(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091514
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】棚ガード及び棚ガード装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220614BHJP
A47B 96/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B65G1/04 505F
A47B96/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204388
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】390037534
【氏名又は名称】オーエッチ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 義久
(72)【発明者】
【氏名】勝部 勝
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022MM67
(57)【要約】
【課題】 収納棚装置の棚支柱間に傾斜姿勢で装着できるようにする。
【解決手段】 両端に連結金具3を有する上ベルトVuと、両端に連結金具3を有しかつ上ベルトVuと間隔tをおいて略平行に配置される下ベルトVdと、前記間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdに連結された略矩形状のネット6とを有している。前記上ベルトVuのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から上端部までの距離L1がネット6から下端部までの距離L2より長く、前記下ベルトVdのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から下端部までの距離L3がネット6から上端部までの距離L4より長く設定されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に連結金具(3)を有する上ベルト(Vu)と、両端に連結金具(3)を有しかつ上ベルト(Vu)と間隔(t)をおいて略平行に配置される下ベルト(Vd)と、前記間隔(t)を塞ぐべく上下ベルト(Vu、Vd)に連結された略矩形状のネット(6)とを有しており、
前記上ベルト(Vu)のネット(6)から各端部までの距離(L)は、ネット(6)から上端部までの距離(L1)がネット(6)から下端部までの距離(L2)より長く、前記下ベルト(Vd)のネット(6)から各端部までの距離(L)は、ネット(6)から下端部までの距離(L3)がネット(6)から上端部までの距離(L4)より長く設定されていることを特徴とする棚ガード。
【請求項2】
ネット(6)の上側縁(6u)が上ベルト(Vu)に逢着され、ネット(6)の下側縁(6d)が下ベルト(Vd)に逢着されていることを特徴とする請求項1に記載の棚ガード。
【請求項3】
ネット(6)の上側縁(6u)及び下側縁(6d)にベルトを通す挿通目又は挿通袋が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の棚ガード。
【請求項4】
第1棚支柱(P1)の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具(K1u、K1d)を設け、第1棚支柱(P1)と平行な第2棚支柱(P2)の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具(K2u、K2d)を設け、第1上固定具(K1u)と第2上固定具(K2u)とに上ベルト(Vu)の上下端部を連結し、第1下固定具(K1d)と第2下固定具(K2d)とに下ベルト(Vd)の上下端部を連結し、上下ベルト(Vu、Vd)の間隔(t)を塞ぐべく上下ベルト(Vu、Vd)にネット(6)を装着していることを特徴とする棚ガード装置。
【請求項5】
前記第2棚支柱(P2)の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具(K1u、K1d)を設け、前記第1棚支柱(P1)の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具(K2u、K2d)を設け、第1上固定具(K1u)と第2上固定具(K2u)とに上ベルト(Vu)の上下端部を連結し、第1下固定具(K1d)と第2下固定具(K2d)とに下ベルト(Vd)の上下端部を連結し、上下ベルト(Vu、Vd)の間隔(t)を塞ぐべく上下ベルト(Vu、Vd)にネット(6)を装着していることを特徴とする請求項4に記載の棚ガード装置。
【請求項6】
前記上下ベルト(Vu、Vd)の各上端部には、第1固定具(K1u、K1d)に回動可能に係合して抜け止めされる上連結金具(3u)が設けられ、前記上下ベルト(Vu、Vd)の各下端部には、第2固定具(K2u、K2d)に係合離脱可能な下連結金具(3d)が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の
棚ガード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納棚装置の前面に設けられる棚ガード及び棚ガード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収納棚装置は、複数本の平行な棚支柱に収納棚を支持し、この収納棚に多くの荷物を載置して収納するものであり、この収納棚装置には、地震等で収納荷物がはみ出したり、落下したりしないように、収納棚の前面側に棚ガードを配置する棚ガード装置が装備されている。
収納荷物の落下を防止する技術として特許文献1の農産物貯蔵庫があり、この技術は、収納台の左右に荷摺り柱を配置し、左右荷摺り柱間にベルトを水平に架設したり、2本のベルトをX形状に架設したりしており、前記ベルトの両端にはフックが設けられていて、荷摺り柱に形成された前後方向の貫通孔に係合される構造となっている。
【0003】
また、パレット上に荷を積載した積載物の周囲に巻掛けて荷崩れを防止する技術として、特許文献2の荷崩れ防止シートは、長尺な非伸縮性のシート本体と、該シート本体の長手方向に沿って少なくとも上下一対に設けられ、両端部が着脱自在な締め込みベルトとを備えており、シート本体の一端から上下一対の締め込みベルトの一端までの長さは同一長さであり、各両端には互いに係合する雌雄のバックルが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3146167号公報
【特許文献2】実用新案登録第3223405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1においては、ベルトが使用されているので、長い距離に渡って収納荷物の落下を防止できるが、ベルトの幅は比較的細いので幅広のガードが困難になっている。また、特許文献1は農産物貯蔵庫であり、比較的小さな収納棚装置に利用できるが、ベルトの一端が人手の届かないような比較的大規模の収納棚装置には利用し難いものとなっている。
【0006】
前記特許文献2においては、2本の締め込みベルトの間にネット材のシート本体を設けて、ベルトの幅方向で広い範囲の荷崩れを防止(幅広のガード)できるが、シート本体の一端から上下一対の締め込みベルトの一端までの長さは同一長さであり、各両端には互いに係合する雌雄のバックルが設けられているので、締め込みベルトを水平方向に配置するしかできなく、また、比較的大規模の収納棚装置の棚支柱に連結できる構造にもなっていない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした棚ガード及び棚ガード装置を提供することを目的とする。
本発明は、ネットの両縁に上下ベルトを連結し、ネットの端部から上下各ベルトの端部までの距離を異ならせることにより、収納棚装置の棚支柱間に傾斜姿勢で装着できるようにした棚ガードを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、第1棚支柱の上部に一対の第1固定具を設け、第2棚支柱の下部に一対の第2固定具Kを設け、ネットを装着した上下ベルトを第1、第2固定具に連結することにより、収納棚装置に傾斜姿勢でかつ幅広のガードができるようにした棚ガード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明棚ガードにおける課題解決のための具体的手段は、両端に連結金具3を有する上ベルトVuと、両端に連結金具3を有しかつ上ベルトVuと間隔tをおいて略平行に配置される下ベルトVdと、前記間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdに連結された略矩形状のネット6とを有しており、
前記上ベルトVuのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から上端部までの距離L1がネット6から下端部までの距離L2より長く、前記下ベルトVdのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から下端部までの距離L3がネット6から上端部までの距離L4より長く設定されている。
【0010】
また、本発明棚ガード装置における課題解決のための具体的手段は、第1棚支柱P1の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具K1u、K1dを設け、第1棚支柱P1と平行な第2棚支柱P2の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具K2u、K2dを設け、第1上固定具K1uと第2上固定具K2uとに上ベルトVuの上下端部を連結し、第1下固定具K1dと第2下固定具K2dとに下ベルトVdの上下端部を連結し、上下ベルトVu、Vdの間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdにネット6を装着している。
【発明の効果】
【0011】
本発明棚ガードによれば、収納棚装置の棚支柱間に傾斜姿勢で装着できる。
本発明棚ガード装置によれば、収納棚装置の棚支柱間に傾斜姿勢でかつ幅広のガードができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、収納棚装置Eは複数本の平行な棚支柱P(P1、P2)に収納棚Fを上下複数段に支持しており、この収納棚Fに多くの荷物Nを載置して収納する。収納棚装置Eの前面側の棚支柱Pには、上部側の上下一対の固定具K1と、下部側の上下一対の固定具K2が固定され、左右の棚支柱P1、P2に渡って2枚の棚ガード1がX状に架設され、棚ガード装置2を構成している。
【0014】
図1~2において、棚ガード装置2の棚ガード1(1A、1B)は、両端に連結金具3u、3dを有する上ベルトVuと、両端に連結金具3u、3dを有しかつ上ベルトVuと間隔tをおいて略平行に配置される下ベルトVdと、前記間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vd間に張られる略矩形状のネット6とを有している。
上下ベルトVu、Vdは、ラチェット21付きの荷締ベルトであり、ネット6は平行四辺形も考えられるが、4辺の縁を正常に始末のできる長方形に形成され、その長辺の縁を上下ベルトVu、Vdに逢着している。即ち、ネット6の上側縁6uが上ベルトVuに逢着され、ネット6の下側縁6dが下ベルトVdに逢着されている。
【0015】
前記ネット6には多数の編み目があり、その編み目がベルトVの幅程度であるならば、ベルトVを複数箇所でネット6の上下側縁6u、6dの編み目に挿通して、その挿通箇所の近傍でネット6に逢着する。
図2においては、逢着hを5カ所に設けている。
また、ネット6の上下側縁6u、6dを表裏方向に折り曲げて挿通袋を形成し、その挿通袋にベルトVを挿通して、その挿通方向複数箇所で相互に逢着してもよい。
【0016】
図1~2に示すごとく、棚ガード1Aは上下ベルトVu、Vdを長手方向にずらして長方形のネット6を逢着している。従って、上ベルトVuのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から上端部までの距離L1がネット6から下端部までの距離L2より長く、前記下ベルトVdのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から下端部までの距離L3がネット6から上端部までの距離L4より長く設定されることになる。
【0017】
前記上下ベルトVu、Vdの長手方向ずらし量は、2本の棚支柱P1、P2間で架設される傾斜姿勢によって決定される。
図1において、第1棚支柱P1の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具K1u、K1dを設け、第1棚支柱P1と平行な第2棚支柱P2の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具K2u、K2dを設け、第1上固定具K1uと第2上固定具K2uとに上ベルトVuの上下端部を連結し、第1下固定具K1dと第2下固定具K2dとに下ベルトVdの上下端部を連結し、上下ベルトVu、Vdの間隔tを塞ぐように上下ベルトVu、Vdにネット6を装着している。
【0018】
そのように、棚ガード1Aを傾斜姿勢で配置すると、第1棚支柱P1の上部で、上ベルトVuの上端部の直下に下ベルトVdの上端部が位置し、第2棚支柱P2の下部で、上ベルトVuの下端部の直下に下ベルトVdの下端部が位置し、ネット6は長方形から崩れることなく、弛む部位を生じることなく、正常な形状で張られることになる。
上下ベルトVu、Vdの間隔t及びネット6の幅は適宜設定でき、前記第1棚支柱P1の上部高さ及び第2棚支柱P2の下部高さも適宜設定でき、これらの設定により棚ガード1Aの傾斜姿勢が決定されるので、ネット6が弛みのない正常な形状で張られるように、前記上ベルトVuのネット6からベルト上端部までの距離L1、ネット6からベルト下端部までの距離L2、前記下ベルトVdのネット6からベルト上端部までの距離L4、ネット6からベルト下端部までの距離L3が決定される。
【0019】
棚ガード装置2の棚ガード1Bは棚ガード1Aに対して逆傾斜姿勢で配置しており、第2棚支柱P2の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具K1u、K1dを設け、第1棚支柱P1の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具K2u、K2dを設け、第1上固定具K1uと第2上固定具K2uとに上ベルトVuの上下端部を連結し、第1下固定具K1dと第2下固定具K2dとに下ベルトVdの上下端部を連結し、上下ベルトVu、Vdの間隔tを塞ぐように上下ベルトVu、Vdにネット6を装着している。
【0020】
そのように、棚ガード1Bを逆傾斜姿勢で配置すると、第2棚支柱P2の上部で、上ベルトVuの上端部の直下に下ベルトVdの上端部が位置し、第1棚支柱P1の下部で、上ベルトVuの下端部の直下に下ベルトVdの下端部が位置し、ネット6は長方形から形崩れすることなく、弛む部位を生じることなく、正常な形状で張られることになる。
棚ガード装置2には1枚の棚ガード1Aを配置するだけでもよいが、複数枚の棚ガード1Aを上下平行に配置してもよく、前記棚ガード1Bを棚ガード1Aに対してX状に交差配置してもよい。
【0021】
前記棚ガード1Aと棚ガード1Bは、表裏がなければ同一のものを採用できるが、表裏を付けて、左下がり傾斜のものと、右下がり傾斜のものとを別個に形成してもよい。
前記上下ベルトVu、Vdの各上端部には、第1固定具K1u、K1dに回動可能に係合して抜け止めされる上連結金具3uが設けられ、前記上下ベルトVu、Vdの各下端部には、第2固定具K2u、K2dに係合離脱可能な下連結金具3dが設けられている。
【0022】
図1、2に示すように、上連結金具3uは、1つの長円孔uaを形成したアイ形金具である。前記長円孔uaの代わりに大小孔を連続した瓢箪孔でもよい。
下連結金具3dは、連結本体34に大小孔を連続した瓢箪孔を形成し、抜け止め部材30を設けて第2固定具K2u、K2dに着脱可能な端末金具を採用している。
図4~7において、前記下連結金具3dは、第2固定具K2u、K2dの係止部材13を挿通可能な大径孔部32と、この大径孔部32と連通していて嵌合ピン部12bに係合する小径孔部33とを有していて、ベルトVの端末に連結された連結本体34と、この連結本体34に支持されていて小径孔部33に係合した嵌合ピン部12bの抜けを阻止する抜け止め部材30と、この抜け止め部材30を解除位置Rから抜け止め位置Tへ付勢する付勢部材35とを備えている。
【0023】
前記抜け止め部材30は、連結本体34の大径孔部32の外方の支持軸37に回動自在に支持され、抜け止め位置Tで大径孔部32を横切って小径孔部33に至るロック縁30aと、付勢部材35に抗して抜け止め部材30を抜け止め位置Tから解除位置Rへ回動操作する操作部38とを有する。
前記抜け止め部材30は、連結本体34の表裏両面に添接する表裏壁30A、30Bと、この表裏壁30A、30Bの少なくとも一方のロック縁30aから対向側に突出したロック壁30cとを有し、前記付勢部材35は、抜け止め部材30のロック壁30cを大径孔部32に対して小径孔部33側へ付勢するべく、表裏壁30A、30Bの間で大径孔部32内に配置されている。
【0024】
第1固定具K1u、K1d及び第2固定具K2u、K2dは同一構造の固定具Kであって、
図3~8に示されている。
固定具Kは、棚支柱Pに固定される固定台11と、この固定台11から立設されていて連結金具3が嵌合するピン部材12と、このピン部材12の先端側に固定されて連結金具3の離脱を阻止する係止部材13とを有している。
【0025】
前記固定台11は棚支柱Pの正面に当接してボルト固定される中央部11aと、この中央部11aの両端から屈曲して棚支柱Pの側面に当接する側縁部11bとを有し、棚支柱Pに嵌合して廻り止めがなされる。
前記ピン部材12は固定台11に固着される基部12aと、この基部12aより小径で連結金具3が嵌合する嵌合ピン部12bとを有し、前記基部12aの外周と固定台11の表面との間に補強部15を設けている。
【0026】
固定台11を棚支柱Pの正面に嵌合固定した状態では、ピン部材12は固定台11から収納棚装置Eの前面から前方へ突出する姿勢となる。
前記補強部15は直径方向に沿って2枚設けられており、基部12aの外周から径外方向に突出しかつ固定台11の表面に固着されている。
補強部15は基部12aの外周から径外方向に1枚のみを突出したり、十字方向に計4枚突出したりしてもよく、その突出方向は基部12aから上下方向、左右方向でもよく、また、ベルトVから受ける負荷により強力に耐える方向に突出させてもよい。
【0027】
前記ピン部材12の嵌合ピン部12bは複数の連結金具3を回動可能に嵌合する長さMに設定されている。これは、収納棚装置Eの棚支柱Pが3本以上ある場合、内側の棚支柱Pの固定具Kには2本のベルトVが同時に連結される(
図1に仮想線で示す)ことになり、従って、嵌合ピン部12bには2つの連結金具3を同時に嵌合する長さMが必要になる。
【0028】
係止部材13はフランジ13a及び六角頭を有するボルトであり、嵌合ピン部12bに形成されたネジ孔18に螺合される。係止部材13はフランジ13aと六角頭付きボルトとに別個に形成してもよく、フランジ13aは外周面が末広がりテーパ面であり、連結金具3が嵌合し易いようになっている。
前記フランジ13aが連結金具3の抜け止めをするが、下連結金具3dの大径孔部32はフランジ13aを挿通可能な大きさであり、係止部材13を嵌合ピン部12bに螺合したまま、ピン部材12に対して下連結金具3dを嵌合・離脱をすることができる。
【0029】
収納棚装置Eが比較的大型の場合、棚支柱Pの上部の第1固定具K1u、K1dは、地上から人手の届き難い高さにあり、上連結金具3uは着脱を必要としないので、係止部材13によって抜け止め状態が確保できればよく、収納棚Fへの荷物Nの搬入・搬出があるため、下連結金具3dは離脱して棚ガード1をガード解除をしなくてはならない。
棚ガード1をガード解除する場合、上下ベルトVu、Vdは上端を中心に収納棚装置Eの前面に沿って上下に揺動されるので、第1固定具K1u、K1dのピン部材12は固定台11から前方へ突出していることにより、上連結金具3uはピン部材12の廻りで円滑に回動できる。
【0030】
なお、前記固定具Kは、ピン部材12の嵌合ピン部12bの先端にフランジ13a又は円錐状の頭部を一体成形して、ピン部材12と係止部材13と一体にしたものでもよい。
前述した棚ガードの実施形態においては、両端に連結金具3を有する上ベルトVuと、両端に連結金具3を有しかつ上ベルトVuと間隔tをおいて略平行に配置される下ベルトVdと、前記間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdに連結された略矩形状のネット6とを有しており、
前記上ベルトVuのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から上端部までの距離L1がネット6から下端部までの距離L2より長く、前記下ベルトVdのネット6から各端部までの距離Lは、ネット6から下端部までの距離L3がネット6から上端部までの距離L4より長く設定されている。
【0031】
この構成によって、収納棚装置Eの棚支柱P間に傾斜姿勢で装着できる。
また、前記棚ガードの実施形態においては、ネット6の上側縁6uが上ベルトVuに逢着され、ネット6の下側縁6dが下ベルトVdに逢着されている。
この構成によって、荷崩れに耐え得るガードができる。
さらに、前記棚ガードの実施形態においては、ネット6の上側縁6u及び下側縁6dにベルトVを通す挿通目又は挿通袋が形成されている。
【0032】
この構成によって、ネット6と上下ベルトVu、Vdとの連結を確保できる。
前記棚ガード装置実施形態においては、第1棚支柱P1の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具K1u、K1dを設け、第1棚支柱P1と平行な第2棚支柱P2の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具K2u、K2dを設け、第1上固定具K1uと第2上固定具K2uとに上ベルトVuの上下端部を連結し、第1下固定具K1dと第2下固定具K2dとに下ベルトVdの上下端部を連結し、上下ベルトVu、Vdの間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdにネット6を装着している。
【0033】
この構成によって、収納棚装置Eの棚支柱P間に傾斜姿勢でかつ幅広のガードができる。
また、前記棚ガード装置実施形態においては、第2棚支柱P2の上部に上下間隔をおいて一対の第1固定具K1u、K1dを設け、第1棚支柱P1の下部に上下間隔をおいて一対の第2固定具K2u、K2dを設け、第1上固定具K1uと第2上固定具K2uとに上ベルトVuの上下端部を連結し、第1下固定具K1dと第2下固定具K2dとに下ベルトVdの上下端部を連結し、上下ベルトVu、Vdの間隔tを塞ぐべく上下ベルトVu、Vdにネット6を装着している。
【0034】
この構成によって、収納棚装置Eの棚支柱P間にX状の傾斜姿勢でかつ幅広のガードができる。
また、前記棚ガード装置実施形態においては、前記上下ベルトVu、Vdの各上端部には、第1固定具K1u、K1dに回動可能に係合して抜け止めされる上連結金具3uが設けられ、前記上下ベルトVu、Vdの各下端部には、第2固定具K2u、K2dに係合離脱可能な下連結金具3dが設けられている。
【0035】
この構成によって、下連結金具3dを第2固定具K2u、K2dから離脱して、上連結金具3uを第1固定具K1u、K1dに対して円滑に回動でき、棚ガード1のガード解除が容易にできる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0036】
例えば、上下ベルトVu、Vdの上端部に、固定具Kに係合離脱可能な連結金具3dを設けたり、上下ベルトVu、Vdの下端部に固定具Kに回動可能に係合して抜け止めされる連結金具3uを設けたりしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1(1A、1B) 棚ガード
2 棚ガード装置
3 連結金具
3d 下連結金具
3u 上連結金具
6 ネット
6d 下側縁
6u 上側縁
11 固定台
12 ピン部材
12a 基部
12b 嵌合ピン部
13 係止部材
13a フランジ
15 補強部
18 ネジ孔
21 ラチェット
30 抜け止め部材
E 収納棚装置
F 収納棚
K 固定具
K1d 第1下固定具
K1u 第1上固定具
K2d 第2下固定具
K2u 第2上固定具
L(L1、L2、L3、L4) 距離
M 長さ
N 荷物
P(P1、P2) 棚支柱
t 間隔
V ベルト
Vd 下ベルト
Vu 上ベルト