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  • 特開-歪みゲージの取付構造、及びロボット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091410
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】歪みゲージの取付構造、及びロボット
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/16 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
G01B7/16 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204233
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】河村 友裕
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA25
2F063BA22
2F063CA29
2F063DA02
2F063DD02
2F063EC01
2F063EC04
2F063EC15
2F063EC20
2F063EC24
2F063EC30
(57)【要約】
【課題】耐久性を向上させることができ、且つより多くの構成に適用可能な歪みゲージの取付構造を提供する。
【解決手段】被測定部分(91)に歪みゲージ(10)を取り付ける構造であって、歪みゲージは、膜状の下地部材(11)と、下地部材に設けられた抵抗(20)と、下地部材に設けられて抵抗に接続された第1配線(30)と、下地部材に設けられて第1配線に接続された端子(40)と、端子に接続された第2配線(50)と、を備え、下地部材のうち抵抗が設けられた第1部分(P1)は、被測定部分に接着され、下地部材のうち端子が設けられた第2部分(P2)は、他の部材(90)に接着されていない。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定部分に歪みゲージを取り付ける構造であって、
前記歪みゲージは、膜状又は板状の下地部材と、前記下地部材に設けられた抵抗と、前記下地部材に設けられて前記抵抗に接続された第1配線と、前記下地部材に設けられて前記第1配線に接続された端子と、前記端子に接続された第2配線と、を備え、
前記下地部材のうち前記抵抗が設けられた第1部分は、前記被測定部分に接着され、
前記下地部材のうち前記端子が設けられた第2部分は、他の部材に接着されていない、歪みゲージの取付構造。
【請求項2】
所定方向へ向かって、前記抵抗から前記第1配線が延び、前記第1配線から前記端子が延びており、
前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記端子の長さよりも長い、請求項1に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項3】
前記所定方向において、前記抵抗の長さは、前記端子の長さよりも長く、
前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記抵抗の長さよりも長い、請求項2に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項4】
前記被測定部分を構成する被測定部材は、前記被測定部分から前記第2部分に対向する位置まで延びており、
前記第2部分と前記被測定部材とが当接している、請求項1~3のいずれか1項に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項5】
前記被測定部分を構成する被測定部材と、前記第2部分との間には、所定空間が形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項6】
前記端子は、前記下地部材において前記被測定部分に対向する側の面に設けられている、請求項5に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項7】
前記端子と前記第2配線とは、半田により接続されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の歪みゲージの取付構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の歪みゲージの取付構造を備えるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定部分に歪みゲージを取り付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の歪みゲージの取付構造において、円環状のダイヤフラムと、ダイヤフラムの外周縁に一体形成された円環状のボスとの相互に連続する端面を同一平面上に位置する平坦面部分とし、歪みゲージの抵抗線をダイヤフラム側の平坦面部分に貼り付け、抵抗線をリード線に接続するための端子をボス側の平坦面部分に貼り付けたものがある(特許文献1参照)。特許文献1では、折れ曲がった表面部分に歪みゲージを貼り付ける場合とは異なり、平坦面部分に歪みゲージを確実に貼り付けることができるので、剥離などによる信頼性の低下を回避でき、また端子が弾性変形のないボス側の平坦面部分に貼り付けられているので、この部分が繰り返し弾性変形に晒されて断線してしまうこともないとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-69402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の歪みゲージの取付構造は、被測定部分(ダイヤフラム)と弾性変形のない部分(ボス)とが隣接し、且つそれらが平坦である構成にしか適用することができず、適用可能な構成が限定される。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、耐久性を向上させることができ、且つより多くの構成に適用可能な歪みゲージの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
被測定部分に歪みゲージを取り付ける構造であって、
前記歪みゲージは、膜状又は板状の下地部材と、前記下地部材に設けられた抵抗と、前記下地部材に設けられて前記抵抗に接続された第1配線と、前記下地部材に設けられて前記第1配線に接続された端子と、前記端子に接続された第2配線と、を備え、
前記下地部材のうち前記抵抗が設けられた第1部分は、前記被測定部分に接着され、
前記下地部材のうち前記端子が設けられた第2部分は、他の部材に接着されていない。
【0007】
上記構成によれば、前記歪みゲージは、下地部材と、前記下地部材に設けられた抵抗と、前記下地部材に設けられて前記抵抗に接続された第1配線と、前記下地部材に設けられて前記第1配線に接続された端子と、前記端子に接続された第2配線と、を備えている。前記下地部材のうち前記抵抗が設けられた第1部分は、前記被測定部分に接着されている。このため、被測定部分の歪みに応じて、第1部分に設けられた抵抗を変形させることができる。そして、端子に接続された第2配線を介して抵抗の抵抗値を測定することにより、抵抗の抵抗値の変化に基づいて被測定部分の歪みを測定することができる。また、歪みゲージの各構成部分を1つの下地部材にまとめることができ、歪みゲージの取り扱いが容易となる。
【0008】
一方、前記下地部材のうち前記端子が設けられた第2部分は、他の部材に接着されていない。このため、被測定部分に歪みが生じたとしても、第2部分に設けられた端子が歪むことを抑制することができる。したがって、端子に応力が繰り返し作用することを抑制することができ、端子と第2配線との接続部が損傷することを抑制することができる。さらに、被測定部分に隣接する部分に第2部分を接着する必要がないため、被測定部分に隣接する部分の構成をより自由に設定することができる。したがって、耐久性を向上させることができ、且つより多くの構成に適用可能な歪みゲージの取付構造を提供することができる。
【0009】
第2の手段では、所定方向へ向かって、前記抵抗から前記第1配線が延び、前記第1配線から前記端子が延びており、前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記端子の長さよりも長い。
【0010】
上記構成によれば、所定方向へ向かって、前記抵抗から前記第1配線が延び、前記第1配線から前記端子が延びている。このため、抵抗から所定方向へ第1配線及び端子を引き出すことができる。そして、前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記端子の長さよりも長い。したがって、被測定部分に発生した歪みが下地部材を介して第2部分に伝わることを、下地部材のうち第1配線が設けられた部分(以下、「第3部分」という)により抑制することができる。
【0011】
第3の手段では、前記所定方向において、前記抵抗の長さは、前記端子の長さよりも長く、前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記抵抗の長さよりも長い。
【0012】
上記構成によれば、前記所定方向において、前記第1配線の長さは、前記抵抗の長さ(>端子の長さ)よりも長い。したがって、被測定部分に発生した歪みが下地部材を介して第2部分に伝わることを、上記第3部分により効果的に抑制することができる。さらに、第1部分を被測定部分に接着剤により接着する場合に、接着剤が第1部分よりも外側にはみ出したとしても、接着剤が第2部分まで到達すること、ひいては第2部分が他の部材に接着されることを、第3部分により抑制することができる。
【0013】
第4の手段では、前記被測定部分を構成する被測定部材は、前記被測定部分から前記第2部分に対向する位置まで延びており、前記第2部分と前記被測定部材とが当接している。こうした構成であっても、第2部分と被測定部材(他の部材)とが接着されていないため、第1の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0014】
また、第5の手段では、前記被測定部分を構成する被測定部材と、前記第2部分との間には、所定空間が形成されている。こうした構成によれば、所定空間を有効に活用することができる。
【0015】
下地部材において被測定部分に対向する側の面に端子が設けられている場合、端子に第2配線を接続する際に被測定部材が支障になるおそれがある。
【0016】
この点、第5の手段を前提として、第6の手段では、前記端子は、前記下地部材において前記被測定部分に対向する側の面に設けられている。こうした構成によれば、被測定部材と、端子が設けられた第2部分との間に上記所定空間が形成されているため、端子に第2配線を接続する際に被測定部材が支障になることを抑制することができる。
【0017】
具体的には、第1~第6のいずれか1つの手段を前提として、第7の手段のように、前記端子と前記第2配線とは、半田により接続されている、といった構成を採用することができる。こうした構成によれば、端子に応力が繰り返し作用することを抑制することができる構成を前提としているため、半田にひびが入ったり、端子と半田との境界で割れたりすることを抑制することができる。
【0018】
具体的には、第8の手段のように、第1~第7のいずれか1つの手段に記載の歪みゲージの取付構造を備えるロボット、といった構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】歪みゲージの取付構造の平面図。
図2】歪みゲージの取付構造の側面図。
図3】歪みゲージの取付構造の比較例の平面図。
図4】歪みゲージの取付構造の比較例の側面図。
図5】歪みゲージの取付構造の変更例の側面図。
図6】歪みゲージの取付構造の他の変更例の側面図。
図7】歪みゲージの取付構造の他の変更例の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、ロボットの関節に設けられた歪みゲージの取付構造に具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ロボットのコントローラ(制御部)は、歪みゲージの抵抗の抵抗値を測定し、抵抗値の変化に基づいて被測定部分の歪みを測定する。コントローラは測定した歪みに基づいて、関節に作用するトルクを算出する。すなわち、歪みゲージはトルクを検出するトルクセンサとして用いられる。なお、このようにトルクを算出する方法は周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0021】
図1,2に示すように、歪みゲージ10は、被測定部材90の被測定部分91の歪みを測定する。歪みゲージ10は、フィルム11、抵抗20、プリント配線30、プリント端子40、ワイヤ50、半田55等を備えている。なお、図2では、抵抗20、プリント配線30、及びプリント端子40の図示を省略している。
【0022】
フィルム11(下地部材)は、例えばポリイミド(絶縁性樹脂)により、矩形膜状に形成されている。
【0023】
抵抗20は、フィルム11の上面(一方の面)に、抵抗材料により所定のパターン(形状)に形成され(設けられ)ている。抵抗20は、フィルム11の長手方向の一端に形成されている。
【0024】
プリント配線30(第1配線)は、フィルム11の上面に、抵抗材料又は導電材料により直線状に形成され(設けられ)ている。プリント配線30は、抵抗20に接続されており、フィルム11の長手方向の一方から他方(所定方向)へ向かって抵抗20から延びている。
【0025】
プリント端子40(端子)は、フィルム11の上面に、抵抗材料又は導電材料により矩形状に形成され(設けられ)ている。プリント端子40は、プリント配線30に接続されており、フィルム11の長手方向の一方から他方(所定方向)へ向かってプリント配線30から延びている。
【0026】
フィルム11の長手方向において、抵抗20の長さL1は、プリント端子40の長さL2よりも長い。フィルム11の長手方向において、プリント配線30の長さL3は、プリント端子40の長さL2及び抵抗20の長さL1よりも長い。
【0027】
ワイヤ50(第2配線)は、導電材料により線状に形成されている。ワイヤ50は、半田55によりプリント端子40に接続されている。
【0028】
フィルム11のうち抵抗20が形成された第1部分P1は、例えば熱硬化性樹脂13(接着剤)により被測定部分91に接着され(貼り付けられ)ている。被測定部分91を構成する被測定部材90は、被測定部分91から第2部分P2に対向する位置まで延びている。すなわち、被測定部材90の第1部分P1、第3部分P3、及び第2部分P2に対向する面は、同一平面上に位置する平面になっている。しかし、フィルム11のうちプリント端子40が形成された第2部分P2は、被測定部材90(他の部材)に接着されていない。熱硬化性樹脂13は、第1部分P1と、フィルム11のうちプリント配線30が形成された第3部分P3の一部とを、被測定部材90に接着しており、第2部分P2を被測定部材90に接着していない。
【0029】
熱硬化性樹脂13は、第1部分P1のみを被測定部材90に接着すればよいが、第1部分P1よりも外側まではみ出すことがある。その場合に、熱硬化性樹脂13は、第3部分P3までは被測定部材90に接着してもよい。フィルム11は、可撓性を有しており、第2部分P2と被測定部材90とは、実際には当接している。なお、第2部分P2と被測定部材90とは、当接していなくてもよい。
【0030】
上記構成の歪みゲージ10の取付構造において、ロボットが動作すると、被測定部材90には、例えば矢印A1で示すように歪みが生じる。これに伴って、矢印A2で示すように、フィルム11のうち熱硬化性樹脂13により被測定部材90に接着された部分にも歪みが生じる。このため、第1部分P1に形成された抵抗20が変形し、抵抗20の抵抗値が変化する。そして、ロボットのコントローラは、抵抗20の抵抗値を測定し、抵抗値の変化に基づいて被測定部分91の歪みを測定する。コントローラは測定した歪みに基づいて、関節に作用するトルクを算出する。
【0031】
ここで、第2部分P2は、被測定部材90に接着されていない。このため、被測定部材90に矢印A1で示すように歪みが生じたとしても、この歪みは第2部分P2まで伝わらない。さらに、第1部分P1と第2部分P2との間に第3部分P3があるため、歪みが第2部分P2まで伝わることが効果的に抑制される。したがって、第2部分P2に応力が繰り返し作用することが抑制される。
【0032】
図3は歪みゲージの取付構造の比較例の平面図であり、図4は歪みゲージの取付構造の比較例の側面図である。なお、図1,2と同一の部分については、同一の符号を付している。
【0033】
歪みゲージ910のフィルム911は、上記第3部分P3を備えていない。歪みゲージ910は、上記プリント配線30を備えていない。そして、抵抗20とプリント端子40とが接続されている。
【0034】
第1部分P1及び第2部分P2は、熱硬化性樹脂13により被測定部材90に接着されている。すなわち、フィルム911の全体が、熱硬化性樹脂13により被測定部材90に接着されている。
【0035】
ロボットが動作すると、被測定部材90には、矢印A1で示すように歪みが生じる。これに伴って、矢印A2で示すように、フィルム911の全体にも歪みが生じる。このため、第2部分P2に応力が繰り返し作用し、半田55にひびが入ったり、プリント端子40と半田55との境界で割れたりし易くなる。
【0036】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0037】
・フィルム11のうち抵抗20が設けられた第1部分P1は、被測定部分91に接着されている。このため、被測定部分91の歪みに応じて、第1部分P1に設けられた抵抗20を変形させることができる。そして、プリント端子40に接続されたワイヤ50を介して抵抗20の抵抗値を測定することにより、抵抗20の抵抗値の変化に基づいて被測定部分91の歪みを測定することができる。また、歪みゲージの各構成部分を1つのフィルム11にまとめることができ、歪みゲージ10の取り扱いが容易となる。
【0038】
・フィルム11のうちプリント端子40が設けられた第2部分P2は、他の部材(被測定部材90)に接着されていない。このため、被測定部分91に歪みが生じたとしても、第2部分P2に設けられたプリント端子40が歪むことを抑制することができる。したがって、プリント端子40に応力が繰り返し作用することを抑制することができ、プリント端子40とワイヤ50との接続部が損傷することを抑制することができる。さらに、被測定部分91に隣接する部分に第2部分P2を接着する必要がないため、被測定部分91に隣接する部分の構成をより自由に設定することができる。したがって、耐久性を向上させることができ、且つより多くの構成に適用可能な歪みゲージ10の取付構造を提供することができる。
【0039】
・所定方向へ向かって、抵抗20からプリント配線30が延び、プリント配線30からプリント端子40が延びている。このため、抵抗20から所定方向へプリント配線30及びプリント端子40を引き出すことができる。そして、所定方向において、プリント配線30の長さL3は、プリント端子40の長さL2よりも長い。したがって、被測定部分91に発生した歪みがフィルム11を介して第2部分P2に伝わることを、フィルム11のうちプリント配線30が設けられた第3部分P3により抑制することができる。
【0040】
・所定方向において、プリント配線30の長さL3は、抵抗20の長さL1(>プリント端子40の長さL2)よりも長い。したがって、被測定部分91に発生した歪みがフィルム11を介して第2部分P2に伝わることを、上記第3部分P3により効果的に抑制することができる。さらに、第1部分P1を被測定部分91に熱硬化性樹脂13により接着する場合に、熱硬化性樹脂13が第1部分P1よりも外側にはみ出したとしても、熱硬化性樹脂13が第2部分P2まで到達すること、ひいては第2部分P2が被測定部材90に接着されることを、第3部分P3により抑制することができる。
【0041】
・被測定部分91を構成する被測定部材90は、被測定部分91から第2部分P2に対向する位置まで延びており、第2部分P2と被測定部材90とが当接している。こうした構成であっても、第2部分P2と被測定部材90とが接着されていないため、上記作用効果を奏することができる。
【0042】
・プリント端子40とワイヤ50とは、半田55により接続されている。上記のように、プリント端子40に応力が繰り返し作用することを抑制することができるため、半田55にひびが入ったり、プリント端子40と半田55との境界で割れたりすることを抑制することができる。
【0043】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0044】
図5に示すように、フレキシブルプリント回路基板15(プリント回路基板)に形成されたプリント端子(図示略)と、上記プリント端子40とを半田55等により接続することもできる。
【0045】
図6に示すように、被測定部分91を構成する被測定部材190と、第2部分P2との間には、所定空間Sが形成されていてもよい。こうした構成によれば、所定空間Sを有効に活用することができる。歪みゲージ110において、抵抗20、プリント配線30、及びプリント端子40は、フィルム111において被測定部分91に対向する側の面111bと反対側の面111aに設けられている。一方、プリント端子140は、フィルム111において被測定部分91に対向する側の面111bに設けられている。そして、プリント端子40とプリント端子140とが、フィルム111を貫通する導電部材70により接続されている。
【0046】
上記構成によれば、被測定部材190と、プリント端子140が設けられた第2部分P2との間に上記所定空間Sが形成されているため、プリント端子140にワイヤ50を接続する際に被測定部材190が支障になることを抑制することができる。
【0047】
図7に示すように、被測定部分91を構成する被測定部材190と、第2部分P2との間には、所定空間Sが形成されている。抵抗20、プリント配線30、及びプリント端子40は、フィルム211において被測定部分91に対向する側の面211bに設けられている。そして、フィルム211の面211bが、熱硬化性樹脂13により被測定部材190に接着されている。
【0048】
上記構成によれば、被測定部材190と、プリント端子40が設けられた第2部分P2との間に上記所定空間Sが形成されているため、プリント端子40にワイヤ50を接続する際に被測定部材190が支障になることを抑制することができる。なお、歪みゲージ210において、ポリイミド等により形成されたカバー層により、抵抗20(第1部分P1)及びプリント配線30(第3部分P3)が覆われていてもよい。また、上記実施形態においても同様に、ポリイミド等により形成されたカバー層により、抵抗20(第1部分P1)及びプリント配線30(第3部分P3)が覆われていてもよい。
【0049】
・第1部分P1を粘着テープ等により被測定部分91に接着する(貼り付ける)こともできる。
【0050】
・フィルム11,111,211に代えて、板状の基板により下地部材を構成することもできる。
【0051】
・プリント配線30は、直線状の形状に限らず、屈曲状の形状であってもよい。この場合も、フィルム11,111,211のうちプリント端子40,140が設けられた第2部分P2が、他の部材に接着されていなければよい。
【0052】
・歪みゲージ10,110,210の取付構造は、ロボットに限らず、その他の産業機械や、一般機械に適用することもできる。また、歪みゲージ10,110,210の取付構造は、減速機やモータに適用することができる。また、歪みゲージ10,110,210は、トルクセンサに限らず、力センサとして用いることもできる。
【符号の説明】
【0053】
10…歪みゲージ、11…フィルム(下地部材)、13…熱硬化性樹脂(接着剤)、20…抵抗、30…プリント配線(第1配線)、40…プリント端子(端子)、50…ワイヤ(第2配線)、55…半田、90…被測定部材、91…被測定部分、110…歪みゲージ、111…フィルム(下地部材)、140…プリント端子(端子)、190…被測定部材、210…歪みゲージ、211…フィルム(下地部材)、910…歪みゲージ、911…フィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7