(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009171
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】膣萎縮を治療する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61N 7/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169336
(22)【出願日】2021-10-15
(62)【分割の表示】P 2019232824の分割
【原出願日】2015-01-26
(31)【優先権主張番号】61/933,712
(32)【優先日】2014-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/947,715
(32)【優先日】2014-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/982,475
(32)【優先日】2014-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503115205
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ロックウェイラー,ホーリー エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】クローン,ライアン テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ステインバーガー,ジョナサン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,キャスリン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM53
(57)【要約】 (修正有)
【課題】女性患者の膣組織萎縮を治療する方法及び装置を提供する。
【解決手段】膣の組織又は周辺組織に対してエネルギ送達エレメントを係合させるステップと、エネルギ送達エレメントから組織にエネルギを印加するステップと、内部膣組織への血流を、内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるステップであって、内部膣組織への血流の増加したレベルは、印加するステップが終了した後も持続する、増加させるステップと、を含む。本発明は又、この療法を実施する為の装置を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性患者の膣組織萎縮を治療する為の装置であって、
超音波結合媒体を備えるエネルギ送達エレメントであって、前記患者の膣の組織又は周辺組織に順応するように適合されているエネルギ送達エレメントと、
膣の潤滑及び内部膣組織への血流を、前記内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるべく、前記エネルギ送達エレメントにエネルギを送達するように適合された超音波トランスデューサであって、前記内部膣組織への血流の前記増加したレベルは、エネルギ印加が終了した後も持続する、前記超音波トランスデューサと、
を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、(2014年1月30日に出願された)米国特許仮出願第61/933,712号、(2014年3月4日に出願された)米国特許仮出願第61/947,715号、並びに(2014年4月22日に出願された)米国特許仮出願第61/982,475号の利益を主張するものであり、これらのそれぞれは参照によって全内容が本明細書に組み込まれている。
【0002】
文献の引用
本明細書で言及される全ての発行物及び特許出願は、個々の発行物又は特許出願のそれぞれが、参照によって組み込まれるものとして具体的且つ個別に示されているのと同程度に、全内容が参照によって本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
先行技術においては、女性の性的機能及び性的反応を対象とする様々な装置及び方法が存在する。これらの装置の多くは、性的反応が正常に機能することによる性的快感を女性にもたらすように設計されている。
【0004】
一部の女性においては、性的反応が標準より弱いか、完全に欠落している。例えば、エストロゲンが欠乏している女性は、膣組織の潤滑及び復元力が不足することにより、性交時に膣不快感を感じる場合がある。時間の経過とともに膣組織の萎縮が悪化して、性的反応がより一層弱くなる可能性がある。
【0005】
先行技術においては、又、女性生殖器の不調を治療する装置及び方法が存在する。例えば、米国特許第6,741,895号に記載の膣プローブは、熱、振動、電気刺激、及び/又は圧力を膣神経に印加することにより、女性の性機能障害を治療する。米国特許出願公開第2007/0021809号に記載の装置及び方法は、局所的な加熱又は冷却を施すことにより、女性生殖器の炎症又は過敏症を治療する。しかしながら、これらの先行技術の装置及び方法のいずれかが、膣萎縮又は他の性機能低下がある女性に永続的な効果をもたらすことを示すデータはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、膣の組織及び周辺組織に超音波エネルギなどのエネルギを印加することにより、(例えば、膣血流を増加させて)膣組織の健康状態を改善する装置及び方法を提供する。このエネルギ印加の効果は、エネルギ印加が終了した後も持続する為、この療法は、膣萎縮の効果的な治療を提供する。
【0008】
具体的には、本発明は、(例えば、エストロゲンが欠乏している女性、及び/又は、膣萎縮又は膣不快感がある女性の)膣及び周辺組織の血流、潤滑、弾力性、及び復元力を増加させる方法及び装置を提供する。本発明によれば、エネルギが女性の生殖器組織内へ局所的に投入される。印加されるエネルギは、化学エネルギ、電気エネルギ、超音波エネルギ、RFエネルギ、吸引、光エネルギ、電磁放射又は光ベース(例えば、パルス化レーザ又は連続レーザ)であってよい。このエネルギは、膣内に、又は膣に浸透せず外陰部近傍に、又は患者の身体の外側に印加されてよい。
【0009】
本発明の一態様は、女性患者の膣組織萎縮を治療する方法を提供する。実施形態によっては、本方法は、患者の膣の組織又は周辺組織に対してエネルギ送達エレメントを係合させるステップと、エネルギ送達エレメントから組織にエネルギを印加するステップと、内部膣組織への血流を、内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるステップであって、内部膣組織への血流の増加したレベルは、印加するステップが終了した後も持続する、上記増加させるステップと、を含む。
【0010】
実施形態によっては、エネルギ送達エレメントによって印加されるエネルギは超音波エネルギであり、この超音波エネルギは、例えば、0.5MHzから4MHzの間の周波数で、0.25W/cm2から5W/cm2の間の強度で、且つ/又は、又は20%から80%の範囲のデューティサイクルで送達される。これらの実施形態では、エネルギ送達エレメントは、超音波プローブ及び/又は超音波結合媒体を含んでよい。これらの方法では、エネルギは、30秒から6時間にわたって印加されてよい。
【0011】
本方法の実施形態によっては、係合させるステップは、超音波結合媒体などのエネルギ送達エレメントを、患者の膣の外側の組織と係合させるステップを含む。代替又は追加として、係合させるステップは、エネルギ送達エレメントを患者の膣の内側の組織と係合させるステップを含んでよい。実施形態によっては、係合させるステップは、エネルギ送達エレメントを患者の腹部又は骨盤の組織と係合させるステップを含む。
【0012】
実施形態によっては、本方法は、患者の膣の組織又は周辺組織の生理学的パラメータを測定し、測定されたパラメータに基づいてエネルギ送達エレメントからのエネルギ送達を制御するステップを含む。測定される生理学的パラメータは、例えば、温度、血流、又は膣の潤滑であってよい。
【0013】
本発明の別の態様は、女性患者の膣組織萎縮を治療する為の装置を提供する。本装置は、患者の膣の組織又は周辺組織と係合するように適合されたエネルギ送達エレメントと、内部膣組織への血流を、内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるべく、エネルギ送達エレメントにエネルギを送達するように適合されたエネルギ源であって、内部膣組織への血流の増加したレベルは、エネルギ印加が終了した後も持続する、エネルギ源と、を有してよい。
【0014】
実施形態によっては、エネルギ送達エレメントによって印加されるエネルギは超音波エネルギであり、この超音波エネルギは、例えば、0.5MHzから4MHzの間の周波数で、0.25W/cm2から5W/cm2の間の強度で、且つ/又は、又は20%から80%の範囲のデューティサイクルで送達される。これらの実施形態では、エネルギ送達エレメントは、超音波プローブ及び/又は超音波結合媒体を含んでよい。
【0015】
実施形態によっては、超音波結合媒体は、膣口及び膣口の周辺組織を覆うように適合された容器の中に配置される。容器は、患者の組織に順応するように適合されてよい。実施形態によっては、超音波結合媒体は、エネルギ送達エレメントの面上にゲルを含む。
【0016】
様々な実施形態では、エネルギ送達エレメントは、患者の膣の外側、及び/又は患者の膣の内側の組織と係合するように適合されてよい。実施形態によっては、エネルギ送達エレメントは、患者の腹部又は骨盤の組織と係合するように適合されてよい。
【0017】
実施形態によっては、本装置は、エネルギ送達エレメントが患者の膣の組織又は周辺組織と係合したときに、患者の膣の組織又は周辺組織の生理学的パラメータを測定するように適合及び構成されたセンサを含み、本装置は、センサからの情報を用いてエネルギ送達エレメントからのエネルギ送達を制御するように更に構成されている。測定される生理学的パラメータは、例えば、温度、血流、又は膣の潤滑であってよい。
【0018】
本発明の新規な特徴は、後述の特許請求の範囲において具体的に説明される。本発明の原理が利用される例示的実施形態を示す以下の詳細説明と、以下の添付図面とを参照することにより、本発明の特徴及び利点について、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】患者に対して所定の位置にある、本発明の一実施形態の断面図である。
【
図2】
図1の装置の、患者上の位置を示す立面図である。
【
図3】本発明による装置の別の実施形態の分解図である。
【
図4】患者に対して所定の位置にある、本発明による装置の更に別の実施形態の部分断面図である。
【
図5A】患者に対して所定の位置にある、本発明による装置の更に別の実施形態の断面図である。
【
図6】患者に対して所定の位置にある、本発明による装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図7】発明を使用して被験者らに治療を施すことにより得られたデータを表す図である。
【
図8】発明を使用して被験者らに治療を施すことにより得られたデータを表す図である。
【
図9】発明を使用して被験者らに治療を施すことにより得られたデータを表す図である。
【
図10】発明を使用して被験者らに治療を施すことにより得られたデータを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、(自然の原因で、又は薬物療法の結果として)エストロゲンが欠乏している女性、膣萎縮がある女性、及び/又は、常時であれ、特に性交時であれ、膣不快感を感じる女性の膣及び周辺組織の血流、潤滑、弾力性、及び復元力を増加させる為に使用可能な方法及び装置を提供する。実施形態によっては、本装置は、生殖器組織(例えば、膣組織)に局所的にエネルギを印加することにより、生殖器領域への血流を増加させ、組織の健康状態及び自然潤滑を改善し、且つ/又は、それらの劣化を防ぐ。本方法及び装置は又、女性の性機能障害の症状を改善することが可能である。
【0021】
実施形態によっては、エネルギ(熱エネルギ、機械エネルギ、電気エネルギ、電磁エネルギ、高周波エネルギ、超音波エネルギ、及び化学エネルギを含み、これらに限定されない)が、(例えば、組織に対する導電性、誘導性、放射性、又は対流性の伝熱により)外部ソースから膣壁に印加される。
【0022】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態による装置の一実施形態を示す。本装置は、患者2の膣6の開口部(膣口)7の周辺組織と係合するように適合されたエネルギ送達エレメント4を含む。これらの図には、患者の子宮8、膀胱10、尿道口9、外陰部12、及び陰核11も示されている。
図1の断面図に示され、
図2では想像線で示されるように、この実施形態では、エネルギ送達エレメント4が、(敏感な膣組織を刺激しないように)生殖器組織の外側とだけ係合して、患者の外陰部12、陰核11、尿道口9、及び膣口7を覆う。他の実施形態では、患者の生殖器、及び/又は、患者の恥丘又は大腿近位部をより広く、又はより狭く覆うことが可能である。この実施形態では、エネルギ送達装置が、超音波発生器などのエネルギ源3に接続されている。
【0023】
本発明の方法によれば、エネルギは、急性的に、又は定期的に(例えば、毎日又は毎週)、エネルギ源3からエネルギ送達エレメント4を通して患者の生殖器に印加されてよい。実施形態によっては、エネルギ送達エレメントは、下着に組み込まれてよい。実施形態によっては、エネルギ送達エレメントは、吸着、粘着、又は他の固定機構により、患者の身体に直接取り付けられ、定位置に保持されてよい。エネルギ送達エレメントは、再利用可能であっても使い捨てであってもよい。
【0024】
実施形態によっては、エネルギ源は、エネルギ送達エレメントと一体化されてよい。実施形態によっては、エネルギ送達エレメントはフレキシブルであり、フレキシブル回路を含んでよい。
【0025】
図3は、膣組織の血流を増加させる為に、患者の膣の周辺組織(外陰部や膣口など)に超音波エネルギを送達するように適合された、本発明の装置の一実施形態の分解図を示す。エネルギ送達エレメント30は、敏感な膣組織を刺激しないように、膣に挿入されることなく、完全に外側に貼り付けられるように設計される。エネルギ送達エレメント30は、結合パッド32及びトランスデューサアセンブリ34を有し、これらのエレメントは両方とも、再利用可能であっても使い捨てであってもよい。
【0026】
結合パッド32は、本体構造36及び結合構造38を有する。本体構造36は、変形可能でありながら、結合構造38を支持するのに十分な剛性を有することが可能である。本体構造36は、互いに接続された2つのプレート又はセクションから形成されてよい。一実施形態では、上部プレート(図示せず)が、結合構造38を収容する切り欠き(図示せず)を有し、下部プレート40が、超音波トランスデューサ34との接続部を収容する切り欠き42を有する。本体構造36は、シリコーンゴム、軟質プラスチック、布地、又は軟質フォームなどの生体適合材料又は非アレルギー性材料から形成されてよい。
【0027】
本体構造36は、結合構造38と患者の膣の周辺組織(外陰部など)との密着が維持されるように、患者の身体に取り付けられるように構成される。本体構造を患者の身体に取り付ける為に、患者のウエストに巻き付けるストラップ又は伸張性支持体、両面粘着テープ、糊などの接着剤(感温接着剤を含む)などの取付機構(図示せず)が使用されてよい。取付機構は又、患者の膣口又は肛門に挿入されるエレメントを採用してもよい。そのような取付機構の代わりに、又はそのような取付機構に加えて、患者の下着がパンティライナ方式で使用されてもよい。突起、翼様形状、粘着ストリップ、静電気で組織に取り付け可能な材料、又はVelcro(登録商標)フック及びループファスナが使用されてもよい。取付機構は又、結合構造と患者の皮膚との接触を維持する吸着を採用してもよい。
【0028】
本体構造36は、例えば、長方形として、或いは、(例えば、女性用衛生パッドのような)身体に合うように成形され膨らまされた8の字形として、整形されてよい。本体構造36は、患者の下着にフィットするように整形されてよい。本体構造36は、例えば、患者が装着する下着に結合構造が組み込まれている場合のように、別の支持構造が使用されている場合には、完全に省略されてよい。
【0029】
結合構造38は、患者の外陰部に順応する、固体でありながら軟らかい変形可能な構造であってよい。実施形態によっては、結合構造は、膣管の完全に外側にある。これは、膣への挿入が、敏感な膣組織を刺激したり、萎縮や膣不快感がある女性の不快感を引き起こしたりする可能性がある為である。結合構造38は、膣組織への安全且つ有効なエネルギ送達を保証する。結合構造のこうした順応設計は、皮膚火傷を防ぎ、トランスデューサ面と標的膣組織の面との間のエアポケットを最小限に抑えることにより、これらの間の適切なエネルギ伝導を保証する。
【0030】
一実施形態では、結合構造38は、凸状であり、患者の外陰部及び膣口に順応するように(例えば、楕円形又は卵形に)整形される。結合構造38は、生体適合性があり、容易に変形可能であり、超音波透過性である材料から形成され、例えば、ゲル状ペクチン、ゼラチン、低デュロメータゴム、低デュロメータシリコーン、又は他の非多孔性軟質材料から形成される。実施形態によっては、結合構造は、液体又は半固体を収容した変形可能な容器であり、例えば、水(例えば、脱イオン水、蒸留水)、油(例えば、鉱物油)、ゲル、ゼラチン、又は他の、超音波透過性であって生体適合性がある液体又は半固体を収容した変形可能な容器である。この容器は、シリコーン、PTFE、ナイロン、HDPE、又は他のプラスチックから作られてよい。
【0031】
実施形態によっては、患者の組織との音響結合を強化する為に、結合構造38と患者の皮膚との間に結合ゲル(図示せず)が配置される。このゲルは、製造時に結合構造にあらかじめ塗布され、使用時に剥がされる保護ストリップ又は他のカバーで覆われてよい。このゲルは、使用時にユーザが結合構造に塗布してもよい。
【0032】
実施形態によっては、トランスデューサアセンブリ34は制振バックプレート44を含み、制振バックプレート44は、例えば、半変形可能な生体適合材料又は非アレルギー性材料から作られ、これらは、例えば、HDPE、PEEK、アクリル、ポリエチレン、又はナイロンのようなポリマーなどである。トランスデューサアセンブリ34は又、1つの圧電セラミック又はCMUT超音波トランスデューサ46又はこれらのアレイを有し、これは、結合パッド32を通して患者の膣の周辺組織に拡散超音波エネルギ又は集中超音波エネルギを印加する。トランスデューサアセンブリ34は、トランスデューサ46を超音波発生器(図示せず)に接続できるワイヤリード及びプラグ又は他のインタフェース48を有してよい。他の実施形態では、トランスデューサ46は、発生器と無線で接続されてよい。
【0033】
本装置が使用の為に組み立てられる際には、外陰部及び/又は膣口がしかるべき音場の中にあって、超音波が標的の膣組織及びしかるべき血管床に浸透するように、結合パッド32に対してトランスデューサ46が方向づけられる。(実施形態によっては、(非集中又は集中)超音波エネルギの標的は、膣管の下部3分の1をカバーするように更に調整されてよい。)トランスデューサ46と結合パッド32との間の方向づけは、トランスデューサ46(又はトランスデューサアセンブリ34の他の部分)と結合パッド32のバッキングプレート36とを噛み合わせる幾何学的機構50(例えば、キーとスロットの構成、ピンと穴の構成等)によって達成されてよい。この方向づけは、結合構造38の設計によって達成されてもよい。トランスデューサの方向づけは、各患者の解剖学的構造に合わせて調整されてよく、この調整は、手動で(例えば、様々なサイズを選択することにより)、又は使用中の閉ループフィードバックに基づく自動トランスデューサ再配置により、行われてよい。方向づけは又、ユーザが自分の解剖学的構造に基づいて調節してもよく、これは、調節を支援するユーザインタフェースに表示される、反射された超音波エネルギからのフィードバック(例えば、調節用計器と同様の、様々な色の点滅光)を使用して行われてよい。トランスデューサ面と結合パッドとの間の良好な音響結合を維持する面間接合は、接着剤、ばね式機構、機械的スナップフィット、及び/又はトランスデューサの背部に巻き付く弾性材料(例えば、シリコーン又は弾性バンド)によって達成されてよい。音響結合を強化する為に、トランスデューサ面と結合パッドとの間の接合部に超音波ゲルが塗布されてもよい。
【0034】
実施形態によっては、本装置は、トランスデューサ面と結合パッドとの間の接触、及び/又は結合パッドと患者の組織との間の接触の質及び充足度に関するフィードバックをユーザに与える機能を有しており、これは、例えば、患者の安全、装置の保全性、及び治療の有効性の為である。これらのフィードバック機構は、「スナップ」音を発することにより、当該部分がぴったり嵌まったことをユーザに伝えるシンプルな形状のロック、直接のフィードバックをユーザに与える、トランスデューサアセンブリと結合パッドとの間のインピーダンスセンサ又は他のセンサ、及び/又は、センサのフィードバックに基づく、超音波発生器のアラームなどであってよい。そのようなフィードバックは、トランスデューサと結合構造との間の結合が不十分であるか、且つ/又は、安全でないこと、或いは、結合パッドと患者の組織との間の結合が不十分であるか、且つ/又は、安全でないことをユーザに通知することが可能である。フィードバックは又、本装置が、十分な音響結合を実現するように組み立てられて貼り付けられない限り、患者にエネルギを印加しないようにすること、並びに、治療中のある時点で音響結合が十分ではなくなった場合にエネルギ印加を中止することの為に使用されてもよい。
【0035】
上述の装置の実施形態は、膣に挿入されない結合パッドを採用する。超音波エネルギが、結合パッドを通して、患者の、外陰部及び膣口のそばの外部解剖学的構造に印加されるが、結合パッドの順応性により、結合パッドは、トランスデューサと組織との間の空間を埋めて、超音波エネルギを有効に組織に伝達する為の十分な音響結合を実現することが可能である。別の実施形態では、結合部材と、更には超音波トランスデューサまでもが、膣に挿入されてよい。
【0036】
図1から
図3に関して説明された装置は、膣の健康状態を改善する為に様々な様式で使用されてよい。本装置は、潤滑を誘発する為に、性交前に必要に応じて使用されてよい。本装置は、性交の為の十分な潤滑を誘発する為に、30秒から6時間にわたって使用されてよい。本装置は又、膣全体の健康状態を改善し、組織を若返らせること(即ち、粘膜の血管分布状態の改善、組織の弾力性の回復、構成性潤滑の増大等)の為の治療又は予防策として、毎週、1週間に複数回、毎日、又は1日に複数回、使用されてもよい。本装置は又、より短い期間、又は、より長い期間にわたって使用されてもよい。組織への全エネルギ送達を制御し、安全性を確保しながら、所望の結果が得られるように最適の治療を提供する為に、自動デューティサイクル又は治療アルゴリズムが採用されてよい。代替として、本装置は、必要に応じて療法を修正する為に、ユーザによってカスタマイズされてよい。
【0037】
実施形態によっては、上述の超音波治療装置は、0.5MHzから4MHzの間の1つ以上の周波数で、0.25W/cm2から5W/cm2の間の強度で、連続的に、又は20%から80%の範囲のデューティサイクルで、超音波を発生させて患者の膣の周辺組織に印加することによって、膣萎縮及び他の症状の治療に使用されてよい。他の超音波波形パラメータを使用することも、バリエーションに含まれてよい。
【0038】
本装置は、様々な生理学的パラメータを測定する為のセンサが結合パッドに埋め込まれていてよい。このようなパラメータとして、粘膜/皮下血流(例えば、ドップラー超音波、ドップラーレーザイメージング、温度、又はプレチスモグラフィを用いて測定する)、膣の潤滑(例えば、湿度センサ、吸収材料、又は他の、潤滑及び/又は分泌を検出する方法を使用する)、及び他の適切なパラメータがあってよい。本装置に埋め込まれたセンサは、療法適用の閉ループフィードバック制御を可能にすることができる。
【0039】
例えば、外陰部組織の温度は、結合パッド内のセンサによって測定されてよい。患者に対してダメージを引き起こしかねないレベルまで温度が上昇すると、フィードバックループが自動的にエネルギ送達パラメータを調節し、場合によっては、エネルギ送達を停止することになる。別の例として、本装置は、患者の皮膚の温度が十分に高くはない場合には、エネルギ送達を増大させることが可能である。更に別の例では、本装置は、生理学的結果パラメータ(例えば、膣の血流及び/又は潤滑)を測定し、所望の結果(例えば、膣の血流及び/又は潤滑)が達成されるように療法送達を自動的に増減することが可能である。
【0040】
本装置は、例えば、発生器ユニット又はコントローラユニットのボタン、ダイヤル、及び/又はタッチスクリーンインタフェースから制御されてよい。制御コマンドを卓上発生器に伝達する為に、リモコンが使用されてもよい。本装置は又、発生器、エネルギ送達ユニット、及び制御インタフェースを一体化してもよい。本装置の制御、及び/又は、本装置及びその使用状況に関するデータの取得の為に、モバイルアプリケーションが使用されてよい。
【0041】
測定された生理学的パラメータに基づくバイオフィードバックの為に、本装置及びその使用状況に関するデータを提供するユーザインタフェースが使用されてよい。バイオフィードバックは、ゲームの形式で構造化されてよく、これにより、患者は、本装置から外陰膣組織に印加されるエネルギに対する生理学的反応を引き起こしたり増大させたりし、それによって、更なるバイオフィードバック反応が発生したり、且つ/又は神経制御が行われたりする。
【0042】
そのほかに、トランスデューサ機能のより直接的な制御を可能にする制御インタフェースがある。モバイルプラットフォーム技術を用いるそのようなユーザインタフェースは、無線結合パッドとともに使用されてもよく、これにより、ユーザは、日常の(且つ、ともすれば連続的な)使用の過程の間に、結合パッド又は発生器を直接手で触ることを必要とせずに、本装置を慎重に制御することが可能になる。
【0043】
本装置は、例えばウェアラブルであることにより、可搬であってよい。本装置は、ユーザがライン電流に接続されることなく本装置を使用することを可能にする充電式エネルギ源、例えば、バッテリ及び/又はキャパシタを内蔵してよい。超音波発生器は、可搬性を促進する為に、充電式であってよく、スマートフォンやインスリンポンプほどの大きさであってよい。
【0044】
本装置は、家庭で使用されてよく、患者は、自分で療法を適用することが可能であってよい。本装置は、患者が自分で片手で適用しやすいように設計されてよく、或いは、本装置は、手を全く使わなくてよいものであってよく、それでも組織との接触、方向づけ、及び治療の有効性が適正な状態で維持されるものであってよい。代替として、本装置及び療法は、パートナによって適用されてよい。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態を示しており、ここでは、装置60の全体のうちの一部が膣6に挿入されている。これまで説明された実施形態と同様に、エネルギは、急性的又は連続的に印加されてよい。本装置は、外部装置によって制御されてよく、或いは、外部装置によって給電されてよく、或いは、挿入されるエレメント60に電源要素及び制御要素が全て内蔵されてよい。
図4に示された実施形態では、挿入可能なエネルギ送達エレメント60は、ワイヤ62により外部エネルギ源(図示せず)と接続されている。
【0046】
挿入可能な装置は、
図4に示されるように細長くてよく、或いは、
図5A及び
図5Bに示されるように環状であってよく、或いは、他の形状であってよく、例えば、円柱状、球状、T字状、患者の膣腔に合わせたカスタム形状等であってよい。本装置の挿入可能部分は、挿入しやすいように、且つ、膣壁との接触が十分であるように、膨張式であってよく、フレキシブルであってよく、且つ/又は圧縮可能であってよく(例えば、シリコーンやポリウレタンのような生体適合ポリマーで作られてよく)、(例えば、穏やかな、無痛の吸着力により)膣壁に取り付けられてよい。本装置は、再利用可能であっても使い捨てであってもよい。エネルギ送達エレメント60によって印加されるエネルギは、何らかの形式の電気抵抗加熱、化学加熱、高周波エネルギ、超音波エネルギ、真空/吸引機械エネルギ、光エネルギ、電磁放射、又は他の、組織に熱を伝達する方法であってよい。例えば、超音波式装置の場合、超音波は、0.5MHzから4MHzの間の1つ以上の周波数で、0.25W/cm
2から5W/cm
2の間の強度で、連続的に、又は20%から80%の範囲のデューティサイクルで送達されてよい。レーザエネルギを使用する装置は、パルス化レーザ又は連続レーザを利用してよい。
【0047】
図6は、本発明の更に別の実施形態を示しており、ここでは、エネルギ送達エレメント70(例えば、超音波トランスデューサ及び結合媒体)が、患者の腹部又は骨盤領域72に貼り付けられるパッチの形式である。エネルギ送達エレメントは、外部コントローラ76によって制御されて、(超音波エネルギなどの)エネルギを患者の膣及び/又は周辺組織74に供給する。超音波を使用する実施形態では、超音波は、集中であっても非集中であってもよい。パッチ装置は、再利用可能であっても使い捨てであってもよい。
【0048】
実施例
実施例1
比較試験では、2人の女性被験者の脚が台座に載せられ、膣プレチスモグラフィプローブによる、被験者らの内部膣壁の血液パルス振幅のベースライン測定が2分間にわたって行われた。2人の被験者に対するプローブからのロー信号の拍平均値が、
図7及び
図8において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいて1つ目のバーとしてプロットされている。次に、被験者らに対してスペキュラム検査が実施され、プレチスモグラフィプローブが再度使用されて、被験者らの膣組織の血液パルス振幅が2分間にわたって測定された(
図7及び
図8には示されず)。その後、温水で満たされ、両面を超音波透過性ゲルでコーティングされたコンドームが、各被験者の膣領域に、外陰部及び膣口を覆うように配置され、このコンドームに超音波トランスデューサが押しつけられた。超音波トランスデューサにより、超音波エネルギが、1MHz、1.5W/cm
2の強度、50%のデューティサイクルで8分間投入された。8分の治療の後、超音波トランスデューサ及びコンドームが取り外され、エネルギ印加が終了してから0分後、0.5分後、1分後、2分後、3分後、5分後、及び10分後に、膣プレチスモグラフィプローブによるプレチスモグラフィ測定値が取得された。2人の被験者に対するプローブからのロー信号の拍平均値が、
図7及び
図8において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいては2つ目のバーとしてプロットされ、その後の時刻においてはただ1つのバーとしてプロットされている。治療後の膣組織の血液パルス振幅の増加、並びにこの増加の持続は、この療法が、膣組織への血流を増加させることに関して有効であることを示している。
【0049】
実施例2
実施例1と同様に、女性被験者の脚が台座に載せられ、膣プレチスモグラフィプローブによる、被験者の内部膣壁の血液パルス振幅のベースライン測定が2分間にわたって行われた。プローブからのロー信号の拍平均値が、
図9において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいて1つ目のバーとしてプロットされている。次に、被験者に対してスペキュラム検査が実施され、プレチスモグラフィプローブが再度使用されて、被験者の膣組織の血液パルス振幅が2分間にわたって測定された(
図9には示されず)。その後、温水で満たされ、両面を超音波透過性ゲルでコーティングされたコンドームが、被験者の膣領域に、外陰部及び膣口を覆うように配置され、このコンドームに超音波トランスデューサが押しつけられた。超音波トランスデューサにより、超音波エネルギが、1MHz、1.5W/cm
2の強度、50%のデューティサイクルで8分間投入された。8分の治療の後、超音波トランスデューサ及びコンドームが取り外され、エネルギ印加が終了してから0分後、0.5分後、1分後、2分後、3分後、5分後、及び10分後に、膣プレチスモグラフィプローブによるプレチスモグラフィ測定値が取得された(
図9には示されず)。次に、水で満たされたコンドームが、被験者の膣領域に、外陰部及び膣口を覆うように再度当てられ、このコンドームに超音波トランスデューサが再度押しつけられた。超音波トランスデューサにより、超音波エネルギが、1MHz、1.5W/cm
2の強度、50%のデューティサイクルで、2回目の8分間の治療の為に投入された。この2回目の治療の後、超音波トランスデューサ及びコンドームが取り外され、2回目のエネルギ印加が終了してから0分後、0.5分後、1分後、2分後、3分後、5分後、及び10分後に、膣プレチスモグラフィプローブによるプレチスモグラフィ測定値が再度取得された。2回目の超音波印加の後のプローブからのロー信号の拍平均値が、
図9において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいては2つ目のバーとしてプロットされ、その後の時刻においてはただ1つのバーとしてプロットされている。治療後の膣組織の血液パルス振幅の増加、並びにこの増加の持続は、この療法が、膣組織への血流を増加させることに関して有効であることを示している。
【0050】
実施例3
実施例1及び2と同様に、女性被験者の脚が台座に載せられ、膣プレチスモグラフィプローブによる、被験者の内部膣壁の血液パルス振幅のベースライン測定が2分間にわたって行われた。次に、被験者に対してスペキュラム検査が実施され、プレチスモグラフィプローブが再度使用されて、被験者の膣組織の血液パルス振幅が2分間にわたって測定された(
図10には示されず)。スペキュラム検査後のプローブからのロー信号の拍平均値が、
図10において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいて1つ目のバーとしてプロットされている。その後、温水で満たされ、両面を超音波透過性ゲルでコーティングされたコンドームが、各被験者の膣領域に、外陰部及び膣口を覆うように配置され、このコンドームに超音波トランスデューサが押しつけられた。超音波トランスデューサにより、超音波エネルギが、1MHz、1.5W/cm
2の強度、50%のデューティサイクルで8分間投入された。8分の治療の後、超音波トランスデューサ及びコンドームが取り外され、エネルギ印加が終了してから0分後、0.5分後、1分後、2分後、3分後、5分後、及び10分後に、膣プレチスモグラフィプローブによるプレチスモグラフィ測定値が取得された。プローブからのロー信号の拍平均値が、
図10において、時刻0分、0.5分、1分、及び2分のそれぞれにおいては2つ目のバーとしてプロットされ、その後の時刻においてはただ1つのバーとしてプロットされている。治療後の膣組織の血液パルス振幅の増加、並びにこの増加の持続は、この療法が、膣組織への血流を増加させることに関して有効であることを示している。
(付記1)
女性患者の膣組織萎縮を治療する方法であって、
前記患者の膣の組織又は周辺組織に対してエネルギ送達エレメントを係合させるステップと、
前記エネルギ送達エレメントから前記組織にエネルギを印加するステップと、
内部膣組織への血流を、前記内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるステップであって、前記内部膣組織への血流の前記増加したレベルは、前記印加するステップが終了した後も持続する、前記増加させるステップと、
を含む方法。
(付記2)
前記エネルギは超音波エネルギである、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記エネルギ送達エレメントは超音波プローブを備える、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記エネルギ送達エレメントは超音波結合媒体を備える、付記2に記載の方法。
(付記5)
前記印加するステップは、0.5MHzから4MHzの間の周波数で超音波エネルギを印加するステップを含む、付記2に記載の方法。
(付記6)
前記印加するステップは、0.25W/cm
2から5W/cm
2の間の強度で超音波エネルギを印加するステップを含む、付記2に記載の方法。
(付記7)
前記印加するステップは、20%から80%の範囲のデューティサイクルで超音波エネルギを印加するステップを含む、付記2に記載の方法。
(付記8)
前記印加するステップは、30秒から6時間にわたって超音波エネルギを印加するステップを含む、付記2に記載の方法。
(付記9)
前記係合させるステップは、前記エネルギ送達エレメントを、前記患者の膣の外側の組織と係合させるステップを含む、付記1に記載の方法。
(付記10)
前記エネルギ送達エレメントは超音波結合媒体を備え、前記係合させるステップは、前記超音波結合媒体を前記患者の組織と係合させるステップを含む、付記9に記載の方法。
(付記11)
前記係合させるステップは、前記エネルギ送達エレメントを前記患者の膣の内側の組織と係合させるステップを含む、付記1に記載の方法。
(付記12)
前記係合させるステップは、前記エネルギ送達エレメントを前記患者の腹部又は骨盤の組織と係合させるステップを含む、付記1に記載の方法。
(付記13)
前記患者の膣の組織又は周辺組織の生理学的パラメータを測定し、前記測定されたパラメータに基づいて前記エネルギ送達エレメントからのエネルギ送達を制御するステップを更に含む、付記1に記載の方法。
(付記14)
前記パラメータは、温度、血流、又は膣の潤滑である、付記13に記載の方法。
(付記15)
女性患者の膣組織萎縮を治療する為の装置であって、
前記患者の膣の組織又は周辺組織と係合するように適合されたエネルギ送達エレメントと、
内部膣組織への血流を、前記内部膣組織への血流のベースラインレベルを超える、ある増加したレベルまで増加させるべく、前記エネルギ送達エレメントにエネルギを送達するように適合されたエネルギ源であって、前記内部膣組織への血流の前記増加したレベルは、エネルギ印加が終了した後も持続する、前記エネルギ源と、
を備える装置。
(付記16)
前記エネルギ源は超音波トランスデューサを備え、前記エネルギ送達エレメントは超音波結合媒体を備える、付記15に記載の装置。
(付記17)
前記エネルギ源は更に、0.5MHzから4MHzの間の周波数で超音波エネルギを供給するように適合された超音波発生器を備える、付記16に記載の装置。
(付記18)
前記エネルギ源は更に、0.25W/cm
2から5W/cm
2の間の強度で超音波エネルギを供給するように適合された超音波発生器を備える、付記16に記載の装置。
(付記19)
前記エネルギ源は更に、20%から80%の範囲のデューティサイクルで超音波エネルギを供給するように適合された超音波発生器を備える、付記16に記載の装置。
(付記20)
前記超音波結合媒体は、膣口及び前記膣口の周辺組織を覆うように適合された容器の中に配置される、付記16に記載の装置。
(付記21)
前記容器は、前記患者の組織に順応するように適合されている、付記20に記載の装置。
(付記22)
前記超音波結合媒体は、前記エネルギ送達エレメントの面上にゲルを含む、付記16に記載の装置。
(付記23)
前記エネルギ送達エレメントは、前記患者の膣の外側の組織と係合するように適合されている、付記15に記載の装置。
(付記24)
前記エネルギ送達エレメントは、前記患者の膣の内側の組織と係合するように適合されている、付記15に記載の装置。
(付記25)
前記エネルギ送達エレメントは、前記患者の腹部又は骨盤の組織と係合するように適合されている、付記15に記載の装置。
(付記26)
前記エネルギ送達エレメントが前記患者の膣の組織又は周辺組織と係合したときに、前記患者の膣の組織又は周辺組織の生理学的パラメータを測定するように適合及び構成されたセンサを更に備え、前記センサからの情報を用いて前記エネルギ送達エレメントからのエネルギ送達を制御するように更に構成されている、付記15に記載の装置。
(付記27)
前記生理学的パラメータは、温度、血流、又は膣の潤滑である、付記26に記載の装置。