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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091429
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20220614BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F25D29/00 B
F25D23/02 304C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204261
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】阪上 亮輔
【テーマコード(参考)】
3L045
3L102
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045NA15
3L045PA04
3L102JA01
3L102KE02
3L102KE15
(57)【要約】
【課題】マグネットを収容するマグネット収容部をマグネット検知部側に向かって指向させるように設けながらも、そのマグネット収容部を目立ちにくくすることができるようにした冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室の開口部の周囲に設けられるマグネット検知部と、前記貯蔵室の開口部を開閉する貯蔵室扉と、前記貯蔵室扉に設けられ、前記マグネット検知部によって検知されるマグネットを収容するマグネット収容部と、を備え、前記マグネット収容部は、前記マグネット検知部側に向かって指向しているともに、その指向方向に交差する方向に延出する延出部を備えている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、
前記貯蔵室の開口部の周囲に設けられるマグネット検知部と、
前記貯蔵室の開口部を開閉する貯蔵室扉と、
前記貯蔵室扉に設けられ、前記マグネット検知部によって検知されるマグネットを収容するマグネット収容部と、
を備え、
前記マグネット収容部は、前記マグネット検知部側に向かって指向しているともに、その指向方向に交差する方向に延出する延出部を備えている冷蔵庫。
【請求項2】
前記貯蔵室扉とは異なる他の貯蔵室扉を支持する支持部をさらに備え、
前記延出部は、前記支持部に対向しない非対向部に設けられている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
複数の前記マグネット収容部を備えている請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記延出部は、複数の前記マグネット収容部の間に設けられている請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記マグネット収容部は、当該マグネット収容部の内外を連通する連通部を備えている請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、冷蔵庫においては、貯蔵室の開口部を開閉する貯蔵室扉について、その開閉状態を判定可能に構成されたものが考えられている。この種の冷蔵庫は、マグネットを検知するセンサを貯蔵室の開口部の周囲に備え、一方、貯蔵室扉の手掛け部にマグネットを備えている。そして、貯蔵室扉の開閉に伴い接近あるいは離間するマグネットをセンサにより検知し、その検知結果に基づき、貯蔵室扉の開閉状態を判定する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-53606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように構成される冷蔵庫においては、貯蔵室扉が貯蔵室の開口部を閉塞した閉塞状態において、マグネットがセンサに極力近い位置に存在するように構成することにより、センサによるマグネットの検知精度を高めることができ、ひいては、貯蔵室扉の開閉状態の検知精度を高めることができる。そのため、マグネットを収容するマグネット収容部は、センサ側に向かって指向させて突出させるように設けることが好ましい。しかしながら、マグネット収容部をセンサ側に突出させるように設けると、そのマグネット収容部が目立ちやすくなり、外観を損ねてしまうという課題が生じる。
【0005】
そこで、本実施形態は、マグネットを収容するマグネット収容部をマグネット検知部側に向かって指向させるように設けながらも、そのマグネット収容部を目立ちにくくすることができるようにした冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室の開口部の周囲に設けられるマグネット検知部と、前記貯蔵室の開口部を開閉する貯蔵室扉と、前記貯蔵室扉に設けられ、前記マグネット検知部によって検知されるマグネットを収容するマグネット収容部と、を備え、前記マグネット収容部は、前記マグネット検知部側に向かって指向しているともに、その指向方向に交差する方向に延出する延出部を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す正面図
図2】本実施形態に係る冷蔵室扉が「左開き式」である場合における要部の構成例を概略的に示す斜視図
図3】本実施形態に係る冷蔵室扉が「右開き式」である場合における要部の構成例を概略的に示す斜視図
図4】本実施形態に係る冷蔵室扉が「左開き式」である場合における要部の構成例を概略的に示す正面図
図5】本実施形態に係る冷蔵室扉が「右開き式」である場合における要部の構成例を概略的に示す正面図
図6】本実施形態に係る野菜室扉の構成例を裏面側から概略的に示す斜視図
図7】本実施形態に係る冷蔵室扉が「左開き式」である場合における手掛け部の構成例を底面側から概略的に示す斜視図
図8】本実施形態に係る冷蔵室扉が「右開き式」である場合における手掛け部の構成例を底面側から概略的に示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する矩形箱状の断熱箱体11の内部に、食品類が貯蔵される複数の貯蔵室を備えている。断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体部を構成する冷蔵庫本体の一例であり、内箱と外箱との間に真空断熱パネルや発泡ウレタンなどの断熱材を備えた構成である。
【0009】
断熱箱体11には、例えば食品類などの貯蔵物を収容するための各種の貯蔵室として、冷蔵温度帯に維持される冷蔵室12および野菜室13が設けられている。また、断熱箱体11には、冷凍温度帯に維持される冷凍室14、小冷凍室15、製氷室16が設けられている。この場合、野菜室13は、冷蔵室12の下部に設けられている。また、小冷凍室15および製氷室16は、野菜室13の下部において左右方向に並んで配置されている。また、冷凍室14は、小冷凍室15および製氷室16の下部に設けられている。
【0010】
冷蔵室12は、その前面に開口部12aを有している。冷蔵室12の開口部12aは、この場合、冷蔵庫10の横方向に沿って回動する1つの回動式の冷蔵室扉12Dによって開閉されるようになっている。
【0011】
野菜室13は、その前面に開口部13aを有している。野菜室13の開口部13aは、この場合、冷蔵庫10の前後方向に沿ってスライドする1つの引き出し式の野菜室扉13Dによって開閉されるようになっている。
【0012】
冷凍室14は、その前面に開口部14aを有している。冷凍室14の開口部14aは、この場合、冷蔵庫10の前後方向に沿ってスライドする1つの引き出し式の冷凍室扉14Dによって開閉されるようになっている。
【0013】
小冷凍室15は、その前面に開口部15aを有している。小冷凍室15の開口部15aは、この場合、冷蔵庫10の前後方向に沿ってスライドする1つの引き出し式の小冷凍室扉15Dによって開閉されるようになっている。
【0014】
製氷室16は、その前面に開口部16aを有している。製氷室16の開口部16aは、この場合、冷蔵庫10の前後方向に沿ってスライドする1つの引き出し式の小冷凍室扉16Dによって開閉されるようになっている。
【0015】
図2および図3に例示するように、冷蔵室扉12Dは、いわゆる「左開き式」または「右開き式」の何れかの回動方式となるように構成されている。
【0016】
即ち、図2には、冷蔵室扉12Dの回動方式を「左開き式」とした場合の構成例を示している。この場合、冷蔵室扉12Dは、冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態において冷蔵庫10の正面から見て左側の端部が回動支持部12Sによって回動可能に支持されている。よって、冷蔵室扉12Dは、冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態における左辺側が回動基端側となり、右辺側が回動自由端側となる。
【0017】
一方、図3には、冷蔵室扉12Dの回動方式を「右開き式」とした場合の構成例を示している。この場合、冷蔵室扉12Dは、冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態において冷蔵庫10の正面から見て右側の端部が回動支持部12Sによって回動可能に支持されている。よって、冷蔵室扉12Dは、冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態における右辺側が回動基端側となり、左辺側が回動自由端側となる。
【0018】
また、冷蔵庫10は、マグネット検知部20を備えている。マグネット検知部20は、例えば、マグネットが発生する磁力を検知可能な周知のホールICセンサなどを備えている。マグネット検知部20は、貯蔵室の開口部の周囲に設けられるものであり、この場合、冷蔵室12と野菜室13との間を仕切る仕切り壁21の前端部に設けられている。
【0019】
なお、図2に例示するように、冷蔵室扉12Dの回動方式が「左開き式」である場合には、マグネット検知部20は、仕切り壁21の前端部のうち左右方向の中央部よりも左側つまり回動支持部12S側に設けられる。また、図3に例示するように、冷蔵室扉12Dの回動方式が「右開き式」である場合には、マグネット検知部20は、仕切り壁21の前端部のうち左右方向の中央部よりも右側つまり回動支持部12S側に設けられる。
【0020】
また、図4および図5に例示するように、冷蔵庫10は、冷蔵室扉12Dの回動方式が「左開き式」である場合であっても「右開き式」である場合であっても、マグネット検知部20と回動支持部12Sの回動軸12Rとの間の距離Lが同じ長さとなるように構成される。なお、冷蔵庫10は、冷蔵室扉12Dの回動方式が「左開き式」である場合と「右開き式」である場合とで、マグネット検知部20と回動支持部12Sの回動軸12Rとの間の距離Lを異ならせる構成としてもよい。
【0021】
また、図2から図5に例示するように、野菜室扉13Dの上端部には、手掛け部30が設けられている。手掛け部30は、野菜室扉13Dを開閉する際に使用者の手指が掛けられる構成要素であり、この場合、野菜室扉13Dの上端部の全体を覆うように設けられている。
【0022】
そして、図6にも例示するように、この手掛け部30の後部には、複数、この場合、2つのマグネット収容部31が設けられている。これら2つのマグネット収容部31のうち一方は手掛け部30の左右方向の中央部よりも左側に設けられており、他方は手掛け部30の左右方向の中央部よりも右側に設けられている。また、これら2つのマグネット収容部31は、何れも、仕切り壁21側つまりマグネット検知部20側に向かって指向するほぼ矩形状の収容部として形成されている。
【0023】
そして、これらマグネット収容部31の側方には延出部32が設けられている。延出部32は、マグネット収容部31のの指向方向に交差する方向、この場合、冷蔵庫10の左右方向に沿って延出している。また、延出部32の後端面つまりマグネット検知部20側の面は、マグネット収容部31の後端面つまりマグネット検知部20側の面と面一となっている。
【0024】
本実施形態では、延出部32として、中間延出部32Aおよび外側延出部32Bが設けられている。中間延出部32Aは、2つのマグネット収容部31の間に設けられている。また、中間延出部32Aは、2つのマグネット収容部31の間を繋ぐようにして設けられている。一方、外側延出部32Bは、2つのマグネット収容部31の外側つまり中間延出部32Aとは反対側にそれぞれ設けられている。外側延出部32Bは、野菜室扉13Dが野菜室13の開口部13aを閉塞した閉塞状態において回動支持部12Sに対向しない非対向部に設けられている。
【0025】
また、手掛け部30の後部側において外側延出部32Bよりも外側には、それぞれ前側に窪む段部33が形成されている。この段部33内には、野菜室扉13Dが野菜室13の開口部13aを閉塞した閉塞状態において回動支持部12Sが収容される。
【0026】
また、手掛け部30の後部側においては、マグネット収容部31の後端面および延出部32の後端面からなる連続した面一な平坦面が形成されている。なお、延出部32の後端面は、マグネット収容部31の後端面と完全に面一となっていることが好ましいが、マグネット収容部31の後端面よりも若干量、例えば、数mm程度前側あるいは後側にずれていてもよい。
【0027】
また、図6に例示するように、マグネット収容部31の後端面には、スリット34が設けられている。スリット34は、連通部の一例であり、マグネット収容部31の後端面を貫通して当該マグネット収容部31の内部と外部とを連通している。この場合、スリット34は、マグネット収容部31の後端面の左右方向における中央部において上下方向に延びるように形成されている。また、スリット34は、マグネット収容部31の後端面の下端部から上方に向かって延びるように形成されている。また、スリット34は、下端部から上端部に向かうほど細くなる先細り状のスリットとなっている。
【0028】
図7および図8に例示するように、マグネット収容部31内にはマグネット40が収容される。マグネット40は、この場合、矩形状に形成されている。また、マグネット収容部31内の前部には、当該マグネット収容部31内に収容されたマグネット40の前端部に係止する係止リブ41が設けられている。本実施形態では、1つのマグネット収容部31に対し複数、この場合、2つの係止リブ41が設けられている。
【0029】
図7には、冷蔵室扉12Dの回動方式を「左開き式」とした場合の手掛け部30の構成例を示している。この場合、マグネット40は、冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内に収容されている。冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内に収容されたマグネット40は、スリット34を介して外部から視認可能となっている。
【0030】
一方、冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内には、マグネット40は収容されていない。この場合、冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内には壁部42が設けられている。これにより、冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内にマグネット40が収容されてしまうことが壁部42によって阻止されるようになっている。
【0031】
また、図8には、冷蔵室扉12Dの回動方式を「右開き式」とした場合の手掛け部30の構成例を示している。この場合、マグネット40は、冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内に収容されている。冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内に収容されたマグネット40は、スリット34を介して外部から視認可能となっている。
【0032】
一方、冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内には、マグネット40は収容されていない。この場合、冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内には壁部42が設けられている。これにより、冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内にマグネット40が収容されてしまうことが壁部42によって阻止されるようになっている。
【0033】
なお、図4および図5に例示するように、冷蔵庫10は、冷蔵室扉12Dの下端部にも、図示しないマグネットが収容されたマグネット収容部12Dmを備えている。マグネット収容部12Dmは、冷蔵室扉12Dの回動方式が「左開き式」および「右開き式」の何れの回動方式である場合においても、当該冷蔵室扉12Dが冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態においてマグネット検知部20に対向する位置に設けられている。即ち、マグネット検知部20は、野菜室扉13Dが備えるマグネット40を検知するためのセンサを備えているとともに、冷蔵室扉12Dが備える図示しないマグネットを検知するためのセンサを備えた構成となっている。
【0034】
また、マグネット収容部12Dmは、冷蔵室扉12Dが冷蔵室12の開口部12aを閉塞した閉塞状態において、野菜室扉13Dのマグネット40を収容したマグネット収容部31の直上を避けた位置に設けられている。より具体的には、冷蔵室扉12Dの回動方式が「左開き式」である場合、冷蔵室扉12Dのマグネット収容部12Dmは、野菜室扉13Dのマグネット40を収容したマグネット収容部31よりも右側となる位置に設けられている。一方、冷蔵室扉12Dの回動方式が「右開き式」である場合、冷蔵室扉12Dのマグネット収容部12Dmは、野菜室扉13Dのマグネット40を収容したマグネット収容部31よりも左側となる位置に設けられている。
【0035】
以上に例示した本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、マグネット収容部31は、マグネット検知部20側に向かって指向しているともに、その指向方向に交差する方向に延出する延出部32を備えている。この構成によれば、マグネット40を収容するマグネット収容部31をマグネット検知部20側に向かって指向させるように設けながらも、そのマグネット収容部31を延出部32によって目立ちにくくすることができる。
【0036】
よって、野菜室扉13Dが野菜室13の開口部13aを閉塞した閉塞状態において、マグネット40を特に前後方向においてマグネット検知部20側に極力近い位置に存在させることができ、従って、マグネット検知部20によるマグネット40の検知精度の向上、ひいては、野菜室扉13Dの開閉状態の検知精度の向上を図ることができる。また、このようにマグネット40の検知精度の向上を図るべくマグネット収容部31をマグネット検知部20側に指向させたとしても、そのマグネット収容部31を延出部32によって目立ちにくくすることができ、外観が損なわれてしまうことを回避することができる。
【0037】
また、冷蔵庫10によれば、マグネット収容部31の後端面は、延出部32の後端面と面一となるように構成されている。この構成によれば、マグネット検知部20側に指向するマグネット収容部31を延出部32に埋もれさせるようにして一層目立ちにくくすることができる。
【0038】
また、冷蔵庫10によれば、延出部32は、回動支持部12Sに対向しない非対向部に設けられている。この構成によれば、野菜室扉13Dが野菜室13の開口部13aを閉塞した閉塞状態において、延出部32が回動支持部12Sに干渉してしまうことを回避することができる。よって、野菜室扉13Dによる野菜室13の開口部13aの閉塞を良好に行うことができる。
【0039】
また、冷蔵庫10によれば、複数、この場合、2つのマグネット収容部31を備えている。そして、一方のマグネット収容部31は、冷蔵庫10の正面側から見て左右方向の中央部よりも左側に設けられており、他方のマグネット収容部31は、冷蔵庫10の正面側から見て左右方向の中央部よりも右側に設けられている。
【0040】
この構成によれば、冷蔵室扉12Dの回動方式を「左開き式」とした場合つまりマグネット検知部20が仕切り壁21の前端部のうち左右方向の中央部よりも左側に設けられる場合には、冷蔵庫10の正面側から見て左側のマグネット収容部31内にマグネット40を収容することにより、そのマグネット40をマグネット検知部20によって良好に検知することができる。
【0041】
また、冷蔵室扉12Dの回動方式を「右開き式」とした場合つまりマグネット検知部20が仕切り壁21の前端部のうち左右方向の中央部よりも右側に設けられる場合には、冷蔵庫10の正面側から見て右側のマグネット収容部31内にマグネット40を収容することにより、そのマグネット40をマグネット検知部20によって良好に検知することができる。
【0042】
このように、本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、冷蔵室扉12Dの回動方式を「左開き式」とした場合および「右開き式」とした場合の何れの場合においても、マグネット検知部20によってマグネット40を良好に検知できる構成、換言すれば、野菜室扉13Dの開閉状態を良好に検知できる構成を実現することができる。
【0043】
また、冷蔵庫10によれば、冷蔵室扉12Dを「左開き式」とするか「右開き式」とするかに応じて、2つのマグネット収容部31のうち何れか一方にマグネット40を収容することにより、2つのマグネット収容部31の双方にマグネット40を収容する構成に比べマグネット40の使用個数を削減することができ、部品コストの抑制を図ることができる。
【0044】
また、冷蔵庫10によれば、延出部32は、複数、この場合、2つのマグネット収容部31の間に設けられている。この構成によれば、2つのマグネット収容部31の間が延出部32によって埋められたような構成を実現することができ、マグネット検知部20側に指向するマグネット収容部31を目立ちにくくすることができる。
【0045】
さらに、冷蔵庫10によれば、2つのマグネット収容部31の外側にも延出部32が設けられている。この構成によれば、手掛け部30の後部側において左右方向に延びる延出部32の途中部分にマグネット収容部31が埋もれたような構成を実現することができ、マグネット検知部20側に指向するマグネット収容部31を一層目立ちにくくすることができる。
【0046】
また、冷蔵庫10によれば、マグネット収容部31は、当該マグネット収容部31の内外を連通するスリット34を備えている。この構成によれば、マグネット収容部31内にマグネット40が収容されているか否かを、スリット34を通して外部から容易に確認することができる。また、スリット34は、マグネット収容部31の後端面に設けられている。この構成によれば、冷蔵庫10の正面側からスリット34を視認し難くすることができ、外観が損なわれてしまうことを回避することができる。
【0047】
また、野菜室扉13Dに設けられている2つのマグネット収容部31のうち何れのマグネット収容部31内にマグネット40が収容されているかに基づき、その野菜室扉13Dが、冷蔵室扉12Dが「左開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dであるのか、あるいは、冷蔵室扉12Dが「右開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dであるのか、を容易に確認することができる。
【0048】
特に、本実施形態では、冷蔵室扉12Dが「左開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dおよび冷蔵室扉12Dが「右開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dは、何れも、正面側から見た外観が同じ構成となっている。そのため、冷蔵室扉12Dが「左開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dと冷蔵室扉12Dが「右開き式」である場合に対応する野菜室扉13Dとの識別を、野菜室扉13Dに設けられている2つのマグネット収容部31のうち何れのマグネット収容部31内にマグネット40が収容されているかに基づき行えるようにすることで、冷蔵室扉12Dの回動方式に適合しない野菜室扉13Dが誤って組み付けられてしまうことを回避しやすくすることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、冷蔵室扉12Dが「左開き式」である場合および冷蔵室扉12Dが「右開き式」である場合の何れの場合であっても、手掛け部30を成型するための金型としては共通の金型を用いることができる。なお、本実施形態においては、冷蔵室扉12Dが「左開き式」である場合と冷蔵室扉12Dが「右開き式」である場合とで、壁部42が形成される部分が左右逆となる。そのため、壁部42を形成するための金型部品については、左右の配置位置を適宜変更する必要がある。
【0050】
また、本実施形態によれば、マグネット収容部31は、延出部32の上面よりも上方に指向して突出した構成となっている。この構成によれば、野菜室扉13Dが野菜室13の開口部13aを閉塞した閉塞状態において、マグネット収容部31内に収容されているマグネット40を特に上下方向においてマグネット検知部20側に一層近付けることができる。よって、マグネット検知部20によるマグネット40の検知精度の一層の向上を図ることができ、ひいては、野菜室扉13Dの開閉状態の検知精度の一層の向上を図ることができる。
【0051】
なお、マグネット収容部31の上面は、延出部32の上面から突出させるのではなく、延出部32の上面と完全に面一となるように構成してもよいし、マグネット収容部31の上面よりも若干量、例えば、数mm程度上側あるいは下側にずれた構成としてもよい。この構成によれば、マグネット収容部31を一層目立ちにくくすることができる。
【0052】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や拡張を行うことができる。例えば、1つの貯蔵室扉に設けられるマグネット収容部31の数は、2つに限られず、1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。また、連通部は、スリット34に限られず、マグネット収容部31の内外を連通可能なものであれば、例えば、孔や溝などであってもよい。また、マグネット収容部31や延出部32が設けられる貯蔵室扉は、野菜室扉13Dに限られず、その他の貯蔵室扉であってもよい。また、冷蔵室扉12Dは、1つの冷蔵室12の開口部12aを2つの冷蔵室扉により開閉する構成、いわゆるフレンチタイプあるいは観音開き式の扉であってもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
図面中、10は冷蔵庫、12Dは冷蔵室扉(他の貯蔵室扉)、12Sは回動支持部(支持部)、13は野菜室(貯蔵室)、13Dは野菜室扉(貯蔵室扉)、20はマグネット検知部、31はマグネット収容部、32は延出部、34はスリット(連通部)、40はマグネット、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8