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▶ テレフレックス ライフ サイエンシーズ アンリミテッド カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022091769
(43)【公開日】2022-06-21
(54)【発明の名称】無摩擦カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
A61M25/00 540
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022033287
(22)【出願日】2022-03-04
(62)【分割の表示】P 2020544700の分割
【原出願日】2018-11-13
(31)【優先権主張番号】62/585,357
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516331535
【氏名又は名称】テレフレックス ライフ サイエンシーズ アンリミテッド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー ロナルド ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スカリー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】フォミナス アレクセイウス
(72)【発明者】
【氏名】ロウ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】デンリンジャー ロドニー ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】マホン エイドリアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カテーテルを尿道中に挿入可能にする方法に関する。
【解決手段】カテーテル700がルーメンおよび外面を備えた管状部材702、引っ込み形態ではルーメン内に位置決めされ、反転形態では外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブ704、およびスリーブを引っ込めてこれを引っ込み形態にするよう構成されたフィラメント770を有する。カテーテルは、孔を有し、フィラメントは、ルーメンから孔を貫通して延びている。プル部材772がフィラメントの遠位端部上に位置する。スリーブが引っ込み形態にあるときにフィラメントをカテーテル内でループ状にし、コイル状にするとともに/あるいは束状にすることができる。シャットルがスリーブの遠位端部に取り付けられ、シャットルは、スリーブの開通性を維持するよう構成された管状部材を有し、フィラメントは、シャットルに係合してスリーブをルーメン中に引っ込める。
【選択図】図8B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
ルーメンおよび外面を備えた管状部材と、
引っ込み形態では前記管状部材の前記ルーメン内に位置決めされ、反転形態では前記管状部材の前記外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブと、
前記スリーブを引っ込めて該スリーブを前記引っ込み形態にするよう構成されたフィラメントと、
前記カテーテルの遠位端部の近位側に設けられた孔とを有し、前記フィラメントは、前記孔を通って前記ルーメンから前記カテーテルの外へ延びている、カテーテル。
【請求項2】
遠位開口部を備えた遠位部材をさらに有し、前記孔は、前記遠位部材または前記管状部材を貫通して延びている、請求項1記載のカテーテル。
【請求項3】
前記遠位部材は、漏斗から成る、請求項2記載のカテーテル。
【請求項4】
前記フィラメントの遠位端部に設けられたプル部材をさらに有する、請求項1記載のカテーテル。
【請求項5】
前記プル部材は、プルリングまたはプルタブから成る、請求項4記載のカテーテル。
【請求項6】
前記フィラメントは、前記スリーブが前記引っ込み形態にあるとき、前記カテーテル内でループ状にされ、コイル状にされるとともに/あるいは束状にされる、請求項1記載のカテーテル。
【請求項7】
前記スリーブの遠位端部に取り付けられたシャトルをさらに有し、前記シャトルは、前記スリーブの開通性を維持するよう構成された管状部材から成り、前記フィラメントは、前記シャトルに係合して前記スリーブを前記ルーメン中に引っ込める、請求項1記載のカテーテル。
【請求項8】
前記フィラメントは、前記引っ込み形態において前記シャトルを越えて近位側に延びる、請求項7記載のカテーテル。
【請求項9】
前記フィラメントは、前記シャトルに取り付けられている、請求項7記載のカテーテル。
【請求項10】
前記シャトルの近位側に設けられた第2のシャトルをさらに有し、前記フィラメントは、前記第2のシャトルに取り付けられ、前記フィラメントを引っ込めると、前記第2のシャトルは、前記シャトルに当接して前記スリーブを引っ込める、請求項7記載のカテーテル。
【請求項11】
前記管状部材は、前記近位部分の可撓性を増大させるために前記管状部材の近位部分を貫通して延びる少なくとも1つの切れ目または穴を有する、請求項1記載のカテーテル。
【請求項12】
前記少なくとも1つの切れ目または穴は、前記管状部材の長さの1/2未満に沿って延びている、請求項11記載のカテーテル。
【請求項13】
前記少なくとも1つの切れ目または穴は、変化のある可撓性をもたらすよう前記近位部分の長さに沿って変化している、請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
前記スリーブの近位部分に固定された近位部材をさらに有し、前記近位部材は、前記スリーブを前記管状部材上で反転させるために前記管状部材の少なくとも一部分上で摺動するよう構成されている、請求項1記載のカテーテル。
【請求項15】
前記管状部材の遠位側に位置決めされた袋をさらに有する、請求項1記載のカテーテル。
【請求項16】
ある量の流体を排出する方法であって、前記方法は、
請求項1記載の前記カテーテルを受け入れるステップと、
前記管状部材を体内管腔中に挿入するステップと、
前記スリーブを前記管状部材の前記ルーメンから前記管状部材の前記外面上で反転させるステップと、
前記フィラメントを引いて前記スリーブを前記ルーメン中に引き込み、それにより前記管状部材を前記体内管腔から抜去するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記カテーテルを受け入れる際、前記フィラメントを前記カテーテルの前記ルーメン内でループ状にし、コイル状にし、または束状にする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記フィラメントを引く前記ステップは、前記カテーテルの前記孔を通って前記フィラメントを引くステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記フィラメントを引く前記ステップは、前記フィラメントの近位端部に取り付けられたプルタブまたはプルリングを引くステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記スリーブの近位端部に固定された近位部材を摺動させて前記スリーブを前記外面上で反転させるステップをさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項21】
カテーテルであって、
ルーメンおよび外面を備えた管状部材と、
引っ込み形態では前記管状部材の前記ルーメン内に位置決めされ、反転形態では前記管状部材の前記外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブと、
前記引っ込み形態では前記スリーブの遠位部分を受け入れるよう構成されたチャンバを有し、前記スリーブは、前記引っ込み形態において前記チャンバ内で長手方向に縮められる、カテーテル。
【請求項22】
前記チャンバを包囲した遠位ハウジングをさらに有し、前記遠位ハウジングは、前記管状部材よりも長い直径を有する、請求項21記載のカテーテル。
【請求項23】
前記遠位ハウジングは、
前記スリーブの遠位部分に固定された遠位部材と、
前記チャンバを包囲したチャンバ部材とを有し、
前記遠位部材は、前記チャンバ部材から分離して前記管状部材の前記ルーメンを通って前記スリーブを遠位側に引くよう構成されている、請求項22記載のカテーテル。
【請求項24】
前記スリーブの前記遠位部分は、前記遠位部材と前記チャンバ部材との間に延びている、請求項23記載のカテーテル。
【請求項25】
前記スリーブの近位部分に固定された近位部材をさらに有し、前記近位部材は、前記スリーブを前記外面上で反転させるよう前記管状部材の少なくとも一部分上で摺動するよう構成されている、請求項21記載のカテーテル。
【請求項26】
前記スリーブの前記遠位部分は、前記引っ込み形態において前記チャンバ内で折り畳まれるとともに/あるいはひだ付けされる、請求項21記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、医用器具をルーメン中に挿入するシステム、器具、および方法に関し、特に無摩擦カテーテルを尿道中に挿入可能にするシステム、器具、および方法に関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2017年11月13日に出願された米国特許仮出願第62/585,357号(発明の名称:FRICTIONLESS CATHETER)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
尿路カテーテルが尿道を通って患者の膀胱中に挿入されることによって患者の膀胱から尿を排泄するために用いられる場合が多い。尿路カテーテルを一時的に挿入し、膀胱からの排尿を行った後に尿路カテーテルを抜去することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、カテーテルの1つまたは2つ以上の特徴を改良する必要性があることを認識している。例えば、尿路カテーテルは、病原体を尿道および/または膀胱中に導入することによってカテーテル関連の尿路感染症(catheter-associated urinary tract infection:CAUTI)の原因となる場合がある。また、カテーテルの挿入および抜去により、カテーテルと尿道の粘膜の運動摩擦によって相当な疼痛が生じる場合がある。また、潤滑性被膜は、貯蔵および/または挿入中における潤滑性被膜の乾燥の可能性、および/またはユーザの衣服にしみをつける場合のある使用中における潤滑性被膜の流出に起因して、望ましくない場合がある。開示する器具および方法は、上述の問題のうちの1つまたは2つ以上および/または先行技術の他の問題を軽減しまたは解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において開示する本発明の種々の実施形態の第1の観点は、カテーテルであって、ルーメンおよび外面を備えた管状部材と、引っ込み形態では管状部材のルーメン内に位置決めされ、反転形態では管状部材の外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブと、スリーブを引っ込めてこのスリーブを引っ込み形態にするよう構成されたフィラメントと、カテーテルの遠位端部の近位側に設けられた孔とを有し、フィラメントは、孔を通ってルーメンからカテーテルの外へ延びていることを特徴とするカテーテルに関する。幾つかの実施形態では、カテーテルは、遠位開口部を備えた遠位部材をさらに有するのが良く、孔は、遠位部材を貫通して延びている。幾つかの実施形態では、カテーテルは、フィラメントの遠位端部に設けられたプル部材をさらに有するのが良い。幾つかの実施形態では、プル部材は、プルリングまたはプルタブから成るのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントは、スリーブが引っ込み形態にあるとき、カテーテル内でループ状にされ、コイル状にされるとともに/あるいは束状にされるのが良い。幾つかの実施形態では、シャトルがスリーブの遠位端部に取り付けられるのが良く、シャトルは、スリーブの開通性を維持するよう構成された管状部材であり、フィラメントは、シャトルに係合してスリーブをルーメン中に引っ込める。幾つかの実施形態では、フィラメントは、引っ込み形態においてシャトルを越えて近位側に延びるのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントは、シャトルに取り付けられるのが良い。幾つかの実施形態では、カテーテルは、シャトルの近位側に設けられた第2のシャトルを有するのが良く、フィラメントは、第2のシャトルに取り付けられ、フィラメントを引っ込めると、第2のシャトルは、シャトルに当接してスリーブを引っ込める。幾つかの実施形態では、管状部材は、近位部分の可撓性を増大させるために管状部材の近位部分を貫通して延びる少なくとも1つの切れ目または穴を有するのが良い。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの切れ目または穴は、管状部材の長さの1/2未満に沿って延びている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの切れ目または穴は、変化のある可撓性をもたらすよう近位部分の長さに沿って変化している。幾つかの実施形態では、カテーテルは、スリーブの近位部分に固定された近位部材を有するのが良く、近位部材は、スリーブを管状部材上で反転させるために管状部材の少なくとも一部分上で摺動するよう構成されている。幾つかの実施形態では、カテーテルは、管状部材の遠位側に位置決めされた袋をさらに有するのが良い。
【0006】
本明細書において開示する本発明の種々の実施形態の第2の観点は、ある量の流体をカテーテルで排出する方法であって、管状部材を体内管腔中に挿入するステップと、スリーブを管状部材のルーメンから管状部材の外面上で反転させるステップと、フィラメントを引いてスリーブをルーメン中に引き込み、それにより管状部材を体内管腔から抜去するステップとを含むことを特徴とする方法に関する。幾つかの実施形態では、管状部材を挿入する前にフィラメントをカテーテルのルーメン内でループ状にし、コイル状にし、または束状にするのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントを引くステップは、カテーテルの孔を通ってフィラメントを引くステップを含むのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントを引くステップは、フィラメントの遠位端部に取り付けられたプルタブまたはプルリングを引くステップを含むのが良い。幾つかの実施形態では、本方法は、スリーブの近位端部に固定された近位部材を摺動させてスリーブを外面上で反転させるステップをさらに含むのが良い。
【0007】
本明細書において開示する本発明の種々の実施形態の第3の観点は、カテーテルであって、ルーメンおよび外面を備えた管状部材と、引っ込み形態では管状部材のルーメン内に位置決めされ、反転形態では管状部材の外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブと、引っ込み形態ではスリーブの遠位部分を受け入れるよう構成されたチャンバを有することを特徴とするカテーテルに関する。幾つかの実施形態では、カテーテルは、チャンバを含む遠位ハウジングを有し、遠位ハウジングは、管状部材よりも長い直径を有する。幾つかの実施形態では、遠位ハウジングは、スリーブの遠位部分に固定された遠位部材と、チャンバを包囲したチャンバ部材とを有し、遠位部材は、チャンバ部材から分離して管状部材のルーメンを通ってスリーブを遠位側に引くよう構成されている。幾つかの実施形態では、スリーブの遠位部分は、遠位部材とチャンバ部材との間に延びている。幾つかの実施形態では、係止部材が遠位部材とチャンバ部材を解除可能に固定するよう構成されている。幾つかの実施形態では、スライダが遠位ハウジングに対して摺動して管状部材を遠位ハウジングに対して前進させるとともに/あるいは引っ込めるよう構成されている。幾つかの実施形態では、スライダは、スリーブを挟んで管状部材を引っ込めるよう構成されたアクチュエータを有する。幾つかの実施形態では、遠位ハウジングは、管状部材を受け入れるよう形作られている。幾つかの実施形態では、プーリが遠位ハウジング内で摺動するよう構成され、プーリは、スリーブを支持するよう構成されている。幾つかの実施形態では、近位部材がスリーブの近位部分に固定されるとともに、管状部材のスリーブを反転させるよう管状部材の少なくとも一部分上で摺動するよう構成されている。幾つかの実施形態では、近位部材は、体内管腔の開口部に係合するよう構成されたマッシュルーム形近位端部を有する。幾つかの実施形態では、スリーブの遠位部分は、チャンバ内で折りたたまれるとともに/あるいはひだ付けされる。別の実施形態では、管状部材は、管状部分の近位部分を貫通して延びる螺旋状切れ目を有する。幾つかの実施形態では、螺旋状切れ目は、管状部材の長さの1/2未満に沿って延びている。幾つかの実施形態では、螺旋状切れ目は、変化のあるピッチを有する。
【0008】
当然のことながら、以下に説明するとともに特許請求の範囲に記載された本発明の内容を構成する本明細書において開示されている本発明の種々の実施形態の追加の観点が存在する。この点に関し、本開示内容の少なくとも1つの観点を詳細に説明する前に、本開示内容は、その用途が以下の説明に記載されまたは図面に示されるコンポーネントの構成の細部および配列に限定されないことは理解されるべきである。本開示内容は、説明する観点に加えて諸観点を有することができ、しかも種々の仕方で具体化されて実施されることが可能である。また、理解されるべきこととして、本明細書ならびに要約書において採用される語句および用語は、説明の目的のためであって、本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【0009】
したがって、当業者であれば、本開示内容の基礎をなす概念を本開示内容の幾つかの目的を実施するための他の構造、方法、およびシステムの設計のための基礎として容易に利用できることが理解されよう。したがって、請求項の内容は、かかる請求項の内容が本開示内容の精神および範囲から逸脱しない限り、かかる均等構成例を含むものと解されることが重要である。
【0010】
本開示内容を容易に理解することができるようにするため、本開示内容の諸観点が添付の図面に例示として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明のカテーテルの第1の例示の実施形態を示す図である。
図1B】本発明のカテーテルの第1の例示の実施形態を示す図である。
図1C】本発明のカテーテルの第1の例示の実施形態を示す図である。
図1D】本発明のカテーテルの第1の例示の実施形態を示す図である。
図2A図1A図1Dの第1の例示の実施形態を用いる方法の例示のステップを示す図である。
図2B図1A図1Dの第1の例示の実施形態を用いる方法の例示のステップを示す図である。
図2C図1A図1Dの第1の例示の実施形態を用いる方法の例示のステップを示す図である。
図2D図1A図1Dの第1の例示の実施形態を用いる方法の例示のステップを示す図である。
図3A】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3B】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3C】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3D】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3E】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3F】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3G】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3H】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3I】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3J】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3K】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図3L】本発明のカテーテルの第2の例示の実施形態を示す図である。
図4A】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4B】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4C】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4D】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4E】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4F】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4G】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4H】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4I】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4J】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4K】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図4L】本発明のカテーテルの第3の例示の実施形態を示す図である。
図5A】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5B】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5C】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5D】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5E】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5F】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5G】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5H】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5I】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5J】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図5K】本発明のカテーテルの第4の例示の実施形態を示す図である。
図6A】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6B】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6C】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6D】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6E】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6F】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6G】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6H】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6I】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図6J】本発明のカテーテルの第5の例示の実施形態を示す図である。
図7A】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7B】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7C】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7D】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7E】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7F】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7G】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7H】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図7I】本発明のカテーテルの第6の例示の実施形態を示す図である。
図8A】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8B】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8C】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8D】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8E】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8F】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8G】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8H】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8I】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8J】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図8K】本発明のカテーテルの第7の例示の実施形態を示す図である。
図9A】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9B】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9C】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9D】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9E】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9F】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9G】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9H】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図9I】本発明のカテーテルの第8の例示の実施形態を示す図である。
図10A】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10B】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10C】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10D】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10E】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10F】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10G】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10H】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図10I】本発明のカテーテルの第9の例示の実施形態を示す図である。
図11A】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11B】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11C】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11D】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11E】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11F】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11G】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11H】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11I】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11J】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11K】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11L】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11M】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11N】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11O】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11P】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11Q】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11R】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11S】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図11T】本発明のカテーテルの第10の例示の実施形態を示す図である。
図12A】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図12B】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図12C】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図12D】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図12E】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図12F】本発明のカテーテルの第11の例示の実施形態を示す図である。
図13A】本発明のカテーテルの第12の例示の実施形態を示す図である。
図13B】本発明のカテーテルの第12の例示の実施形態を示す図である。
図13C】本発明のカテーテルの第12の例示の実施形態を示す図である。
図13D】本発明のカテーテルの第12の例示の実施形態を示す図である。
図14A】本明細書において開示したカテーテルのうちの任意のものの近位部分の種々の構成のうちの一つを示す図である。
図14B】本明細書において開示したカテーテルのうちの任意のものの近位部分の種々の構成のうちの一つを示す図である。
図14C】本明細書において開示したカテーテルのうちの任意のものの近位部分の種々の構成のうちの一つを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示内容の諸観点に係るカテーテルの観点は、図面を参照して説明され、図中、同一の参照符号は、図面全体を通して同一の部分を示している。
【0013】
現時点において開示する発明は、一般に、ルーメンに接触する組織、例えば尿道中に挿入されたときにカテーテルの運動摩擦を部分的にまたは完全になくすための無摩擦カテーテルおよびその使用方法に関する。カテーテルは、ローリングスリーブ(rolling sleeve)を収容したルーメンを備えた管状部材を有するのが良い。本明細書で用いられる「スリーブ」または「ローリングスリーブ」は、管状または中空形態の全体として可撓性または柔軟性の薄いメンブレン(薄膜)またはシースを意味するものとし、かかるメンブレンまたはシースを貫通して内部ルーメンが形成され、かかるメンブレンまたはシースは、管状部材の内部ルーメンから管状部材の近位開口部上で、次に管状部材の外面上で遠位側に連続的に反転されるのが良い。「近位」という用語は、意図した使用中における体内中への挿入方向を示すものとし、「遠位」という用語は、意図した使用中にユーザによって取り扱われるカテーテルの部分に向かう逆の方向を示すものとする。
【0014】
ローリングスリーブの近位部分が管状部材の外面の少なくとも一部分上で摺動するよう構成された近位部材に取り付けられるのが良い。幾つかの実施形態では、管の外周部および近位部分の内周部は、スリーブの相対的回転およびねじりを減少させるよう長円形を有するのが良い。幾つかの実施形態では、ローリングスリーブの遠位部分は、管状部材の遠位部分に隣接してまたはこの近くでチャンバ内に貯蔵されるのが良く、ローリングスリーブは、このチャンバ内で貯蔵および/または引っ込み形態で折り畳まれるとともに/あるいはひだ付けされるのが良い。カテーテルの挿入中、近位部材は、女性または男性の解剖学的構造(例えば、尿道)に係合して管状部材上で遠位側に摺動するよう構成され、ローリングスリーブを管状部材のルーメンから引き出し、そして管状部材が尿道中に前進しているときにローリングスリーブを管状部材の外面上で反転させる。カテーテルは、尿を膀胱から管状部材の近位開口部中に通し、そして遠位部材の遠位開口部から出すようにすることができる。遠位部材は、浴室内容器(例えば、トイレまたは小便器)中への望ましい流体流れをもたらすよう内側漏斗状区分を有するのが良い。幾つかの実施形態では、遠位部材は、後で処分するために尿を集める袋に取り付けられるのが良い。
【0015】
幾つかの実施形態では、ローリングスリーブは、フィラメントに取り付けられるのが良く、フィラメントは、管状部材のルーメンを通ってローリングスリーブを引き戻すよう引かれるのが良い。フィラメントは、プル部材(例えばプルリングまたはプルタブ)を有するのが良い。プル部材は、器用さが乏しくても患者による把持および引きを容易にするようフィラメントよりも大径であるのが良くかつフィラメントよりも硬質の材料で作られているのが良い。フィラメントはまた、自己投薬のための改善された角度を提供するとともにフィラメントおよびプル部材との尿接触を減少させることによって衛生状態を改善するようカテーテルの遠位端部の近位側に設けられた孔を貫通するのが良い。プル部材は、プル部材が孔を通るのを阻止するよう拡大されているのが良い。孔の位置決め具合により、フィラメントまたはプル部材を妨害することなくカテーテルの遠位端部への袋の取り付けを可能にするのが良い。
【0016】
カテーテルは、1つまたは2つ以上の管状シャトルを有するのが良い。スリーブは、遠位端部に取り付けられた管状シャトルを有するのが良い。管状シャトルは、スリーブの開通性を維持するようスリーブよりも高いフープ強度を有するのが良い。フィラメントは、スリーブを引っ込めるシャトルと直接的にまたは間接的に係合するのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、フィラメントの遠位端部およびスリーブの近位端部に取り付けられた単一のシャトルを含むのが良く、その結果、フィラメントを引くことによりシャトルおよびスリーブが管状部材のルーメンを通って遠位側に直接引かれるようになっている。これらの実施形態では、フィラメントは、プル部材の取り付け部とシャトルの取り付け部との間でループ状にされ、コイル状にされるとともに/あるいは束状にされるのが良くかつ十分な長さのフィラメントが提供されるようにするよう貯蔵中にカテーテルのルーメン内に収納されかつ滅菌状態に維持されるのが良い。他の実施形態では、カテーテルは、スリーブの遠位端部に取り付けられた第1のシャトルおよびフィラメントに固定された第2のシャトルを有するのが良く、第2のシャトルは、第1のシャトルの近位側に位置決めされる。これらの実施形態では、第2のシャトルは、貯蔵中、フィラメントに加わる張力を維持することができ、フィラメントの引っ込み中、第2のシャトルは、第1のシャトルに当接するとともにこれを遠位側に摺動させてスリーブを管状部材中に引き込むことができる。フィラメントは、十分な長さのフィラメントを貯蔵中にカテーテルのルーメン内に維持して排尿後にスリーブの引っ込みを可能にするようスリーブに取り付けられているシャトルを越えて近位側に延びるのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、フィラメントの貯蔵長さ分は、管状部材またはカテーテル全体の長さの少なくとも1/2であるのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントの貯蔵長さ分は、管状部材またはカテーテル全体の長さの少なくとも3/4であるのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメントの貯蔵長さ分は、管状部材またはカテーテル全体の長さに少なくとも実質的に等しくまたはこれよりも長いのが良い。
【0017】
管状部材を通ってローリングスリーブを引き抜くとともにローリングスリーブと管状部材の外面が相互作用することにより、内部摩擦がカテーテルにもたらされる。しかしながら、尿道の粘膜に沿うローリングスリーブの相対運動は、最小限でありまたはゼロであり、かくして、尿道にもたらされる運動摩擦は、最小限でありまたはゼロである。カテーテルシャフトおよびローリングスリーブは、乾燥状態にあるのが良くかつスリーブの割れを阻止するよう被膜が施されていないのが良い。ローリングスリーブは、超薄型であるのが良く、その厚さは、10ミクロン未満である。本開示内容のカテーテルは、ローリングスリーブが病原体を尿道および膀胱中に引き込むことがないので、CAUTIの恐れを減少させることができる。幾つかの実施形態では、CAUTIの恐れをカテーテルのチャンバ内へのローリングスリーブの遠位部分の貯蔵によりさらに一層減少させることができる。
【0018】
種々の実施形態のカテーテルは、使用および器具の取り扱いの容易さをもたらす人間工学的属性を備えた状態でコンパクトであるのが良い。幾つかの実施形態では、ユーザは、挿入中の取り扱いを容易にするよう管状部材を取り扱うことができる。カテーテルは、潤滑性被膜または流体活性を必要とせず、挿入中にユーザの衣服にしみを付ける恐れが減少する。カテーテルの滞留時間は、被膜がなんら施されていない場合でもまたはオスモル濃度に関する懸念なく、どうであっても良い。乾燥スリーブおよびカテーテルはまた、ユーザによる無菌準備を減少させた状態で無臭であるのが良い。さらに、本開示内容の乾燥スリーブは、病原体コロニー形成のための栄養をもたらすことはない。カテーテルのコンポーネントは、単純でありかつ環境に優しいカテーテルを製造するよう接着剤の使用なしで完全に機械的に(例えば、スナップ嵌め方式で)組み立てられるのが良い。カテーテルは、挿入長さとは無関係に、流体ルーメンの開通性をさらに可能にすることができる。幾つかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルの処分の際、尿の滴下を制限するよう再組み立て可能であるのが良い。
【0019】
図1A図1Dは、第1の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル100を示しており、この無摩擦カテーテル100は、管状部材102、スリーブ104、近位部材106、およびチャンバ110を包囲した遠位ハウジング108を有する。図1Aは、管状部材102が近位部材106を越えて部分的に送り進められた状態でかつスリーブ104が管状部材102の近位開口部上で反転させられた状態で、カテーテル100を部分的に挿入された形態で示している。図1Bは、カテーテル100を分解組立形態で示している。図1Cおよび図2Aは、いつでも挿入できかつ引っ込められた形態で示している。図1Dおよび図2Bは、カテーテル100を完全に挿入しかつ反転された形態で示している。図2Cは、カテーテル100を挿入後の引っ込められている途中で示している。図2Dは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル100を示している。カテーテル100は、本明細書において説明するように膀胱のドレナージを容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル100の諸観点および諸コンポーネントについては、本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味で、互いに類似したコンポーネントには、本開示内容全体を通じ、下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0020】
図1Aおよび図1Bに示されているように、遠位ハウジング108は、遠位部材112、チャンバ部材114、および管状ジャケット116を有するのが良い。チャンバ部材114は、チャンバ110を少なくとも部分的に包囲するのが良く、遠位部材112は、チャンバ部材114内に少なくとも部分的に受け入れられた管状延長部118を有するのが良い。チャンバ110および/またはチャンバ部材114は、スリーブ104の遠位部分を貯蔵および/または引っ込み形態で受け入れるよう管状部材102よりも大きな直径を有するのが良い。遠位ハウジング108は、締まり嵌めおよび/またはスナップ嵌めにより解除可能に固定されるのが良い。例えば、チャンバ部材114は、遠位部材112に設けられた溝内にスナップ嵌入するよう構成された1つまたは2つ以上の突出部および/またはこれと逆の関係を有する構成を有しても良い。1つまたは2つ以上の突出部は、十分な力が遠位部材112および/またはチャンバ部材114に加えられたときに遠位部材112を解除するよう構成されているのが良い。
【0021】
チャンバ部材114は、管状部材102の遠位部分に取り付けられるのが良く、遠位部材112は、スリーブ104の遠位部分128に取り付けられるのが良い。したがって、遠位部材112をチャンバ部材114から解除した後、遠位部材112を引っ込めてチャンバ部材114から遠ざけ、それによりスリーブ104を管状部材102中に引っ込めることができる。スリーブ104を管状部材中に引っ込めることにより、スリーブ104および管状部材102が本明細書において説明するようにカテーテル100の抜去のために尿道中に引かれる。遠位部材112は、遠位開口部および内側漏斗区分を有するのが良く、それにより尿道および/または膀胱と連通状態にあるとき、遠位開口部からの尿の排出が容易になる。遠位開口部はまた、尿を集めるために尿袋に流体結合されるのが良い。
【0022】
さらに図1Aおよび図1Bに示されているように、近位部材106は、管状部材102を通って(この中へまたはこれから外へ)スリーブ104を引くようにするために管状部材102に沿って摺動するよう構成されているのが良い。例えば、近位部材106が管状部材102に沿って遠位側に摺動すると、スリーブ104は、管状部材102から引き出される。近位部材106は、スリーブ104が管状部材102中に引き込まれると、管状部材102に沿って近位側に摺動する。近位部材106はまた、取り扱いおよび尿道中への挿入を容易にするための導入器補助手段として機能することができる。近位部材106は、遠位部分に設けられた把持または取り扱い部分120および近位部分に設けられた組織係合部材122を有するのが良い。取り扱い部分120は、ユーザの把持具合を高めるよう1つまたは2つ以上のリブおよび/または溝、または同等手段を有するのが良い。組織係合部材122は、解剖学的構造、例えば尿道に係合するための凸状マッシュルーム形部分を有するのが良い。凸状部分は、その遠位側に設けられていて凸状部分を取り扱い部分120から遮蔽するよう構成された凹状部分を有するのが良く、それにより凸状部分の相互接触が減少するとともに尿道中への病原体の入り込みが減少する。取り扱い部分120および組織係合部材122は、図1Bに示されているように分離可能であるのが良い。
【0023】
管状部材102を任意形式の解剖学的構造向きに寸法決めするとともに形作ることができる。男性および/または女性の尿道を取り扱いよう構成される場合、管状部材102は、丸形の断面を有しており、必ずしも尿道を反映したものでなくても良い。しかしながら、管状部材102は、非丸形の断面を有することができるということが想定される。管状部材102および/または近位部材106のための長円形の断面は、スリーブ104に加わって尿道に対する裂けまたは摩擦を生じさせる相対回転およびねじりを阻止する上で特に有利である。幾つかの実施形態では、管状部材102は、男性の尿道の曲率に対応するために長さに沿って湾曲しているのが良い。幾つかの実施形態では、管状部材102は、女性の尿道を横行するよう長さが短いのが良い。管状部材102は、近位開口部に設けられたカフ130を受け入れるのが良い。
【0024】
図1Cおよび図1Dに示されているように、スリーブ104は、遠位ハウジング108から管状部材102のルーメン124を貫通して延び、そして管状部材102のその近位端部のところに位置する外面の少なくとも一部分上で反転するのが良い。スリーブ104は、近位部材106の近位部分に取り付けられた近位部分126およびチャンバ110内に受け入れられた遠位部分128を有するのが良い。スリーブ104の遠位部分128は、遠位部材112の管状延長部118周りに固定されるのが良く、かくして遠位部材112とチャンバ部材114との間に延びる。図1Cに示されているように、遠位部分128は、貯蔵および/または引っ込み形態でチャンバ110内の管状延長部118上に位置決めされると、折り畳まれるとともに/あるいはひだ付けされるのが良い。スリーブ104は、細長いのが良く、遠位部分128は、例えば近位部材106が管状部材102に沿って遠位側に摺動するとき(例えば図1D)および/または遠位部材112がチャンバ部材114に対して引っ込められるとき、広がるのが良い。しかしながら、折り畳まれるとともに/あるいはひだ付けされた形態は、カテーテル100のルーメン内でスリーブ104が束状になるのを阻止するとともに尿道の長さおよび/または管状部材102の延長部とは無関係に膀胱排尿機能を実施可能にすることによって、スリーブ104の開通性を保証する。
【0025】
図2A図2Dは、図1A図1Dのカテーテル100の使用方法の例示のステップを示している。図2Aに示されているように、近位部材106は、導入器補助手段として作用することができかつカテーテルの取り扱いおよび体内管腔、例えば尿道(urethra meatus:UM)の存在場所の突き止め/係合を容易にすることができる。管状部材102の被覆近位長さは、近位部材106から近位側に延び出るのが良く、例えば、女性に関して大陰唇および小陰唇を通るナビゲーションならびに尿道(UM)の存在場所の突き止めを促進する。しかしながら、管状部材102の近位部分がスリーブ104によって覆われるとともにスリーブ104が反転するので、管状部材102およびスリーブ104を尿道中にそれ以上挿入しても、病原体が尿道の初期存在場所から押し出されることはない。
【0026】
図2Bに示されているように、管状部材102およびスリーブ104を尿道(U)および/または膀胱(B)中に前進させて膀胱を空にするのが良い。管状部材102を近位部材106に対して近位側に押すとともに/あるいは近位部材106を管状部材102に対して引くことによって管状部材102およびスリーブ104を前進させるのが良い。尿道(U)および/または膀胱(B)中にいったん挿入すると、尿は、スリーブ104によって内張りされているのが良い管状部材102の近位開口部を通って遠位部材112の遠位開口部から流出することができる。幾つかの実施形態では、次に、尿は、遠位部材112に取り付けられた袋内に受け入れられるのが良い。
【0027】
図2Cおよび図2Dに示されているように、排尿が完了した後、遠位部材112をチャンバ部材114から解除して管状部材102およびスリーブ104を尿道(U)および膀胱(B)から抜去するのが良い。遠位部材112をチャンバ部材114に対して引っ込めて管状部材102を、近位部材106を通って引っ込めるとともにスリーブ104を管状部材102のルーメンを通って引っ込めるのが良い。かくして、当初、スリーブ104の遠位端部に取り付けられるのが良い遠位部材112は、引っ込み中、チャンバ部材114から分離する。次に、遠位ハウジング108を再び組み立てて例えばスリーブ104をチャンバ部材114中に送り戻すとともに遠位部材112とチャンバ部材114を再び組み立てることによって処分に先立つ尿の滴下を減少させることができる。
【0028】
図3A図3Lは、第2の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル200を示しており、この無摩擦カテーテル200は、管状部材202、スリーブ204、近位部材206、および内側チャンバ210を備えた遠位ハウジング208を有している。図3A図3Eは、カテーテルをいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図3Bは、A‐A線で取った図3Aのカテーテル200の断面図である。図3Cは、図3Bに示された領域Bの拡大図である。図3D、およびは、図3Bにしめされた領域Cの拡大図である。図3F図3H、および図3Iは、カテーテル200を完全挿入かつ反転形態で示している。図3Iは、D‐D線で取った図3Hのカテーテル200の断面図である。図3J図3K図3Lは、挿入後に完全引っ込められたカテーテル200を示している。図3Kは、E‐E線で取った図3Jのカテーテル200の断面図である。図3Lは、図3Jに対して90°回転した側から見たカテーテル200の別の図である。カテーテル200は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル200の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0029】
近位部材206は、到達するのが困難な解剖学的構造を取り扱ったりこれをナビゲートするのを容易にしたりするための相当な長さの取り扱い部分220、および尿道中に挿入可能であるとともにスリーブ204の近位端部226に取り付けられる組織係合部材222を有するのが良い。スリーブ204は、かくして、近位部材206にその近位端部のところで取り付けられる。スリーブ204は、管状部材202の内側ルーメンを貫通してその遠位部分228が遠位ハウジング208の遠位部材212に取り付けられるのが良い。遠位部分228は、いつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態にあるとき、遠位部材212の管状延長部218上でかつチャンバ部材214の内側で折り畳まれ、ひだ付けされ、または違ったやり方で長手方向に縮められるのが良い。かくして、スリーブ204は、スリーブ204の開通性を維持するよう遠位部材212とチャンバ214との間に延びるのが良い。
【0030】
スリーブ204は、カテーテル200を尿道中に挿入しているとき、管状部材202の近位端部の開口部上で管状部材202の内側ルーメン中に反転しまたは丸まって入る。近位部材206は、管状部材202上でこれに沿って摺動し、その結果、ユーザが近位部材206の組織係合部材222を尿道中に挿入して管状部材202および/または遠位ハウジング208を押すと、管状部材202は、尿道中に前進する一方で近位部材206は、管状部材202上でこれに沿って遠位側に摺動するようになる。スリーブ204は、管状部材202のルーメン内から近位側に押し出されて管状部材202の近位開口部上で連続して反転し、それにより管状部材202と尿道との間にバリヤまたは層を形成する。かくして、スリーブ204は、挿入および引っ込み中、尿道に対して静止しており、それによりかかる挿入および引っ込み中、ゼロまたは低い運動摩擦の実現が可能である。管状部材202は、近位部材206の内面とキー結合することができ、それにより管状部材202と近位部材206との相対回転を阻止して膀胱の排尿を妨げる場合のあるスリーブ204のねじれを阻止することができる。
【0031】
遠位ハウジング208は、管状部材202の取り扱いおよび挿入中、チャンバ部材214からの遠位部材212の解除を阻止するよう構成された係止部材232をさらに有するのが良い。遠位部材212は、チャンバ部材214を収容するのが良い。係止部材232は、遠位部材212に取り付けられていて付勢されてチャンバ部材214に係合するラッチ留め部材および/またはレバーを含むのが良い。係止部材232は、作動前におけるチャンバ部材214からの遠位部材212の引っ込みを阻止することができる。例えば、係止部材232は、チャンバ部材214の係止孔内に回動的に受け入れられる近位突出部を有するのが良い。膀胱の排尿の完了時、ユーザは、係止部材232を作動させて(例えば、押すことによりかつ/あるいは回動させることにより)遠位部材212をチャンバ部材214から解除するのが良い。係止部材232の解除により、管状部材202に対するスリーブ204の遠位部分222の引っ込みが可能であり、それにより尿道からのカテーテル200の抜去が容易になる。かくして、スリーブ204の遠位端部に取り付けられるのが良い遠位部材212は、引っ込みの際、チャンバ部材214から分離する。
【0032】
図4A図4Lは、第3の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル300を示しており、この無摩擦カテーテル300は、管状部材302、スリーブ304、近位部材306、および内側チャンバ310を備えた遠位ハウジング308を有する。図4A図4Dは、カテーテル300をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図4Bは、A‐A線で取った図4Aのカテーテル300の断面図である。図4Cは、図4Bに示された領域Bの拡大図である。図4Dは、図4Bに示された領域Cの拡大図である。図4F図4I、および図4Jは、カテーテル300を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図4Jは、D‐D線で取った図4Iのカテーテル300の断面図である。図4G図4K、および図4Lは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル300を示している。図4Lは、E‐E線で取った図4Kのカテーテル300の断面図である。図4Hは、カテーテル300を処分のための押し潰し形態で示している。カテーテル300は、本明細書で説明するように、膀胱のドレナージを容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル300の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0033】
スリーブ304は、近位部材306にその近位端部のところで取り付けられるのが良い。スリーブ304は、管状部材302の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材302の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ304は、管状部材302の内側ルーメンを貫通してその遠位端部328が遠位ハウジング308に設けられている遠位部材312に取り付けられるのが良い。スリーブ304の遠位部分は、いつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態にあるとき、遠位部材312の管状延長部318上でかつ遠位ハウジング308の内側で折り畳まれ、ひだ付けされ、または違ったやり方で長手方向に縮められるのが良い。かくして、スリーブ304は、スリーブ304の開通性を維持するよう遠位部材312上に延びるのが良い。遠位ハウジング308は、外側管ハウジング334および内側管ハウジング336を有するのが良い。
【0034】
スライダ350が外側管ハウジング334および内側管ハウジング336に設けられているスロット352に沿って摺動するよう構成されているのが良い。スライダ350は、管状部材302の遠位端部を押すことによって管状部材302を遠位ハウジング308から前進させるよう構成されているのが良い。スライダ350は、管状部材302を通ってスリーブ304を引っ込めるとともに管状部材302を引っ込めるために押し下げられてスリーブ304を挟むとともに/あるいは把持するよう構成されたアクチュエータ354をさらに有するのが良い。アクチュエータ354によるスリーブ304の挟みおよび/または把持は、スリーブ304のたるみがあればこれをなくすことができ、その結果、スリーブ304および管状部材302の引っ込みがスライダ350の引っ込み時にすぐに始まるようになっている。スリーブ304のたるみは、排尿が始まる距離までの尿道中へのカテーテル300の前進に起因して起こっている場合がある。この距離は、解剖学的構造およびユーザの体格のばらつきに起因して様々な場合があり、カテーテル300は、全シャフト長さ挿入に対応するよう設計されている。かくして、たるみは、挿入距離と全シャフト長さとの差によって生じる。
【0035】
図4F図4Hならびに図4Kおよび図4Lに示されているように、スライダ350は、遠位側に引っ込められるのが良く、しかも最終的には内側管ハウジング336に係合するのが良い。スライダ350は、内側管ハウジング336を外側管ハウジング334から押し出し、ついには、管状部材302全体が尿道から無摩擦方式で引っ込められて外側管ハウジング334内に受け入れられるようになる。内側管ハウジング336は、スリーブ304を操ることができ、ユーザは、スリーブ‐管状部材機構を見なくても済むことができる。スライダ350は、管状部材302を押すだけであり、スライダ350は、スライダ350が引っ込められると、管状部材302から離脱する。かくして、管状部材302は、浮動状態であるのが良く、スライダ350がスリーブ304を引っ込めることによってのみ管状部材302を引っ込めることができる。スライダ350を引っ込めた後、内側管ハウジング336は、摺動して外側管ハウジング334中に戻って完全押し潰し状態のコンパクトな形態を形成することができる。
【0036】
図5A図5Kは、第4の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル400を示しており、この無摩擦カテーテル400は、管状部材402、スリーブ404、近位部材406、およびチャンバ410を包囲した遠位ハウジング408を有する。図5A図5Eは、カテーテル400をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図5Bは、A‐A線に沿って取った図5Aのカテーテル400の断面図である。図5Cは、図5Bに示された領域Cの拡大図である。図5Dは、図5Bに示された領域Bの拡大図である。図5F図5H、および図5Iは、カテーテル400を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図5Iは、D‐D線に沿って取った図5Hのカテーテル400の断面図である。図5G図5J、および図5Kは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル400を示している。図5Kは、E‐E線に沿って取った図5Jのカテーテル400の断面図である。カテーテル400は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル400の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0037】
スリーブ404は、近位部材406にその近位端部426のところで取り付けられるのが良い。スリーブ404は、管状部材402の近位端部の開口部上で裏返しになりまたは丸まって管状部材402の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ404は、管状部材402の内側ルーメンを貫通してその遠位部分428が遠位ハウジング408に設けられている遠位部材412に取り付けられるのが良い。スリーブ404の遠位部分428は、いつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態にあるとき、遠位部材412の管状延長部418上でかつ遠位ハウジング408の内側で折り畳まれ、ひだ付けされ、または違ったやり方で長手方向に縮められるのが良く、それによりスリーブ404の開通性が維持される。
【0038】
カテーテル400は、使用および器具の取り扱いの容易さを招く人間工学的属性を備えたコンパクトで包囲された管状部材402を有するのが良い。カテーテル400は、管状部材402およびスリーブ404が遠位ハウジング408内に位置するコンパクトな状態でユーザに提供可能である。遠位ハウジング408は、自己挿入を可能にする望ましい低プロフィール(薄型)および取り扱いを提供する外側ハウジング管またはチャンバ部材414を有するのが良い。遠位ハウジング408は、チャンバ部材414に解除可能に固定されるよう構成された遠位部材412をさらに有するのが良い。スライダ450がチャンバ部材414に沿って摺動してチャンバ部材414に設けられているスロット(図示せず)を通って管状部材402に係合するよう構成されているのが良い。スライダ450は、管状部材402の遠位端部を押すことによって管状部材402をチャンバ部材414から尿道中に前進させるよう構成されているのが良い。管状部材402の前進により、スリーブ404をチャンバ410から引き出すことができ、スリーブ404は、管状部材402を尿道および/または膀胱中に前進させるときに管状部材402上で反転する。図5Eは、管状チャンバ414内に配置されているチャンバ410を示しているが、チャンバ410は、追加的にまたは代替的に、遠位部材412内に位置しても良い。
【0039】
遠位ハウジング408は、管状部材402の取り扱いおよび挿入中、チャンバ部材414からの遠位部材412の解除を阻止するよう構成された係止部材432をさらに有するのが良い。係止部材432は、遠位部材412に取り付けられていて付勢されてチャンバ部材414に係合するラッチ留め部材および/またはレバーを含むのが良い。係止部材432は、作動前におけるチャンバ部材414からの遠位部材412の引っ込みを阻止することができる。膀胱の排尿の完了時、ユーザは、係止部材432を作動させて(例えば、押すことによりかつ/あるいは回動させることにより)遠位部材412をチャンバ部材414から解除するのが良い。係止部材432は、チャンバ部材414の孔内に受け入れられる近位突出部を有するのが良く、その結果、係止部材432の近位部分を押すことにより遠位部材412をチャンバ部材414から解除することができるようになっている。係止部材432の解除により、管状部材402に対する遠位部分428の引っ込みおよびスリーブ404の伸長が可能であり、それにより尿道からのカテーテル400の抜去が容易になる。
【0040】
図6A図6Jは、第5の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル500を示しており、この無摩擦カテーテル500は、管状部材502、スリーブ504、近位部材506、およびチャンバ510を包囲したハウジング508を有する。図6A図6Fは、カテーテル500をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図6Bは、A‐A線に沿って取った図6Aのカテーテル500の断面図である。図6Cは、図6Bに示された領域Bの拡大図である。図6Dは、図6Bに示された領域Cの拡大図である。図6Eは、図6Bに示された領域Dの拡大図である。図6G図6I、および図6Jは、カテーテル500を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図6Jは、E‐E線に沿って取った図6Iのカテーテル500の断面図である。図6Hは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル500を示している。カテーテル500は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル500の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0041】
スリーブ504は、近位部材506にその近位端部526のところで取り付けられるのが良い。スリーブ504は、管状部材502の近位端部の開口部上で裏返しになりまたは丸まって管状部材502の内側ルーメン中に入ることができ、そして管状部材502の内側ルーメンを貫通することができる。スリーブ504は、その遠位端部528がハウジング508内で管状延長部518に嵌まった状態で取り付けられるのが良い。スリーブ504は、スリーブ504の開通性を維持するよう管状延長部518上で延びるのが良い。カテーテル500は、管状部材502が収納形態でハウジング508のチャンバ510内に受け入れられたコンパクトな状態でユーザに提供可能である。
【0042】
ユーザがカテーテル500を尿道にいったん係合させると、ユーザは、ハウジング508に設けられたスロット552を通ってスライダ550を摺動させることによって管状部材502を前進させるのが良い。かくして、スライダ550は、スリーブ504の近位部分526が近位部材506に取り付けられるとともにスリーブ504の遠位部分528が管状延長部518に取り付けられている間にスリーブ504の一部分を前進させることができる。スリーブ504は、フックまたはプーリ型部材560に係合させることができる実質的に180°の曲がり部を備えた遠位ハウジング内で折りたたまれるのが良い。プーリ型部材560は、スライダ505に連結されても良くまたは自由浮動状態であってスリーブ504と一緒にハウジング508の長手方向軸線に沿って摺動しても良い。
【0043】
カテーテル500がいったん膀胱に達すると、カテーテル500は、尿を膀胱から排出して空にすることができる。尿は管状部材502およびスリーブ504を通って実質的に180°の曲がり部に沿ってぐるりと進み、そしてスリーブ504から出ることができる。尿は次に、別の実質的に180°の曲がり部を通り、そしてハウジング508のチャネル562を通ってカテーテル500の遠位端部から流出することができる。
【0044】
排尿の完了時、ユーザは、スライダ550をハウジング508に沿って遠位側に引っ込めて管状部材502およびスリーブ504を引っ込め、ハウジング508中に戻すのが良い。管状部材502の前進/引っ込み速度は、スライダ550の前進/引っ込み速度と同一であり、それにより尿道および膀胱中への管状部材502の挿入および抜去が容易になる。管状部材502およびスリーブ504は、容易かつ一層容易な取り扱い、貯蔵、および処分を可能にするよう器具使用の前後においてハウジング508内に保持される。
【0045】
図7A図7Iは、第6の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル600を示しており、この無摩擦カテーテル600は、管状部材602、スリーブ604、近位部材606、およびハウジング部材608を有する。図7A図7Eは、カテーテル600をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図7Bは、A‐A線に沿って取った図7Aのカテーテル600の断面図である。図7Cは、図7Bに示された領域Bの拡大図である。図7Dは、図7Bに示された領域Cの拡大図である。図7F図7H、および図7Iは、カテーテル600を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図7IはD‐D線に沿って取った図7Hのカテーテル600の断面図である。図7Gは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル600を示している。カテーテル600は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル600の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0046】
スリーブ604は、近位部材606にその近位端部626のところで取り付けられるのが良い。スリーブ604は、管状部材602の近位端部の開口部上で管状部材602の内側ルーメン中に反転しまたは丸まって入るのが良い。スリーブ604は、管状部材602の内側ルーメンを通ってその遠位端部628がハウジング608の遠位部分612に取り付けられるのが良い。ハウジング部材608は、自己挿入が可能であるよう器具取り扱いに好都合であるような輪郭形状であるのが良い。スライダ650がハウジング部材608内に設けられたスロット652に沿って摺動するよう構成されているのが良い。スライダ650は、管状部材602に設けられた取り付け部分650Aを押すことによってハウジング部材608に対してかつこの中で管状部材602を前進させまたは引っ込めるよう構成されているのが良い。かくして、スライダ650は、管状部材602およびスリーブ604をコンベア様方式で並進させることができる。管状部材602およびスリーブは、挿入に先立つ遠位側における形態と近位側における形態との間で並進してカテーテル600を尿道および/または膀胱中に挿入することができる。スライダ650はまた、管状部材602およびスリーブ604を引っ込めてこれらを遠位側での形態に戻してカテーテル600を尿道および/または膀胱から抜去することができる。遠位側における形態では、管状部材602およびスリーブ604は、ハウジング608から遠位側に延びるのが良い。近位側での形態では、管状部材602およびスリーブ604は、ハウジング608から近位側に延びるのが良い。カテーテル600は、連結状態の袋なしで使用できる。
【0047】
図8A図8Kは、第7の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル700を示しており、この無摩擦カテーテル700は、管状部材702、スリーブ704、近位部材706、および遠位部材712を有する。図8A図8Eは、カテーテル700をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図8Bは、A‐A線に沿って取った図8Aのカテーテル700の断面図である。図8Cは、図8Bに示された領域Bの拡大図である。図8Dは、図8Bに示された領域Cの拡大図である。図8F図8H、および図8Iは、カテーテル700を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図8IはD‐D線に沿って取った図8Hのカテーテル700の断面図である。図8G図8J、および図8Kは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル700を示している。カテーテル700は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル700の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0048】
カテーテル700は、スリーブ704が管状部材702内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ704は、近位部材706にその近位端部726のところで取り付けられるのが良い。近位端部726は、管状部材702の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材702の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ704は、管状部材702の内側ルーメンを貫通してその遠位端部728がシャトル718に取り付けられるのが良く、シャトル718は、管状部材702の内側ルーメン内を摺動する。シャトル718は、スリーブ704の開通性を維持するようスリーブ704よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。管状部材702は、望ましい取り扱い、挿入、およびドレナージをもたらすよう低プロフィールを有する。ユーザが近位部材706を尿道にいったん係合させると、ユーザは、カテーテル700を押すとともに/あるいは管状部材702上でこれに沿って摺動する近位部材706を引っ込めることによって管状部材702を尿道中に前進させることができる。スリーブ704は、管状部材702が尿道および/または膀胱を通って前進しているときに管状部材702上で反転する。
【0049】
カテーテル700は、膀胱の排尿の完了時に管状部材702の抜去および/または引っ込みを容易にするフィラメント770を有するのが良い。フィラメント770は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部によりシャトル718に取り付けられるのが良い。フィラメント770の引っ込みにより、スリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材702は、カテーテル700と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。フィラメント770は、取り扱いおよび引き動作を容易にするためにその遠位端部がプル部材772、例えばプルタブ、プルフラグ、またはプルロッドに取り付けられるのが良い。フィラメント770は、管状部材702または遠位部材712の側壁を貫通して設けられた孔774を貫通してカテーテル700から延び出るのが良く、孔774は、カテーテル700の遠位端部の近位側に位置している。遠位部材712の側壁を貫通して延びる孔774は、改善された角度およびカテーテル700の挿入の妨害を最小限にすることに起因して特に望ましいといえる。フィラメント770は、コイル状の形態で収納されるとともに遠位部材712および/または管状部材702内に収容されるのが良い。幾つかの実施形態では、フィラメント770は、フィラメント770が特定の形態、例えばコイルの形態を取るよう、またはスリーブ704が引っ込み形態にあるときにかかる特定の形態で弾性および/またはばね特性を有するよう熱硬化されるのが良い。フィラメント770は、スリーブ704が管状部材702を通って近位側に前進して管状部材702の外面上で反転して反転形態になっているときに長くなるとともに真っ直ぐになる。排尿後、ユーザは、プル部材772を引いて孔774を通ってフィラメント770をカテーテル700の外部から引くのが良く、それにより管状部材702のルーメンを通ってシャトル718およびスリーブ704を引いてこれらを引っ込み形態に戻す。
【0050】
カテーテル700は、漏斗区分がフィラメント770またはプル部材772によって影響を受けないので、尿袋に連結されるのが良い。孔774は、依然として無摩擦抜去を可能にして袋を備えたカテーテル700の使用を容易にしながら、またはユーザが便器上に位置しているときに側方または外方への引き動作を許容することができる。カテーテル700はまた、衛生的な取り扱い、貯蔵、および処分性を向上させる。
【0051】
図9A図9Iは、第8の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル800を示しており、この無摩擦カテーテル800は、管状部材802、スリーブ804、近位部材806、および遠位部材812を有する。図9A図9Eは、カテーテル800をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図9Bは、A‐A線に沿って取った図9Aのカテーテル800の断面図である。図9Cは、図9Bに示された領域Bの拡大図である。図9Dは、図9Bに示された領域Cの拡大図である。図9F図9H、および図9Iは、カテーテル800を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図9IはD‐D線に沿って取った図9Hのカテーテル800の断面図である。図9Gは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル800を示している。カテーテル800は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル800の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0052】
カテーテル800は、スリーブ804が管状部材802内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ804は、近位部材806にその近位端部826のところで取り付けられるのが良い。近位端部826は、管状部材802の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材802の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ804は、管状部材802の内側ルーメンを貫通してその遠位端部828がシャトル818に取り付けられるのが良く、シャトル818は、管状部材802の内側ルーメン内を摺動する。ユーザが近位部材806を尿道にいったん係合させると、ユーザは、遠位部材812を押すとともに/あるいは管状部材802上でこれに沿って摺動する近位部材806を引っ込めることによって、管状部材を尿道中に前進させることができる。スリーブ804は、管状部材802が尿道および/または膀胱を通って前進しているときに管状部材802上で反転する。
【0053】
カテーテル800は、膀胱の排尿の完了時に管状部材802の抜去を容易にするフィラメント870をさらに有するのが良い。フィラメント870は、スリーブ804の遠位端部828が取り付けられたシャトル818に取り付けられるのが良い。シャトル818は、スリーブ804の開通性を維持するようスリーブ804よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。フィラメント870は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部によりシャトル818に取り付けられるのが良い。管状部材802は、望ましい取り扱い、挿入、およびドレナージをもたらすよう低プロフィールを有する。シャトル818の引っ込みにより、スリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材802は、カテーテル800と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。
【0054】
ばね880は、ばね880の近位端部のフックおよびフィラメント870の遠位端部に設けられたループを介してフィラメント870に連結されるのが良い。しかしながら、幾つかの実施形態では、ばね880は、別個のフィラメント870を何ら用いないでシャトル818またはスリーブ804の遠位部分828に直接連結されても良い。ばね880は、管状部材802および/または遠位部材812内に収容されるのが良い。ばね880は、螺旋圧縮/伸長フィラメントであるのが良くかつカテーテル800の長手方向軸線に沿って位置決めされるのが良い。ばね880は、尿道および/または膀胱を通ってカテーテル800を前進させているときにスリーブ804を近位側に引くと、伸長することができる。ばね880は、挿入反力が除かれると、例えば、カテーテル800を尿道から抜去すると、スリーブ804に復元力および/または反動を提供することができる。ばね880の復元力は、スリーブ804を引くことができ、それによりスリーブ804および管状部材802を引っ込める。カテーテル800は、尿袋に連結されるのが良い。
【0055】
図10A図10Iは、第9の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル900を示しており、この無摩擦カテーテル900は、管状部材902、スリーブ904、近位部材906、および遠位部材912を有する。図10A図10Eは、カテーテル900をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図10Bは、A‐A線に沿って取った図10Aのカテーテル900の断面図である。図10Cは、図10Bに示された領域Bの拡大図である。図10Dは、図10Bに示された領域Cの拡大図である。図10F図10H、および図10Iは、カテーテル900を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図10IはD‐D線に沿って取った図10Hのカテーテル900の断面図である。図10Gは、挿入後に完全に引っ込められたカテーテル900を示している。カテーテル900は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル900の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0056】
カテーテル900は、スリーブ904が管状部材902内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ904は、近位部材906にその近位端部926のところで取り付けられるのが良い。近位端部926は、管状部材902の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材902の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ904は、管状部材902の内側ルーメンを貫通してその遠位端部928がシャトル918に取り付けられるのが良く、シャトル918は、管状部材902の内側ルーメン内を摺動する。シャトル918は、スリーブ904の開通性を維持するようスリーブ904よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。管状部材902は、望ましい取り扱い、挿入、およびドレナージをもたらすよう低プロフィールを有する。ユーザが近位部材906を尿道にいったん係合させると、ユーザは、カテーテル900を押すとともに/あるいは管状部材902上でこれに沿って摺動する近位部材906を引っ込めることによって、管状部材を尿道中に前進させることができる。スリーブ904は、管状部材902が尿道および/または膀胱を通って前進しているときに管状部材902上で反転する。
【0057】
カテーテル900は、膀胱の排尿の完了時に管状部材902の抜去を容易にするフィラメント970をさらに有するのが良い。フィラメント970は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部により摺動シャトル918に取り付けられるのが良い。フィラメント970の引っ込みにより、スリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材902は、カテーテル900と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。フィラメント970は、遠位部材912内に収容されたばね980に取り付けられるのが良い。別の実施形態では、フィラメント970は、実際には、ばね980それ自体のまさに延長部であるのが良い。ばね980は、遠位部材912の軸外ればねハウジング982内に収容されたねじりばね(例えば板ばね)であるのが良い。ばね980は、フィラメント970を軸線回りに巻きまたはコイル状にするスプールに取り付けられるのが良く、フィラメント970は、尿道および/または膀胱を通ってカテーテル900を前進させると、引かれるのが良い。ばね980は、挿入反力が除かれると、例えばカテーテル900が尿道から抜去されると、後戻りして復元力をフィラメント970に提供するのが良い。ばね980の復元力は、フィラメント970を引くことができ、それによりスリーブ904および管状部材902を引っ込める。ばね980は、引っ込みのための一定のまたはほぼ一定のばね力を提供するのが良い。スプールは、スリーブ904が引っ込み形態にあるときにフィラメントを保持するとともに/あるいは収納するのが良い。カテーテル900は、漏斗区分がフィラメント970またはばね980によって影響されないときには、尿袋に連結されるのが良い。
【0058】
図11A図11Tは、第10の例示の実施形態としての本発明の無摩擦カテーテル1000を示しており、この無摩擦カテーテル1000は、管状部材1002、スリーブ1004、近位部材1006、および遠位部材1012を有する。図11Aおよび図11E図11Hは、カテーテル1000をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図11Fは、A‐A線に沿って取った図11Eのカテーテル1000の断面図である。図11Gは、図11Fに示された領域Bの拡大図である。図11Hは、図11Fに示された領域Cの拡大図である。図11Bおよび図11I図11Lは、カテーテル1000を完全に挿入されかつ反転された形態で示している。図11Jは、D‐D線に沿って取った図11Iのカテーテル1000の断面図である。図11Kは、図11Jに示された領域Eの拡大図である。図11Lは、図11Jに示された領域Fの拡大図である。図11Cおよび図11Dならびに図11M図11Tは、カテーテル1000を完全に引っ込められた形態で示している。図11Nは、G‐G線に沿って取った図11Mのカテーテル1000の断面図である。図11Oは、図11Nに示された領域Hの拡大図である。図11Pは、図11Nに示された領域Iの拡大図である。図11Rは、J‐J線に沿って取った図11Qのカテーテル1000の断面図である。図11Sは、図11Rに示された領域Kの拡大図である。図11Tは、図11Rに示された領域Lの拡大図である。カテーテル1000は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル1000の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0059】
カテーテル1000は、スリーブ1004が管状部材1002内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ1004は、近位部材1006にその近位端部1026のところで取り付けられるのが良い。近位端部1026は、管状部材1002の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材1002の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ1004は、管状部材1002の内側ルーメンを貫通してその遠位端部1028がシャトル1018に取り付けられるのが良く、シャトル1018は、管状部材1002の内側ルーメン内を摺動する。シャトル1018は、スリーブ1004の開通性を維持するようスリーブ1004よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。
【0060】
カテーテル1000は、膀胱の排尿の完了時に管状部材1002の抜去を容易にするフィラメント1070をさらに有するのが良い。フィラメント1070の引っ込みにより、スリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材1002は、カテーテル1000と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。シャトル1018がスリーブ1004の遠位端部分1018およびフィラメント1070の遠位部分に取り付けられるのが良い。フィラメント1070は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部によりシャトル1018に取り付けられるのが良い。フィラメント1070は、管状部材1002または遠位部材1012の側壁を貫通して設けられた孔1074を貫通してカテーテル1000から延び出るのが良く、孔1074は、カテーテル1000の遠位端部の近位側に位置している。遠位部材1012の側壁を貫通して延びる孔1074は、改善された角度およびカテーテル1000の挿入の妨害を最小限にすることに起因して特に望ましいといえる。フィラメント1070は、取り扱いおよび引き動作を容易にするためにプル部材1072に取り付けられるのが良く、プル部材1072は、プルリングを具体化するのが良い。かくして、フィラメント1070は、シャトル1018から孔1074を貫通してプル部材1072に取り付けられるのが良い。フィラメント1070の近位部分がコイル状形態で収納されるのが良くかつ管状部材1002および/または遠位部材1012内に収容されるのが良い。フィラメント1070はまた、フィラメント1070が特定の形態、例えばコイルの形態を取るよう、または特定の形態に付勢されるようにするために弾性および/またはばね特性を有するよう熱硬化されるのが良い。孔1074は、依然として無摩擦抜去を可能にして袋を備えたカテーテル1000の使用を容易にしながら、またはユーザが便器上に位置しているときに上方の方向への引き動作を許容することができる。カテーテル1000は、漏斗区分がフィラメント1070またはプル部材1072によって影響を受けないので、尿袋に連結されるのが良い。カテーテル1000はまた、衛生的な取り扱い、貯蔵、および処分性を向上させる。
【0061】
プル部材1072は、プル部材1072を管状部材1002の外面に解除可能に固定するよう構成された固定部材1076を有するのが良い。プル部材1072は、カテーテル1000の挿入に先立ってかつカテーテル1000の挿入中、管状部材1002に固定されるのが良い。固定部材1076は、管状部材1002の周りに部分的に延びるよう構成された弾性クリップの形態をしているのが良い。排尿が完了した後、固定部材1076は、管状部材1002から解除されて引かれるのが良く、それにより図11M図11Pに示されているようにスリーブ1004を引っ込めるとともにカテーテル1000を抜去する。
【0062】
カテーテル1000の抜去後、プル部材1072をクリップ留めにより管状部材1002に戻すのが良く、さらに図11Q図11Sに示されているように近位部材1006に係止するのが良い。例えば、プル部材1072は、係止または固定要素1072A、例えば固定部材1076の延長部を有するのが良く、この係止または固定要素1072Aは、相補する係止または固定要素1072B、例えば近位部材1006に設けられた凹部と嵌合しまたはこの中に係止する。凹部1072Bは、摩擦嵌めおよび/または締まり嵌めにより延長部1072Aを固定することができる。凹部1072B内への延長部1072Aの保持は、貯蔵および/または使用後における処分を容易にするようフィラメント1070に加わる張力を維持する。
【0063】
図12A図12Fは、第11の例示の実施形態としてのカテーテル1100を示しており、このカテーテル1100は、管状部材1102、スリーブ1104、近位部材1106、および遠位部材1112を有する。図12A図12Fは、カテーテル1100をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図12Aは、カテーテル1100の斜視図である。図12Bは、カテーテル1100の分解組立図である。図12Cは、カテーテル1100の正面図である。図12Dは、図12Cに示された平面に沿って取ったカテーテル1100の断面図である。図12Eは、男性の解剖学的構造に係合するための近位部材1106′を有するカテーテル1100を示している。図12Fは、あらかじめ取り付けられた袋1190を有するカテーテル1100を示している。カテーテル1100は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル1100の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0064】
カテーテル1100は、スリーブ1104が管状部材1102内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ1104は、近位部材1106にその近位端部のところで取り付けられるのが良い。近位端部は、管状部材1172の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材1102の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ1104は、管状部材1102の内側ルーメンを貫通してその遠位端部が第1のシャトル1118に取り付けられるのが良い。第1のシャトル1118は、管状部材1102の内側ルーメン内を摺動する。第1のシャトル1118は、スリーブ1104の開通性を維持するようスリーブ1104よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。管状部材1102は、望ましい取り扱い、挿入、およびドレナージをもたらすよう低プロフィールを有する。ユーザが近位部材1106を尿道にいったん係合させると、ユーザは、カテーテル1100を押すとともに/あるいは管状部材1102上でこれに沿って摺動する近位部材1106を引っ込めることによって、管状部材を尿道中に前進させることができる。スリーブ1104は、管状部材1102が尿道および/または膀胱を通って前進しているときに(図2A図2Dに同様に示されているように)管状部材1102上で反転する。スリーブ1104の前進により、管状部材1102を通って第1のシャトル1118もまた前進することができる。スリーブ1104の完全前進位置では、第1のシャトル1118は、第1のシャトル1118の近位側で管状部材1102のルーメン内に位置決めされた第2のシャトル1119に接近するとともに当接するのが良い。
【0065】
カテーテル1100は、膀胱の排尿の完了時に管状部材1102の抜去を容易にするプル部材1172を備えたフィラメント1170をさらに有するのが良い。フィラメント1170は、プル部材1172から管状部材1102または遠位部材1112の側壁を貫通して設けられた孔1174を貫通してカテーテル1100から延び出るのが良く、孔1174は、カテーテル1100の遠位端部の近位側に位置している。遠位部材1112の側壁を貫通して延びる孔1174は、改善された角度およびカテーテル1100の挿入の妨害を最小限にすることに起因して特に望ましいといえる。次に、フィラメント1170は、遠位部材1112および/または管状部材1102を近位側に貫通するのが良い。フィラメント1170は、第1のシャトル1118を貫通し、これを越えて近位側に延びるのが良い。フィラメント1170は、第1のシャトル1118の近位側で第2のシャトル1119に取り付けられるのが良い。フィラメント1170は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部により第2のシャトル1119に取り付けられるのが良い。第2のシャトル1119へのフィラメント1170の取り付けにより、カテーテル1100の挿入に先立って、フィラメント1170に加わっている張力を維持することができる。フィラメント1170の引っ込みにより、スリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材1102は、カテーテル1100と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。フィラメント1170の引っ込みにより、第2のシャトル1119の引っ込みを生じさせることができ、第2のシャトル1119は、第1のシャトル1118に接触してこれを管状部材1102のルーメンを通って遠位側に引く。第1のシャトル1118は、スリーブ1104を管状部材1102のルーメン中に引き込んで引っ込み形態にすることができる。
【0066】
図12Fに示されているように、カテーテル1100は、あらかじめ取り付けられた袋1190が遠位部材1112と流体連通状態をなした状態で包装されるのが良い。包装されると、袋1190は、遠位部材1112に巻き付けられて覆い被さるスリーブ1192により巻き付け形態で固定されるのが良い。かくして、パッケージを開封した後、ユーザは、覆い被さっているスリーブ1192を取り外して使用に先立って袋1190を広げるのが良い。袋1190を備えた実施形態では、遠位部材1112は、袋1190中への向上した流体の流れを提供するよう管状延長部1113を受け入れるのが良い。管状延長部1113は、締まり嵌めまたはねじ込み嵌めにより遠位部材1112のルーメン内に受け入れられるのが良い。袋1190はまた、プル部材1172を巻き付け形態で受け入れるのが良い。さらに上述したように、近位部材1106は、組織係合部材1122または1122′および取り扱い部分1120または1120′を含む分離可能なコンポーネントを有するのが良い。取り扱い部分1120または1120′は、ユーザのつかみ具合を高めるための1つまたは2つ以上のリブおよび/または溝その他を有するのが良い。組織係合部材1122は、女性の解剖学的構造に係合するための凸状の近位表面を有するのが良い。変形例として、組織係合部材1122′は、男性の解剖学的構造に係合するための凹状近位表面を有しても良い。
【0067】
図13A図13Dは、第12の例示の実施形態としてのカテーテル1200を示しており、このカテーテル1200は、管状部材1202、スリーブ1204、近位部材1206、および遠位部材1212を有する。図13A図13Dは、カテーテル1200をいつでも挿入可能でありかつ引っ込められた形態で示している。図13Aは、カテーテル1200の斜視図である。図13Bは、カテーテル1200の平面図である。図13Cは、カテーテル1200の側面断面図である。図13Dは、フィラメント1270の拡大図である。カテーテル1200は、本明細書で説明するように膀胱の排尿を容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるのが良い。カテーテル1200の諸観点および諸コンポーネントについて本開示内容の他の実施形態に関してさらに説明する場合がある。その意味において、互いに類似したコンポーネントには本開示内容全体を通じて下2桁の数字が同じである参照符号が与えられている。
【0068】
カテーテル1200は、スリーブ1204が管状部材1202内に実質的に存在している引っ込み形態でユーザに提供可能である。スリーブ1204は、近位部材1206にその近位端部1226のところで取り付けられるのが良い。近位端部1226は、管状部材1272の近位端部の開口部上で反転しまたは丸まって管状部材1202の内側ルーメン中に入ることができる。スリーブ1204は、管状部材1202の内側ルーメンを貫通してその遠位端部1228がシャトル1218に取り付けられるのが良い。シャトル1218は、管状部材1202の内側ルーメン内を摺動するよう構成されているのが良い。シャトル1218は、スリーブ1204の開通性を維持するようスリーブ1204よりも大きなフープ強度を有する管状部材であるのが良い。フィラメント1270は、アイレット、結び目、接着剤、および/または溶接部によりシャトル1218に取り付けられるのが良い。管状部材1202は、望ましい取り扱い、挿入、およびドレナージをもたらすよう低プロフィールを有する。ユーザが近位部材1206を尿道にいったん係合させると、ユーザは、カテーテル1200を押すとともに/あるいは管状部材1202上でこれに沿って摺動する近位部材1206を引っ込めることによって、管状部材を尿道中に前進させることができる。スリーブ1204は、管状部材1202が尿道および/または膀胱を通って前進しているときに(図2A図2Dに同様に示されているように)管状部材1202上で反転する。スリーブ1204の前進により、管状部材1202を通って第1のシャトル1218もまた前進することができる。
【0069】
フィラメント1270は、膀胱の排尿の完了時に管状部材1202の抜去を容易にするプル部材1272を有するのが良い。フィラメント1270は、スリーブ1204の遠位端部1228が取り付けられたシャトル1218に取り付けられるのが良い。カテーテル1200のいつでも使用可能でありかつ引っ込められた形態では、フィラメント1270は、カテーテル1200内で長手方向にループ状にされるとともに/あるいは束状にされるのが良い。図13Dに示されているように、フィラメント1270は、プル部材1272から遠位部材1212または管状部材1202の側壁を貫通して設けられた孔1274を通って延び、そしてカテーテル1200から延び出るのが良く、孔1274は、カテーテル1200の遠位端部の近位側に位置している。遠位部材1212の側壁を貫通して延びる孔1274は、改善された角度およびカテーテル1200の挿入の妨害を最小限にすることに起因して特に望ましいといえる。次に、フィラメント1270は、遠位部材1212および/または管状部材1202を近位側に貫通するのが良い。フィラメント1270は、シャトル1218を近位側に通り過ぎ、そしてこれを貫通して延びるのが良い。フィラメント1270は、次に、第1の180°の曲がり部を遠位側に作るのが良い。フィラメント1270は、シャトル1218を遠位側に通り過ぎ、そしてこれを貫通して延びるのが良い。フィラメント1270は、次に、第2の180°の曲がり部を近位側に作るのが良い。フィラメント1270は、次に、近位側に延びてシャトル1218に剛性的に連結されるのが良い。しかしながら、フィラメント1270は、単一の180°の曲がり部を備えた状態で長手方向のループ状にされるとともに/あるいは束状にされても良い。フィラメント1270をループ状にするとともに/あるいは束状にすることにより、カテーテル1200内におけるフィラメントの貯蔵および滅菌性を保証することができる。カテーテル1200の挿入中、フィラメント1270は、スリーブ1204が管状部材1202の外面上で反転して延びているときに真っ直ぐになることができる。膀胱の排尿後、ユーザは、フィラメント1270の引っ込み/引き動作を行ってスリーブ挿入機構体を逆転させることができ、その結果、管状部材1202は、カテーテル1200と尿道との間の運動摩擦がない状態で尿道から引っ込む。フィラメント1270の引っ込みにより、管状部材1202のルーメンを通ってシャトル1218を遠位側に引くことができる。シャトル1218は、スリーブ1204を管状部材1202のルーメン中に引き込んで引っ込み形態にすることができる。
【0070】
図13Aおよび図13Bに示されているように、カテーテル1200は、あらかじめ取り付けられた袋1290が遠位部材1212と流体連通状態をなした状態で包装されるのが良い。包装されると、袋1290は、遠位部材1212に巻き付けられて覆い被さるスリーブ1292により巻き付け形態で固定されるのが良い。かくして、パッケージを開封した後、ユーザは、覆い被さっているスリーブ1292を取り外して使用に先立って袋1290を広げるのが良い。袋1290を備えた実施形態では、遠位部材1212は、袋1290中への向上した流体の流れを提供するよう管状延長部1213を受け入れるのが良い。管状延長部1213は、締まり嵌めまたはねじ込み嵌めにより遠位部材1212のルーメン内に受け入れられるのが良い。支持部材1294がプル部材1272を袋1290の外部の近位形態に保つよう袋1290内に収納されるのが良い。支持部材1294は、プル部材1272の遠位側部に当接するよう遠位部材1212周りに設けられたスリーブまたはラップであるのが良い。さらに上述したように、近位部材1206は、組織係合部材1222および取り扱い部分1220を含む分離可能なコンポーネントを有するのが良い。取り扱い部分1220は、ユーザのつかみ具合を高めるための1つまたは2つ以上のリブおよび/または溝その他を有するのが良い。組織係合部材1222は、女性の解剖学的構造に係合するための凸状の近位表面を有するのが良い。変形例として、組織係合部材は、男性の解剖学的構造に係合するための凹状近位表面を有しても良い。
【0071】
図14A図14Cは、本明細書において開示した管状部材のうちの任意のものの近位部分の種々の形態を示しており、かかる管状部材としては、かかる管状部材の近位部分を管状部材の残部よりも可撓性または軟性が比較的高いようにする特徴部を備えた管状部材102,202,302,402,502,602,702,802,902,1002,1102,1202が挙げられる。かかる特徴部は、パターンをなした穴を有するのが良い。図14Aおよび図14Cに示されている1組の実施例として、穴は、4本の線上に形成され、1本の線が管の4つの側部上にそれぞれ設けられ、穴の第1の線の対をなす穴が設けられ、長手方向に整列するとともに互いに向いている2つの互いに反対側の側部上にそれぞれ1本の線が設けられ、穴の第2の線の対をなす穴が設けられ、長手方向に整列するとともに互いに向いている他の2つの反対側の側部上にそれぞれ1本の線が設けられているが、第1の線の対と第2の線の対は、1本の線中の穴相互間の間隔1つ分の距離だけ互いに対して長手方向にオフセットしている。図14Aに示されている実施例では、穴は、形状が長円形または楕円形であるのが良く、他方、図14Cに示されている実施例では、穴は、円形であるのが良い。図14Bに示されている実施例では、管の壁に設けられた刻み線(スコアライン)または切れ目が螺旋のパターンをなしており、螺旋のピッチは、一定しておらず、そして螺旋が管の先端に向かって進むにつれて密にまたは小さくなっている。管の近位部分の可撓性が高い場合、それにより、特に移動経路が湾曲しまたは曲がりくねっている場合、尿道を通る挿入を容易にすることができる。しかしながら、図14A図14Cに示されている種々の形態を本明細書に開示したようなカテーテル管に沿うどこの場所でも使用することができ、それにより特定の長さの管を幾分可撓性にすることができる。有利には、管状部材、例えば管状部材102,202,302,402,502,602,702,802,902,1002,1102,1202における図14A図14Cに示されている種々のパターンと外部スリーブ、例えばスリーブ104,204,304,404,504,604,704,804,904,1004,1104,1204の使用は、組立体の折り畳みまたは曲げを容易にし、さらに依然として、流体の流れをスリーブの存在に起因してカテーテルルーメン沿いに下方に運ぶことになる。
【0072】
本開示内容のカテーテルおよび種々の実施形態としてのカテーテル100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200を種々の材料で作ることができる。有利には、スリーブ104,204,304,404,504,604,704,804,904,1004,1104,1204を高密度ポリエチレンフィルムで作るのが良く、管状部材102,202,302,402,502,602,702,802,902,1002,1102,1202をポリ塩化ビニル(PVC)で作るのが良いことが発見され、これらの組み合わせは、カテーテルシステム内の低内部摩擦の観点で優れた性能をもたらし、他の材料に対して安価であるという点で関連の利益をもたらす。スリーブ104,204,304,404,504,604,704,804,904,1004,1104,1204は、汚染の恐れを減少させるために乾燥状態でありかつ被覆されていないのが良い。フィラメント770,870,970,1070,1170,1270をプラスチックまたは金属で作ることができ、これらフィラメントは、編成または織成ストリングまたはモノフィラメントを具体化している。カテーテル100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200の各々は、女性の解剖学的構造に係合可能な近位端部分(例えば、図12A図12Dに示されている1106)または弾性の解剖学的構造に係合可能な近位端部分(例えば、図12Eに示されている1106′)を有するのが良い。カテーテル100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200の各々は、尿を集めるためにあらかじめ取り付けられた袋(例えば、図12F図13Aおよび図13Bに示されているような1190または1290)を備えた状態で包装されても良く、あるいは、浴室内容器中に尿を直接流すためにあらかじめ取り付けられた袋なしで包装されても良い(例えば、図12A図13Cに示されている)。カテーテル100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200は、主として、膀胱のドレナージを容易にするよう尿道を通ってかつ/あるいは膀胱中に挿入されるものとして本明細書において説明されている。しかしながら、カテーテル100を血管手技において、導入補助手段として、かつ/あるいは幾つもの他の用途向きに使用できる。
【0073】
本明細書において説明した無摩擦カテーテルの多くの特徴および利点は、詳細な説明から明らかであり、かくして、特許請求の範囲の記載は、本願の範囲内に属するかかる全ての特徴および利点に及ぶ。さらに、多くの改造および変形が可能である。したがって無摩擦カテーテルを説明するとともに図示した構成および作用そのものに限定することは望ましくなく、したがって、全ての適当な改造例および均等例は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるといえる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
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図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
【手続補正書】
【提出日】2022-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位開口部および遠位開口部を有し、流体を前記近位開口部中に通し、前記遠位開口部から出すのを可能にするように構成されているカテーテルであって、
前記近位開口部と前記遠位開口部の間のルーメンおよび外面を備えた管状部材と、
引っ込み形態では前記管状部材の前記ルーメン内に位置決めされ、反転形態では前記管状部材の前記外面の少なくとも一部分上で反転するよう構成されたスリーブと、
前記スリーブの近位部分に取り付けられた近位部材と、を有し、前記近位部材は、前記管状部材上で前記スリーブを反転させるために、前記管状部材上を摺動するよう構成されており、
前記スリーブを引っ込めて該スリーブを前記引っ込み形態にするよう構成されたフィラメントをさらに有し、
前記フィラメントは、前記スリーブが前記引っ込み形態から前記反転形態に反転するときに、真っ直ぐになる、カテーテル。
【請求項2】
前記フィラメントは、前記スリーブが前記引っ込み形態にあるとき、前記カテーテル内でループ状にされ、コイル状にされるとともに/あるいは束状にされる、請求項1記載のカテーテル。
【請求項3】
前記フィラメントは、付勢されて、ループ状にされ、コイル状にされるとともに/あるいは束状にされる、請求項2記載のカテーテル。
【請求項4】
前記フィラメントに連結されており、前記スリーブを引っ込めるよう構成されているばねをさらに有する、請求項2記載のカテーテル。
【請求項5】
前記ばねは、前記ハウジングに収容されている、請求項4記載のカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルの遠位端部の近位側に設けられた孔をさらに有し、前記フィラメントは、前記孔を通って前記ルーメンから前記カテーテルの外へ延びている、請求項1または2記載のカテーテル。
【請求項7】
前記遠位開口部を備える遠位部材をさらに有する、請求項1~6のいずれか1項記載のカテーテル。
【請求項8】
前記孔は、前記遠位部材または前記管状部材を貫通して延びている、請求項7記載のカテーテル。
【請求項9】
前記遠位部材は、漏斗から成る、請求項7または8記載のカテーテル。
【請求項10】
前記フィラメントの遠位端部に設けられたプル部材をさらに有する、請求項1~9のいずれか1項記載のカテーテル。
【請求項11】
前記プル部材は、プルリングまたはプルタブから成る、請求項10記載のカテーテル。
【請求項12】
前記スリーブの遠位端部に取り付けられたシャトルをさらに有し、前記シャトルは、前記スリーブの開通性を維持するよう構成された管状部材から成り、前記フィラメントは、前記シャトルに係合して前記スリーブを前記ルーメン中に引っ込める、請求項1~11のいずれか1項記載のカテーテル。
【請求項13】
前記フィラメントは、前記引っ込み形態において前記シャトルを越えて近位側に延びる、請求項12記載のカテーテル。
【請求項14】
前記フィラメントは、前記シャトルに取り付けられている、請求項12または13記載のカテーテル。
【請求項15】
前記管状部材は、該管状部材の近位部分の可撓性を増大させるために前記管状部材の近位部分を貫通して延びる少なくとも1つの切れ目または穴を有する、請求項1~14のいずれか1項記載のカテーテル。
【請求項16】
前記少なくとも1つの切れ目または穴は、前記管状部材の長さの1/2未満に沿って延びている、請求項9記載のカテーテル。
【請求項17】
前記少なくとも1つの切れ目または穴は、変化のある可撓性をもたらすよう前記近位部分の長さに沿って変化している、請求項15または16記載のカテーテル。
【請求項18】
前記近位部材は、組織係合部材、および、ハンドル部材を有する、請求項1~17のいずれか1項記載のカテーテル。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項記載のカテーテルと、
前記管状部材の遠位側に位置決めされた袋と、を含む、カテーテル組立体。
【請求項20】
ある量の流体を排出する方法であって、前記方法は、
請求項1~18のいずれか1項記載の前記カテーテルを受け入れるステップと、
前記管状部材を体内管腔中に挿入するステップと、
前記スリーブを前記管状部材の前記ルーメンから前記管状部材の前記外面上で反転させるステップと、
前記フィラメントを引いて前記スリーブを前記ルーメン中に引き込み、それにより前記管状部材を前記体内管腔から抜去するステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記カテーテルを受け入れる際、前記フィラメントを前記カテーテルの前記ルーメン内でループ状にし、コイル状にし、または束状にする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記スリーブを引く前記ステップは、前記カテーテルの前記孔を通って前記フィラメントを引くステップを含む、請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
前記スリーブを引く前記ステップは、前記フィラメントの近位端部に取り付けられたプルタブまたはプルリングを引くステップを含む、請求項20~22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記スリーブを引く前記ステップは、前記フィラメントの付勢、または、前記フィラメントに連結されたばねによる、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
前記スリーブの近位端部に固定された近位部材を摺動させて前記スリーブを前記外面上で反転させるステップをさらに含む、請求項20~24のいずれか1項記載の方法。
【外国語明細書】