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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091627
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】空気清浄装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20220614BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220614BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20220614BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F24F6/00 B
F24F7/00 A
F24F6/04
F24F13/28
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020204593
(22)【出願日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100177367
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 崇
(72)【発明者】
【氏名】秋元 正寿
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055AA07
3L055BA02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でありながら、加湿された空気を効率よく排出する。
【解決手段】空気清浄装置1において、加湿部本体51は、内部に空間が形成される。第1空気導入部52は、加湿部本体51において排気口17に面するように設けられている。通風部53は、加湿部本体51の内部に形成され第1空気導入部52と連通する。空気導出部54は、通風部53と連通する。第2空気導入部55は、加湿部本体51において排気口17に面するように構成されている。フィルタ収容部56は、加湿部本体51の内部に形成され第2空気導入部55と連通する。フィルタ57は、フィルタ収容部56の内部に配置され、加湿用の流体を含浸可能である。加湿空気導出部58は、フィルタ収容部56と連通する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄部と、
前記空気清浄部に設けられていて、前記空気清浄部の外側に向かう空気を排気する排気口と、
前記排気口の外側に配置され、前記排気口から排気される空気を加湿する加湿部と、
を備える空気清浄装置であり、
前記加湿部は、
内部に空間が形成される加湿部本体と、
前記加湿部本体において前記排気口に面するように設けられている第1空気導入部と、
前記加湿部本体の内部に形成され前記第1空気導入部と連通する通風部と、
前記通風部と連通する空気導出部と、
前記加湿部本体において前記排気口に面するように構成されている第2空気導入部と、
前記加湿部本体の内部に形成され前記第2空気導入部と連通するフィルタ収容部と、
前記フィルタ収容部の内部に配置され、加湿用の流体を含浸可能なフィルタと、
前記フィルタ収容部と連通する加湿空気導出部と、
を有する、
空気清浄装置。
【請求項2】
前記第1空気導入部及び前記第2空気導入部は、前記排気口の開口部分を覆うように構成されていて、
前記加湿空気導出部の開口部分の面積は、前記空気導出部の開口部分の面積よりも大きい、
請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記加湿部は、
前記フィルタ収容部が、筒状に形成されていて、
前記フィルタ収容部に隣接して配置されていて、前記第2空気導入部と前記フィルタ収容部とを連通する流路を形成する筒状の流路部と、
前記流路部のフィルタ収容部側の端部において、前記フィルタ収容部に向かって延びる面を有する整流部と、
前記整流部の前記フィルタ収容部側の端部と前記フィルタ収容部との間に形成されている開口である吹出口と、
を有する、
請求項1または2に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記フィルタは、前記フィルタ収容部の内部において、一部が前記吹出口に面するように配置される、
請求項3に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記空気清浄部は、それぞれ円盤状の上面及び底面と、側面とを有し、かつ軸線を有する円筒状であり、
前記加湿部は、それぞれ前記空気清浄部の上面及び底面と対応した形状である円盤状の上面及び底面と、側面とを有し、かつ軸線を有する円筒状である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気清浄装置として、例えば、空気清浄部の上面に排気口が、側面に側面吸気口がそれぞれ設けられ、空気清浄部の底面に底面吸気口が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6724220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気清浄装置において、清浄された空気を加湿する加湿機能が求められている。
【0005】
しかしながら、従来の空気清浄装置は、加湿機能を有しない装置に対して簡易な構成で加湿機能を付加することが難しいため、この点についてさらなる改善が求められていた。また、従来の空気清浄装置は、清浄及び加湿された空気の送風能力などの効率についてさらなる改善が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、簡易な構成により効率よく清浄された空気を加湿することができる空気清浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気清浄装置は、空気清浄部と、前記空気清浄部に設けられていて、前記空気清浄部の外側に向かう空気を排気する排気口と、前記排気口の外側に配置され、前記排気口から排気される空気を加湿する加湿部と、を備える空気清浄装置であり、前記加湿部は、内部に空間が形成される加湿部本体と、前記加湿部本体において前記排気口に面するように設けられている第1空気導入部と、前記加湿部本体の内部に形成され前記第1空気導入部と連通する通風部と、前記通風部と連通する空気導出部と、前記加湿部本体において前記排気口に面するように構成されている第2空気導入部と、前記加湿部本体の内部に形成され前記第2空気導入部と連通するフィルタ収容部と、前記フィルタ収容部の内部に配置され、加湿用の流体を含浸可能なフィルタと、前記フィルタ収容部と連通する加湿空気導出部と、を有する。
【0008】
本発明の一態様に係る空気清浄装置において、前記第1空気導入部及び前記第2空気導入部は、前記排気口の開口部分を覆うように構成されていて、前記加湿空気導出部の開口部分の面積は、前記空気導出部の開口部分の面積よりも大きい。
【0009】
本発明の一態様に係る空気清浄装置において、前記加湿部は、前記フィルタ収容部が、筒状に形成されていて、前記フィルタ収容部に隣接して配置されていて、前記第2空気導入部と前記フィルタ収容部とを連通する流路を形成する筒状の流路部と、前記流路部のフィルタ収容部側の端部において、前記フィルタ収容部に向かって延びる面を有する整流部と、前記整流部の前記フィルタ収容部側の端部と前記フィルタ収容部との間に形成されている開口である吹出口と、を有する。
【0010】
本発明の一態様に係る空気清浄装置において、前記フィルタは、前記フィルタ収容部の内部において、一部が前記吹出口に面するように配置される。
【0011】
本発明の一態様に係る空気清浄装置において、前記空気清浄部は、それぞれ円盤状の上面及び底面と、側面とを有し、かつ軸線を有する円筒状であり、前記加湿部は、それぞれ前記空気清浄部の上面及び底面と対応した形状である円盤状の上面及び底面と、側面とを有し、かつ軸線を有する円筒状である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易な構成により効率よく清浄された空気を加湿することができる空気清浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る空気清浄装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す空気清浄装置が備える加湿部の構成を概略的に示す正面図である。
図3図1に示す空気清浄装置において空気清浄部から加湿部を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図4図2に示す加湿部の側断面図である。
図5図1に示す空気清浄部の側断面図である。
図6図2に示す加湿部の内部構造を示す平面図である。
図7図2に示す加湿部において、フィルタを取り外した状態を示す平面図である。
図8図2に示す加湿部の底面図である。
図9図2に示す加湿部の上部蓋を取り去った状態を示す斜視図である。
図10図1に示す空気清浄装置において加湿部接続部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る空気清浄装置について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る空気清浄装置1の構成を概略的に示す斜視図である。図2は、空気清浄装置1が備える加湿部50の構成を概略的に示す正面図である。図3は、空気清浄装置において空気清浄部10から加湿部50を取り外した状態を示す分解斜視図である。図4は、加湿部50のX軸方向における側断面図である。
【0016】
以下の説明において、空気清浄装置1の下側、上側、下側、上面、底面とは、図1に示すように、脚部19を介して空気清浄装置1を部屋の底面に設置した状態における方向及び面を意味する。また、以下の説明において、図1における空気清浄装置1の軸線Ax方向をZ軸方向(高さ方向)と定める。また、空気清浄装置1の径方向の一方をX軸方向(左右方向、横方向)、径方向のうちX軸に直交する方向(前後方向)をY軸方向と定める。つまり、+Z軸方向を上側、-Z軸方向を下側、+X軸方向を右側、-X軸方向を左側、+Y軸方向を前側、-Y軸方向を後側となる。
【0017】
以下の説明において、外周側とは径方向において空気清浄装置1の軸線Axから遠ざかる(離れる)方向を意味し、内周側とは径方向において軸線Axに近づく方向を意味する。また、以下の説明において、外側とは、空気清浄装置1の軸線Axから遠ざかる(離れる)方向を意味する。また、以下の説明において、側面とは空気清浄装置1をX軸方向またはY軸方向から見た方向を意味する。
【0018】
図1及び図3に示すように、空気清浄装置1は、空気清浄部10と、空気清浄部10に設けられていて、空気清浄部10の外側に向かう空気を排気する排気口17と、排気口17の外側に配置され、排気口17から排気される空気を加湿する加湿部50と、を備える。図4に示すように、空気清浄装置1において、加湿部50は、加湿部本体51、第1空気導入部52、通風部53、空気導出部54、第2空気導入部55、フィルタ収容部56、フィルタ57、及び、加湿空気導出部58を有する。加湿部本体51は、内部に空間が形成される。第1空気導入部52は、加湿部本体51において排気口17に面するように設けられている。通風部53は、加湿部本体51の内部に形成され第1空気導入部52と連通する。空気導出部54は、通風部53と連通する。第2空気導入部55は、加湿部本体51において排気口17に面するように構成されている。フィルタ収容部56は、加湿部本体51の内部に形成され第2空気導入部55と連通する。フィルタ57は、フィルタ収容部56の内部に配置され、加湿用の流体、例えば、水を含浸可能である。加湿空気導出部58は、フィルタ収容部56と連通する。以下、本発明の一実施の形態に係る空気清浄装置1について説明する。
【0019】
上述したように、空気清浄装置1は、空気清浄機能を有する空気清浄部10と、空気清浄部10が清浄した空気を加湿する機能を有する加湿部50とを備える。
【0020】
[空気清浄部]
図5は、空気清浄部10の側断面図である。
【0021】
図5を参照しつつ、空気清浄部10について説明する。図5に示すように、空気清浄部10は、装置本体11と、側面吸気口15と、底面吸気口16と、排気口17と、脚部19と、フィルタ20と、シロッコファン30と、ガイド37と、排気ダクト40と、吸気ダクト45とを有する。
【0022】
空気清浄部10において、装置本体11は、それぞれ円盤状の上面12及び底面13を有する。また、装置本体11は、軸線Axを中心とした円筒状の側面14を有する。
【0023】
側面吸気口15は、装置本体11の円筒状の側面14に設けられている。側面吸気口15は、吸気ダクト45に連通する。また、側面吸気口15は、側面14の周方向全域(360°全域)にわたって設けられた複数の吸気口部分15aを有する。
【0024】
底面吸気口16は、装置本体11の底面13に設けられている。底面吸気口16は、吸気ダクト45に連通する。
【0025】
排気口17は、装置本体11の上面12に設けられている。排気口17は、排気ダクト40に連通する。
【0026】
脚部19は、装置本体11の底面13に設けられている。空気清浄装置1は、脚部19を介して床面に設置することができる。
【0027】
フィルタ20は、装置本体11の下方部分に形成された吸気ダクト45内に配置されている。フィルタ20は、円筒状である。フィルタ20は、円筒状の側面フィルタ21と、平坦状の底面フィルタ22とを有する。
【0028】
シロッコファン30は、装置本体11内に配置されている。シロッコファン30は、モータ35により駆動される。モータ35は、カバー35aに覆われている。モータ35には、回路基板34から電流が供給される。
【0029】
シロッコファン30は、椀型または略椀型形状のガイド37により囲まれている。シロッコファン30により径方向外周側(横方向)へ生じる空気の流れ(以下、「空気流」という。)は、ガイド37により案内される。ガイド37により案内された空気流は、ガイド37に連結された排気ダクト40に導かれる。排気ダクト40は、例えば、円周状に形成された流路を含む。流路は、モータ35のカバー35aの外周に円周状に延びている。排気ダクト40の流路には、複数の空気流を案内する羽根が設けられている。
【0030】
シロッコファン30は、回転軸30a、天板31、ファン羽根32、及び、側板33を有する。天板31は、下面が径方向外方に向かって上方へ傾斜している。天板31は、シロッコファン30により生成された空気流を上方に位置する排気ダクト40側へ効果的に導くことができる。側板33は、天板31に連結されている。ファン羽根32は、天板31と側板33に連結された複数の羽根である。ファン羽根32は、回転軸30aに対して外方へ向かうにつれて時計方向に傾斜している。
【0031】
排気ダクト40は、案内羽根が回転軸30aに対して外方に向かうにつれて反時計方向に傾斜している。つまり、回転軸30aに対するシロッコファン30のファン羽根32の傾斜方向が、排気ダクト40の案内羽根の傾斜方向に対して反対側を向いている。このため、シロッコファン30のファン羽根32により生じた空気流を排気ダクト40の案内羽根により効果的に上面12の排気口17側へ導くことができる。
【0032】
空気清浄部10において、側面吸気口15から流入する空気流は、側面フィルタ21のフィルタシートを通過する。このとき、空気中の粒子がフィルタシートにより捕捉される。空気流は、多数の開口をもつ側面フィルタ21の内側部分内を通過し、この間、空気中の粒子が内側部分により捕捉される。同様に、底面吸気口16から流入する空気流は、底面フィルタ22を通過する。このとき、空気中の粒子が底面フィルタ22により捕捉される。側面フィルタ21は、ウイルスに対応したフィルタ、あるいは活性炭フィルタなど、用途に応じて適宜に交換することができる。
【0033】
空気清浄部10において、空気中の粒子が除去されて清浄化された空気流は、シロッコファン30からガイド37を経て排気ダクト40を通り、装置本体11の上面12に設けられた排気口17から外方へ排出される。
【0034】
以上の構成により、空気清浄部10は、側面の側面吸気口15と底面吸気口16から装置本体11の吸気ダクト45内に取り入れた空気をフィルタ20により清浄化した後、シロッコファン30、排気ダクト40を経て排気口17から外方へ排出する。
【0035】
[加湿部]
図6は、加湿部50の内部構造を示す平面図である。また、図7は、加湿部50において、フィルタ57を取り外した状態を示す平面図である。また、図8は、加湿部50の底面図である。
【0036】
図1図2図4図6図7、及び、図8を参照しつつ、加湿部50について説明する。加湿部50は、上述した加湿部本体51、第1空気導入部52、通風部53、空気導出部54、第2空気導入部55、フィルタ収容部56、フィルタ57、及び、加湿空気導出部58に加えて、上部蓋59、流路部61、整流部62、及び、吹出口63を備える。
【0037】
加湿部50において、加湿部本体51は、軸線Axを中心とした側面510の内周側に空間Sを有する円筒状または略円筒状に形成されている。加湿部本体51は、上端部513側の開口面(上面513a)、及び、下端部514側の開口面(底面514a)が、円盤状である。上面513a及び底面514aの形状(寸法)は、それぞれ空気清浄部10の上面12及び底面13と対応している。このため、加湿部50は、図1及び図3に示すように空気清浄部10の上側に搭載することができる。加湿部本体51は、加湿部50の全体的な形状を定めている。
【0038】
加湿部本体51は、上端部513及び下端部514により空間Sが外部に開放されている。つまり、加湿部本体51は、軸線Ax方向において空間Sと外部とが連通している。加湿部本体51の空間Sには、第1空気導入部52、通風部53、空気導出部54、第2空気導入部55、フィルタ収容部56、フィルタ57、加湿空気導出部58、流路部61、整流部62、及び、吹出口63が収容されている。
【0039】
加湿部本体51は、側面510に周面開口部511、及び、凹部512が設けられている。周面開口部511は、側面510の上端部513側に設けられている多数の孔である。周面開口部511は、加湿部本体51の空間Sと外部とを径方向において連通する。凹部512は、側面510の下端部514側において、側面510の一部分を内周側に向かって切り欠くように設けられている。凹部512が設けられていることで、図1に示すように空気清浄部10の上部に加湿部50が取り付けられている状態において、加湿部本体51が空気清浄部10の操作部18を操作することができる。
【0040】
図4及び図8に示すように、第1空気導入部52は、加湿部本体51の下端部514に設けられている。このため、第1空気導入部52は、空気清浄部10の上に加湿部50が設置されている使用状態において、排気口17を覆うように面する。
【0041】
図4図6から図8に示すように、通風部53は、加湿部本体51の内部において、第1空気導入部52と空気導出部54との間を連通する筒状の部位である。通風部53の形状は、平面視において、円弧状または略円弧状に形成されている。通風部53は、軸線Ax方向に延びる外壁部531と内壁部532との間に形成されている空間S2が、第2空気導入部55とフィルタ収容部56とを連通する流路を形成する。なお、通風部53の形状は、加湿部本体51の下端部514と上端部513とを連通することができればよく、上述した形状に限定されない。
【0042】
空気導出部54は、加湿部本体51の上端部513に設けられている。第1空気導入部52及び空気導出部54は、通風部53と連通する開口部分である。
【0043】
図4及び図8に示すように、第2空気導入部55は、径方向において第1空気導入部52と隣接して配置されている。第2空気導入部55は、第1空気導入部52と同様に、加湿部本体51の下端部514に設けられている。このため、第2空気導入部55は、空気清浄部10の上に加湿部50が設置されている使用状態において、排気口17を覆うように面する。
【0044】
図9は、加湿部50の上部蓋59を取り去った状態を示す斜視図である。
【0045】
図4から図7、及び図9に示すように、フィルタ収容部56は、加湿部本体51の側面510の内周側の壁面が外周壁部561となる。また、フィルタ収容部56は、外周壁部561の内周側に周面形状の内周壁部562が形成されている。フィルタ収容部56は、加湿部本体51の下端部514に底部563が形成されている。つまり、フィルタ収容部56は、加湿部本体51の内部の空間Sにおいて、有底の筒状に形成されている。フィルタ収容部56は、底部563にフィルタ57の長手方向の側面を接することで、フィルタ57を配置することができる。フィルタ収容部56は、流路部61、整流部62、及び、吹出口63を介して第2空気導入部55と連通する。また、フィルタ収容部56は、注水部64とも連通する。
【0046】
流路部61は、軸線Ax方向に延びる筒状の部位である。流路部61は、径方向において、フィルタ収容部56の内周壁部562の内周側に設けられていて、フィルタ収容部56に隣接して配置されている。流路部61には、内周壁部562のさらに内周側に流路内周壁部611が形成されている。流路部61は、軸線Ax方向に延びる内周壁部562と流路内周壁部611との間に形成されている空間S2が、第2空気導入部55とフィルタ収容部56とを連通する流路を形成する。
【0047】
図4に示すように、整流部62は、流路部61のフィルタ収容部56側の端部612に設けられている。整流部62は、端部612からフィルタ収容部56、つまり外周側に向かって斜め上側に所定の角度が設けられて延びる面を有する。整流部62は、平面視において、扇形または略扇形状に形成されている。なお、整流部62の面が斜め上側に延びる上記所定の角度は、90°から180°の間の角度で設定することが望ましい。
【0048】
吹出口63は、整流部62のフィルタ収容部56側の端部621とフィルタ収容部56との間に形成されている。吹出口63は、フィルタ収容部56の内周側の内周壁部562の上側に設けられている。吹出口63は、内周壁部562において、軸線Ax方向が短手方向となり周方向が長手方向となる開口である。吹出口63には、下端部631から整流部62の端部621に向かって軸線Ax方向に延びる支柱部632が所定の間隔で複数個(例えば、5個)設けられている。
【0049】
注水部64は、加湿部本体51の内部の空間Sにおいて、流路内周壁部611の内周側に設けられている。注水部64は、軸線Axを中心とした有底の円筒状または略円筒状に形成されている。注水部64は、円筒状または略円筒状に形成されている部分の一部が外周側に延びてフィルタ収容部56と連通する連通路部65となっている。注水部64とフィルタ収容部56とが連通していることで、注水部64に注いだ水がフィルタ収容部56に流れてフィルタ57に水を含ませることができる。このように構成されていることにより、空気清浄装置1によれば、フィルタ57を外す、あるいは、加湿部50を空気清浄部10から取り外すことなく、フィルタ57への注水を容易に行うことができる。
【0050】
フィルタ57は、水を含浸することができるように、多孔質、例えばメッシュ状に形成された繊維材料である。フィルタ57は、例えば短手方向の側面の長さがフィルタ収容部56の軸線Ax方向の長さよりもわずかに短い。また、フィルタ57は、長手方向の長さが、フィルタ収容部56の周方向の長さに収めることができればよい。フィルタ57の長手方向の長さは、例えば、フィルタ収容部56の周方向の長さフィルタ収容部56の内部において周方向の両端部で折り返して収容するのに十分な長さであってもよい。フィルタ57は、フィルタ収容部56の内部において、上端部513側の一部が吹出口63に面するように配置される。なお、フィルタ57の短手方向及び長手方向の長さは、上述した例には限定されない。また、図4において、フィルタ57の形状は図示を省略している。
【0051】
加湿空気導出部58は、フィルタ収容部56と連通し、フィルタ収容部56に配置されているフィルタ57を通過した空気が外部に排出される部位である。加湿空気導出部58は、フィルタ収容部56の上側の端部であり、加湿部本体51の上端部513でもある。
【0052】
図7に示すように、加湿空気導出部58の開口部分の面積は、空気導出部54の開口部分の面積よりも大きい。また、図8に示すように、第2空気導入部55の開口部分の面積は、第1空気導入部52の開口部分の面積よりも大きい。
【0053】
加湿空気導出部58から排出されるフィルタ57を通過した空気は、水分が含浸されているフィルタ57を通過するため、空気導出部54から排出される空気よりも抵抗が大きい。このため、空気清浄装置1において、加湿するための空気を導入するために設けられている第2空気導入部55の開口部分の面積を第1空気導入部52の開口部分の面積を大きくすることで、フィルタ57を通過する空気の量を確保する。
【0054】
空気清浄装置1において、加湿された空気を排出するために設けられている加湿空気導出部58の開口部分の面積を空気導出部54の開口部分の面積を大きくすることで、フィルタ57を通過した空気を十分に外部に排出可能にする。このように、空気清浄装置1によれば、加湿空気導出部58から排出される加湿された空気と空気導出部54から排出される空気との排出量の配分を適正化し、効率よく清浄された空気を加湿することができる。
【0055】
図8に示すように、加湿部本体51の底部において、軸線Axを中心とする位置には、加湿部接続部材80を挿入するための接続部材取付部66が設けられている。接続部材取付部66は、加湿部接続部材80を挿入することができるように、加湿部接続部材80の外径及び高さよりも大きい凹部である。空気清浄装置1において、空気清浄部10の上に加湿部50を設置する際には、空気清浄部10の軸線Axの上にある接続部材取付部66に加湿部接続部材80を取り付けた上で、加湿部50の接続部材取付部66と加湿部接続部材80とを接続する。
【0056】
図10は、空気清浄装置1において加湿部接続部材80を取り外した状態を示す斜視図である。図10に示すように、空気清浄装置1において、加湿部50を取り付けない場合に、接続部材取付部66には加湿部接続部材80に換えてキャップ81を取り付けることで、加湿機能を有しない装置としても利用可能である。また、加湿部50を有しない空気清浄部10のみの装置として空気清浄装置1を用いている場合においても、空気清浄部10の上部に加湿部50を載置するという簡易な構成により、加湿機能を付加することができる。すなわち、空気清浄装置1において、加湿部50は、空気清浄部10の上部に対して着脱可能に構成されている。
【0057】
以上説明したように、空気清浄装置1は、加湿部本体51においてそれぞれ排気口17に面するように設けられている第1空気導入部52及び第2空気導入部55を有する。このように構成されていることにより、空気清浄装置1によれば、第1空気導入部52から通風部53に流れる清浄された空気と、第2空気導入部55からフィルタ収容部56に配置されている加湿用の流体(水)が含浸されたフィルタ57を通過して加湿された空気とがともに効率よく外部に排出される。
【0058】
特に、空気清浄装置1において、水が含浸されているフィルタ57を通過させる空気は、排気口17に直接的に面している第2空気導入部55から流路部61、整流部62、及び、吹出口63を介してフィルタ57に導かれて加湿される。つまり、空気清浄装置1において、第2空気導入部55から加湿空気導出部58に至る空気の流路は、加湿されない空気が排出される第1空気導入部52から空気導出部54に至る流路から隔絶され独立した流路である。このため、空気清浄装置1によれば、清浄された空気を十分にフィルタ57に導くことができるため、効率よく加湿することができる。
【0059】
また、空気清浄装置1において、フィルタ57を通過させない空気は、排気口17に直接的に面している第1空気導入部52から通風部53を介して空気導出部54に導かれて排出される。空気清浄装置1において、第1空気導入部52から空気導出部54に至る空気の流路は、加湿される空気が排出される第2空気導入部55から加湿空気導出部58に至る流路から隔絶され独立した流路である。つまり、空気清浄装置1において、空気清浄部10から排出される清浄された空気の一部は、加湿せずに外部に排出されるため、装置全体としての空気の送風能力を維持することができる。
【0060】
従って、空気清浄装置1によれば、加湿部50に送風機能を有しない簡易な構成でありながら、加湿された空気を効率よく外部に排出することができる。
【0061】
空気清浄装置1において、第1空気導入部52及び第2空気導入部55は、それぞれ排気口17の開口部分を覆うように構成されている。また、加湿空気導出部58の開口部分の面積は、空気導出部54の開口部分の面積よりも大きい。このように構成されていることにより、空気清浄装置1によれば、加湿された空気の流量を確保することができるため、加湿部50に送風機能を有しない簡易な構成でありながら、加湿された空気を効率よく外部に排出することができる。
【0062】
空気清浄装置1において、流路部61、整流部62、及び、吹出口63を有し、フィルタ57が、フィルタ収容部56の内部において、吹出口63に面するように配置される。このため、整流部62は、空気清浄装置1の下方から上方に向かう空気の向きを、周方向外側に設けられているフィルタ57に向けて整流する。このように構成されていることにより、第2空気導入部55から取り込まれた空気が効率よくフィルタ57に導かれる。フィルタ57に導かれた空気は、フィルタ57からの水分を含んで加湿されて外部に排出される。このため、空気清浄装置1によれば、簡易な構成でありながら、加湿された空気を効率よく外部に排出することができる。
【0063】
空気清浄装置1において、加湿部50は、送風機能を有さず、空気清浄部10の上方に載置するという簡易な構成であるため、空気清浄部10と分離してフィルタ収容部56などの装置本体11の内部の空間Sを容易に洗浄することができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る空気清浄装置に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0065】
1…空気清浄装置、10…空気清浄部、11…装置本体、12…上面、13…底面、14…側面、15…側面吸気口、15a…吸気口部分、16…底面吸気口、17…排気口、18…操作部、19…脚部、20…フィルタ、21…側面フィルタ、22…底面フィルタ、30…シロッコファン、30a…回転軸、31…天板、32…ファン羽根、33…側板、34…回路基板、35…モータ、35a…カバー、37…ガイド、40…排気ダクト、45…吸気ダクト、50…加湿部、51…加湿部本体、52…第1空気導入部、53…通風部、54…空気導出部、55…第2空気導入部、56…フィルタ収容部、57…フィルタ、58…加湿空気導出部、59…上部蓋、61…流路部、62…整流部、63…吹出口、64…注水部、65…連通路部、66…接続部材取付部、80…加湿部接続部材、81…キャップ、510…側面、511…周面開口部、512…凹部、513…上端部、513a…上面、514…下端部、514a…底面、531…外壁部、532…内壁部、561…外周壁部、562…内周壁部、563…底部、611…流路内周壁部、612…端部、621…端部、631…下端部、632…支柱部
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10