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特開2022-91347情報処理装置、KVMスイッチ及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091347
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、KVMスイッチ及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
G06F3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204137
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】岡田 了平
(57)【要約】
【課題】第三者による不正使用のリスクを低減することができる情報処理装置、KVMスイッチ及びシステムを提供する。
【解決手段】サーバ2は、KVMスイッチ10で一部が変換されたEDIDを予め記憶するメモリ4と、EDIDを受信する入出力部5と、入出力部5で受信されたEDIDがメモリ4に記憶されたEDIDと一致しない場合に、サーバ2からの映像信号の出力を停止し、サーバ2へのキーデータ又はマウスデータを廃棄するCPU3とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
KVMスイッチに接続される情報処理装置であって、
前記KVMスイッチで一部が変換されたディスプレイ識別データを予め記憶する記憶手段と、
ディスプレイ識別データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたディスプレイ識別データが前記記憶手段に記憶されたディスプレイ識別データと一致しない場合に、前記情報処理装置からの映像信号の出力を停止し、前記情報処理装置への入力データを廃棄する制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置と、キーボード、マウス及びディスプレイとの間に接続されるKVMスイッチであって、
前記ディスプレイからディスプレイ識別データを取得する第1取得手段と、
前記ディスプレイ識別データの少なくとも一部を前記KVMスイッチの固有値に変換する変換手段と、
前記変換されたディスプレイ識別データを記憶する記憶手段と、
前記変換されたディスプレイ識別データを前記情報処理装置に出力する出力手段と
を備えることを特徴とするKVMスイッチ。
【請求項3】
前記変換手段は、前記ディスプレイ識別データのモニタ名を前記KVMスイッチの固有値に変換することを特徴とする請求項2に記載のKVMスイッチ。
【請求項4】
外部装置から、前記変換されたディスプレイ識別データと異なる別の変換されたディスプレイ識別データを取得する第2取得手段と、
前記別の変換されたディスプレイ識別データを使って前記記憶手段に記憶されたディスプレイ識別データを更新する更新手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のKVMスイッチ。
【請求項5】
情報処理装置と、キーボード、マウス及びディスプレイに接続されるKVMスイッチとを備えるシステムであって、
前記KVMスイッチは、
前記ディスプレイからディスプレイ識別データを取得する取得手段と、
前記ディスプレイ識別データの一部を前記KVMスイッチの固有値に変換する変換手段と、
前記変換されたディスプレイ識別データを記憶する第1記憶手段と、
前記変換されたディスプレイ識別データを前記情報処理装置に出力する出力手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記KVMスイッチで一部が変換されたディスプレイ識別データを予め記憶する第2記憶手段と、
ディスプレイ識別データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたディスプレイ識別データが前記第2記憶手段に記憶されたディスプレイ識別データと一致しない場合に、前記情報処理装置からの映像信号の出力を停止し、前記情報処理装置への入力データを廃棄する制御手段と
を備えることを特徴とするシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、KVMスイッチ及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンソールがKVMスイッチに接続する場合であっても、サーバからの画像がモニタに表示されないことを抑制できるKVMスイッチが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-107914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
KVMスイッチはパスワードや生体認証などの認証機能を有しており、特定のユーザのみがKVMスイッチに接続されたサーバを操作可能に設定することができる。しかし、KVMスイッチをサーバから取り外して、直接サーバにディスプレイ、キーボード及びマウスを接続すると、KVMスイッチによる認証が不要になるために第三者にサーバを使用されてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、第三者による不正使用のリスクを低減することができる情報処理装置、KVMスイッチ及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、明細書に開示された情報処理装置は、KVMスイッチに接続される情報処理装置であって、前記KVMスイッチで一部が変換されたディスプレイ識別データを予め記憶する記憶手段と、ディスプレイ識別データを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたディスプレイ識別データが前記記憶手段に記憶されたディスプレイ識別データと一致しない場合に、前記情報処理装置からの映像信号の出力を停止し、前記情報処理装置への入力データを廃棄する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたKVMスイッチは、情報処理装置と、キーボード、マウス及びディスプレイとの間に接続されるKVMスイッチであって、前記ディスプレイからディスプレイ識別データを取得する第1取得手段と、前記ディスプレイ識別データの少なくとも一部を前記KVMスイッチの固有値に変換する変換手段と、前記変換されたディスプレイ識別データを記憶する記憶手段と、前記変換されたディスプレイ識別データを前記情報処理装置に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたシステムは、情報処理装置と、キーボード、マウス及びディスプレイに接続されるKVMスイッチとを備えるシステムであって、前記KVMスイッチは、前記ディスプレイからディスプレイ識別データを取得する取得手段と、前記ディスプレイ識別データの一部を前記KVMスイッチの固有値に変換する変換手段と、前記変換されたディスプレイ識別データを記憶する第1記憶手段と、前記変換されたディスプレイ識別データを前記情報処理装置に出力する出力手段とを備え、前記情報処理装置は、前記KVMスイッチで一部が変換されたディスプレイ識別データを予め記憶する第2記憶手段と、ディスプレイ識別データを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたディスプレイ識別データが前記第2記憶手段に記憶されたディスプレイ識別データと一致しない場合に、前記情報処理装置からの映像信号の出力を停止し、前記情報処理装置への入力データを廃棄する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第三者による不正使用のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報管理システムの構成図である。
図2】(A)、(B)は、EDID情報の変換例を示す図である。
図3】ディスプレイに出力されるメッセージの一例を示す図である。
図4】変換されたEDIDをサーバに事前登録する処理を示すフローチャートである。
図5】(A)、(B)は、ディスプレイに出力されるメッセージの一例を示す図である。
図6】サーバで実行されるセキュリティ処理を示すフローチャートである。
図7】外部装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、情報管理システムの構成図である。
【0013】
情報管理システム1は、情報処理装置としての複数のサーバ2(2A,2B)と、KVM(K:キーボード、V:ビデオ、M:マウス)スイッチ10と、コンソール24とを備えている。コンソール24は、マウス21、キーボード22及びディスプレイ23を含む。KVMスイッチ10は、複数のサーバ2と、コンソール24との間に接続され、コンソール24が操作する操作対象のサーバの切り換えを行う。なお、情報管理システム1は、複数のKVMスイッチや複数のコンソールを備えていてもよい。
【0014】
サーバ2Aは、制御手段としてのCPU(Central Processing unit)3A、記憶手段及び第2記憶手段としてのメモリ4A、及び受信手段としての入出力部5Aを備えている。CPU3Aは、メモリ4A及び入出力部5Aにバスを介して接続されている。メモリ4Aは、アプリケーション、プログラム及び各種のデータを保存する。CPU3Aは、メモリ4Aに格納されたアプリケーション、プログラム及びデータに基づいてサーバ2A自身の動作を制御する。入出力部5Aは、例えばキーデータ及びマウスデータを入出力するためのインタフェース、及び映像信号を入出力するためのインタフェースを含む。
【0015】
キーデータ及びマウスデータを入出力するインタフェースは、例えば、USB(Universal Serial Bus)などである。映像信号を入出力するためのインタフェースは、VGA(Video Graphics Array)、DVI(Digital Visual Interface)、又はHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)などである。
【0016】
入出力部5Aは、例えばUSBケーブル6A及びビデオケーブル7AでKVMスイッチ10に接続されている。例えば、入出力部5Aがブルートゥース(登録商標)などの無線通信部を有する場合には、入出力部5Aが無線通信でKVMスイッチ10に接続されていてもよい。この場合、KVMスイッチ10の入出力部11もブルートゥースなどの無線通信部を有する。
【0017】
サーバ2Aはサーバ2Bと同一の構成であるので、サーバ2Aの構成を説明し、サーバ2Bの構成の説明は省略する。なお、サーバ2A、2Bで共通する説明については、サーバ2として説明する。CPU3A、3Bで共通する説明、メモリ4A、4Bで共通する説明、及び入出力部5A、5Bで共通する説明については、それぞれCPU3、メモリ4、及び入出力部5として説明する。
【0018】
ディスプレイ23は画面サイズやモニタ名などのディスプレイ識別データ、例えばEDID(Extended Display Identification Data)を保有している。KVMスイッチ10は、出力手段としての複数の入出力部11と、取得手段、第1取得手段、変換手段、第2取得手段及び更新手段としてのコントローラ12と、記憶手段としてのEDID保存メモリ13と、OSD(On-Screen Display)制御手段としてのOSD制御部14と、メモリ15と、複数の入出力部16と、USBコネクタ17とを備えている。入出力部11は、入出力部5Aと同様に、例えばキーデータ及びマウスデータを入出力するためのインタフェース、及び映像信号を入出力するためのインタフェースを含む。入出力部11は、これらのインタフェースに加えて、プロセッサやメモリなどを備えていてもよい。例えば、そのようなプロセッサやメモリを使って、キーデータ、マウスデータ及び映像信号のフォーマットの変換、これらのデータの暗号化・復号化、ノイズの除去、および信号の増幅などの各種の処理を行ってもよい。
【0019】
コントローラ12は、KVMスイッチ10の動作を制御し、コンソール24が操作する操作対象のサーバの切り換えを行う。また、コントローラ12は、ディスプレイ23から取得したEDIDの一部を変換し、変換したEDID全体をEDID保存メモリ13に保存する。
【0020】
OSD制御部14は、KVMスイッチ10の設定情報などをディスプレイ23に表示する。例えば、ホットキーと呼ばれる所定の複数のキーを同時入力することにより、KVMスイッチ10の設定画面はディスプレイ23に表示される。KVMスイッチ10の設定画面上で、サーバの切り替え又はサーバの登録・変更などの設定を行うことができる。KVMスイッチ10の設定画面は、専用の設定画面のみで構成されてもよいし、サーバ2から入力された映像の上に重ね合わされて表示されてもよい。
【0021】
メモリ15は、各種のデータ、プログラムなどを保存する。例えば、メモリ15は、KVMスイッチ10の仕様データ(例えば、KVMスイッチ10の製品名、シリアル番号、消費電流、重量、サイズ及び製造年月日など)も保存している。
入出力部16は、入出力部11と同様に、例えばキーデータ及びマウスデータを入出力するためのインタフェース、及び映像信号を入出力するためのインタフェースを含む。キーデータ及びマウスデータを入出力するインタフェースは、例えば、USBなどである。映像信号を入出力するためのインタフェースは、VGA、DVI又はHDMIなどである。入出力部16は、これらのインタフェースに加えて、プロセッサやメモリなどを備えていてもよい。例えば、そのようなプロセッサやメモリを使って、キーデータ、マウスデータ及び映像信号のフォーマットの変換、これらのデータの暗号化・復号化、ノイズの除去、および信号の増幅などの各種の処理を行ってもよい。
【0022】
入出力部16には、マウス21、キーボード22及びディスプレイ23が接続されている。例えば、入出力部16がブルートゥースなどの無線通信部を有する場合には、入出力部16が無線通信でマウス21、キーボード22及びディスプレイ23に接続されていてもよい。
【0023】
USBコネクタ17は、外部通信用のコネクタであり、例えば、他のサーバ又はUSBメモリなどを接続することができる。
【0024】
図2(A)、(B)は、EDID情報の変換例を示す図である。
【0025】
KVMスイッチ10の電源が投入されると、OSD制御部14は、KVMスイッチ10の設定情報に、ディスプレイ23をセキュリティ登録するか否かを確認するメッセージをディスプレイ23に表示する。KVMスイッチ10の設定情報にディスプレイ23をセキュリティ登録すると、コントローラ12は入出力部16を介して、ディスプレイ23からEDIDを取得し、EDIDの一部を変換し、変換されたEDIDをEDID保存メモリ13に保存する。また、ディスプレイ23をセキュリティ登録すると、後述するように、サーバ2が変換されたEDIDを使って認証処理を実行するので、KVMスイッチ10をサーバ2から取り外して、直接サーバ2にマウス21、キーボード22及びディスプレイ23を接続しても、サーバ2へアクセスできなくなり、サーバ2のデータを表示できなくなる。これにより、第三者によるサーバ2の不正使用のリスクを低減することができる。
【0026】
図2(A)は変換前のEDIDの一例を示し、図2(B)は変換後のEDIDの一例を示ず。例えば、ディスプレイ23のモニタ名が「LCD-AB123C」であるとすると、ディスプレイ23のモニタ名は、図2(A)の破線の領域で示すように、EDIDのモニタディスクリプタ領域のモニタ名に表示される。
【0027】
コントローラ12は、このモニタ名を独自のモニタ名(例えば、FCLM00000001)に変換する。例えば、変換後のモニタ名「FCLM00000001」は、KVMスイッチ10の製品名及びシリアル番号を組み合わせたものである。最初の4バイト「FCLM」はKVMスイッチ10の製品名であり、後の8バイト「00000001」はKVMスイッチ毎に異なるKVMスイッチ10のシリアル番号である。図2(B)の破線の領域が変換後のモニタ名を示しており、図2(B)に示すような、変換されたEDIDがEDID保存メモリ13に保存される。なお、変換されたEDIDはKVMスイッチ10のシリアル番号と関連付けされて、EDID保存メモリ13に保存されていてもよい。
【0028】
なお、変換されたEDIDの保存が終了した後は、OSD制御部14がディスプレイ23に出力するモニタ名は、変換後のモニタ名「FCLM00000001」になる。
ディスプレイ23に出力されるメッセージの一例を図3に示す。
【0029】
図4は、変換されたEDIDをサーバ2に事前登録する処理を示すフローチャートである。
【0030】
まず、サーバ2にEDID制御用ソフトウエアをインストールし、当該ソフトウエアを起動し、EDIDの登録モードにする(S1)。次いで、KVMスイッチ10にディスプレイ23を接続し(S2)、KVMスイッチ10の電源を投入する(S3)。
【0031】
OSD制御部14は、KVMスイッチ10の設定情報に、接続されているディスプレイ23をセキュリティ登録するか否かを確認するメッセージをディスプレイ23に出力する(S4)。このときに、ディスプレイ23に出力されるメッセージの一例を図5(A)に示す。図5(A)のメッセージの「YES」ボタンが押下されると、ディスプレイ23をセキュリティ登録する。
【0032】
ディスプレイ23をセキュリティ登録すると、コントローラ12がディスプレイ23からEDIDを取得し、EDIDの一部を変換し、変換されたEDIDをEDID保存メモリ13に保存する(S5)。さらに、コントローラ12は変換されたEDID及びセキュリティ設定開始コマンドをサーバ2に通知する(S5)。
【0033】
次いで、サーバ2でのEDIDの登録が終了すると、OSD制御部14は、設定完了のメッセージを出力する(S6)。このときに、ディスプレイ23に出力されるメッセージの一例を図5(B)に示す。
【0034】
サーバ2のCPU3は、変換されたEDID及びセキュリティ設定開始コマンドをKVMスイッチ10から受信すると、変換されたEDIDをメモリ4に登録し、EDID制御用ソフトウエアを使ってセキュリティを開始する(S7)。つまり、後述するように、サーバ2が変換されたEDIDを使って認証処理を実行する。
【0035】
なお、KVMスイッチ10に接続されているディスプレイ23を別のディスプレイに変更する場合には、サーバ2に登録されたEDIDを一旦クリアしてから、ディスプレイ23を別のディスプレイに替えて、再度図4と同じ手順で変換されたEDIDをサーバ2に事前登録する。
【0036】
図6は、サーバ2で実行されるセキュリティ処理(すなわち認証処理)を示すフローチャートである。前提として、図4の変換されたEDIDの事前登録が完了し、サーバ2がEDID制御用ソフトウエアを使ったセキュリティを開始しているものとする。
【0037】
CPU3は、入出力部5で受信するEDIDが、メモリ4に事前登録された変換されたEDIDと一致するか否かを判別する(S11)。入出力部5で受信するEDIDが、メモリ4に事前登録された変換されたEDIDと一致する場合には(S11でYES)、CPU3は、外部からのアクセスが許可されているアクセスと判断し、特に何もせずに、本処理を終了する。入出力部5で受信するEDIDが、メモリ4に事前登録された変換されたEDIDと一致しない場合には(S11でNO)、CPU3は、外部からのアクセスが不許可のアクセスと判断し、サーバ2からの映像信号の出力を停止する(S12)。
【0038】
次に、CPU3は、キーデータ又はマウスデータを受信しているか否かを判別する(S13)。キーデータ又はマウスデータを受信していない場合には(S13でNO)、CPU3は、特に何もせずに、本処理を終了する。キーデータ又はマウスデータを受信している場合には(S13でYES)、CPU3は、受信したキーデータ又はマウスデータを廃棄し(S14)、本処理を終了する。
【0039】
次に、KVMスイッチ10を他のKVMスイッチとしてサーバ2に認識させる例を説明する。図7は、外部装置の構成図である。
【0040】
図7の外部装置200は、例えば、他のサーバ又はUSBメモリなどである。外部装置200は、予め各KVMスイッチのシリアル番号と変換されたEDIDとを関連付けて保存し、KVMスイッチ10のUSBコネクタ17に接続可能なUSB端子201を備えているものとする。
【0041】
外部装置200をUSBコネクタ17を介してKVMスイッチ10に接続し、コントローラ12は、外部装置200に格納された、他のKVMスイッチに設定された別の変換されたEDIDを取得し、当該別の変換されたEDIDを使ってEDID保存メモリ13に保存されたEDIDを更新することができる。これにより、例えば、他のKVMスイッチが壊れたとしても、KVMスイッチ10を他のKVMスイッチとしてサーバ2に認識させることができる。
【0042】
以下、KVMスイッチが故障した場合の設定方法を説明する。上述したように、外部装置200は、予め各KVMスイッチのシリアル番号と変換されたEDIDとを関連付けて保存している。KVMスイッチ10を故障した他のKVMスイッチの代わりに動作するように設定する。具体的には、(1)外部装置200をUSBコネクタ17を介してKVMスイッチ10に接続する。(2)KVMスイッチ10のコントローラ12は、外部装置200に格納された、故障した他のKVMスイッチのシリアル番号に基づいて変換された別のEDIDを取得する。(3)KVMスイッチ10のコントローラ12は、取得した当該別の変換されたEDIDをKVMスイッチ10のEDID保存メモリ13に保存する。この際、KVMスイッチ10のコントローラ12は、KVMスイッチ10のEDID保存メモリ13に保存されたEDIDを取得した当該別の変換されたEDIDに変更する。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、KVMスイッチ10に接続されるサーバ2は、KVMスイッチ10で一部が変換されたEDIDを予め記憶するメモリ4と、EDIDを受信する入出力部5と、入出力部5で受信されたEDIDがメモリ4に記憶されたEDIDと一致しない場合に、サーバ2からの映像信号の出力を停止し、サーバ2へのキーデータ又はマウスデータを廃棄するCPU3とを備えているので、第三者によるサーバ2の不正使用のリスクを低減することができる。特に、直接サーバ2にディスプレイ23、キーボード22及びマウス21を接続しても、入出力部5で受信されたEDIDはメモリ4に記憶されたEDIDと一致しないので、第三者によるサーバ2の不正使用のリスクを低減することができる。
【0044】
また、KVMスイッチ10は、サーバ2での認証処理に使用されるEDIDの一部をKVMスイッチ10の固有値に変換するので、第三者によるサーバ2の不正使用のリスクの低減を補助することができる。
【0045】
上述したサーバ2の機能は、コンピュータにサーバ2の処理内容を記述したプログラムを実行させることよって実現することができる。この場合、サーバ2の処理内容を記述したプログラムがコンピュータに提供される。サーバ2の処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができ、CD-ROMやDVDなどの可搬型記録媒体又はネットワークを介したダウンロードによって流通させることができる。
【0046】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 情報管理システム
2、2A、2B サーバ
3、3A、3B CPU
4、4A、4B メモリ
5、5A、5B 入出力部
10 KVMスイッチ
11、16 入出力部
12 コントローラ
13 EDID保存メモリ
14 OSD制御部
15 メモリ
17 USBコネクタ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7