(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091466
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】情報送信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/44 20130101AFI20220614BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20220614BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G06F21/44
G06F21/31
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204314
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】520486236
【氏名又は名称】株式会社VALUECARE
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】井出 清
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA02
5K201CC04
5K201CC06
5K201EA07
5K201EC06
5K201ED04
5K201EE14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】IoT機器の機器特定情報を容易に登録できるとともに、情報セキュリティを向上させることができる情報送信システムを提供する。
【解決手段】情報送信システムにおける登録処理において、第1機器特定情報及び第2機器特定情報が付与されたGPS端末は、第1機器特定情報をクラウドサーバに送信する606。ユーザ端末は、GPS端末の第2機器特定情報を読み取り607、読み取った第2機器特定情報をクラウドサーバに送信する608。クラウドサーバは、第1機器特定情報及び第2機器特定情報がそれぞれ送信されたと判定した場合609:Yes、第1機器特定情報を登録する610。GPS端末は、検出した位置情報等の状態情報をクラウドサーバに送信する。クラウドサーバは、第1機器特定情報が登録されている場合のみ、GPS端末から受信し蓄積された状態情報を、要求に応じてユーザ端末に送信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の状態を検出し、前記検出された状態に対応する情報である状態情報を提供可能に構成されたIoT機器であって、前記IoT機器を個々に特定するための情報である機器特定情報が付与されたIoT機器と、
前記IoT機器のユーザが利用する端末であるユーザ端末と、
前記IoT機器および前記ユーザ端末と、情報通信ネットワークを介して接続されるクラウドサーバであって、
前記機器特定情報を格納する機器特定情報データベースと、
前記機器特定情報を前記機器特定情報データベースに登録する情報登録部と、
前記状態情報を格納する状態情報データベースと、
前記IoT機器から提供される前記状態情報を受信し、前記受信した前記状態情報を前記状態情報データベースに蓄積する情報蓄積部と、
前記蓄積されている前記状態情報を抽出し、前記抽出した前記状態情報を前記ユーザ端末に送信する情報送信部と、を備えたクラウドサーバと、
を備えた情報送信システムにおいて、
前記IoT機器は、
前記機器特定情報として、前記IoT機器から前記クラウドサーバに送信される第1機器特定情報、および、前記ユーザ端末を介してクラウドサーバに送信される第2機器特定情報の2つの前記機器特定情報が付与され、
前記第1機器特定情報を前記クラウドサーバに送信する第1情報送信部と、
前記状態を検出する状態検出部と、
前記状態情報を前記クラウドサーバに送信する状態情報送信部と、
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記IoT機器から読み取られる前記第2機器特定情報を前記クラウドサーバに送信する第2情報送信部と、
前記ユーザ端末への前記状態情報の送信を前記クラウドサーバに要求する情報送信要求部と、
を備え、
前記クラウドサーバの前記情報登録部は、
前記第1機器特定情報および前記第2機器特定情報がそれぞれ送信されたと判定された場合に、前記第1機器特定情報を前記機器特定情報データベースに登録するよう構成され、
前記クラウドサーバの前記情報送信部は、
前記第1機器特定情報が登録されたと判定され、かつ、前記ユーザ端末から前記要求がなされたと判定された場合に、前記蓄積されている前記状態情報を抽出し、前記抽出した前記状態情報を、前記第2機器特定情報の送信元の前記ユーザ端末に送信するよう構成された情報送信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報送信システムにおいて、
前記IoT機器は、更に、
前記IoT機器における所定の作動に基づいて、前記第1機器特定情報を送信するよう前記第1情報送信部に指示する情報送信指示部を備え、
前記IoT機器の第1情報送信部は、
前記情報送信指示部により指示されて、前記第1機器特定情報を送信するよう構成された情報送信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報送信システムにおいて、
前記ユーザ端末は、更に、
前記ユーザの操作により情報入力可能に構成された情報入力部を備え、
前記ユーザ端末の前記第2情報送信部は、
前記第2機器特定情報が前記情報入力部により入力されて、前記入力された前記第2機器特定情報を前記クラウドサーバに送信するよう構成された情報送信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報送信システムにおいて、
前記クラウドサーバは、更に、
前記IoT機器における前記所定の作動のための操作に関する情報である機器操作情報、および、前記ユーザ端末における前記第2機器特定情報の入力・送信のための操作に関する情報である送信操作情報を格納する操作情報データベースを備え、
前記ユーザ端末の前記情報送信要求部は、
前記状態情報の送信の要求に加え、前記機器操作情報および前記送信操作情報の前記ユーザ端末への送信を前記クラウドサーバに要求するよう構成され、
前記クラウドサーバの前記情報送信部は、
前記状態情報の送信に加え、前記ユーザ端末から前記機器操作情報および前記送信操作情報の送信の要求がなされたと判定された場合に、前記格納されている前記機器操作情報および前記送信操作情報を抽出し、前記抽出した前記機器操作情報および前記送信操作情報を、前記ユーザ端末に送信するよう構成された情報送信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報送信システムにおいて、
前記クラウドサーバの前記操作情報データベースは、
前記送信操作情報として、前記第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するよう前記ユーザに促す情報が用いられるよう構成され、
前記クラウドサーバの前記情報登録部は、
前記第1機器特定情報が送信され、かつ、前記情報送信部より前記機器操作情報および前記送信操作情報が送信された時点から前記所定の期間内に、前記第2機器特定情報が送信されたと判定された場合に、前記第1機器特定情報を登録するよう構成された情報送信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報送信システムにおいて、
前記IoT機器は、更に、
プッシュ可能に構成されたボタンと、
前記第2機器特定情報を表示するラベルと、を備え、
前記クラウドサーバの前記操作情報データベースは、
前記機器操作情報として、前記ボタンのプッシュ操作を前記ユーザに促す情報が用いられ、前記送信操作情報として、前記ラベルから前記第2機器特定情報を読み取るよう前記ユーザに促し、前記第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するよう前記ユーザに促す情報が用いられるよう構成され、
前記IoT機器の前記情報送信指示部は、
前記ボタンのプッシュ作動に基づいて、前記第1機器特定情報を送信するよう前記第1情報送信部に指示するよう構成された情報送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IoT機器より提供される状態情報を、IoT機器のユーザが利用する端末であるユーザ端末に送信するための情報送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、IoT(Internet of Things)機器が知られている。IoT機器として、例えば、所定の状態を検出し、検出された状態に対応する情報(状態情報)を提供するものがある。この種のIoT機器においては、状態情報が、サーバ等を介してユーザ端末に送信される場合が多い。これにより、状態情報を送信する上での規定を設けることができ、限られたユーザのみに対し状態情報を提供可能な、情報送信システムを構築することができる。
【0003】
具体的には、特許文献1に示す情報送信システムが知られている。このシステムでは、IoT機器と、状態確認端末(ユーザ端末に相当)と、それらと情報通信ネットワークを介して接続されるIoT情報管理装置(サーバに相当)と、が備えられている。
【0004】
このIoT機器は、IoT機器を個々に特定するための機器特定情報が付与されている。機器特定情報の付与として、2次元コードを表示したラベルが、添付されている。この2次元コードは、状態確認端末により読み取られて、機器特定情報がIoT情報管理装置に送信されるようになっている。IoT情報管理装置では、送信された機器特定情報が登録される。IoT機器の状態情報は、別途データベースに蓄積されており、状態情報と登録された機器特定情報とが、関連付けられるようになっている。そして、状態確認端末より状態情報が要求された場合、上述のように関連付けられた状態情報が、2次元コード送信元の状態確認端末に送信される。
【0005】
即ち、IoT機器の機器特定情報の登録を経て、IoT機器の状態情報が、機器特定情報の送信元のユーザに提供される。このため、限られたユーザのみに対し、IoT機器の状態情報を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【0007】
上記情報送信システムにおいては、上述したように2次元コードが読み取られて、機器特定情報が登録されるようになっている。これにより、機器特定情報の容易な登録が期待できる一方、2次元コードを端末で読み取ることができれば、IoT機器の状態情報を取得できてしまう可能性がある。このため、例えば、悪意あるユーザによる操作等により、IoT機器の状態情報が、意図しない形で提供されてしまうおそれがある。これに対し、例えば、2次元コードを読み取るユーザ端末や、ユーザそのものに対し、所定の制限を課すことで情報セキュリティを向上させることもできる。しかしながら、この場合、IoT機器の活用機会が広まりにくいという問題がある。
【0008】
以上より、この種の情報送信システムにおいて、IoT機器の機器特定情報を容易に登録できるとともに、情報セキュリティを向上させることができ、IoT機器の活用機会を広げることができるものが、望まれている。
【0009】
本発明の目的は、IoT機器の機器特定情報を容易に登録できるとともに、情報セキュリティを向上させることができ、IoT機器の活用機会を広げることができる情報送信システムを提供することにある。
【0010】
本発明による情報送信システムは、所定の状態を検出し、検出された状態に対応する情報である状態情報を提供可能に構成されたIoT機器であって、IoT機器を個々に特定するための情報である機器特定情報が付与されたIoT機器と、IoT機器のユーザが利用する端末であるユーザ端末と、IoT機器およびユーザ端末と情報通信ネットワークを介して接続されるクラウドサーバであって、機器特定情報を格納する機器特定情報データベースと、機器特定情報を機器特定情報データベースに登録する情報登録部と、状態情報を格納する状態情報データベースと、IoT機器から提供される状態情報を受信し、受信した状態情報を状態情報データベースに蓄積する情報蓄積部と、蓄積されている状態情報を抽出し、抽出した状態情報をユーザ端末に送信する情報送信部と、を備えたクラウドサーバとを備える。
【0011】
本発明による情報送信システムの特徴は、IoT機器が、機器特定情報として、IoT機器からクラウドサーバに送信される第1機器特定情報、および、ユーザ端末を介してクラウドサーバに送信される第2機器特定情報の2つの前記機器特定情報が付与され、第1機器特定情報をクラウドサーバに送信する第1情報送信部と、状態を検出する状態検出部と、状態情報をクラウドサーバに送信する状態情報送信部とを備え、ユーザ端末が、IoT機器から読み取られる第2機器特定情報をクラウドサーバに送信する第2情報送信部と、ユーザ端末への状態情報の送信をクラウドサーバに要求する情報送信要求部とを備え、クラウドサーバの情報登録部が、第1機器特定情報および第2機器特定情報がそれぞれ送信されたと判定された場合に、第1機器特定情報を機器特定情報データベースに登録するよう構成され、クラウドサーバの情報送信部が、第1機器特定情報が登録されたと判定され、かつ、ユーザ端末から要求がなされたと判定された場合に、蓄積されている状態情報を抽出し、抽出した状態情報を、第2機器特定情報の送信元のユーザ端末に送信するよう構成されたことにある。
【0012】
これによれば、IoT機器に付与された2つの機器特定情報(第1、第2機器特定情報)が、クラウドサーバに送信される。第1機器特定情報は、IoT機器から直接的にクラウドサーバに送信され、第2機器特定情報は、ユーザ端末を一端介してクラウドサーバに送信される。クラウドサーバの情報登録部では、第1、第2機器特定情報の両方が送信された場合にのみ、第1機器特定情報が登録される。これらの機器特定情報の送信には、特殊な操作等が不要であるため、機器特定情報を容易に登録することができる。また、クラウドサーバの情報送信部は、機器特定情報が登録された場合にのみ、IoT機器の状態情報が、ユーザ端末に送信される。従って、情報セキュリティを向上させることができる。
【0013】
以上より、本発明の情報送信システムによれば、IoT機器の機器特定情報を容易に登録できるとともに、情報セキュリティを向上させることができ、IoT機器の活用機会を広げることができる。
【0014】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、IoT機器が、更に、IoT機器における所定の作動に基づいて、第1機器特定情報を送信するよう第1情報送信部に指示する情報送信指示部を備え、IoT機器の第1情報送信部が、情報送信指示部により指示されて、第1機器特定情報を送信するよう構成されると好適である。
【0015】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、ユーザ端末が、更に、ユーザの操作により情報入力可能に構成された情報入力部を備え、ユーザ端末の第2情報送信部が、第2機器特定情報が情報入力部により入力されて、入力された第2機器特定情報をクラウドサーバに送信するよう構成されると好適である。
【0016】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、クラウドサーバが、更に、IoT機器における所定の作動のための操作に関する情報である機器操作情報、および、ユーザ端末における第2機器特定情報の入力・送信のための操作に関する情報である送信操作情報を格納する操作情報データベースを備え、ユーザ端末の情報送信要求部が、状態情報の送信の要求に加え、機器操作情報および送信操作情報のユーザ端末への送信をクラウドサーバに要求するよう構成され、クラウドサーバの情報送信部が、状態情報の送信に加え、ユーザ端末から機器操作情報および送信操作情報の送信の要求がなされたと判定された場合に、格納されている機器操作情報および送信操作情報を抽出し、抽出した機器操作情報および送信操作情報を、ユーザ端末に送信するよう構成されると、より好適である。
【0017】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、クラウドサーバの操作情報データベースが、送信操作情報として、第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するようユーザに促す情報が用いられるよう構成され、クラウドサーバの情報登録部が、第1機器特定情報が送信され、かつ、情報送信部より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から所定の期間内に、第2機器特定情報が送信されたと判定された場合に、第1機器特定情報を登録するよう構成されると、より好適である。
【0018】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、IoT機器が、更に、プッシュ可能に構成されたボタンと、第2機器特定情報を表示するラベルとを備え、クラウドサーバの操作情報データベースが、機器操作情報として、ボタンのプッシュ操作をユーザに促す情報が用いられ、送信操作情報として、ラベルから第2機器特定情報を読み取るようユーザに促し、第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するようユーザに促す情報が用いられるよう構成され、IoT機器の情報送信指示部が、ボタンのプッシュ作動に基づいて、第1機器特定情報を送信するよう第1情報送信部に指示するよう構成されると、更に好適である。
【0019】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、IoT機器が、GPS端末として機能する機器であり、IoT機器の状態検出部が、少なくとも、IoT機器の位置を検出するよう構成され、IoT機器の状態情報送信部が、状態情報として、少なくとも、位置に関する情報である位置情報が用いられるよう構成されてもよい。
【0020】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、IoT機器の状態検出部が、更に、IoT機器の移動状態を検出するよう構成され、IoT機器の状態情報送信部が、状態情報として、位置情報に加えて、移動状態に関する情報である移動情報が用いられるよう構成されてもよい。
【0021】
上記発明に係る情報送信システムにおいては、IoT機器が、バッテリを内蔵し、バッテリに基づいてGPS端末としての機能を達成するよう構成され、IoT機器の状態検出部が、更に、バッテリの残量の状態を検出するよう構成され、IoT機器の状態情報送信部が、状態情報として、位置情報および移動情報に加えて、バッテリの残量に関する情報であるバッテリ残量情報が用いられるよう構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報送信システムの全体概要を説明するための全体構成図である。
【
図2】
図1に示したGPS端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図3】
図1に示したGPS端末の外観構成図である。
【
図4】
図1に示したユーザ端末の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図5】
図1に示したクラウドサーバの機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図6】
図1に示した情報送信システムにおける機器特定情報の登録処理に関する作動を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図1に示した情報送信システムにおける状態情報の送信処理に関する作動を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明による情報送信システムの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1は、実施形態に係る情報送信システム100の全体概要を説明するための全体構成図である。情報送信システム100は、IoT(Internet of Things)機器より提供される状態情報を、IoT機器のユーザが利用する端末に送信するためのシステムである。
【0025】
情報送信システム100は、GPS(Grobal Positioning System)端末10、ユーザ端末20、および、クラウドサーバ30を備えている。クラウドサーバ30は、GPS端末10およびユーザ端末20と、無線の情報通信ネットワークを介して接続されている。
【0026】
<GPS端末の構成>
図1に加え、
図2および
図3も参照しつつ、GPS端末10の構成を説明する。
図2は、GPS端末10の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
図3は、GPS端末10の外観構成図であり、
図3(a)および
図3(b)は、GPS端末10を裏側および表側から見た状態を、それぞれ示している。
【0027】
GPS端末10は、所定の状態を検出し、検出された状態に対応する情報である状態情報を提供可能に構成されている。ここにおいて、所定の状態は、GPS端末10の位置、GPS端末10の移動状態、および、バッテリ残量の状態である。状態情報は、これらに対応する情報であり、位置情報、移動情報、および、バッテリ残量情報である。検出された状態情報は、クラウドサーバ30に送信されて、クラウドサーバ30からユーザ端末20に送信可能となっている。このようにして、GPS端末10の状態情報は、GPS端末10のユーザに提供される。即ち、GPS端末10は、IoT機器に相当する。
【0028】
GPS端末10には、個々に特定するための情報である機器特定情報が付与されている。個々のGPS端末に付与されている機器特定情報は、それぞれ特定可能なように異なっている。GPS端末10は、
図2および
図3に示すように、記憶装置10a、ラベル10b、ボタン10c、および、バッテリ10dを、備えている。更に、GPS端末10は、
図2に示すように、情報送信指示部11、第1情報送信部12、状態検出部13、および、状態情報送信部14を、備えている。また、GPS端末10は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0029】
機器特定情報は、第1機器特定情報および第2機器特定情報の2つで構成される。第1機器特定情報は、
図2に示すGPS端末10の記憶装置10aに格納されており、GPS端末10の第1情報送信部12から、クラウドサーバ30に送信される。第2機器特定情報は、
図3(a)に示すように、GPS端末10に添付されたラベル10bに表示されており、ユーザにより読み取り可能となっている。第2機器特定情報は、数字およびアルファベットで構成されており、本実施形態ではGPS端末10のIDとして「007323A1」が用いられる。第2機器特定情報は、テキスト、バーコード等でもよく、ラベル10bに表示可能であればこれらに限定されない。第2機器特定情報は、ユーザ端末20を介してクラウドサーバ30に送信される。
【0030】
図3(b)に示すボタン10cは、ユーザによりプッシュ可能に構成されている。ボタン10cのプッシュ状態が所定時間維持されたとき(ボタン10cが長押しされたとき)、
図2に示す情報送信指示部11の処理が実行されるようになっている。なお、機器特定情報の登録後においては、ボタン10cがプッシュされる毎に、GPS端末10の状態情報がユーザ端末20に提供されるようになっている。バッテリ10dは、GPS端末10に内蔵されており、バッテリ10dに基づいてGPS端末10としての機能が達成される。
【0031】
図2に示す情報送信指示部11は、GPS端末10のボタン10cにおける所定の作動に基づいて、第1機器特定情報を送信するよう第1情報送信部12に指示するよう構成されている。ここにおいて、ボタン10cにおける所定の作動は、上記ボタン10cの長押しである。
【0032】
第1情報送信部12は、情報送信指示部11により指示されて、第1機器特定情報を送信するよう構成されている。具体的には、情報送信指示部11の指示があった場合に、第1情報送信部12は、記憶装置10aに格納されている第1機器特定情報を読み出し、第1機器特定情報をクラウドサーバ30に送信する。
【0033】
状態検出部13は、位置状態検出部13a、移動状態検出部13b、および、バッテリ残量状態検出部13cを備えている。位置状態検出部13aは、GPS端末10の位置を検出するよう構成されている。移動状態検出部13bは、GPS端末10の移動状態を検出するよう構成されている。ここにおいて、移動状態は、例えば、移動中、移動停止中等の状態が、GPS端末10の速度に応じて検出される。GPS端末10の位置および移動状態は、
図1に示すGPS衛星200およびGPS端末10の離間距離、時間等に基づいて、検出可能になっている。バッテリ残量状態検出部13cは、バッテリ10dのバッテリ残量状態を検出するよう構成されている。このように、状態検出部13は、上記所定の状態である、位置、移動状態、バッテリ残量状態を、それぞれ検出するよう構成されている。
【0034】
状態情報送信部14は、状態検出部13により検出された状態に関する情報である状態情報を、クラウドサーバ30に送信するよう構成されている。ここにおいて、状態情報は、位置情報、移動情報およびバッテリ残量情報であり、これらは、位置、移動状態およびバッテリ残量状態にそれぞれ対応する情報である。なお、ボタン10cが上述のように長押しされた場合に、状態検出部13および状態情報送信部14の処理が開始されるようになっている。状態検出部13の検出処理および状態情報送信部14の送信処理は、所定の時間毎に逐次実行される。
【0035】
<ユーザ端末の構成>
図4を参照しつつ、ユーザ端末20の構成を説明する。
図4は、ユーザ端末20の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0036】
ユーザ端末20は、GPS端末10のユーザが利用する端末であり、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等の移動可能通信端末である。ユーザ端末20は、各種情報の送信を、クラウドサーバ30へ要求するようになっている。加えて、ユーザ端末20は、第2機器特定情報をクラウドサーバ30に送信するようになっている。更に、ユーザ端末20には、GPS端末10の状態情報が、クラウドサーバ30から送信され、送信された状態情報が、ユーザ端末20のモニタ等に表示されるようになっている。
【0037】
ユーザ端末20は、情報入力部21、情報送信要求部22、第2情報送信部23、および、情報出力部24を、備えている。また、ユーザ端末20は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0038】
情報入力部21は、ユーザの操作により情報入力可能に構成されている。情報入力部21は、例えば、ソフトウェアキーボード等であり、入力される情報は、テキスト、数字、アルファベット等である。
【0039】
情報送信要求部22は、機器操作情報、送信操作情報および状態情報の、ユーザ端末20への送信を、クラウドサーバ30に要求するよう構成されている。ここにおいて、機器操作情報は、GPS端末10におけるボタン10cのプッシュ操作をユーザに促す情報である。送信操作情報は、GPS端末10におけるラベル10bから第2機器特定情報を読み取るようユーザに促し、第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するようユーザに促す情報である。機器操作情報および送信操作情報は、クラウドサーバ30の後述するデータベースに格納されており、機器特定情報の登録にあたり、情報送信要求部22からの要求に応じて、ユーザに提供される情報である。
【0040】
情報送信要求部22によるクラウドサーバ30への要求は、所定のメッセージアプリ内で、情報入力部21によるテキスト入力がなされ、入力された情報を、情報送信要求部22がクラウドサーバ30に送信することで達成される。本実施形態においては、ユーザが「新規登録」の入力・送信を実行して、機器操作情報および送信操作情報を要求するようになっている。また、ユーザが「位置確認」の入力・送信を実行して、状態情報を要求するようになっている。ここにおいて、所定のメッセージアプリとしては、ユーザ端末20のオペレーティングシステムにより、ユーザ端末20およびクラウドサーバ30の間で、チャット等での対話機能が達成されるよう構成されているものが用いられると、好適である。
【0041】
第2情報送信部23は、GPS端末10のラベル10bから読み取られる第2機器特定情報を、クラウドサーバ30に送信するよう構成されている。第2機器特定情報の送信は、所定のメッセージアプリ内で、情報入力部21による数字およびアルファベット入力がなされ、入力された情報が、第2情報送信部23によりクラウドサーバ30に送信されることで達成される。本実施形態においては、ユーザが「007323A1」の入力・送信を実行して、第2機器特定情報を送信するようになっている。
【0042】
情報出力部24は、クラウドサーバ30から送信される情報、情報入力部21にて入力される情報等が、ユーザ端末20のモニタにより出力表示可能に構成されている。情報出力部24は、例えば、モニタ等であり、出力される情報は、テキスト、数字、アルファベット、画像等である。
【0043】
<クラウドサーバの構成>
図5を参照しつつ、クラウドサーバ30の構成を説明する。
図5は、クラウドサーバ30の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。
【0044】
クラウドサーバ30は、クラウド環境でのサーバ機能を備え、接続されたユーザ端末20のアクセスが可能となるように構成されている。加えて、クラウドサーバ30は、GPS端末10から送信される状態情報を、逐次受信・蓄積するようになっている。更に、クラウドサーバ30は、ユーザ端末20の要求に応じて、所定の条件が成立する場合に、状態情報をユーザ端末20に送信するようになっている。
【0045】
クラウドサーバ30は、操作情報データベース31、機器特定情報データベース32、状態情報データベース33、情報送信部34、情報登録部35、および、情報蓄積部36を備えている。また、クラウドサーバ30は、図示しないCPU、RAM、ROM、通信インターフェイス等を備えている。記憶されているコンピュータプログラムが読み出され、CPUにてコンピュータプログラムが実行されることで、各処理が機能的に達成されるようになっている。
【0046】
操作情報データベース31は、上述した機器操作情報および送信操作情報を格納するよう構成されている。本実施形態においては、機器操作情報は、ユーザ端末20に送信された場合、メッセージアプリ内にて「1.GPS端末のボタンを長押ししてください。2.LED消灯したら長押しをやめてください。」のメッセージがモニタ表示されるようになっている。送信操作情報は、ユーザ端末20に送信された場合、メッセージアプリ内にて「3.GPS端末裏側のIDを5分以内に入力してください。」のメッセージがモニタ表示されるようになっている。
【0047】
機器特定情報データベース32は、上述した第1機器特定情報を格納するよう構成されている。
【0048】
状態情報データベース33は、上述した状態情報を格納するよう構成されている。本実施形態においては、状態情報としての位置情報は、ユーザ端末20に送信された場合、メッセージアプリ内にて、GPS端末10の位置をその周辺地図に重畳させた画像が、モニタ表示されるようになっている。移動情報は、ユーザ端末20に送信された場合、メッセージアプリ内にて、GPS端末10の移動状態に応じて、「移動中」または「移動停止中」のメッセージがモニタ表示されるようになっている。バッテリ残量情報は、ユーザ端末20に送信された場合、メッセージアプリ内にて、満充電時の容量に対しての残量に対応するパーセント数量が、モニタ表示されるようになっている。
【0049】
情報送信部34は、機器操作情報および送信操作情報の送信要求に応じて、機器操作情報および送信操作情報をユーザ端末20に送信するよう構成されている。情報送信部34は、ユーザ端末20から機器操作情報および送信操作情報の送信の要求がなされたと判定された場合には、操作情報データベース31に格納されている機器操作情報および送信操作情報を抽出するように構成されている。そして、抽出した機器操作情報および送信操作情報を、ユーザ端末20に送信するよう構成されている。
【0050】
また、情報送信部34は、状態情報の送信要求に応じて、状態情報をユーザ端末20送信するよう構成されている。情報送信部34は、ユーザ端末20から状態情報の送信の要求がなされたと判定され、かつ、第1機器特定情報が機器特定情報データベース32に登録されたと判定された場合に、状態情報データベース33に格納されている状態情報を抽出するように構成されている。状態情報の抽出としては、ユーザ端末20からの要求がなされたときに、状態情報データベース33に逐次蓄積される状態情報の中から、最新の状態情報が抽出される。そして、抽出された最新の状態情報を、ユーザ端末20に送信するよう構成されている。
【0051】
情報登録部35は、所定の条件が成立した場合に、GPS端末10から送信された第1機器特定情報を登録するよう構成されている。本実施形態においては、所定の条件が成立した場合とは、第1機器特定情報が送信され、かつ、第2機器特定情報が、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から5分内に送信されたと判定された場合である。このように判定された場合にのみ、情報登録部35は、第1機器特定情報を機器特定情報データベース32に登録するよう構成されている。本実施形態においては、第1機器特定情報の送信元のGPS端末10に表示されているID「007323A1」が、第2機器特定情報に相当する。上記条件が成立ない場合としては、例えば、第1機器特定情報の送信有無にかかわらず、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から、第2機器特定情報が送信されることなく5分以上経過した場合等が挙げられる。より具体的には、第1機器特定情報がクラウドサーバ30に送信された場合であっても、仮に、第2機器特定情報に代えて他のID情報が送信されて、第2機器特定情報が上記時点から5分以内に送信されなかった場合には、第1機器特定情報は登録されないことになる。
【0052】
情報蓄積部36は、GPS端末10から提供される状態情報を受信し、受信した状態情報を状態情報データベース33に蓄積するよう構成されている。GPS端末10から所定時間毎に送信される状態情報は、情報蓄積部36により、状態情報データベース33に逐次蓄積されていく。
【0053】
<情報送信システムの作動>
図6および
図7は、本発明の実施形態に係る情報送信システム100の作動を説明するためのフローチャートである。ユーザ端末20においては、所定のメッセージアプリ上でのユーザ操作に対応して、これらの処理に対応するコンピュータプログラムが実行されるようになっている。
【0054】
図6のフローチャートは、機器特定情報の登録処理に関する情報送信システム100の一連の作動を示している。先ず、ステップ601では、ユーザ端末20にて、所定のメッセージアプリ内で「新規登録」のテキストが、情報入力部21にてユーザにより入力される。
【0055】
次いで、ステップ602では、ユーザ端末20にて、情報入力部21にて入力された情報が、機器操作情報および送信操作情報の送信要求として、情報送信要求部22により、クラウドサーバ30に送信される。また、ステップ601での入力操作に応じて、メッセージアプリ内にて「新規登録」のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。このメッセージは、ユーザ側のメッセージとして表示される。
【0056】
次いで、ステップ603では、クラウドサーバ30にて、情報送信要求部22により送信された情報が、情報送信部34にて受信される。情報送信部34により、ユーザ端末20から機器操作情報および送信操作情報の送信の要求がなされた、と判定され、操作情報データベース31に格納されている機器操作情報および送信操作情報が、抽出される。そして、抽出された機器操作情報および送信操作情報が、情報送信部34により、ユーザ端末20に送信される。
【0057】
次いで、ステップ604では、ユーザ端末20にて、情報送信部34により送信された機器操作情報および送信操作情報が、情報出力部24により表示出力される。このとき、機器操作情報および送信操作情報として、メッセージアプリ内にて「1.GPS端末のボタンを長押ししてください。2.LED消灯したら長押しをやめてください。3.GPS端末裏側のIDを5分以内に入力してください。」のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。このメッセージは、クラウドサーバ30側のメッセージとして表示される。
【0058】
次いで、ステップ605では、GPS端末10にて、機器操作情報のメッセージに応じて、ユーザによりGPS端末10のボタン10cが長押しされる。ボタン10cの長押しに基づいて、情報送信指示部11により、第1機器特定情報を送信するよう第1情報送信部12に指示がなされる。
【0059】
次いで、ステップ606では、GPS端末10にて、情報送信指示部11の指示に応じて、記憶装置10aに格納されている第1機器特定情報が、第1情報送信部12により読み出される。読み出された第1機器特定情報が、第1情報送信部12によりクラウドサーバ30に送信される。
【0060】
次いで、ステップ607では、ユーザ端末20にて、送信操作情報のメッセージに応じて、GPS端末10のラベル10bに表示されている第2機器特定情報が読み取られ、メッセージアプリ内で「007323A1」が、情報入力部21にてユーザにより入力される。
【0061】
次いで、ステップ608では、ユーザ端末20にて、情報入力部21にて入力された情報が、第2機器特定情報として、第2情報送信部23によりクラウドサーバ30に送信される。また、ステップ607での入力操作に応じて、メッセージアプリ内にて「007323A1」のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。このメッセージは、ユーザ側のメッセージとして表示される。
【0062】
次いで、ステップ609では、クラウドサーバ30にて、第1機器特定情報が送信され、かつ、第2機器特定情報が、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から5分内に送信されたか否かが、情報登録部35により判定される。この条件が成立している場合、ステップ609にて「Yes」と判定されて、ステップ610に進む。
【0063】
次いで、ステップ610では、クラウドサーバ30にて、第1情報送信部12にて送信された第1機器特定情報が、情報登録部35により、機器特定情報データベース32に登録される。
【0064】
次いで、ステップ611では、クラウドサーバ30にて、第1機器特定情報の登録が完了したことをユーザに通知するための情報が、情報送信部34により、ユーザ端末20に送信される。この情報は、ユーザ端末20のメッセージアプリ内で、「GPS端末の登録が行われました。」のメッセージが表示されるための情報である。上記情報が送信されることで、メッセージアプリ内にて「GPS端末の登録が行われました。」のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。このメッセージは、クラウドサーバ30側のメッセージとして表示される。
【0065】
図6のフローチャート末端における「1」「2」および「3」は、
図7のフローチャート発端における「1」「2」および「3」にそれぞれ接続されている。
図6に続く
図7のフローチャートは、状態情報の送信処理に関する情報送信システム100の一連の作動を示している。なお、機器特定情報の登録が完了した後は、GPS端末10を、ユーザとは異なる他者に携帯させてもよいし、移動対象物に取付けてもよい。
【0066】
上記ステップ611に続くステップ701では、GPS端末10にて、GPS端末10の位置、移動状態およびバッテリ残量状態が、状態検出部13(位置状態検出部13a、移動状態検出部13bおよびバッテリ残量状態検出部13c)によりそれぞれ検出される。
【0067】
次いで、ステップ702では、GPS端末10にて、状態検出部13により検出された各状態にそれぞれ対応する位置情報、移動情報およびバッテリ残量情報が、状態情報送信部14により、状態情報としてクラウドサーバ30に送信される。そして、GPS端末10では「3」にリターンして、以降、ステップ701、702が、所定時間毎に繰り返される。これにより、GPS端末10の状態情報が、クラウドサーバ30に逐次送信される。
【0068】
次いで、ステップ703では、クラウドサーバ30にて、状態情報送信部14により所定時間毎に送信される状態情報が、情報蓄積部36により、状態情報データベース33に逐次蓄積されていく。
【0069】
次いで、ステップ704では、ユーザ端末20にて、所定のメッセージアプリ内で「位置確認」のテキストが、情報入力部21にてユーザにより入力される。
【0070】
次いで、ステップ705では、ユーザ端末20にて、情報入力部21にて入力された情報が、状態情報の送信要求として、情報送信要求部22により、クラウドサーバ30に送信される。また、ステップ704での入力操作に応じて、メッセージアプリ内にて「位置確認」のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。このメッセージは、ユーザ側のメッセージとして表示される。
【0071】
次いで、ステップ706では、クラウドサーバ30にて、情報送信要求部22により送信された情報が、情報送信部34にて受信される。第1機器特定情報が登録され、かつ、ユーザ端末20から状態情報の送信の要求がなされたか否かが、情報送信部34により判定される。この条件が成立しているため(
図6のステップ610を参照)、ステップ706にて「Yes」と判定されて、ステップ707に進む。
【0072】
次いで、ステップ707では、状態情報データベース33に格納されている状態情報が、情報送信部34により抽出される。このとき、GPS端末10の所定時間毎の送信に応じて、逐次蓄積されている状態情報のうち、最新の状態情報が抽出される。そして、抽出された状態情報が、情報送信部34により、ユーザ端末20に送信される。
【0073】
次いで、ステップ708では、ユーザ端末20にて、情報送信部34により送信された状態情報が、情報出力部24により表示出力される。この状態情報は、位置情報、移動情報、およびバッテリ残量情報である。位置情報として、メッセージアプリ内にて、GPS端末10の位置をその周辺地図に重畳させた画像が、ユーザ端末20のモニタに表示される。加えて、移動情報として、メッセージアプリ内にて、GPS端末10の移動状態に応じて「移動停止中」(GPS端末10の検出速度がゼロの場合。一方、検出速度がゼロでない場合「移動中」)のメッセージが、ユーザ端末20のモニタに表示される。更に、バッテリ残量情報として、メッセージアプリ内にて、満充電時の容量に対しての残量に対応するパーセント数量が、ユーザ端末20のモニタに表示される。これらのメッセージおよび画像は、クラウドサーバ30側のメッセージとして表示される。
【0074】
そして、ユーザ端末10およびクラウドサーバ30では、フローチャート発端「1」および「2」にそれぞれリターンして、以降、ステップ703~708が繰り返される。これにより、ユーザがGPS端末10の状態を確認したい場合に、その都度クラウドサーバ30に状態情報の要求がなされ、要求された時点での最新の状態情報が、ユーザ端末20に送信される。そして、ユーザは、ユーザ端末20のモニタにて、表示される状態情報(位置情報、移動情報、およびバッテリ残量情報)を確認することができる。
【0075】
一方、
図6のステップ609にて、上記「第1機器特定情報が送信され、かつ、第2機器特定情報が、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から5分内に送信されたか否か」の判定において、この条件が成立しない場合を説明する。
【0076】
上記条件が成立しない場合としては、例えば、第1機器特定情報の送信有無にかかわらず、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から、第2機器特定情報が送信されることなく5分以上経過した場合等が相当する。この場合、ステップ609にて「No」と判定されて、
図6のフローチャート末端「2」を経て、
図7のステップ703、704、705、706にこの順で進む。即ち、
図6のステップ610、611の処理は実行されず、第1機器特定情報は登録されない。なお、
図7のステップ701、702は、別途繰り返し処理される。
【0077】
ステップ706における上記「第1機器特定情報が登録され、かつ、ユーザ端末20から状態情報の送信の要求がなされたか否か」の判定において、この条件は成立しない。このため、ステップ706にて「No」と判定されて、フローチャート発端「2」にリターンする。即ち、
図7のステップ707、708の処理は実行されず、状態情報はユーザ端末20に送信されない。
【0078】
その後、任意のタイミングにおいて、第1機器特定情報が登録されれば、即ち、
図6のステップ609にて「Yes」となるよう、GPS端末10およびユーザ端末20が操作されれば、
図7のステップ706にて「Yes」と判定される。これにより、ユーザ端末20への状態情報の送信が、許容される。このように、第1機器特定情報が登録されない限り、ユーザ端末20への状態情報の送信が、規制される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の情報送信システム100においては、GPS端末10に付与された2つの機器特定情報(第1、第2機器特定情報)が、クラウドサーバ30に送信される。第1機器特定情報は、GPS端末10から直接的にクラウドサーバ30に送信され、第2機器特定情報は、ユーザ端末20を一端介してクラウドサーバ30に送信される。クラウドサーバ30の情報登録部35では、第1、第2機器特定情報の両方が送信された場合にのみ、第1機器特定情報が登録される。これらの機器特定情報の送信には、特殊な操作等が不要であるため、機器特定情報を容易に登録することができる。また、クラウドサーバ30の情報送信部34は、機器特定情報が登録された場合にのみ、GPS端末10の状態情報が、ユーザ端末20に送信される。従って、情報セキュリティを向上させることができる。
【0080】
以上より、本発明の実施形態にかかる情報送信システム100によれば、GPS端末10等のIoT機器の機器特定情報を容易に登録できるとともに、情報セキュリティを向上させることができ、GPS端末10等のIoT機器の活用機会を広げることができる。
【0081】
また、本実施形態では、特に、GPS端末10におけるボタン10cのプッシュ作動に基づいて、第1機器特定情報が送信されるようになっている。このため、容易な構成および操作によって、第1機器特定情報を送信することができる。また、ユーザ端末20でのユーザによる第2機器特定情報の入力により、第2機器特定情報が送信されるようになっている。この第2機器特定情報は、GPS端末10におけるラベル10bに表示されている。このため、容易な構成および操作によって、第2機器特定情報を送信することができる。
【0082】
また、本実施形態では、特に、ユーザ端末20の要求に応じて、機器操作情報および送信操作情報が、クラウドサーバ30からユーザ端末20に送信される。ここにおいて、機器操作情報は、ボタン10cのプッシュ操作をユーザに促す情報である。送信操作情報は、ラベル10bから第2機器特定情報を読み取るようユーザに促し、第2機器特定情報の入力・送信を所定の期間内に完了するようユーザに促す情報である。このため、ユーザに対し登録に必要な操作を、容易に知らせることができ、GPS端末10の機器特定情報を更に容易に登録できる。
【0083】
また、本実施形態では、特に、クラウドサーバ30の情報登録部35により、第1機器特定情報が送信され、かつ、情報送信部34より機器操作情報および送信操作情報が送信された時点から5分以内に、第2機器特定情報が送信されたと判定された場合に、第1機器特定情報が登録されるようになっている。このため、第2機器特定情報の送信に時間制限が設けられ、意図していない端末からの登録を抑制することができる。従って、情報セキュリティを更に向上させることができる。なお、本実施形態においては、上記所定の期間が5分に設定されているが、これに限定されず、任意に時間を設定してもよい。
【0084】
また、本実施形態では、特に、IoT機器としてGPS端末10が用いられ、位置情報、移動情報、およびバッテリ残量情報が、ユーザ端末20に提供されるようになっている。位置情報および移動情報が提供されるため、例えば、GPS端末10をユーザとは異なる他者に携帯させて、居場所および動向をユーザにより確認することができる。具体的には、ユーザから見て遠隔地で生活している高齢者等に、GPS端末10を携帯させて、その状況を推察するために用いられると、有効である。また、上述のように携帯させた場合、ユーザから遠隔地の高齢者等への問いかけに応じて、または、1日のうち所定時刻毎に、遠隔地の高齢者等にてボタン10cを押してもらうよう、用いられてもよい。これにより、安否状況を推察することができる。加えて、バッテリ残量情報が提供されるため、バッテリ10dの充電または交換の準備をすることができ、利便性を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施形態においては、ユーザ端末20におけるクラウドサーバ30との情報送受信に際し、所定のメッセージアプリが用いられているが、これに限定されない。メッセージアプリの利用に代えて、例えば、メール機能を利用してメールにて情報が送受信されるよう構成されてもよいし、音声通話機能を利用して音声にて情報が送受信されるよう構成されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
100…情報送信システム、10…GPS端末、10b…ラベル、10c…ボタン、10d…バッテリ、11…情報送信指示部、12…第1情報送信部、13…状態検出部、14…状態情報送信部、20…ユーザ端末、21…情報入力部、22…情報送信要求部、23…第2情報送信部、24…情報出力部、30…クラウドサーバ、31…操作情報データベース、32…機器特定情報データベース、33…状態情報データベース、34…情報送信部、35…情報登録部、36…情報蓄積部