(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091387
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】ワイパアーム
(51)【国際特許分類】
B60S 1/34 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
B60S1/34 235
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204199
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】591012200
【氏名又は名称】株式会社東海理機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】久野 真裕
【テーマコード(参考)】
3D025
3D225
【Fターム(参考)】
3D025AA01
3D025AC01
3D025AD09
3D025AE05
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD09
3D225AE05
(57)【要約】
【課題】リテーナを介してガイドピンが過度に回動された場合でも、ガイドピンからコイルばねが外れることを抑制できるワイパアームを提供する。
【解決手段】ワイパアーム11は、先端側にワイパブレードを取り付け可能なリテーナ12と、リテーナ12の基端側を回動可能に支持するアームヘッド14と、リテーナ12を回動方向に付勢可能なコイルばね27と、コイルばね27に挿通された状態で基端側がアームヘッド14に回動可能に支持されるとともに先端側がリテーナ12に支持され、且つリテーナ12の回動に伴って回動されるガイドピン22とを備える。ガイドピン22は、コイルばね27に挿通される本体部25と、本体部25から本体部25の延びる方向と交差する方向に突出し、アームヘッド14に接触することによってガイドピン22の回動範囲を制限する突出部26とを備える。突出部26は、本体部25よりも剛性が低くなっている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側にワイパブレードを取り付け可能なリテーナと、
前記リテーナの基端側を回動可能に支持するアームヘッドと、
前記リテーナを回動方向に付勢可能なコイルばねと、
前記コイルばねに挿通された状態で基端側が前記アームヘッドに回動可能に支持されるとともに先端側が前記リテーナに支持され、且つ前記リテーナの回動に伴って回動されるガイドピンと、
を備え、
前記ガイドピンは、
前記コイルばねに挿通される本体部と、
前記本体部から前記本体部の延びる方向と交差する方向に突出し、前記アームヘッドに接触することによって前記ガイドピンの回動範囲を制限する突出部と、
を備え、
前記突出部は、前記本体部よりも剛性が低くなっていることを特徴とするワイパアーム。
【請求項2】
前記ガイドピンは、板材によって形成され、
前記突出部は、前記板材の一部を曲げることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパアーム。
【請求項3】
前記突出部は、前記本体部の厚さ方向に突出していることを特徴とする請求項2に記載のワイパアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等のワイパ装置に備えられるワイパアームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のワイパアームは、車両のフロントガラスなどの払拭面に接触されるワイパブレードが連結されるリテーナと、リテーナが回動自在に連結されるアームヘッドと、リテーナとアームヘッドとの間に介装されるコイルばねと、コイルばねに挿通された状態でアームヘッドに回動自在に連結されるガイドピンとを備えている。
【0003】
こうしたワイパアームは、通常、リテーナとアームヘッドとが略直線状となる態様で使用される。そして、ワイパアームは、例えば上述の払拭面を清掃する際などに、ワイパブレードが払拭面から離れてリテーナが立つようにアームヘッドに対してリテーナを回動させた状態である所謂ロックバック状態にされることがある。
【0004】
この場合、リテーナには、ロックバック状態におけるアームヘッドに対するリテーナの回動角度が一定に保持されるように、ワイパアームがロックバック状態となる位置でアームヘッドに接触してアームヘッドに対するリテーナのそれ以上の回動を規制する規制部を設ける必要がある。しかしながら、リテーナに規制部を設けると、リテーナの加工性が悪くなる上に、リテーナが大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、従来は、こうした問題を解決するべく、例えば特許文献1に示すようなワイパアームが提案されている。この特許文献1のワイパアームは、ワイパアームがロックバック状態となる位置においてアームヘッドに対してリテーナと共に回動するガイドピンが接触することにより、ガイドピンを介してアームヘッドに対するリテーナのそれ以上の回動を規制する隆起部(規制部)をアームヘッドに設けた構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のワイパアームは、ロックバック状態でガイドピンがアームヘッドの隆起部に接触した状態になる。このため、ロックバック状態となる位置を越えて回動する方向にリテーナに対して過度の力が加えられた場合、当該力がリテーナを介してガイドピンにも作用する。したがって、当該力によってガイドピン全体が変形されてガイドピンからコイルばねが外れるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するワイパアームは、先端側にワイパブレードを取り付け可能なリテーナと、前記リテーナの基端側を回動可能に支持するアームヘッドと、前記リテーナを回動方向に付勢可能なコイルばねと、前記コイルばねに挿通された状態で基端側が前記アームヘッドに回動可能に支持されるとともに先端側が前記リテーナに支持され、且つ前記リテーナの回動に伴って回動されるガイドピンと、を備え、前記ガイドピンは、前記コイルばねに挿通される本体部と、前記本体部から前記本体部の延びる方向と交差する方向に突出し、前記アームヘッドに接触することによって前記ガイドピンの回動範囲を制限する突出部と、を備え、前記突出部は、前記本体部よりも剛性が低くなっていることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、ワイパアームをロックバック状態にするべくリテーナをアームヘッドに対して回動させると、ガイドピンの突出部のアームヘッドに対する接触によって回動が規制された状態のガイドピンによってリテーナのアームヘッドに対する回動が規制される。このため、リテーナが立った状態(ワイパアームがロックバックされた状態)で保持される。この状態からガイドピンによるリテーナのアームヘッドに対する回動の規制に抗してリテーナが過度に回動された場合、ガイドピンの突出部がアームヘッドに押し付けられて変形する。しかし、ガイドピンの本体部は、突出部よりも剛性が高いので、突出部が変形することで、ほとんど変形しない。したがって、リテーナを介してガイドピンが過度に回動された場合でも、ガイドピンの本体部が変形することを抑制できるので、ガイドピンからコイルばねが外れることを抑制できる。
【0010】
上記ワイパアームにおいて、前記ガイドピンは、板材によって形成され、前記突出部は、前記板材の一部を曲げることによって形成されていることが好ましい。
この構成によれば、板材を所定の形状に切断した後、当該板材の一部を曲げて突出部を形成するだけでガイドピンを製造できる。したがって、ガイドピンを容易に製造することができる。
【0011】
上記ワイパアームにおいて、前記突出部は、前記本体部の厚さ方向に突出していることが好ましい。
この構成によれば、突出部と本体部とが直角をなすため、突出部をアームヘッドに対して面接触させ易くすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リテーナを介してガイドピンが過度に回動された場合でも、ガイドピンからコイルばねが外れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】通常状態におけるワイパアームの要部を示す断面図。
【
図3】通常状態におけるワイパアームの要部を示す斜視図。
【
図4】通常状態におけるアームヘッドとガイドピンとの位置関係を示す斜視図。
【
図6】ロックバック状態におけるワイパアームの要部を示す断面図。
【
図7】ロックバック状態におけるワイパアームの要部を示す斜視図。
【
図8】ロックバック状態におけるアームヘッドとガイドピンとの位置関係を示す斜視図。
【
図9】ガイドピンがアームヘッドに対して過度に回動されたときの状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ワイパアームの一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、ワイパアーム11は、金属によって構成され、車両のワイパ装置に備えられる。ワイパアーム11は、略直線状に延びるリテーナ12と、リテーナ12の基端側を第1軸13を介して回動可能に支持するアームヘッド14とを備えている。アームヘッド14は、先端側にリテーナ12の基端側が連結され、基端側が車両側に設けられたピボット軸(図示略)に連結されている。リテーナ12の先端側には、車両のフロントガラスなどの払拭面Fを払拭するワイパブレード15が取り付け可能になっている。
【0015】
ワイパブレード15を払拭面Fに接触させながら払拭面Fを払拭するときのワイパアーム11の状態は、通常状態とされている。本実施形態におけるワイパアーム11の通常状態では、一例として、アームヘッド14に対するリテーナ12の角度が約180°になっている。すなわち、
図1においてリテーナ12が実線で示された位置にある状態がワイパアーム11の通常状態とされている。
【0016】
一方、ワイパブレード15を払拭面Fから離してリテーナ12が立つようにアームヘッド14に対してリテーナ12を回動させたときのワイパアーム11の状態は、ロックバック状態とされている。本実施形態におけるワイパアーム11のロックバック状態では、一例として、アームヘッド14に対するリテーナ12の角度が約135°になっている。すなわち、
図1においてリテーナ12が二点鎖線で示された位置にある状態がワイパアーム11のロックバック状態とされている。
【0017】
なお、以下の説明では、
図1における通常状態のワイパアーム11の上側を表側とし、
図1における通常状態のワイパアーム11の下側を裏側とし、
図1における通常状態のワイパアーム11の長手方向をX方向とし、
図1における紙面と直交するワイパアーム11の幅方向をY方向とし、
図1における上下方向をZ方向とする。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する方向である。
【0018】
図2及び
図3に示すように、リテーナ12は、互いにY方向で対向して帯状をなす一対の側板16と、一対の側板16の表側の長辺同士を連結する帯状の底板17とを備えている。すなわち、リテーナ12は、裏側及びX方向の両側が開口した断面視略U字状をなしている。アームヘッド14の先端部には、第1軸13の中間部が回動可能に挿通される第1軸孔18がY方向に貫通して形成されている。
【0019】
アームヘッド14の先端部は、リテーナ12の一対の側板16の基端部によって第1軸孔18が覆われるように挟まれている。第1軸13は、中間部が第1軸孔18に回動可能に挿通され、且つ両端部がリテーナ12の一対の側板16の基端部にそれぞれ固定されている。したがって、リテーナ12は、第1軸13を介してアームヘッド14に回動可能に支持されている。
【0020】
図4に示すように、アームヘッド14の先端部における第1軸孔18よりもX方向の先端側には、Z方向に延びるスリット19が形成されている。スリット19は、アームヘッド14の先端部におけるY方向の中央部に位置しており、アームヘッド14の表側から裏側にわたって延びている。したがって、アームヘッド14の先端面は、Y方向の中央部でスリット19によって分断されている。
【0021】
アームヘッド14の先端面におけるスリット19のY方向の両側の表側(
図4では上側)半分には、X方向よりも若干裏側(
図4では下側)に向かって延出するブロック状の延出部20が設けられている。延出部20は、X方向に対して若干裏側に傾斜して延びている。アームヘッド14の先端部における第1軸孔18と延出部20との間には、スリット19内とアームヘッド14におけるY方向の両側面とを連通する第2軸孔21がY方向に延びるようにそれぞれ設けられている。
【0022】
図4及び
図5に示すように、スリット19内には、金属の板材によって形成されてX方向に延びるガイドピン22の基端部が挿入されている。ガイドピン22は、厚さ方向がY方向と一致するように配置されている。ガイドピン22の基端部には、当該基端部をY方向に貫通する挿通孔23が形成されている。挿通孔23には、Y方向に延びる第2軸24の中央部が回動可能に挿通されている。第2軸24の両端部は、アームヘッド14の2つの第2軸孔21にそれぞれ回動不能に挿嵌されている。したがって、ガイドピン22は、基端側においてアームヘッド14により第2軸24を介して回動可能に支持されている。
【0023】
ガイドピン22は、X方向に延びる本体部25と、本体部25の基端部からX方向と交差(直交)する方向であるY方向に突出する突出部26とを備えている。突出部26は、矩形状をなしており、金属の板材によって構成された本体部25の基端部の一部を直角に曲げることによって当該基端部から本体部25の厚さ方向となるY方向へ突出するように形成されている。この場合、突出部26の幅Bは、本体部25の幅Aよりも狭くなるように設定されている。すなわち、突出部26は、本体部25よりも剛性が低くなっている。つまり、ガイドピン22が外力を受けた場合には、突出部26が本体部25よりも変形し易くなっている。
【0024】
図2及び
図3に示すように、ガイドピン22の本体部25は、コイルばね27に挿通された状態で先端側がリテーナ12の内部に形成された支持部28に支持されている。支持部28は、支持板29と、一対の側板16間に架設された丸棒状の支持ピン30とを備えている。支持板29は、底板17側の一部が直角に屈曲されて底板17の内面に連結され、且つY方向の両端部が一対の側板16の内面にそれぞれ接触している。
【0025】
支持板29のY方向の中央部には、Z方向に延びる切欠凹部31が形成されている。切欠凹部31には、ガイドピン22の本体部25の先端部がX方向に貫通するように挿入されている。ガイドピン22の本体部25の先端部は、先端に向かうほど幅狭になっている。コイルばね27は、ガイドピン22の本体部25の基端部に形成された段差部32と支持板29との間で圧縮された状態で配置されている。
【0026】
ガイドピン22の本体部25の先端部における支持板29の切欠凹部31を貫通した部分は、表側から支持ピン30に係合している。したがって、ガイドピン22の本体部25の先端部は、切欠凹部31の両側部によってY方向の移動が規制されるとともに、切欠凹部31の底部と支持ピン30とによってZ方向の移動が制限される。ワイパアーム11の通常状態では、ガイドピン22及びコイルばね27がリテーナ12の内部に完全に収容される。
【0027】
ガイドピン22は、リテーナ12の第1軸13を回動中心とした回動に伴って第2軸24を回動中心として回動される。つまり、ガイドピン22は、リテーナ12の回動に連動して回動される。この場合、リテーナ12を回動させる際には、コイルばね27がリテーナ12をその回動方向に付勢する。
【0028】
すなわち、
図1~
図3に示すように、コイルばね27は、アームヘッド14に対するリテーナ12の角度が所定角度以上である場合に、リテーナ12をその回動方向におけるワイパブレード15が払拭面Fに近づく方向(ワイパアーム11が通常状態となる方向)に付勢する。一方、コイルばね27は、アームヘッド14に対するリテーナ12の角度が所定角度未満である場合に、リテーナ12をその回動方向におけるワイパブレード15が払拭面Fから離れる方向(ワイパアーム11がロックバック状態となる方向)に付勢する。
【0029】
リテーナ12の回動可能なワイパブレード15が払拭面Fから離れる方向への限界位置は、ワイパアーム11がロックバック状態となる位置になっている。ワイパアーム11がロックバック状態となる位置では、
図7及び
図8に示すように、コイルばね27の付勢力によってガイドピン22の突出部26がアームヘッド14の延出部20の先端面20aに面接触した状態で維持される。
【0030】
ガイドピン22の突出部26は、アームヘッド14の延出部20の先端面20aに面接触することで、ガイドピン22の回動範囲を制限し、ひいてはガイドピン22の本体部25を介してリテーナ12の回動方向におけるワイパブレード15が払拭面Fから離れる方向への回動範囲を制限する。なお、ワイパアーム11が通常状態のときには、コイルばね27の付勢力によりリテーナ12を介してワイパブレード15が払拭面Fに常に押し付けられる。
【0031】
次に、ワイパアーム11を通常状態からロックバック状態にするときの作用について説明する。
図6~
図8に示すように、ワイパアーム11を通常状態からロックバック状態にするべくリテーナ12をアームヘッド14に対して回動させると、リテーナ12と一緒にガイドピン22が回動される。すると、ガイドピン22の突出部26がアームヘッド14の延出部20の先端面20aに面接触し、ガイドピン22のそれ以上の回動が規制される。そして、この回動が規制された状態のガイドピン22によってリテーナ12のアームヘッド14に対するそれ以上の回動が規制される。
【0032】
このとき、コイルばね27の付勢力によってガイドピン22の突出部26がアームヘッド14の延出部20の先端面20aに面接触した状態で維持される。このため、リテーナ12が立った状態(ワイパアーム11がロックバックされた状態)で保持される。この状態からガイドピン22によるリテーナ12のアームヘッド14に対する回動の規制に抗して例えばユーザーによりリテーナ12が過度に回動された場合には、ガイドピン22の突出部26がアームヘッド14の延出部20の先端面20aに押し付けられる。
【0033】
すると、ガイドピン22における支持ピン30との接触部分を力点、第2軸24を支点、ガイドピン22の突出部26を作用点とした梃子の原理により、ガイドピン22における特に突出部26に対しては、過度に荷重がかかる。このため、突出部26は、
図9に示すように、突出部26と本体部25とのなす角度が大きくなるように変形される。
【0034】
しかし、ガイドピン22の本体部25は、突出部26よりも剛性が高いので、突出部26が変形することで、ほとんど変形しない。したがって、リテーナ12を介してガイドピン22が過度に回動された場合でも、ガイドピン22の本体部25が変形することが抑制されるので、ガイドピン22からコイルばね27が外れることが抑制される。
【0035】
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)ワイパアーム11は、先端側にワイパブレード15を取り付け可能なリテーナ12と、リテーナ12の基端側を回動可能に支持するアームヘッド14と、リテーナ12を回動方向に付勢可能なコイルばね27と、コイルばね27に挿通された状態で基端側がアームヘッド14に回動可能に支持されるとともに先端側がリテーナ12に支持され、且つリテーナ12の回動に伴って回動されるガイドピンとを備える。ガイドピン22は、コイルばね27に挿通される本体部25と、本体部25から本体部25の延びる方向と交差する方向に突出し、アームヘッド14に接触することによってガイドピン22の回動範囲を制限する突出部26とを備える。突出部26は、本体部25よりも剛性が低くなっている。
【0036】
この構成によれば、ワイパアーム11をロックバック状態にするべくリテーナ12をアームヘッド14に対して回動させると、ガイドピン22の突出部26のアームヘッド14に対する接触によって回動が規制された状態のガイドピン22によってリテーナ12のアームヘッド14に対する回動が規制される。このため、リテーナ12が立った状態(ワイパアーム11がロックバックされた状態)で保持される。この状態からガイドピン22によるリテーナ12のアームヘッド14に対する回動の規制に抗してリテーナ12が過度に回動された場合、ガイドピン22の突出部26がアームヘッド14に押し付けられて変形する。しかし、ガイドピン22の本体部25は、突出部26よりも剛性が高いので、突出部26が変形することで、ほとんど変形しない。したがって、リテーナ12を介してガイドピン22が過度に回動された場合でも、ガイドピン22の本体部25が変形することを抑制できるので、ガイドピン22からコイルばね27が外れることを抑制できる。
【0037】
(2)ワイパアーム11において、ガイドピン22は、板材によって形成され、突出部26は、板材の一部を曲げることによって形成されている。
この構成によれば、板材を所定の形状に切断した後、当該板材の一部を曲げて突出部26を形成するだけでガイドピン22を製造できる。したがって、ガイドピン22を容易に製造することができる。
【0038】
(3)ワイパアーム11において、突出部26は、本体部25の厚さ方向に突出している。
この構成によれば、突出部26と本体部25とが直角をなすため、突出部26をアームヘッド14に対して面接触させ易くすることができる。
【0039】
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0040】
・ガイドピン22において、突出部26は、必ずしも本体部25の厚さ方向となるY方向に突出させる必要はない。
・ガイドピン22は、必ずしも板材によって形成する必要はない。
【0041】
・突出部26は、必ずしもガイドピン22を形成する板材の一部を曲げることによって形成する必要はない。
・ガイドピン22を構成する本体部25と突出部26とは、別体であってもよい。
【0042】
・ガイドピン22は、突出部26の厚さを本体部25の厚さよりも薄くすることによって、突出部26の剛性を本体部25の剛性よりも低くするように構成してもよい。
・突出部26を本体部25よりも剛性の低い材料によって構成することによって、突出部26の剛性を本体部25の剛性よりも低くするように構成してもよい。このようにすれば、必ずしも突出部26の幅Bを本体部25の幅Aよりも狭くなるように設定する必要はない。すなわち、突出部26の幅Bを本体部25の幅Aと同じにしてもよいし、突出部26の幅Bを本体部25の幅Aよりも広くなるように設定してもよい。
【0043】
・ガイドピン22には、突出部26を複数設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
11…ワイパアーム
12…リテーナ
13…第1軸
14…アームヘッド
15…ワイパブレード
16…側板
17…底板
18…第1軸孔
19…スリット
20…延出部
20a…先端面
21…第2軸孔
22…ガイドピン
23…挿通孔
24…第2軸
25…本体部
26…突出部
27…コイルばね
28…支持部
29…支持板
30…支持ピン
31…切欠凹部
32…段差部
A,B…幅
F…払拭面