(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091706
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】キャップを切削するための切削装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B26D 3/08 20060101AFI20220614BHJP
B65D 41/34 20060101ALI20220614BHJP
B26D 7/02 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B65D41/34 100
B26D7/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021195397
(22)【出願日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】102020000029525
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ペナッツィ,ダヴィデ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャップに施されている切削の正しい位置を確保する。
【解決手段】カプセルを切削するための装置は、スピンドルと共に回転可能な係合部を備え、係合部は、キャップの内側突出部に周方向で当接するための軸方向に突出した突起部と、キャップの内側中央領域に当接するための接触面とを備え、接触面と当接面とは、キャップを切削するための切削デバイスに対して位置調整角度配向構成と、軸方向の保持構成とをとるように移動可能である。内側突出部が、キャップの側壁に設けられた周方向の刻み目に対して予め設定された角度位置を有するキャップが開示されている。突起部を突出部上の周方向の当接に導くステップと、接触面を内側中央領域に対する軸方向の当接に導くステップと、切削デバイスによってキャップに刻み目を入れるステップとを備える、キャップを切削する方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ(1)を切削するための切削装置であって、
前記キャップ(1)によって移動可能な前進経路と、
前記前進経路上に配置された切削ゾーン(40,50)と、
前記前進経路に沿って移動可能で、かつ、回転軸(R)周りに回転可能であり、前記回転軸(R)周りで前記キャップ(1)を回転させるようになっているスピンドル(2)と、
前記スピンドル(2)とともに前記前進経路に沿って移動可能である支持体(3)であって、前記キャップ(1)が前記支持体(3)と前記スピンドル(2)との間で保持可能であるようになっている前記支持体(3)と、
前記スピンドル(2)が前記切削ゾーン(40,50)にあるときに、前記キャップ(1)に刻み目を形成するための切削デバイス(4,5)と
を備え、
前記スピンドル(2)は、前記支持体(3)上に配置された前記キャップ(1)と接触して相互作用するように前記支持体(3)に面する係合部(22,24)を備え、
前記係合部(22,24)は、前記スピンドル(2)とともに回転可能であり、
前記係合部(22,24)は、前記係合部(22,24)の周辺領域から前記支持体(3)に向かって、前記回転軸(R)に関連して意図される軸方向に突出する突起部(21)を備え、
前記突起部(21)は、前記キャップ(1)の向きを前記切削デバイス(4,5)に対して合わせるために、前記キャップ(1)と前記スピンドル(2)との間の相対的な回転を予め設定された位置で停止させるように、前記回転軸(R)に関連して意図される周方向の当接方向において、前記キャップ(1)の一部と当接するようになっている少なくとも1つの当接面(21a,21b)を備え、
前記係合部(22,24)は、前記キャップ(1)に接触でき、前記キャップ(1)を前記支持体(3)上に軸方向に保持できるように、前記係合部(22,24)の中央領域に配置されている接触面(24a)を備え、
前記中央領域は前記回転軸(R)によって横断され、
前記周辺領域は前記中央領域よりも前記回転軸(R)から離れており、
前記接触面(24a)が前記支持体(3)上に前記キャップ(1)を保持せず、前記少なくとも1つの当接面(21a,21b)が、前記周方向の当接方向において、前記キャップ(1)の前記部分に当接している位置調整角度配向構成と、前記接触面(24a)が前記支持体(3)上に前記キャップ(1)を軸方向に保持し、前記少なくとも1つの当接面(21a,21b)が、前記周方向の当接方向において、前記キャップ(1)の前記部分に当接している軸方向保持構成(S)とをとることができるように、前記接触面(24a)と前記少なくとも1つの当接面(21a,21b)とは、互いに対して軸方向に移動可能であることを特徴とする、切削装置。
【請求項2】
前記支持体(3)が前記前進経路から離れた離間位置(D)と、前記支持体(3)が、前記キャップ(1)を前記予め設定された位置に保持できるように、前記前進経路に接近した把持位置(E)とをとる可能性を有し、前記支持体(3)は、前記スピンドル(2)に接近及び離間するように軸方向に移動可能である、請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
前記係合部(22,24)は、前記回転軸(R)に平行な方向に沿って、前記係合部(22,24)が前記前進経路に接近した第1の位置(M)と、前記係合部(22,24)が前記前進経路から離れた第2の位置(L)との間で移動可能である、請求項1又は2に記載の切削装置。
【請求項4】
前記突起部(21)は、細長い、特に長方形の平面形状を有し、前記突起部(21)の大きい方の寸法が前記回転軸(R)に対して半径方向に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項5】
前記スピンドル(2)は、前記支持体(3)からの前記突出部(21)の距離を設定するための調整手段(26a)を備え、前記距離は前記回転軸(R)に沿って取られる、請求項1から4のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項6】
前記接触面(24a)は、前記支持体(3)上の前記キャップ(1)に対して前記接触面(24a)を軸方向に押すために配置された弾性手段(27)を備えたプッシャー要素(24)の端部に配置され、前記接触面(24a)は、湾曲しており、前記プッシャー要素(24)の前記端部に凸面を画定している、請求項1から5のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項7】
前記スピンドル(2)は、前記スピンドル(2)とともに前記回転軸(R)の周りを回転可能なベース体(20)を備え、前記係合部(22,24)は、前記回転軸(R)に沿って前記ベース体(20)に対してスライド可能な把持体(25)上に配置され、前記装置は、前記突起部(21)に、前記突起部(21)が前記把持体(25)に対して前記支持体(3)に向かって軸方向に変位することを可能にするような軸方向の力を及ぼすようになっている弾性手段(28)をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項8】
前記スピンドル(2)は、前記係合部(22,24)の外側にあり、前記回転軸(R)の周りに延びる環状壁(60)を備え、前記環状壁(60)は、前記切削デバイス(4,5)に当接を提供するために配置されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項9】
前記スピンドル(2)は、スリーブ形状であり、前記回転軸(R)の周りに延び、前記スピンドル(2)とともに前記回転軸(R)の周りで回転可能なベース体(20)を備え、前記係合部(22,24)は、前記回転軸(R)に沿って前記ベース体(20)に対してスライド可能な把持体(25)上に配置されており、前記把持体(25)は、前記係合部(22,24)が前記キャップ(1)に接触して前記キャップ(1)を回転させるように、前記ベース体(20)とともに回転可能である、請求項1から8のいずれか1項に記載の切削装置。
【請求項10】
底壁(11)と、前記底壁(11)に隣接し、前記キャップ(1)の長手方向軸(C)の周りに延びる側壁(12)と、保証バンド及び/又はストラップの1つ以上の破断線を定義する少なくとも1つの周方向の刻み目を有する周方向ゾーンと、カップ本体内の前記長手方向軸(C)に平行な方向に沿って前記底壁(11)から突出する突出部(13)とを有するカップ本体を備え、
前記底壁(11)は、内面(11a)と、前記内面(11a)に対向する外面(11b)とを備え、
前記突出部(13)は、前記長手方向軸(C)に対して半径方向に少なくとも1つの水平長さ要素を備えて延びるリブを備え、
前記突出部(13)は、前記底壁(11)の前記内側面(11a)から出ている少なくとも1つの側面(13a,13b)を備え、
前記少なくとも1つの側面(13a,13b)は、前記周方向の刻み目に対して予め設定された角度位置に配置されており、前記長手方向軸(C)を中心にキャップを回転させるようになっているスピンドルの周方向の当接要素として動作するようになっている、キャップ(1)。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の装置と、請求項10に記載のキャップとを提供するステップと、
前記外面(11b)が前記支持体(3)上に当接するように、前記キャップ(1)を前記支持体(3)上に配置するステップと、
前記支持体(3)を前記前進経路に沿って前進させるステップと、
前記スピンドル(2)の前記係合部(22,24)を前記キャップ(1)の前記底壁(11)の前記内面(11a)に接近させるステップと、
前記スピンドル(2)を前記回転軸(R)周りに回転させ、前記スピンドル(2)を前記支持体(3)とともに前記前進経路に沿って前進させ、前記係合部(22,24)が前記スピンドル(2)とともに回転するステップと、
前記キャップ(1)を前記回転軸(R)周りに回転させ、前記キャップ(1)と前記スピンドル(2)との間の相対的な回転を予め設定された位置(S)で停止させるために、前記係合部(22,24)の前記突起部(21)を前記底壁(11)の前記突出部(13)の周方向の当接に導くステップと、
前記キャップ(1)を前記支持体(3)に対して保持するために、前記係合部(22,24)の前記接触面(24a)を、前記内面(11a)の領域に対する軸方向の当接に導くステップと、
前記キャップ(1)を前記切削ゾーン(40,50)に導くステップと、
前記切削デバイス(4,5)によって前記側壁(12)に刻み目を入れるステップと
を備える、キャップを切削するための方法。
【請求項12】
前記係合部(22,24)の前記突起部(21)を前記底壁(11)の前記突出部(13)上の周方向の当接に導くことは、当接面(21a,21b)を前記突出部(13)の側面(13a,13b)上の当接に導くことを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記キャップ(1)の側壁(12)の内側部分を前記スピンドル(2)の環状壁(60)に接触させるステップをさらに備え、
刻み目を入れる前記ステップは、前記側壁(12)を前記環状壁(60)と前記切削デバイス(4,5)との間に位置させることをさらに備える、請求項11又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルなどの容器を閉じるために使用されるタイプの、例えばプラスチック製のキャップ又はストッパを切削するための装置に関するものである。特に、本発明は、キャップの側壁に周方向の刻み目(score)(少なくとも周囲の一部又は全周)を作るための装置に関するものである。作られた刻み目は、キャップ本体において、保証リング(warranty ring)、又は保証リングとキャップの側壁との間の接続部分(ストラップ、又はバンド、又はヒンジなど)を決定でき、又はキャップの他の部分を定義することができる。
【背景技術】
【0002】
互いに角度的に間隔を空けて、それ自体で回転可能である、カルーセルの外周部に組み付けられたスピンドルとキャップ把持手段とを備える、カルーセルタイプ構造(carousel-type structure)を有する装置が知られている。各スピンドルは、それ自体でキャップを回転させ、キャップの側壁に刻み目を入れる又は切削する切削デバイスが配置されている1つ以上のゾーンを通って、円形の前進経路に沿ってキャップを移動させる。
【0003】
切削デバイスは、保証バンド(warranty band)を形成するために、キャップの側壁に弱化線(weakening line)を得ること、又は側壁に水平方向の開口部を得ることが知られている。このようなデバイスによって行われる切削のタイプは、「水平切削(horizontal cut)」としても知られている。
【0004】
保証バンドの弱化領域(weakening area)を得るために、又は保証バンドとキャップ側壁の残りの部分との間の接続部分(ストラップ、ヒンジなど)を定義するために、キャップ軸に対して平行又は傾斜している位置における、予め設定された半径方向の位置でキャップの側壁を切削する又は刻み目を入れるための切削デバイスも知られている。このタイプの切削は、「垂直切削(vertical cut)」とも呼ばれる。
【0005】
キャップの予め設定された半径方向位置において、キャップの側壁に水平切削と垂直又は傾斜切削との両方を実施するように適合された切削デバイスを備える切削装置が知られている。
【0006】
先行技術の切削装置の欠点は、キャップが、予め設定された切削開始又は切削終了の半径方向位置がスピンドル及び切削デバイスと位相を合わせられない誤った初期位置でスピンドルに供給されることである。
【0007】
先行技術の切削装置のさらなる欠点は、特に切削デバイスとの接触時に、スピンドルとキャップとの間でスライドすることである。
【0008】
キャップの誤った初期位置とスライドとは、キャップと切削装置の構成要素との間の同期の喪失を引き起こす。これは、予想されたものとは異なる空間的な位置でキャップに切削が行われることを意味し、最終製品の機能性を低下させる。
【0009】
前述の欠点を克服するために、スピンドルに取り付けられ、側壁の多くの点に対して半径方向に押し付け、キャップをその内側から保持するように形成された半径方向に移動可能な要素を備える把持手段を提供することが知られている。
【0010】
しかし、把持手段は、これらの既知の切削装置を複雑にしている複数の要素から構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、先行技術の切削装置を改良することである。
【0012】
本発明の目的は、先行技術の前述の限界と欠点とを解決することができる、キャップを切削する装置を作ることである。
【0013】
本発明の目的は、キャップに施されている切削の正しい位置を確保することである。
【0014】
本発明の利点は、切削装置に対するキャップの正確な方向付けを可能にすることである。
【0015】
本発明の利点は、キャップと切削装置のスピンドルとの間のスライドを制限又は除去することである。
【0016】
本発明の利点は、ノッチを備えたキャップの製造上の無駄を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの及び他の目的と利点とは、以下に記載された請求項の1つ以上による切削装置によって得られる。
【0018】
一例では、キャップを切削するための装置は、前記キャップが移動可能な前進経路と、前記前進経路上に配置された切削ゾーンと、前記前進経路に沿って移動可能で、かつ、回転軸周りに回転可能であり、前記回転軸周りに前記キャップを回転させるようになっているスピンドルと、前記スピンドルとともに前記前進経路に沿って移動可能である支持体であって、前記キャップが前記支持体と前記スピンドルとの間で保持可能であるようになっている前記支持体と、前記スピンドルが前記切削ゾーンにあるときに、前記キャップに刻み目を形成するための切削デバイスとを備え、前記スピンドルは、特に、前記支持体上に配置された前記キャップと接触して相互作用するように前記支持体に面する係合部を備え、前記係合部は、前記スピンドルとともに回転可能であり、前記係合部は、前記係合部の周辺領域から前記支持体に向かって、前記回転軸に関連して意図される軸方向に突出する突起部を備え、前記突起部は、前記キャップを前記切削デバイスに対して方向付けるために、前記キャップと前記スピンドルとの間の相対的な回転を予め設定された位置で停止させるように、前記回転軸に関連して意図される周方向の当接方向において、前記キャップの一部と当接するようになっている少なくとも1つの当接面を備え、前記係合部は、前記キャップに接触でき、前記キャップを前記支持体上に軸方向に保持できるように、前記係合部の中央領域に配置されている接触面を備え、前記中央領域は前記回転軸によって横断され、前記周辺領域は前記中央領域よりも前記回転軸から離れており、前記接触面が前記支持体上に前記キャップを軸方向に保持せず、前記少なくとも1つの当接面が、前記周方向の当接方向において、前記キャップの前記部分に当接している位相調整(phased)角度配向構成と、前記接触面が前記支持体上の前記キャップを軸方向に保持し、前記少なくとも1つの当接面が、前記周方向の当接方向において、前記キャップの前記部分に当接している軸方向保持構成とをとることができるように、前記接触面と前記少なくとも1つの当接面とは、互いに対して軸方向に移動可能である。
【0019】
一例では、キャップを切削するための方法は、キャップを支持体上に、前記キャップの底壁の外面が支持体に当接するように配置するステップと、前記支持体を前記前進経路に沿って前進させるステップと、前記スピンドルの前記係合部を前記キャップの前記底壁の前記内面に接近させるステップと、前記スピンドルを回転軸周りに回転させ、前記スピンドルを前記支持体とともに前進経路に沿って前進させ、前記係合部が前記スピンドルとともに回転するステップと、前記キャップを前記回転軸周りに回転させ、前記キャップと前記スピンドルとの間の相対的な回転を予め設定された位置で停止させるために、前記係合部の前記突起部を前記キャップの前記底壁の前記突出部の周方向の当接に導くステップと、前記キャップを前記支持体に対して保持するために、前記係合部の前記接触面を、前記キャップの前記内面の中央領域に対する軸方向の当接に導くステップと、前記キャップを切削ゾーンに導くステップと、切削デバイスによって前記キャップの側壁に刻み目を入れるステップとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、いくつかの例示的かつ非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して、よりよく理解及び実施されるものとする。
【
図1】スピンドルの係合部が第1の位置に示され、支持体が離間した位置に示されている、キャップを切削するための装置に設けられたスピンドルと支持体との軸方向の、スピンドルの回転軸を通る平面についての断面図。
【
図2】スピンドルの係合部が第2の位置に示され、支持体が離間した位置に示されている、
図1と同様のスピンドルと支持体との軸方向の断面図。
【
図3】支持体が離間した位置に示され、係合部の突起部がキャップの突出部と同じ高さになっている、
図1と同様のスピンドルと支持体との軸方向の断面図。
【
図4】スピンドルの係合部が第1の位置に示され、支持体が把持位置に示されている、
図1と同様のスピンドルと支持体との軸方向の断面図。
【
図5】矩形の平面投影が強調されている、
図1と同様の係合部のヘッド部の軸方向の断面図、及びヘッド部の下から見た図。
【
図5A】台形の平面突出部が強調されている、ヘッド部の軸方向の断面図、及び下から見た図。
【
図6】突出部が示されている、キャップの長手方向の軸を通る平面についてのキャップの軸方向の断面図、及びキャップの上から見た図。
【
図6A】突出部がキャップの内側要素から離間している、キャップの軸方向の断面図、及び上から見た図。
【
図7】キャップがスピンドルに対して予め設定された位置にある、キャップの長手方向軸とスピンドルの回転軸とを通る平面についての、ヘッド部及びキャップの軸方向の断面図と、キャップの突出部と予め設定された位置の突起部との相対的な位置が強調されている、下からの断面図。
【
図8】キャップの前進経路と切削デバイスとが強調されている、切削装置の一部を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1、2、3、4、4A、5、7及び8を参照すると、ストッパ又はキャップ1を切削する又は刻み目を入れるために配置された切削装置が開示されている。キャップ1は、ボトルなどの容器を閉じるために使用され得る。
【0022】
図を参照すると、例えばプラスチック製の各キャップは、カップ状の本体を有しており、特に、周方向の刻み目が形成される周方向ゾーンを備える。
【0023】
キャップ1は、特に、カップ状の本体の閉じた端部を規定する底壁11を備え、底壁は、互いに対向する内面11aと外面11bとを備える。
図6に示す具体例では、底壁11は、円盤状であり、特に底壁11と直交する縦軸Cが交差する中央領域と、円盤の周縁に近く、中央領域よりも縦軸Cから遠い周辺領域とを備える。キャップ1は、特に、底壁11に隣接し、キャップ1の縦軸Cの周りに、カップ本体の開放端を規定する底壁12の自由端まで延びている側壁12を備える。側壁12は、特に、縦軸Cと同軸の円筒形の側壁であってもよい。このような周方向の刻み目は、キャップ1を、キャップ1の閉鎖端部を備える本体と、キャップの開放環状部を備える保証バンドとに分離することが意図されている。周方向の刻み目は、カプセル上に本体、保証バンド、及び本体と保証バンドとを接続する可能な接続部分、すなわちストラップを規定するために、縦軸Cに対する様々な傾斜に応じてキャップ1上に配置される、複数の分離予定ライン、又は破断ラインを備えてもよい。前述の周方向ゾーンは、特に、側壁12に配置されてもよい。
【0024】
キャップ1は、特に、縦軸Cに平行な方向に沿ってキャップ1の内側の底壁11から突出する突出部13を備えている。突出部13は、キャップ1の内面11aの周辺領域から突出している。突出部13は、縦軸Cに対して半径方向に延びるリブを備える。
【0025】
図、特に
図6を参照すると、突出部13は、縦軸Cに直交する平面上で取られた細長い断面、特に、大きい方の寸法が縦軸Cに対して半径方向に配置されている矩形を有している。
【0026】
突出部13は、底壁11の内面11aから出ている少なくとも1つの側面13a,13bを備える。少なくとも1つの側面13a,13bは、特に、周方向の当接要素として動作するようになっており、キャップ1上の保証バンド及び/又はストラップの1つ以上の破断線を画定するために、周方向の刻み目に対して予め設定された角度位置を有しており、予め設定された角度位置は、それらの破断線が所望の位置で開始及び終了するように、切削デバイスに対してキャップ1を位相合わせするための基準として機能する。
【0027】
突出部13は、切削装置内での切削作業中に、切削装置のスピンドルの表面と接触する複数の面を有しており、そのような当接面によって、以下に開示されるように、キャップをスピンドルに対して所定の半径方向位置、すなわち予め設定された位置、すなわち軸方向保持構成に維持することができる。
【0028】
図6に示す具体例を参照すると、突出部13は直方体の形状を有し、少なくとも1つの側面13a,13bは縦軸Cに平行な平面上に存在する。少なくとも1つの側面13a,13bは、第1の側面13aと第2の側面13bとを備えてもよい。図示しないバージョンでは、少なくとも1つの側面は、キャップの縦軸に対して傾いていてもよい。突出部13は、少なくとも1つの側面13a,13bに隣接する上面13cをさらに備える。上面13cは、特に、平面であってもよく、少なくとも1つの側面13a,13bに面取り部で連結されていてもよい。図示しないバージョンでは、上面13cは、特に湾曲していてもよい。突出部13は、側壁12の高さよりも感覚的に小さい縦軸Cに沿った長さで、高さ方向に垂直に延びている。
【0029】
突出部13は、自由端、すなわち縦軸Cに向けられた中央端と、壁12に向けられた周辺端とをさらに備える。
【0030】
図示しない代替バージョンでは、突出部は、ピン又は横木(rung)形状などの異なる形状を有していてもよい。
【0031】
キャップ1は、特に、カップ本体の内側に配置され、底壁11の内面11aに接続されているシールリング(sealing ring)14などの内側要素をさらに備えてもよい。縦軸Cと同軸の実質的に環状のシールリング14は、カップ1のカップ本体内部の底壁又は壁の内面11aから、側壁12の同じ延長方向に突出しており、換言すると、シールリング14は、側壁12の外径よりも小さい外径を有している。シールリング14は、感覚的には側壁12の高さよりも小さく、感覚的には突出部13の高さよりも大きい縦軸Cに沿った長さで全体的に延びている。シールリング14と突出部13とは、キャップ1のカップ本体の一体部分であってもよい。
図6の具体例を参照すると、突出部13の周辺端は、特にシールリング14に隣接していてもよい。
図6aに示されているさらなる例によれば、突出部13は、特にシールリング14から離間していてもよい。
【0032】
切削装置は、特に、前進方向Tに沿ってキャップ1によって移動され得る前進経路を備える。そのような前進経路は、特に円周の弧を備えてもよく、装置の水平ベースに特に直交する垂直回転軸の周りを回転し、キャップ1を移動させるために配置された複数のスピンドル2及び複数の支持体3を垂直回転軸の周りに回転させる、切削装置に含まれるスピンドルホルダカルーセル(図示せず)の周辺ゾーンに定義されている。
【0033】
各スピンドル2は、対応する支持体3を有する。スピンドル2とそれぞれの支持体3とは、一度に1つのキャップ1と相互作用する。
【0034】
従って、各スピンドル2は、前進方向Tに沿って移動し、その回転軸Rを中心に回転してもよい。そのような回転軸Rは、特に、垂直であってもよい。
【0035】
支持体3は、スピンドル2と共に前進経路に沿って移動してもよく、キャップ1が支持体3とスピンドル2との間に保持されるようになっている。支持体3は、その軸R’に対して回転するように固定されていてもよい。軸R’は、スピンドル2の回転軸Rと平行であり、特に、回転軸Rと同軸である。
【0036】
さらに、支持体3は、軸R’に沿って、又は仮に軸R’と同軸なら同様に回転軸Rに沿って、上昇方向Yに従って、キャップ1をスピンドル2に対して保持するためにスピンドル2に接近するように、及び上昇方向Yとは反対の下降方向Xに従って、スピンドル2から離れるように移動可能である。換言すると、支持体は、支持体が前進経路から離れている離間位置Dと、支持体が、キャップ1を予め設定された位置に保持するために、前進経路に近い把持位置Eとを採用する可能性を有して、スピンドル2に接近し、かつ、スピンドル2から離れるように軸方向に移動可能である。
【0037】
スピンドル2は、キャップ1がそれぞれの支持体3によって支持されている間に、キャップ1と相互作用し、回転軸Rと同軸の回転軸を中心に回転するようにキャップ1を導くように形成されている。以下に詳述するように、スピンドル2は、使用時に、スピンドル2に対するキャップ1の予め設定された位置での回転を停止させ、スピンドル2に対してキャップ1を方向付けるために、突出部13に当接するように形成されている。それにより、各キャップ1は、突出部13に対する側壁12の予め設定された位置で、切削作業を行うことができるように、スピンドル2とそれぞれの支持体3との間に保持されている。
【0038】
切削装置1は、切削装置1が動作している間に、スピンドル2と支持体3とによって到達され、交差される切削ゾーン40,50を備えてもよい。切削ゾーン40,50は、特に、切削装置1の動作中にスピンドル2と支持体3とによって到達及び横断される水平切削ゾーン40及び垂直切削ゾーン50(
図8)を備えてもよい。切削装置1は、切削ゾーン40,50の下流に、図示されていない入口又は供給ゾーン、及び排出ゾーンをさらに備える。
【0039】
切削デバイス4,5は、保証バンド及び/又はストラップのためにキャップに破断線を作るために、キャップ1に水平及び/又は垂直及び/又は斜めのカットを備える円周方向の刻み目を実行するために配置されている少なくとも1つのブレードを備えてもよい。少なくとも1つのブレードは、スピンドル2に対して予め設定された位置を有しており、少なくとも1つのブレードの予め設定された点が常にスピンドル2の予め設定された点にあるようになっている。換言すると、切削デバイス4,5は、スピンドル2と同期している、すなわち位相が合っている。
【0040】
図8を参照すると、キャップ1が水平切削ゾーン40にあるとき、キャップ1は、切削装置の固定切削デバイス4、特に、キャップ1の縦軸Cに直交する平面に平行な第1の水平方向に従って、そのようなキャップ1の刻み目を提供する水平切削ブレード又はナイフと相互作用する。
【0041】
水平切削ゾーン40は、前進方向Tに沿った前進経路上で、供給ゾーンの下流にある。
【0042】
キャップ1が垂直切削ゾーン50にあるとき、切削装置1の垂直切削デバイス5は、キャップ10の縦軸Cの方向に実質的に平行な方向に従って、そのようなキャップ1に1つ以上の刻み目、すなわち1つ以上の垂直刻み目を作ることを提供する。
【0043】
従って、叙述されているバージョンでは、垂直切削ゾーン50は、前進経路上で、水平切削ゾーン40の下流にある。叙述されていないバージョンでは、垂直切削ゾーン50は、キャップ1の前進経路の始点に配置されてもよく、この場合、垂直切削デバイス5は、水平切削デバイス4が作用する前に、キャップ1に1つ以上の垂直刻み目を作成する。叙述されていない他のバージョンでは、水平切削ゾーンは、前進経路の始点にある第1の水平切削ゾーンと、前進経路の終点に近いところにある第2の水平切削ゾーンとの互いに離間した2つの水平切削ゾーンに分割されてもよく、従って、2つの水平切削デバイスが設けられ、各デバイスはそれぞれの水平切削ゾーンに配置される。このバージョンでは、切削デバイスは、キャップに1つ以上の垂直刻み目を作成するために、2つの水平切削ゾーンの間に配置され、この場合、カット刻み目のシーケンスは、少なくとも1つの水平カット、次に1つ以上の垂直刻み目、そして再び少なくとも1つの追加の水平カットを備える。2つの水平カットは、キャップ上では認識されないかもしれないが、両方とも保証バンドを定義する弱化線を形成している。
【0044】
スピンドル2は、特に、支持体3上に配置されているキャップ1と相互作用するように、支持体3に面した係合部22,24を備える。そのような係合部22,24は、回転軸Rを中心にスピンドル2と共に回転可能である。係合部22,24はさらに、回転軸Rに平行な方向に従って、下降方向Xに沿って支持体3に近づくように移動し、方向Yに沿って支持体3から遠ざかるように移動するように移動可能である。換言すると、係合部22,24は、係合部22,24が前進経路に近い第1の位置Mと、係合部が前進経路から遠い第2の位置Lとの間で移動可能である。
【0045】
係合部22,24は、特に、キャップ1を支持体3上に接触させて軸方向に保持するように、係合部22,24の中央領域に配置されている接触面24aを備え、ここで、「軸方向」は回転軸Rに関して意図されている。接触面24aは、特に、キャップ1の底壁11の内面11aに接触するように配置されている。係合部22,24の中央領域は、軸Rによって横断されている。接触面24aは、回転軸Rに沿って係合部22,24に対してさらに移動可能である。
【0046】
図1から
図4に示されている具体例では、接触面24aは、縦軸が回転軸Rに沿って延びる円筒形状を有するプッシャー要素24上に得られている。接触面24aは、特に、支持体3に面するプッシャー要素24の端部に配置されている。接触面24aは、湾曲しており、プッシャー要素24の端部に凸面を画定している。このような凸面は、プッシャー要素24からキャップ1への回転運動の伝達を回避又は制限するために、プッシャー要素24とキャップ1との間に、可能な限り点状である接触領域を形成する機能を有する。プッシャー要素24は、回転軸Rに沿って移動可能である。プッシャー要素24は、動作中に、接触面24aをキャップ1に対して押し付けるための弾性手段27を有する。弾性手段27は、特に、ばねのような弾性要素を備えてもよい。
【0047】
係合部22,24は、特に、回転軸Rに平行な方向に沿って、係合部22,24の周辺領域から支持体3に向かって軸方向に突出する突起部21を備える。係合部22,24の周辺領域は、係合部22,24の中央領域と回転軸Rとの間の距離よりも大きい軸からの距離に配置されている。換言すると、周辺領域は中央領域に対して回転軸Rから遠い。
【0048】
特に
図5を参照すると、突起部21は、突起部21の大きい方の寸法が回転軸Rに対して放射状に配置されている細長く、特に長方形である、平面断面、すなわち直交平面R上で取られた断面を有している。
【0049】
突起部21は、キャップを切削デバイス4,5に対して方向付けするように、キャップ1とスピンドル2との間の相対的な回転を予め設定された位置で停止させるために、周方向に当接する方向でキャップ1の一部に当接するように構成された少なくとも1つの当接面21a,21bを備え、ここで、「周方向」とは、回転軸に関して意図されている。
【0050】
少なくとも1つの当接面21a,21bは、回転軸Rに平行な平面上にあってもよい。突起部21は、特に、支持体3に面する下面21cをさらに備えてもよい。上面21cは、特に、平面であって、少なくとも1つの当接面21a,21bに面取りされた部分で連結されていてもよい。図示されていないバージョンでは、下部21cは、特に湾曲していてもよい。少なくとも1つの当接部21a,21bは、特に、第1の当接面21aと、第1の当接面21aとは反対側の第2の当接面21bとを備えてもよい。特に、少なくとも1つの当接面21a,21bは、キャップ1の回転がスピンドル2の回転と同期している所定の位置Sにおいて、回転軸Rを中心としたスピンドル2(又は対応する係合部22,24)の回転中に、キャップ1の少なくとも1つの側面13a,13bに接触するように配置されている。
【0051】
特に
図5aを参照すると、突起部21は、台形の平面形状を有していてもよい。回転Rに対する少なくとも1つの壁21a,21bの傾斜は、使用時に、少なくとも1つの壁21a,21bと、キャップ1の少なくとも1つの側面13a,13bとの間の最適な当接域を得るように選択されてもよい。
【0052】
図7の具体例では、キャップ1に対するスピンドル2の予め設定された位置Sにおいて、スピンドル2及びキャップ1を上から見ると、キャップ1に対するスピンドル2の回転方向が時計回りであるため、第2の当接面21bが第1の側面13aに接触している。あるいは、図示しない予め設定された位置では、スピンドル2が反時計回りに回転し、第1の当接面21aがキャップ1の第2の側面13bに接触する。
【0053】
接触面24aと少なくとも1つの当接面21a,21bとは、接触面24aがキャップ1を支持体3に保持せず、少なくとも1つの当接面21a,21bがキャップ1の部分に周方向の当接方向に当接する、位相調整角度配向構成をとるように、互いに軸方向に移動可能である。
【0054】
さらに、接触面24a及び少なくとも1つの当接面21a,21bは、接触面24aがキャップ1を支持体3上に軸方向に保持し、当接面21a,21bがキャップ1の部分に周方向の当接方向に当接したままである、軸方向保持形態Sをとってもよい(
図4及び7)。
【0055】
換言すると、切削装置の動作時には、支持体3が前進経路を進む間、キャップ1は、底壁11の外面11bを支持体3上に載置した状態で支持体3上に配置されている。スピンドル2が係合部22,24と一体に回転して前進経路を進む間、係合部22,24はキャップ1の底壁11の内面11aに接近する。スピンドル2が支持体3に接近する間、切削装置は、
図2に示す構成と同様に、突起部21がキャップ1の突出部13と「同一平面」にある、すなわち、突起部21の下面21cが、キャップ1の突出部13の上面13cと、回転Rに沿って測定して、同じ高さにある。係合部22,24は、下降方向Xに軸方向に下降する間、回転軸Rを中心に回転し続ける。突出部13に周方向に当接するために、突起部21は、直ちに、回転軸Rを中心に1回転以下の回転を行わなければならない。突起部21の少なくとも1つの当接面21a,21bが突出部13に周方向に当接し、接触面24aがキャップ1を保持しなくなると、位相調整角度配向構成に到達する。係合部22,24は下降を続け、接触面24aをキャップ1の内面11aに対して接触させ、接触面24aがキャップ1を支持体3に対して保持し、同時に、少なくとも1つの当接面21a,21bが突出部13に当接し、軸方向保持構成、又は適宜予め設定された位置Sに到達する。それにより、キャップ1は、スピンドル2及び切削装置4,5に対して位相が合わされる。
【0056】
このような突出部13は、周方向の刻み目の角度基準として機能する。実際、周方向の刻み目の意図された分離ラインは、キャップ1の側面12上の予め設定された角度距離に従って配置されており、この角度距離は、回転軸Rを基準として、突出部13に対する角度距離として測定され得る。スピンドル2の回転と、前進経路におけるスピンドル2の前進とは、特に機械的な伝達によって切削デバイス4,5と同期しているので、一旦キャップ1がスピンドル2と同期すると、キャップ1は切削デバイス4,5と同期される。
【0057】
突起部21は、支持体3に面した係合部22,24のヘッド面23から垂直下方に突出している。ヘッド面23は、環状の形状、すなわち、小さい直径と大きい直径を有する円形のクラウンを有し、係合部分22,24の周辺領域に位置している。
【0058】
図の具体例では、ヘッド面23は、接触面24aに対して外側に配置されている。接触面24aの直径は、ヘッド面23の小さい直径よりも小さく、そのような直径は、回転軸Rに直交する平面上で測定される。
図1から
図4及び
図7を参照すると、接触面が軸方向の保持構成Sにあるとき、ヘッド面23は接触面24aよりも大きい垂直方向の高さに配置され、下面21cは接触面24aよりも大きい垂直方向の高さに配置されており、高さは回転軸R上で測定される。
【0059】
プッシャー要素24は、特に、回転軸R上で引っ込んだ位置に配置されてもよく、すなわち、接触面は、
図3で到達した高さよりも大きい垂直高さに達してもよい。このような引っ込んだ位置は、特に、スピンドル2が、例えばサンバースト配列(sunburst arrangement)の内側補強要素を備えたキャップ、及び/又は、底壁の中央領域が底壁の周辺領域の厚さよりも大きい厚さを有する成形パネルと相互作用するときに提供される。
【0060】
使用時、係合部22,24がキャップ1と係合しているとき(
図2、3、4、及び7)、ヘッド面23は突出部13の上面13cよりも高い高さにあり、突起部21の下面21cはキャップ1の内面11aよりも高い高さにあり、動作中、突起部21はそれによってキャップ1の内面11aと干渉せず、一方、少なくとも1つの当接面21a,21bは少なくとも1つの側面13a,13bと接触する。
【0061】
スピンドル2は、特に、回転軸Rを中心に延びるスリーブ形状を有するベース体20を備える。ベース体20は、スピンドル2と共に回転軸Rを中心に回転可能である。切削装置の動作時には、ベース体20は、スピンドル2が前進経路を進む間、同じ垂直方向の高さを維持している。
【0062】
係合部22,24は、特に、細長い形状を有し、回転軸Rに沿ってベース体20に対してスライドする把持体25上に配置されていてもよい。把持体25は、係合部22,24がキャップ1に接触し、キャップ1を回転させるように、回転軸Rを中心にベース体20とともに回転可能である。把持体25のベース体20との回転は、ベース体20に配置されたガイド手段26によって可能であり、ガイド手段26は、把持体25の細長い部分25aに配置された縦溝25cに係合し、ベース体20と把持体25との間の相対的な回転を阻止するとともに、ベース体20に対する把持体25の軸方向のスライドを可能にしている。
【0063】
ヘッド面23は、円盤状であるヘッド部22上に配置されている。ヘッド部22は、少なくとも部分的にキャップ1に嵌合するように形成されている。特に、ヘッド部22は、動作中にキャップCの長手方向軸を回転軸Rと位置合わせするように、シールリング14に少なくとも部分的に嵌合する形状である。
【0064】
さらに、切削装置は、特に、突起部21が回転軸Rに平行な方向に沿って把持体25に対して軸方向に変位することを可能にするように、支持体3に向かって突起部21に軸方向の力を及ぼすようになっているさらなる弾性手段28を備えてもよい。さらなる弾性手段28は、突起部21が突出部13と垂直に位置合わせされているとき(
図2)のように、突起部21がキャップ1を保持することなく、キャップ1に当接することを可能にしてもよい。
図1を参照すると、さらなる弾性手段28は、ベース体25及びヘッド部22に接続されており、特に、ばねなどの弾性要素を備えてもよい。
【0065】
スピンドル2は、特に、突起部21から支持体3までの(回転軸Rに沿って測定される)距離を設定する調整手段26aを備えてもよい。これにより、突出部13の高さに応じて突起部21を適応させることができるので、突起部21は、異なるタイプのキャップ1に適応することができる。調整手段26aは、ベース体25及びヘッド部22に接続されていてもよく、特に、ネジとナットとのネジ結合を備えてもよく、このようなネジを締める又は緩めることによって、突起部21から支持体3までの距離が調整される。
【0066】
図2を参照すると、スピンドル2は、特に、回転軸Rを中心に延びる係合部22,24の外部の環状壁60を備える。環状部60は、切削デバイス4,5への当接を提供するように配置されている。実際、キャップ1の周方向の刻み目を実行するために、係合部22,24及び支持体3は、キャップ1の側壁12の内側部分をスピンドル2の側壁60に接触するように導き、側壁12を環状壁60と切削デバイス4,5との間に配置する。環状壁60は、特に、スピンドル2のベース体20上に配置され、把持部が前述の第1の位置Mにあるときに、把持部22,24を少なくとも部分的に収容するように配置された空洞61を画定する。
【0067】
開示されている切削装置は、キャップ1に適用される切削方法を実施するのに適している。
【0068】
図1を参照すると、本方法は、特に、キャップ1の底壁11の外面11bが支持体3と接触して静止するように、キャップ1を支持体3上に配置することを備える。さらに、本方法は、特に、支持体3とスピンドル2の係合部22,24とを、切削装置に含まれるスピンドルホルダカルーセル(spindle-holder carousel)によって画定される半円状の前進経路に沿って前進させるステップを備え、このとき、支持体3は、間隔を空けた位置D、すなわち、支持体3がキャップ1によって走行可能な前進経路から遠い位置にあり、係合部22,24は前進経路に近い第1の位置Mにある。
【0069】
図3を参照すると、本方法は、特に、スピンドル2の係合部22,24をキャップ1の底壁11の内面11aに軸方向に接近させること、すなわち、係合部22,24が前進経路から遠く、かつ、支持体3に近い第2の位置Lに係合部22,24を導くことと、スピンドル2を回転軸Rを中心に回転させ、係合部22,24がスピンドル2とともに回転する間に、スピンドル2を支持体3とともに前進経路に沿って前進させることとを備える。
【0070】
そのような方法は、特に、キャップ1を回転軸Rを中心に回転させ、スピンドル2に対して回転キャップ1を予め設定された位置Sで停止させるために、係合部22,24の突起部21をキャップ1の底壁11の突出部13に周方向に当接させるように導くステップを備える。周方向の当接に導くそのようなステップは、特に、当接面21a,21bを、突出部13の側面13a,13bに当接させるように導くことを備える。
【0071】
さらに、
図4及び
図7を参照すると、本方法は、特に、キャップ1を支持体3に対して軸方向に保持し、キャップ1を予め設定された位置Sに保持するために、係合部22,24の把持面24aをキャップ1の内面11aの中央領域に軸方向に当接させるように導くステップを備える。軸方向の当接のステップでは、係合部22,24は、前進経路に近接する第1の位置Mにあり、支持体3は、支持体が前進経路に近接する把持位置Eにある。
【0072】
図8を参照すると、本方法は、特に、キャップ1を切削ゾーン40,50に導き、切削デバイス4,5の手段によって側壁12に刻み目を入れる後続のステップを備える。刻み目を入れるステップは、スピンドル2の環状壁60と切削装置4,5との間にキャップ1の側壁12を位置付けることを含んでもよい。
【0073】
上述から推測されるように、本発明による切削装置及び切削方法は、予め設定された対象物にうまく到達するために、先行技術の装置及び方法の限界及び欠点を克服することを可能にする。
【0074】
本発明のおかげで、切削されるキャップの動きを、それぞれのスピンドル及び切削装置と同期させることが可能である。
【0075】
本発明による装置及び方法は、キャップ、特に内側の突出部を備えたキャップに刻み目を付けるのに特に有用である。
【外国語明細書】