雲母(合成マイカ)、カオリン、セリサイト、合成セリサイト、タルク、金雲母、合成雲母、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、ポリエチレン末、ウレタンビーズ、ポリメタクリル酸メチル、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。着色顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化チタン、パール顔料(雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムフレーク等)、有機顔料(赤色228号、赤色226号、青色404号、赤色202号、黄色4号アルミニウムレーキ等)、天然色素(カルミン、ベニバナ等)などが挙げられる。
【0026】
色差改善の観点から、(A1)成分における基材粉体は、着色顔料であってもよい。
【0027】
水中油型乳化化粧料における(A1)成分の含有量は、色差改善、伸びの良さやムラのなさの観点から、化粧料全量基準で、1質量%以上であってもよく、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、(A1)成分の含有量は、化粧料全量基準で、30質量%以下であってもよく、25質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよい。
【0028】
また、(A1)成分の含有量は、色差改善及び使用性の観点から、(A)成分全量を基準として、1質量%以上であってもよく、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、(A1)成分の含有量は、(A)成分全量を基準として、100質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよい。
【0029】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、上記(A1)成分以外の粉体を含有することができる。そのような粉体としては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず用いることができる。例えば、体質粉体、着色顔料等が挙げられる。体質粉体としては、無機粉体、合成無機粉体、有機粉体、金属セッケン、合成高分子粉体などが挙げられる。より具体的には、ガラス末、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成金雲母(合成マイカ)、カオリン、セリサイト、合成セリサイト、タルク、金雲母、合成雲母、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、ポリエチレン末、ウレタンビーズ、ポリメタクリル酸メチル、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。着色顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化チタン、パール顔料(雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムフレーク等)、有機顔料(赤色228号、赤色226号、青色404号、赤色202号、黄色4号アルミニウムレーキ等)、天然色素(カルミン、ベニバナ等)などが挙げられる。これらの粉体は、表面処理が施されていないものであってもよく、使用性や分散性等の向上を目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、金属石鹸、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性剤、アミノ酸化合物等が挙げられる。
【0030】
水中油型乳化化粧料における(A)成分の含有量は、カバー力や発色、紫外線カットといった化粧目的における機能性付与の観点から、化粧料全量基準で、1質量%以上であってもよく、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、化粧膜の均一性や伸びのよさといった使用性の観点から、(A)成分の含有量は、化粧料全量基準で、30質量%以下であってもよく、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0031】
<(B)水溶性増粘剤>
水溶性増粘剤としては、化粧料に用いられる公知の水溶性増粘剤を配合することができ、例えば、多糖類系増粘剤、粘土鉱物、アクリル酸アミド共重合体、セルロース系増粘剤を用いることができる。(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
多糖類系増粘剤としては、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム等が挙げられる。
【0033】
粘土鉱物としては、ケイ酸(Al/Mg)、ケイ酸(Na/Mg)、ベントナイト、ケイ酸Al、ケイ酸Na等が挙げられる。
【0034】
アクリル酸アミド共重合体としては、ポリアクリルアミド、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス-25)クロスポリマー等が挙げられる。
【0035】
セルロース系増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0036】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、色むらのなさ(塗布膜の均一性)、保存安定性の観点から、(B)成分として、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、タマリンドガム、ネイティブジェランガム、ケイ酸(Al/Mg)、ベントナイト、ケイ酸Al、ケイ酸Na、ケイ酸(Na/Mg)、ケイ酸(Na/Mg)、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、及びポリアクリルアミドからなる群より選択される1種以上を含むものであってもよい。
【0037】
また、本実施形態の水中油型乳化化粧料は、色むらのなさ(塗布膜の均一性)、保存安定性をさらに良好にする観点から、(B)成分として、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、キサンタンガム、及びケイ酸(Al/Mg)からなる群より選択される2種以上を含むものであってもよい。
【0038】
本実施形態の水中油型乳化化粧料における水溶性増粘剤の含有量は、(A1)成分を良好に分散させる観点から、化粧料全量を基準として、0.01~5質量%であってもよく、0.05~4質量%であってもよく、0.1~3質量%であってもよい。
【0039】
<(C)界面活性剤>
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、(C)成分として、(C1)HLBが7未満の固体の非イオン界面活性剤(以下、(C1)成分ともいう)と、(C2)HLBが7以上の界面活性剤(以下、(C2)成分ともいう)と、を含有することができる。(C1)成分及び(C2)成分はそれぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
HLB値は、「乳化・可溶化の技術」工学図書(株)(昭59-5-20)8~12頁に記載の計算式に基づいて求めることができる。また、非イオン界面活性剤が固形であるとは、25℃において流動性を示さず、不定形に変化しないものであることを意味する。
【0042】
(C1)成分としては、ステアリン酸グリセリル(HLB3)等のグリセリン脂肪酸エステル、パルミチン酸ソルビタン(HLB6.7)、ステアリン酸ソルビタン(HLB4.7)、セスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.2)等のソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸PEG-2(HLB4.0)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0043】
(C1)成分は、HLBが1以上7未満であってもよく、2~6であってもよく、3~5であってもよい。
【0044】
(C2)成分としては、(C2-1)HLBが7以上の非イオン性界面活性剤(以下、(C2-1)成分ともいう)及び(C2-2)水添レシチン(以下、(C2-2)成分ともいう)が挙げられる。(C2-1)成分及び(C2-2)成分はそれぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
(C2-1)成分としては、PEG-40水添ヒマシ油(HLB12.5)、PEG-60水添ヒマシ油(HLB14)などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)(HLB15)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB14.9)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(HLB:11.5)などのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB14)、ステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB13.5)、イソステアリン酸PEG-10グリセリル(HLB10)、イソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB15)などのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ラウリン酸PEG-12(HLB13.7)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ヤシ脂肪酸ソルビタン(HLB12)などのソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB12)などのポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0046】
(C2-1)成分は、HLBが7~18であってもよく、9~16であってもよく、10~15であってもよい。
【0047】
(C2-2)成分は、HLBが7~18であってもよく、7~15であってもよく、7~11であってもよい。
【0048】
(C1)成分と(C2)成分との質量比[(C1):(C2)]は、製品外観色と肌上で得られる塗布色との色差、及び水と接触したときに生じる色差を小さくする観点から、1.5:1~30:1であってもよく、2:1~10:1であってもよく、2:1~3.9:1であってもよい。
【0049】
(C1)成分と(C2-1)成分とを組み合わせる場合、それらの質量比[(C1):(C2-1)]は、1.5:1~25:1であってもよく、2:1~15:1であってもよい。
【0050】
(C1)成分と(C2-2)成分とを組み合わせる場合、それらの質量比[(C1):(C2-2)]は、1.5:1~30:1であってもよく、2:1~20:1であってもよい。
【0051】
本実施形態の水中油型乳化化粧料における(C)成分の含有量は、化粧料全量を基準として、0.1~9質量%であってもよく、1~5質量%であってもよく、1~3質量%であってもよい。
【0052】
また、保存安定性の観点から、(C1)成分及び(C2)成分の含有量の合計が、(C)成分全量を基準として、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上であってもよい。また、(C1)成分及び(C2)成分の含有量の合計は、(C)成分全量を基準として、100質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってもよい。
【0053】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、(D)油性成分(以下、(D)成分ともいう)を更に含有することができる。(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(D)成分としては、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン油、油溶性紫外線吸収剤等が挙げられる。(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
油脂としては、硬化ヒマシ油、水添ホホバ油、パーム油、モクロウ等の固形油脂、及び、ホホバ種子油、ヒマワリ種子油、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアナッツ油、ツバキ油、ナタネ油、アマニ油、トリグリセリン等の液状油脂が挙げられる。
【0056】
ロウ類としては、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ヒマワリ種子ロウ、ヌカロウ、鯨ロウ、ラノリン等が挙げられる。
【0057】
炭化水素としては、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、セレシン、ワセリン、流動パラフィン、スクワラン、ミネラルオイル等が挙げられる。
【0058】
エステル油としては、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、トリカプリル・カプリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、ダイマー酸エステル等が挙げられる。
【0059】
高級アルコールとしては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
【0060】
高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。
【0061】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン等が挙げられる。
【0062】
本実施形態の水中油型乳化化粧料における(D)成分の含有量の合計は、使用性、耐水性の観点から、化粧料全量基準で1~40質量%であってもよく、2~30質量%であってもよく、3~20質量%であってもよい。
【0063】
本実施形態の水中油型乳化化粧料における水の含有量は、みずみずしさの付与やのびの良さの観点から、化粧料全量基準で1~95質量%であってもよく、10~90質量%であってもよく、20~80質量%であってもよく、30~70質量%であってもよい。
【0064】
<その他の成分>
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、上述した成分以外の成分を含むことができる。その他の成分としては、通常化粧品に使用される成分、例えば保湿剤や低級アルコールなどの水性成分、紫外線吸収剤、消泡剤、防腐剤、ビタミン類、美容成分、酸化防止剤、香料等を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0065】
保湿剤としては、例えば、1,3-ブチレングリコール(BG)、ジプロピレングリコール(DPG)、グリセリン、1,2-ペンタンジオール、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコールが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0066】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、(A)成分の含有量が、化粧料全量を基準として1~30質量%であり、(A)成分が、(A1)成分を含有し、(C)成分が、(C1)成分と、(C2)成分と、を含有し、(C1)成分と(C2)成分との質量比[(C1):(C2)]が1.5:1~30:1であってもよい。
【0068】
このような水中油型乳化化粧料は、水中油型乳化化粧料の安定化に有効であるPEG(ポリエチレングリコール)基を有する成分を実質的に配合しない場合でも、充分な保存安定性を維持できる。なお、PEG基を有する成分とは、エチレンオキサイドを付加重合(EO変性)して[-(CH2CH2O)n-]の構造が含まれる化合物及びその誘導体を指す。
【0069】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、低皮膚刺激の観点から、実質的にPEG基を有する成分を含まないものであってもよい。なお、「実質的にPEG基を有する成分を含まない」とは、PEG基を有する成分を別途配合することはしないという意味であり、各配合成分中に含まれる微量のPEG基含有成分(キャリーオーバー成分)までを除外するものではない。水中油型乳化化粧料におけるキャリーオーバー成分の含有量は、化粧料全量基準で0.1質量%以下であってもよい。
【0070】
本実施形態の水中油型乳化化粧料は、使用感、保存安定性の観点から、25℃における粘度が500~300000mPa・sであってもよく、1000~200000mPa・sであってもよく、2000~100000mPa・sであってもよい。
【0071】
上記の粘度は、25℃の試料について、ブルックフィールド型粘度計(BM型)又はブルックフィールド型粘度計(BH型)を用いて、下記の条件で測定した値を意味する。
250~2500mPa・s:BM型、ローターNo.2、回転数12rpm
1000~10000mPa・s:BM型、ローターNo.3、回転数12rpm
5000~50000mPa・s:BM型、ローターNo.4、回転数12rpm
50000~400000mPa・s:BH型、ローターNo.7、回転数10rpm
【0072】
本実施形態の水中油型乳化化粧料の用途としては、チーク、アイシャドウ、ファンデーション、口紅、コンシーラー、ハイライター、化粧下地、アイライナー、アイブロウなどのメークアップ化粧料、サンスクリーン(日焼け止め)などの身体用化粧料、ヘアワックス、ヘアカラーなどのヘアケア化粧料が挙げられる。
【0073】
[水中油型乳化化粧料の製造方法]
本実施形態に係る水中油型乳化化粧料の製造方法としては、例えば、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分、並びに必要に応じてその他の成分を混合、乳化することにより得ることができる。
【0074】
混合の手順としては、例えば、(B)成分、(C2)成分、及び水又は水性成分を混合して得られる水相に、(A)成分、(C1)成分、及び(D)成分を混合して得られる油相を撹拌しながら混合することで乳化させてもよい。また、(C)成分は、親水性界面活性剤の場合は水相へ、親油性界面活性剤の場合は油相へ混合することができる。油相を調製するときの温度は、(C)成分、(D)成分が溶解する温度であることが好ましい。水相を調製するときの温度は、(B)成分、(C)成分が溶解する温度であることが好ましい。
【実施例0075】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0076】
[水中油型乳化化粧料の作製]
(実施例1~24及び比較例1~7)
表1~4に示される処方(配合量の数値は化粧料全量を基準とする含有量(質量%)を示す)で、下記の製法にて水中油型乳化化粧料(ファンデーション)を調整した。
【0077】
なお、表1~4中、及び実施例25~27の原料の詳細については下記のとおりである。
【0078】
<(A)成分>
各NAI処理粉体は、三好化成株式会社製のNAIシリーズを用いた。また、各ジメチコン処理粉体は、三好化成株式会社製のSAシリーズを用いた。
【0079】
<(B)成分>
共重合体-1:(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
共重合体-2:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー
【0080】
<(C)成分>
ステアリン酸グリセリル:HLB3、固体
ステアリン酸ソルビタン:HLB4.7、固体
ポリソルベート80:HLB15
PEG-60水添ヒマシ油:HLB14
イソステアリン酸PEG-10グリセリル:HLB10
ヤシ脂肪酸ソルビタン:HLB12
ステアリン酸ポリグリセリル-10:HLB12
水添レシチン:HLB7.9
イソステアリン酸ソルビタン:HLB5、液体
セスキオレイン酸ソルビタン:HLB3.7、液体
【0081】
<製法>
(A)成分、(C1)成分、(D)成分を混合し、90℃に加熱して溶解、均一化し、これを油相とした。次に、(B)成分、(C2)成分、水を含む水性成分を混合し、90℃に加熱溶解し、水相とした。90℃の水相に油相を撹拌しながら添加することで乳化させ、冷却することで水中油型乳化化粧料(ファンデーション)を得た。なお、比較例6のイソステアリン酸ソルビタン、比較例7のセスキオレイン酸ソルビタンは油相へ混合した。
【0082】
得られた水中油型乳化化粧料について、下記の評価方法に基づき各項目の評価を実施した。その結果を表5に示す。
【0083】
<外観色と塗布膜の色差>
人工皮膚上に化粧料を0.5mg/cm2量り取り、指サックをつけた指で均一に塗布し、室温で乾燥させて塗膜を形成した。化粧料のバルクと塗膜との色差ΔE*を色彩色差計CR-400(コニカミノルタ製)を用いて測定し、以下の評価基準に従って外観色と塗布膜の色差を判定した。
[判定基準]
◎:ΔE*<1.5
○:1.5≦ΔE*<2
△:2≦ΔE*<2.5
×:2.5≦ΔE*
【0084】
<水と接触後の色差>
人工皮膚上に化粧料を0.5mg/cm2量り取り、指サックをつけた指で均一に塗布し、室温で乾燥させて塗膜を形成した。この塗膜にスポイトで5mgの水をかけ、水分をふき取った。塗膜と水分をふき取った後の塗膜との色差ΔE*を色彩色差計CR-400(コニカミノルタ製)を用いて測定し、以下の評価基準に従って水と接触後の色差を評価した。
[判定基準]
◎:ΔE*<1.5
○:1.5≦ΔE*<2.0
×:2.0≦ΔE*
【0085】
<耐水性(接触角)>
人工皮膚上に化粧料を0.5mg/cm2量り取り、指サックをつけた指で均一に塗布し、室温で乾燥させて塗膜を形成した。この塗膜に水を1~2ml滴下し、1分後、これを真横からカメラで撮影して映像を取得した。この画像から、液滴の輪郭形状を解析して、接触角を算出し、下記の判定基準で耐水性を評価した。なお、接触角は、水滴と塗膜とがなす角度を意味し、接線法(Tangent 1)にて得られた数値を意味する。
[判定基準]
◎:接触角が70°以上
○:接触角が40°以上70°未満
×:接触角が40°未満
【0086】
<使用性(カバー力、伸びの良さ、むらのなさ)>
化粧品評価専門パネル10名に、実施例及び比較例の化粧料をそれぞれ使用してもらい、カバー力、伸びの良さ、むらのなさ(塗布膜の均一性)の観点から使用性を評価してもらった。なお、使用性の評価は、下記の評価基準に従って5段階評価を行いサンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
[評点:評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定基準(評点の平均点)]
◎:4以上
○:3以上4未満
△:2以上3未満
×:2未満
【0087】
<保存安定性>
化粧料を室温で1ヶ月間保管した。保管後の化粧料の状態を目視にて確認し、下記の判定基準に従って保存安定性を評価した。
[判定基準]
○:変化なし
×:離水や分離が見られる
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
(実施例25:チーク)
(成分) (配合割合(質量%))
1. NAI処理酸化チタン 5.0
2. NAI処理黄酸化鉄 0.8
3. NAI処理ベンガラ 0.1
4. NAI処理黒酸化鉄 0.01
5. 赤226 0.15
6. マイカ 3.0
7. 雲母チタン 4.0
8. ガラス末 2.0
9. リンゴ酸ジイソステアリル 5.0
10.トリエチルヘキサノイン 10
11.ステアリン酸グリセリル(HLB3) 1.0
12.ポリソルベート80(HLB15) 0.2
13.シリカ 3.0
14.ポリメタクリル酸メチル 5.0
15.共重合体-1 0.5
16.ケイ酸(Al/Mg) 0.5
17.1,3-ブチレングリコール 3.0
18.グリセリン 2.0
19.防腐剤 適量
20.pH調整剤 適量
21.水 残余
【0094】
上記成分の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0095】
<製法>
成分1~8、13、14を90℃で加熱混合し、油相とした。次に、成分9~12、15~21を90℃に加熱混合し水相とした。水相に油相を撹拌しながら混合することで乳化させ、冷却して、水中油型乳化化粧料(チーク)を得た。
【0096】
<評価>
得られたチークについて、上記同様の評価を行ったところ、外観色と塗布膜の色差「◎」、水と接触後の色差「◎」、耐水性(接触角)「◎」、発色(カバー力に代えて評価)「◎」、伸びの良さ「○」、むらのなさ「○」、保存安定性「◎」の評価であることが確認された。
【0097】
(実施例26:アイシャドウ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. NAI処理合成金雲母 8.0
2. NAI処理雲母チタン 4.0
3. NAI処理酸化鉄被覆雲母チタン 6.0
4. ガラス末 2.0
5. リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
6. エチルヘキサン酸セチル 10
7. ステアリン酸グリセリル(HLB3) 1.0
8. 水添レシチン 0.3
9. シリカ 3.0
10.キサンタンガム 0.8
11.ケイ酸(Al/Mg) 0.5
12.1,3-ブチレングリコール 3.0
13.グリセリン 2.0
14.防腐剤 適量
15.pH調整剤 適量
16.水 残余
【0098】
上記成分の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0099】
<製法>
成分1~8を90℃に加熱混合し、油相とした。次に成分9~16を90℃に加熱混合し水相とした。水相に油相を撹拌しながら混合することで乳化させ、冷却し、水中油型乳化化粧料(アイシャドウ)を得た。
【0100】
<評価>
得られたアイシャドウについて、上記同様の評価を行ったところ、外観色と塗布膜の色差「◎」、水と接触後の色差「◎」、耐水性(接触角)「◎」、発色(カバー力に代えて評価)「◎」、伸びの良さ「◎」、むらのなさ「◎」、保存安定性「◎」の評価であることが確認された。
【0101】
(実施例27:サンスクリーン)
(成分) (配合割合(質量%))
1. NAI処理微粒子酸化チタン 15.0
2. NAI処理黄酸化鉄 0.4
3. NAI処理ベンガラ 0.1
4. NAI処理黒酸化鉄 0.01
5. メチルトリメチコン 5.0
6. ジメチコン 10
7. ステアリン酸グリセリル(HLB3) 2.0
8. ポリソルベート80(HLB15) 0.2
9. 水添レシチン 0.5
10.シリカ 3
11.共重合体-1 0.7
12.キサンタンガム 0.3
13.1,3-ブチレングリコール 3.0
14.グリセリン 2.0
15.防腐剤 適量
16.pH調整剤 適量
17.水 残余
【0102】
上記成分の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0103】
<製法>
成分1~7を90℃に加熱混合し油相とし、次に成分8~17を90℃に加熱混合し水相とする。水相に油相を撹拌しながら混合することで乳化させ、冷却し、水中油型乳化化粧料(サンスクリーン)を得た。
【0104】
<評価>
得られたサンスクリーンについて、上記同様の評価を行ったところ、外観色と塗布膜の色差「◎」、水と接触後の色差「◎」、耐水性(接触角)「◎」、伸びの良さ「◎」、むらのなさ「◎」、保存安定性「◎」の評価であることが確認された。