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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091401
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20220614BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220614BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220614BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220614BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20220614BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20220614BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/39
A61K8/37
A61K8/9789
A61K8/63
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204221
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】近松 歩美
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC352
4C083AC421
4C083AD022
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD221
4C083AD222
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD491
4C083AD492
4C083BB12
4C083BB13
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD33
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を総量12~20重量%配合する組成物において(A)炭素数が16以上の直鎖飽和脂肪酸から構成されるショ糖脂肪酸エステル、(B)デオブロマグランジフロルム種子脂、(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートを含有することで、塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料を提供することが可能となる。
【選択図】なし


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を総量12~20重量%配合する組成物であり、次の成分(A)~(D)
(A)炭素数が16以上の直鎖飽和脂肪酸から構成されるショ糖脂肪酸エステル
(B)デオブロマグランジフロルム種子脂
(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)
(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート
を含有し、防腐剤を含まないことを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【請求項2】
また、本発明は、(B)~(D)を含む25℃でペースト状の油と25℃で液状の油との重量比(液状油/ペースト油)が1.5~3.5である水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、敏感肌であると自覚する消費者が増加している。敏感肌とは刺激に対する応答としてかゆみや痛み、チクチク感など通常は引き起こされない不快な感覚が発生する肌であるとされ、敏感肌の特徴としては主にバリア機能の低下や刺激閾値の低下、潜在的な炎症性病態が挙げられている。日本人女性における敏感肌意識調査の結果、自身の肌が敏感肌であると意識する消費者は調査対象者の約77%であると報告されている(非特許文献1)。
【0003】
敏感肌においては一般的な化粧品原料についても刺激の原因となることがあるため、敏感肌の消費者からは極力不要な成分を配合しない製品が求められている。特に防腐剤は皮膚の一時的なかゆみやヒリヒリ感といった感覚刺激を引き起こしたり、皮膚の炎症や接触アレルギーの主な原因のひとつとなる場合があるともいわれているため、敏感肌の消費者などからは防腐剤を含まない化粧料が求められている。
しかし化粧料の製造段階及び消費者による使用段階における微生物汚染は、腐敗、変敗などを引き起こし、その結果変臭や変色といった品質劣化を生じさせるのみならず、人体に健康被害をもたらす危険性もある。そのため、化粧料に防腐効果をもたせることは必要不可欠であった。そこで、一般的に防腐剤を含まない化粧料には防腐剤と同等の防腐効果のある多価アルコール、アルコールなどが用いられているが、多価アルコールは塗布後にずるつきやべたつきを感じることがあり、敏感肌の消費者にとってアルコールは刺激や乾燥の原因となる場合がある。
【0004】
また、敏感肌の肌質としては乾燥肌が多く、肌の乾燥を伴った敏感肌には保湿が必要不可欠であると考えられる。さらに一般の消費者にとっても肌にうるおいを付与し、様々な刺激から肌を守り、バリア機能を維持する効果が求められている。こうした効果をもつ皮膚外用剤として乳液、クリーム、美容液、パック等の基礎化粧料が挙げられる。
【0005】
それら基礎化粧料においては従来、塗布後の肌のしっとり感を向上させる目的でもエモリエント剤や多価アルコールなどが用いられてきたが、これらを多量に配合すると、ずるつきやべたつきを感じるようになり、満足する使用感が得られないという問題点がある。
【0006】
さらに、水中油型乳化化粧料においては、肌に塗布したのち、顔面に塗布した化粧料の水性成分が徐々に蒸発してしまうことは避けられない。また、就寝中の物理的摩擦などにより顔面に塗布した化粧料が容易に除去されてしまう。こうした現象により、塗布後の肌のしっとり感を翌朝まで持続させることは困難である。
【0007】
これまでに、ペースト状油分を多く含み、保湿感に優れる化粧料を提供した例としては、25℃で固体又はペースト状の植物性油脂、炭素数8~22の脂肪酸と、炭素数2~22の一価アルコールとのエステルであって、該エステルを構成する脂肪酸又は一価アルコールの少なくとも一方が分岐又は二重結合を有している25℃で液状のモノエステル、ソルビタン、グリセリン、ジグリセリンから選ばれる一種と、炭素数12~18の脂肪酸とのモノエステル又はジエステル及び多価アルコールを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料(特許文献1)が知られているが、保湿感を翌朝まで持続するには至っていない。また、塗布後にべたつかずに保湿感の持続性に優れる化粧料を提供した例としては、ニコチン酸アミド1~10重量%、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール0.1~5重量%、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤、液状油、IOBが2.2~3.4の多価アルコールを含有することを特徴とする化粧料(特許文献2)が知られているが、塗布後のずるつきを改善するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献1】香粧品科学研究開発専門誌 フレグランスジャーナル(2019-5) P.42-46
【特許文献1】特開2016-166187号公報
【特許文献2】特開2019-131492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
パラベン等の防腐剤を配合せず、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を配合することで、十分な防腐効果を得られる水中油型乳化化粧料を提供することが可能であるがこれらを多量に配合すると、ずるつきやべたつきを感じてしまうという課題がある。
【0010】
したがって本発明は塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち、本発明は、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を総量12~20重量%配合する組成物において、次の成分(A)~(D)
(A)炭素数が16以上の直鎖飽和脂肪酸から構成されるショ糖脂肪酸エステル
(B)デオブロマグランジフロルム種子脂
(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)
(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート
を含有し、防腐剤を含まないことを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、(B)~(D)を含む25℃でペースト状の油と25℃で液状の油との重量比(液状油/ペースト油)が1.5~3.5である水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に用いられる成分(A)炭素数が16以上の直鎖飽和脂肪酸から構成されるショ糖脂肪酸エステルは、本発明の水中油型乳化化粧料において、乳化剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられるものであれば何れのものも用いることができる。ショ糖脂肪酸エステルは市販品を用いることが可能であり、市販されている三菱ケミカルフーズ社製のサーフホープ SE COSME C-1816又はサーフホープ SE COSME C-1616を用いることができる。
【0015】
(A)炭素数が16以上の直鎖飽和脂肪酸から構成されるショ糖脂肪酸エステルの含有量は特に限定されないが、水中油型乳化化粧料に対して1.0~5.0重量%が好ましく、2.5~3.5重量%がより好ましい。1.0重量%を下回ると経時安定性が不良になる場合がある。一方、5.0重量%を超えると水中油型乳化化粧料が固くなり、のびが重くなる場合がある。
【0016】
本発明に用いられる成分(B)デオブロマグランジフロルム種子脂は植物由来のエステルであり、抱水性が高く、保湿性に優れたものである。市販のものとしては、例えばクローダ ジャパン社製のクロピュア クパス-SO-(JP)を用いることができる。
【0017】
(B)デオブロマグランジフロルム種子脂の含有量は特に限定されないが、水中油型乳化化粧料に対して4.0~7.0重量%が好ましく、5.0~6.0重量%がより好ましい。これらの範囲において、塗布後にずるつきを感じることなく、しっとり感を翌朝まで持続させる効果が十分に得られる。
【0018】
本発明に用いられる成分(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)は、植物由来のエステルであり、抱水性が高く、保湿性に優れたものである。市販のものとしては、例えば日本精化社製のPlandool-Hを用いることができる。
【0019】
(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)の含有量は特に限定されないが、水中油型乳化化粧料に対して1.0~5.0重量%が好ましく、2.0~4.0重量%がより好ましい。これらの範囲において、塗布後にべたつきを感じることなく、しっとり感を翌朝まで持続させる効果が十分に得られる。
【0020】
本発明に用いられる成分(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートは、ポリグリセリン脂肪酸エステルの一種であり、保湿性に優れたものである。市販のものとしては例えば、阪本薬品工業社製のS-フェイスVL-211を用いることができる。
【0021】
(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートの含有量は特に限定されないが、水中油型乳化化粧料に対して0.1~1.0重量%が好ましく、0.3~0.7重量%がより好ましい。これらの範囲において、塗布後にべたつきを感じることなく、しっとり感を翌朝まで持続させる効果が十分に得られる。
【0022】
本発明の25℃でペースト状の油性成分は、特に限定されないが、例えば炭化水素、植物油、鉱物油、高級脂肪酸エステル、架橋型シリコーン油等が使用できる。具体例としては、ワセリン、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等が挙げられる。これらの25℃でペースト状の油性成分は、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用することもできる。尚、本発明における25℃でペースト状の油性成分とは、25℃より高い温度に融点を有し、25℃では完全に固化しない半固体状態の油性成分であり、液状及び固形の油性成分とは区別される。
【0023】
本発明の25℃で液状の油性成分は、特に限定されないが、例えば炭化水素、植物油、エステル油、シリコーン油等が使用できる。具体例としては、ミネラルオイル、スクワラン、水添ポリイソブテン、オレフィンオリゴマー、ホホバ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、シア油、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン等が挙げられる。これらの25℃で液状の油性成分は、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用することもできる。
【0024】
(B)~(D)を含む25℃でペースト状の油と25℃で液状の油との重量比(液状油/ペースト油)は、1.5~3.5であることが好ましい。この範囲であれば塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、しっとり感を翌朝まで持続させる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記必須成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分として、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粉体、香料、キレート剤、着色剤、美容成分等を、本発明の効果を損なわない範囲にて含有することができる。また、本発明における水中油型乳化化粧料はクリームや乳液などの剤型にて提供することができる。
【実施例0026】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。尚、含有量については特記しない限りすべて重量%を表す。
【0027】
下記の表1、2に挙げた組成を有する水中油型乳化化粧料を以下に示す製造方法により調製し、20名の女性専門パネルにより、各化粧料の使用性(塗布直後のしっとり感、塗布後のずるつき、塗布後のべたつき、塗布8時間後のしっとり感)の評価を行った。
【0028】
(製造方法)
(A)ショ糖脂肪酸エステル、グリセリンを均一混合させた中に、均一加熱混合させた(B)デオブロマグランジフロルム種子脂、(C)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)及び(D)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートを含む油相を混合し、80℃に加熱した。一方、1,3-ブチレングリコール及びペンチレングリコールを含む水相を80℃に加熱したのちに油相に添加して乳化した後、冷却して水中油型乳化化粧料を得た。尚、調製後の試料の1%水溶液のpHが7.0~7.5になるように調製した。
【0029】
(評価方法)
使用性(塗布直後のしっとり感)
20名の女性専門パネルにより塗布直後のしっとり感について、「ある」「ない」の2段階で判定を行い、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上がしっとり感があると評価した。
○:14~17名がしっとり感があると評価した。
△:9~13名がしっとり感があると評価した。
×:しっとり感があると評価した人が8名以下。
【0030】
使用性(ずるつき)
20名の女性専門パネルにより塗布後のずるつきについて、「ずるつく」「ずるつかない」の2段階で判定を行い、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上がずるつかないと評価した。
○:14~17名がずるつかないと評価した。
△:9~13名がずるつかないと評価した。
×:ずるつかないと評価した人が8名以下。
【0031】
使用性(べたつき)
20名の女性専門パネルにより塗布後のべたつきについて、「ある」「ない」の2段階で判定を行い、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上がべたつきがないと評価した。
○:14~17名がべたつきがないと評価した。
△:9~13名がべたつきがないと評価した。
×:べたつきがないと評価した人が8名以下。
【0032】
使用性(しっとり感の持続)
20名の女性専門パネルにより塗布8時間後のしっとり感について、「ある」「ない」の2段階で判定を行い、下記の基準に従って評価した。
◎:18名以上がしっとり感があると評価した。
○:14~17名がしっとり感があると評価した。
△:9~13名がしっとり感があると評価した。
×:しっとり感があると評価した人が8名以下。
【0033】
表1の実施例1~7に示したように、ステアリン酸スクロース又はパルミチン酸スクロースを含有した場合、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。一方、比較例1、2に示したように、ステアリン酸スクロース又はパルミチン酸スクロースを含有しない場合、塗布後のべたつきにおいて満足する結果が得られなかった。
【0034】
【表1】

※1 サーフホープ SE COSME C-1816(三菱ケミカルフーズ社製)
※2 サーフホープ SE COSME C-1616(三菱ケミカルフーズ社製)
※3 サーフホープ SE COSME C-1216(三菱ケミカルフーズ社製)
※4 NIKKOL Decaglyn 1-SV(日光ケミカルズ社製)
※5 ODM(高級アルコール工業社製)
※6 クロピュア クパス-SO-(JP)(クローダ ジャパン社製)
※7 Plandool-H(日本精化社製)
※8 S-フェイス VL-211(阪本薬品社製)
※9 ベヘニルアルコール(高級アルコール工業社製)
【0035】
表2の実施例8~18に示したように、デオブロマグランジフロルム種子脂、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)及びマカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートを含有した場合、評価した全ての項目において満足する結果が得られた。一方、比較例3~5に示したように、デオブロマグランジフロルム種子脂、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)及びマカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネートを全て含有しない場合、ずるつき、べたつき、塗布8時間後のしっとり感において満足する結果が得られなかった。
【0036】
【表2】

※10 CROLATUM V(クローダ ジャパン社製)
※11 シアバターRF(高級アルコール工業社製)
【0037】
次に、本発明のその他の実施例を示す。いずれにおいても塗布直後のしっとり感、塗布後のずるつき、べたつき、塗布8時間後のしっとり感において優れていた。
【0038】
(実施例19:クリーム1)
(成分) (重量%)
(1)ステアリン酸スクロース※1 3.0
(2)グリセリン 6.0
(3)流動パラフィン 10.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル※12 10.0
(5)メドウフォーム油※13 2.0
(6)デオブロマグランジフロルム種子脂※6 5.0
(7)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)※7 2.0
(8)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート※8 0.3
(9)水添ナタネ油アルコール※14 1.0
(10)精製水 残 余
(11)カルボマー 0.28
(12)1,3-ブチレングリコール 10.0
(13)ペンチレングリコール 2.0
(14)中和剤 適 量
※12 KAK 139(高級アルコール工業社製)
※13 クロピュア メドフォーム-LQ-(JP)(クローダ ジャパン社製)
※14 アルコール NO.20B(高級アルコール工業社製)
【0039】
(製造方法)
成分(1)(2)を均一混合し、あらかじめ80℃にて均一混合しておいた(3)~(9)を添加し、80℃に加熱した。一方で均一混合後80℃に加熱した(10)~(14)を(1)~(9)にゆっくりと添加し乳化した。その後35℃まで冷却し、目的のクリーム1を得た。
【0040】
(実施例20:クリーム2)
(成分) (重量%)
(1)ステアリン酸スクロース※1 2.5
(2)グリセリン 7.0
(3)スクワラン 5.0
(4)ホホバ種子油 10.0
(5)水添ポリイソブテン 5.0
(6)デオブロマグランジフロルム種子脂※6 6.0
(7)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)※7 3.5
(8)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート※8 0.2
(9)ベヘニルアルコール※9 0.5
(10)水添ナタネ油アルコール※14 0.5
(11)精製水 残 余
(12)カルボマー 0.2
(13)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))
クロスポリマー 0.2
(14)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
(15)1,3-ブチレングリコール 10.0
(16)ペンチレングリコール 2.0
(17)中和剤 適 量
【0041】
(製造方法)
成分(1)(2)を均一混合し、あらかじめ80℃にて均一混合しておいた(3)~(10)を添加し、80℃に加熱した。一方で均一混合後80℃に加熱した(11)~(17)を(1)~(10)にゆっくりと添加し乳化した。その後35℃まで冷却し、目的のクリーム2を得た。
【0042】
(実施例21:乳液1)
(成分) (重量%)
(1)パルミチン酸スクロース※2 2.0
(2)グリセリン 7.0
(3)スクワラン 5.0
(4)水添ポリイソブテン 6.0
(5)デオブロマグランジフロルム種子脂※6 5.0
(6)ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)※7 1.0
(7)マカデミアナッツ油ポリグリセリル-6エステルズベヘネート※8 0.2
(8)ベヘニルアルコール※9 0.1
(9)精製水 残 余
(10)カルボマー 0.15
(11)キサンタンガム 0.02
(12)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
(13)1,3-ブチレングリコール 10.0
(14)ペンチレングリコール 2.0
(15)中和剤 適 量
【0043】
(製造方法)
成分(1)(2)を均一混合し、あらかじめ80℃にて均一混合しておいた(3)~(8)を添加し、80℃に加熱した。一方で均一混合後80℃に加熱した(9)~(15)を(1)~(8)にゆっくりと添加し乳化した。その後35℃まで冷却し、目的の乳液1を得た。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、塗布後にずるつきやべたつきを感じることなく、翌朝までしっとり感を持続させることができる、防腐剤を含まない水中油型乳化化粧料を提供することができる。