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特開2022-91392情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091392
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220614BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204207
(22)【出願日】2020-12-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】520486166
【氏名又は名称】株式会社モータルマインド
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】白石 知広
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC14
(57)【要約】
【課題】デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承可能な情報継承装置を提供する。
【解決手段】情報継承装置は、アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集部と、蓄積データ収集部によって収集された蓄積データに含まれる情報を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、継承条件が成立した場合に、継承情報選択部で継承情報として選択された情報を出力可能な情報出力部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集部と、
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報を出力可能な情報出力部と、を備える、
情報継承装置。
【請求項2】
前記蓄積データは複数の前記情報を含み、
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる前記情報ごとを表示することにより、オペレータに対して複数の前記情報のそれぞれを前記継承情報にするか否かの選択を要求するように構成された、
請求項1に記載の情報継承装置。
【請求項3】
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる1つ、又は複数の前記情報を前記アプリケーションが属するカテゴリごとに表示する、
請求項1又は2に記載の情報継承装置。
【請求項4】
前記カテゴリは、ソーシャルネットワークサービス、及び金融サービスのうち何れか1つを含む、
請求項3に記載の情報継承装置。
【請求項5】
前記情報は、前記アプリケーションの認証情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記認証情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、
請求項1から4の何れか一項に記載の情報継承装置。
【請求項6】
前記情報は、前記デジタル機器、又は、前記アプリケーションに対応するサーバに蓄積されている画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含むプライベート情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記プライベート情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項7】
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部を更に備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項8】
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
請求項7に記載の情報継承装置。
【請求項9】
前記継承条件が成立した場合、前記蓄積データに含まれる前記情報に基づいて、インターネットを介して公開するための公開用データを作成可能な公開用データ作成部を更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項10】
前記継承条件は、前記デジタル機器の所有者の死亡診断情報が取得された場合に成立する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項11】
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集するステップと、
収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報として選択するステップと、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報として選択された前記情報を出力するステップと、を備える、
情報継承方法。
【請求項12】
コンピュータを、
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集手段と、
前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択させる継承情報選択手段と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択手段によって前記継承情報として選択された前記情報を出力する情報出力手段として機能させる、
情報継承プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンやスマートフォンのようなデジタル機器を用いて、様々なサイト、Webショッピング、オンラインバンキングのようなアプリケーションを利用することが普及している。この種のアプリケーションは、不正利用を防止するためにIDやパスワードのような認証情報によってセキュリティが確保されている。このため、デジタル機器の所有者が何らかの理由で死亡した場合、たとえ相続人であっても、所有者の認証情報でアプリケーションを利用することが困難となる場合が多い。この場合、アプリケーションに関連した所有者の情報(例えば、画像、動画、金融資産など)の継承が困難になってしまう。
【0003】
アプリケーションに関連した所有者の情報の継承に関する技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、所有者のデジタル機器に含まれる画像や動画のようなデジタルコンテンツを、所有者が生前時に予めコンピュータサーバに保存しておき、所有者の死亡後にコンピュータサーバに保存されているデジタルコンテンツを相続人に提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3205001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的にデジタル機器で利用したアプリケーションは非常に多岐にわたり、所有者本人でも、そのすべてを把握しきれていない場合がある。例えば、複数の銀行のネットバンキングに金融資産が分散していたり、多数のオンラインショッピングサイトの各々にポイントが残っていたり、様々なSNSサイトに写真や文章を残していたりする。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、デジタル機器の所有者が生前に予め継承対象とする所有者の情報(デジタルコンテンツ)をコンピュータサーバに保存する必要があるため、所有者本人が生前に自ら認識している範囲の継承しか行うことができない。仮に所有者本人が把握していないものを含めて一括継承できたとしても、生前の所有者本人が継承を希望しない所有者の情報が含まれ、所有者本人の意思に反してしまう虞がある。
【0007】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承可能な情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本開示の少なくとも一実施形態に係る情報継承装置は、
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集部と、
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報を出力可能な情報出力部と、を備える。
【0009】
上記[1]に記載の構成によれば、デジタル機器からアプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集し、この情報を継承情報にするか否かを選択可能となっている。そして、継承条件が成立した場合に、継承情報として選択された情報を出力するようになっている。このため、継承条件の成立後には、アプリケーションを利用するために必要な情報を継承することができるようになる。よって、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承できる。
【0010】
[2]一実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記蓄積データは複数の前記情報を含み、
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる前記情報ごとを表示することにより、オペレータに対して複数の前記情報のそれぞれを前記継承情報にするか否かの選択を要求するように構成された。
【0011】
上記[2]に記載の構成によれば、複数の情報は、端末の画面上に情報ごとに表示される。そして、複数の情報のそれぞれを継承情報にするか否かの選択が要求されるので、オペレータは情報ごとに継承情報にするか否かを選択できる。
【0012】
[3]一実施形態では、上記[1]又は[2]に記載の構成において、
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる1つ、又は複数の前記情報を前記アプリケーションが属するカテゴリごとに表示する。
【0013】
上記[3]に記載の構成によれば、1つ又は複数の情報は画面上にアプリケーションが属するカテゴリごとに表示されるので、情報の視認性を向上させることができる。
【0014】
[4]一実施形態では、上記[3]に記載の構成において、
前記カテゴリは、ソーシャルネットワークサービス、及び金融サービスのうち何れか1つを含む。
【0015】
上記(4)に記載の構成によれば、蓄積データに含まれる情報のうちソーシャルネットワークサービスに対応するアプリケーションを利用するために必要な情報、及び金融サービスに対応するアプリケーションを利用するために必要な情報の視認性を向上させることができる。
【0016】
[5]一実施形態では、上記[1]から[4]の何れか1つに記載の構成において、
前記情報は、前記アプリケーションの認証情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記認証情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である。
【0017】
上記[5]に記載の構成によれば、アプリケーションの認証情報を継承情報にするか否かを選択できるので、所有者の意思に反することなく、アプリケーションの利用を適切に継承することができる。
【0018】
[6]一実施形態では、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成において、
前記情報は、前記デジタル機器、又は、前記アプリケーションに対応するサーバに蓄積されている画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含むプライベート情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記プライベート情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である。
【0019】
アプリケーションの利用によって生成された画像、動画、音声、及びテキストの一部は、所有者にとって継承が望まれない場合がある。上記(5)に記載の構成によれば、画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを継承情報にするか否かを選択できるようになっている。このため、所有者の意思に反することなく、画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを適切に継承することができる。
【0020】
[7]一実施形態では、上記[1]から[6]の何れか1つに記載の構成において、
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部を更に備える。
【0021】
上記[7]に記載の構成によれば、継承条件の成立前に記憶部にアクセスすることで、蓄積データの閲覧や更新をすることができる。
【0022】
[8]一実施形態では、上記[7]に記載の構成において、
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される。
【0023】
上記[8]に記載の構成によれば、継承条件の成立後における蓄積データへのアクセスが禁止されるので、継承条件の成立後における蓄積データの更新を防ぐ。このため、蓄積データの信頼性を高めることができる。
【0024】
[9]一実施形態では、上記[1]から[8]の何れか1つに記載の構成において、
前記継承条件が成立した場合、前記蓄積データに含まれる前記情報に基づいて、インターネットを介して公開するための公開用データを作成可能な公開用データ作成部を更に備える。
【0025】
蓄積データには、所有者にとって継承条件の成立後に一般公開されてもよい情報が含まれている場合がある。上記[9]に記載の構成によれば、公開用データを作成可能な公開用データ作成部を更に備えるので、所有者にとって継承条件の成立後に一般公開されてもよい情報を公開することができる。
【0026】
[10]一実施形態では、上記[1]から[9]の何れか1つに記載の構成において、
前記継承条件は、前記デジタル機器の所有者が死亡した際に入力される死亡診断情報が取得された場合に成立する。
【0027】
上記[10]に記載の構成によれば、デジタル機器の所有者の死亡後に、アプリケーションを利用するために必要な情報を継承する。よって、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、生前のデジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承(相続)できる。
【0028】
[11]本開示の少なくとも一実施形態に係る情報継承方法は、
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集するステップと、
収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報として選択するステップと、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報として選択された前記情報を出力するステップと、を備える。
【0029】
上記[11]に記載の方法によれば、デジタル機器からアプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集し、この情報を継承情報にするか否かを選択する。そして、継承条件が成立した場合に、継承情報として選択された情報を出力する。このため、継承条件の成立後には、アプリケーションを利用するために必要な情報を継承することができる。よって、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承できる。
【0030】
[12]本開示の少なくとも一実施形態に係る情報継承プログラムは、
コンピュータを、
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して、前記アプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集手段と、
前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択させる継承情報選択手段と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択手段によって前記継承情報として選択された前記情報を出力する情報出力手段として機能させる。
【0031】
上記[12]に記載の構成によれば、コンピュータは、デジタル機器からアプリケーションを利用するために必要な情報を含む蓄積データを収集し、この情報を継承情報にするか否かを選択させる。そして、コンピュータは、継承条件が成立した場合に、継承情報として選択された認証情報を出力する。このため、継承条件の成立後には、アプリケーションを利用するために必要な情報を継承することができる。よって、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承できる。
【発明の効果】
【0032】
本開示の情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラムによれば、デジタル機器で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の情報を、デジタル機器の所有者の意思に反することなく、適切に継承することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一実施形態に係る情報継承システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】第1実施形態に係る情報継承装置の概略的な機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る選択画面を示す図である。
図4】第1実施形態に係る選択画面を示す図である。
図5】第2実施形態に係る情報継承装置の概略的な機能ブロック図である。
図6】第3実施形態に係る情報継承装置の概略的な機能ブロック図である。
図7】一実施形態に係る情報継承方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本開示の実施の形態による情報継承装置、情報継承方法、及び情報継承プログラムについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0035】
<情報継承システム>
図1は、一実施形態に係る情報継承システム100の構成を概略的に示す概略構成図である。情報継承システム100は、パソコンやスマートフォンのようなデジタル機器102で利用した様々なアプリケーションに関するデジタル機器102の所有者の情報を、デジタル機器102の所有者の意思に反することなく、適切に継承するためのシステムである。
【0036】
アプリケーションは、デジタル機器102で利用可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、Facebook(登録商標)、インスタグラム(登録商標)、Twitter(登録商標)などのようなソーシャルネットワークサービスを提供するアプリケーションであってもよいし、ネットバンキングのような金融サービスを提供するアプリケーションであってもよい。
【0037】
図1に例示するように、一実施形態に係る情報継承システム100は、通信ネットワークの1つであるインターネット101に接続可能な情報継承装置1を含む。デジタル機器102の所有者は、インターネット101を介して、デジタル機器102を情報継承装置1に接続する。つまり、情報継承装置1とデジタル機器102とは、インターネット101を介して、互いに情報のやり取りが可能となっている。幾つかの実施形態では、情報継承装置1は、デジタル機器102の所有者自身の情報が登録(初期登録)されることで、後述する各機能部(蓄積データ収集部2、継承情報選択部4、情報出力部6)を実現できるように構成されている。尚、情報継承装置1とデジタル機器102とが互いに情報のやり取りが可能であるならば、通信ネットワークはインターネット101に限定されない。所有者自身の情報は、例えば、所有者の氏名、生年月日、メールアドレス、及び携帯番号などである。
【0038】
情報継承装置1は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。情報継承装置1は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、情報継承装置1が備える各機能部を実現する。図2を参照して、第1実施形態に係る情報継承装置1の各機能部について説明する。
【0039】
<情報継承装置>
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る情報継承装置1の概略的な機能ブロック図である。図2に示すように、情報継承装置1は、蓄積データ収集部2と、継承情報選択部4と、情報出力部6と、を備える。
【0040】
蓄積データ収集部2は、アプリケーションを利用可能なデジタル機器102から、インターネット101を介して、アプリケーションを利用するために必要な情報(以下、利用情報Xとする)を含む蓄積データDを収集する。利用情報Xは、例えば、デジタル機器102の認証情報(少なくともパスワード)及びアプリケーションの認証情報(ID及びパスワード)の両方を含む。幾つかの実施形態では、蓄積データ収集部2は、デジタル機器102から、インターネット101を介して、利用情報Xを含む蓄積データDを自動的に収集するように構成されている。幾つかの実施形態では、蓄積データ収集部2は、蓄積データDを手動で収集するように構成されている。この場合、例えば、蓄積データ収集部2は、任意の端末104に、蓄積データDを入力させるための入力画面(不図示)を表示する。
【0041】
継承情報選択部4は、蓄積データ収集部2によって収集された蓄積データDを受け取り、この蓄積データDに含まれる利用情報Xを継承情報にするか否かを選択可能に構成されている。本開示において、利用情報Xを継承情報にするということは、後述する継承条件が成立した場合に、予め情報継承装置1に登録しておいた継承者Aが利用情報Xを継承することを指す。一方で、利用情報Xを継承情報にしないということは、後述する継承条件が成立したとしても、利用情報Xは継承者Aに継承されないことを指す。尚、継承者Aの情報は、上述した初期登録時に情報継承装置1に登録されてもよいし、初期登録後に登録あるいは更新されてもよい。尚、予め情報継承装置1に登録しておく継承者Aの情報は、例えば、継承者の氏名、生年月日、所有者との関係(続柄)などである。
【0042】
第1実施形態では、継承情報選択部4は、インターネット101を介して、任意の端末104に、端末104のオペレータが利用情報Xを継承情報にするか否かを選択するための選択画面8を表示する。図3は、第1実施形態に係る選択画面8を示す図である。尚、端末104はデジタル機器102であってもよい。端末104のオペレータは、例えば、デジタル機器102の所有者である。
【0043】
図3に例示する形態では、選択画面8には、複数の第1タブ10が設けられている。1つの第1タブ10は、オペレータによって選択可能に構成される選択領域12と、1つのデジタル機器102の情報が表示される表示領域14と、を有する。第1タブ10の選択領域12がオペレータによって選択されることで、第1タブ10の表示領域14が表示される(選択領域12が非選択であるときには、表示領域14は表示されない)ようになっている。複数の第1タブ10の表示領域14のそれぞれには、互いに異なるデジタル機器102の情報が表示される。
【0044】
図3に例示する形態では、第1タブ10の選択領域12には、第1チェックボックス16が設けられている。第1チェックボックス16にチェックが付けられると、第1タブ10の表示領域14に表示されるデジタル機器102の情報を継承情報にすることができる。一方で、第1チェックボックス16にチェックが付けられていないときには、第1タブ10の表示領域14に表示されるデジタル機器102の情報を継承情報にすることができない。このような構成によれば、デジタル機器102ごとに継承情報の設定をすることができる。
【0045】
図3に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、デジタル機器102の名称、デジタル機器102の認証情報(パスワード)、及びデジタル機器102で利用したアプリケーションの認証情報(ID及びパスワード)が表示される。デジタル機器102の名称は、例えば、デジタル機器102の所有者の名前とデジタル機器102の製品名とを組み合わせたものである。尚、図3に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、デジタル機器102のパスワードを選択画面8に表示するか否かを切り換え可能な表示ボタン17が設けられている。
【0046】
図3に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、複数のカテゴリタブ18が設けられている。複数のカテゴリタブ18は、アプリケーションが属するカテゴリごとに設けられている。カテゴリは、例えば、「SNS」、「金融サービス」、及び「ECサイト」を含む。1つのカテゴリタブ18が選択されることで、1つのカテゴリに属する全ての利用情報Xが表示されるようになっている。このように第1実施形態では、カテゴリは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)及び金融サービスの両方を含む。幾つかの実施形態では、カテゴリは、ソーシャルネットワークサービスを含むが、金融サービスを含まない。幾つかの実施形態では、カテゴリは、ソーシャルネットワークサービスを含まないが、金融サービスを含む。
【0047】
図3に例示する形態では、「SNS」のカテゴリタブ18が選択され、第1アプリケーション(例えば、Facebook)の利用情報X1、第2アプリケーション(例えば、インスタグラム)の利用情報X2、及び第3アプリケーション(例えば、Twitter)の利用情報X3が表示されている。このように、継承情報選択部4は、端末104の画面上に、蓄積データDに含まれる複数の利用情報Xをアプリケーションが属するカテゴリごとに表示する。幾つかの形態では、継承情報選択部4は、端末104の画面上に、蓄積データDに含まれる1つの利用情報Xをアプリケーションが属するカテゴリごとに表示する。
【0048】
図3に例示する形態では、第1アプリケーションの利用情報X1、第2アプリケーションの利用情報X2、及び、第3アプリケーションの利用情報X3がリスト表示されている。そして、利用情報X(X1、X2、X3)ごとに第2チェックボックス20が設けられている。第2チェックボックス20にチェックが付けられると、この第2チェックボックス20に対応する利用情報Xが継承情報として選択される。第2チェックボックス20にチェックが付けられていないときには、この第2チェックボックス20に対応する利用情報Xが継承情報として選択されない。図3では、第1アプリケーションの利用情報X1及び第2アプリケーションの利用情報X2が継承情報として選択され、第3アプリケーションの利用情報X3が継承情報として選択されていない状態を示している。このように、継承情報選択部4は、オペレータの端末104の画面上に、利用情報Xごとを表示する。そして、継承情報選択部4は、オペレータに対して複数の利用情報Xのそれぞれを継承情報にするか否かの選択を要求する。
【0049】
尚、図3に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、利用情報Xのうち認証情報(ID及びパスワード)以外のその他情報を選択画面8に表示するか否かを切り換え可能な表示ボタン23が設けられている。その他情報は、例えば、アプリケーションの履歴情報などである。図3に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、アプリケーションのパスワードを選択画面8に表示するか否かを切り換え可能な表示ボタン24が設けられている。
【0050】
図3に例示する形態では、複数のカテゴリタブ18は、カテゴリが「データファイル」のカテゴリタブ18をさらに含んでいる。第1実施形態において、データファイルは、デジタル機器102に蓄積されているファイルを指す。
【0051】
ここで、図4を参照して、「データファイル」のカテゴリタブ18が選択されている場合について説明する。図4は、第1実施形態に係る選択画面8であって、「データファイル」のカテゴリタブ18が選択されている状態を示す。
【0052】
利用情報Xは、デジタル機器102に蓄積され、例えば、画像、動画、音声、やテキストの形式で保存されるプライベート情報X4をさらに含んでもよい。図4に例示する形態では、第1タブ10の表示領域14には、プライベート情報X4が、データファイルの種類ごとに表示されており、具体的には、画像、動画、及びテキストに分けて表示されている。データファイルの種類は、例えば、デジタル機器102に蓄積されているデータファイルの拡張子によって決定される。そして、データファイルの種類ごとに第3チェックボックス22が設けられている。第3チェックボックス22にチェックが付けられると、この第3チェックボックス22に対応するプライベート情報X4が継承情報として選択される。第3チェックボックス22にチェックが付けられていないときには、この第3チェックボックス22に対応するプライベート情報X4が継承情報として選択されない。図4では、デジタル機器102に蓄積されている画像と動画とが継承情報として選択され、デジタル機器に蓄積されているテキストは継承情報として選択されていない状態を示している。このように、継承情報選択部4は、プライベート情報X4を継承情報にするか否かを選択可能とする。尚、第1実施形態に係るプライベート情報は、画像、動画、及びテキストを含んでいたが、別の一実施形態に係るプライベート情報は、画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含む。
【0053】
ところで、「SNS」、「金融サービス」、及び「ECサイト」に属するアプリケーションは、デジタル機器102以外の装置(サーバ)にプライベート情報X4が蓄積されるように構成されている場合がある。幾つかの実施形態では、継承情報選択部4は、アプリケーションに対応するサーバに蓄積されている画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含むプライベート情報X4を継承情報にするか否かを選択可能に構成される。
【0054】
尚、第1実施形態では、図3及び図4に示すように、複数のカテゴリタブ18は、アプリケーションのカテゴリ及びデータファイルと区別される「その他」のカテゴリタブ18をさらに含んでいる。
【0055】
次に情報出力部6について説明する。情報出力部6は、継承条件が成立した場合に、継承情報選択部4で継承情報として選択された利用情報Xを継承者Aに出力する。第1実施形態において、継承条件は、デジタル機器102の所有者が死亡することであり、例えば、デジタル機器102の所有者の死亡診断情報が取得された場合に成立する。継承者Aは、例えば、情報出力部6によって利用情報Xが出力された書類を受け取ることで利用情報Xを継承(相続)する。尚、この場合、書類にはプライベート情報X4が出力されなくてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、継承条件は、デジタル機器102を用いて情報継承装置1に最後にアクセスした時から予め設定した期間(例えば、1か月)が経過し、且つ、継承者Aからデジタル機器102の所有者の死亡診断書が提出された場合に成立する。不図示であるが、幾つかの実施形態では、情報継承装置1は、継承条件が成立し、且つ、継承者Aが利用情報Xの継承を要求した場合に、デジタル機器102の所有者に対して所有者が死亡しているか否かを確認する死亡確認部をさらに備え、死亡確認部によって所有者の死亡が確認されると、情報出力部は継承者Aに利用情報Xを出力する。生存確認部は、例えば、メッセージを所有者に送信し、このメッセージに対する返信の有無によって所有者の生存を確認する。
【0057】
本開示の第1実施形態に係る情報継承装置1の作用・効果について説明する。第1実施形態によれば、情報継承装置1の蓄積データ収集部2がデジタル機器102から利用情報Xを含む蓄積データDを収集し、情報継承装置1の継承情報選択部4が利用情報Xを継承情報にするか否かを選択可能な選択画面8をオペレータの端末104に出力するようになっている。そして、デジタル機器102の所有者が死亡すると、継承情報として選択された利用情報Xを継承者Aに出力するようになっている。このため、デジタル機器102の所有者の死亡後には、継承者Aが利用情報Xを継承することができるようになる。よって、デジタル機器102で利用していた様々なアプリケーションに関する所有者の利用情報Xを、デジタル機器102の所有者の意思に反することなく、適切に継承者Aに継承できる。
【0058】
第1実施形態によれば、利用情報Xは、第1アプリケーションの利用情報X1、第2アプリケーションの利用情報X2、及び、第3アプリケーションの利用情報X3を含む。そして端末104の選択画面8には、利用情報X1~X3がリスト表示され、利用情報X(X1、X2、X3)ごとに継承情報にするか否かを切り換え可能な第2チェックボックス20が設けられている。このため、デジタル機器102の所有者(オペレータ)は利用情報X(X1、X2、X3)ごとに継承情報にするか否かを選択できる。
【0059】
第1実施形態によれば、利用情報Xは、アプリケーションが属するカテゴリごとに表示されるので、利用情報Xの視認性を向上させることができる。
【0060】
第1実施形態によれば、カテゴリは、例えば、「SNS」及び「金融サービス」を含んでいるので、SNSに対応するアプリケーションを利用するための利用情報X、金融サービスに対応するアプリケーションを利用するための利用情報Xの視認性を向上させることができる。
【0061】
第1実施形態によれば、利用情報Xは、アプリケーションの認証情報を含んでいるので、所有者の意思に反することなく、アプリケーションの利用を適切に継承者Aに継承することができる。
【0062】
デジタル機器102に蓄積されているプライベート情報の一部は、所有者にとって継承者Aへの継承が望まれない場合がある。第1実施形態によれば、プライベート情報のうち画像、動画、及びテキストのそれぞれを継承情報にするか否かを選択できるようになっている。このため、所有者の意思に反することなく、画像、動画、及びテキストを適切に継承者Aに継承することができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る情報継承装置1について説明する。第2実施形態に係る情報継承装置1は、第1実施形態に対して、記憶部30をさらに付加したものである。尚、第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
図5は、第2実施形態に係る情報継承装置1の概略的な機能ブロック図である。図5に例示するように、情報継承装置1は、記憶部30をさらに備える。
【0065】
記憶部30は、蓄積データ収集部2によって収集された蓄積データDを記憶する。また、この記憶部30は、継承条件が成立する前に、デジタル機器102からアクセス可能に構成されている。また、この記憶部30は、継承条件が成立した場合、デジタル機器102からのアクセスが禁止されるように構成されている。図5に例示する形態では、継承情報選択部4は、記憶部30によって記憶された蓄積データDを受け取るように構成されている。
【0066】
第2実施形態によれば、継承条件の成立前にデジタル機器102から記憶部30にアクセスすることで、蓄積データDの閲覧や更新をすることができる。つまり、デジタル機器102の所有者は、生存中に、情報継承装置1の記憶部30に記憶されている蓄積データDを覚書として利用することができる。
【0067】
第2実施形態によれば、継承条件の成立後における蓄積データDへのアクセスが禁止されるので、継承条件の成立後における蓄積データDの更新を防ぐ。つまり、デジタル機器102の所有者の死亡後に、利用情報Xが改ざんされることを防ぐ。このため、蓄積データDの信頼性を高めることができる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る情報継承装置1について説明する。第3実施形態に係る情報継承装置1は、第2実施形態に対して、公開用データ作成部40をさらに付加したものである。尚、第3実施形態において、第2実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0069】
図6は、第3実施形態に係る情報継承装置1の概略的な機能ブロック図である。図6に例示するように、情報継承装置1は、公開用データ作成部40をさらに備える。
【0070】
公開用データ作成部40は、継承条件が成立した場合、蓄積データDに含まれる情報に基づいて、インターネット101を介して公開するための公開用データを作成可能となっている。例えば、公開用データ作成部40は、任意の端末104に、蓄積データDのうち公開用データを選択させるための画面を表示する。一実施形態では、初期登録時に所有者によって公開用データを選択させるようになっている。公開用データは、所有者によって一般公開してもよいと選択された情報である。また、公開用データは、継承条件の成立から一般公開するまでの期間を設定できるようになっている。例えば、公開用データは、所有者の死亡から30年が経過すると一般公開されるようになっている。
【0071】
蓄積データDには、所有者にとって継承条件の成立後に一般公開されてもよい情報が含まれている場合がある。第3実施形態によれば、情報継承装置1は、公開用データを作成可能な公開用データ作成部40を更に備えるので、所有者にとって継承条件の成立後に一般公開されてもよい情報を公開することができる。
【0072】
不図示であるが、幾つかの実施形態では、情報継承装置1は、公開用データの一般公開を停止可能な停止部をさらに備える。一般公開された公開用データには、継承者Aにとって不利な情報が含まれている場合がある。このような構成によれば、継承者Aにとって不利な情報の公開を抑制することができる。
【0073】
尚、第3実施形態は、第2実施形態に対して、公開用データ作成部40をさらに付加したものであったが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、第1実施形態に対して、公開用データ作成部40をさらに付加したものであってもよい。
【0074】
<情報継承方法>
図7は、一実施形態に係る情報継承方法のフローチャートである。図7に例示するように、情報継承方法は、収集ステップ50と、選択ステップ52と、出力ステップ54と、を備える。
【0075】
収集ステップ50は、アプリケーションを利用可能なデジタル機器102から、通信ネットワークを介して、アプリケーションを利用するために必要な利用情報Xを含む蓄積データDを収集する。選択ステップ52は、例えば選択画面8を介して、収集ステップ50で収集された蓄積データDに含まれる利用情報Xを継承情報として選択する。出力ステップ54は、継承条件が成立した場合に、選択ステップ52で継承情報として選択された利用情報Xを出力する。
【0076】
このような方法によれば、継承条件の成立後には、利用情報Xを継承することができる。よって、デジタル機器102で利用していた様々なアプリケーションに関する利用情報Xを、デジタル機器102の所有者の意思に反することなく、適切に継承できる。
【0077】
<情報継承プログラム>
本開示の一実施形態に係る情報継承プログラムは、コンピュータを、蓄積データ収集手段、継承情報選択手段、及び情報出力手段として機能させる。
【0078】
蓄積データ収集手段は、アプリケーションを利用可能なデジタル機器102から、通信ネットワークを介して、アプリケーションを利用するために必要な利用情報Xを含む蓄積データDを収集する。継承情報選択手段は、例えば端末104の画面に選択画面8を表示することで、蓄積データ収集手段によって収集された蓄積データDに含まれる利用情報Xを継承情報にするか否かを選択させる。情報出力手段は、継承条件が成立した場合に、継承情報選択手段によって継承情報として選択された利用情報Xを出力する。
【符号の説明】
【0079】
1 情報継承装置
2 蓄積データ収集部
4 継承情報選択部
6 情報出力部
30 記憶部
40 公開用データ作成部
50 収集ステップ
52 選択ステップ
54 出力ステップ
101 インターネット
102 デジタル機器
104 端末

A 継承者
D 蓄積データ
X 利用情報(アプリケーションを利用するために必要な情報)
X4 プライベート情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、前記デジタル機器又はアプリケーションに対応するサーバから取得される前記サーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集部と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報を出力可能な情報出力部と、
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部と、を備え
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承装置。
【請求項2】
前記蓄積データは複数の前記情報を含み、
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる前記情報ごとを表示することにより、オペレータに対して複数の前記情報のそれぞれを前記継承情報にするか否かの選択を要求するように構成された、
請求項1に記載の情報継承装置。
【請求項3】
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる1つ、又は複数の前記情報を前記アプリケーションが属するカテゴリごとに表示する、
請求項1又は2に記載の情報継承装置。
【請求項4】
前記カテゴリは、ソーシャルネットワークサービス、及び金融サービスのうち何れか1つを含む、
請求項3に記載の情報継承装置。
【請求項5】
前記情報は、前記アプリケーションの認証情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記認証情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、
請求項1から4の何れか一項に記載の情報継承装置。
【請求項6】
前記プライベート情報は、画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含むプライベート情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記プライベート情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項7】
前記蓄積データから選択された情報を含む公開用データを作成するための公開用データ作成部を更に備え、
前記継承条件が成立した場合、前記蓄積データに含まれる前記情報に基づいて、インターネットを介して前記公開用データを公開するための公開用データを作成可能な公開用データ作成部を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項8】
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、前記デジタル機器又はアプリケーションに対応するサーバから取得される前記サーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集部と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報を出力可能な情報出力部と、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部と、を備え、
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承装置を用いた情報継承方法であって、
前記デジタル機器から前記蓄積データを収集するステップと、
収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報として選択するステップと、
前記継承条件が成立した場合に、前記継承情報として選択された前記情報を出力するステップと、を備える、
情報継承方法。
【請求項9】
コンピュータを、
アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、前記デジタル機器又はアプリケーションに対応するサーバから取得される前記サーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を含む蓄積データを収集する蓄積データ収集手段と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報にするか否かを選択させる継承情報選択手段と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択手段によって前記継承情報として選択された前記情報を出力する情報出力手段と
前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶手段として機能させ
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、(ii)前記デジタル機器又は前記アプリケーションに対応するサーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を蓄積データとして収集する蓄積データ収集部と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を出力可能な情報出力部と、
前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部と、を備え、
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承装置。
【請求項2】
前記蓄積データは複数の前記情報を含み、
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる前記情報ごとを表示することにより、オペレータに対して複数の前記情報のそれぞれを前記継承情報にするか否かの選択を要求するように構成された、
請求項1に記載の情報継承装置。
【請求項3】
前記継承情報選択部は、端末の画面上に、前記蓄積データに含まれる1つ、又は複数の前記情報を前記アプリケーションが属するカテゴリごとに表示する、
請求項1又は2に記載の情報継承装置。
【請求項4】
前記カテゴリは、ソーシャルネットワークサービス、及び金融サービスのうち何れか1つを含む、
請求項3に記載の情報継承装置。
【請求項5】
前記情報は、前記アプリケーションの認証情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記認証情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、
請求項1から4の何れか一項に記載の情報継承装置。
【請求項6】
前記プライベート情報は、画像、動画、音声、及びテキストのうち少なくとも1つを含むプライベート情報を含み、
前記継承情報選択部は、前記プライベート情報を前記継承情報にするか否かを選択可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項7】
前記蓄積データから選択された情報を含む公開用データを作成するための公開用データ作成部を更に備え、
前記継承条件が成立した場合、前記蓄積データに含まれる前記情報に基づいて、インターネットを介して前記公開用データを公開するための公開用データを作成可能な公開用データ作成部を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報継承装置。
【請求項8】
(i)アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、(ii)前記デジタル機器又は前記アプリケーションに対応するサーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を蓄積データとして収集する蓄積データ収集部と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を継承情報にするか否かを選択可能な継承情報選択部と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択部で前記継承情報として選択された前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を出力可能な情報出力部と、前記蓄積データ収集部によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶部と、を備え、
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承装置を用いた情報継承方法であって、
前記デジタル機器から前記蓄積データを収集するステップと、
収集された前記蓄積データに含まれる前記情報を継承情報として選択するステップと、
前記継承条件が成立した場合に、前記継承情報として選択された前記情報を出力するステップと、を備える、
情報継承方法。
【請求項9】
コンピュータを、
(i)アプリケーションを利用可能なデジタル機器から、通信ネットワークを介して取得される、前記アプリケーションを利用するために必要な情報、及び、(ii)前記デジタル機器又は前記アプリケーションに対応するサーバに蓄積されたプライベート情報の少なくとも一方を蓄積データとして収集する蓄積データ収集手段と、
前記デジタル機器の所有者が操作可能な端末によって、前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データに含まれる前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を継承情報にするか否かを選択させる継承情報選択手段と、
継承条件が成立した場合に、前記継承情報選択手段によって前記継承情報として選択された前記情報又は前記プライベート情報の少なくとも一方を出力する情報出力手段と、
前記蓄積データ収集手段によって収集された前記蓄積データを記憶し、前記継承条件が成立する前に、前記デジタル機器からアクセス可能な記憶手段として機能させ、
前記継承条件が成立した場合、前記デジタル機器から前記記憶部へのアクセスが禁止されるように構成される、
情報継承プログラム。